JP2001133198A - 加速装置、電力蓄積装置及び発射装置 - Google Patents

加速装置、電力蓄積装置及び発射装置

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JP2001133198A
JP2001133198A JP31549999A JP31549999A JP2001133198A JP 2001133198 A JP2001133198 A JP 2001133198A JP 31549999 A JP31549999 A JP 31549999A JP 31549999 A JP31549999 A JP 31549999A JP 2001133198 A JP2001133198 A JP 2001133198A
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Nobuyuki Higuchi
信之 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの面で有利に、大きなエネルギを得る
のに好適な加速装置、電力蓄積装置および発射装置を提
供する。 【解決手段】 加速媒体10を環状の加速管400内で
加速する装置であって、磁気の吸引力または反発力によ
り加速媒体10の周回軌道を加速管400の偏向軌道に
沿って偏向する偏向部420と、磁気の吸引力または反
発力により加速媒体10を加速する加速部450とを備
えた。加速部450は、加速用電磁石22,24をそれ
ぞれ加速管400の内周面に沿って設けるとともにその
順で加速管400の延長方向に沿って配置してなり、加
速媒体10が加速用電磁石22を通過する前は、加速媒
体10の磁極と反対の磁極となるように加速用電磁石2
2を磁化させることにより、加速媒体10が加速用電磁
石24を通過する前は、加速媒体10の磁極と反対の磁
極となるように加速用電磁石24を磁化させることによ
り、加速媒体10を加速する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速媒体を環状の
加速管内で加速する装置に係り、特に、コストの面で有
利に、大きなエネルギを得るのに好適な加速装置、電力
蓄積装置および発射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速で物体を発射させる装置とし
ては、例えば、銃や加速器があった。これらは、破壊や
加工等を行うために、大きなエネルギを得ることを目的
としている。なお、従来、加速器としては、例えば、図
13に示すようなものがあった。図13は、従来の加速
器の構成を示す図である。
【0003】加速器100は、図13に示すように、電
子線、荷電粒子等の加速媒体を発生させる加速媒体発生
装置201と、加速媒体を加速するための環状の加速管
400と、加速媒体発生装置201で発生させた加速媒
体を加速管400内に入射するための入射管300と、
加速媒体を加速管400内から取り出して外部に射出す
るための射出管500とで構成されている。
【0004】加速管400には、入射管300から加速
管400内に加速媒体を取り込む入射器410と、加速
媒体の周回軌道を偏向するための偏向磁石421、4極
磁石430、およびステアリング磁石440と、加速媒
体を加速する加速空洞451と、加速管400から射出
管500に加速媒体を取り込む射出器460とが設けら
れている。
【0005】加速媒体発生装置201により発生させら
れた低速の加速媒体は、入射管300、入射器410を
介して加速管400内に入射される。加速管400内に
入射された加速媒体は、偏向磁石421、4極磁石43
0、およびステアリング磁石440により、周回軌道に
保持させられる。その後、加速空洞451により、その
電磁石の励磁量を増加しながら加速電界を印加すること
により、加速媒体が高速に加速される。所望の速度まで
加速された加速媒体は、射出器460、射出管500を
介して外部に射出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
銃にあっては、火薬の爆発により弾丸を加速するように
なっているが、爆発のエネルギが放射状に広がることか
ら弾丸以外のものへの影響が大きいため、弾丸以外のも
のを破損しない範囲でしか爆発力を高めることができな
い。
【0007】また、上記従来の加速器にあっては、電子
線、荷電粒子等のように質量が極めて小さい物質が用い
られていた。つまり、加速することができる加速媒体の
質量に限界があったために、加速された加速媒体からは
さほど大きなエネルギを得ることができなかった。この
ため、こうした加速器を、例えば、大型の加工機として
用いたり掘削機として用いたりするには、加速媒体から
得られるエネルギが不十分であるため、実用に適さなか
った。そこで、このような場合には、加速媒体として重
イオン等の比較的質量が大きいものを用いて、大きなエ
ネルギを得ようとするものが考えられる。しかし、大き
いといっても、原子レベルの大きさである。
【0008】そこで、本発明は、このような従来の問題
を解決することを課題としており、コストの面で有利
に、大きなエネルギを得るのに好適な加速装置、電力蓄
積装置および発射装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1記載の加速装置は、磁気発生
可能な加速媒体を環状の加速管内で加速する装置であっ
て、磁気の吸引力または反発力により前記加速媒体の周
回軌道を前記加速管の偏向軌道に沿って偏向する偏向手
段と、磁気の吸引力または反発力により前記加速媒体を
加速する加速手段とを備える。
【0010】このような構成であれば、加速管内では、
偏向手段により、加速媒体の磁気と偏向手段の磁気とに
よって生ずる吸引力または反発力により、加速媒体の周
回軌道が加速管の偏向軌道に沿って偏向され、加速手段
により、加速媒体の磁気と加速手段の磁気とによって生
ずる吸引力または反発力により、加速媒体が加速され
る。
【0011】一方、本発明に係る請求項2記載の電力蓄
積装置は、電力を蓄積する装置であって、請求項1記載
の加速装置により電力を蓄積するようになっている。こ
のような構成であれば、電力を蓄積する場合は、蓄積し
ようとする電力により加速媒体を加速することにより、
運動エネルギとして電力が蓄積される。さらに、本発明
に係る請求項3記載の電力蓄積装置は、請求項2記載の
電力蓄積装置において、前記加速媒体の運動エネルギを
電気エネルギに変換するエネルギ変換手段を備える。
【0012】このような構成であれば、電力を蓄積する
場合は、蓄積しようとする電力により加速媒体を加速す
ることにより、運動エネルギとして電力が蓄積され、蓄
積した電力を使用する場合は、エネルギ変換手段によ
り、加速媒体の運動エネルギが電気エネルギに変換され
る。ここで、エネルギ変換手段は、どのような構成のも
のであってもよいが、具体的には、例えば、電磁コイル
を、その磁化方向を加速管の延長方向と一致させて加速
管に設けてなる。
【0013】このような構成であれば、加速媒体が電磁
コイルを通過すると、電磁誘導により、加速媒体の運動
エネルギが電気エネルギに変換される。一方、本発明に
係る請求項4記載の発射装置は、発射媒体を発射する装
置であって、請求項1記載の加速装置により前記加速媒
体を前記発射媒体として加速し発射するようになってい
る。
【0014】このような構成であれば、請求項1記載の
加速装置により加速媒体が発射媒体として加速されて発
射される。以上では、上記目的を達成するための加速装
置を提案したが、これに限らず、上記目的を達成するた
めに、次に掲げる第3ないし第15、第17ないし第2
9の加速装置を提案することができる。
【0015】さらに、第3の加速装置は、請求項1記載
の加速装置において、前記加速管は、直線軌道を有し、
前記加速手段を前記直線軌道上に設けた。このような構
成であれば、加速管の直線軌道上では、加速手段によ
り、加速媒体の磁気と加速手段の磁気とによって生ずる
吸引力または反発力により、加速媒体が加速される。
【0016】したがって、加速媒体の周回軌道を偏向し
ながら加速媒体を加速する場合に比して、偏向による加
速制限を受けることがないので、加速媒体を高加速度で
加速することができるという効果が得られる。さらに、
第4の加速装置は、請求項1記載の加速装置および第3
の加速装置のいずれかにおいて、前記加速手段は、前記
加速媒体を加速するための加速用電磁石を前記加速管の
周面に沿って設けてなり、前記加速媒体が前記加速用電
磁石を通過する前は、前記加速媒体の磁極と反対の磁極
となるように前記加速用電磁石を磁化させることにより
前記加速媒体を加速するようになっている。
【0017】このような構成であれば、加速媒体が加速
用電磁石に接近すると、加速手段により、加速媒体の磁
極と反対の磁極となるように加速用電磁石が磁化されて
いるので、加速媒体の磁気と加速用電磁石の磁気とによ
って生ずる吸引力により、加速媒体が加速される。した
がって、加速管の直線軌道上で加速媒体を高加速度で加
速することができるという効果が得られる。
【0018】さらに、第5の加速装置は、第4の加速装
置において、前記加速手段は、前記加速媒体が前記加速
用電磁石を通過した直後に、前記加速媒体の磁極と同一
の磁極となるように前記加速用電磁石を磁化させること
により前記加速媒体を加速するようになっている。この
ような構成であれば、加速媒体が加速用電磁石を通過す
ると、加速手段により、その直後に加速媒体の磁極と同
一の磁極となるように加速用電磁石が磁化されるので、
加速媒体の磁気と加速用電磁石の磁気とによって生ずる
反発力により、加速媒体が加速される。
【0019】したがって、加速媒体の磁気と加速用電磁
石の磁気とによって生ずる吸引力および反発力を利用し
て加速媒体をさらに高加速度で加速することができると
いう効果が得られる。さらに、第6の加速装置は、請求
項1記載の加速装置および第3の加速装置のいずれかに
おいて、前記加速手段は、前記加速媒体を加速するため
の第1の加速用電磁石と、前記加速媒体を加速するため
の第2の加速用電磁石とをそれぞれ前記加速管の周面に
沿って設けるとともにその順で前記加速管の延長方向に
沿って配置してなり、前記加速媒体が前記第1の加速用
電磁石を通過する前は、前記加速媒体の磁極と反対の磁
極となるように前記第1の加速用電磁石を磁化させるこ
とにより、前記加速媒体が前記第2の加速用電磁石を通
過する前は、前記加速媒体の磁極と反対の磁極となるよ
うに前記第2の加速用電磁石を磁化させることにより、
前記加速媒体を加速するようになっている。
【0020】このような構成であれば、加速媒体が第1
の加速用電磁石に接近すると、加速手段により、加速媒
体の磁極と反対の磁極となるように第1の加速用電磁石
および第2の加速用電磁石が磁化されているので、加速
媒体の磁気と第1の加速用電磁石および第2の加速用電
磁石の磁気とによって生ずる吸引力により、加速媒体が
加速される。そして、加速媒体が第1の加速用電磁石を
通過して第2の加速用電磁石に接近すると、加速手段に
より、加速媒体の磁極と反対の磁極となるように第2の
加速用電磁石が磁化されているので、加速媒体の磁気と
第2の加速用電磁石の磁気とによって生ずる吸引力によ
り、加速媒体がさらに加速される。
【0021】したがって、加速管の直線軌道上で加速媒
体を高加速度で加速することができるばかりか、加速媒
体の磁気と第1の加速用電磁石および第2の加速用電磁
石の磁気とによって生ずる吸引力を利用して加速媒体を
さらに高加速度で加速することができるという効果が得
られる。さらに、第7の加速装置は、第6の加速装置に
おいて、前記加速手段は、前記加速媒体が前記第1の加
速用電磁石を通過した直後に、前記加速媒体の磁極と同
一の磁極となるように前記第1の加速用電磁石を磁化さ
せることにより、前記加速媒体が前記第2の加速用電磁
石を通過した直後に、前記加速媒体の磁極と同一の磁極
となるように前記第2の加速用電磁石を磁化させること
により、前記加速媒体を加速するようになっている。
【0022】このような構成であれば、加速媒体が第1
の加速用電磁石を通過すると、加速手段により、その直
後に加速媒体の磁極と同一の磁極となるように第1の加
速用電磁石が磁化されるとともに、加速媒体の磁極と反
対の磁極となるように第2の加速用電磁石が磁化されて
いるので、加速媒体の磁気と第1の加速用電磁石の磁気
とによって生ずる反発力および加速媒体の磁気と第2の
加速用電磁石の磁気とによって生ずる吸引力により、加
速媒体が加速される。そして、加速媒体が第2の加速用
電磁石を通過すると、加速手段により、その直後に加速
媒体の磁極と同一の磁極となるように第2の加速用電磁
石が磁化されるとともに、加速媒体の磁極と同一の磁極
となるように第1の加速用電磁石が磁化されているの
で、加速媒体の磁気と第1の加速用電磁石および第2の
加速用電磁石の磁気とによって生ずる反発力により、加
速媒体がさらに加速される。
【0023】したがって、特に、第1の加速用電磁石と
第2の加速用電磁石との間の加速区間において、加速媒
体の磁気と第1の加速用電磁石および第2の加速用電磁
石の磁気とによって生ずる吸引力および反発力を利用し
て加速媒体をさらに高加速度で加速することができると
いう効果が得られる。さらに、第8の加速装置は、第6
および第7の加速装置のいずれかにおいて、前記加速手
段は、前記加速管の延長方向に対して直交する方向に前
記加速媒体の軌道を修正するための第1の軌道修正用電
磁石を、前記加速管の周面に沿って設けるとともに前記
加速管の延長方向で前記第1の加速用電磁石および前記
第2の加速用電磁石の前に配置し、前記加速管の延長方
向に対して直交する方向に前記加速媒体の軌道を修正す
るための第2の軌道修正用電磁石を、前記加速管の周面
に沿って設けるとともに前記加速管の延長方向で前記第
1の加速用電磁石および前記第2の加速用電磁石の後に
配置してなる。
【0024】このような構成であれば、加速媒体が第1
の軌道修正用電磁石を通過すると、加速媒体の磁気と第
1の軌道修正用電磁石とによって生ずる磁気力により、
加速管の延長方向に対して直交する方向に加速媒体の軌
道が修正され、加速媒体が第1の加速用電磁石に入射さ
れる。そして、加速媒体が第2の加速用電磁石を通過し
て第2の軌道修正用電磁石を通過すると、加速媒体の磁
気と第2の軌道修正用電磁石とによって生ずる磁気力に
より、加速管の延長方向に対して直交する方向に加速媒
体の軌道が修正される。
【0025】したがって、加速媒体を加速することによ
り、加速管の延長方向に対して直交する方向に加速媒体
の軌道がずれる可能性が少なくなるので、加速媒体の軌
道を比較的安定に保持しつつ加速媒体を加速することが
できるという効果が得られる。さらに、第9の加速装置
は、第6ないし第8の加速装置のいずれかにおいて、前
記加速手段は、前記加速媒体を浮上させるための浮上用
磁石を、前記第1の加速用電磁石と前記第2の加速用電
磁石との間で、前記加速媒体の磁極と同一の磁極を前記
加速管の垂直方向上側に向けて前記加速管の底部に設け
てなる。
【0026】このような構成であれば、第1の加速用電
磁石と第2の加速用電磁石との間では、加速媒体の磁気
と浮上用磁石の磁気とによって生ずる反発力により、加
速媒体が浮上する。したがって、加速媒体を加速する過
程において、重力落下により加速媒体の軌道がずれる可
能性が少なくなるので、加速媒体の軌道を比較的安定に
保持しつつ加速媒体を加速することができるという効果
が得られる。
【0027】さらに、第10の加速装置は、第4ないし
第9の加速装置のいずれかにおいて、前記加速手段は、
前記加速媒体の速度および位置を測定する測定手段を、
前記加速管の延長方向で前記電磁石の前に設けてなり、
前記測定手段の測定結果に基づいて、前記電磁石の磁化
タイミングおよび磁力を決定するようになっている。こ
のような構成であれば、測定手段により、加速媒体の速
度および位置が測定され、測定された速度および位置に
基づいて、電磁石の磁化タイミングおよび磁力が決定さ
れる。
【0028】したがって、加速媒体が状況により微妙に
軌跡が変化しても、その軌跡をある程度修正することが
できるので、加速手段において加速媒体の軌跡を制御す
るのが比較的容易となるという効果が得られる。さら
に、第11の加速装置は、第10の加速装置において、
前記測定手段は、前記加速媒体の速度を測定する速度測
定手段と、前記加速管の延長方向に対して直交する方向
で前記加速媒体の水平方向の位置を測定する水平位置測
定手段と、前記加速管の延長方向に対して直交する方向
で前記加速媒体の垂直方向の位置を測定する垂直位置測
定手段とを含む。
【0029】このような構成であれば、速度測定手段に
より、加速媒体の速度が測定される。また、水平位置測
定手段により、加速管の延長方向に対して直交する方向
で加速媒体の水平方向の位置が測定され、垂直位置測定
手段により、加速管の延長方向に対して直交する方向で
加速媒体の垂直方向の位置が測定される。したがって、
加速手段において加速媒体の軌跡を制御するのがさらに
容易となるという効果が得られる。
【0030】さらに、第12の加速装置は、請求項1記
載の加速装置および第3ないし第11の加速装置のいず
れかにおいて、前記偏向手段は、前記加速媒体の周回軌
道を偏向するための偏向用磁石を、前記加速媒体の磁極
と同一の磁極を前記加速管の半径方向内側に向けて前記
加速管の半径方向外側に設けてなる。このような構成で
あれば、加速管の偏向軌道上では、加速媒体の磁気と偏
向用磁石の磁気とによって生ずる反発力と、加速媒体の
遠心力とが平衡することにより、加速媒体の周回軌道が
加速管の偏向軌道に沿って偏向される。
【0031】したがって、加速管の偏向軌道上で加速媒
体の周回軌道をその偏向軌道に沿って偏向することがで
きるばかりか、偏向用磁石の磁気力を加速媒体の遠心力
に応じて変化させれば、異なる速度の加速媒体の周回軌
道を同一の径で偏向することができるという効果が得ら
れる。さらに、第13の加速装置は、第12の加速装置
において、前記偏向用磁石は、前記加速管の延長方向か
らみて前記加速管の半径方向外側を谷としたV字型に配
置されている。
【0032】このような構成であれば、加速管の偏向軌
道上では、偏向用磁石によって形成される磁気がV字型
となるので、加速媒体が偏向用磁石によって形成される
磁気の谷部で、加速媒体の磁気と偏向用磁石の磁気とに
よって生ずる反発力と、加速媒体の遠心力とが平衡す
る。このため、何らかの原因により加速媒体の周回軌道
が多少ずれても、加速媒体は、次第に偏向用磁石によっ
て形成される磁気の谷部に収束する。
【0033】したがって、加速媒体の周回軌道が多少ず
れても、加速媒体は、次第に偏向用磁石によって形成さ
れる磁気の谷部に収束するので、加速媒体の軌道を比較
的安定に保持しつつ加速媒体の周回軌道を偏向すること
ができるという効果が得られる。さらに、第14の加速
装置は、第12および第13の加速装置のいずれかにお
いて、前記偏向手段は、前記加速媒体の周回軌道を偏向
するための第2の偏向用磁石を、前記加速媒体の磁極と
反対の磁極を前記加速管の半径方向外側に向けて前記加
速管の半径方向内側に設けてなる。
【0034】このような構成であれば、加速管の偏向軌
道上では、加速媒体の磁気と第2の偏向用磁石の磁気と
によって生ずる吸引力と、加速媒体の磁気と偏向用磁石
の磁気とによって生ずる反発力と、加速媒体の遠心力と
が平衡することにより、加速媒体の周回軌道が加速管の
偏向軌道に沿って偏向される。したがって、第12およ
び13のいずれかにの加速装置に比して、より強い遠心
力を抑えることができる。
【0035】したがって、加速媒体の磁気と偏向用磁石
および第2の偏向用磁石の磁気によって生ずる吸引力お
よび反発力を利用してさらに大きな遠心力に対抗するこ
とができるので、加速媒体をより大きな速度まで加速す
ることができるという効果が得られる。さらに、第15
の加速装置は、請求項1記載の加速装置および第3ない
し第14の加速装置のいずれかにおいて、前記加速媒体
は、その外側が一方の磁極にかつその内側が他方の磁極
となるように磁石を配置してなる。
【0036】このような構成であれば、一方の磁極が外
側に現れるので、見かけ上、その一方の磁極をもつ物質
が形成される。これを加速媒体として用いると、例え
ば、加速管の周囲に加速媒体の磁極と同一の磁極となる
ような磁界を印加したときは、この加速媒体は、加速管
内における所定領域でバランスされる。したがって、質
量が極めて大きい荷電粒子のような振る舞いをする。
【0037】したがって、磁石を配置するだけで加速媒
体を比較的簡単に製造することができることから、比較
的質量の大きな加速媒体を低コストで製造することがで
きるので、コストの面で有利に、大きなエネルギを得る
ことができるという効果が得られる。ここで、外側に現
れる磁極の密度は、不均一であってもよいが、加速管内
における平衡点を安定させるためには、均一であること
が好ましい。平衡点を安定させれば、加速中での軌道の
乱れを低減することができるからである。
【0038】また、外側には、少なくとも一方の磁極の
密度が他方の磁極の密度よりも多くなるように、一方の
磁極が現れていればよいが、同様に、加速管内における
平衡点を安定させるためには、一方の磁極がすべて現れ
ていることが好ましい。さらに、第17の加速装置は、
請求項1記載の加速装置および第3ないし第14の加速
装置のいずれかにおいて、前記加速媒体は、強磁性を有
しない導体である。
【0039】このような構成であれば、加速媒体を加速
管内の磁場中に置くと、電磁誘導により加速媒体の内部
に渦電流が発生し、これにより加速媒体が磁気を発生す
る。これを加速媒体として用いると、例えば、加速管の
周囲に加速媒体の磁極と同一の磁極となるような磁界を
印可したときは、この加速媒体は、加速管内における所
定領域でバランスされる。したがって、質量が極めて大
きい荷電粒子のような振る舞いをする。
【0040】したがって、強磁性を有しない導体を用い
るだけで加速媒体を比較的簡単に製造することができる
ことから、比較的質量の大きな加速媒体を低コストで製
造することができるので、コストの面で有利に、大きな
エネルギを得ることができるという効果が得られる。さ
らに、第18の加速装置は、請求項1記載の加速装置お
よび第3ないし第17の加速装置のいずれかにおいて、
前記加速媒体を浮上させるための浮上用磁石を、前記加
速管全周にわたり、前記加速媒体の磁極と同一の磁極を
前記加速管の垂直方向上側に向けて前記加速管の底部に
設けた。
【0041】このような構成であれば、加速管内では、
加速媒体の磁気と浮上用磁石の磁気とによって生ずる反
発力により、加速媒体が浮上する。したがって、加速媒
体を周回させる過程において、加速媒体への摩擦抵抗を
低減することができるばかりか、重力落下により加速媒
体の軌道がずれる可能性が少なくなるので、エネルギ損
失が少なくしかも加速媒体の軌道を比較的安定に保持し
つつ加速媒体を周回させることができるという効果が得
られる。
【0042】さらに、第19の加速装置は、第18の加
速装置において、前記浮上用磁石は、前記加速管の延長
方向からみて前記加速管の垂直方向下側を谷としたV字
型に配置されている。このような構成であれば、加速管
内では、浮上用磁石によって形成される磁気がV字型と
なるので、加速媒体が浮上用磁石によって形成される磁
気の谷部で浮上する。このため、何らかの原因により加
速媒体の周回軌道が多少ずれても、加速媒体は、次第に
浮上用磁石によって形成される磁気の谷部に収束する。
【0043】したがって、加速媒体の周回軌道が多少ず
れても、加速媒体は、次第に浮上用磁石によって形成さ
れる磁気の谷部に収束するので、加速媒体の軌道をさら
に安定に保持しつつ加速媒体を周回させることができる
という効果が得られる。さらに、第20の加速装置は、
請求項1記載の加速装置および第3ないし第19の加速
装置のいずれかにおいて、前記加速媒体を前記加速管内
に入射するための入射管、および前記加速媒体を前記加
速管内から取り出して外部に射出するための射出管を、
前記加速管の直線軌道において前記加速管の半径方向外
側に接続して設けた。
【0044】このような構成であれば、入射管を通じて
加速媒体が加速管の直線軌道において加速管の半径方向
外側から加速管内に入射され、射出管を通じて加速媒体
が加速管の直線軌道において加速管の半径方向外側から
取り出されて外部に射出される。したがって、加速媒体
が加速管に衝突する可能性を少なくすることができるの
で、加速媒体の速度を限界近くまであげても、その速度
を保持しつつ加速媒体を外部に射出することができると
いう効果が得られる。
【0045】さらに、第21の加速装置は、第20の加
速装置において、前記入射管から前記加速管内に前記加
速媒体を誘導するための誘導用電磁石を、前記入射管と
前記加速管との接続部の周面に沿って設けた。このよう
な構成であれば、入射管を通じて加速媒体が入射管と加
速管との接続部に接近すると、加速媒体の磁気と誘導用
電磁石の磁気とによって生ずる磁気力により、入射管を
通じて入射された加速媒体が加速管内に誘導される。
【0046】したがって、加速管の直線軌道上で入射管
から加速管内に加速媒体を誘導することができるばかり
か、誘導用電磁石の磁気力を加速媒体の入射速度に応じ
て変化させれば、異なる速度の加速媒体を誘導すること
ができるという効果が得られる。さらに、第22の加速
装置は、第21の加速装置において、前記加速媒体の磁
極と同一の磁極となるようにかつ前記加速管の半径方向
内側の磁力よりも外側の磁力が強くなるように前記誘導
用電磁石を磁化させることにより、または前記加速媒体
の磁極と反対の磁極となるようにかつ前記加速管の半径
方向外側の磁力よりも内側の磁力が強くなるように前記
誘導用電磁石を磁化させることにより、前記加速媒体を
誘導するようになっている。
【0047】このような構成であれば、入射管を通じて
加速媒体が入射管と加速管との接続部に接近すると、加
速媒体の磁極と同一の磁極となるようにかつ加速管の半
径方向内側の磁力よりも外側の磁力が強くなるように誘
導用電磁石が磁化され、入射管を通じて入射された加速
媒体が加速管内に誘導される。または、入射管を通じて
加速媒体が入射管と加速管との接続部に接近すると、加
速媒体の磁極と反対の磁極となるようにかつ加速管の半
径方向外側の磁力よりも内側の磁力が強くなるように誘
導用電磁石が磁化され、入射管を通じて入射された加速
媒体が加速管内に誘導される。
【0048】さらに、第23の加速装置は、第20の加
速装置において、前記加速管内から前記射出管に前記加
速媒体を誘導するための誘導用電磁石を、前記加速管と
前記射出管との接続部の周面に沿って設けた。このよう
な構成であれば、加速管内の加速媒体が加速管と射出管
との接続部に接近すると、加速媒体の磁気と誘導用電磁
石の磁気とによって生ずる磁気力により、加速管内の加
速媒体が射出管に誘導される。
【0049】したがって、加速管の直線軌道上で加速管
内から射出管に加速媒体を誘導することができるばかり
か、誘導用電磁石の磁気力を加速媒体の射出速度に応じ
て変化させれば、異なる速度の加速媒体を誘導すること
ができるという効果が得られる。さらに、第24の加速
装置は、第23の加速装置において、前記加速管内から
前記射出管に前記加速媒体を誘導するときは、前記加速
媒体の磁極と同一の磁極となるようにかつ前記加速管の
半径方向外側の磁力よりも内側の磁力が強くなるように
前記誘導用電磁石を磁化させることにより、または前記
加速媒体の磁極と反対の磁極となるようにかつ前記加速
管の半径方向内側の磁力よりも外側の磁力が強くなるよ
うに前記誘導用電磁石を磁化させることにより、前記加
速媒体を誘導するようになっている。
【0050】このような構成であれば、加速管内の加速
媒体が加速管と射出管との接続部に接近すると、加速媒
体の磁極と同一の磁極となるようにかつ加速管の半径方
向外側の磁力よりも内側の磁力が強くなるように誘導用
電磁石が磁化され、加速管内の加速媒体が射出管に誘導
される。または、加速管内の加速媒体が加速管と射出管
との接続部に接近すると、加速媒体の磁極と反対の磁極
となるようにかつ加速管の半径方向内側の磁力よりも外
側の磁力が強くなるように誘導用電磁石が磁化され、加
速管内の加速媒体が射出管に誘導される。
【0051】さらに、第25の加速装置は、請求項1記
載の加速装置および第3ないし第24の加速装置のいず
れかにおいて、前記加速管内を真空状態または低圧状態
にする真空ポンプを備える。このような構成であれば、
真空ポンプにより、加速管内が真空状態または低圧状態
にされ、真空状態または低圧状態で加速媒体が加速管内
で加速される。
【0052】したがって、加速媒体を周回させる過程に
おいて、加速媒体への空気抵抗を低減することができる
ばかりか、空気抵抗や空気中の塵等により加速媒体の軌
道がずれる可能性が少なくなるので、エネルギ損失が少
なくしかも加速媒体の軌道を比較的安定に保持しつつ加
速媒体を周回させることができるという効果が得られ
る。
【0053】さらに、第26の加速装置は、請求項1記
載の加速装置および第3ないし第19の加速装置のいず
れかにおいて、前記加速管内を真空状態または低圧状態
にする真空ポンプを備え、前記加速媒体を前記加速管内
から取り出して外部に射出するための射出管を、前記加
速管の直線軌道において前記加速管の半径方向外側に接
続して設けるとともに、空気の流入を遮断する遮断機を
前記射出管内に設け、前記加速媒体が前記遮断機を通過
するときにのみ当該遮断機を開放するようになってい
る。
【0054】このような構成であれば、真空ポンプによ
り、加速管内が真空状態または低圧状態にされ、真空状
態または低圧状態で加速媒体が加速管内で加速される。
そして、射出管を通じて加速媒体が加速管の直線軌道に
おいて加速管の半径方向外側から取り出され、加速媒体
が遮断機に接近すると、遮断機が開放し、加速媒体が遮
断機を通過すると、遮断機が閉鎖する。
【0055】したがって、加速管内への空気の流入を防
止することができるので、加速管内を比較的低圧状態に
保つことができるという効果が得られる。さらに、第2
7の加速装置は、第26の加速装置において、前記射出
管の延長方向に沿って前記遮断機を複数設けた。このよ
うな構成であれば、加速媒体が遮断機に接近するごと
に、それぞれの遮断機が開放し、加速媒体が遮断機を通
過するごとに、それぞれの遮断機が閉鎖する。
【0056】したがって、加速管内への空気の流入を段
階的に防止することができるので、加速管内をさらに低
圧状態に保つことができるという効果が得られる。さら
に、第28の加速装置は、第27の加速装置において、
前記複数の遮断機のうち前記射出管の射出口に最も近い
前記遮断機は、吸入方向を前記射出管の延長方向と一致
させかつ前記射出口に向けて配置したプロペラであり、
前記加速媒体が前記プロペラの羽の間を通過するように
前記プロペラの回転を制御するようになっている。
【0057】このような構成であれば、複数の遮断機の
うち射出管の射出口に最も近い遮断機が設けられたとこ
ろでは、その遮断機により、加速管内に通じる射出管内
の空気が射出口に向けて吸入・排出される。そして、加
速媒体がプロペラの羽の間を通過するようにプロペラの
回転が制御されるので、加速媒体がプロペラの羽に衝突
することなくその遮断機を通過する。
【0058】したがって、プロペラの回転により常時安
定した減圧が行われるので、加速管内をさらに低圧状態
に保つことができ、しかも加速媒体の射出も容易となる
という効果が得られる。さらに、第29の加速装置は、
請求項1記載の加速装置および第3ないし第28の加速
装置のいずれかにおいて、環状の第2の加速管を備え、
前記加速管と前記第2の加速管との間で前記加速媒体を
中継するための中継管を、その一端を前記加速管の直線
軌道において前記加速管の半径方向外側に接続するとと
もにその他端を前記第2の加速管の直線軌道において前
記第2の加速管の半径方向外側に接続して設け、前記第
2の加速管内で前記加速媒体が周回している場合に前記
第2の加速管内に新たな加速媒体を入射するときは、前
記第2の加速管内で周回している加速媒体の速度まで前
記新たな加速媒体を前記加速管内で加速し、加速した新
たな加速媒体を前記中継管を通じて前記第2の加速管内
に入射するようになっている。
【0059】このような構成であれば、第2の加速管内
で加速媒体が周回している場合に第2の加速管内に新た
な加速媒体を入射するときは、第2の加速管内で周回し
ている加速媒体の速度まで新たな加速媒体が加速管内で
加速され、加速された新たな加速媒体が加速管の直線軌
道において加速管の半径方向外側から取り出され、中継
管を通じて加速管の直線軌道において加速管の半径方向
外側から第2の加速管内に入射される。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図面を参照しながら説明する。図1ないし図5は、本
発明に係る加速装置の第1の実施の形態を示す図であ
る。この第1の実施の形態は、本発明に係る加速装置
を、図1に示すように、環状の加速管400内で、磁気
力により、磁気を発生する加速媒体10の周回軌道を偏
向するとともに加速媒体10を加速し、加速媒体10の
速度が所定となったときは、射出管500を通じて加速
媒体10を外部に発射する場合について適用したもので
ある。
【0061】まず、本発明に係る加速装置で加速する加
速媒体の構成を図1を参照しながら説明する。図1は、
加速媒体の構成を示す図である。加速媒体10は、図1
(a)に示すように、非磁性体からなる球形の核1を中
心部材としてその外周面に複数の永久磁石2を配置して
なり、永久磁石2は、S極が核1の中心を向き、N極が
核1の外側を向いている。各永久磁石2は、図1(b)
に示すように、N極とS極が互いに異なる面となる平面
板磁石で、S極の面がボルト3の上面に接着剤等で結合
しており、ボルト3を核1にねじ込むことにより核1と
結合している。このとき、個々の永久磁石2は、互いの
磁気の反発・吸引力によりヨーク化してしまうので、そ
れら永久磁石2をより強い力で物理的に固定することに
よりヨーク化や磁気の変化を防止する。
【0062】このように永久磁石2を結合した状態で
は、加速媒体10は、N極が外側に現れるので、見かけ
上、N極のみをもつ単極磁石として形成される。なお、
加速媒体10は、数[mm]〜数十[cm]程度の大きさに
形成される。次に、本発明に係る加速装置の構成を図2
を参照しながら説明する。図2は、本発明に係る加速装
置の構成を示す平面図である。
【0063】加速装置100は、図2に示すように、加
速媒体10を発射する加速媒体発射装置200と、加速
媒体10を加速するための環状の加速管400と、加速
媒体発射装置200で発射した加速媒体10を加速管4
00内に入射するための入射管300と、加速媒体10
を加速管400内から取り出して外部に射出するための
射出管500とで構成されている。
【0064】加速管400には、入射管300から加速
管400内に加速媒体を取り込む入射器410と、磁気
の吸引力または反発力により加速媒体の周回軌道を加速
管400の偏向軌道に沿って偏向する偏向部420と、
磁気の吸引力または反発力により加速媒体を加速する加
速部450と、加速管400から射出管500に加速媒
体を取り込む射出器460とが設けられている。ここ
で、偏向部420は、加速管400の4つの偏向軌道上
にそれぞれ設けられ、入射器410、射出器460およ
び加速部450は、加速管400の直線軌道上に設けら
れている。
【0065】加速管400の底部には、図示しないが、
加速媒体10を浮上させるための浮上用電磁石が加速管
400全周にわたり設けられている。この浮上用電磁石
は、加速媒体10の平衡位置が加速管400の延長方向
からみて中心点にくるように磁化するようになってい
る。すなわち、加速媒体10の磁極と同一の磁極である
N極が加速管400の垂直方向上側に向くように、か
つ、加速媒体10にかかる重力と、加速媒体10の磁気
と浮上用電磁石の磁気とによって生ずる反発力との合力
がその中心点において「0」となるように磁化するよう
になっている。なお、浮上用電磁石は、加速管400の
延長方向からみて加速管400の垂直方向下側を谷とし
たV字型に配置されている。
【0066】次に、加速部450の構成を図3を参照し
ながら説明する。図3は、加速管400の直線軌道の水
平方向の断面図である。加速部450は、図3に示すよ
うに、加速管400の延長方向に対して直交する方向に
加速媒体10の軌道を修正するための軌道修正用電磁石
20と、加速媒体10を加速するための加速用電磁石2
2と、加速媒体10を加速するための加速用電磁石24
と、加速管400の延長方向に対して直交する方向に加
速媒体10の軌道を修正するための軌道修正用電磁石2
6と、加速媒体10を浮上させるための浮上用電磁石2
8と、加速媒体10の速度を測定する速度測定センサ3
0aと、加速管400の延長方向に対して直交する方向
で加速媒体10の水平方向の位置を測定する水平位置測
定センサ30bと、加速管400の延長方向に対して直
交する方向で加速媒体10の垂直方向の位置を測定する
垂直位置測定手段30cとで構成されている。
【0067】軌道修正用電磁石20は、加速管400の
内周面に沿って設けられており、加速媒体10の平衡位
置が加速管400の延長方向からみて中心点にくるよう
に磁化するようになっている。すなわち、加速媒体10
の磁極と同一の磁極であるN極が加速管400の延長方
向からみて中心点を向くように、かつ、加速管400の
内周面全周にわたってその磁気の強さが均一となるよう
に磁化するようになっている。
【0068】加速媒体10は、加速時に生ずる摩擦を少
なくするため、加速管400内を磁気浮上による非接触
状態で加速する必要がある。そこで、軌道修正用電磁石
20が浮上をかねた軌道修正を行う。加速媒体10は、
見かけ上単極であるため、加速媒体10が軌道修正用電
磁石20を通過するときは、曲げたい方向と反対側の磁
気を強くすれば、その反発力により進行が変わる。これ
により、進行方向に対し水平の軌跡のずれを調整する。
垂直の軌跡のずれの調整も同様であるが、加速媒体10
の重力落下があらかじめ分かっているため、加速媒体1
0が軌道修正用電磁石20を通過するときに、落下分を
考慮して垂直方向上向きの力を加えることにより加速媒
体10の重力落下を防止する。
【0069】加速用電磁石22は、加速管400の内周
面に沿って設けられているとともに加速媒体10の進行
方向に対して軌道修正用電磁石20の後方に配置されて
おり、加速媒体10が加速用電磁石22を通過する前
は、加速媒体10の磁極と反対の磁極であるS極となる
ように磁化することにより、加速媒体10が加速用電磁
石22を通過した直後に、加速媒体10の磁極と同一の
磁極であるN極となるように磁化することにより、加速
媒体10を加速するようになっている。
【0070】加速用電磁石24は、加速管400の内周
面に沿って設けられているとともに加速媒体10の進行
方向に対して加速用電磁石24の後方に所定の加速区間
を隔てて配置されており、加速媒体10が加速用電磁石
24を通過する前は、加速媒体10の磁極と反対の磁極
であるS極となるように磁化することにより、加速媒体
10が加速用電磁石24を通過した直後に、加速媒体1
0の磁極と同一の磁極であるN極となるように磁化する
ことにより、加速媒体10を加速するようになってい
る。加速媒体10は、加速用電磁石22と加速用電磁石
24との間に設けられた加速区間において、加速媒体1
0の磁気と加速用電磁石22の磁気とによって生ずる反
発力、および加速媒体10の磁気と加速用電磁石24の
磁気とによって生ずる吸引力により、加速される。
【0071】軌道修正用電磁石26は、加速管400の
内周面に沿って設けられているとともに加速媒体10の
進行方向に対して加速用電磁石24の後方に配置されて
おり、加速媒体10の平衡位置が加速管400の延長方
向からみて中心点にくるように磁化するようになってい
る。すなわち、加速媒体10の磁極と同一の磁極である
N極が加速管400の延長方向からみて中心点を向くよ
うに、かつ、加速管400の内周面全周にわたってその
磁気の強さが均一となるように磁化するようになってい
る。
【0072】浮上用電磁石28は、加速用電磁石22と
加速用電磁石24との間で加速管400の底部に設けら
れており、加速媒体10の平衡位置が加速管400の延
長方向からみて中心点にくるように磁化するようになっ
ている。すなわち、加速媒体10の磁極と同一の磁極で
あるN極が加速管400の垂直方向上側に向くように、
かつ、加速媒体10にかかる重力と、加速媒体10の磁
気と浮上用電磁石28の磁気とによって生ずる反発力と
の合力がその中心点において「0」となるように磁化す
るようになっている。なお、浮上用電磁石28は、図示
しないが、加速管400の延長方向からみて加速管40
0の垂直方向下側を谷としたV字型に配置されている。
【0073】速度測定センサ30aは、加速媒体10の
進行方向に対して軌道修正用電磁石26の前方におい
て、加速管400の延長方向に沿って2つのセンサを配
置してなり、加速媒体10がその2つのセンサ間を通過
した時間を測定することにより、加速媒体10の速度を
測定するようになっている。水平位置測定センサ30b
は、加速媒体10の進行方向に対して軌道修正用電磁石
26の前方において、加速管400の延長方向からみて
加速管400の垂直方向に2つのセンサを配置してな
り、その2つのセンサにより、加速管400の延長方向
に対して直交する方向で加速媒体10の水平方向の位置
を測定するようになっている。
【0074】垂直位置測定センサ30cは、加速媒体1
0の進行方向に対して軌道修正用電磁石26の前方にお
いて、加速管400の延長方向からみて加速管400の
水平方向に2つのセンサを配置してなり、その2つのセ
ンサにより、加速管400の延長方向に対して直交する
方向で加速媒体10の垂直方向の位置を測定するように
なっている。
【0075】なお、加速部450は、図示しないが、軌
道修正用電磁石20,26および加速用電磁石22,2
4を制御する制御装置を有し、この制御装置は、速度測
定センサ30a、水平位置測定センサ30bおよび垂直
位置測定センサ30cの測定結果に基づいて、軌道修正
用電磁石20,26および加速用電磁石22,24の磁
化タイミングおよび磁力を決定するようになっている。
【0076】加速媒体10は、そのときの状況により微
妙に軌跡が変化することがあるため、またそれ自体磁気
の強さを変化させられないため、その軌跡を制御するの
が困難である。そこで、速度測定センサ30a、水平位
置測定センサ30bおよび垂直位置測定センサ30cに
より加速媒体10の速度および位置を測定し、今後の軌
跡を予測し、軌道修正用電磁石20で軌道を修正する。
【0077】また、加速媒体10は、加速時に加速管4
00の延長方向からみて中心点よりずれる可能性がある
ので、加速後は、軌道修正用電磁石26により軌道を修
正する。ただし、軌道修正磁石26に加速媒体10を入
射する場合、中心点からの位置測定をしなくても、軌道
修正用電磁石26の開口を大きくし、加速媒体10の磁
気と軌道修正用電磁石26の磁気とによって生ずる反発
力を利用し、出口に向かって絞っていけば、どのような
入射角の場合もほぼ中心点に集めることができる。この
とき、軌道修正用電磁石26は、加速媒体10の速度に
より磁気の強さを変化させる必要がある。
【0078】次に、偏向部420の構成を図4を参照し
ながら説明する。図4は、加速管400の偏向軌道の垂
直方向の断面図である。偏向部420は、図4に示すよ
うに、加速媒体10の周回軌道を偏向するための偏向用
電磁石40と、加速媒体10の周回軌道を偏向するため
の偏向用電磁石42と、加速媒体10を浮上させるため
の浮上用電磁石44とで構成されている。
【0079】偏向用電磁石40は、加速管400の半径
方向外側に設けられており、加速媒体10の平衡位置が
加速管400の延長方向からみて中心点にくるように磁
化するようになっている。すなわち、加速媒体10の磁
極と同一の磁極であるN極が加速管400の半径方向内
側に向くように、かつ、加速媒体10の遠心力と、加速
媒体10の磁気と偏向用電磁石42の磁気とによって生
ずる吸引力と、加速媒体10の磁気と偏向用電磁石40
の磁気とによって生ずる反発力との合力がその中心点に
おいて「0」となるように磁化するようになっている。
また、偏向用電磁石40は、加速管400の延長方向か
らみて加速管400の半径方向外側を谷としたV字型に
配置されている。
【0080】偏向用電磁石42は、加速管400の半径
方向内側に設けられており、加速媒体10の平衡位置が
加速管400の延長方向からみて中心点にくるように磁
化するようになっている。すなわち、加速媒体10の磁
極と反対の磁極であるS極が加速管400の半径方向外
側に向くように、かつ、加速媒体10の遠心力と、加速
媒体10の磁気と偏向用電磁石40の磁気とによって生
ずる反発力と、加速媒体10の磁気と偏向用電磁石42
の磁気とによって生ずる吸引力との合力がその中心点に
おいて「0」となるように磁化するようになっている。
また、偏向用電磁石42は、加速管400の延長方向か
らみて加速管400の半径方向内側を谷としたV字型に
配置されている。
【0081】浮上用電磁石44は、加速管400の底部
に設けられており、加速媒体10の平衡位置が加速管4
00の延長方向からみて中心点にくるように磁化するよ
うになっている。すなわち、加速媒体10の磁極と同一
の磁極であるN極が加速管400の垂直方向上側に向く
ように、かつ、加速媒体10にかかる重力と、加速媒体
10の磁気と浮上用電磁石44の磁気とによって生ずる
反発力との合力がその中心点において「0」となるよう
に磁化するようになっている。また、浮上用電磁石28
は、図示しないが、加速管400の延長方向からみて加
速管400の垂直方向下側を谷としたV字型に配置され
ている。
【0082】次に、射出器460の構成を図5を参照し
ながら説明する。図5は、加速管400の直線軌道の水
平方向の断面図である。射出器460は、図5に示すよ
うに、射出管500を、加速管400の直線軌道におい
て加速管400の半径方向外側に接続した部分であっ
て、加速管400内から射出管500に加速媒体10を
誘導するための誘導用電磁石50と、加速管400内か
ら射出管500に加速媒体10を誘導するための誘導用
電磁石52とで構成されている。
【0083】誘導用電磁石50は、加速管400の半径
方向外側であって射出管500の内側面に設けられてお
り、加速媒体10の磁極と同一の磁極であるN極が加速
管400の半径方向内側を向くように磁化するようにな
っている。また、誘導用電磁石52は、加速管400の
半径方向内側に設けられており、加速媒体10の磁極と
同一の磁極であるN極が加速管400の半径方向外側を
向くように磁化するようになっている。そして、誘導用
電磁石50,52は、加速管400内から射出管500
に加速媒体10を誘導するときは、加速管400の半径
方向外側の磁力よりも内側の磁力が強くなるように磁化
することにより、加速媒体10を誘導するようになって
いる。
【0084】なお、入射器410も、射出器460と同
様に、入射管300を、加速管400の直線軌道におい
て加速管400の半径方向外側に接続した部分であっ
て、入射管300から加速管400内に加速媒体10を
誘導するときは、加速管400の半径方向内側の磁力よ
りも外側の磁力が強くなるように誘導用電磁石を磁化さ
せることにより、加速媒体10を誘導するようになって
いる。
【0085】一方、加速管400には、図示しないが、
いくつかの真空ポンプが設けられており、この真空ポン
プにより、加速管400内を真空状態または低圧状態に
し、加速媒体10の空気抵抗による速度の低下を防止す
る。また、射出管500内には、加速管400内への空
気の流入を遮断するシャッター等の遮断機が射出管50
0の延長方向に沿って複数設けられており、各遮断機
は、加速媒体10が遮断機を通過するときにのみ開放す
るようになっている。これら遮断機のうち射出管500
の射出口に最も近い遮断機は、吸入方向を射出管500
の延長方向と一致させかつ射出口に向けて配置したプロ
ペラからなり、加速媒体10がプロペラの羽の間を通過
するようにプロペラの回転を制御するようになってい
る。
【0086】次に、上記第1の実施の形態の動作を説明
する。まず、加速媒体発射装置200により、加速媒体
10が入射管300に向けて低速で発射される。発射さ
れた加速媒体10は、入射管300、入射器410を通
じて加速管400内に入射される。入射器410では、
誘導用電磁石が磁化することにより、加速媒体10の磁
力と加速管400の半径方向内側にある誘導用電磁石の
磁力とによって生ずる反発力と、加速媒体10の磁力と
加速管400の半径方向外側にある誘導用電磁石の磁力
とによって生ずる反発力とが平衡するラインが入射管3
00から加速管400内に形成され、このラインに沿っ
て加速媒体10が加速管400内に誘導される。
【0087】加速管400内では、浮上用電磁石が磁化
することにより、加速媒体10にかかる重力と、加速媒
体10の磁気と浮上用電磁石の磁気とによって生ずる反
発力とが加速管400の中心点において平衡し、加速媒
体10が加速管400内で浮上しながら、偏向軌道上、
直線軌道上を周回して加速される。偏向軌道上の偏向部
420では、偏向用電磁石40,42が磁化することに
より、加速媒体10の遠心力と、加速媒体10の磁気と
偏向用電磁石40の磁気とによって生ずる反発力と、加
速媒体10の磁気と偏向用電磁石42の磁気とによって
生ずる吸引力とが平衡するラインが偏向軌道に沿って形
成され、このラインに沿って加速媒体10の周回軌道が
偏向される。また、偏向部420では、偏向用電磁石4
0,42がそれぞれV字型に配置されていることから、
偏向用電磁石40,42によって形成される磁気がV字
型となるので、加速媒体10の速度が大きいときは、加
速媒体10が偏向用電磁石40によって形成される磁気
の谷部で、加速媒体10の速度が小さいときは、加速媒
体10が偏向用電磁石42によって形成される磁気の谷
部で、加速媒体10が平衡する。このため、何らかの原
因により加速媒体10の周回軌道が多少ずれても、加速
媒体10は、次第に偏向用電磁石40,42によって形
成される磁気の谷部に収束する。
【0088】一方、直線軌道上の加速部450では、各
センサ30a〜30cにより、加速媒体10の速度、水
平位置および垂直位置が測定され、各センサ30a〜3
0cの測定結果に基づいて、軌道修正用電磁石20,2
6および加速用電磁石22,24の磁化タイミングおよ
び磁力が決定される。すなわち、まず、加速媒体10が
軌道修正用電磁石20に接近すると、軌道修正用電磁石
20が磁化することにより、加速管400の延長方向に
対して直交する方向に加速媒体10の軌道が修正され
る。例えば、加速媒体10が加速管400の中心点から
下方にずれていると、軌道修正用電磁石20が磁化する
ことにより、加速媒体10の磁気と軌道修正用電磁石2
0の磁気とによって生ずる反発力が加速管400の中心
点よりも上方で平衡し、加速媒体10の軌道が加速管4
00の中心点にくるように垂直方向に修正される。また
例えば、加速媒体10が加速管400の中心点から右方
にずれていると、軌道修正用電磁石20が磁化すること
により、加速媒体10の磁気と軌道修正用電磁石20の
磁気とによって生ずる反発力が加速管400の中心点よ
りも左方で平衡し、加速媒体10の軌道が加速管400
の中心点にくるように水平方向に修正される。
【0089】次いで、加速媒体10が加速用電磁石22
に接近すると、加速用電磁石22,24が磁化すること
により、加速媒体10の磁気と加速用電磁石22,24
の磁気とによって生ずる吸引力により、加速媒体10が
加速される。加速媒体10が加速用電磁石22を通過す
ると、加速用電磁石22の磁極が反転することにより、
加速媒体10の磁気と加速用電磁石22の磁気とによっ
て生ずる反発力および加速媒体10の磁気と加速用電磁
石24の磁気とによって生ずる吸引力により、加速媒体
10がさらに加速される。加速媒体10が加速用電磁石
24を通過すると、加速用電磁石24の磁極が反転する
ことにより、加速媒体10の磁気と加速用電磁石22お
よび加速用電磁石24の磁気とによって生ずる反発力に
より、加速媒体10がさらに加速される。
【0090】そして、加速媒体10が軌道修正用電磁石
26に接近すると、軌道修正用電磁石26が磁化するこ
とにより、加速管400の延長方向に対して直交する方
向に加速媒体10の軌道が修正される。例えば、加速媒
体10が加速管400の中心点から下方にずれている
と、軌道修正用電磁石22が磁化することにより、加速
媒体10の磁気と軌道修正用電磁石22の磁気とによっ
て生ずる反発力が加速管400の中心点よりも上方で平
衡し、加速媒体10の軌道が加速管400の中心点にく
るように垂直方向に修正される。水平方向の修正につい
ても同様の要領で行われる。
【0091】このように、加速管内400内では、磁気
力により、加速媒体10の周回軌道が偏向されるととも
に加速媒体10が加速されるが、加速管400内で加速
媒体10が所定速度まで加速されると、加速された加速
媒体10は、射出器460、射出管500を通じて外部
に射出される。射出器460では、誘導用電磁石50,
52が磁化することにより、加速媒体10の磁力と誘導
用電磁石50の磁力とによって生ずる反発力と、加速媒
体10の磁力と誘導用電磁石52の磁力とによって生ず
る反発力とが平衡するラインが加速管400内から射出
管500に形成され、このラインに沿って加速媒体10
が射出管500に誘導される。射出管500では、加速
媒体10が遮断機に接近すると、その遮断機が通過時に
のみ開放することにより、加速媒体10が通過するとと
もに加速管400内への空気の流入が防止される。加速
媒体10が射出口に最も近い遮断機に接近すると、プロ
ペラの回転が制御されることにより、加速媒体10がプ
ロペラの羽の間を通過するとともに加速管400内への
空気の流入が防止される。
【0092】このようにして、本実施の形態では、加速
媒体10を環状の加速管400内で加速する装置であっ
て、磁気の吸引力または反発力により加速媒体10の周
回軌道を加速管400の偏向軌道に沿って偏向する偏向
部420と、磁気の吸引力または反発力により加速媒体
10を加速する加速部450とを備えた。これにより、
電子線、荷電粒子等のよりも遙かに質量が大きい物質を
比較的高速に加速することができ、しかも永久磁石2を
結合するだけで加速媒体10を比較的簡単に製造するこ
とができるので、従来に比して、コストの面で有利に、
大きなエネルギを得ることができる。また、加速管40
0を環状としているため、少なくとも1つの加速部35
0を加速管400に設けておけば、偏向部420が加速
媒体10の遠心力を抑えられる限界まで、加速媒体10
を加速することができる。
【0093】さらに、本実施の形態では、加速管400
は、直線軌道を有し、加速部450を直線軌道上に設け
た。これにより、加速媒体10の周回軌道を偏向しなが
ら加速媒体10を加速する場合に比して、偏向による加
速制限を受けることがないので、加速媒体10を高加速
度で加速することができる。
【0094】さらに、本実施の形態では、加速部450
は、加速媒体10を加速するための加速用電磁石22
と、加速媒体10を加速するための加速用電磁石24と
をそれぞれ加速管400の内周面に沿って設けるととも
にその順で加速管400の延長方向に沿って配置してな
り、加速媒体10が加速用電磁石22を通過する前は、
加速媒体10の磁極と反対の磁極となるように加速用電
磁石22を磁化させることにより、加速媒体10が加速
用電磁石24を通過する前は、加速媒体10の磁極と反
対の磁極となるように加速用電磁石24を磁化させるこ
とにより、加速媒体10を加速するようにした。
【0095】これにより、加速管400の直線軌道上で
加速媒体10を高加速度で加速することができるばかり
か、加速媒体10の磁気と複数の加速用電磁石22,2
4の磁気とによって生ずる吸引力を利用して加速媒体1
0をさらに高加速度で加速することができる。さらに、
本実施の形態では、加速部450は、加速媒体10が加
速用電磁石22を通過した直後に、加速媒体10の磁極
と同一の磁極となるように加速用電磁石22を磁化させ
ることにより、加速媒体10が加速用電磁石24を通過
した直後に、加速媒体10の磁極と同一の磁極となるよ
うに加速用電磁石24を磁化させることにより、加速媒
体10を加速するようにした。
【0096】これにより、特に、加速用電磁石22と加
速用電磁石24との間の加速区間において、加速媒体1
0の磁気と複数の加速用電磁石22,24の磁気とによ
って生ずる吸引力および反発力を利用して加速媒体10
をさらに高加速度で加速することができる。さらに、本
実施の形態では、加速部450は、加速管400の延長
方向に対して直交する方向に加速媒体10の軌道を修正
するための軌道修正用電磁石20を、加速管400の内
周面に沿って設けるとともに加速管400の延長方向で
加速用電磁石22,24の前に配置し、加速管400の
延長方向に対して直交する方向に加速媒体10の軌道を
修正するための軌道修正用電磁石26を、加速管400
の内周面に沿って設けるとともに加速管400の延長方
向で加速用電磁石22,24の後に配置してなる。
【0097】これにより、加速媒体10を加速すること
により、加速管400の延長方向に対して直交する方向
に加速媒体10の軌道がずれる可能性が少なくなるの
で、加速媒体10の軌道を比較的安定に保持しつつ加速
媒体10を加速することができる。さらに、本実施の形
態では、加速部450は、加速媒体10を浮上させるた
めの浮上用電磁石28を、加速用電磁石22と加速用電
磁石24との間で、加速媒体10の磁極と同一の磁極を
加速管400の垂直方向上側に向けて加速管400の底
部に設けてなる。
【0098】これにより、加速媒体10を加速する過程
において、重力落下により加速媒体10の軌道がずれる
可能性が少なくなるので、加速媒体10の軌道を比較的
安定に保持しつつ加速媒体10を加速することができ
る。さらに、本実施の形態では、加速部450は、加速
媒体10の速度を測定する速度測定センサ30aと、加
速管400の延長方向に対して直交する方向で加速媒体
10の水平方向の位置を測定する水平位置測定センサ3
0bと、加速管400の延長方向に対して直交する方向
で加速媒体10の垂直方向の位置を測定する垂直位置測
定センサ30cとを加速媒体10の進行方向に対して軌
道修正用電磁石26の前方にそれぞれ設けてなり、各セ
ンサ30a〜30cの測定結果に基づいて、軌道修正用
電磁石20,26および加速用電磁石22,24の磁化
タイミングおよび磁力を決定するようにした。
【0099】これにより、加速媒体10が状況により微
妙に軌跡が変化しても、その軌跡をある程度修正するこ
とができるので、加速部450において加速媒体10の
軌跡を制御するのが比較的容易となる。さらに、本実施
の形態では、偏向部420は、加速媒体10の周回軌道
を偏向するための偏向用電磁石40を、加速媒体10の
磁極と同一の磁極を加速管400の半径方向内側に向け
て加速管400の半径方向外側に設けてなる。
【0100】これにより、加速管400の偏向軌道上で
加速媒体10の周回軌道をその偏向軌道に沿って偏向す
ることができるばかりか、偏向用電磁石40の磁気力を
加速媒体10の遠心力に応じて変化させれば、異なる速
度の加速媒体10の周回軌道を同一の径で偏向すること
ができる。さらに、本実施の形態では、偏向用電磁石4
0は、加速管400の延長方向からみて加速管400の
半径方向外側を谷としたV字型に配置されている。
【0101】これにより、加速媒体10の周回軌道が多
少ずれても、加速媒体10は、次第に偏向用電磁石40
によって形成される磁気の谷部に収束するので、加速媒
体10の軌道を比較的安定に保持しつつ加速媒体10の
周回軌道を偏向することができる。さらに、本実施の形
態では、偏向部420は、加速媒体10の周回軌道を偏
向するための偏向用電磁石42を、加速媒体10の磁極
と反対の磁極を加速管400の半径方向外側に向けて加
速管400の半径方向内側に設けてなる。
【0102】これにより、加速媒体10の磁気と偏向用
電磁石40,42の磁気によって生ずる吸引力および反
発力を利用してさらに大きな遠心力に対抗することがで
きるので、加速媒体10をより大きな速度まで加速する
ことができる。さらに、本実施の形態では、加速媒体1
0は、その外側が一方の磁極にかつその内側が他方の磁
極となるように磁石を配置してなる。
【0103】これにより、比較的質量の大きな加速媒体
10を低コストで製造することができるので、コストの
面でさらに有利に、大きなエネルギを得ることができ
る。さらに、本実施の形態では、加速媒体10を浮上さ
せるための浮上用電磁石を、加速管400全周にわた
り、加速媒体10の磁極と同一の磁極を加速管400の
垂直方向上側に向けて加速管400の底部に設けた。
【0104】これにより、加速媒体10を周回させる過
程において、加速媒体10への摩擦抵抗を低減すること
ができるばかりか、重力落下により加速媒体10の軌道
がずれる可能性が少なくなるので、エネルギ損失が少な
くしかも加速媒体10の軌道を比較的安定に保持しつつ
加速媒体10を周回させることができる。さらに、本実
施の形態では、浮上用電磁石は、加速管400の延長方
向からみて加速管400の垂直方向下側を谷としたV字
型に配置されている。
【0105】これにより、加速媒体10の周回軌道が多
少ずれても、加速媒体10は、次第に浮上用電磁石によ
って形成される磁気の谷部に収束するので、加速媒体1
0の軌道をさらに安定に保持しつつ加速媒体10を周回
させることができる。さらに、本実施の形態では、加速
媒体10を加速管400内に入射するための入射管30
0、および加速媒体10を加速管400内から取り出し
て外部に射出するための射出管500を、加速管400
の直線軌道において加速管400の半径方向外側に接続
して設けた。
【0106】加速媒体10の速度を限界近くまであげた
場合には、わずかな磁気の乱れにより加速媒体10が加
速管400に衝突してしまうことから、偏向軌道での高
速な入射・射出は困難である。したがって、このような
構成であれば、加速媒体10が加速管400に衝突する
可能性を少なくすることができるので、加速媒体10の
速度を限界近くまであげても、その速度を保持しつつ加
速媒体10を外部に射出することができる。
【0107】さらに、本実施の形態では、入射管300
から加速管400内に加速媒体10を誘導するための誘
導用電磁石を、入射管300と加速管400との接続部
の内周面に沿って設け、入射管300から加速管400
内に加速媒体10を誘導するときは、加速媒体10の磁
極と同一の磁極となるように、かつ、加速管400の半
径方向内側の磁力よりも外側の磁力が強くなるように誘
導用電磁石を磁化させることにより、加速媒体10を誘
導するようにした。
【0108】これにより、加速管400の直線軌道上で
入射管300から加速管400内に加速媒体10を誘導
することができるばかりか、誘導用電磁石の磁気力を加
速媒体10の入射速度に応じて変化させれば、異なる速
度の加速媒体10を誘導することができる。さらに、本
実施の形態では、加速管400内から射出管500に加
速媒体10を誘導するための誘導用電磁石を、加速管4
00と射出管500との接続部の内周面に沿って設け、
加速管400内から射出管500に加速媒体10を誘導
するときは、加速媒体10の磁極と同一の磁極となるよ
うに、かつ、加速管400の半径方向外側の磁力よりも
内側の磁力が強くなるように誘導用電磁石を磁化させる
ことにより、加速媒体10を誘導するようにした。
【0109】これにより、加速管400の直線軌道上で
加速管400内から射出管500に加速媒体10を誘導
することができるばかりか、誘導用電磁石50,52の
磁気力を加速媒体10の射出速度に応じて変化させれ
ば、異なる速度の加速媒体10を誘導することができ
る。さらに、本実施の形態では、加速管400内を真空
状態または低圧状態にする真空ポンプを備えた。
【0110】これにより、加速媒体10を周回させる過
程において、加速媒体10への空気抵抗を低減すること
ができるばかりか、空気抵抗や空気中の塵等により加速
媒体10の軌道がずれる可能性が少なくなるので、エネ
ルギ損失が少なくしかも加速媒体10の軌道を比較的安
定に保持しつつ加速媒体10を周回させることができ
る。
【0111】さらに、本実施の形態では、加速管400
内を真空状態または低圧状態にする真空ポンプを備え、
空気の流入を遮断する遮断機を射出管500内に設け、
加速媒体10が遮断機を通過するときにのみその遮断機
を開放するようにした。これにより、加速管400内へ
の空気の流入を防止することができるので、加速管40
0内を比較的低圧状態に保つことができる。
【0112】さらに、本実施の形態では、射出管500
の延長方向に沿って遮断機を複数設けた。これにより、
加速管400内への空気の流入を段階的に防止すること
ができるので、加速管400内をさらに低圧状態に保つ
ことができる。さらに、本実施の形態では、複数の遮断
機のうち射出管500の射出口に最も近い遮断機は、吸
入方向を射出管500の延長方向と一致させかつ射出口
に向けて配置したプロペラであり、加速媒体10がプロ
ペラの羽の間を通過するようにプロペラの回転を制御す
るようにした。
【0113】これにより、プロペラの回転により常時安
定した減圧が行われるので、加速管400内をさらに低
圧状態に保つことができ、しかも加速媒体10の射出も
容易となる。上記第1の実施の形態において、偏向部4
20は、請求項1記載の偏向手段に対応し、加速部45
0は、請求項1記載の加速手段に対応している。
【0114】次に、本発明の第2の実施の形態を図面を
参照しながら説明する。図6は、本発明に係る加速装置
の第2の実施の形態を示す図である。なお、以下、上記
第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、同
一の部分については同一の符号を付して説明を省略す
る。この第2の実施の形態は、本発明に係る加速装置
を、図6に示すように、環状の加速管400内で、加速
媒体10を、加速管600内で既に周回している加速媒
体10の速度まで加速して加速管600内に入射するこ
とにより、加速管600内で複数の加速媒体10を同時
に加速する場合について適用したものである。
【0115】まず、本発明に係る加速装置の構成を図6
を参照しながら説明する。図6は、本発明に係る加速装
置の構成を示す平面図である。加速装置100は、図6
に示すように、加速媒体発射装置200と、加速管40
0と、入射管300と、加速媒体10を加速して加速媒
体10の運動エネルギを蓄積するための環状の加速管6
00と、加速管400と加速管600との間で加速媒体
10を中継するための中継管550と、加速媒体10を
加速管600内から取り出して外部に射出するための射
出管700とで構成されている。
【0116】加速管400,600には、入射器410
と、偏向部420と、加速部450と、射出器460と
が設けられている。ここで、偏向部420は、加速管4
00,600の全周にわたって等間隔に複数設けられ、
入射器410、射出器460および加速部450は、加
速管400,600の直線軌道上に設けられている。中
継管550は、その一端を加速管400の直線軌道にお
いて加速管400の半径方向外側に接続するとともにそ
の他端を加速管600の直線軌道において加速管600
の半径方向外側に接続して設けられている。
【0117】加速管600内で加速媒体10が周回して
いる場合に、加速管600内に新たな加速媒体を入射す
るときは、加速管600内で周回している加速媒体の速
度まで新たな加速媒体を加速管400内で加速し、加速
した新たな加速媒体を中継管550を通じて加速管60
0内に入射するようになっている。次に、上記第2の実
施の形態の動作を説明する。
【0118】加速管600内で複数の加速媒体10を加
速する場合は、まず、加速媒体発射装置200により、
加速媒体10が入射管300に向けて低速で発射され
る。発射された加速媒体10は、入射管300、入射器
410を通じて加速管400内に入射される。加速管4
00内では、加速媒体10が加速管400内で浮上しな
がら、偏向軌道上、直線軌道上を周回して加速され、加
速媒体10が所定速度になると、射出器460、中継管
550および入射器410を通じて加速管600内に入
射される。
【0119】加速管600内では、加速媒体10が加速
管400内で浮上しながら、偏向軌道上、直線軌道上を
周回して所定速度まで加速される。次いで、加速媒体発
射装置200により、新たな加速媒体10が入射管30
0に向けて低速で発射される。発射された新たな加速媒
体10は、入射管300、入射器410を通じて加速管
400内に入射される。
【0120】加速管400内では、新たな加速媒体10
が加速管400内で浮上しながら、偏向軌道上、直線軌
道上を周回して加速され、新たな加速媒体10が加速管
600内で周回している加速媒体の速度に達すると、射
出器460、中継管550および入射器410を通じて
加速管600内に入射される。このとき、加速管600
内で周回している加速媒体に衝突しないように新たな加
速媒体10が加速管600内に入射される。
【0121】加速管600内では、加速管600内で既
に周回している加速媒体10および新たな加速媒体10
が加速管400内で浮上しながら、偏向軌道上、直線軌
道上を周回して所定速度まで加速される。そして、加速
媒体10を外部に射出する必要があるときは、加速管6
00内で周回している加速媒体10が、射出器460、
射出管700を通じて外部に順次射出される。
【0122】このようにして、本実施の形態では、環状
の加速管600を備え、加速管400と加速管600と
の間で加速媒体10を中継するための中継管550を、
その一端を加速管400の直線軌道において加速管40
0の半径方向外側に接続するとともにその他端を加速管
600の直線軌道において加速管600の半径方向外側
に接続して設け、加速管600内で加速媒体10が周回
している場合に加速管600内に新たな加速媒体10を
入射するときは、加速管600内で周回している加速媒
体10の速度まで新たな加速媒体10を加速管400内
で加速し、加速した新たな加速媒体10を中継管550
を通じて加速管600内に入射するようにした。
【0123】これにより、加速管600内で複数の加速
媒体10を同時に加速することができる。なお、上記第
2の実施の形態においては、加速管600内で複数の加
速媒体10を単に加速する場合について説明したが、こ
れに限らず、この2つの加速管400,600を備える
加速装置100を、電力を蓄積するのに用いてもよい。
この場合、加速媒体10の運動エネルギを電気エネルギ
に変換する電磁コイルを、その磁化方向を加速管600
の延長方向と一致させて加速管600に設ける。これに
より、電力が必要なときは、電磁コイルを通過するごと
に、加速媒体10の運動エネルギを電気エネルギに変換
することができる。
【0124】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、非磁性体からなる球形の核1を中心部材とし
てその外周面に複数の永久磁石2を配置したものを加速
媒体10として用いたが、これに限らず、強磁性を有し
ない導体を加速媒体10として用いることもできる。加
速媒体10を導体とした場合は、鉄、ニッケル、コバル
ト等の強磁性体以外の金属を使用するが、電気抵抗の小
さな物質が有利である。磁場中に置かれた導体内部に電
磁誘導によって生ずる渦電流によりさらに磁気が発生
し、その向きは、その磁石の磁気と同じ向きであるた
め、互いに反発し合う。この反発力により、加速媒体1
0の周回軌道を偏向するとともに加速媒体10を加速す
る。
【0125】加速媒体10が加速用電磁石22,24を
通過するとき、通過中には、磁気をかけず加速用電磁石
22,24を出た直後に磁気をかけ、このときの電磁誘
導により発生する反発力により加速媒体10を加速す
る。この場合、反発力のみが有効であるため、加速用電
磁石22,24は、N、Sどちらの極でも使えるが、極
を切り換えるのではなく、磁気の有無を切り換えること
により加速する。
【0126】このような構成であれば、比較的質量の大
きな加速媒体10を低コストで製造することができるの
で、コストの面でさらに有利に、大きなエネルギを得る
ことができる。また、上記第1および第2の実施の形態
においては、図4に示すように、偏向部420を、電磁
石からなる偏向用電磁石40,42で構成したが、これ
に限らず、図7に示すように、永久磁石からなる偏向用
磁石で構成してもよい。図7は、加速管400の偏向軌
道の垂直方向の断面図である。
【0127】この場合、加速媒体10の遠心力が大きく
なると、加速媒体10が加速管400の半径方向外側に
近づいてくることから、加速媒体10の移動に対応する
ため、図7に示すように、浮上用電磁石45を、加速媒
体10が移動可能な範囲にわたり加速管400の底部に
設けるのが好ましい。また、上記第1および第2の実施
の形態においては、加速媒体10を浮上させるための磁
石を、電磁石からなる浮上用電磁石で構成したが、これ
に限らず、永久磁石からなる浮上用磁石で構成してもよ
い。
【0128】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、入射管300および射出管500を、加速管
400の直線軌道において加速管400の半径方向外側
に接続して設けたが、これに限らず、直線軌道であれ
ば、入射管300および射出管500をどのように設け
てもよい。ただし、加速管400の半径方向内側に設け
ることは設備の配置上現実的ではないので、現実的に
は、その直線軌道を含む面を基準としてその半径方向外
側に設けるのがよい。すなわち、本実施の形態でみる場
合のほか、直線軌道において加速管400の垂直方向上
側に設けてもよいし、垂直方向下側に設けてもよい。
【0129】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、入射部410と射出部460とを別々に設け
て構成したが、これに限らず、図8に示すように、入射
部410と射出部460とを併せて構成してもよい。図
8は、加速管400の直線軌道の水平方向の断面図であ
る。この場合、誘導用電磁石51,53は、入射管30
0および射出管460と加速管400との接続部の内周
面に沿って設けられており、加速媒体10の磁極と同一
の磁極であるN極が加速管400の延長方向からみて中
心点を向くように磁化するようになっている。そして、
誘導用電磁石51,53は、入射管300から加速管4
00内に加速媒体10を誘導するときは、加速管400
の半径方向内側の磁力よりも外側の磁力が強くなるよう
に誘導用電磁石を磁化させることにより、加速管400
内から射出管500に加速媒体10を誘導するときは、
加速管400の半径方向外側の磁力よりも内側の磁力が
強くなるように磁化することにより、加速媒体10を誘
導するようになっている。
【0130】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、図1に示すように、加速媒体10を、非磁性
体からなる球形の核1を中心部材としてその外周面に複
数の永久磁石2を配置して構成したが、これに限らず、
図9に示すように、加速媒体10を構成してもよい。図
9は、加速媒体10の構成を示す図である。図9におい
て、加速媒体10は、非磁性体からなる球形の核1を中
心部材としてその外周面に複数の永久磁石2を配置して
なり、永久磁石2は、S極が核1の中心を向き、N極が
核1の外側を向いている。各永久磁石2は、直線形状の
棒磁石で、S極の側が核1の外周面に接するように、他
の永久磁石2および核1と固定剤4で結合することによ
り、核1と結合している。
【0131】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、本発明に係る加速装置を、加速媒体10を加
速して射出し、または、電気エネルギを運動エネルギと
して蓄積するのに適用した場合について説明したが、こ
れに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のもの
にも適用可能である。また、本発明に係る加速装置につ
いての安全対策としては、例えば、次のようなものが考
えられる。
【0132】加速媒体10が高速で加速管400内を周
回するとき、加速媒体10は、強大な運動エネルギとし
て存在する。このエネルギが物体に衝突すると瞬間的に
開放され、熱エネルギに変わる。これにより、あらゆる
物体を破壊する可能性があり、これが加速管400の内
周面に衝突すると、大きなダメージを受ける。ただし、
加速管400の内周面と加速媒体10の衝突角度やそれ
らの磁気の反発力により、運動エネルギが瞬間的に熱エ
ネルギ等に変わりダメージを与える可能性はきわめて低
い。そこで、加速媒体10の制御が不能になったとき、
それが加速管400の内周面に致命的ダメージを与える
前に、誘導用電磁石50,52により加速管400内か
ら取り出し、専用のラインで外部へ排出することにより
加速管400の内周面に対するダメージを最小限にとど
める。
【0133】また、本発明に係る加速装置を、電気エネ
ルギを運動エネルギとして蓄積するのに適用した場合に
おいての技術的工夫としては、例えば、次のようなもの
が考えられる。加速管400内にコイルを配置し、そこ
を通過するたびに、電磁誘導によりコイルに電流が流
れ、加速媒体10が減速する。これにより加速媒体10
の速度を制御する。運動エネルギが電気エネルギに変換
されることにより蓄電装置としての機能がある。夜間の
余剰電力をリング加速器で加速し運動エネルギとして蓄
え、昼間に運動エネルギより電気エネルギとして変換し
て取り出す。
【0134】エネルギが電気に変換されることにより加
速媒体10が減速される。速度が遅くなるにつれ、周波
数が長くなったりするため、それに合わせてコイルの間
隔を狭くしたり、加速媒体10の軌跡とコイル間の距離
を調整して、電流や電圧、周波数の安定化を行う。ま
た、本発明に係る加速装置の用途としては、例えば、次
のようなものが考えられる。
【0135】加速媒体10として永久磁石2は、磁気が
強く質量も大型となる傾向が強いため、F=(1/2)
mv2[J]により最も大きな運動エネルギとしての可
能性がある。そこで、第一宇宙速度付近で飛行する核ミ
サイルを撃墜するために使用する。例えば、図10に示
すように、人工衛星として宇宙空間に配備し、太陽光発
電等による電力を運動エネルギに変換して蓄え、変換効
率が高く保存効率も高いため、常時蓄え続けることがで
きるため、必要なときは、いつでも加速媒体10を取り
出し、ミサイルに衝突させて破壊する。
【0136】具体的に、この加速媒体発射装置は、図1
1に示すように構成されている。図11は、人工衛星と
しての加速媒体発射装置の構成を示す図である。これ
は、上記第2の実施の形態の構成において、加速管40
0と加速管600とをその半径方向に対して直交する方
向に並べて配置し、加速管400,600で加速した加
速媒体10を射出管700を通じて発射するようになっ
ている。また、加速管400,600の円周方向に機体
の向きを変更する垂直用エンジン60と、加速管40
0,600の半径方向に対して直交する方向に機体の向
きを変更する水平用エンジン62とを備え、垂直用エン
ジン60および水平用エンジン62により、目標物に対
する照準を定めるようになっている。なお、加速管40
0,600の内側には、太陽光セル64が設けられてお
り、太陽光発電等による電力を運動エネルギに変換して
蓄える。
【0137】さらに、この場合、加速媒体10は、図1
2に示すように構成されている。図12は、人工衛星と
しての加速媒体発射装置に用いる加速媒体10の内部構
成を示す図である。この加速媒体10は、加速媒体発射
装置で発射された後に自己の軌道を修正するようになっ
ており、図12に示すように、燃料を蓄積する燃料タン
ク70と、燃料タンク70の燃料を燃焼させる燃焼室7
1と、燃料タンク70の燃料を燃焼室71に送り込むた
めの圧力ポンプ72と、燃焼室71に送り込まれた燃料
に引火する点火装置73と、燃焼室71での燃焼による
爆発を外部に放出するノズル74と、加速媒体10の位
置を特定するための位置データを受信するアンテナ75
と、加速媒体10の向きを測定するジャイロスコープ7
6と、位置データおよび加速媒体10の向きに基づいて
燃焼室71での燃焼量を調整するコンピュータ77とで
構成されている。
【0138】加速媒体10は、射出管700を通じて外
部に発射される瞬間は、見かけ上単極であるため、回転
を伴わずに発射される。そして、宇宙空間においては空
気抵抗がないため、発射後も回転することなく目的物に
向かって飛翔する。このため、宇宙空間においては、こ
うした構成により発射後に加速媒体10の軌道を修正す
ることができるのである。
【0139】ところで、導体は、多量に生産でき、また
小型のものも生産が可能であるため、機関砲のように航
空機等に向けて大量に発射して撃墜する。このとき、速
度が速いと空気抵抗が大きくなり遠くへ飛ばすことが困
難になるが、同時に衝撃波が発生し、広い範囲の破壊が
できる。航空機の進路をコンピュータで予測して機関砲
で追尾する場合に航空機は、速度、水平、垂直とx,
y,zの3軸方向に進路を変える可能性があり、その大
きさは時間の3乗に比例して大きくなる。このため、一
般の機関砲で航空機を撃墜することは困難である。そこ
で、加速媒体が高速になれば、進路の変化は小さくな
り、高い確率で撃墜することができる。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1記載の加速装置によれば、電子線、荷電粒子等のよ
りも遙かに質量が大きい物質を比較的高速に加速するこ
とができるので、従来に比して、大きなエネルギを得る
ことができるという効果が得られる。さらには、加速管
を環状としているため、少なくとも1つの加速区間を加
速管に設けておけば、偏向区間で加速媒体の遠心力を抑
えられる限界まで、加速媒体を加速することができると
いう効果が得られる。
【0141】一方、本発明に係る請求項2または3記載
の電力蓄積装置によれば、比較的大量の電力を運動エネ
ルギとして蓄積することができるという効果が得られ
る。一方、本発明に係る請求項4記載の発射装置によれ
ば、比較的大きな運動エネルギを有する発射媒体を発射
することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加速媒体の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る加速装置の構成を示す平面図であ
る。
【図3】加速管400の直線軌道の水平方向の断面図で
ある。
【図4】加速管400の偏向軌道の垂直方向の断面図で
ある。
【図5】加速管400の直線軌道の水平方向の断面図で
ある。
【図6】本発明に係る加速装置の構成を示す平面図であ
る。
【図7】加速管400の偏向軌道の垂直方向の断面図で
ある。
【図8】加速管400の直線軌道の水平方向の断面図で
ある。
【図9】加速媒体の構成を示す図である。
【図10】加速媒体発射装置を人工衛星として宇宙空間
に配備する場合を説明するための図である。
【図11】人工衛星としての加速媒体発射装置の構成を
示す図である。
【図12】人工衛星としての加速媒体発射装置に用いる
加速媒体10の内部構成を示す図である。
【図13】従来の加速器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 核 2 永久磁石 10 加速媒体 100 加速装置 200 加速媒体発射装置 201 加速媒体発生装置 300 入射管 400,600 加速管 410 入射器 420 偏向部 421 偏向磁石 430 4極磁石 440 ステアリング磁石 450 加速部 451 加速空洞 460 射出部 500,700 射出管 550 中継管 20,26 軌道修正用電磁石 22,24 加速用電磁石 28,44,45 浮上用電磁石 30a〜30c センサ 40,42 偏向用電磁石 41,43 偏向用磁石 50〜53 誘導用電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B64G 1/22 B64G 1/22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気発生可能な加速媒体を環状の加速管
    内で加速する装置であって、 磁気の吸引力又は反発力により前記加速媒体の周回軌道
    を前記加速管の偏向軌道に沿って偏向する偏向手段と、
    磁気の吸引力又は反発力により前記加速媒体を加速する
    加速手段とを備えることを特徴とする加速装置。
  2. 【請求項2】 電力を蓄積する装置であって、 請求項1記載の加速装置により電力を蓄積するようにな
    っていることを特徴とする電力蓄積装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記加速媒体の運動エネルギを電気エネルギに変換する
    エネルギ変換手段を備えることを特徴とする電力蓄積装
    置。
  4. 【請求項4】 発射媒体を発射する装置であって、 請求項1記載の加速装置により前記加速媒体を前記発射
    媒体として加速し発射するようになっていることを特徴
    とする発射装置。
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