JP2001129714A - 曲面加工方法 - Google Patents

曲面加工方法

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JP2001129714A
JP2001129714A JP31412599A JP31412599A JP2001129714A JP 2001129714 A JP2001129714 A JP 2001129714A JP 31412599 A JP31412599 A JP 31412599A JP 31412599 A JP31412599 A JP 31412599A JP 2001129714 A JP2001129714 A JP 2001129714A
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axis
curved surface
cutting
substantially spheroidal
curved
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Teruo Saito
輝夫 斉藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工面に対して垂直な軸線周りに同心状に配
列する複数の略回転楕円曲面を迅速かつ容易に切削加工
し得ない。 【解決手段】 成形駒11の成形面13に対して垂直な
軸線周りに同心状に配列する複数の略回転楕円曲面12
を個々の輪郭に沿って直線近似で分割し、分割された個
々の切削領域を回転工具によりフライカットで切削加工
する方法であって、成形面13上で軸線を原点0として
略回転楕円曲面12の短軸と長軸とをx軸,y軸とする
直交座標系を設定し、y軸上を起点Pm0とする切削領域
をxの関数で決定することにより、曲率の大きな略回転
楕円曲面12の部分を短い直線で近似する一方、曲率の
小さな略回転楕円曲面12の部分をある程度の長さの直
線で近似して加工時間の短縮を図るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工面に対して垂
直な軸線周りに同心状に配列する複数の略回転楕円曲面
を切削加工する方法に関し、特にレーザーを用いたカラ
ー画像形成装置に組み込まれてf−θレンズの一部を構
成する色補正用回折格子を製造するための成形金型の加
工に応用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】カラーレーザー複写機やカラーレーザー
プリンタなどのレーザーを用いたカラー画像形成装置に
おいては、感光ドラムにプリントすべき画像の静電潜像
を形成するため、レーザービームを照射するようにして
いるが、使用したレーザービームには固有の色収差があ
るため、例えば米国特許第5838480号明細書など
で提案されているように、その色補正を行う回折格子を
f−θレンズに組み込むことが行われている。
【0003】このような回折格子がf−θレンズに組み
込まれたレーザーを用いるカラー画像形成装置の光走査
部の一般的な構造を図7に示す。すなわち、半導体レー
ザーなどのレーザー光源1から画像情報に対応して出射
するレーザービームLは、コリメータ2,開口絞り3,シ
リンドリカル結像レンズ4を通ってポリゴンミラーなど
の光偏向器5から感光ドラム6に導かれ、光偏向器5の
回転によってレーザービームLが感光ドラム6の長手方
向、すなわち主走査方向に走査される。この感光ドラム
6と光偏向器5との間には、トーリックレンズなどの屈
折光学系7と光軸周りに同心状に配列する複数の略回転
楕円曲面を配列した回折光学系8とからなるf−θレン
ズが組み込まれ、これらは主走査方向とこの主走査方向
に対して直交する副走査方向とで互いに異なるパワーを
それぞれ有する。
【0004】シリンドリカル結像レンズ4は、副走査方
向にのみ所定の屈折力を有しており、開口絞り3を通過
した平行光束を副走査方向に収束させ、感光ドラム6の
表面に主走査方向に沿った線像を結像させる。また、屈
折光学系7は、シリンドリカル結像レンズ4から感光ド
ラム6の表面までの光路長を主走査方向に沿って補正
し、シリンドリカル結像レンズ4によって感光ドラム6
の表面上に結像する線像を主走査方向全域に亙って合焦
状態に保つ。さらに、回折光学系8は使用したレーザー
光源1から出射するレーザービームLの波長に依存した
色収差を補正し、色ずれのない線像を感光ドラム6の表
面に形成させる。
【0005】上述した回折光学系8は、主走査方向に沿
って細長い矩形の板状をなすが、これを模式的に図8に
示し、そのIX−IX,X−X矢視断面構造を図9,図10
にそれぞれ示す。すなわち、カラー画像形成装置に組み
込まれるf−θレンズの一部を構成する回折光学系8
は、いわゆるフレネルレンズと類似の形状を有するが、
同心状に配列する回折光学面は、X−X線に沿って対称
かつIX− IX線に沿ってわずかに非対称な凸形の略回転
楕円曲面(以下、単に楕円曲面と呼称する)109でそ
れぞれ形成され、主走査方向が楕円曲面109の長軸方
向、すなわちX−X線と合致するように細長い矩形とな
っている。
【0006】通常、このような回折光学系はプラスチッ
ク材料を用いて射出成形により製造可能であるが、この
ためには上述した回折光学系8の回折光学面と対応した
形状の成形面を持った成形駒を金型として用いる必要が
あり、このような成形駒の外観を図11に示す。すなわ
ち、成形駒11は一般的にリン青銅などで構成され、回
折光学系8の楕円曲面9に対応する個々の楕円曲面成形
面(以下、これを傾斜溝と呼称する)12の間隔は、中
心に位置する傾斜溝(以下、これを中心凹面と呼称す
る)120側から順に変化し、中心凹面120からその成
形面13の長手方向に沿ってその片側に数千本ほど形成
される。また、成形面13に対する個々の傾斜溝12の
傾斜角も、中心凹面120側から順に変化しており、そ
の加工が極めて困難を伴うものであることが容易に想像
されよう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11に示すような成
形駒11の設計例を具体的に記載すると、その成形面1
3の長手方向に沿った断面形状を破断した図12に示す
ように、成形面13の長さおよび幅はそれぞれ225.
12mmおよび9.648mm、成形面13の長手方向(図
12中、左右方向)に沿った個々の傾斜溝12の間隔S
は、中心凹面120から順に0.729727〜0.00
9882mmまで変化し、中心凹面120から成形面13
の長手方向に沿ってその片側に2577本形成される。
また、成形面13の長手方向に沿った個々の傾斜溝12
の傾斜角αは、中心凹面120側から順に0.1168°
〜8.56°まで変化し、形成面13に対するこれら傾
斜溝12の深さhは0.001488mmであって、すべ
ての傾斜溝12に亙って同じ寸法に設定される。
【0008】このような成形駒11を5軸制御の超精密
CNC工作機械によって加工する場合、傾斜溝12の数
が片側だけで2577本もある上、成形面13の中央部
の傾斜溝12が環状に連続した未開成状態のものと、そ
れ以外の弧状となった開成状態のものとがあり、加工に
要するデータ量が膨大なものとなって、素材からの加工
時間が数十時間、例えば50〜60時間を要してしま
い、加工中は工作機械の安定性および回転切削工具の耐
久性などに細心の注意を払う必要があることから、切削
送り速度をできるだけ早くして可能な限り短時間で加工
を終えることが望まれる。
【0009】また、弧状をなす傾斜溝12を加工する場
合、これを切削送り方向に沿って直線で区切って加工軌
跡を形成する必要があるが、加工データ量を極力少なく
することが望ましい。この加工データ量が大きいと、準
備してあるデータ領域に入り切れない場合、複数回に分
割して加工する必要も生ずるため、加工精度の低下を招
くなどの不具合が発生する。しかも、データの分割数が
多くなると、それだけ計算時間がかかったり、データ転
送に時間がかかったりする。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、加工面に対して垂直な
軸線周りに同心状に配列する複数の略回転楕円曲面、特
にレーザーを用いたカラー画像形成装置のf−θレンズ
における回折光学系を射出成形するための金型の成形面
を迅速かつ容易に切削加工し得る方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による曲面加工方
法は、ワークの加工面に対して垂直な軸線周りに同心状
に配列する複数の略回転楕円曲面を個々の輪郭に沿って
直線近似で分割し、分割された個々の切削領域を回転工
具によりフライカットで切削加工する方法であって、前
記加工面上で前記軸線を原点として前記略回転楕円曲面
の短軸と長軸とをx軸,y軸とする直交座標系を設定
し、前記y軸上を起点とする前記切削領域をxの関数で
決定するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】本発明によると、y軸近傍における略回転
楕円曲面の輪郭の曲率と、x軸近傍における略回転楕円
曲面の輪郭の曲率とは大きく異なる。この略回転楕円曲
面をその輪郭に沿って直線近似で分割して加工データを
作成する場合、近似誤差は元の輪郭の曲率によって変化
するが、輪郭の曲率はxの関数で表される。そこで、x
の値によって直線分割する切削領域の長さを変化させ、
すなわちy軸上を起点とする切削領域をxの関数で決定
し、加工データ量をできるだけ少なくする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による曲面加工方法におい
て、軸線を含む略回転楕円曲面からの長軸に沿った略回
転楕円曲面の番号に応じて切削送り速度を変えるように
してもよく、この場合、番号が大きな略回転楕円曲面ほ
ど、切削送り速度を高速化させることが有効である。
【0014】ワークの加工面がy軸に沿って細長い矩形
であってもよく、また、軸線を中心とするy軸に沿った
略回転楕円曲面の形状が非対称形状であってもよい。
【0015】さらに、ワークがレーザーを用いたカラー
画像形成装置に組み込まれてf−θレンズの一部を構成
する色補正用回折格子を製造するための成形金型であっ
てもよい。
【0016】
【実施例】本発明による曲面加工方法を図7に示した回
折光学系8を射出成形するための図11に示した成形駒
11の成形面13に応用した一実施例について、図1〜
図6を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのよ
うな実施例に限らず、この明細書の特許請求の範囲に記
載された本発明の概念に包含されるべき他の技術にも応
用することができる。
【0017】5軸制御CNC工作機械(以下、単に工作
機械と呼称する)の一例の外観を図1に示し、その制御
ブロックを図2に示し、その加工状態の一例を図3に示
す。すなわち、工作機械の基台14の四隅には振動吸収
手段15が取り付けられ、これら振動吸収手段15を介
して工作機械が床面上に設置される。基台14の上面の
中央部には定盤16が取り付けられており、この定盤1
6を挟んで一対のコラム17が基台14上に固定され、
これら一対のコラム17の上端は、トップビーム18を
介して一体的に連結され、これによって強固な門形構造
を構成している。
【0018】ワークである図11に示すような成形駒1
1が固定されるワークテーブル19は、定盤16に沿っ
て第1の方向(x軸方向)に摺動可能なx軸スライダ2
0に搭載され、定盤16に対して垂直な軸線回り(c軸
回り)に旋回可能である。x軸スライダ20は、定盤1
6に沿って第1の方向と直交する第2の方向(y軸方
向)に摺動可能なy軸スライダ21に搭載されている。
ワークテーブル19とx軸スライダ20との間には、ワ
ークテーブル19をc軸回りに旋回させるテーブル旋回
手段22が介装され、x軸スライダ20とy軸スライダ
21との間には、リニアモータ23を有するx軸スライ
ダ駆動手段24が介装され、さらにy軸スライダ21と
定盤16との間には、リニアモータ25を有するy軸ス
ライダ駆動手段26が介装されている。
【0019】トップビーム18の下方には、定盤16に
対して垂直な軸線方向(z軸方向)に沿って昇降可能な
昇降ビーム27が配され、その両端部がリニアモータ2
8を有するビーム駆動手段29を介して一対のコラム1
7に保持されている。昇降ビーム27にはヘッド旋回手
段30を介して前記第1の方向と平行な軸線回り(b軸
回り)に旋回可能なツールヘッド31が取り付けられて
おり、このツールヘッド31に組み込まれたスピンドル
駆動手段32のスピンドル33には、外周面に単一の切
刃チップ34を設けたカッタベース35が交換可能に取
り付けられ、ワークテーブル19の成形駒11の成形面
13を所定形状にフライカットするようになっている。
【0020】テーブル旋回手段22,x軸スライダ駆動
手段24,y軸スライダ駆動手段26,ビーム駆動手段2
9,ヘッド旋回手段30およびスピンドル駆動手段32
は、制御装置36によってそれらの作動が制御され、こ
の制御装置36には切刃チップ34の移動軌跡をテーチ
ング入力するための切削データ入力手段37からのデー
タの他に、基台14に組み込まれた振動センサ38から
の振動情報や過負荷検知手段39からのスピンドル駆動
手段32の過負荷情報などが入力される。
【0021】ところで、成形駒11により射出成形され
る回折光学系8(図7参照)の形状は、主走査方向が6
次まで、副走査方向が主走査方向の位置によって異なる
2次の位相関数で表わされる。回折面となる楕円曲面9
(図8〜図10参照)は、 φ=−mkλ =b2y2+b4y4+b6y6+(d0+d1y+d2y2+d3y3+d4y4)z2 ・・・(1) なる関係式で表されるが、φは位相係数、mは1以上の
整数、kは回折次数、λは使用するレーザービームの波
長、Yは回折光学系の中心軸線(光軸)からの距離、b
2,b4,b6,d0,d1,d2,d4は位相係数、Zは回折光学
系の中心軸線(光軸)に沿った高さであり、回折光学系
の中心軸線とy軸とを含む平面に対して直交する軸線が
x軸となる。
【0022】図7に示した回折光学系8の設計データの
一例を以下に列挙すると、 使用波長λ(nm) 780 屈折率 1.5242 中心軸線の部分の厚み(mm) 3.0 中心軸線から長手方向一端縁までの距離(mm) 110.0 回折次数 1.0 位相係数 b2 −2.50725×10-44 −4.31479×10-86 1.23655×10-120 −5.78930×10-31 −9.57598×10-72 1.15549×10-73 3.71159×10-114 1.23655×10-12 である。
【0023】実際の加工に際しては、ワークである成形
駒11の長手方向とy軸とが平行となるように、ワーク
テーブル19上に成形駒11を固定し、切刃チップ34
の刃先端を成形駒11の成形面13上に設定した加工原
点位置Psに合致させる。通常、この加工原点位置P
sは、成形面13とその中心軸線とが交差する点に設定
される。この時、主軸29の軸線方向をx軸と平行にし
ておく。そして、最外周の傾斜溝12から加工を開始
し、順次内周側の傾斜溝へと加工位置をずらし、最後に
中心凹面120を加工して全工程を終了する。
【0024】未開成の連続した環状をなす傾斜溝12が
形成された成形面13の中央部の部分を拡大した図4に
示すように、中心凹面120から数えてm番目の傾斜溝
12に対し、その加工開始位置Pm0より加工を開始し、
この傾斜溝12の輪郭12に沿って当該傾斜溝12をP
m0,Pm1,Pm2,・・・と細かく区切って直線近似させ、
各近似直線に沿って切刃チップ34に切削送り移動を与
える。つまり、切刃チップ34はPm0,Pm1,Pm2,・・
・と移動するが、この切削送り移動は、切削データ入力
手段37からの入力情報に基づき、制御装置36がx,
y,z,b,c各軸のx軸スライダ駆動手段24,y軸スラ
イダ駆動手段26,ビーム駆動手段29,ヘッド旋回手段
30,テーブル旋回手段22の作動を制御することによ
り行われる。
【0025】上述したように、成形面13に形成される
傾斜溝12は、y軸に関して対称な形状をしており、1
つの傾斜溝12においてはy軸に近づくほどその曲率が
大きくなり、輪郭の曲がり具合が大きくなる。
【0026】傾斜溝12を個々の輪郭に沿って直線近似
で分割加工する場合、輪郭に沿ったある点Pnから点P
n+1までの距離(以下、これを補間距離と呼称する)を
短く設定した場合、これらの補間精度は上がるけれども
加工データ量が多くなってしまう上、この補間距離を通
過すべき時間が短くなってしまう。本実施例では、上述
した補間距離の最小単位を1nm(ナノメートル)、対応
する加工時間の最小単位を5msec(ミリ秒)に設定して
いるため、補間距離を短く設定した場合、この補間距離
に対する移動時間を5msecの整数倍に設定する必要が生
ずる。この結果、切削送り速度およびその加速度が大き
く変化することとなり、特に加速度が大きく変化した場
合、加速度に比例して移動軸に力が作用することとなる
ため、加工精度低下の原因となる。
【0027】なお、加速度の変化を小さくするために
は、切削送り速度を遅くすることによっても解決できる
が、切削送り速度を低下させることは加工時間の増大を
招き、生産性の低下を招来する不具合を生ずる。
【0028】点Pmnが設定されている場合、次の分割点
m(n+1)は以下のようにして算出される。すなわち、ま
ず点Pmnの座標を(xmnmn)と設定すると、点P
m(n+1)までの補間距離Lmnを例えばa0+a1・xmn 1.2
設定する。
【0029】a0,a1の決定方法は後で説明する x−y座標系における傾斜溝12の輪郭をy=f(x)で
表すと、点Pmnにおける接線は、y−ymn=(dy/d
x)×(x−xmn)であるから、tanθ=dy/dxとする
と、 xm(n+1)=xmn+Lmn・cosθnm(n+1)=ymn+Lmn・sinθn と表すことができるので、点Pm(n+1)の座標
(xm(n+1)、ym(n+1))を通って上記接線と直交する直
線と、傾斜溝12の輪郭を表すy=f(x)との交点がx
m(n+1)、ym(n+1)となる。この交点において、傾斜溝1
2の輪郭を表すy=f(x)と接する接線の角度をθn+1
とする。ここで、θ=(θn+θn+1)/2とすると、 xm(n+1)=xmn+Lmn・cosθ ym(n+1)=ymn+Lmn・sinθ であるから、点Pm(n+1)を通ってθと直交する直線を考
え、曲線y=f(x)との交点を求める。このようにして
算出される点Pm(n+1)の座標は(xm(n+1)、ym(n+1)
となり、点Pmnと点Pm(n+1)との補間距離Lmnに等しく
なる。
【0030】このようにして分割点Pm(n+1)を求め、同
様にして次々とx座標によって決まる補間距離Lmnに対
応する等しい分割点列を算出し、x軸を超えたら最終の
点をx軸上ととる。
【0031】これにより、x−y座標系の第1象限に分
割点列Pmnを作成して直線近似させて加工を行うことが
できる。第2象限は、y軸に関して第1象限と対称であ
ることから、各分割点列Pmnのx座標の符号をそれぞれ
反転すればよい。
【0032】上述した手順を用い、x−y座標系におけ
る第3象限および第4象限での分割点列Pmnを算出する
ことができる。
【0033】図5に示すように、弧状となった開成状態
の傾斜溝12の部分の加工に関しては、上述した場合と
同様にy軸上の点をPmoとし、Pm1,Pm2,Pm3,・・・
という具合に分割点列Pmnを求め、x軸方向に沿った成
形面の加工範囲を超える直前の分割点を最終分割点とす
ることにより、直線近似による加工を行うことができ
る。
【0034】図5および図6から明らかなように、中心
凹面120に対し、傾斜溝12を内側から順にm=1,
2,3,・・・と番号を付すと、外側の傾斜溝12になる
ほど同一のx軸座標値に対して曲率が小さくなる。そこ
で、本実施例ではm=200以上の傾斜溝12について
は、上記a0,a1の値を一括してa0=0.04,a1=0.
015とした。また、m=200より内側の傾斜溝12
に対しては、a0,a1をmの番号により決定される関数
とした。すなわち、 a0=3.03066・10-3+2.67714・10-4・m+1.18207・10
-7・m2−2.66221・10-9・m31=2.99107・10-2+3.45236・10-5・m−1.42082・10
-6・m2+4.37710・10-9・m3 と設定した。
【0035】図6は、上式をグラフ化したものであり、
mの番号に応じてa0,a1が緩やかに変化している様子
が理解できよう。
【0036】また、切削送り速度fもm=200以上の
傾斜溝12に対しては一律に5mm/sとしたが、m=20
0より小さい傾斜溝12に対する切削送り速度fは f=2.05580−4.53682・10-3・m+2.65935・10-4・m2
8.48142・10-7・m3 とした。
【0037】このようにして成形駒11の成形面13の
加工を行った結果、その加工時間を約55時間に収める
ことができた。また、加工データ量が188MB(メガバ
イト)に抑えられ、曲線からの誤差を0.05μm以下に
することができた。
【0038】上述した実施例では、図11に示した成形
駒11の成形面13を加工する場合について説明した
が、対応する図7に示した回折光学系8の回折光学面自
体を加工することも可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、ワークの加工面に対し
て垂直な軸線周りに同心状に配列する複数の略回転楕円
曲面を個々の輪郭に沿って直線近似で分割し、分割され
た個々の切削領域を回転工具によりフライカットで切削
加工するに際し、加工面上で軸線を原点として略回転楕
円曲面の短軸と長軸とをx軸,y軸とする直交座標系を
設定し、y軸上を起点とする切削領域をxの関数で決定
するようにしたので、曲率の大きな略回転楕円曲面の部
分を短い直線で近似する一方、また曲率の小さな略回転
楕円曲面の部分をある程度の長さの直線で近似してそれ
ぞれ加工データを作ることにより、曲線からの誤差を例
えば0.05μm以下にしたり、加工データ量を例えば1
88MBに抑えることが可能である。
【0040】加工の途中で加工データを追加作成しなけ
ればならない場合には、そのための手間が掛かる上に加
工途中での工作機械を一時停止させる必要があり、これ
による加工精度への悪影響が発生するけれども、軸線を
含む略回転楕円曲面からの長軸に沿った略回転楕円曲面
の番号に応じて切削送り速度を変えるようにした場合に
は、外側の略回転楕円曲面の輪郭ほど曲率が小さくなる
と共に加工面の中心から遠くに位置するため、その切削
送り速度を早めることができる。しかも、1回のデータ
作成によって全体の加工が可能であり、加工時間を例え
ば約55時間に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による曲面加工方法を実施するための5
軸制御CNC工作機械の外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示した工作機械の制御ブロック図であ
る。
【図3】図1に示した工作機械によるワークの加工状態
を表す斜視図である。
【図4】本発明による加工原理を説明するための加工面
の模式図であり、加工面の中央部を示す。
【図5】本発明による加工原理を説明するための加工面
の模式図であり、加工面の長手方向一端部を示す。
【図6】傾斜溝の番号と傾斜溝の間隔を設定するための
係数との関係を表すグラフである。
【図7】レーザーを用いたカラー画像形成装置における
光走査部の概略構造を表す斜視図である。
【図8】図7に示した回折光学系における回折光学面の
模式図である。
【図9】図8中のIX−IX矢視断面図である。
【図10】図8中のX−X矢視断面図である。
【図11】図7に示した回折光学系の回折光学面を射出
成形するための成形駒の外観を表す斜視図である。
【図12】図11に示した成形駒の成形面の長手方向に
沿った破断断面図である。
【符号の説明】
8 回折光学系 9 略回転楕円曲面(楕円曲面) 11 成形駒 12 楕円曲面成形面(傾斜溝) 120 中心凹面 13 成形面 14 基台 15 振動吸収手段 16 定盤 17 コラム 18 トップビーム 19 ワークテーブル 20 x軸スライダ 21 y軸スライダ 22 テーブル旋回手段 23 リニアモータ 24 x軸スライダ駆動手段 25 リニアモータ 26 y軸スライダ駆動手段 27 昇降ビーム 28 リニアモータ 29 ビーム駆動手段 30 ヘッド旋回手段 31 ツールヘッド 32 スピンドル駆動手段 33 スピンドル 34 切刃チップ 35 カッタベース 36 制御装置 37 切削データ入力手段 38 振動センサ 39 過負荷検知手段 S 傾斜溝の間隔 α 成形面の長手方向に沿った傾斜溝の傾斜角 h 形成面に対する傾斜溝の深さ Ps 加工原点位置 Pm0 中心凹面から数えてm番目の傾斜溝の加工開始位
置 Pm1,Pm2,Pm3,Pn,Pn+1,Pmn,Pm(n+1) 傾斜溝に対
する分割点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの加工面に対して垂直な軸線周り
    に同心状に配列する複数の略回転楕円曲面を個々の輪郭
    に沿って直線近似で分割し、分割された個々の切削領域
    を回転工具によりフライカットで切削加工する方法であ
    って、 前記加工面上で前記軸線を原点として前記略回転楕円曲
    面の短軸と長軸とをx軸,y軸とする直交座標系を設定
    し、前記y軸上を起点とする前記切削領域をxの関数で
    決定するようにしたことを特徴とする曲面加工方法。
  2. 【請求項2】 前記軸線を含む前記略回転楕円曲面から
    の前記長軸に沿った前記略回転楕円曲面の番号に応じて
    切削送り速度を変えるようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載の曲面加工方法。
  3. 【請求項3】 前記番号が大きな前記略回転楕円曲面ほ
    ど、切削送り速度を高速化させることを特徴とする請求
    項2に記載の曲面加工方法。
  4. 【請求項4】 前記ワークの加工面は、前記y軸に沿っ
    て細長い矩形であることを特徴とする請求項1から請求
    項3の何れかに記載の曲面加工方法。
  5. 【請求項5】 前記軸線を中心とする前記y軸に沿った
    前記略回転楕円曲面の形状が非対称形状であることを特
    徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の曲面加
    工方法。
  6. 【請求項6】 前記ワークがレーザーを用いたカラー画
    像形成装置に組み込まれてf−θレンズの一部を構成す
    る色補正用回折格子を製造するための成形金型であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の
    曲面加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8355037B2 (en) 2010-03-16 2013-01-15 Canon Kabushiki Kaisha Optical element used in optical scanning apparatus and optical scanning apparatus using same
CN112059402A (zh) * 2020-08-24 2020-12-11 长春理工大学 一种激光原位辅助单点金刚石飞切装置
CN114619324A (zh) * 2020-12-10 2022-06-14 东莞科伏精密制造有限公司 一种曲面天线罩的加工设备及加工方法

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