JP2001128069A - 画像変換方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents

画像変換方法および装置並びに記録媒体

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JP2001128069A
JP2001128069A JP2000155703A JP2000155703A JP2001128069A JP 2001128069 A JP2001128069 A JP 2001128069A JP 2000155703 A JP2000155703 A JP 2000155703A JP 2000155703 A JP2000155703 A JP 2000155703A JP 2001128069 A JP2001128069 A JP 2001128069A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 市松サンプリングの画像データの空孔画素位
置の信号値を補間して得られた正方サンプリングの画像
データのボケを無くす。 【解決手段】 画像取得手段6において、市松サンプリ
ングにより画像を捕捉した場合には、所定の補間演算に
より正方サンプリングの画像データS1を取得する際
に、画像捕捉時のサンプリング配置に関するサンプリン
グ情報Jを画像データS1に付与する。サンプリング情
報Jに基づき、市松サンプリングにより画像が捕捉され
たと判別された場合には、画像取得手段6における所定
の補間演算により生成された空孔画素位置の信号値に代
えて、所定の補間演算とは異なる補間演算により空孔画
素位置における信号値を生成して新たな正方サンプリン
グの画像データを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、市松サンプリング
を正方サンプリングに変換することにより得られた画像
データに対して変換処理を施す画像変換方法および装
置、並びに画像変換方法をコンピュータに実行させるた
めのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル電子スチルカメラ(以下デジタ
ルカメラとする)においては、撮影により取得した画像
をデジタル画像データとしてデジタルカメラ内部に設け
られた内部メモリやICカード等の記録媒体に記憶し、
記憶されたデジタル画像データに対して、階調処理やシ
ャープネス強調処理等の画像処理を施した後に、プリン
ト等のハードコピーとしてあるいはディスプレイ上にソ
フトコピーとして撮影により取得した画像を再現するこ
とができる。このように、デジタルカメラにより取得し
た画像を再現する場合においては、ネガフイルムからプ
リントされた写真と同様の高品位な画質を有するものと
することが期待されている。このため、デジタルカメラ
において得られた画像データに、画像を取得した際のス
トロボの有無、照明の種類等の撮像情報を付与して出力
し、画像処理を行う際には画像データに付与されている
撮影情報を参照して、画像データに対してより適切な画
像処理を施すようにした画像再生方法が提案されている
(特開平10−191246号)。
【0003】一方、デジタルカメラやスキャナにおいて
画像データを得るためには、所定のサンプリング配置に
より画像を捕捉する必要がある。このような画像を捕捉
するためのサンプリング配置としては、図3に示すよう
な画素配列において、○印の位置に信号値を有し×印の
位置(以下空孔画素位置とする)には信号値を有さない
ように画像を捕捉する市松サンプリングが知られてい
る。この市松サンプリングは実際には図11(a)に示
すように画素が配列されてなるものであり、図11
(b)に示すような画素配列(正方サンプリングと称す
る)と比較すると、画素が密となるため同一の面積であ
れば得られる情報が多くなる。なお、市松サンプリング
の画像データは、市松状に光電変換素子が配置されたC
CDを有するデジタルカメラにより撮影を行う等により
得られるが、デジタルカメラにおいて正方状に光電変換
素子が配置されたCCDを使用し、1回の撮影において
一度画像データを取り込んだ後、CCDを斜め45度方
向にずらして2回目の画像データを取り込むことによっ
ても得ることができる。また、正方状に光電変換素子が
配置されたCCDにより得られた画像データのサンプリ
ングを市松状にすることによっても得ることができる。
【0004】しかしながら、CRTモニタやプリント用
紙等の画像出力媒体に出力する画像出力装置や画像処理
装置においては、○印および×印の全ての位置において
信号値を有する正方サンプリングがなされた画像データ
を表示対象あるいは処理対象としているため、市松サン
プリングがなされた画像データを表示等するためには、
○印の位置における信号値に対して補間演算を施すこと
により×印の位置における信号値を算出し、画像データ
を市松サンプリングから正方サンプリングに変換する必
要がある。
【0005】このため、カメラにおいてマイクロレンズ
をCCDの前段に市松状に配置し、CCDにおいて得ら
れた市松状の信号値に対して、図4に示すような線形補
間フィルタによって、上下左右の信号値の平均値を求め
るようなフィルタリング処理を施して、図3の×位置に
おける信号値を算出することにより、市松サンプリング
された画像データを正方サンプリングされた画像データ
に変換する方法が提案されている(特開平5−1458
57号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−145857号に記載された方法は、図4に示
す概略菱形の特性を有する補間フィルタを用いて、図3
の×印の空孔画素位置における上下左右の信号値の単純
な平均値を算出することにより空孔画素位置の信号値を
求めているため、市松サンプリングされた画像データの
ナイキスト周波数内の情報を保持することはできるもの
の、得られた画像データにより表される画像がボケてし
まうという問題がある。したがって、このようにして得
られた画像データに対して画像処理を施したり、画像デ
ータを再生したりしても、高画質の画像を得ることは困
難である。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、市松サンプリングの画像データを正方サンプリング
の画像データに変換した場合にも、高画質の画像を得る
ことができるように画像データを変換できる画像変換方
法および装置、並びに画像変換方法をコンピュータに実
行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取
り可能な記録媒体を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による画像変換方
法は、市松サンプリングの画像データの空孔画素位置に
おける信号値を、所定の補間演算により生成することに
より得られた正方サンプリングの画像データに対して変
換処理を施す画像変換方法において、前記変換処理は、
前記所定の補間演算により生成された信号値に代えて、
前記所定の補間演算とは異なる補間演算により前記空孔
画素位置における信号値を生成して新たな正方サンプリ
ングの画像データを得る処理であることを特徴とするも
のである。
【0009】「所定の補間演算」とは、例えば上記特開
平5−145857号に記載されたように、比較的簡易
な演算により空孔画素位置の信号値を算出する補間演算
のことをいう。
【0010】「異なる補間演算」とは、例えば、N×M
(N,Mの少なくとも一方は3以上)の高次の補間フィ
ルタにおけるフィルタ係数の配置を、45度回転させた
フィルタ係数の配置を有する補間フィルタによってフィ
ルタリング処理を施す補間演算、画像の横方向にフィル
タリング処理を施して空孔画素位置における信号値を算
出した後、縦方向にも同様にフィルタリング処理を施す
ことにより、全ての空孔画素位置における信号値を求め
る補間演算等、画像のボケが少なくなるように空孔画素
位置の信号値を算出する補間演算のことをいう。
【0011】ここで、「N,Mの少なくとも一方が3以
上である」としたのは、N=2,M=2の場合は、高次
の補間フィルタとはならず、線形補間フィルタとなるか
らである。また、N,Mは正の整数であることはもちろ
んである。
【0012】この場合、前記フィルタ係数が、4×4の
Cubicスプライン補間演算を行う補間フィルタのフィル
タ係数であることが好ましい。
【0013】なお、本発明においては、画像データが元
々正方サンプリングされたものである場合には、何ら処
理が行われないものである。
【0014】なお、本発明による画像変換方法において
は、前記画像データにより表される画像を、市松サンプ
リングにより捕捉したか正方サンプリングにより捕捉し
たかを表すサンプリング情報が前記正方サンプリングの
画像データに付与されてなる場合は、該サンプリング情
報により前記画像が市松サンプリングにより捕捉された
と判別された場合にのみ、前記新たな正方サンプリング
の画像データを得る処理を行うことが好ましい。
【0015】ここで、「サンプリング情報を付与する」
方法としては、画像データのファイルヘッダにサンプリ
ング情報を記述する、画像データを記録する記録メディ
アに画像データとは別のファイルを作成してここにサン
プリング情報を記述する、複数の画像データを1つの記
録メディアに記録する際に、画像データに関する情報を
記述するファイルを作成し、このファイルにサンプリン
グ情報を記述する等種々の方法を採用することができ
る。
【0016】また、「サンプリング情報」としては、市
松サンプリングや正方サンプリングを区別することがで
きる情報であることが好ましく、市松サンプリングおよ
び正方サンプリングをそれぞれ表す記号、この記号に加
えて画像捕捉時の画素数、あるいは各サンプリング配置
の周波数特性を表す情報等を採用することができる。
【0017】本発明による画像変換装置は、市松サンプ
リングの画像データの空孔画素位置における信号値を、
所定の補間演算により生成することにより得られた正方
サンプリングの画像データに対して変換処理を施す変換
処理手段を備えた画像変換装置において、前記変換処理
手段は、前記所定の補間演算により生成された信号値に
代えて、前記所定の補間演算とは異なる補間演算により
前記空孔画素位置における信号値を生成して新たな正方
サンプリングの画像データを得る変換処理を行う手段で
あることを特徴とするものである。
【0018】なお、本発明による画像変換装置において
は、前記変換処理手段における前記異なる補間演算は、
前記画像データにおける前記所定の補間演算により生成
された信号値以外の信号値に対して、N×M(N,Mの
少なくとも一方は3以上)の高次の補間フィルタにおけ
るフィルタ係数の配置を、45度回転させたフィルタ係
数の配置を有する補間フィルタによってフィルタリング
処理を施す補間演算であることが好ましい。
【0019】この場合、前記フィルタ係数が、4×4の
Cubicスプライン補間演算を行う補間フィルタのフィル
タ係数であることが好ましい。
【0020】まあ、本発明による画像変換装置において
は、前記画像データにより表される画像を、市松サンプ
リングにより捕捉したか正方サンプリングにより捕捉し
たかを表すサンプリング情報が前記正方サンプリングの
画像データに付与されてなる場合り、該サンプリング情
報により前記画像が市松サンプリングにより捕捉された
か否かを判別する判別手段をさらに備え、前記変換処理
手段は、前記判別手段により前記画像が市松サンプリン
グにより捕捉されされたと判別された場合にのみ、前記
新たな正方サンプリングの画像データを得る処理を行う
手段であることが好ましい。
【0021】なお、本発明による画像変換方法をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムとして、コンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0022】また、本発明による画像変換装置をデジタ
ルカメラ等の撮像装置に設けてもよく、プリンタ等の出
力装置に設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、所定の補間演算により
生成された信号値に代えて、所定の補間演算とは異なる
補間演算により空孔画素位置における信号値を生成して
新たな正方サンプリングの画像データを得るようにした
ため、新たな正方サンプリングの画像データは、所定の
補間演算が施された画像データと比較して、画像のボケ
が少ないものとなる。したがって、この新たな画像デー
タにより画像を再生したり、画像処理を行ったりするこ
とにより、ボケが少ない高画質の画像を得ることができ
る。
【0024】ここで、正方サンプリングされた画像デー
タに対して補間演算を施す場合、N×Mの高次の補間フ
ィルタを使用すれば、画像をぼかすことなく、かつ元の
画像の再現範囲を損なうことなく、画像を補間すること
ができる。一方、画像データにおける所定の補間演算に
より生成された信号値以外の信号値は、所定の補間演算
を施す前の市松サンプリングの画像データそのものであ
る。したがって、異なる補間演算を、このような高次の
補間フィルタのフィルタ係数の配置を45度回転させた
フィルタ係数の配置を有する補間フィルタによる補間演
算とすることにより、画像の周波数特性が正方サンプリ
ングと比較して45度回転した方向に傾斜している市松
サンプリングの画像データに対して、画像をぼかすこと
なく、かつ元の画像の再現範囲を損なうことなく補間演
算を施して、新たな正方サンプリングの画像データを得
ることができる。
【0025】また、画像捕捉時のサンプリング配置に関
するサンプリング情報を画像データに付与することによ
り、サンプリング情報を参照すれば、その画像データが
市松サンプリングにより捕捉されたものか、正方サンプ
リングにより捕捉されたものかを直ちに知ることがで
き、新たな正方サンプリングの画像データを得るための
演算の可否を容易に判断することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態について説明する。図1は本発明の実施形態による
画像変換装置を適用した画像出力システムの構成を示す
概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態
による画像出力システムは、所定のサンプリング配置に
より画像を捕捉することにより画像データS1を取得す
るとともに、サンプリング配置に関するサンプリング情
報Jを画像データS1に付与して出力する画像取得手段
6から出力された画像データS1に対して処理を施すも
のであり、画像データS1を読み出すための画像読出手
段1と、画像データS1に付与されたサンプリング情報
Jに基づいて、画像取得手段6において画像を捕捉した
際のサンプリング配置が市松サンプリングか正方サンプ
リングであるかを判別する判別手段2と、判別手段2に
おける判別結果に基づいて、画像データS1に対して後
述する変換処理を含む画像処理を施して処理済み画像デ
ータS2を得る画像処理手段3と、処理済み画像データ
S2を再生する再生手段4とを備える。
【0027】図2は画像取得手段6の一例を示すブロッ
ク図である。図2に示すように画像取得手段6は例えば
デジタルカメラであり、シーンの画像を市松サンプリン
グにより捕捉して画像を表す画像データS0を得るCC
D7と、市松サンプリングの画像データS0に対して補
間演算を施して、画像データS0のサンプリング配置を
市松サンプリングから正方サンプリングに変換して正方
サンプリングの画像データS1を得る市松正方変換手段
8と、画像を捕捉した際のサンプリング配置に関する情
報をサンプリング情報Jとして、これを画像データS1
に付与してメモリカード等のメディア10に記録する記
録手段9とを備える。なお、CCD7が元々正方サンプ
リングである場合には、画像取得手段6には市松正方変
換手段8は設けられず、CCD7において得られた画像
データS0が、サンプリング情報Jとともにそのまま画
像データS1としてメディア10に記録される。
【0028】一方、画像取得手段6が画像を光電的に読
み取るスキャナである場合に、画像を市松サンプリング
により捕捉するには、1ラインの走査毎にサンプルホー
ルドする位置を半画素ずらすことにより、得られる画像
データS0は市松サンプリングされたものとなる。この
場合、スキャナには図2に示す市松正方変換手段8が設
けられ、これにより画像データS0のサンプリング配置
が市松サンプリングから正方サンプリングに変換され
て、正方サンプリングの画像データS1が得られる。
【0029】なお、画像データS0が市松サンプリング
されたものである場合、図3に示すように○の画素位置
には信号値を有するが、×の画素位置には信号値を有さ
ないものとなる。したがって、市松正方変換手段8にお
いては、例えば上記特開平5−145857に記載され
たように○画素位置の信号値を用いて図4に示すような
線形補間フィルタにより補間演算が行われて、×画素位
置の信号値が求められ、正方サンプリングの画像データ
S1が得られる。
【0030】記録手段9は、画像データS1にサンプリ
ング情報Jを付与してメディア10に記録するものであ
る。この付与方法としては、画像データS1のファイル
ヘッダにサンプリング情報Jを記述する、メディア10
内の別々のファイルに画像データS1およびサンプリン
グ情報Jを記述する、メディア10に複数の画像データ
S1を記録する際に、画像データS1に関する情報を記
述するファイルを作成し、このファイルにサンプリング
情報Jを記述する等種々の方法を採用することができ
る。
【0031】ここで、サンプリング情報Jとしては、市
松サンプリングおよび正方サンプリングの区別を表す記
号、市松サンプリングおよび正方サンプリングの区別を
表す記号と画像捕捉時の画素数、画像データS0の周波
数特性を示す情報等が挙げられる。
【0032】なお、サンプリング情報Jとしてはこれら
に限定されるものではなく、画像データS0が正方サン
プリングである場合には、何ら情報を付与しないもので
あってもよく、画像取得手段6の機種に応じてサンプリ
ング配置が特定できる場合には、その機種に関する情報
であってもよい。
【0033】図1に戻り、判別手段2は、サンプリング
情報Jに基づいて、画像の捕捉時におけるサンプリング
配置を判別する。ここで、サンプリング情報Jが市松サ
ンプリングおよび正方サンプリングを表す記号であれば
その記号を判別し、サンプリング情報Jにこの記号に加
えて画像捕捉時の画素数が含まれている場合には、記号
を判別するとともに画像データS1の周波数特性も判別
する。また、サンプリング情報Jが画像データS1の周
波数特性を示す情報である場合には、その周波数特性に
より表されるレスポンスの形状からサンプリング配置を
判別する。
【0034】画像処理手段3は、判別手段2における判
別結果に応じて画像データS1に対して下記のようにし
て画像処理を施して処理済み画像データS2を得るもの
である。図5は画像処理手段3の構成を示す概略ブロッ
ク図である。図5に示すように、画像処理手段3は、画
像取得手段6において画像を捕捉した際のサンプリング
配置が市松サンプリングであると判別された場合に、画
像データS1の○画素位置の信号値のみを用いて、画像
データS1に対して後述する補間フィルタF0による補
間演算を施して、新たな正方サンプリングの画像データ
S1′を得る変換処理手段12と、画像データS1′に
対して階調処理、シャープネス強調処理等の画像処理を
施して処理済み画像データS2を得る処理手段13とを
備える。なお、変換処理手段12は画像を捕捉した際の
サンプリング配置が正方サンプリングであると判別され
た場合には、何ら処理を行うことなく画像データS1を
そのまま出力するものである。
【0035】変換処理手段12においては、以下のよう
にして画像データS1に対して補間演算が施される。図
3に示すように、市松サンプリングされた画像データS
0は、○画素位置においては信号値を有するが、×画素
位置においては信号値を有さないものである。一方、正
方サンプリングの画像データS1は×画素位置の信号値
を有するが、これは画像取得手段6において図4に示す
特性を有する線形の補間フィルタを用いた補間演算によ
り求められたものであることから、画像データS1によ
り表される画像はボケが大きいものとなっている。この
ため、変換処理手段12は、図5に示す係数を有する補
間フィルタF0により、画像取得手段6において取得さ
れた○画素位置の信号値のみを用いて画像データS1に
対してフィルタリング処理を施して×画素位置の信号値
を求め、これを画像データS1における×画素位置の信
号値と置き換えることにより、新たな正方サンプリング
された画像データS1′を得るものである。なお、この
フィルタリング処理とは、補間フィルタF0のフィルタ
係数を、○画素位置における信号値に畳み込むことをい
う。
【0036】補間フィルタF0は以下のようにして作成
される。まず、4画素の中点における信号値を求めるた
めの1次元のCubicスプライン補間演算の補間係数は、
−1/16,9/16,9/16,−1/16であるた
め、これを2次元に展開すると図6に示すように4×4
の係数行列からなる補間フィルタとなる。そして、この
補間フィルタのフィルタ係数の配置を45度回転させる
ことにより、図5に示すフィルタ係数の配置を有する補
間フィルタF0が得られる。
【0037】ここで、Cubicスプライン補間演算のよう
に高次の補間演算は、画像をぼかすことなく、かつ元の
画像の再現範囲を損なうことなく、画像を補間すること
ができるものである。図3に示す市松サンプリングは、
×印の位置にも信号値を有する正方サンプリングと比較
すると、画像の周波数特性は45度回転した方向に傾斜
しているものとなる。このため、図6に示すCubicスプ
ライン補間演算を行う補間フィルタのフィルタ係数の配
置を45度回転させた図5に示す補間フィルタF0によ
り、画像データS1の○画素位置の信号値のみを用いて
補間演算を行えば、得られた画像データS1′により表
される画像は、正方サンプリングされた画像データに対
して図6に示す補間フィルタによるフィルタリング処理
を施した場合と同様に、画像のボケおよび元の画像の再
現範囲の欠落のないものとなる。
【0038】再生手段4は、デジタル写真銀塩プリン
タ、インクジェットプリンタ等のハードコピーデバイ
ス、CRT、液晶ディスプレイ等のソフトコピーデバイ
ス等、処理済み画像データS2を可視像として再生可能
なものである。
【0039】次いで、本実施形態の動作について説明す
る。図7は本実施形態の動作を示すフローチャートであ
る。図7に示すように、まず画像取得手段6において取
得された画像データS1およびサンプリング情報Jが画
像読出手段1において読み出されて、画像処理手段3お
よび判別手段2に入力される(ステップS1)。判別手
段2においては、サンプリング情報Jに基づいて、画像
取得手段6において画像を捕捉した際のサンプリング配
置が市松サンプリングであるか正方サンプリングである
かが判別される(ステップS2)。そして、判別結果が
正方サンプリングであった場合には(ステップS3)、
画像処理手段3において、画像データS1に対して処理
手段13における画像処理のみが施されて処理済み画像
データS2が得られる(ステップS4)。処理済み画像
データS2は再生手段4において再生され(ステップS
5)、処理を終了する。
【0040】一方、判別結果が市松サンプリングであっ
た場合にはステップS3が否定され、変換処理手段12
において画像データS1に対して補間フィルタF0によ
る補間演算が施されて新たな正方サンプリングの画像デ
ータS1′が得られる(ステップS6)。そして、新た
な正方サンプリングの画像データS1′に対して処理手
段13において画像処理が施されて処理済み画像データ
S2が得られる(ステップS4)。処理済み画像データ
S2は再生手段4において再生され(ステップS5)、
処理を終了する。
【0041】このように、本実施形態においては、画像
を捕捉する際のサンプリング情報Jに基づいて、市松サ
ンプリングにより画像が捕捉されたものであると判別さ
れた場合には、画像取得手段6において行われた補間演
算とは異なる補間フィルタF0を用いた補間演算によ
り、×画素位置の信号値を生成して新たな正方サンプリ
ングの画像データS1′を得るようにしたため、新たな
正方サンプリングの画像データS1′は、画像データS
1と比較して、画像のボケが少ないものとなる。したが
って、この新たな画像データS1′に対して画像処理を
施すことにより、ボケが少ない高画質の画像を得ること
ができる。
【0042】また、画像捕捉時のサンプリング配置に関
するサンプリング情報Jを画像データS1に付与するこ
とにより、サンプリング情報Jを参照すれば画像データ
S1により表される画像が市松サンプリングにより捕捉
されたものか、正方サンプリングにより捕捉されたもの
かを直ちに知ることができ、新たな正方サンプリングの
画像データS1′を得るための演算の可否を容易に判断
することができる。
【0043】なお、上記実施形態においては、変換処理
手段12においては、図5に示すような補間フィルタF
0により補間演算を行っているが、図8に示すように0
を用いてフィルタ係数が市松状に配置された補間フィル
タとしてもよい。また、図9に示すように補間フィルタ
F0のフィルタ係数の間に0を補間した正方状の補間フ
ィルタとしてもよい。ここで、図8,9に示す補間フィ
ルタを使用すると、0を乗じるための計算量が多くなる
が、例えば装置にDSP(Digital Signal Processor)
のような積和演算専用の演算素子を実装する場合には、
単純な積和演算のみにより計算を行った方が、より高速
に処理を行うことができる。したがって、このような積
和演算専用の演算素子を用いることにより、演算量が増
えても演算時間を増加させることなく補間フィルタF0
によりフィルタリング処理を行って、正方サンプリング
の画像データS1を得ることができる。
【0044】また、上記実施形態においては、Cubicス
プライン補間演算を行うための補間フィルタを使用して
いるが、Bスプライン補間演算、ラグランジェ補間演算
等の高次の補間演算を行うための補間フィルタであれ
ば、いかなるものをも適用することができる。また、4
×4の補間フィルタを使用しているが、これに限定され
るものではなく、N,Mのいずれか一方が3以上となる
補間フィルタであれば、いかなるフィルタをも適用する
ことができる。
【0045】なお、上記実施形態においては、変換処理
手段12において、補間フィルタF0により補間演算を
行っているが、○画素位置の信号値のみを用いて画像の
横方向にフィルタリング処理を施して×画素位置におけ
る信号値を算出した後、縦方向にも同様にフィルタリン
グ処理を施すことにより、全ての×画素位置における信
号値を求める補間演算を行うようにしてもよい。
【0046】ここで、市松サンプリングされた画像デー
タのナイキスト周波数を2次元で表すと図10(a)に
示すような菱形状のレスポンスとなるのに対して、上述
した画像の横方向にフィルタリング処理を施した後、縦
方向にフィルタリング処理を施した場合のフィルタ特性
は、図10(b)に示すような矩形状のレスポンスとな
る。なお、図10においてfs/2は正方サンプリング
された画像データのナイキスト周波数であり、図10
(a)においては市松サンプリングの画像が再現可能な
周波数帯域を実線で示し、図10(b)においてはフィ
ルタのレスポンスが1/2となる位置を実線にて示して
いる。したがって、市松サンプリングされた画像データ
に対して上述した画像の縦横方向についてのフィルタリ
ング処理を施した場合、図10(a)の周波数特性に図
10(b)の周波数特性を乗じた範囲がフィルタリング
処理後の画像が再現可能な周波数帯域となる。しかしな
がら、この場合図10(c)の斜線で示す部分がフィル
タリング処理により失われてしまうため、元の画像の再
現範囲を損なってしまう。このため、フィルタ特性を変
更して図10(d)に示すようにフィルタのレスポンス
が1/2となる位置を変更することが考えられるが、こ
れによると図10(e)に示す斜線部分が図10(a)
に示す特性からはみ出して折り返し歪みが起こりエリア
ジングが発生するため、得られる画像の画質が劣化して
しまう。したがって、上記補間フィルタF0を用いて補
間演算を行うことにより、画像をぼかすことなく、かつ
元の画像の再現範囲を損なうことなく補間演算を行うこ
とができるため、より好ましい。
【0047】また、上記実施形態においては、画像取得
手段6において取得した画像データS1をサンプリング
情報Jとともにメディア10に記録して、画像読出手段
1においてデータを読み出しているが、画像データS1
をサンプリング情報Jとともにネットワークを介して画
像読出手段1に転送してもよい。この場合、画像取得手
段6の記録手段9に代えて、画像取得手段6と画像読出
手段1とを接続するためのインターフェイスが用いられ
る。
【0048】さらに、上記実施形態においては、画像取
得手段6において画像データS1にサンプリング情報J
を付与し、判別手段2において市松サンプリングである
か正方サンプリングであるかを判別しているが、画像デ
ータS1が全て市松サンプリングにより得られたもので
あることが分かっているような場合には、とくに画像デ
ータS1にサンプリング情報Jを付与することなく、か
つ判別手段2により市松サンプリングであるか正方サン
プリングであるかの判別を行うことなく、画像処理手段
3において処理を行うようにしてもよい。
【0049】さらにまた、上記実施形態においては、本
発明による画像変換装置を画像出力システムに設けてい
るが、デジタルカメラやフイルムから画像を読み取るス
キャナ等の撮像装置に設けてもよく、これらの撮像装置
において得られた画像データを再生するモニタやプリン
タ等の出力装置に設けてもよい。また、画像変換装置単
体として用いてもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像変換装置を適用し
た画像出力システムの構成を示す概略ブロック図
【図2】画像取得手段の構成を示す概略ブロック図
【図3】市松サンプリングされた画像データの画素配置
を示す図
【図4】線形補間フィルタを示す図
【図5】画像処理手段の構成を示す概略ブロック図
【図6】2次元Cubicスプライン補間演算を行う補間フ
ィルタを示す図
【図7】本実施形態の動作を示すフローチャート
【図8】補間フィルタの他の例を示す図
【図9】補間フィルタの他の例を示す図
【図10】市松サンプリングおよび正方サンプリングの
周波数特性を示す図
【図11】市松サンプリングおよび正方サンプリングの
画素配置を示す図
【符号の説明】
1 画像読出手段 2 判別手段 3 画像処理手段 4 再生手段 6 画像取得手段 7 CCD 8 市松正方変換手段 9 記録手段 10 メディア 12 変換処理手段 13 処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 CA12 CA16 CB12 CB16 CC01 CE06 CH09 5C024 CX03 CY37 GX22 GY01 HX05 HX14 5C077 LL01 LL19 MM03 MP01 NP01 PP01 PP68 PQ12 RR18 RR19 SS01 TT09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 市松サンプリングの画像データの空孔
    画素位置における信号値を、所定の補間演算により生成
    することにより得られた正方サンプリングの画像データ
    に対して変換処理を施す画像変換方法において、 前記変換処理は、前記所定の補間演算により生成された
    信号値に代えて、前記所定の補間演算とは異なる補間演
    算により前記空孔画素位置における信号値を生成して新
    たな正方サンプリングの画像データを得る処理であるこ
    とを特徴とする画像変換方法。
  2. 【請求項2】 前記異なる補間演算は、前記画像デー
    タにおける前記所定の補間演算により生成された信号値
    以外の信号値に対して、N×M(N,Mの少なくとも一
    方は3以上)の高次の補間フィルタにおけるフィルタ係
    数の配置を、45度回転させたフィルタ係数の配置を有
    する補間フィルタによってフィルタリング処理を施す補
    間演算であることを特徴とする請求項1記載の画像変換
    方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ係数が、4×4のCubicス
    プライン補間演算を行う補間フィルタのフィルタ係数で
    あることを特徴とする請求項2記載の画像変換方法。
  4. 【請求項4】 前記画像データにより表される画像
    を、市松サンプリングにより捕捉したか正方サンプリン
    グにより捕捉したかを表すサンプリング情報が前記正方
    サンプリングの画像データに付与されてなり、 該サンプリング情報により前記画像が市松サンプリング
    により捕捉されたと判別された場合にのみ、前記新たな
    正方サンプリングの画像データを得る処理を行うことを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画像変
    換方法。
  5. 【請求項5】 市松サンプリングの画像データの空孔
    画素位置における信号値を、所定の補間演算により生成
    することにより得られた正方サンプリングの画像データ
    に対して変換処理を施す変換処理手段を備えた画像変換
    装置において、 前記変換処理手段は、前記所定の補間演算により生成さ
    れた信号値に代えて、前記所定の補間演算とは異なる補
    間演算により前記空孔画素位置における信号値を生成し
    て新たな正方サンプリングの画像データを得る変換処理
    を行う手段であることを特徴とする画像変換装置。
  6. 【請求項6】 前記変換処理手段における前記異なる
    補間演算は、前記画像データにおける前記所定の補間演
    算により生成された信号値以外の信号値に対して、N×
    M(N,Mの少なくとも一方は3以上)の高次の補間フ
    ィルタにおけるフィルタ係数の配置を、45度回転させ
    たフィルタ係数の配置を有する補間フィルタによってフ
    ィルタリング処理を施す補間演算であることを特徴とす
    る請求項5記載の画像変換装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ係数が、4×4のCubicス
    プライン補間演算を行う補間フィルタのフィルタ係数で
    あることを特徴とする請求項6記載の画像変換装置。
  8. 【請求項8】 前記画像データにより表される画像
    を、市松サンプリングにより捕捉したか正方サンプリン
    グにより捕捉したかを表すサンプリング情報が前記正方
    サンプリングの画像データに付与されてなり、 該サンプリング情報により前記画像が市松サンプリング
    により捕捉されたか否かを判別する判別手段をさらに備
    え、 前記変換処理手段は、前記判別手段により前記画像が市
    松サンプリングにより捕捉されされたと判別された場合
    にのみ、前記新たな正方サンプリングの画像データを得
    る処理を行う手段であることを特徴とする請求項5から
    7のいずれか1項記載の画像変換装置。
  9. 【請求項9】 市松サンプリングの画像データの空孔
    画素位置における信号値を、所定の補間演算により生成
    することにより得られた正方サンプリングの画像データ
    に対して変換処理を施す手順を有する画像変換方法をコ
    ンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコ
    ンピュータ読取り可能な記録媒体において、 前記変換処理を施す手順は、前記所定の補間演算により
    生成された信号値に代えて、前記所定の補間演算とは異
    なる補間演算により前記空孔画素位置における信号値を
    生成して新たな正方サンプリングの画像データを得る処
    理を行う手順であることを特徴とするコンピュータ読取
    り可能な記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記異なる補間演算は、前記画像デ
    ータにおける前記所定の補間演算により生成された信号
    値以外の信号値に対して、N×M(N,Mの少なくとも
    一方は3以上)の高次の補間フィルタにおけるフィルタ
    係数の配置を、45度回転させたフィルタ係数の配置を
    有する補間フィルタによってフィルタリング処理を施す
    補間演算であることを特徴とする請求項9記載のコンピ
    ュータ読取り可能な記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記フィルタ係数が、4×4のCubic
    スプライン補間演算を行う補間フィルタのフィルタ係数
    であることを特徴とする請求項10記載のコンピュータ
    読取り可能な記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記画像データにより表される画像
    を、市松サンプリングにより捕捉したか正方サンプリン
    グにより捕捉したかを表すサンプリング情報が前記正方
    サンプリングの画像データに付与されてなり、 該サンプリング情報により前記画像が市松サンプリング
    により捕捉されたか否かを判別する手順をさらに有し、 前記変換処理を行う手順は、前記判別する手順により前
    記画像が市松サンプリングにより捕捉されされたと判別
    された場合にのみ、前記新たな正方サンプリングの画像
    データを得る処理を行う手順であることを特徴とする請
    求項9から11のいずれか1項記載のコンピュータ読取
    り可能な記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項5から8のいずれか1項記載
    の画像変換装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
  14. 【請求項14】 請求項5から8のいずれか1項記載
    の画像変換装置を備えたことを特徴とする出力装置。
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