JP2001125948A - 走行シミュレーションシステム及び記録媒体 - Google Patents

走行シミュレーションシステム及び記録媒体

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JP2001125948A
JP2001125948A JP31061199A JP31061199A JP2001125948A JP 2001125948 A JP2001125948 A JP 2001125948A JP 31061199 A JP31061199 A JP 31061199A JP 31061199 A JP31061199 A JP 31061199A JP 2001125948 A JP2001125948 A JP 2001125948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設計された車両走行路を走行する車両からの視
界を模擬し、設計成果を的確に検証しフィードバックす
ることができるシステムの提供。 【解決手段】この発明による走行シミュレーションシス
テムでは、車両走行路計画に従って走行路及び周辺環境
を設計すると、設計された走行路及び周辺環境表わす計
画3次元データが作成され、この計画3次元データに基
づいて、設計された走行路上を走行する車両からの視界
を模擬する走行シミュレーションデータが生成される。
このように、設計された車両走行路上を車両が走行する
場合を想定して路上走行車上から見た視界を模擬するこ
とにより、設計成果である車両走行路及び周辺環境の様
子を立体的に的確に検証することができる。設計上の問
題点があれば設計段階にフィードバックする。計画3次
元データは、現況の環境を表わす現況3次元データを基
にして車両走行路計画に従い作成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、設計された車両
走行路上を走行する車両の前方視界を模擬(シミュレー
ト)するための走行シミュレーションシステム、より詳
細には、現況ディジタル地形データに基づき道路計画に
従って道路設計を行い各種図面データをディジタル的に
生成する道路設計システムにおける走行シミュレーショ
ンシステム及びそのための記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、道路設計システムにおいては、
現況ディジタル地形データに基づき道路計画に従って道
路設計が行われ計画平面図、計画断面図等の各種図面が
作成される。このように設計後に作成される図面は2次
元的に記述されたものであり、計画設計された道路の様
子を立体的に把握するには、さらに、設計データを3次
元用に改変する必要があり、各種のシミュレーションを
行って設計結果を検証する必要もある。
【0003】この一環として、例えば、設計された道路
を3次元的に視覚的に模擬することが考えられる。この
ような場合、一般的には、設計業務に携わった設計技術
者ではなく、CG(コンピュータグラフィックス)やコ
ンピュータに精通したオペレータが、道路設計業務の成
果である平面図、縦断図、横断図等の2次元図面を見な
がら、経験をもとにして感覚的に必要なデータを入力し
てシミュレーションデータを作成することになる。
【0004】しかしながら、このようなシュミレーショ
ンシステムでは、道路設計システムと全く別のシステム
として独立的に機能し、データ処理システムとして相互
に連繋がないだけでなく、設計技術上の観点からも、満
足のゆく所望の検証を遂行することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情に鑑み、車両走行路の設計とシミュレーションを
連繋し、設計成果である計画平面図や計画断面図(縦断
図、横断図)等を利用して走行シミュレーションを行
い、設計された車両走行路及び周辺環境の様子を路上走
行車上から見た視界として立体的に的確に把握すること
ができ、設計成果を確認乃至フィードバックすることが
できる走行シミュレーションシステムを提供することを
主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の主たる特徴に
従うと、車両走行路計画に従って設計された走行路及び
周辺環境を表わす計画3次元データを作成する手段と、
作成された計画3次元データに基づいて、設計された走
行路上を走行する車両からの視界を模擬する走行シミュ
レーションデータを生成する手段とを具備する走行シミ
ュレーションシステム、及び、車両走行路計画に従って
設計された走行路及び周辺環境を表わす計画3次元デー
タを作成するステップと、作成された計画3次元データ
に基づいて、設計された走行路上を走行する車両からの
視界を模擬する走行シミュレーションデータを生成する
ステップとから成るプログラムを記録している走行シミ
ュレーションのための記録媒体が提供され、計画3次元
データは、現況の環境を表わす現況3次元データを基に
して車両走行路計画に従い作成される。
【0007】〔発明の作用〕この発明による走行シミュ
レーションシステムでは、車両走行路計画に従って走行
路及び周辺環境を設計すると、設計された走行路及び周
辺環境表わす計画3次元データが作成され、作成された
計画3次元データに基づいて、設計された走行路上を走
行する車両からの視界を模擬する走行シミュレーション
データ(ビデオクリップデータ)が生成される。このよ
うに、設計された車両走行路上を車両が走行する場合を
想定して、路上走行車上から見た視界を模擬することに
より、車両走行路及び周辺環境の様子を立体的に的確に
把握することができ、設計成果を十分に視察確認し、ま
た、設計上の問題点があれば、設計段階に効果的にフィ
ードバックすることができる。すなわち、走行シュミレ
ーション結果により、コンピュータ上で設計上の不具合
を発見した場合には、フィードバックして設計修正を再
度行い、すばやく、新しい走行シュミレーションを実行
し再設計結果を確認することができる。
【0008】この発明のシステムは、車両走行路設計シ
ステムの一環として走行シュミレーションが行える新し
いシステムを提供するものであり、設計技術者は従来の
車両走行路設計と同様の手法で設計を行うと、システム
側で同時に自動的に走行シュミレーションデータが作成
される。通常、走行シュミレーションデータのような動
的なグラフィックスデータを作成しようとすれば、CG
やコンピュータに精通したオペレータの手で行なわねば
ならないが、この発明のシステムでは、車両走行路設計
技術者やCADオペレータでも作成が可能となる。従っ
て、設計技術者の観点から、設計結果を視覚的にとらえ
ることができ、最終成果の品質や設計上の問題点を的確
に把握することができる。つまり、車両走行路の設計結
果がコンピュータ画面に視覚的に表示されるので、設計
図面のみではイメージできなかった設計上の問題点が速
やかに判断できる。
【0009】さらに、計画3次元データは、現況の環境
を表わす現況3次元データを基にして車両走行路計画に
従い作成されるようにしているので、現況把握の段階か
ら設計段階を経てシミュレーションに至る一連の過程が
連繋され、データを一元的に管理することができる。ま
た、周辺環境のうち設計段階で改変されなかった部分に
は、現況3次元データにより表わされる現況の環境が忠
実に反映されるので、走行路と環境との調和を十分考慮
した設計を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単
なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の変更が可能である。
【0011】〔システムの概略〕図1は、この発明が適
用される道路計画設計支援システムの全体的な構成を表
わすブロック図である。一般的な処理の流れとして、ま
ず、現況地形データを取得する。このための測量機器と
して、GPS(Global Positioning System :全地球測
位システム)装置1、或いは、トータルステーション
(Total Station )2を用いて現況地形を測量し、これ
により、現況地形データとして3次元座標を取得する。
GPS装置1やトータルステーション2で得られた3次
元座標データは、直ちに、それぞれの無線装置3,4及
び現場用無線装置5,6を介して、現場用コンピュータ
7に送られる。
【0012】現場用コンピュータ7では、等高線自動生
成プログラムにより、等高線(コンタ)データを自動的
に生成する。ここで自動生成された等高線データは、液
晶ディスプレイ(図示せず)で確認することができ、確
認を終えると、現場用コンピュータ7から、例えば、シ
リアル伝送ラインを介して、ホストコンピュータ8に入
力される。
【0013】なお、GPS装置1やトータルステーショ
ン2で生成される3次元座標データは、破線で示すよう
に、直接ホストコンピュータ8に入力し、ホストコンピ
ュータ8の等高線自動生成機能を用いて等高線データを
生成するようにしてもよい(トータルステーション2か
らのホストコンピュータ8への直接データ入力は図示を
省略している)。また、等高線自動生成機能を有するG
PS装置1やトータルステーション2を使用する場合に
は、これらの測量装置1,2から等高線データを直接ホ
ストコンピュータ8に入力するようにしてもよい。
【0014】ホストコンピュータ8には、さらに、デジ
タイザ9やスキャナ10を接続することができ、これら
の装置からは、ベクトルデータ化された現況図面データ
を受け取ることができる。
【0015】ホストコンピュータ8においては、GPS
装置1やトータルステーション2での測量により〔現場
用コンピュータ7を介して、或いは、直接(等高線自動
生成機能を有する測量装置1,2を使用する場合)〕得
られた生の等高線データ、或いは、3次元座標データ、
デジタイザ9やスキャナ10からのベクトルデータが、
中央処理装置(CPU)11の制御の下、インターフェ
イス12から内部バス13を介して一旦メモリ14に格
納される。
【0016】バス12にはキーボード15やディスプレ
イ16が接続されており、各種データのメモリ14への
格納後、CPU1は、キーボード15の操作に応じて、
等高線自動生成機能に基づき3次元座標データ或いはベ
クトルデータから等高線データを自動生成し、また、現
況図作成機能に基づき等高線データから現況図データを
半自動的に生成する。なお、ホストコンピュータ8にお
ける現況図作成機能を現場用コンピュータ7にもたせる
ことにより、現場用コンピュータ7で現況図データを作
成し、現況図データをホストコンピュータ8に転送する
ように構成することもできる。
【0017】さて、ホストコンピュータ8では、このよ
うにして得られた現況図データを基にして、道路計画設
計が行われ、計画平面図、計画断面図(横断図、縦断
図)データが生成され、対応する各種図面は、インター
フェイス12を介してプロッタ18により作図される。
【0018】さらに、ホストコンピュータ8は、これら
の計画図データを基にして、計画設計後のメッシュ点座
標データを自動的に生成し、このメッシュ点座標データ
を用いて景観シミュレーションデータや走行シミュレー
ションデータを生成する。これにより、視覚性に優れた
動的な景観シミュレーション画像や走行シミュレーショ
ン画像をディスプレイ16上に自動的に表示させ、ま
た、画面に対応する図形データを用いて、シミュレーシ
ョン画面における任意視点の鳥瞰図や走行模擬図をプリ
ンタ17により自動的にプリントアウトすることができ
る。
【0019】なお、プリンタ17やプロッタ18には、
現況データと計画データ或いは工事中データとの相違を
カラーで区別できるような図面或いは計算書を出力する
ことができるように、カラーレーザプリンタやカラーイ
ンクジェットプロッタ等を用いるのが好ましい。
【0020】〔システム機能の概要〕図2及び図3は、
この発明が適用される道路計画設計支援システムの概略
的な機能を表わ機能ブロック図であり、図1の道路計画
設計支援システムにおいて、GPS装置1は等高線自動
生成機能を有さず、現場用コンピュータ7は現況図作成
機能を有さないものとした場合の機能ブロック図を示し
ている。
【0021】GPS装置1(図2)は、GPS方式によ
るディジタル測地装置であり、近年の目ざましい技術の
進展により、小型化が図られ測定操作が容易で装備も非
常に簡単であり、しかも、短時間で非常に高精度なディ
ジタル測量データを得ることができる。この発明の一実
施例では、計画対象地域の現況地形を測量するに際し、
機能ブロックF1で示すように、ランダムな任意の地点
でGPS装置1によるGPS方式の測地を行うことによ
り、ランダムな各測地点で、高精度なディジタル3次元
座標データ〔x(東西),y(南北),z(標高)〕を
取得する。
【0022】すなわち、この発明では、測量し易い任意
のランダムな地点〔(xr,yr)=ランダムな任意
点〕で現況測量を行い、例えば、標高変化が少ない地区
では測量点を少なくし、地形が複雑であったり路線候補
地のような地区では測量点を多くする必要がある等、測
量点密度の粗密を考慮して測量する。これにより、GP
Sによる高精度3次元測量に加え、地形の変化点を重視
した測地点密度可変の測量を行うことができ、効率的な
測量作業に拘わらず、更に精度を向上した測量結果が得
られる。
【0023】トータルステーション2は、測距測角儀を
用いディジタル信号で測量データ処理を行うディジタル
測地装置であり、技術の進展により、小型で容易な測定
操作に拘わらず、比較的精度のよいディジタル測量デー
タが得られる。この発明の一実施例では、計画対象地域
の現況地形を測量するに際し、機能ブロックF2で示す
ように、ランダムな任意の測地点でトータルステーショ
ン2により測地を行うことにより、ランダムな各地点
で、ディジタル3次元座標データ(xr,yr,zr)
を取得することができる。なお、GPS装置1やトータ
ルステーション2の各測地点は、ランダムでよいが、な
るべく正三角形に近い三角形の各頂点を成すように相互
位置関係を選定すれば、以後の処理を都合よく行い且つ
良好な処理結果を得ることができる。
【0024】現場用コンピュータ7は、携帯型パーソナ
ルコンピュータにアプリケーションソフトウエアにより
等高線自動生成機能を付与したものであり、例えば、
「電子平板」と称される携帯形の装置が用いられる。こ
のような現場用コンピュータ7により、機能ブロックF
3で示すように、測地装置1,2からのランダム地点
(xr,yr)のディジタル3次元座標データ(xr,
yr,zr)から、各等高線を3次元の点列情報で表わ
した等高線データを生成することができる。
【0025】デジタイザ9は、図面座標読取りシステム
であり、機能ブロックF4で示すように、現況図面の座
標データを読み取ることにより現況図面ベクトルデータ
を生成する。また、スキャナ10は、機能ブロックF5
で示すように、自動ベクトル化(オートベクタライズ)
機能により現況図面ベクトルデータ(現況ベクタ図面)
を生成する。
【0026】ホストコンピュータ8は、機能ブロックF
6で示すように、等高線自動生成機能により、GPS装
置1やトータルステーション2からの3次元座標データ
から等高線データを自動生成し、或いは、機能ブロック
F7で示すように、デジタイザ9やスキャナ10からの
ベクトルデータに対して等高線の高さ付け処理を行い等
高線データを作成する。そして、このようにして得られ
た等高線データ、或いは、GPS装置1やトータルステ
ーション2から現場用コンピュータ7を介して既に得ら
れている等高線データは、機能ブロックF8で示すよう
に、現況のメッシュ点座標データや各種図面データ、計
画されたメッシュ点座標データや各種図面データ、並び
に、シミュレーション用各種データを自動的に生成す
る。
【0027】なお、図2及び図3には示されていない
が、後述するように、ホストコンピュータ8は、等高線
データを用いることなく、ランダム地点で測量された3
次元座標データ(xr,yr,zr)から直接メッシュ
点座標データ(xm,ym,zm)を生成するように構
成することができる。また、ホストコンピュータ8で生
成された各種図面データは、プロッタ18に手渡され、
これにより、プロッタ18は、機能ブロックF9で示す
ように、図面データ等に基づいて現況図面及び計画図面
(平面図、縦断図、横断図、鳥瞰図等)を作図する。
【0028】図3は、ホストコンピュータ8の処理機能
をより具体的に表わしたものであり、図2の機能ブロッ
クF8での具体的な処理内容は、機能ブロックF10〜
F16で示される。機能ブロックF10では、機能ブロ
ックF3,F6,F7で得られた現況の等高線データ或
いはその基になる現況3次元座標データより、現況平面
図データ、現況縦断データ、現況横断データ、現況メッ
シュ点座標データ(xm,ym,zm)等を自動生成す
る。機能ブロックF11では、現況等高線データ、現況
平面図データ、現況縦断データ、現況横断データ、現況
メッシュ点座標データ等を基にして、現況鳥瞰図、現況
平面図、現況縦断図、現況横断図等を作成する。
【0029】機能ブロックF12においては、現況各図
を参照しつつ道路計画に従って道路設計を行う。設計に
当っては、道路ルート(線形)を選定し測点を定め横断
線を自動作成し、計画縦断データ及び計画横断データを
作成し、これを計画平面図に展開して幅員、法面、擁
壁、用地幅等を画定し、計画縦断データや計画横断デー
タを修正して計画等高線データや計画平面図データを作
成し、これに基づいて計画メッシュ点座標データ等を自
動作成する。作成された各種計画データは現況各図と共
にプロッタ18に手渡され、機能ブロックF13〜F1
6に例示するように、計画縦断図、計画横断図、計画平
面図、計画鳥瞰図等が作成される。なお、図示していな
いが、土量等の各種数量も、現況データと計画データと
の差分から計算され、それらの数量計算書は、プリンタ
17からカラー出力することができる。
【0030】この発明の一実施例においては、これらの
計画図データに基づいて、さらに、機能ブロックF17
に示すように、任意の高所から設計前後の道路計画対象
地域を見た景観を表わす景観(鳥瞰)シミュレーション
データを生成し、或いは、機能ブロックF18に示すよ
うに、計画設計された道路上を走行する車両から計画設
計後の道路を見た走行視界を表わすシミュレーションデ
ータを生成する。これらのシミュレーションデータに基
づいて、シミュレーションされた画像をディスプレイ1
6上に動的に表示することができる。これにより、フィ
ードバック可能な景観及び走行シュミレーターが実現さ
れ、計画過程で景観評価を行いながら、効率良く道路計
画設計を行うことができる。なお、必要に応じて、プリ
ンタ17により所定のシミュレーション画面をプリント
アウトすることができる。
【0031】このように、計画鳥瞰図乃至景観シミュレ
ーションや、走行シュミレーションなどにより、視覚的
に道路計画の良し悪し、現況との調和、安全な道路条件
などを考慮した計画が可能になる。また、この評価の結
果、再度、計画設計を行う場合には、変更部分のみを再
入力するだけで、計画鳥瞰図乃至景観シミュレーション
データや、走行シュミレーションデータを作成できるの
で、繰り返し再計画設計を行い、最適な道路計画設計結
果を短時間で得ることができる。
【0032】〔全体的処理フロー〕図4は、この発明の
一実施例による道路計画設計の全体的な処理手順の一例
を表わすフローチャートである。まず、ステップS1で
は、現況3次元地形データから現況等高線データを計算
する。この計算には、既に説明したように、次のような
方法を利用することができる: (1)GPS装置1やトータルステーション2によりラ
ンダムな地点で計測したの現況3次元ランダム座標デー
タ(xr,yr,zr)から、現場用コンピュータ7或
いはホストコンピュータ8の等高線自動生成処理機能に
よって、等高線データを生成する方法、(2)既存現況
図(紙)をデジタイザ9に貼って読み込み、ホストコン
ピュータ8で高さ付け処理を行い等高線データを生成す
る方法、(3)既存現況図(紙)をスキャナ10で読み
込んでベクトル化し、ホストコンピュータ8で高さを手
入力する方法等。
【0033】ステップS1で変換された現況等高線デー
タは、ステップS2において現況平面図を作成するのに
用いられる。また、ステップS3に進んで、この現況等
高線データをメッシュに区切り、各メッシュ点(xm,
ym)上の高さ(zm)を割り出し、メッシュ点座標
(xm,ym)とその標高値(zm)で表わされる現況
メッシュ点座標データ(xm,ym,zm)を生成す
る。ステップS4では、この現況メッシュ点座標データ
に基づいて現況シミュレーションデータを生成し、ステ
ップS5において、このデータにより鳥瞰図の作成或い
は現況景観(鳥瞰)の動画表示等を行うことができる。
【0034】一方、ステップS1からステップS6に進
むと、ホストコンピュータ8にて、先ず、現況平面図
(ステップS2)や現況鳥瞰図等(ステップS4)をデ
ィスプレイ16上に呼び出し現況を十分に把握し、現況
平面画面を利用し道路計画に従ってIP点(道路の折れ
点)の移動等で修正を重ねながら平面線形を検討し、次
のステップS7で、縦断線を含む最適な道路計画ルート
を決定し、また、複数の最適な測点、主要点、横断線等
を決定した上、ステップS8に進む。
【0035】ステップS8では、決定されたルートデー
タ(最適ルートを表わす縦断線の点列データ)に基づい
て縦断データ〔道路計画中心線上の位置情報を、追加距
離とその標高で表わした集合〕を計算し、ステップS9
で現況縦断図を作成する。次のステップS10では、決
定された縦断線に対応する横断データ〔道路計画中心線
(縦断線)上に垂直方向の位置情報を、中心線からの離
れ距離及びその標高で表わした集合〕を計算し、ステッ
プS11で現況横断図を作成する。なお、縦断データ乃
至横断データの計算には、次のような方法を利用するこ
とができる: (1)トータルステーション2等を用いて現地で計測し
た縦横断測量データを通信インターフェイス(例えば、
RS−232C)を介して転送する方法、(2)現地で
測量し記入した手簿を手入力する方法、(3)既存縦横
断図をデジタイザ9に貼り、読み込む方法、(4)既存
縦横断図をスキャナ10で読み込み、ベクトル化する方
法等。
【0036】次に、ステップS10からステップS12
に進んで具体的設計段階に入ると、ルートに沿う現況縦
断図をディスプレイ16上に呼び出し、予め用意してお
いた装飾ツールや条件設定を用いて、片勾配のすりつけ
(両勾配へのなだらかな変化)や拡幅など、種々の入力
操作を行って縦断計画を検討し計画縦断データを生成す
る。この計画縦断データは、ステップS13での計画縦
断図の生成に利用される。
【0037】さらに、ステップS14に進むと、横断計
画の検討に入り、線形計画データ及び計画縦断データに
連動して、複数の横断線に切った横断図がディスプレイ
16上に呼び出される。これに対し、予め設定された標
準的な横断面条件を入力し、さらに、各断面毎の詳細な
設定や修正、法面形状や構造物等の細部の仕様変更、土
量の測量や計算などを行うことにより、計画横断データ
が生成される。ステップS15では、このデータにより
横断線に沿う横断図を作成することができる。
【0038】ステップS12,S14の縦断及び横断計
画を経てステップS16に進むと、これらの計画の結果
を平面に展開して計画平面データ〔縦断データ・横断デ
ータをx,y平面に展開した3次元ランダム点データの
集合〕を生成する。つまり、線形計画データ、計画縦断
データ、計画横断データから逆に、これらのデータ内容
を反映した平面図がディスプレイ16上に展開される。
この平面図には、計画縦断及び横断データ生成段階で設
定された幅員、法面、擁壁、用地域などが自動的に描画
されるので、設計者は、必要な部分のみを修正するだけ
で、現況等高線データと同一の等高線(標高差)サイズ
の計画等高線データを含む計画平面データを完成する。
そして、ステップS17では、この計画平面データに基
づいて計画平面図を作成することができる。
【0039】このようにして、ステップS12〜S16
で計画縦断データ、計画横断データ、計画平面データ等
からなる計画データを決定すると、次のステップS18
において、これらのデータから、現況メッシュ点座標デ
ータと同一のメッシュ(間隔)サイズの計画メッシュ点
座標データ(DV)が自動的に生成される。この計画メ
ッシュ点座標データ(DV)は3次元データであり、ス
テップS19において、計画メッシュ点座標データ(D
V)に3次元コンピュータグラフィックス技術を適用し
て、計画鳥瞰データや、計画景観(鳥瞰)シミュレーシ
ョンデータ及び走行シミュレーションデータが生成され
る。これにより、ステップS20において、計画鳥瞰図
を作図したり、或いは、各種シミュレーション内容を動
画表示することができる。
【0040】〔等高線データの生成〕この発明の一実施
例においては、等高線自動生成処理により、ランダムな
地点で測量された現況3次元座標データ(xr,yr,
zr)から現況等高線データを比較的高精度に生成する
ことができる。この等高線自動生成処理では、3次元座
標系(x,y,z)において、現況3次元座標データで
表わされるランダムな測地点を互いに連結し、最も正三
角形に近い形状となるような三角形平面群を形成し、次
に、これらの三角形平面群を一定高さ間隔(標高z方
向)毎の(x,y)平面で切断し、高さ一定の断面線を
生成する。そして、高さの等しい断面線同士を始点から
終点まで順次連結してそれぞれの等高線とし、これらの
等高線を集合し、等高線標高値(z)毎に(x,y)座
標値を順次配列したものが現況等高線データとする。
【0041】このような等高線データの生成法を具体的
に実施するには、三角形平面の各辺上に等高点を内挿補
間し、同一標高値の等高点同士を始点から終点まで順次
連結し、これらの同値等高点を通るスプライン曲線を描
かせて等高線データを得るという簡便な手法を採用する
ことができる。
【0042】〔メッシュ点座標データの生成〕この発明
の一実施例においては、2つの現況等高線データと各メ
ッシュ線との交点について、両現況等高線データの座標
値を単純に均等補間することによって、現況メッシュ点
座標データを求めることができるが、ランダムな地点で
測量された現況3次元座標データから、直接、生成する
こともできる。この場合、各メッシュ点の(x,y)座
標を囲む最小の三角形を形成する3つの測地点の座標値
から均等補間することによって、現況メッシュ点座標デ
ータを単純に得ることができ、また、最小自乗法等を用
いて比較的高精度に算出することもできる。
【0043】〔横断データ及び縦断データ〕図4のステ
ップS7,S9における縦断データ及び横断データは、
等高線データから生成することができる。すなわち、縦
断データは、等高線と縦断線(道路中心線)との交点計
算により求められ、追加距離と標高を表わす。求める測
点の標高(z)値は、等高線との前後の交点標高(z)
値から比例配分して算出する。また、横断データは、等
高線と横断線との交点計算により同様の方法で算出さ
れ、センタ(道路中心線上の点)よりの横断距離及び標
高を表わす。
【0044】〔シミュレーション処理〕図5は、この発
明の一実施例による走行シミュレーションデータを得る
ための走行シミュレーション処理の一例を示すフローチ
ャートであり、図6及び図7は、このシミュレーション
処理における座標計算を説明するための図である。この
発明の一実施例においては、図4のステップS18で説
明したように、計画データから計画メッシュ点座標デー
タが3次元データDVとして生成される。この処理フロ
ーの第1ステップS21では、走行シミュレーション等
を行うために、3次元座標(x,y,z)上の位置とし
て定義されている3次元データDVを読み込む。
【0045】次のステップS22では、図6のように、
3次元座標(x,y,z)上に運転者の視点位置Ov
(a,b,c)を定め、3次元データDV上の位置
(x,y,z)は、視点位置座標(a,b,c)に原点
移動したシフト座標系(xv,yv,zv)に変換さ
れ、次式(1)〜(3)で表わされる各軸位置xv,y
v,zvにずらされる: xv = x − a …(1) yv = y − b …(2) zv = z − c …(3)
【0046】このようにして視点位置座標(a,b,
c)を原点として座標計算の基準点とする。3次元デー
タDVの座標系(x,y,z)からずらされたシフト座
標系(xv,yv,zv)は、さらに、視点位置Ovを
回転中心とし、視点の角度(視角)に応じて、x軸(東
西方向軸)回りに角度θx、y軸(南北方向軸)回りに
角度θy、z軸(垂直方向軸)回りに角度θzだけ傾け
られ(−π<θx,θy,θz<π)、傾けられた3次
元座標系(X,Y,Z)上の目標点位置が計算され、こ
の3次元座標系(X,Y,Z)は、以後、走行シミュレ
ーションデータを作成するための元座標となるシミュレ
ーション座標系として用いられる。
【0047】例えば、y軸回りに角度θyだけ回転する
と、シミュレーション座標系(X,Y,Z)はシフト座
標系(xv,yv,zv)に対して図7のように表わさ
れ、シフト座標系上の目標点Pの位置(xvp,yv
p,zvp)は、次式(4)〜(6)で表わされるシミ
ュレーション座標系上の位置(Xp,Yp,Zp)に変
換される: Xp = xvp・cos(θy)−zvp・sin(θy) …(4) Yp = yvp …(5) Zp = xvp・sin(θy)+zvp・cos(θy) …(6)
【0048】また、x軸回りに角度θxだけ回転した場
合には、同様にして、シフト座標系(xv,yv,z
v)上の目標点Pの位置(xvp,yvp,zvp)
は、次式(7)〜(9)で表わされるシミュレーション
座標系(X,Y,Z)上の位置(Xp,Yp,Zp)に
変換される: Xp = xvp …(7) Yp = yvp・cos(θx)−zvp・sin(θx) …(8) Zp =−yvp・sin(θx)+zvp・cos(θx) …(9)
【0049】さらに、z軸回りに角度θzだけ回転した
場合には、同様にして、シフト座標系(xv,yv,z
v)上の目標点Pの位置(xvp,yvp,zvp)
は、次式(10)〜(12)で表わされるシミュレーシ
ョン座標系(X,Y,Z)上の位置(Xp,Yp,Z
p)に変換される: Xp = xvp・cos(θz)+yvp・sin(θz)…(10) Yp =−xvp・sin(θz)+yvp・sin(θz)…(11) Zp = zvp …(12)
【0050】このようにして、任意の視点位置(a,
b,c)及び視角(θx,θy,θz)を基準にしたシ
ミュレーション座標系(X,Y,Z)上における3次元
データDVの目標点位置が計算されると、ステップS2
3において、このシミュレーション座標系(X,Y,
Z)で表わされる3次元データは、2次元ビュースクリ
ーン上に投影するための2次元ビュー座標に変換され
る。ここで、描画する図面の縮尺を考慮して、図面乃至
画面への表示範囲を計算し、表示範囲のクリップ計算を
行い、最終的な画面系2次元ビュー座標に変換する。さ
らに、2次元ビューへの座標変換の際に得られた奥行き
値(Z値=視点位置から各目標位置までの奥行きを表わ
す)の大小に応じて隠線を計算し、隠線消去処理を行
う。このようにして得られた描画用ベクトルデータは、
次ステップS24以降の走行シミュレーションデータの
作成に利用されるが、プロッタ18による走行景観図の
作成にも利用することができる。
【0051】ステップS24においては、ビュー座標変
換されたベクトルデータが画面をターゲットとして画像
データ(ビットマップデータ、例えば、BMPファイル
データ)に展開(描画)され、展開された画像データ
は、次のステップS25で、一場面分の描画データとし
て保存され、さらに、ステップS26において、既に保
存された描画データと共に、ディスプレイ16に表示す
るための一連の動画データ(ビデオクリップデータ)と
して合成される。この後、ステップS27では、シミュ
レーション処理を終了するか否かを判断し、終了する場
合(YES)はこの処理を終了し、続行する場合(N
O)にはステップS22に戻る。
【0052】ステップS22に戻ると、設計計画された
道路上を走行する車両における運転者の視点の軌跡に沿
って、3次元データDVを、次の視点位置Ov(a,
b,c)及び視角に対応するシミュレーション座標
(X,Y,Z)に変換し、これに対して、ステップS2
3〜S26の処理を行う。ステップS27で処理終了と
判断するまで、全視点軌跡についてステップS22〜S
27の処理を繰り返す。
【0053】この発明の一実施例においては、走行シミ
ュレーションだけではなく、現況或いは計画景観シミュ
レーションをも同様の処理にて行うことができる。3次
元データDVとしては、計画データから計画メッシュ点
座標データが生成されるだけでなく(図4のステップS
18)、図4のステップS1,S3で説明したように、
種々の入力端末1,2,9,10からのデータから得ら
れる現況等高線データを基にして、現況メッシュ点座標
データが生成されるので、図5の処理フローにおいて、
第1ステップS21で、3次元データDVとして、計画
メッシュ点座標データを読み込むことにより、計画鳥瞰
データ乃至景観シミュレーションデータを得る計画景観
シミュレーション処理を行うことができ、現況メッシュ
点座標データを読み込むことにより、現況鳥瞰データ乃
至景観シミュレーションデータを得る現況景観シミュレ
ーション処理を行うことができる。
【0054】このような景観シミュレーション処理を行
うためには、図5のフローチャートにおいて、ステップ
S22の視点位置として所定の鳥瞰点の位置を設定する
ことにより達成される。つまり、ステップS22で設定
する視点位置及び視角を、道路計画設計される地域の上
空の鳥瞰点軌跡に沿って順次変化させ、ステップS23
〜S26の処理を繰り返すことにより、景観シミュレー
ション時の描画用データ及び動画データを得ることがで
きる。そして、描画用データを用いて鳥瞰図を作成し、
動画データを用いて動的な景観シミュレーションを行う
ことが可能となる。
【0055】〔種々の描画例〕図8〜図16は、図面や
画面での表示形態の理解のために、実際にプロッタ18
により作図されたり或いはディスプレイ16上に表示さ
れる図面或いは画像の一具体例を示すものであり、図8
は現況図面例を示し、図8〔1〕は、現況平面図データ
に基づいて作成される現況平面図の一例であり、図8
〔2〕は、現況鳥瞰データに基づいて作成される現況鳥
瞰図の一例である。
【0056】この発明の一実施例においては、上述のよ
うに、現況鳥瞰データや現況景観シミュレーションデー
タを生成し、これにより、鳥瞰図を作成したり、景観シ
ミュレーションを行い、道路計画の事前検討を十分に行
うことができる。図8〔2〕の現況鳥瞰図のような3次
元図形は、プロッタ18により描画用ベクトルデータで
カラー作図するだけでなく、景観(鳥瞰)シミュレーシ
ョン用動画像データに加工してディスプレイ16上に現
況シミュレーション画面として動的に表示することによ
り、航空写真を撮ることなく、色々な視点から現況にお
ける色々な目標物を見たり、現状景観画像の回転やズー
ムアップを自在に行うことができる。また、画面に対応
する図形データを用いて、シミュレーション画面におけ
る任意視点の鳥瞰図をプリンタ17により自動的にプリ
ントアウトすることができるので、道路計画設計のため
の事前検討に役立つ。なお、現況鳥瞰データ等による3
次元図形の表現方法には、図8〔2〕に示すような「ワ
イヤメッシュ」に対してテクスチャの貼付け(テクスチ
ャマッピング)をすることができる。
【0057】さて、道路計画設計段階においては、ま
ず、最適な道路ルートを決定し、最適な測点、主要点、
横断線を決定することにより、例えば、図9に示すよう
に、最適な道路ルートを表わす線形計画図を作成する。
次に、この線形計画図のルートに沿う現況縦断図に対し
て各種設定入力を行い計画縦断データを生成することに
より、例えば、図10に示すような計画縦断図を作成す
る。次に、線形計画図のデータ及び計画縦断データに連
動する横断図に対して条件設定や修正等を加えて計画横
断データを生成することにより、図11及び図12に示
すような計画横断図を作成する。
【0058】そして、線形計画図のデータ、計画縦断デ
ータ、計画横断データから逆に、これらのデータ内容を
反映した平面図が展開され、この平面図に、必要な修正
を加えて計画等高線データや計画平面データを完成し、
これにより、図13に示すような計画平面図を作成す
る。また、計画縦断データ、計画横断データ、計画平面
図データ等のデータか計画メッシュ点座標データが自動
的に生成され、この計画メッシュ点座標データ(或いは
計画等高線データ)は、計画鳥瞰データや景観(鳥瞰)
シミュレーションデータ及び走行シミュレーションデー
タの生成に利用される。
【0059】この発明の一実施例においては、シミュレ
ーション処理の説明で述べたように、計画鳥瞰データや
計画景観シミュレーションデータを生成し、これによ
り、鳥瞰図を作成したり、景観シミュレーションを行
い、設計物を視覚的に検証することができる。計画鳥瞰
データによりプロッタ18を介して色々な視点から見た
鳥瞰図をカラー作図する場合、道路用地分を赤系の強調
色とし、現況のままとされる無変化地形分を緑系の背景
色とすることにより、計画設計された道路状態の検討を
容易にすることができる。また、計画景観シミュレーシ
ョンデータを用いると、ディスプレイ16上に計画鳥瞰
画像を動的に表示する景観シミュレーションを実行する
ことができる。
【0060】図14は、景観シミュレーションデータに
基づいてディスプレイ16上に表示される3次元図形の
計画鳥瞰図の画像例を示しており、この景観画像は、図
14〔1〕のように全体を表示したり、図14〔2〕の
ように部分的に拡大表示したりする。なお、これとほぼ
同等の計画鳥瞰図は、上述のように、計画鳥瞰データに
基づきプロッタ18により作図することができる。
【0061】ディスプレイ16上に計画鳥瞰図の画像を
表示する場合、図14〔1〕,〔2〕のように、種々の
視点位置からの3次元的な景観画像が動的に表示され、
しかも、景観画像に対して、一時停止、回転、ズームア
ップ等の操作を自在に適用することができる。また、必
要時に、画面に対応する図形データを用いて、計画景観
シミュレーション画面における任意視点の鳥瞰画像をプ
リンタ17により鳥瞰図として自動プリントアウトする
ことができる。このように、この発明の一実施例では、
設計物の視覚的な検証を行うために景観シミュレーショ
ンを採用し、計画設計した道路及びその周辺地形の鳥瞰
画像を動的に表示するようにしたので、道路及び周辺の
立体的な把握を一層的確に行うことができ、総合的に、
計画の良し悪し、周辺環境との調和などを検証すること
が可能となる。
【0062】なお、図示の例では、3次元図形は、必要
に応じて、ワイヤメッシュで囲まれた部分に対して面と
してテクスチャの貼り付けたり色を付けたり(テクスチ
ャマッピング)することができる。また、計画設計され
た道路用地分の画像のみを赤系色や高輝度の強調表示と
し、現況状態にある周辺分との区別を明瞭にすることが
できる。コンピュータの処理能力等の事情が許せば、3
次元コンピュータグラフィックスにおける種々の表示技
法、例えば、色付けや陰影付け等の面処理(レンダリン
グ)を用いて、より自然な景観画像を表示するようにし
てもよい。
【0063】この発明の一実施例においては、シミュレ
ーション処理の説明で述べたように、走行シミュレーシ
ョンデータを生成し、ディスプレイ16上に走行シミュ
レーション画面を動的に表示する走行シミュレーション
を実行することによって、計画設計された道路を車両運
転上の面から検証することができる。図15及び図16
は、走行シミュレーションデータに基づいてディスプレ
イ16上に表示される走行シミュレーション画面の例を
示している。
【0064】ここで、走行シミュレーションデータは、
計画設計された道路上を実際に車両が走行する場合を想
定し、計画メッシュ点座標データ乃至計画等高線データ
により3次元的に表現される計画道路及び周辺地域の形
状に対して、主として、走行車両運転者の視点から車両
進行方向に向かう視線に従って投影変換及び隠線処理を
行い、この視点を運転者の視点座標軌跡に沿って順次変
化させることにより得られる。従って、ディスプレイ1
6上に表示される走行シミュレーション画面により、計
画設計された道路上を実際に走行した時に運転席からみ
た車両前方の視界を3次元的に模擬することができる。
なお、運転者の視点位置を種々に設定することにより、
車種や走行車線に応じた模擬視界が得られ、また、各模
擬視界画像の変更速度を変化することにより車両速度に
応じた模擬視界が得られる。さらに、視線の方向を進行
方向だけでなく、左右前後に任意角度変化させると、車
窓から任意方向をみた環境視界を模擬することもでき
る。
【0065】このような3次元的な模擬視界図は、例え
ば、図15のように、連続する複数場面をまとめて一覧
形式により静止画で配列して一括表示したり、或いは、
図16(a),(b)のように、順次、走行速度に合わ
せて動画的に表示したりすることができる。従って、設
計者は、このような走行シミュレーションにより、例え
ば、車両運転上危険で事故多発地点になりそうな箇所
〔図16(b)のように道路の前方が途切れて見えない
状態から、突然、急カーブが現われるというような箇
所〕等、道路計画設計上の不備部分を発見したり、交通
標識や案内板の設置箇所、制限速度の設定等、種々の付
帯的事項を検討することができ、必要時には、画面に対
応する図形データを用いて、走行シミュレーション画面
における任意路上位置での模擬視界図をプリンタ17に
より自動プリントアウトを行い、不備部分をペーパで確
認することが可能となる。このように、この発明の一実
施例においては、計画設計された道路を実際に走行した
ときと全く同じ感覚で設計物を検証することができ、こ
れにより、図面設計時に見逃した種々の障害事項等を効
果的にピックアップし、これを計画設計段階にフィード
バックして設計修正を行い、例えば、事故多発地点を設
計時に前もって回避する等、きめの細かい高度な道路計
画設計を実現することができる。
【0066】なお、走行シミュレーション画面は、必要
に応じて、面的に表示することができるが、図19及び
図20の例に示すように、ワイヤメッシュ法で表示する
方が、位置概念が把握しやすいので好ましい。また、計
画設計された部分の画像を青系色で表示し、周辺部や背
景部を視点からの距離に応じて明暗表示したり、昼夜間
で画像の明暗を区別したりすることができる。なお、処
理能力等の事情が許せば、3次元コンピュータグラフィ
ックスの種々の表示技法、例えば、色付け、陰影付け、
路面等へのテクスチャマッピング等の面処理を用い、さ
らに、夜間の走行模擬時にはライトを進行方向に当てた
色及び陰影付けを行うことにより、運転模擬時の視界環
境をよりリアルに表示するようにしてもよい。
【0067】〔種々の実施態様〕以上、この発明を、現
況3次元データを基にして道路計画に従って道路及びそ
の周辺環境を設計する道路設計システムに適用した例に
ついて、詳述したが、この発明は、このような道路設計
に限らず、都市内道路、街路、鉄道等の公共路や、遊園
地、レース場等の閉空間内における車両走行路など、種
々の車両走行路の設計において、走行シミュレーション
を行う場合に適用することができる。
【0068】〔発明の効果〕以上説明したように、この
発明によれば、車両走行路計画に従って走行路及び周辺
環境を設計すると、設計された走行路及び周辺環境表わ
す計画3次元データが作成され、作成された計画3次元
データに基づいて、設計された走行路上を走行する車両
からの視界を模擬する走行シミュレーションデータが生
成され、設計された車両走行路上を車両が走行する場合
を想定して、路上走行車上から見た視界を模擬するよう
にしている。従って、車両走行路及び周辺環境の様子を
立体的に的確に把握することができ、設計成果を十分に
視察確認し、設計上の問題点があれば、設計段階に効果
的にフィードバックすることができる。つまり、走行シ
ュミレーション結果により、コンピュータ上で設計上の
不具合を発見した場合には、フィードバックして設計修
正を再度行い、すばやく、新しい走行シュミレーション
を実行し再設計結果を確認することができる。
【0069】この発明によれば、車両走行路設計システ
ムの一環として走行シュミレーションが行える新しいシ
ステムを提供するものであり、設計技術者は従来の車両
走行路設計と同様の手法で設計を行うと、システム側で
同時に自動的に走行シュミレーションデータが作成され
るようになっており、車両走行路設計技術者やCADオ
ペレータでも作成が可能である。従って、車両走行路の
設計結果がコンピュータ画面に視覚的に表示されると、
設計図面のみではイメージできなかった最終成果の品質
や設計上の問題点が、設計技術者の観点から速やかに判
断できる。
【0070】さらに、計画3次元データは、現況の環境
を表わす現況3次元データを基にして車両走行路計画に
従い作成されるようにしているので、現況把握の段階か
ら設計段階を経てシミュレーションに至る一連の過程が
連繋され、データを一元的に管理することができる。ま
た、周辺環境のうち設計段階で改変されなかった部分に
は、現況3次元データにより表わされる現況の環境が忠
実に反映されるので、走行路と環境との調和を十分考慮
した設計を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明が適用される道路計画設計支
援システムの全体的な構成を表わすブロック図である。
【図2】図2は、この発明が適用される道路計画設計支
援システムの概略的な機能を表わ機能ブロック図の一部
である。
【図3】図3は、この発明が適用される道路計画設計支
援システムの概略的な機能を表わ機能ブロック図の他部
である。
【図4】図4は、この発明の一実施例による道路計画設
計の全体的な処理手順の一例を表わすフローチャートで
ある。
【図5】図5は、この発明の一実施例によるシミュレー
ション処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、シミュレーション処理におけるシフト
座標変換の計算を説明するための図である。
【図7】図7は、シミュレーション処理におけるシミュ
レーション座標変換の計算を説明するための図である。
【図8】図8は現況図面等の例を示し、図8〔1〕は、
現況平面図の一例であり、図8〔2〕は、現況鳥瞰図乃
至景観シミュレーション画像の一例である。
【図9】図9は、線形(計画)図の一例である。
【図10】図10は、計画縦断図の一例である。
【図11】図11は、計画横断図の例の一部である。
【図12】図12は、計画横断図の例の他部である。
【図13】図13は、計画平面図の一例である。
【図14】図14は計画鳥瞰図乃至景観シミュレーショ
ン画像の例を示し、図14〔1〕は、全体を表したもの
の一例であり、図14〔2〕は、部分を拡大表示したも
のの一例である。
【図15】図15は、走行シミュレーション画面の一例
を表わす図である。
【図16】図16は、走行シミュレーション画面の他の
例を表わす図である。
【符号の説明】
8 ホストコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 15/62 360 Fターム(参考) 2C032 HC23 HD21 5B046 AA03 DA09 FA17 JA04 5B049 BB05 CC02 CC40 DD00 DD01 EE07 EE41 FF02 FF03 FF04 GG03 GG04 GG07 5B050 BA09 EA27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両走行路計画に従って設計された走行路
    及び周辺環境を表わす計画3次元データを作成する手段
    と、 作成された計画3次元データに基づいて、設計された走
    行路上を走行する車両からの視界を模擬する走行シミュ
    レーションデータを生成する手段とを具備することを特
    徴とする走行シミュレーションシステム。
  2. 【請求項2】計画3次元データは、現況の環境を表わす
    現況3次元データを基にして車両走行路計画に従い作成
    されることを特徴とする請求項1に記載の走行シミュレ
    ーションシステム。
  3. 【請求項3】車両走行路計画に従って設計された走行路
    及び周辺環境を表わす計画3次元データを作成するステ
    ップと、 作成された計画3次元データに基づいて、設計された走
    行路上を走行する車両からの視界を模擬する走行シミュ
    レーションデータを生成するステップとから成るプログ
    ラムを記録していることを特徴とする走行シミュレーシ
    ョンのための記録媒体。
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