JP2001124288A - 被覆金属管接続部の防食方法 - Google Patents

被覆金属管接続部の防食方法

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JP2001124288A
JP2001124288A JP30264899A JP30264899A JP2001124288A JP 2001124288 A JP2001124288 A JP 2001124288A JP 30264899 A JP30264899 A JP 30264899A JP 30264899 A JP30264899 A JP 30264899A JP 2001124288 A JP2001124288 A JP 2001124288A
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anticorrosive
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coating film
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Kazuhiro Naganuma
一宏 長沼
Kiyomitsu Yano
清光 矢埜
Tadaharu Kurono
忠治 黒野
Masamichi Akeda
正道 明田
Kensuke Umeyama
謙介 梅山
Toru Morita
徹 森田
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EFUKO KK
TAJIMA BUSSAN KK
Furukawa Electric Co Ltd
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EFUKO KK
TAJIMA BUSSAN KK
Furukawa Electric Co Ltd
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防食性能が優れ、また施工も簡単な被覆金属
管接続部の防食方法を提供する。 【解決手段】 防食塗膜1,1で被覆されている2本の
被覆金属管2,2の管端部における前記防食塗膜を剥離
したのち互いの管端部を溶接し、形成された溶接部とそ
の両側に位置する防食塗膜1,1とを含む領域A1を熱
収縮性または常温収縮性の部材で被覆して防食保護層4
を形成し、ついで、防食保護層4の端部と前記防食塗膜
1,1の表面1a,1aとの間に形成されている段差部
0を含む周面に基布と接着性樹脂との複合材から成る
テープ部材5を巻回して段差部B0を密閉する密閉構造
を形成する被覆金属管接続部の防食方法において、テー
プ部材は、基布の破断強度が50〜350N/50mm以
上、JIS R3420で規定する300mm/分で引張
試験を行ったときに得られる応力−歪み曲線の屈曲点に
おける伸度が15〜70%であり、前記接着性樹脂が液
状樹脂組成物である金属管接続部の防食方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆金属管接続部の
防食方法に関し、更に詳しくは、含水土壌や含油土壌の
施工現場で金属管を溶接したのちそれを土中に埋設する
際に行う金属管の接続部に対する防食処理であって、当
該接続部に良好な防食性能を付与し、しかも従来に比べ
て施工を簡略化することができる被覆金属管接続部の防
食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管やステンレス管などの金属管を土中
に埋設して長いパイプラインを施設する場合には、次の
ような現場施工が行われる。まず、外周面がポリエチレ
ン、ポリウレタン、エポキシ、タールエポキシ、コンク
リートなどの防食塗膜で被覆されている被覆金属管を施
工現場に運び入れる。そして、被覆金属管の管端部にお
ける前記防食塗膜を所望する長さだけ剥離除去して金属
管の外周面を裸出させ、そして互いの管端部を突き合わ
せたのちその突き合わせ箇所を順次溶接して接続する。
【0003】したがって、溶接後にあっては、被覆金属
管の接続部には、前記溶接部とその溶接部の両側に所望
の長さで裸出する金属管の表面とが存在することになる
ので、この接続部の表面全体に対し、そこを被覆する防
食保護層を形成して防食処理が施される。例えば上記し
た接続部の全体(溶接部とその両側の防食塗膜を含む領
域)を熱収縮チューブで被包したのち、例えばプロパン
ガスバーナを用いて熱収縮チューブを加熱・収縮させる
ことにより接続部の外周に当該熱収縮チューブを密着さ
せている。その場合、熱収縮チューブの内面にゴム系の
粘着剤やホットメルト型の接着剤を予め塗布しておくこ
とにより、熱収縮チューブと接続部との間の密着力を高
める処理を施すことが多い。
【0004】そして、このような防食処理が施されたの
ち、金属管は土中に埋設される。ところで、埋設された
金属管には複雑な土圧が加わるため、それに対応して防
食保護層には複雑な応力が発生する。そして、その発生
応力により、防食保護層が接続部の周面からずれること
がある。そのため、防食保護層が接続部から部分的に剥
離したり、防食保護層の端部、すなわち防食保護層と金
属管の防食塗膜との密着界面に隙間の発生することがあ
る。
【0005】例えば、ホットメルト型接着剤を介して防
食保護層を形成した接続部の場合、当該ホットメルト型
接着剤の接着力は強いので、上記したような土圧の影響
を受けにくいが、熱収縮チューブへの熱のかかり方が不
充分であると、ホットメルト型接着剤と金属管の裸出表
面部との間における接着力が弱くなる。そして防食保護
層の端部から当該防食保護層と接続部との密着界面に何
らかの理由で水が若干でも侵入すると、以後、上記した
剥離が急速に進行して防食性能が激減することがある。
【0006】一方、ゴム系粘着剤を介して形成した防食
保護層の場合には、施工時の熱のかかり方が変化して
も、金属管の裸出表面部と防食保護層との密着力は、ホ
ットメルト型接着剤を用いたときほどのばらつきは生じ
ない。しかしながら、金属管の裸出表面部や防食保護層
の表面に水分、油分、土壌、塵芥などが付着したままの
状態で施工を行うと、その密着力が充分でないことがあ
る。
【0007】このような場合に、含水量が多い含水土壌
に埋設すると、防食保護層の端部、すなわち防食保護層
と金属管の防食塗膜との密着界面から浸水が起こり、そ
の結果、防食保護層が接続部の周面でずれることが起こ
り、全体としての防食性能の低下が引き起こされること
もある。また、ゴム系粘着剤を介して防食保護層が形成
されている金属管を含油土壌に埋設した場合には、防食
保護層の上記端部から侵入する油分によってゴム系粘着
剤の溶解が進み、防食性能が破壊するという事態を招く
ことがある。
【0008】このような問題に対し、特開平9−131
81号公報は次のような防食方法を開示している。すな
わち、防食保護層の端部と金属管の防食塗膜の表面が形
成する段差部を含む箇所に、例えばポリアミド系樹脂の
ような熱接着性樹脂をガラスクロスシートに含浸させた
防食用部材を巻回したのちその巻回箇所を加熱し、上記
部材を段差部を含む箇所に接着する方法である。
【0009】この防食方法によれば、上記段差部に表出
していた防食保護層と防食塗膜の密着界面が上記部材で
密閉されるので、水中の油分によるゴム系粘着剤の溶解
は大幅に抑制される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た先行技術には次のような問題がある。 (1)まず、施工対象の前記段差部を密閉するために用
いる防食用部材において、基布であるガラスクロスシー
トの種類によっては巻回箇所の加熱時に当該巻回箇所に
皺がより、また土圧を受けてその皺を起点にして防食保
護層や防食用部材のずれが生じ、その結果、接着箇所に
隙間が生じてそこから水分や油分の侵入することがある
という問題である。
【0011】(2)また、巻回箇所の加熱が不充分であ
ると、ガラスクロスシートに含浸されている熱接着性樹
脂の接着能が充分に発揮されず、土圧を受けたときに巻
回箇所に隙間が生じてその防食性能を劣化させることも
あるという問題である。そのため、この先行技術の場合
は、巻回箇所の加熱を充分に行うことが必要になる。本
発明は、この先行技術における上記した問題、とりわけ
(1)の問題を解決し、土圧を受けても皺の発生を起点
とする防食保護層や防食用部材のずれの発生が抑制さ
れ、もって長期に亘って防食性能を確保することがで
き、同時に、施工時には必ずしも加熱することを必要と
しない被覆金属管の防食方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、防食塗膜で被覆されている
2本の被覆金属管の管端部における前記防食塗膜を剥離
したのち互いの前記管端部を溶接し、形成された溶接部
とその両側に位置する前記防食塗膜とを含む領域を熱収
縮性または常温収縮性の部材で被覆して防食保護層を形
成し、ついで、前記防食保護層の端部と前記防食塗膜の
表面との間に形成されている段差部を含む周面に基布と
接着性樹脂との複合材から成るテープ部材を巻回して前
記段差部を密閉する密閉構造を形成する被覆金属管接続
部の防食方法において、前記テープ部材は、前記基布の
破断強度が50〜350N/50mm以上、JIS R3
420で規定する300mm/分で引張試験を行ったとき
に得られる応力−歪み曲線の屈曲点における伸度が15
〜70%であり、前記接着性樹脂が液状樹脂組成物であ
ることを特徴とする金属管接続部の防食方法が提供され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明方法で形成された
金属管の接続部構造を示す部分断面図である。この図1
に基づいて、以下に本発明方法を詳細に説明する。ま
ず、全長に亘って外周面が防食塗膜1,1で被覆されて
いる2本の被覆金属管2,2の各管端部では、所望する
長さだけ防食塗膜を剥離除去して金属管の表面部2aを
裸出させる。
【0014】ついで、金属管の管端部を突き合わせてそ
こを溶接することにより金属管を接続する。したがっ
て、溶接終了後の金属管の接続部A0には、溶接部3と
その両側に位置する裸出表面部2a,2aとが形成され
ている。そして、上記接続部A0とその両側に位置する
防食塗膜1,1の一部を含む領域A1の全体を被覆して
防食保護層が形成される。
【0015】具体的には、熱収縮チューブで領域A1
被包し、例えばプロパンガスバーナで加熱・収縮させる
ことにより、当該熱収縮チューブを、防食塗膜1、裸出
表面部2a、溶接部3に密着させて防食保護層4にす
る。また、この防食保護層4を形成する部材としては、
上記した熱収縮チューブの外に、常温下で寸法収縮する
材料から成るチューブを用いることもできる。具体的に
は、天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴムなど
の合成ゴムのようなエラストマーから成るゴム弾性体の
チューブをあげることができる。
【0016】このようなゴム弾性体のチューブは例えば
拡径した伸長状態で領域A1に配置すれば、自らのゴム
弾性により収縮して領域A1に密着するので防食保護層
として機能する。そして、この場合は、前記した熱収縮
チューブを使用するときのような加熱処理を必要としな
いため、施工時間の短縮を可能にする。この防食保護層
4が形成されると、図2で示したように、防食保護層4
の端部と防食塗膜1の表面1aとの間には、防食保護層
4の厚みに相当する高さを有する段差部B0が生ずる。
【0017】そして、この段差部B0を含む周面には、
後述するテープ部材を巻回して段差部B0が密閉され
る。具体的には、作業者がテープ部材を段差部B0の周
面に巻回して、当該段差部の周面を緊締する。ここで、
本発明で用いるテープ部材とその作用効果について詳細
に説明する。まず、テープ部材5は、基布とそれに含浸
された接着性樹脂とから成る。
【0018】そして、基布は、2次元的な伸縮度が大き
い編物組織または織物組織になっている。このような編
物組織の基布としては、例えば、横編み、平編み、ゴム
編み、パール編み、経編みなどの基布をあげることがで
きる。また、編紐を基布として使用することもできる。
また、織物組織の基布としては、組織りやからみ織りな
どの基布をあげることができる。
【0019】これらの基布は、巻回方向におけるその破
断強度が50〜350N/50mmで、かつJIS R3
420で規定する300mm/分で引張試験を行ったとき
に得られる応力−歪み曲線の屈曲点における伸度が15
〜70%であるものが使用される。破断強度が50N/
50mmより小さい場合は巻回時に切断することもあり、
また350N/50mmより大きくなると、皺が発生した
り、段差部が浮き上がるなど、巻回時に施工面への充分
な密着を実現しにくくなるというような問題が生じてく
るからである。
【0020】更に、上記した伸度が15%より小さい基
布の場合は、巻回時における伸びが小さいので、例えば
段差部B0の基部を充分に密閉することができないこと
もあり、また上記伸度が70%より大きい基布の場合に
は巻回時に基布が伸びすぎてしまい、そのため含浸され
ている接着性樹脂が基布から流れでてしまって、接着能
が低下したり、巻回終了後のテープ部材5の厚みが薄く
なりすぎて前記接着性の低下という問題と相俟って段差
部B0を密閉する効果が減退するからである。
【0021】ここで、上記した伸度は次のようにして測
定された値のことをいう。それを以下に説明する。基布
に対しJIS R3420で規定する引張試験を行い、
応力−歪み曲線を描く。このとき、引張速度は300mm
/分と一定する。応力−歪み曲線の1例を図3に示す。
【0022】図3から明らかなように、引張試験の開始
とともに基布は応力に比例して直線的に伸びていくが、
ある時点(A)からは急激に伸びて塑性変形し、ある時
点(B)で切断する。すなわち、試験開始から時点
(A)までの間、基布は弾性を喪失することなく伸びて
いき、時点(A)でその弾性を喪失する。それは、応力
−歪み曲線における屈曲点(A)として確認される。
【0023】本発明における伸度は、上記した屈曲点
(A)における基布の伸び量の試験前寸法に対する百分
率として定義されるものである。したがって、この伸度
が大きいということは基布の伸縮度が大きいということ
を意味する。このような基布に含浸される接着性樹脂
は、具体的には常温下で自然硬化する液状樹脂組成物が
使用される。
【0024】その液状樹脂組成物としては、アルキッド
樹脂、乾性油、酸化重合型アクリル樹脂のような酸化重
合型の樹脂をあげることができる。これらのうち、柔軟
性を有し、また防食塗膜1や防食保護層4との間で良好
な密着力を発揮する点で酸化重合型アクリル樹脂が好適
である。なお、酸化重合型アクリル樹脂とは、空気中の
酸素によって容易に架橋、重合する性質を有するアクリ
ル樹脂のことであり、これは市販されている。代表的な
酸化重合型アクリル樹脂としては、不飽和結合を有する
脂肪酸で変性したアクリル樹脂がある。本発明において
は、エポキシ基、水酸基またはカルボキシル基を有する
アクリル成分モノマーを重合せしめたのち、得られた重
合体に不飽和結合を有する脂肪酸または脂肪酸のグリシ
ジルエステルを反応させ、重合体を変性させて得られる
ものが好適に用いられる。とくに好ましい酸化重合型ア
クリル樹脂としては、アクリルモノマーを重合せしめた
重合体にグリシジル基を導入したのち、これに乾性油を
構成する脂肪酸を付加結合させたものである。また、酸
化重合型アクリル樹脂の製造においては、本発明の効果
を損なわない範囲内で他のモノマーを共重合させてもよ
い。この場合、酸化重合型アクリル樹脂は、キシレン、
酢酸エチルなどの有機溶媒中において重合反応および変
性を行うことにより製造することができる。また、多官
能性アクリルモノマーを脂肪酸変性ビニル共重合体を架
橋硬化させるための架橋剤成分として添加してもよい。
そのような多官能性アクリルモノマーの代表例として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ビスオキシエチレンビスフェノー
ルAもしくはビスオキシプロピレンビスフェノールAの
ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリンもしくはトリス(2−
ヒドロキシエチルイソシアヌレート)のジ−またはトリ
(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールもしくは
ジペンタエリスリトールのトリ−、テトラ−、ペンタ
−、またはヘキサ(メタ)アクリレートなどをあげるこ
とができる。
【0025】液状樹脂組成物は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で必要に応じて通常塗料に添加されている化合
物、例えば、酸化チタン、クレー、タルク、マイカ、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカなどの無機顔料、
有機顔料、または金属粉顔料を添加してもよい。また、
これらの顔料と樹脂成分とのなじみをよくするために、
顔料の表面にシランカップリング剤もしくはチタネート
カップリング剤で処理したものを添加してもよい。
【0026】液状樹脂組成物には、基布への含浸性など
を考慮してさらに有機溶媒を加えてもよい。有機溶媒と
しては、液状樹脂組成物の構成成分を溶解または分散で
き、かつ基布への浸透性がよいものであれば特に制限さ
れるものではなく、例えば、キシレン、酢酸エチルなど
を使用することができる。液状樹脂組成物としてこの酸
化重合型の樹脂を使用したテープ部材は、別工程で予め
基布に含浸せしめ、それを不通気性の包袋などに封入し
て保管される。そして使用に際しは、施工現場ではじめ
て開封し、テープ部材を段差部B0の周面に巻回すれば
よい。大気中の酸素によって樹脂は硬化するので、自然
に段差部B 0を密閉する密閉構造が形成される。
【0027】また、本発明で使用できる液状樹脂組成物
としては、例えば2液混合タイプの液状エポキシ樹脂や
液状ウレタン樹脂などをあげることができる。このよう
な液状樹脂組成物で段差部B0の密閉構造を形成する場
合には次のようにして作業が進められる。まず、作業開
始に当たり、所定の2液を混合して硬化可能な状態にす
る。ついで、この混合樹脂液に基布を浸漬して基布に混
合樹脂液を含浸せしめたのちそれを取り出す。そしてそ
の樹脂含浸基布を段差部B0の周面に巻回し、そのまま
放置する。樹脂の硬化が自動的に進み、段差部B0には
密閉構造が形成される。
【0028】なお、上記した2種類の液状樹脂組成物
は、施工作業を開始する時点で、25℃におけるその粘
度が1000〜9000mPa・sである状態になってい
ることが好ましい。粘度が低すぎると、巻回時に基布か
ら流れでて接着性能が低下し、また粘度が高すぎると、
巻回作業に難が生じたり、2液混合タイプの場合には基
布への含浸が困難になるからである。
【0029】
【実施例】実施例1〜6、比較例 (1)防食保護層の形成 ポリエチレンから成り、厚み2mmの防食塗膜1が形成さ
れている被覆鋼管2を2本用意し、それぞれの管端部の
防食塗膜を剥離除去して、長さ、260mmの裸出表面部
2aを表出させたのち、管端部を突き合わせ、溶接して
外径150mm、長さ300mmの溶接部A0を形成した。
【0030】そして、この溶接部A0の外側に、内径1
50mm、長さ450mm、厚み1.2mmの架橋ポリエチレ
ン製熱収縮チューブを配置したのち加熱して密着させて
防食保護層4を形成した。したがって、形成された領域
1では、防食保護層4の両端が防食塗膜1と長さ50m
mで重なりあっている。なお、防食保護層4の形成に先
立ち、領域A1に相当する箇所には、ゴム系粘着剤(ア
スファルト・ブチルゴム系粘着剤)4aを塗布しておい
た。
【0031】(2)段差部B0の密閉 まず、ガラス繊維基布として表1で示した性状の4種類
(A,B,C,E)のものを用意し、ポリエステル繊維
の基布として表1で示した性状の1種類(D)を用意し
た。
【0032】
【表1】
【0033】一方、アクリディックA−140(商品
名、大日本インキ化学工業(株)製の酸化重合型アクリ
ル樹脂)100重量部に対し、FR−44(商品名、古
河機械金属(株)製の酸化チタン)50重量部、クラウ
ンクレー(商品名、白石カルシウム(株)製のクレー)
5重量部、ハイジライト42STV(商品名、昭和電工
(株)製のビニルシラン処理水酸化アルミニウム)40
重量部を、水冷しながらペイントミルで混練して液状の
樹脂組成物を調製し、これを基布A、基布B、基布C、
基布Dのそれぞれに含浸せしめたのちポリエチレンの包
袋の中に封入した。
【0034】得られたテープ部材をそれぞれテープ部材
1(基布Aの場合)、テープ部材B1(基布Bの場
合)、テープ部材C1(基布Cの場合)、テープ部材D1
(基布Dの場合)とする。これらのテープ部材を施工現
場に運び入れ、包袋を開封してテープ部材を取り出し、
速やかにそれを5kg/mm程度の力で作業者が段差部B0
の周面に4回巻回して大気中、常温下でそのまま放置し
た。72時間経過後の巻回箇所は、硬度(Hs)60程
度の硬い密閉構造になった。
【0035】なお、テープ部材の防食塗膜1との密着幅
は約37mm、防食保護層4との密着幅は約38mmになっ
ている。また、2液混合タイプの液状樹脂組成物として
は、エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ
(株)製のビスフェノールA型樹脂)100重量部に対
しFR−44 50重量部を水冷しながら混練したもの
(a液)と、エポメートB−002(商品名、油化シェ
ルエポキシ(株)製の複素環式ジアミン硬化剤)をb液
として用意した。
【0036】そして、施工現場において、上記したa液
にb液をエピコート828に対して40重量部となるよ
うに混合して液状樹脂組成物を調製し、ここを、基布
A、基布B、基布C、基布Dにそれぞれ含浸せしめてテ
ープ部材にした。得られたテープ部材をそれぞれテープ
部材A2(基布Aの場合)、テープ部材B2(基布Bの場
合)、テープ部材C2(基布Cの場合)、テープ部材D2
(基布Dの場合)とする。
【0037】このように、施工現場で製造したテープ部
材を速やかに5kg/mm程度の力で作業者が段差部B0
周面に4回巻回して大気中、常温下でそのまま放置し
た。72時間経過後の巻回箇所は、硬度(Hs)60程
度の硬い密閉構造になった。なお、テープ部材の防食塗
膜1との密着幅は約37mm、防食保護層4との密着幅は
約38mmになっている。
【0038】更に、比較のために、基布Eにペパックス
5562(商品名、アトケム社製のポリアミド樹脂)を
ホットプレスにより熱融着させたテープ部材Eを用意し
た。そして、このテープ部材Eを実施例の場合と同様の
条件で段差部B0の周面に巻回したのち、その巻回箇所
をプロパンガスバーナで加熱して硬化させて密閉構造を
形成した。
【0039】(3)性能の評価 これら密閉構造を含む幅75mmの範囲を液密に水槽で囲
い、そこに水を注入して温度60℃の恒温層の中に50
0時間放置した。そして、JACC−T−1983で規
定する方法に準拠して接続部A0の絶縁抵抗を測定し
た。その結果を一括して表2に示した。なお、合格値は
108Ω・cm2以上である。。
【0040】その後、外層を剥離して溶接部3の状態を
目視観察した。その結果も表2に示した。また、領域A
1を通るようにして、鋼管表面の長手方向に幅25mmで
切り身をいれ、180°ピールでその切り身部分を50
mm/分の引張速度で引き剥がした。そのときの引張強度
も表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、防食保護層と防食塗膜との間の段差部が、
伸縮性に富むガラス繊維基布を有するテープ部材で確実
に密閉されているので、金属管が土中に埋設されても金
属管と防食保護層との密着界面への水分や油分の侵入を
防止することができ、長期に亘る防食性能を確保するこ
とができる。
【0043】また、テープ部材に含浸されている液状樹
脂組成物の自然硬化によって上記した密閉構造が形成さ
れるので、従来のような施工時の加熱作業は不要であ
り、施工時間の短縮が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で形成した被覆金属管の接続部を示す部
分断面図である。
【図2】段差部の近辺を示す断面図である。
【図3】基布の応力−歪み曲線の1例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 防食塗膜 1a 防食塗膜1の表面 2 被覆金属管 2a 裸出表面部 3 溶接部 4 防食保護層 4a ゴム系粘着剤 5 テープ部材(密閉構造) A0 接続部 A1 溶接部3とその両側に位置する防食塗膜1の領
域 B0 段差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沼 一宏 神奈川県平塚市東八幡5丁目1番5号 エ フコ株式会社内 (72)発明者 矢埜 清光 神奈川県平塚市東八幡5丁目1番5号 エ フコ株式会社内 (72)発明者 黒野 忠治 大阪府大阪市西区江之子島1丁目2番2号 株式会社但馬物産内 (72)発明者 明田 正道 大阪府大阪市西区江之子島1丁目2番2号 株式会社但馬物産内 (72)発明者 梅山 謙介 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 森田 徹 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 3H024 EA04 EE02 EE04 EF09 EF14 EF15 EF19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防食塗膜で被覆されている2本の被覆金
    属管の管端部における前記防食塗膜を剥離したのち互い
    の前記管端部を溶接し、形成された溶接部とその両側に
    位置する前記防食塗膜とを含む領域を熱収縮性または常
    温収縮性の部材で被覆して防食保護層を形成し、つい
    で、前記防食保護層の端部と前記防食塗膜の表面との間
    に形成されている段差部を含む周面に基布と接着性樹脂
    との複合材から成るテープ部材を巻回して前記段差部を
    密閉する密閉構造を形成する被覆金属管接続部の防食方
    法において、 前記テープ部材は、前記基布の破断強度が50〜350
    N/50mm以上、JIS R3420で規定する300
    mm/分で引張試験を行ったときに得られる応力−歪み曲
    線の屈曲点における伸度が15〜70%であり、前記接
    着性樹脂が液状樹脂組成物であることを特徴とする被覆
    金属管接続部の防食方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183716A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kubota Ci Kk 管路
JP2009144834A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Cosmo Koki Co Ltd 防錆手段
RU2670284C1 (ru) * 2017-11-20 2018-10-22 федеральное государственное унитарное предприятие "Федеральный научно-производственный центр "Прогресс" (ФГУП "ФНПЦ "Прогресс") Узел сварного соединения трубопровода
CN109746584A (zh) * 2019-03-21 2019-05-14 风范绿色建筑(常熟)有限公司 一种钢结构焊接防锈工艺

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