JP2001123873A - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
吸入空気量を達成し、過渡を含めた過給機とEGR装置
の制御性を向上させる。 【解決手段】 過給機61とEGR装置62とを備え
る。この場合に、EGR装置62の制御目標値を運転条
件に応じて演算手段63が演算し、このEGR装置62
の制御目標値となるようにEGR装置62を制御手段6
4が制御する。その一方で、運転条件に応じた目標吸入
空気量tQacまたは目標過給圧を演算手段65が演算
し、この目標吸入空気量tQacまたは目標過給圧とE
GR装置62の制御目標値とに基づいて過給機61の作
動目標値を設定手段66が設定する。この過給機61の
作動目標値となるように過給機61を制御手段67が制
御する。
Description
ンの制御装置、特にEGR装置(排気の一部を吸気通路
へ再循環させる装置)と過給機を備えるものに関する。
EGR弁とを備え、ターボ過給機を作動させて過給を行
う領域とEGR弁を開いてEGRを行う領域とを分ける
ようにしたものがある(特開平7−139413号公報
参照)。
変容量ターボ過給機とEGR弁を備え、特に過渡時にお
けるEGR量および可変ノズルのノズル開度の制御法を
検討したもの(IMechE 1997 C524/12
7/97参照)や可変容量ターボ過給機と、設定が連続
的でなく数段の段階的設定が可能なEGR弁とを備え、
可変ノズルの開口面積でEGR量を制御するようにした
もの等がある(社団法人 自動車技術会 発行『学術講演
会前刷集965 1996−10』 第193頁〜第19
6頁参照)。
来装置は、どれも基本的に、EGR量を変化させる際に
可変ノズルのノズル開度を一定値にホールドし、また過
給圧を変化させる際にEGR弁開度を一定値にホールド
して、排気エミッションの最適値を得ようとするもので
ある。
をホールドした状態で他方を変化させるようにしている
のは次の理由による。過給圧制御という観点からみる
と、EGR制御も、過給圧制御の役割を物理的に果たし
ている。つまり、EGR量を変化させることにより過給
圧も変化する。逆に、過給圧を変化させると、排気圧力
が変化するため、EGR量も変化することになり、過給
圧とEGR量とは独立に制御できないこと、また、やや
もするとお互いに制御上の外乱となっていることにあ
る。この結果、従来技術では、ある程度妥協した使い方
にならざるを得ない。
を確保するには、他方を適合し直すことであるが、他方
を適合し直した後には、もう一方を再適合しなければな
らなくなるので、この方法では、過渡時の制御精度を確
保することが困難である。
に影響を与えるため、EGR量を変えると、ノズル開度
を変える必要があるなど適切な適合が困難な上に、特に
過渡時は双方の制御精度が低下する。
過給圧とEGR量それぞれが排気中の有害物の排出量に
感度をもち、排気中の有害排出物の低減のためにはこれ
らを最適な値に設定することが必要である。特に、過渡
時にこれらお互いの目標値を達成して、排気エミッショ
ンと運転性を両立するためには、それぞれをアクティブ
に変化させることが望まれる。
吸入空気量(または目標過給圧)を演算し、この目標吸
入空気量とEGR装置の制御目標値から過給機の作動目
標値を設定することにより、EGR装置の制御目標値が
変化しても、目標吸入空気量を達成し、過渡を含めた過
給機とEGR装置の制御性を向上させることを目的とす
る。
示すように、過給機61とEGR装置62とを備え、前
記EGR装置62の制御目標値(たとえば目標EGR量
Tqek)を運転条件に応じて演算する手段63と、こ
のEGR装置62の制御目標値となるように前記EGR
装置62を制御する手段64と、運転条件に応じた目標
吸入空気量tQacまたは目標過給圧を演算する手段6
5と、この目標吸入空気量tQacまたは目標過給圧と
前記EGR装置62の制御目標値とに基づいて前記過給
機61の作動目標値を設定する手段66と、この過給機
61の作動目標値となるように前記過給機61を制御す
る手段67とを設けた。
過給機61の作動目標値を設定する際に、前記EGR装
置62の制御目標値に代えて、その制御目標値に遅れ処
理を施した値を用いる。
おいて前記過給機61の作動目標値が、過給機61の開
口面積または開口面積相当値の目標値である。
開口面積相当値が開口割合である。
過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値を
燃費が最適となるように設定する。
過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値を
排気組成が最適となるように設定する。
過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値を
加速性が最適となるように設定する。
いてエンジンの回転速度と燃料噴射量の積が増加する場
合にその所定時間当たり増加量に応じて前記過給機61
の開口面積または開口面積相当値の目標値を過給圧が大
きくなる側に補正する。
過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値を
排気組成が最適となるように設定する第1の手段と、前
記過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値
を燃費が最適となるように設定する第2の手段とを備
え、エンジンの暖機完了前に前記第1の手段を、暖機完
了後になると前記第2の手段を選択する。
記過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値
を燃費が最適となるように設定する第1の手段と、前記
過給機61の開口面積または開口面積相当値の目標値を
排気組成が最適となるように設定する第2の手段と、冷
却水温Twを検出する手段とを備え、この冷却水温Tw
により、前記第1の手段により設定される開口面積また
は開口面積相当値の目標値と、前記第2の手段により設
定される開口面積または開口面積相当値の目標値とを補
間計算した値を、前記過給機61の開口面積または開口
面積相当値の目標値として設定する。
記EGR装置62の制御目標値が目標EGR率である。
記EGR装置62の制御目標値が目標EGR量である。
給機61とEGR装置62とを備え、前記EGR装置6
2の1シリンダ当たり制御目標値(たとえば目標EGR
量Tqec)を運転条件に応じて演算する手段71と、
このEGR装置62の1シリンダ当たり制御目標値とな
るように前記EGR装置62を制御する手段72と、運
転条件に応じた1シリンダ当たり目標吸入空気量tQa
cを演算する手段73と、この1シリンダ当たり目標吸
入空気量tQacと前記EGR装置62の1シリンダ当
たり制御目標値とエンジン回転速度とエンジン負荷の4
つのパラメータに基づいて前記過給機61の作動目標値
を設定する手段74と、この過給機61の作動目標値と
なるように前記過給機61を制御する手段67とを設け
た。
前記作動目標値設定手段74が、エンジン回転速度とエ
ンジン負荷をパラメータとして運転条件の属する領域を
予め複数に区分けする手段と、前記領域を区分けする格
子点位置の運転条件毎に前記1シリンダ当たり目標吸入
空気量tQacと前記EGR装置62の1シリンダ当た
り制御目標値とに応じた前記過給機61の作動目標値を
予め設定するマップと、現在の運転条件が前記区分けし
た小領域のいずれに属するかを判定する手段と、この判
定した領域の4隅の格子点位置のマップを、現在の1シ
リンダ当たり目標吸入空気量tQacと前記EGR装置
62の現在の1シリンダ当たり制御目標値とから検索
し、その検索した4つの値を用いた補間計算により前記
過給機61の現在の運転条件に対応する作動目標値を演
算する手段とからなる。
前記マップ値を燃費が最適となるように設定する。
前記過給機の作動値を変化させても吸入空気量がほとん
ど変化しない領域に属する前記マップの値を固定値とす
る。
のいずれか一つの発明において前記エンジン回転速度に
代えて排気流量を用いる。
のいずれか一つの発明において前記マップを検索する際
に、現在の1シリンダ当たり目標吸入空気量tQacと
前記EGR装置62の現在の1シリンダ当たり制御目標
値に代えて、それらにそれぞれ遅れ処理を施した値を用
いる。
のいずれか一つの発明において前記過給機61の作動目
標値が過給機61の開口割合または開口面積相当値の目
標値である。
前記EGR装置62の1シリンダ当たり制御目標値が1
シリンダ当たりの目標EGR量Tqecである。
れば、運転条件に応じて目標吸入空気量(または目標過
給圧)を演算し、この目標吸入空気量とEGR装置の制
御目標値とに基づいて、過給機の作動目標値を設定する
ようにしたので、EGR装置の制御目標値が変化して
も、目標吸入空気量が得られることになり、過渡を含め
た過給機とEGR装置の制御性が向上し、これによって
お互いの性能を十分に発揮させることができる。また、
適合の簡易化、ロジックの簡易化も可能である。
を演算してからEGR装置の制御実際値が制御目標値に
追いつくまでに遅れがあり、その制御目標値からのずれ
分だけ過給機の作動目標値に誤差が生じ、目標吸入空気
量が得られなくなる可能性があるが、第2の発明によれ
ば、EGR装置の制御実際値である制御目標値に遅れ処
理を施した値を用いるので、過渡時においても、目標吸
入空気量が得られるように過給機を制御できる。
とができる。
標値が変化しても、燃費を最適にする過給機の作動目標
値が自動的に達成される。これによって、過渡を含めて
最適な燃費点をトレースさせることが可能となる。
標値が変化しても、排気組成を最適にする過給機の作動
目標値が自動的に達成される。これによって、過渡を含
めて最適な排気組成点をトレースさせることが可能とな
る。
標値が変化しても、加速性を最適にする過給機の作動目
標値が自動的に達成される。
ち上がりよりも排気圧の上昇スピードのほうが速く、そ
のぶん充填効率の低下を起こしやすくなるのであるが、
第8の発明によれば、加速時の過給圧の立ち上がり遅れ
に伴う充填効率の低下を回避できる。
前には排気組成が最適となり、暖機完了後には燃費が最
適となるように過給機を制御できる。
中において排気組成と燃費を両立できる。
の発明によれば、エンジン負荷をも直接のパラメータと
して過給機の作動目標値を設定あるいは演算するので、
エンジン負荷に応じて過給機の作動目標値を変えたいと
いう要求に応じることができる。
件のように、過給機の作動値を変化させても吸入空気量
がほとんど変化しない領域での無駄な過給機作動を避け
ることができる。
性をよくトレースでき、マップ数も減らせる。
ことに伴う空気の供給遅れや過給機の作動応答遅れがあ
る場合に有効であるが、実験してみると、吸気管容積が
大きい場合や過給機の作動応答遅れが大きい場合より
も、吸気管容積が小さい場合や過給機の作動応答遅れが
小さい場合のほうがかえって精度の高い制御を行うこと
ができる。
燃焼となる、いわゆる低温予混合燃焼を行わせるための
構成を示す。なお、この構成そのものは特開平8−86
251号公報などにより公知である。
存し、その低減には燃焼温度の低温化が有効である。低
温予混合燃焼では、EGRによる酸素濃度の低減で、低
温燃焼を実現するため、排気通路2と吸気通路3のコレ
クタ部3aとを結ぶEGR通路4に、負圧制御弁5から
の制御負圧に応動するダイヤフラム式のEGR弁6を備
えている。
1からのデューティ制御信号により駆動されるもので、
これによって運転条件に応じた所定のEGR率を得るよ
うにしている。たとえば、低回転低負荷域でEGR率を
最大の100パーセントとし、回転速度、負荷が高くな
るに従い、EGR率を減少させる。高負荷側では排気温
度が上昇するため、多量のEGRガスを還流すると、吸
気温度の上昇によってNOx低減の効果が減少したり、
噴射燃料の着火遅れ期間が短くなって予混合燃焼が実現
できなくなる等のため、EGR率を段階的に減少させて
いる。
却装置7を備える。これは、EGR通路4の周りに形成
されエンジン冷却水の一部が循環されるウォータジャケ
ット8と、冷却水の導入口7aに設けられ冷却水の循環
量を調整可能な流量制御弁9とからなり、コントロール
ユニット41からの指令により、制御弁9を介して循環
量を増やすほどEGRガスの冷却度が増す。
に所定の切欠を有するスワールコントロールバルブ(図
示しない)を備える。コントロールユニット41によ
り、このスワールコントロールバルブが低回転低負荷域
で閉じられると、燃焼室に吸入される吸気の流速が高ま
り燃焼室にスワールが生成される。
い)である。これは、ピストンキャビティを、入口を絞
らずピストンの冠面から底部まで円筒状に形成したもの
で、その底部中央には、圧縮行程後期にピストンキャビ
ティの外部から旋回しながら流れ込むスワールに抵抗を
与えないように、さらに空気と燃料の混合を良好にする
ため、円錐部が形成されている。この入口を絞らない円
筒状のピストンキャビティにより、前述のスワールバル
ブ等によって生成されたスワールは、燃焼過程でピスト
ンが下降していくのに伴い、ピストンキャビティ内から
キャビティ外に拡散され、キャビティ外でもスワールが
持続される。
置10を備える。コモンレール式の燃料噴射装置10の
構成も公知(第13回内燃機関シンポジウム講演論文集
第73頁〜第77頁参照)であり、図2により概説す
る。
11、燃料供給通路12、サプライポンプ14、コモン
レール(蓄圧室)16、気筒毎に設けられるノズル17
からなり、サプライポンプ14により加圧された燃料は
燃料供給通路15を介して蓄圧室16にいったん蓄えら
れたあと、蓄圧室16の高圧燃料が気筒数分のノズル1
7に分配される。
ノズル室19への燃料供給通路20、リテーナ21、油
圧ピストン22、針弁18を閉弁方向(図で下方)に付
勢するリターンスプリング23、油圧ピストン22への
燃料供給通路24、この通路24に介装される三方弁
(電磁弁)25などからなり、ノズル内の通路20と2
4が連通して油圧ピストン22上部とノズル室19にと
もに高圧燃料が導かれる三方弁25のOFF時(ポート
AとBが連通、ポートBとCが遮断)には、油圧ピスト
ン22の受圧面積が針弁18の受圧面積より大きいこと
から、針弁18が着座状態にあるが、三方弁25がON
状態(ポートAとBが遮断、ポートBとCが連通)にな
ると、油圧ピストン22上部の燃料が戻し通路28を介
して燃料タンク11に戻され、油圧ピストン22に作用
する燃料圧力が低下する。これによって針弁18が上昇
してノズル先端の噴孔より燃料が噴射される。三方弁2
5をふたたびOFF状態に戻せば、油圧ピストン22に
蓄圧室16の高圧燃料が導びかれて燃料噴射が終了す
る。つまり、三方弁25のOFFからONへの切換時期
により燃料の噴射開始時期が、またON時間により燃料
噴射量が調整され、蓄圧室16の圧力が同じであれば、
ON時間が長くなるほど燃料噴射量が多くなる。26は
逆止弁、27はオリフィスである。
圧力を調整するため、サプライポンプ14から吐出され
た燃料を戻す通路13に圧力調整弁31を備える。この
調整弁31は通路13の流路を開閉するもので、蓄圧室
16への燃料吐出量を調整することにより蓄圧室圧力を
調整する。蓄圧室16の燃料圧力(噴射圧)によって燃
料噴射率が変化し、蓄圧室16の燃料圧力が高くなるほ
ど燃料噴射率が高くなる。
度とクランク角度を検出するセンサ34、気筒判別のた
めのセンサ35、水温センサ36からの信号が入力され
るコントロールユニット41では、エンジン回転速度と
アクセル開度に応じて目標燃料噴射量と蓄圧室16の目
標圧力を演算し、圧力センサ32により検出される蓄圧
室圧力がこの目標圧力と一致するように圧力調整弁31
を介して蓄圧室16の燃料圧力をフィードバック制御す
る。
三方弁25のON時間を制御するほか、三方弁25のO
Nへの切換時期を制御することで、運転条件に応じた所
定の噴射開始時期を得るようにしている。たとえば、高
EGR率の低回転低負荷側で噴射燃料の着火遅れ期間が
長くなるように燃料の噴射時期(噴射開始時期)をピス
トン上死点(TDC)にまで遅延している。この遅延に
より、着火時期の燃焼室内の温度を低温状態にし、予混
合燃焼比率を増大させることにより、高EGR率域での
スモークの発生を抑える。これに対して、回転速度、負
荷が高くなるにしたがい、噴射時期を進めている。これ
は、着火遅れの時間が一定であっても、着火遅れクラン
ク角度(着火遅れの時間をクランク角度に換算した値)
がエンジン回転速度の増加に比例して大きくなり、低E
GR率時に所定の着火時期を得るために、噴射時期を進
めるのである。
排気通路2に可変容量ターボ過給機を備える。これは、
排気タービン52のスクロール入口に、負圧アクチュエ
ータ54により駆動される可変ノズル53を設けたもの
で、コントロールユニット41により、可変ノズル53
は低回転域から所定の過給圧が得られるように、低回転
側では排気タービン52に導入される排気の流速を高め
るノズル開度(傾動状態)に、高回転側では排気を抵抗
なく排気タービン52に導入させノズル開度(全開状
態)に制御する。
圧に応動して可変ノズル53を駆動するダイヤフラムア
クチュエータ55と、このアクチュエータ55への制御
負圧を調整する負圧制御弁56とからなり、可変ノズル
53の開口割合が、後述するようにして得られる目標開
口割合Rvntとなるように、デューティ制御信号が作
られ、このデューティ制御信号が負圧制御弁56に出力
される。
EGR制御も、過給圧制御の役割を物理的に果たしてい
る。つまり、EGR量を変化させることにより過給圧も
変化する。逆に、過給圧を変化させると、排気圧力が変
化するため、EGR量も変化することになり、過給圧と
EGR量とは独立に制御できない。また、ややもすると
お互いに制御上の外乱となっている。なお、一方を変化
させた場合に、制御精度を確保するには、他方を適合し
直すことであるが、他方を適合し直した後には、もう一
方を再適合しなければならなくなるので、この方法で
は、過渡時の制御精度を確保することが困難である。
に影響を与え、EGR量を変えると、ノズル開度を変え
る必要があるなど適切な適合が困難な上に、特に過渡時
は双方の制御精度が低下するので、コントロールユニッ
ト41では、運転条件に応じて目標吸入空気量tQac
を演算し、この目標吸入空気量tQacと目標EGR量
や目標EGR率Megrに遅れ処理を施した値である実
EGR量Qecや実GR率Megrdからターボ過給機
の作動目標値である可変ノズル53の目標開口割合Rv
ntを設定するようにしている。
の制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説
明する。なお、後述する図3、図4、図8〜図14は先
願装置(特願平9−92306号参照)で、また図7
(ただしステップ6でKqac00を導入する点を除
く)は別の先願装置(特願平9−125892号参照)
ですでに提案しているところと同様である。
算するためのもので、REF信号(クランク角の基準位
置信号で、4気筒エンジンでは180度毎、6気筒エン
ジンでは120度毎の各信号)の入力毎に実行する。
アクセル開度Clを読み込み、ステップ3では、これら
NeとClに基づいて、図4を内容とするマップを検索
すること等により、基本燃料噴射量Mqdrvを演算
し、ステップ4ではこの基本燃料噴射量Mqdrvに対
してエンジン冷却水温等による増量補正を行い、補正後
の値を目標燃料噴射量Qsolとして設定する。
するためのもので、REF信号の入力毎に実行する。ス
テップ1では目標EGR量Tqekを演算する。このT
qekの演算については図7のフローにより説明する。
おいて、ステップ1、2では1シリンダ当たりの吸入空
気量Qacnと目標EGR率Megrを演算する。
フローにより、またMegrの演算については図11の
フローにより説明する。
ジン回転速度Neを読み込み、このエンジン回転速度N
eとエアフローメータより得られる吸入空気量Qas0
とから
算する。
は、コンプレッサ上流の吸気通路3に設けており、エア
フローメータ39からコレクタ部3aまでの輸送遅れ分
のディレイ処理を行うため、ステップ3ではL(ただし
Lは定数)回前のQac0の値をコレクタ入口部3a位
置における1シリンダ当たりの吸入空気量Qacnとし
て求めている。そして、ステップ4ではこのQacnに
対して
L)+Qacn×KIN×KVOL ただし、KIN:体積効率相当値、 KVOL:VE/NC/VM、 VE:排気量、 NC:気筒数、 VM:吸気系容積、 Qacn-1:前回のQac、 の式(一次遅れの式)により吸気弁位置における1シリ
ンダ当たりの吸入空気量(この吸入空気量を、以下「シ
リンダ吸入空気量」で略称する。)Qacを演算する。
これはコレクタ入口部3aから吸気弁までのダイナミク
スを補償するためのものである。
出については図9のフローにより説明する。図9のフロ
ーは4msec毎に実行する。
力電圧Usを読み込み、このUsからステップ2で図1
0を内容とする電圧−流量変換テーブルを検索すること
等により吸入空気量Qas0 dを演算する。さらに、
ステップ3でこのQas0 dに対して加重平均処理を行
い、その加重平均処理値を吸入空気量Qas0として設
定する。
ンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量Qsol、エンジ
ン冷却水温Twを読み込む。ステップ2ではエンジン回
転速度Neと目標燃料噴射量Qsolから図12を内容
とするマップを検索すること等により基本目標EGR率
Megrbを演算する。この場合、基本目標EGR率
は、エンジンの使用頻度の高い領域、つまり低回点、低
負荷(低噴射量)になるほど大きくなり、スモークが発
生しやすい高出力時には小さくする。
を内容とするテーブルを検索すること等により、基本目
標EGR率の水温補正係数Kegr twを演算する。
そして、ステップ4において、基本目標EGR率とこの
水温補正係数とから、
であるか否かを判定する。ただし、この完爆の判定は、
図14のフローで後述する。
爆状態のときは、今回の処理をそのまま終了し、完爆状
態でないと判定されたときは、目標EGR率Megrを
0として今回の処理を終了する。
御が行われ、完爆前は安定した始動性を確保するために
もEGRは行われない。
ものである。ステップ1でエンジン回転速度Neを読み
込み、このエンジン回転速度Neと完爆回転速度に相当
する完爆判定スライスレベルNRPMKとをステップ2
において比較する。Neのほうが大きいときは完爆と判
断し、ステップ3に進む。ここでは、カウンタTmrk
bと所定時間TMRKBPとを比較し、カウンタTmr
kbが所定時間よりも大きいときは、ステップ4に進
み、完爆したものとして処理を終了する。
小さいときは、ステップ6に進み、カウンタTmrkb
をクリアし、ステップ7で完爆状態にはないものとして
処理を終了する。また、ステップ2でNeよりも大きい
ときでも、ステップ3でカウンタTmrkbが所定時間
よりも小さいときは、ステップ5でカウンタをインクリ
メントし、完爆でないと判断する。
(たとえば400rpm)以上であって、かつこの状態
が所定時間にわたり継続されたときに完爆したものと判
定するのである。
気量Qacn、図11により目標EGR率Megrの演
算を終了したら、図7のステップ3に戻り、両者から
IN×KVOLを加重平均係数とする
ecn-1×(1−KIN×KVOL) ただし、KIN:体積効率相当値、 KVOL:VE/NC/VM、 VE:排気量、 NC:気筒数、 VM:吸気系容積、 Rqecn-1:前回の中間処理値、 の式により、中間処理値(加重平均値)Rqecを演算
し、このRqecと要求EGR量Mqecを用いてステ
ップ5で
n-1×(1−GKQEC) ただし、GKQEC:進み補正ゲイン、 の式により進み補正を行って、1シリンダ当たりの目標
EGR量Tqecを演算する。要求値に対して吸気系の
遅れ(すなわちEGR弁6→コレクタ部3a→吸気マニ
ホールド→吸気弁の容量分の遅れ)があるので、ステッ
プ4、5はこの遅れ分の進み処理を行うものである。
Kqac00 ただし、Kqac00:EGR量フィードバック補正係
数、 KCON#:定数、 の式により単位変換(1シリンダ当たり→単位時間当た
り)を行って、目標EGR量Tqekを求める。なお、
EGR量フィードバック補正係数Kqac00の演算に
ついては後述する(図54参照)。
算を終了したら、図5のステップ2に戻り、EGRガス
(EGR弁を流れるガス)の流速(このEGRガスの流
速を以下、単に「EGR流速」という)Cqeを演算
し、このEGR流速Cqeと目標EGR量Tqekとか
ら
R流速Cqeの演算については後述する(図63により
参照)。
Aevは、図示しないフローにおいて図6を内容とする
テーブルを検索する等によりEGR弁6のリフト量に変
換され、このEGR弁リフト量になるように、負圧制御
弁5へのデューティ制御信号が作られ、このデューティ
制御信号が負圧制御弁5に出力される。
用の負圧制御弁56に与える制御指令デューティ値Dt
yvntを演算するためのもので、一定時間毎(たとえ
ば10msec毎)に実行する。
形態とすると、2つの実施形態では可変ノズル53の目
標開口割合Rvntを演算するのに用いるパラメータに
違いがある(図15の第1実施形態では実EGR量Qe
cに基づいて、また図16の第2実施形態では実EGR
率Megrdに基づいて可変ノズル53の目標開口割合
Rvntを演算する)。
で、制御の大きな流れは図示のステップに従うものであ
り、各ステップの処理に対してサブルーチンが用意され
ている。したがって、以下ではサブルーチンを中心に説
明していく。
ブルーチン)は実EGR率を演算するためのもので、R
EF信号の入力毎に実行する。ステップ1で目標EGR
率Megr(図11で既に得ている)を読み込み、ステ
ップ2でコレクタ容量分の時定数相当値Kkinを演算
する。このKkinの演算については図18のフローに
より説明する。
ン)において、ステップ1でエンジン回転速度Ne、目
標燃料噴射量Qsol、後述する実EGR率の前回値で
あるMegrdn-1[%]を読み込み、このうちNeと
Qsolからステップ2において図19を内容とするマ
ップを検索すること等により体積効率相当基本値Kin
bを演算し、ステップ3では
/100) の式により体積効率相当値Kinを演算する。これはE
GRによって体積効率が減少するので、その分の補正を
行うようにしたものである。
ップ4において吸気系容積とシリンダ容積の比相当の定
数であるKVOL(図8のステップ4参照)を乗じた値
をコレクタ容量分の時定数相当値Kkinとして演算す
る。
ら図17のステップ3に戻り、このKkinと目標EG
R率Megrを用い、
E2#+Megrdn-1×(1−Kkin×Ne×KE
2#) ただし、Kkin:Kin×KVOL#、 KE2#:定数、 Megrdn-1:前回のMegrd、 の式で遅れ処理と単位変換(1シリンダ当たり→単位時
間当たり)を同時に行って吸気弁位置におけるEGR率
Megrdを演算する。数10式の右辺のNe×KE2
#が単位変換のための値である。目標EGR率Megr
に対してこのMegrdは一次遅れで応答するため(図
65、図66参照)、このMegrdを、以下「実EG
R率」という。
ブルーチン)は目標吸入空気量tQacを演算するため
のものである。ステップ1でエンジン回転速度Ne、実
EGR率Megrd、目標燃料噴射量Qsolを読み込
み、ステップ2でMegrdと所定値MEGRLV#を
比較する。
作動の有無を判定するための値(たとえば0.5)で、
Megrd>MEGRLV#であるときはEGRの作動
域であると判断してステップ3、4、5に進み、これに
対してMegrd≦MEGRLV#であるときはEGR
の非作動域であると判断してステップ6に進む。MEG
RLV#が0でないのは、微量のEGRが行われる場合
にも、EGRが行われない場合と同一に扱いたいという
要求があるので、これに応じるものである。
でエンジン回転速度Neと実EGR率Megrdよりた
とえば図21を内容とするマップを検索すること等によ
り1シリンダ当たりの目標吸入空気量基本値tQacb
を演算する。エンジン回転が一定の条件であれば、図2
1のように実EGR率が大きいときほど目標吸入空気量
を増やすのである。
ば図22を内容とするマップを検索すること等により目
標吸入空気量の補正係数ktQacを演算し、この補正
係数を上記の目標吸入空気量基本値に掛けた値を目標吸
入空気量tQacとして算出する。補正係数ktQac
は運転条件(Ne、Qsol)により目標吸入空気量を
変えたいという要求に応えるためのものである。
テップ6に進み、NeとQsolよりたとえば図23を
内容とするマップを検索すること等により1シリンダ当
たりの目標吸入空気量tQacを演算する。
ン)は実EGR量を演算するためのものである。ステッ
プ1でコレクタ入口部3a位置における1シリンダ当た
りの吸入空気量Qacn(図8のステップ3で既に得て
いる)、目標EGR率Megr、コレクタ容量分の時定
数相当値Kkinを読み込む。このうちQacnとMe
grからステップ2で
当たりのEGR量Qec0を演算し、このQec0とK
kinを用いステップ3において、
+Qecn-1×(1−Kkin×Ne×KE#) ただし、Kkin:Kin×KVOL、 KE#:定数、 Qecn-1:前回のQec、 の式により、上記の数10式と同様に遅れ処理と単位変
換(1シリンダ当たり→単位時間当たり)を同時に行っ
てシリンダ吸入EGR量Qecを演算する。数12式の
右辺のNe×KE#が単位変換のための値である。この
Qecは目標EGR量Tqekに対して一次遅れで応答
するため、以下このQecを「実EGR量」という。ま
た、目標吸入空気量tQacに対して一次遅れで応答す
る上記のQacを、以下「実吸入空気量」という(図6
5、図66参照)。
ン)、図27(図16のステップ3のサブルーチン)は
可変ノズル53の目標開口割合Rvntを演算するため
のものである(図25が第1実施形態、図27が第2実
施形態)。
可変ノズル53の全開時のノズル面積に対する現在のノ
ズル面積の比のことである。したがって、可変ノズル5
3の全開時に開口割合は100%、全閉時に開口割合は
0%となる。開口割合を採用する理由は汎用性を持たせ
る(ターボ過給機の容量と関係ない値とする)ためであ
る。もちろん、可変ノズルの開口面積を採用してもかま
わわない。
に過給圧が最も小さく、全閉時に過給圧が最も高くなる
タイプのものであるため、開口割合が小さいほど過給圧
が高くなる。
明すると、ステップ1で目標吸入空気量tQac、実E
GR量Qec、エンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量
Qsolを読み込む。
空気量相当値tQas0(以下、この吸入空気量相当値
を「設定吸入空気量相当値」という)と同じく目標開口
割合を設定するためのEGR量相当値Qes0(以下、
このEGR量相当値を「設定EGR量相当値」という)
を演算する。数13式において、tQac、QecにQ
sol×QFGAN#を加算しているのは、設定吸入空
気量相当値、設定EGR量相当値に対して負荷補正を行
えるようにし、かつその感度をゲインQFGAN#で調
整するようにしたものである。また、Ne/KCON#
は単位時間当たりの吸入空気量、EGR量に変換するた
めの値である。
値tQas0と設定EGR量相当値tQes0からステ
ップ4ではたとえば図26を内容とするマップを検索す
ることにより可変ノズル53の目標開口割合Rvntを
設定する。
ステップ1で目標吸入空気量tQac、実EGR率Me
grd、エンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量Qso
lを読み込み、ステップ2において、上記数13式のう
ち上段の式により設定吸入空気量相当値tQas0を演
算し、この設定吸入空気量相当値tQas0と実EGR
率Megrdからステップ3でたとえば図28を内容と
するマップを検索することにより可変ノズル53の目標
開口割合Rvntを設定する。
設定したものである。ただし、後述する排気重視の設定
例との違いは具体的な数値にしかないので、両者に共通
する特性を先に説明し、その後に両者の違いについて説
明する。なお、図28の特性は、縦軸が図26と相違す
るものの(図26において原点からの傾斜がEGR率を
示す)、基本的に図26と変わるものでないため、図2
6のほうで説明する。
値tQas0の大きな右側の領域において設定EGR量
相当値Qes0が増えるほど目標開口割合を小さくして
いる。これは次の理由からである。EGR量が多くなる
と、そのぶん新気が減り、これによって空燃比がリッチ
側に傾くとスモークが発生する。そこで、EGR量が多
くなるほど、目標開口割合を小さくして過給圧を高める
必要があるからである。
領域では過給効果があまり得られない。この領域でtQ
as0が小さくなるほど目標開口割合を小さくしてい
る。これは次の理由からである。この領域でも目標開口
割合を大きくすると、排気圧が立ち上がりにくいのでこ
れを避けたいこと、また全開加速のためにはその初期に
おいて開口割合が小さいほうがよいことのためである。
このように、異なる2つの要求から図26の特性が基本
的に定まっている。このため、目標吸入空気量の変化が
小さい場合と大きい場合とでは、目標開口割合の変化が
異なる(図65、図66参照)。
傾向は、燃費重視と排気重視に共通のもので、両者の違
いは具体的な数値にある。同図において「小」とある位
置の数値は、ターボ過給機が効率よく働く最小の値であ
るため、燃費重視の設定例、排気重視の設定例とも同じ
で、たとえば20程度である。一方、「大」とある位置
の数値が両者で異なり、燃費重視の設定例の場合に60
程度、排気重視の設定例になると30程度になる。
限られるものでない。第1実施形態では設定吸入空気量
相当値tQas0と設定EGR量相当値tQes0とか
ら目標開口割合を設定しているが、これに代えて、目標
吸入空気量tQacと実EGR量Qecから設定しても
かまわない。さらに、これに代えて目標吸入空気量tQ
acと目標EGR量(Qec0)から設定してもかまわ
ない。同様にして、第2実施形態では設定吸入空気量相
当値tQas0と実EGR率Megrdから目標開口割
合を設定しているが、これに代えて、目標吸入空気量t
Qacと実EGR率Megrdから設定してもかまわな
い。さらに、これに代えて目標吸入空気量tQacと目
標EGR率Megrから設定してもかまわない。
テップ4のサブルーチン)は、上記のようにして求めた
目標開口割合Rvntに対して、可変ノズル駆動用の負
圧アクチュエータ54(負圧制御弁56とダイヤフラム
アクチュエータ55からなる)のダイナミクスを補償す
るため、進み処理を行うものである。これは、可変ノズ
ル53のアクチュエータが負圧アクチュエータである場
合には、ステップモータである場合と異なり、無視でき
ないほどの応答遅れがあるためである。
込み、このRvntと前回の予想開口割合であるCav
ntn-1をステップ2において比較する。ここで、予想
開口割合Cavntとは、すぐ後で述べるように、目標
開口割合Rvntの加重平均値である(ステップ10参
照)。
ノズル53を開く側に動かしているとき)、ステップ
3、4に進み、所定値GKVNTO#を進み補正ゲイン
Gkvnt、所定値TCVNTO#を進み補正の時定数
相当値Tcvntとして設定し、これに対して、Rvn
t<Cavntn-1であるとき(可変ノズル53を閉じ
る側に動かしているとき)は、ステップ6、7に進み、
所定値GKVNTC#を進み補正ゲインGkvnt、所
定値TCVNTC#を進み補正の時定数相当値Tcvn
tとして設定する。また、RvntとCavntn-1が
同一であればステップ8、9に進み、前回の進み補正ゲ
イン、進み補正の時定数相当値を維持する。
きと閉じ側に動かしているときとで進み補正ゲインGk
vnt、進み補正の時定数相当値Tcvntを相違さ
せ、GKVNTO#<GKVNTC#、TCVNTO#
<TCVNTC#としている。これは、可変ノズル53
を閉じ側に動かすときは、排気圧に抗する必要があるの
で、そのぶんゲインGkvntを大きくし、かつ時定数
を小さくする(時定数と逆数の関係にある時定数相当値
Tcvntは大きくする)必要があるからである。
み補正の時定数相当値Tcvntと目標開口割合Rvn
tを用いて、
ntn-1×(1−Tcvnt) ただし、Cavntn-1:前回のCavnt、 の式により予想開口割合Cavntを演算し、この値と
目標開口割合Rvntからステップ11において、
kvnt−1)×Cavntn-1 ただし、Cavntn-1:前回のCavnt、 の式により進み補正を行い、目標開口割合のフィードフ
ォワード量Avnt fを演算する。ステップ10、1
1の進み処理そのものは、図7のステップ4、5に示し
た進み処理と基本的に同様である。
テップ5の各サブルーチン)は目標開口割合のフィード
バック量Avnt fbを演算するためのものである。
ステップ1で目標吸入空気量tQac、目標EGR率M
egr、エンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量Qso
l、実吸入空気量Qacを読み込み、ステップ2では目
標EGR率Megrと所定値MEGRLV#を比較す
る。
GRの作動域であるとき)は、ステップ4において
算する。dQacの値は0を中心とし、実際値としての
Qacが目標値としてのtQacより小さいとき正の値
に、この逆にQacがtQacより大きいとき負の値に
なる。
き(EGRの非作動域であるとき)は、ステップ3に進
み、誤差割合dQac=0とする(すなわち、フィード
バックを禁止する)。
マップを検索することによりフィードバックゲインの補
正係数Khを演算し、この値をステップ6において各定
数(比例定数KPB#、積分定数KIB#、微分定数K
DB#)に掛けることによってフィードバックゲインK
p、Ki、Kdを算出し、これらの値を用いて目標開口
割合のフィードバック量Avnt fbをステップ7に
おいて演算する。このフィードバック量の演算方法は周
知のPID処理である。
Qsol)により適正なフィードバックゲインが変化す
るのに対応して導入したもので、負荷および回転速度が
大きくなるほど大きくなる。
テップ6の各サブルーチン)は、目標開口割合に対して
線型化処理を行うためのものである。ステップ1で目標
開口割合のフィードフォワード量Avnt fとフィー
ドバック量Avnt fbを読み込み、この両者をステ
ップ2において加算した値を指令開口割合Avntとし
て算出する。ステップ3ではこの指令開口割合Avnt
からたとえば図32を内容とするテーブル(線型化テー
ブル)を検索することにより指令開口割合線型化処理値
Ratdtyを設定する。
合(あるいは開口面積)に対して、ターボ過給機を駆動
するアクチュエータへの指令信号が非線型な特性を有す
る場合に必要となるものである。たとえば、図33に示
したように空気量(過給圧)の変化幅が同じでも、空気
量の小さな領域と空気量の大きな領域とでは、開口面積
の変化幅がdA0、dA1と大きく異なる(ただしEG
Rなしのとき)。さらにEGRの有無(図では「w/o
EGR」がEGRなし、「w/ EGR」がEGRあり
を表す)によっても開口面積の変化幅が変わる。したが
って、運転条件に関係なく同じフィードバックゲインと
したのでは目標の吸入空気量(過給圧)が得られない。
そこで、フィードバックゲインの適合を容易にするた
め、上記のように運転条件に応じたフィードバックゲイ
ンの補正係数Khを導入しているのである。
テップ7の各サブルーチン)は負圧制御弁56に与える
ONデューティ値(以下、単に「デューティ値」とい
う)である制御指令値Dtyvntを設定するためのも
のである。まず、ステップ1でエンジン回転速度Ne、
目標燃料噴射量Qsol、指令開口割合線型化処理値R
atdty、進み補正の時定数相当値Tcvnt、水温
Twを読み込む。
の設定を行う。このフラグ設定については図35のフロ
ーより説明する。図35において、ステップ1で指令開
口割合Avntと進み補正の時定数相当値Tcvntを
読み込み、これらからステップ2において、
dlyvntn-1×(1−Tcvnt) ただし、Adlyvntn-1:前回のAdlyvnt、 の式により遅れ処理を行って予想開口割合Adlyvn
tを演算し、この値と前回の予想開口割合のM(ただし
Mは定数)回前の値であるAdlyvntn-Mとをステ
ップ3において比較する。
るとき(増加傾向または定常状態にあるとき)は、増加
傾向または定常状態にあることを示すためステップ4で
作動方向指令フラグfvnt=1とし、それ以外ではス
テップ5で作動方向指令フラグfvnt=0とする。ス
テップ6ではさらに増加傾向である場合と定常状態とを
分離するため、AdlyvntとAdlyvntn-Mを
比較し、Adlyvnt=Adlyvntn-Mであると
きは、ステップ7でデューティ保持フラグfvnt2=
1とし、それ以外ではステップ8でデューティ保持フラ
グfvnt2=0とする。
vnt2の設定を終了したら、図34のステップ3に戻
り、デューティ値の温度補正量Dty tを演算する。
この演算については図36のフローより説明する。
転速度Ne、目標燃料噴射量Qsol、水温Twを読み
込み、このうちNeとQsolからステップ2において
たとえば図37を内容とするマップを検索すること等に
より基本排気温度Texhbを演算する。ここで、Te
xhbは暖機完了後の排気温度である。これに対して暖
機途中であれば暖機完了後の排気温度とは異なってくる
ため、ステップ3で水温Twよりたとえば図38を内容
とするテーブルを検索すること等により排気温度の水温
補正係数Ktexh twを演算し、この値をステップ
4において上記の基本排気温度に乗算した値を排気温度
Texhiとして演算する。
ら
Texhdlyn-1×(1−KEXH#) ただし、KEXH#:定数、 Texhdlyn-1:前回のTexhdly、 の式により遅れ処理を行った値を実排気温度Texhd
lyとして演算する。これは、熱慣性分の遅れ処理を行
うものである。
この実排気温度Texhdlyとの差dTexhを演算
し、この差dTexhからステップ7においてたとえば
図39を内容とするテーブルを検索すること等によりデ
ューティ値の温度補正量Dty tを演算する。ステッ
プ6、7は、後述するヒステリシス対応に用いるマップ
(Duty h p、Duty h n、Duty
l p、Duty l nのマップ)を暖機完了後に対
して設定することを念頭に置き、その状態からの差分
(つまりdTexh)に応じた補正量を持たせるもので
ある。なお、温度補正量Dty tによる補正は、雰囲
気温度による温度特性を有するターボ過給機駆動用アク
チュエータを使用する場合に必要となる処理である(図
40参照)。
算が終了したら、図34のステップ4に戻る。
理を行うものである。この処理を図45を用いて先に説
明しておくと、これは、指令開口割合線型化処理値Ra
tdtyが増加傾向にあるときに上側の特性(Duty
l pを可変ノズル全開時の指令信号、Duty h
pを可変ノズル全閉時の指令信号とする直線特性)を
用いるのに対して、指令開口割合線型化処理値Ratd
tyが減少傾向にあるときには、もう一つの下側の特性
(Duty l nを可変ノズル全開時の指令信号、D
uty h nを可変ノズル全閉時の指令信号とする直
線特性)を用いるものである。なお、Ratdtyが1
に近い領域で2つの特性がひっくり返っている領域があ
るが、この領域が実際に使われることはない。
t1をみる。fvnt=1のとき(すなわち開口割合が
増加傾向にあるかまたは定常状態にあるとき)は、ステ
ップ5、6に進み、たとえば図41を内容とするマップ
(Duty h pマップ)と図42を内容とするマッ
プ(Duty l pマップ)を検索することにより可
変ノズル全閉時のデューティ値Duty hと可変ノズ
ル全開時のデューティ値Duty lをそれぞれ設定す
る。一方、fvnt=0のとき(すなわち開口割合が減
少傾向にあるとき)は、ステップ7、8に進み、たとえ
ば図43を内容とするマップ(Duty h nマッ
プ)と図44を内容とするマップ(Duty l nマ
ップ)を検索することにより可変ノズル全閉時のデュー
ティ値Duty hと可変ノズル全開時のデューティ値
Duty lをそれぞれ設定する。
のデューティ値Duty h、可変ノズル全開時のデュ
ーティ値Duty lと上記の指令開口割合線型化処理
値Ratdtyを用いステップ9において、
l)×Ratdty+Duty l+Dty t の式により線型補間計算を行って指令デューティ値基本
値Dty hを演算する。つまり、線型補間計算に用い
る直線の特性を、指令開口割合線型化処理値が増加傾向
にあるかまたは定常状態にあるときと指令開口割合線型
化処理値が減少傾向にあるときとで変更する(ヒステリ
シス処理を行う)ことで、指令開口割合線型化処理値が
同じであっても、指令開口割合線型化処理値が増加傾向
(または定常状態)にあるときのほうが、減少傾向にあ
るときより指令デューティ値基本値Dty hが大きく
なる。
t2をみる。fvnt2=1(すなわち指令開口割合線
型化処理値の変化がない)ときは、ステップ11に進
み、前回の制御指令デューティ値(後述する)であるD
tyvntn-1を通常指令デューティ値Dtyvに入れ
(デューティ値をホールドし)、fvnt2=0(すな
わち開口割合が減少傾向にある)ときは、ステップ12
に進み、最新の演算値であるDty hをDtyvとす
る。
う。この処理については図46のフローより説明する。
図46において、ステップ1で通常指令デューティ値D
tyv、エンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量Qso
l、水温Twを読み込む。
テップ2、3、4、5の内容を一つずつチェックするこ
とにより行い、各項目のすべてが満たされたときにさら
に制御実行までの時間の計測に入る。すなわち、 ステップ2:Qsolが所定値QSOLDIZ#未満
(つまり燃料カット時)である、 ステップ3:Neが所定値NEDIZ#未満(つまり中
回転域)である、 ステップ4:Twが所定値TWDIZ#未満(つまり暖
機完了前)である、 ステップ5:動作確認制御済みフラグfdiz=0であ
る(まだ動作確認制御を行っていない)、 とき、ステップ6で動作確認制御カウンタCtrdiz
をインクリメントする。
と所定値CTRDIZH#、CTRDIZL#を比較す
る。ここで、所定値CTRDIZL#、CTRDIZH
#は動作確認制御カウンタの下限リミット、上限リミッ
トをそれぞれ定めるもので、CTRDIZL#はたとえ
ば2秒程度、CTRDIZH#はたとえば7秒程度の値
である。したがって、動作確認制御カウンタが下限リミ
ットであるCTRDIZL#と一致したタイミングよ
り、動作確認制御カウンタが上限リミットであるCTR
DIZH#未満であるあいだ、ステップ9に進み、動作
確認制御指令デューティ値を設定する。つまり、CTR
DIZH#−CTRDIZL#が動作確認制御実行時間
となる。
いては図47のフローにより説明する。図47において
ステップ1で動作確認制御カウンタCtrdiz、エン
ジン回転速度Neを読み込み、ステップ2においてCt
rdiz−CTRDIZL#(≧0)よりたとえば図4
8を内容とするテーブルを検索することにより制御パタ
ーンDuty puを設定する。これは、短い周期で可
変ノズル53を全閉位置と全開位置とに動かすものであ
る。
らたとえば図49を内容とするテーブルを検索すること
によりデューティ値Duty p neを設定し、この
Duty p neにステップ4において上記の制御パ
ターンDuty puを乗じた値を制御指令デューティ
値Dtyvntとして演算する。図49のように、制御
パターンDuty puに乗じるデューティ値Duty
p neをエンジン回転速度Neに応じた値としてい
る。これは、エンジン回転速度により可変ノズル53の
開閉動作を確認するデューティの指令値が異なることを
想定したものである。たとえば、可変ノズル53は排気
圧に抗して閉じる必要があるが、その排気圧は高回転に
なるほど高くなるので、これに対応してデューティの指
令値を大きくしている。また、さらに高回転側では当制
御による悪影響を受けないようにその値を下げるように
している。
限リミットとしてのCTRDIZL#未満のときは、ス
テップ8よりステップ15に進み、通常指令デューティ
値Dtyvを制御指令デューティ値Dtyvntとす
る。
トとしてのCTRDIZH#以上になると、ステップ7
よりステップ10に進み、前回の動作確認制御カウンタ
であるCtrdizn-1と上限リミットとしてのCTR
DIZH#を比較する。Ctrdizn-1<CTRDI
ZH#であれば、動作確認制御カウンタが上限リミット
としてのCTRDIZH#以上になった直後と判断し、
動作確認制御を終了するため、ステップ11で制御指令
デューティ値Dtyvnt=0とする。これは、動作確
認制御終了時に一度、可変ノズル53を全開にして、通
常制御時の制御精度を確保するためである。ステップ1
2では、動作確認制御済みフラグfdiz=1として、
今回の処理を終了する。このフラグfdiz=1によ
り、次回以降ステップ6以降に進むことができないの
で、エンジンを始動した後に動作確認制御が2度行われ
ることはない。
てのCTRDIZH#以上になった直後でないときは、
ステップ10よりステップ14に進み、次回に備えるた
め動作確認制御カウンタCtrdiz=0とした後、ス
テップ15の処理を実行する。
以上(燃料カット時でない)であるとき、Neが所定値
NEDIZ#以上(高回転域)であるとき、Twが所定
値TWDIZ#以上(暖機完了後)であるときは動作確
認制御を禁止するため、ステップ2、3、4よりステッ
プ13に進み、フラグfdiz=0としたあと、ステッ
プ14、15の処理を実行する。
機駆動用アクチュエータの動作が不安定な場合に動作確
認制御を行わせることで、可変ノズルの動きが滑らかと
なり、ターボ過給機駆動用アクチュエータの動作をより
確実にすることができる。
る。
速の演算に用いる2つのフィードバック補正係数Kqa
c00、Kqac0とEGR流速学習補正係数Kqac
を演算するためのもので、REF信号の入力毎に実行す
る。
c、実吸入空気量Qac、エンジン回転速度Ne、目標
燃料噴射量Qsolを読み込む。ステップ2では、目標
吸入空気量tQacから
KQA#+tQacdn-1×(1−KIN×KVOL×
KQA#) ただし、KIN:体積効率相当値、 KVOL:VE/NC/VM、 VE:排気量、 NC:気筒数、 VM:吸気系容積、 KQA#:定数、 tQacdn-1:前回のQacd、 の式(一次遅れの式)により目標吸入空気量遅れ処理値
tQacdを演算する。これは、吸気系容積分の存在に
伴う空気の供給遅れのために、後述する2つのフィード
バック補正係数Kqac00、Kqac0や学習値Rq
acが大きくならないように遅れ処理を施したものであ
る。
フラグを読み込む。これらの設定については図51、図
52、図53のフローより説明する。
一定時間毎(たとえば10msec毎)に実行する。
bを設定するためのものである。ステップ1でエンジン
回転速度Ne、目標燃料噴射量Qsol、実EGR率M
egrd、水温Twを読み込む。
プ2〜5、8の内容を一つずつチェックすることにより
行い、各項目のすべてが満たされたときにフィードバッ
クを許可し、一つでも反するときはフィードバックを禁
止する。すなわち、 ステップ2:Megrdが所定値MEGRFB#を超え
ている(つまりEGRの作動域)、 ステップ3:Twが所定値TWFBL#(たとえば30
℃程度)を超えている、 ステップ4:Qsolが所定値QSOLFBL#を超え
ている(燃料カットしていない)、 ステップ5:Neが所定値NEFBL#を超えている
(エンストになる回転域でない)、 ステップ8:フィードバック開始カウンタCtrfbが
所定値TMRFB#(たとえば1秒未満の値)を超えて
いる とき、ステップ9でフィードバックを許可するためフィ
ードバック許可フラグfefb=1とし、そうでなけれ
ばステップ10に移行し、フィードバックを禁止するた
めフィードバック許可フラグfefb=0とする。
ップ2〜5の成立時にカウントアップし(ステップ
6)、ステップ2〜5の不成立時にフィードバック開始
カウンタをリセットする(ステップ7)。
2を設定するためのものである。ステップ1でエンジン
回転速度Ne、目標燃料噴射量Qsol、実EGR率M
egrd、水温Twを読み込む。
〜5、8の内容を一つずつチェックすることにより行
い、各項目のすべてが満たされたときに学習値の反映を
許可し、一つでも反するときは学習値の反映を禁止す
る。すなわち、 ステップ2:Megrdが所定値MEGRLN2#を超
えている(つまりEGRの作動域)、 ステップ3:Twが所定値TWLNL2#(たとえば2
0℃程度)を超えている、 ステップ4:Qsolが所定値QSOLLNL2#を超
えている(燃料カットしていない)、 ステップ5:Neが所定値NELNL2#を超えている
(エンストになる回転域でない)、 ステップ8:学習値反映カウンタCtrln2が所定値
TMRLN2#(たとえば0.5秒程度)を超えている とき、ステップ9で学習値の反映を許可するため学習値
反映許可フラグfeln2=1とし、そうでなければス
テップ10に移行し、学習値の反映を禁止するため学習
値反映許可フラグfeln2=0とする。
5の成立時にカウントアップし(ステップ6)、ステッ
プ2〜5の不成立時にリセットする(ステップ7)。
するためのものである。ステップ1でエンジン回転速度
Ne、目標燃料噴射量Qsol、実EGR率Megr
d、水温Twを読み込む。
10の内容を一つずつチェックすることにより行い、各
項目のすべてが満たされたときに学習を許可し、一つで
も反するときは学習を禁止する。すなわち、 ステップ2:Megrdが所定値MEGRLN#を超え
ている(つまりEGRの作動域)、 ステップ3:Twが所定値TWLNL#(たとえば70
〜80℃程度)を超えている、 ステップ4:Qsolが所定値QSOLLNL#を超え
ている(燃料カットしていない)、 ステップ5:Neが所定値NELNL#を超えている
(エンストになる回転域でない)、 ステップ6:フィードバック許可フラグfefb=1で
ある、 ステップ7:学習値反映許可フラグfelrn2=1で
ある、 ステップ10:学習ディレイカウンタCtrlnが所定
値TMRLN#(たとえば4秒程度)を超えている とき、ステップ11で学習を許可するため学習許可フラ
グfeln=1とし、そうでなければステップ12に移
行し、学習を禁止するため学習許可フラグfeln=0
とする。
〜7の成立時にカウントアップし(ステップ8)、ステ
ップ2〜7の不成立時にリセットする(ステップ9)。
3つのフラグのうち、ステップ4でフィードバック許可
フラグfefbをみる。fefb=1のときはステップ
5、6でEGR量のフィードバック補正係数Kqac0
0とEGR流速のフィードバック補正係数Kqac0を
演算する。一方、fefb=0のとき(フィードバック
を禁止するとき)はステップ4よりステップ7、8に進
み、Kqac00=1、Kqac0=1とする。
Kqac00の演算については図54のフローにより、
またEGR流速フィードバック補正係数Kqac0の演
算については図57のフローにより説明する。
ーチン)において、ステップ1で目標吸入空気量遅れ処
理値tQacd、実吸入空気量Qac、エンジン回転速
度Ne、目標燃料噴射量Qsol、水温Twを読み込
む。
ば図55を内容とするマップを検索すること等によりE
GR流量の補正ゲインGkfbを、またステップ3では
補正ゲインの水温補正係数KgfbtwをTwからたと
えば図56を内容とするテーブルを検索すること等によ
りそれぞれ演算し、これらを用いステップ4において
×Gkfb×Kgfbtw+1 の式によりEGR量フィードバック補正係数Kqac0
0を演算する。
c−1)は目標吸入空気量遅れ処理値からの誤差割合で
あり、これに1を加えることで、Kqac00は1を中
心とする値になる。数20式は、目標吸入空気量遅れ処
理値からの誤差割合に比例させてEGR量フィードバッ
ク補正係数Kqac00を演算するものである。
ルーチン)において、ステップ1で目標吸入空気量遅れ
処理値tQacd、実吸入空気量Qac、エンジン回転
速度Ne、目標燃料噴射量Qsol、水温Twを読み込
む。
ば図58を内容とするマップを検索すること等によりE
GR流速の補正ゲインGkfbiを、またステップ3で
は補正ゲインの水温補正係数KgfbitwをTwから
たとえば図59を内容とするテーブルを検索すること等
によりそれぞれ演算し、これらを用いステップ4におい
て
Gkfbi×kGfbitw+Rqac0n-1 ただし、Rqac0n-1:前回のRqac0、 の式により誤差割合Rqac0を更新し、この誤差割合
Rqac0に対してステップ5において1を加えた値を
EGR流速フィードバック補正係数Kqac0として算
出する。
誤差割合(tQacd/Qac−1)の積算値(積分
値)に比例させてEGR流速フィードバック補正係数K
qac0を演算する(積分制御)ものである。
転条件(Ne、Qsol)に応じた値としたのは次の理
由による。同じゲインでも運転条件によりハンチングを
生じたり生じなかったりするので、ハンチングを生じる
領域では補正ゲインを小さくするためである。図56、
図59のように低水温のとき(暖機完了前)に値を小さ
くしているのは、エンジン回転の不安定な低水温域での
エンジンの安定化を図るためである。
正係数Kqac00とEGR流速フィードバック補正係
数Kqac0の演算を終了したら、図50に戻り、ステ
ップ9で学習値反映許可フラグfelrn2をみる。学
習反映許可フラグfelrn2=1のとき(学習値の反
映を許可するとき)は、ステップ10に進み、NeとQ
solよりたとえば図60の学習マップを検索すること
により誤差割合学習値Rqacを読み出し、これに1を
足した値をEGR流速学習補正係数Kqacとして演算
する。一方、学習反映許可フラグfelrn2=0のと
き(学習値の反映を禁止するとき)は、ステップ9より
ステップ12に進み、EGR流速学習補正係数Kqac
=1とする。
felrnをみる。学習許可フラグfelrn=1であ
れば(学習を許可するとき)、ステップ14に進み、E
GR流速フィードバック補正係数Kqac0から1を減
算して誤差割合Rqacnとする。一方、学習許可フラ
グfelrn=0であるとき(学習を禁止するとき)
は、ステップ13よりステップ15に進み、誤差割合R
qacn=0とする。
に基づいてステップ16では誤差割合学習値Rqacの
更新を行う。この学習値の更新については図61のフロ
ーにより説明する。
チン)において、ステップ1で誤差割合Rqacn、エ
ンジン回転速度Ne、目標燃料噴射量Qsolを読み込
む。NeとQsolからステップ2で学習速度Tclr
nをたとえば図62を内容とするマップを検索すること
等により演算する。ステップ3ではNe、Qsolより
上記図60の学習マップから誤差割合学習値Rqacを
読み出す。ステップ4で
acn-1×(1−Tclrn) ただし、Rqacn:更新後の誤差割合学習値、 Rqacn-1:更新前の誤差割合学習値(=学習値読み
出し値)、 の式により加重平均処理を行い、更新後の学習値をステ
ップ5で図60の学習マップにストアする(更新前の値
に対して更新後の値を上書きする)。
ン)はEGR流速Cqeを演算するためのものである。
GR率Megrd、実吸入空気量Qac、EGR流速フ
ィードバック補正係数Kqac0、EGR流速学習補正
係数Kqacを読み込み、ステップ3において
を補正した値を補正実EGR量Qec hとして算出
し、この補正実EGR量Qec hと実EGR率Meg
rdよりステップ8において、たとえば図64を内容と
するマップを検索することにより、EGR流速Cqeを
演算する。なお、説明しなかったステップ4〜7は後述
する。
強く運転条件に応じてEGRのフィードバックの感度が
相違することを示しているため、運転条件に対するフィ
ードバック量の差が小さくなるように、EGR流速フィ
ードバック補正係数Kqac0は、流速マップの検索に
用いる実EGR量Qecへのフィードバックとしてい
る。
なる右端に近い部分は、マップの適合誤差が生じ勝ちな
領域であるため、適合誤差があると、その適合誤差の影
響を受けてEGR弁開口面積Aevが変化してしまう。
つまり、EGR弁開口面積Aevを演算する式であるA
ev=Tqek/CqeにおいてCqeには適合誤差が
生じるのであるから、これに対処するには、目標EGR
量Tqekに対しても流速誤差分の補正を行う必要があ
る。そのため新たに導入したのが上記のEGR量フィー
ドバック補正係数Kqac00で、このKqac00に
より図7のステップ6で目標EGR量Tqekを補正し
ている。
る上記数20式は、目標吸入空気量遅れ処理値からの誤
差割合に比例させてKqac00を演算するので、この
比例制御により図64のEGR流速マップの適合誤差に
対して即座に補正できることになる。たとえば、簡単の
ため数20式において、補正ゲインGkfb=1かつ暖
機完了後で考えると、Kqac00=(tQacd/Q
ac−1)+1となる。この場合に、目標値としてのt
Qacdより実吸入空気量Qacが小さいと、Kqac
00が1より大きな値となり、これによってTqecが
即座に減量される。目標EGR量が即座に減量される
と、相対的に新気量(吸入空気量)が増え、これによっ
て実吸入空気量Qacが目標値としてのtQacdへと
収束する。
EGRの作動開始時の初期値を設定する部分である。具
体的には、ステップ4では補正実EGR量Qec hと
0を比較する。Qec h=0(つまりEGRの非作動
時)であるときは、ステップ5に進み、
様にして、ステップ6では実EGR率Megrdと0を
比較し、Megrd=0のときはステップ7で
るEGR流速は当然のことながらゼロであるが、数24
式、数25式はEGRの作動開始時のことを考えて、流
速の演算に用いるパラメータの初期値を設定する。ME
GRL#の値は前述したようにたとえば0.5である。
さらに述べると、運転条件によってEGRの作動開始時
のEGR弁前後の差圧(したがってEGR流速も)が異
なるため、これに対処するものである。この場合、EG
Rの作動開始時のEGR弁前後の差圧は実吸入空気量Q
acに関係する。そこで、数24式によりQacに比例
してQec hの初期値を与えることで、EGRの作動
開始時のEGR流速の演算精度が向上する。
と、運転条件(Ne、Qsol)に応じて目標吸入空気
量tQacを演算し、第1実施形態ではこの目標吸入空
気量tQacと実EGR量Qecとに基づいて、また第
2実施形態ではこの目標吸入空気量tQacと実EGR
率Megrdとに基づいて過給機の作動目標値である目
標開口割合Rvntを設定するようにしたので、EGR
装置の制御目標値である目標EGR量(Qec0)や目
標EGR率Megrが変化しても、燃費を最適にする目
標吸入空気量が得られることになり、過渡を含めたター
ボ過給機とEGR装置の制御性が向上し、これによって
お互いの性能を十分に発揮させることができる。また、
適合の簡易化、ロジックの簡易化も可能である。
R率Megrがステップ的に変化しても、実EGR量Q
ecや実EGR率Megrdが目標EGR量や目標EG
R率Megrに追いつくまでに遅れがあり(目標EGR
率Megrと実EGR率Megrdについて図65、図
66参照)、目標EGR量や目標EGR率Megrから
のずれ分だけ目標開口割合Rvntに誤差が生じ、燃費
を最適にする目標吸入空気量が得られなくなる可能性が
あるが、目標開口割合Rvntを設定するに際して、第
1実施形態によれば目標EGR量に遅れ処理を施した値
である実EGR量Qecを、また第2実施形態によれば
目標EGR率Megrに遅れ処理を施した値である実E
GR量Megrdを用いるので、過渡時においても、燃
費を最適にする目標吸入空気量が得られるようにターボ
過給機を制御できる。
で、第2実施形態の図27と置き換わるものである。な
お、図27と同一部分には同一のステップ番号をつけて
いる。
ステップ11では設定吸入空気量相当値tQas0と実
EGR率Megrdよりたとえば図28を内容とするマ
ップを検索し、その検索値をここでは目標開口割合基本
値Rvntbとして設定する。
目標燃料噴射量Qsolの積Pseを計算し、この値と
前回の積の値であるPsen-1との差dPseをステッ
プ13において計算し、この差dPseからステップ1
4でたとえば図68を内容とするテーブルを検索するこ
と等により開口割合の補正係数kRvntを演算し、こ
の補正係数kRvntを目標開口割合基本値に乗算した
値をステップ15で目標開口割合Rvntとして演算す
る。
加速時に対応するためのものである。加速時には排気圧
の上昇に遅れて過給圧が立つ(過給圧の立ち上がりが遅
れる分、充填効率が低下する)。つまり、負荷の変化が
大きい加速時には過給圧の立ち上がりより排気圧の上昇
スピードほうが速く、そのぶん充填効率の低下を起こし
やすくなるため、図68のように差dPseが大きくな
るほど補正係数kRvntの値を大きくして、開口割合
が大きくなる側に補正することにより、加速時の過給圧
の立ち上がり遅れに伴う充填効率の低下を回避してい
る。
で、第2実施形態の図27と置き換わるものである。な
お、図27と同一部分には同一のステップ番号をつけて
いる。
ステップ21では設定吸入空気量相当値tQas0と実
EGR率Megrdよりたとえば図28を内容とするマ
ップを検索し、その検索値をここでは暖機完了後の目標
開口割合基本値Rvnthとして設定する。ステップ2
2では同じくtQas0とMegrdよりよりたとえば
図70を内容とするマップを検索することにより、低水
温時(暖機完了前)の目標開口割合基本値Rvntlを
設定する。
71を内容とするテーブルを検索すること等により補間
割合kRvnthを演算し、この補間割合kRvnth
を用いて、2つの値Rvnth、Rvntlを、
Rvnth+Rvntl の式により補間計算し、その結果を目標開口割合Rvn
tとして演算する。
に対し、図70の特性は排気重視の特性とするため、
「大」とある位置の数値は40程度の値である。なお、
「小」とある位置の数値は燃費重視の特性と変わらず2
0程度である。
温時の排気重視の特性から暖機完了後の燃費重視の特性
までの間を補間計算でつなぐことで、暖機途中に燃費と
排気の両立をはかることができる。
合のマップ特性を前提とし、加速時にも配慮したもので
あったが、目標開口割合のマップ特性そのものを図72
に示したように加速性重視の特性とすることもできる。
の3つの特性のいずれを採用するかについては、図73
によりまとめて説明すると、同図はエンジン回転速度と
エンジントルクが一定の条件のもとで、EGR率を大と
小で相違させた場合に、燃費、排気(NOxとPM)、
吸入空気量がどのように変化するかを示したものであ
る。同図より、エンジン回転速度とエンジントルクが同
一でも、燃費が最良となる可変ノズルの開口面積、排気
が最良となる可変ノズルの開口面積、吸入空気量が最大
となる(つまり加速性が最良となる)可変ノズルの開口
面積はそれぞれ異なることがわかる。したがって、燃費
重視の特性を作成するには、エンジン回転速度とエンジ
ントルクを相違させて、燃費が最良となる開口面積のデ
ータを多数求め、これらデータを改めて、tQas0と
Megrdをパラメータとするマップに割り付ければよ
いわけである。
で、この実施形態は上記の第1実施形態と目標開口割合
Rvntの演算方法が異なる。この演算方法を図75の
フローチャートにより詳述する。
R率Megrを読み込み、これとゼロをステップ2にお
いて比較する。Megr≠0であるとき(EGRの作動
域であるとき)は、ステップ3に進み、エンジン回転速
度Ne、目標燃料噴射量Qsol、目標吸入空気量(1
シリンダ当たり)tQac[mg/st]、目標EGR
量(1シリンダ当たり)Tqec[mg/st]を読み
込み、このうちエンジン回転速度Neと目標燃料噴射量
Qsolからこれらが属する小区分の回転速度域(RN
1〜RN3)、噴射量域(RQ1〜RQ3)を判定す
る。
図76に示すと、回転速度域は、最低回転速度をNe
1、最高回転速度をNe4としてRN1、RN2、RN
3の3つに、同様にして噴射量域も最小噴射量をQso
l1、最大噴射量をQsol4としてRQ1、RQ2、
RQ3の3つに区分けしている。したがって、運転条件
(Ne、Qsol)の属する領域は合計で9個に分かれ
る。例を挙げると、回転速度がNe1とNe2の間にあ
れば回転速度域はRN1であると、また噴射量がQso
l1とQsol2の間にあれば噴射量域はRQ1である
と判定する。
ol1の位置)毎に目標開口割合のマップを設定し、図
示のように合計16個のマップをM11〜M44で区別
している。16個の各マップの特性は、図77に並べて
示したように、目標吸入空気量tQacと目標吸入EG
R量Tqecをパラメータとして予め設定するものであ
る。
ol)の属する領域の周囲4つの格子点位置のマップを
検索し、その検索した値を、順に変数DY1、DY2、
DY3、DY4に入れ、これら4つの値を用いて、いわ
ゆる面補間計算を行い、得られた結果(Rvnt3)を
ステップ8で目標開口割合Rvntに入れる。
に述べると、運転条件が9個の各領域にある場合のステ
ップ6における各操作は次の通りである。
21、M12、M22の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
31、M22、M32の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
41、M32、M42の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
22、M13、M23の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
32、M23、M33の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
42、M33、M43の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
23、M14、M24の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
33、M24、M34の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
43、M34、M44の各マップを検索して求め、求め
た順にDY1、DY2、DY3、DY4に入れる。
変数(DY1、DY2、DY3、DY4)を用いて線型
近似の式、すなわち
噴射量Qsolがいずれの噴射域(RQ1〜RQ3)に
あるかにより自動的に定まる値(Qsolの属する噴射
域がRQ1であるときQ1=Qf1、Q2=Qf2、Q
solの属する噴射域がRQ2であるときQ1=Qf
2、Q2=Qf3、Qsolの属する噴射域がRQ3で
あるときQ1=Qf3、Q2=Qf4)である。
示すように4個であるが、この回転速度方向のマップ数
は、図78に示すタービン効率の特性に合わせたもので
ある。本実施形態で考えている排気タービンは比較的大
容量のものであるため、排気流量[kg/s]を増やし
ていくと、なだらかな勾配でタービン効率が上昇し、や
がてピークを迎えた後に低下する特性である。こうした
特性のタービン効率を直線近似により補間してやるに
は、図示の4つの位置(黒丸で示す)を格子点位置とし
てやればよい。すなわち、図78において横軸の排気流
量はエンジン回転速度に置き換えることができるので、
図78に示した特性に対しては、最低限必要となる2つ
のマップ(最低回転速度Ne1に対するマップと最高回
転速度Ne4に対するマップ)のほかに2つのマップを
足してやればよい。
れるものでない。たとえば図79に示したように低排気
流量域から立ち上がり、高効率である幅が広いもの(高
効率バンドが広いタイプ)やこの逆に図80のように高
効率である幅が狭いもの(高効率バンドが狭いタイプ)
などがあり、図79のタイプに対しては合計で5つのマ
ップ数と、また図80のタイプに対しては合計で3つの
マップ数としてやればよい。
最小噴射量に対するマップと最大噴射量に対するマップ
の2つが最低の数であり、本実施形態ではさらに図76
に示すように、2つのマップを加えている。負荷方向の
マップ数を2以上とするのは、エンジン負荷によっても
可変ノズル53の開口割合を変えたい要求に応じるもの
である。
ン負荷が同一でもEGR率によって燃費率が最低となる
開口割合が変化することを、また図82はエンジン負荷
によっても燃費率が最低となる開口割合が変化すること
を示している。たとえば、図81において、エンジン回
転速度が2000rpm、エンジン負荷としてのエンジ
ントルクが60N・m、EGR率が30%の条件でも、
開口割合を0%(可変ノズルが全開状態)とするよりも
開口割合を10%程度にすることで、開口割合が0%の
ときと比較して約10%も燃費率がよくなっている。こ
れを参考にして図82をみると、エンジン負荷が大きく
なっても最良燃費率を維持させるには、エンジントルク
(エンジン負荷)が30N・m→60N・m→90N・
mと大きくなるのに対応して開口割合を10%→25%
→50%と大きくしてやればよいことがわかる。このよ
うに、エンジン負荷によっても開口割合を変えたい要求
があり、本実施形態では、エンジン負荷によっても開口
割合を変えることで、最良燃費点をトレースさせること
ができる。
部に目標開口割合が固定値であるマップ(M11〜M1
4、M21〜M23、M31、M32)があるのは、図
83に示す特性より得られるものである。
ズルの開口割合を0%、25%、50%、75%、10
0%と変化させたときのシリンダ吸入空気量(1シリン
ダ当たりの吸入空気量)Qac[mg/st]と1シリ
ンダ当たりの吸入EGR量Qec0[mg/st]の関
係を代表的な4つの運転条件で比較したもので、同図に
よれば5つの特性線がばらけている高回転高負荷の条件
では開口割合の変化に応じてQacが増減する(運転条
件により感度が変わる)のに対して、5つの特性線がほ
ぼ一直線上に集まっている低回転低負荷の条件では開口
割合を変化させてもQacがほとんど変化しない。これ
より、高回転高負荷の条件では目標開口割合を可変値で
設定する必要があるのに対して、低回転低負荷の条件で
は目標開口割合は一定値でかまわないことがわかる。な
お、同図において特性が右肩下がりになるのは非過給状
態(可変ノズルが全開状態)で考えるとよくわかる。と
いうのも、シリンダに流入するガス量QcylはQac
とQec0の和であり、非過給状態で運転条件(Neと
Qsol)が定まればQcylは一定であるから、Qa
cを増せばQec0が減り、この逆にQacを減らせば
Qec0が増すことになるからである。
のマップ特性とを対応づけると、次のようになる。
4のマップ特性に対応する。
2のマップ特性に対応する。
4のマップ特性に対応する。
1〜M14、M21〜M23、M31、M32、M41
のマップ特性に対応する。残りの3つのマップ(M3
4、M33、M43)の特性は間を埋めるものである。
Rの非作動域であるとき)は、ステップ2よりステップ
9に進んで目標燃料噴射量Qsol、目標吸入空気量t
Qacを読み込み、このうちtQacからステップ10
において
を行って、目標吸入空気量tQa[kg/s]を演算す
る。
る目標吸入空気量tQaとQsolから図84を内容と
するマップを検索することによりEGR非作動域での目
標開口割合Rvnt4を演算し、これをステップ12に
おいて目標開口割合Rvntに入れる。
を演算するに際してのパラメータを、1シリンダ当たり
の値であるtQacでなく単位時間当たりの値であるt
Qaとしたのは、次の理由からである。tQacを用い
る場合は、エンジン回転速度Neをも考慮して目標開口
割合を演算する必要があるためパラメータがNe、tQ
ac、Qsolの3つになり、3つのパラメータで目標
開口割合の特性を記述することは困難であるからであ
る。これに対して、tQaにはエンジン回転速度の違い
を含むためこの場合のパラメータは2つでよく、したが
って目標開口割合の特性を記述することが可能となる。
これによるメリットには、制御量の連続性に優れること
と構成が簡単になることとがある。
をもパラメータとして目標開口割合を演算するので、前
記第1実施形態と相違して、エンジン負荷に応じて可変
ノズルの開口割合を変えたいという要求(たとえばエン
ジン負荷に応じても最良燃費点が変化する場合に(図8
2参照)、最良燃費点をトレースさせたいという要求)
に応じることができる。
合を変化させたいという要求がなければ、前記第1実施
形態で十分対応が可能である。前記第1実施形態では図
25に示したように、負荷のパラメータを直接用いて目
標開口割合を演算するものでないので、第5実施形態と
比較すると、図82であれば3本のうちの1本の特性を
選択しているのが前記第1実施形態であるといえる。し
たがって、たとえばエンジントルク(エンジン負荷)が
30N・mのものを選択している場合に(エンジン回転
速度は2000rpm一定とする)、EGR率が30%
の状態から負荷が増加してエンジントルクが60N・m
となり、これに合わせてEGR率が20%へと減少した
ときを考えると、第1実施形態によれば、EGR率の減
少分に対しては実EGR率Qecが変化するためこれに
応じて目標開口割合が変化するものの、負荷増加分に対
して直接に目標開口割合を変化させることはできない。
この点を補うため、第1実施形態ではエンジン負荷とし
てのQsolを目標吸入空気量tQac、実EGR量Q
ecにそれぞれ反映させた値(tQas0、Qes0)
をパラメータとして目標開口割合のマップを検索させて
いる(図25、図26参照)。これに対して第5実施形
態によれば、負荷変化分に直接に対応して目標開口割合
を変化させることができ、この場合、約25.0%の目
標開口割合となる。
Qacと目標開口割合のマップが一対一の対応関係にあ
るため目標吸入空気量tQacを変更するときに開口割
合のマップの値も同時に変更する必要があるのに対し
て、第5実施形態ではその必要がない(図77のマップ
をそのまま使うことができる)。
で、第5実施形態の図75と置き換わるものである。な
お、図75と同一部分に同一のステップ番号をつけてい
る。
と、ステップ21、22では目標吸入空気量tQacか
ら、
×KQA2#+tQacd2n-1×(1−KIN×KV
OL×KQA2#) ただし、KIN:体積効率相当値、 KVOL:VE/NC/VM、 VE:排気量、 NC:気筒数、 VM:吸気系容積、 KQA2#:定数、 tQacd2n-1:前回のQacd、 の式(一次遅れの式)により目標吸入空気量遅れ処理値
tQacd2を、また目標EGR量Tqecから、
KQE#+Tqecdn-1×(1−KIN×KVOL×
KQE#) ただし、KIN:体積効率相当値、 KVOL:VE/NC/VM、 VE:排気量、 NC:気筒数、 VM:吸気系容積、 KQE#:定数、 Tqecdn-1:前回のTqecd、 の式(一次遅れの式)により目標EGR量遅れ処理値T
qecdを演算する。これらは、吸気系容積分の存在に
伴う空気の供給遅れに合わせたものである。
でない場合(図86に示すM24、M33、M34、M
42、M43、M44のマップの場合)には、これら遅
れ処理値tQacd2、Tqecdを用いてマップを検
索する。
られる目標開口面積Rvnt3(EGRの非EGR域で
はRvnt4)を基本目標開口面積Rvnt0とし(ス
テップ23、24)、このRvnt0の値からステップ
25において、
ntn-1×(1−TCVNT#) ただし、TCVNT#:定数、 Rvntn-1:前回のRvnt、 の式(一次遅れの式)により目標開口面積Rvntを演
算する。これは、可変ノズルの負圧アクチュエータ54
の応答遅れを考慮するものである。したがって、負圧ア
クチュエータ54の応答遅れの時定数に合わせて数31
式の定数TCVNT#を設定する。
エータ54の応答よりも高周波側の目標値の変化を除外
することができる(開口割合が変化しても吸入空気量が
変化しない領域での可変ノズルのバタツキを解消でき
る)。
平均処理は、吸気管容積があることに伴う空気の供給遅
れや可変ノズルの負圧アクチュエータ54の応答遅れが
ある場合に有効であるが、実験してみると、吸気管容積
が大きく吸入新気量の計測の遅れが大きい場合や負圧ア
クチュエータ54の応答が遅い場合よりも、吸気管容積
が小さく吸入新気量の計測の遅れが少ない場合や負圧ア
クチュエータ54の応答がよい場合のほうがかえって精
度の高い制御が可能となっている。
ようにエンジン回転速度Neと目標燃料噴射量Qsol
とで運転域を分けているが、タービン効率の特性はもと
もと横軸が排気流量[kg/s]なので、排気流量と目
標燃料噴射量Qsolとで運転域を分けるようにしても
かまわない。このほうがタービン効率の特性をよくトレ
ースでき、マップ数も減らせる。ただし、マッチングの
容易さからいくと、エンジン回転速度のほうに軍配が上
がる。
るようにマップ値を設定する場合で説明したが、第1〜
第4の実施形態で説明したように、排気組成や加速性が
最適となるように設定することもできる。
気量tQacを演算し、この値とEGR装置の制御実際
値である実EGR量Qecや実EGR率Megrdとに
基づいて過給機の作動目標値である目標開口割合Rvn
tを設定する場合で説明したが、目標吸入空気量tQa
cに代えて目標過給圧を用いてもかまわない。
じて過給圧が変化するターボ過給機で説明したが、これ
に限られるものでなく、以下のものにも適用がある。
プのターボ過給機、 ウェストゲートバルブを備える一定容量のターボ過給
機、 スーパーチャージャ、 たとえば、のターボ過給圧に対しては当該過給機の流
量可変手段の開口割合や開口面積あるいは当該過給機駆
動用のアクチュエータに与える制御割合や作動割合を、
のターボ過給機に対してはウェストゲートバルブの開
口割合や開口面積を、のスーパーチャージャに対して
は当該スーパーチャージャ駆動用のアクチュエータに与
える制御割合や作動割合を過給機の作動目標値として用
いればよい。
焼となる、いわゆる低温予混合燃焼を行わせる場合で説
明したが、予混合燃焼の後に拡散燃焼が付加される、通
常のディーゼル燃焼の場合でも、本発明を適用できるこ
とはいうまでもない。
チャート。
ーチャート。
特性図。
ャート。
ローチャート。
ート。
量の特性図。
チャート。
デューティ値の演算を説明するためのフローチャート。
デューティ値の演算を説明するためのフローチャート。
ャート。
するためのフローチャート。
ーチャート。
プ特性図。
性図。
ャート。
るためのフローチャート。
るためのフローチャート。
を説明するためのフローチャート。
明するためのフローチャート。
ト。
ためのフローチャート。
ためのフローチャート。
性図。
性図。
性図。
性図。
性図。
変換するときのヒステリシス図。
ト。
するためのフローチャート。
性図。
と学習補正係数の演算を説明するためのフローチャー
ト。
ためのフローチャート。
のフローチャート。
ーチャート。
明するためのフローチャート。
説明するためのフローチャート。
ト。
ャート。
るためのフローチャート。
るためのフローチャート。
入空気量の特性図。
図。
るためのフローチャート。
めの領域図。
特性図。
特性図。
表す特性図。
係を表す特性図。
気量Qacとシリンダ吸入EGR量Qec0の関係を代
表的な4つの運転条件で比較した特性図。
図。
るためのフローチャート。
Claims (20)
- 【請求項1】過給機とEGR装置とを備え、 前記EGR装置の制御目標値を運転条件に応じて演算す
る手段と、 このEGR装置の制御目標値となるように前記EGR装
置を制御する手段と、 運転条件に応じた目標吸入空気量または目標過給圧を演
算する手段と、 この目標吸入空気量または目標過給圧と前記EGR装置
の制御目標値とに基づいて前記過給機の作動目標値を設
定する手段と、 この過給機の作動目標値となるように前記過給機を制御
する手段とを設けたことを特徴とするディーゼルエンジ
ンの制御装置。 - 【請求項2】前記過給機の作動目標値を設定する際に、
前記EGR装置の制御目標値に代えて、その制御目標値
に遅れ処理を施した値を用いることを特徴とする請求項
1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項3】前記過給機の作動目標値は過給機の開口面
積または開口面積相当値の目標値であることを特徴とす
る請求項1または2に記載のディーゼルエンジンの制御
装置。 - 【請求項4】前記開口面積相当値は開口割合であること
を特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの制
御装置。 - 【請求項5】前記過給機の開口面積または開口面積相当
値の目標値を燃費が最適となるように設定することを特
徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの制御装
置。 - 【請求項6】前記過給機の開口面積または開口面積相当
値の目標値を排気組成が最適となるように設定すること
を特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの制
御装置。 - 【請求項7】前記過給機の開口面積または開口面積相当
値の目標値を加速性が最適となるように設定することを
特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの制御
装置。 - 【請求項8】エンジンの回転速度と燃料噴射量の積が増
加する場合にその所定時間当たり増加量に応じて前記過
給機の開口面積または開口面積相当値の目標値を過給圧
が大きくなる側に補正することを特徴とする請求項5ま
たは6に記載のディーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項9】前記過給機の開口面積または開口面積相当
値の目標値を排気組成が最適となるように設定する第1
の手段と、前記過給機の開口面積または開口面積相当値
の目標値を燃費が最適となるように設定する第2の手段
とを備え、エンジンの暖機完了前に前記第1の手段を、
暖機完了後になると前記第2の手段を選択することを特
徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの制御装
置。 - 【請求項10】前記過給機の開口面積または開口面積相
当値の目標値を燃費が最適となるように設定する第1の
手段と、前記過給機の開口面積または開口面積相当値の
目標値を排気組成が最適となるように設定する第2の手
段と、冷却水温を検出する手段とを備え、この冷却水温
により、前記第1の手段により設定される開口面積また
は開口面積相当値の目標値と、前記第2の手段により設
定される開口面積または開口面積相当値の目標値とを補
間計算した値を、前記過給機の開口面積または開口面積
相当値の目標値として設定することを特徴とする請求項
3に記載のディーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項11】前記EGR装置の制御目標値は目標EG
R率であることを特徴とする請求項1に記載のディーゼ
ルエンジンの制御装置。 - 【請求項12】前記EGR装置の制御目標値は目標EG
R量であることを特徴とする請求項1に記載のディーゼ
ルエンジンの制御装置。 - 【請求項13】過給機61とEGR装置とを備え、 前記EGR装置の1シリンダ当たり制御目標値を運転条
件に応じて演算する手段と、 このEGR装置の1シリンダ当たり制御目標値となるよ
うに前記EGR装置を制御する手段と、 運転条件に応じた1シリンダ当たり目標吸入空気量を演
算する手段と、 この1シリンダ当たり目標吸入空気量と前記EGR装置
の1シリンダ当たり制御目標値とエンジン回転速度とエ
ンジン負荷の4つのパラメータに基づいて前記過給機の
作動目標値を設定する手段と、 この過給機の作動目標値となるように前記過給機を制御
する手段とを設けたことを特徴とするディーゼルエンジ
ンの制御装置。 - 【請求項14】前記作動目標値設定手段は、エンジン回
転速度とエンジン負荷をパラメータとして運転条件の属
する領域を予め複数に区分けする手段と、前記領域を区
分けする格子点位置の運転条件毎に前記1シリンダ当た
り目標吸入空気量と前記EGR装置の1シリンダ当たり
制御目標値とに応じた前記過給機の作動目標値を予め設
定するマップと、現在の運転条件が前記区分けした小領
域のいずれに属するかを判定する手段と、この判定した
領域の4隅の格子点位置のマップを、現在の1シリンダ
当たり目標吸入空気量と前記EGR装置の現在の1シリ
ンダ当たり制御目標値とから検索し、その検索した4つ
の値を用いた補間計算により前記過給機の現在の運転条
件に対応する作動目標値を演算する手段とからなること
を特徴とする請求項13に記載のディーゼルエンジンの
制御装置。 - 【請求項15】前記マップ値を燃費が最適となるように
設定することを特徴とする請求項14に記載のディーゼ
ルエンジンの制御装置。 - 【請求項16】前記過給機の作動値を変化させても吸入
空気量がほとんど変化しない領域に属する前記マップの
値を固定値とすることを特徴とする請求項14に記載の
ディーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項17】前記エンジン回転速度に代えて排気流量
を用いることを特徴とする請求項14から16までのい
ずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項18】前記マップを検索する際に、現在の1シ
リンダ当たり目標吸入空気量と前記EGR装置の現在の
1シリンダ当たり制御目標値に代えて、それらにそれぞ
れ遅れ処理を施した値を用いることを特徴とする請求項
14から16までのいずれか一つに記載のディーゼルエ
ンジンの制御装置。 - 【請求項19】前記過給機の作動目標値は過給機の開口
割合または開口面積相当値の目標値であることを特徴と
する請求項13から18までのいずれか一つに記載のデ
ィーゼルエンジンの制御装置。 - 【請求項20】前記EGR装置の1シリンダ当たり制御
目標値は1シリンダ当たりの目標EGR量であることを
特徴とする請求項13に記載のディーゼルエンジンの制
御装置。
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-
1999
- 1999-11-25 JP JP33417099A patent/JP3879343B2/ja not_active Expired - Fee Related
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