JP2001123453A - 急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法 - Google Patents

急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法

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JP2001123453A
JP2001123453A JP30170399A JP30170399A JP2001123453A JP 2001123453 A JP2001123453 A JP 2001123453A JP 30170399 A JP30170399 A JP 30170399A JP 30170399 A JP30170399 A JP 30170399A JP 2001123453 A JP2001123453 A JP 2001123453A
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Koji Kurihara
光二 栗原
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植樹の作業性がよく、植物の選定自由度も高
く、コスト低減も図れる。 【解決手段】 ボルト7の植込みが可能な地山1を有す
る急傾斜地の斜面2を削って壁体パネル3を立設するた
めの平坦部4を等高線に沿って形成すると共にボルト孔
5を穿設するための立上り部6を成する。壁体パネル3
の背面上部に樹木の生育に好適な土壌8を裏込して壁体
パネル3の頂部に水平の植樹帯9を段々に形成し、各段
の植樹帯9に壁体パネル3を覆うような植物10を植え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、斜面に壁体パネ
ルを立設して階段状の植樹帯を形成する急傾斜地の崩壊
防止及び緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、公共事業等によって山が切り取ら
れると天然の表土が剥ぎ取られ、その表面は斜面防災の
ためにモルタルやコンクリートの吹付け工あるいは法枠
等で覆われることが多かった。これは防災至上主義から
はやむを得ない措置と受け取られているが、このような
工法は時間の経過と共に劣化し、防災機能が低下するた
め、その監視やメンテナンスに費用と労力を要すことに
なり、斜面の長期的安定を考えた時には極めて消極的な
措置と言わざるを得ず、長期的視点からは得策とは言え
なかった。又、景観を著しく損なうと同時に自然生態系
を死滅させる結果となっており、景観や地球環境保全と
いった観点からも大きな問題となっていた。
【0003】又、従来の斜面安定の考え方は、重力の作
用によって斜面の傾斜方向へずり落ちようとする土砂を
降雨から守り、そして雨水の地盤内への浸入を防ぐこと
が重要であり、そのためには斜面をコンクリートやモル
タル等で覆うのが望ましいとするものであった。しか
し、このような斜面に落ちた雨水をいち早く下流へ流し
てしまおうというやり方は、下流側の増水を招くと同時
に、モルタル面等の下の地盤が内部に回った水の作用に
よってどのように変化しているかを監視することが困難
であった。
【0004】ところで地球上の多くの山岳地帯に存在す
る自然斜面の安定は樹木を主体とする植生によって図ら
れているといってよく、これは成長した樹木等の根が土
砂の中に縦横に入り込み土粒子間を結束する働きをする
こと、そして樹木等の葉や枝が降雨の落下エネルギーを
吸収し、地盤への衝撃を緩和してくれるからである。即
ち地球規模の時間尺度で斜面が安定してきた事実を踏ま
えると、植生による方法が最も長期性を有し、かつ経済
性にも優れていると位置付けることができる。
【0005】しかし斜面に天然の表土が失われた場合、
その植生を回復するにはそれを育てる肥沃な土が必要に
なる。又この肥沃な土は雨水等に対して長期に安定した
ものでなくてはならない。樹木の成長に必要な肥沃土を
安定確保するには、斜面上に平らな地盤を形成するのが
最も効果的で、このためには高低差を稼ぐ垂直状の壁が
必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、急傾斜
地においては十字状の法止めブロックの格子内部を植樹
帯にする工法が採用されている程度で斜面上に平らな地
盤を形成して崩落防止及び緑化を図る工法は実現されて
いなかった。又、法止めブロックでは植樹帯が斜面とな
っていたため、植込み作業が不便であったのに加え、格
子面積を大きくすると植樹帯が部分的に崩壊する恐れも
あったので実際には法止めブロックを多数敷設しなけれ
ばならず、植樹面積の減少と大幅なコスト上昇を招いて
いた。
【0007】この発明は、上記のような従来の急傾斜地
の崩壊防止及び緑化方法が有する問題点を解消すべくな
されたものであり、樹木の根によって高まった保水力を
発揮して斜面に降った雨を地盤内に蓄えることができ、
下流への雨水の流出を調整して、その地域全体の雨水流
出速度を緩和することが可能で、雨に対する防災機能を
元の自然斜面と同等に回復することができ、しかも植樹
の作業性がよく、植物の選定自由度も高く、コスト低減
も図れる急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明の急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法は、急
傾斜地の斜面に壁体立設用の平坦部を形成し、この平坦
部に壁体パネルを略垂直に載置すると共に地山に固定し
たアンカー体を壁体パネルに略直交して接続し、この壁
体パネルの背面上部に樹木の生育に好適な土壌を裏込し
て壁体パネル頂部に植樹帯を形成し、樹木の成長により
地盤の強化を図ることを特徴とするものである。
【0009】平らな地盤を形成するには垂直に設置され
る壁体パネル、即ち受圧板が必要となるが、この時受圧
板の役割としては専ら平らな地盤の造成を目的とする場
合と、斜面や切土法面の安定を主目的とする場合とがあ
る。前者と後者では受圧板に作用する圧力の大きさが異
なることから受圧板の強度及び地山への反力をとる手法
等が異なり、アンカー体としては、前者の場合は主にボ
ルトが採用され、後者の場合は予想される地滑りや土砂
崩壊等に対抗し得るグラウンドアンカー(以下アンカー
という)とそれに見合って強化された受圧板が採用され
る。
【0010】アンカーやボルトは地山のせん断力や摩擦
力等を利用した直接反力によって支えられる構造で、受
圧板とほぼ直交するこれらアンカー体を水平方向に用い
ることで、土圧や水圧等への反力となる強力な引張力
を、しかも極めて有効な位置に発生させることができる
ので効率的となりアンカー体を細く短くすることができ
る。
【0011】又受圧板はブロック積みや重力式擁壁のよ
うに自重による転倒抑止力で土圧に対抗する構造とは異
なり、重量物である必要がないので高い経済性が得られ
ると共に地震の影響も受けにくい。このように水平なア
ンカー体を用いることで高い防災機能と経済性を発揮す
る。
【0012】ここで形成する平らな地盤は宅地や農地で
なく、公共事業等によって造成される斜面や自然斜面を
対象として樹木等の植生を育成し、自然生態系を再生す
るためのスペースとして位置付けている。斜面上の平ら
な地盤が植生の成長を促進し、その結果として地盤その
ものは樹木の根によって補強され、更に降雨の影響力か
らの保護を受けるという、互いに好影響を与え合う関係
を作り上げる。樹木は自らの成長と風等気象に対する安
定のために根を伸ばすため、地盤と一体となってその形
状を固定するので、垂直壁の役割は時間経過と共に少し
ずつ軽減されていく。
【0013】対象となる急傾斜地は自然斜面あるいは山
を削って形成される新規及び既設の切土斜面で、壁体パ
ネルの背面上部の裏込め土としては傾斜地に表土が存在
する場合はこれを活用し、必要な場合には客土を行って
階段状の植林空間を創造する。
【0014】次に請求項2記載の急傾斜地の崩壊防止及
び緑化方法は、ボルトの植込みが可能な地山であって、
前記斜面にボルト孔を穿設するための立上り部を形成
し、地山に固定したボルトを壁体パネルに接続すること
を特徴とするものである。ボルトの場合は大規模な防災
を対象とせずに樹林化の実現を主眼に階段状法面造成を
目指すものであり、極めて経済的となる。
【0015】又請求項3記載の急傾斜地の崩壊防止及び
緑化方法では、コンクリート等により崩壊防止対策がな
された斜面に階段状の植樹帯を形成することを特徴とし
ている。即ちコンクリート吹付けやコンクリート製格子
枠が存在する斜面に壁体パネルを立設して裏込を行い、
元の地山との一体化を図って植生基盤を形成し緑化修正
するものである。
【0016】又請求項4記載の急傾斜地の崩壊防止及び
緑化方法では、壁体パネル背面に止着する取付金具と、
地山内に固定するアンカーバーと、これらの取付金具及
びアンカーバーを自在継手状に接続する連結金具を備え
るボルトを用いることを特徴としている。
【0017】取付金具は、壁体パネルに定着する棒状部
材の中心に雌ねじを螺刻してその先端が壁体表面に露出
する埋込部材を用い、アンカーバーは、パネル側端部に
雄ねじを螺刻する。連結金具の形状としては、例えば後
端に拡張部を形成して先端を前記棒状部材に螺合する接
続ボルトと、内面に凸部を形成して前記拡張部を自在継
手状に掛止すると共に凸部の擁壁側を椀状に拡幅する第
一筒体と、前記アンカーバーに螺着するナットと、この
ナットを収納して一端を第一筒体に螺着し他端内面に雌
ねじを螺刻する第二筒体と、この第二筒体の雌ねじに螺
着し内面に凸部を形成して前記ナットを自在継手状に掛
止すると共に凸部のアンカー体側を椀状に拡幅する環状
部材を備える。
【0018】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を添付
図面に基づき詳細に説明する。図1は急傾斜地に立設す
る壁体パネルの断面図である。この工法が適用される地
山1はボルトの植込みが可能な地質であって安定してい
る斜面である。このような急傾斜地の斜面2を削って壁
体パネル3を立設するための平坦部4を等高線に沿って
形成すると共にボルト孔5を穿設するための立上り部6
を適宜形成する。
【0019】平坦部4に壁体パネル3を載置する一方、
地山1に固定したボルト7を壁体パネル3に接続し、こ
の壁体パネル3の背面上部に樹木の生育に好適な土壌8
を裏込して壁体パネル3の頂部に水平もしくは緩勾配の
植樹帯9を段々に形成し、各段の植樹帯9には壁体パネ
ル3を覆うような植物10が植えられる。樹木は自らの
成長と安定のために根を伸ばすが、地盤はこれによって
内側から緊結度が増し、強化される。樹木の成長によっ
て地盤は強化され、その結果壁体パネル3の役割は時間
の経過と共に軽減されていく。
【0020】壁体パネル3は2メートル程度の高さのプ
レキャストコンクリート製平板であって平坦部4に直置
きしながら左右に連設し、不等沈下による面方向の回転
等に対しては、延長方向の重ね合わせにより対処して壁
体パネル3同士の干渉を防ぐ。これにより曲折して設置
することが可能となる。従って壁体パネル3を載置する
ための基礎は設けない。
【0021】壁体パネル3の背面上部に裏込めする樹木
の生育に好適な土壌8としては、傾斜地に表土が存在す
る場合はこれを活用し、必要な場合には客土を行って階
段状の植林空間を創造する。なお背面下部の裏込土11
としては排水及び集水機能を備える現地発生の土石を裏
込する。
【0022】このような壁体パネル3は各段毎に形成し
ていく。例えば図1において上方から切土を行う場合に
は先ず最上段の壁体パネル3を据付けた後、下段の斜面
2を削り、この掘削した土砂を表土とそれ以外の土石と
に分割して仮置きする。形成された下段の平坦部4を利
用して立上り部6にボルト孔5を穿設し、ボルト7を地
山1に打ち込んでグラウト等により固定する。
【0023】下段の壁体パネル3を揚重機器等で吊り上
げながら平坦部4に設置するとともにボルト7で接続
し、続いて仮置きした土石を背面下部の裏込土11とし
て投入転圧する。更に表土もしくは客土を背面上部に裏
込めして新たな植樹帯9を形成する。上記手順により順
次下方に切り下げながら斜面2を削って得られた土砂の
無駄を極力なくすと共に、作業足場を確保して安全を図
る。
【0024】このように等高線に沿った2メートル程度
の直壁により階段状の植林空間を創造する急傾斜地の崩
壊防止及び緑化方法では、平面投影上、元の地形と同じ
土壌面積が確保できると共にこの平らな地盤が元の表土
に戻れば自然の生態系を回復することが可能である。又
傾斜面に沿って対策を行う場合に比べて、受圧板が占め
るコンクリート面積が7割程度に減少する。又施工中に
緩傾斜面が作業通路として確保され、作業が安全かつ迅
速にでき、一段毎に対策を完了していくので施工中に災
害を受ける可能性が少ない。
【0025】又この急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法で
は、表土の活用が可能であるため土工量を最小にでき
る。又直壁の各段に土砂だまりを設けることもでき、雨
水の流出速度を緩和し、同時に地山の保水力を高めるこ
とができる。
【0026】なお以上説明した急傾斜地の崩壊防止及び
緑化方法は、上方から新設する切土の場合であるが、自
然斜面を対象としたり、既にコンクリート等で崩壊防止
対策がなされた斜面にも適用することができる。即ちコ
ンクリート吹付けやコンクリート製格子枠が存在する斜
面にも同様な手法で壁体パネルを立設して裏込を行い緑
化修正することができる。既設のコンクリート法面を再
施工して樹林化する場合や自然斜面に対しては下方から
仕上げ、施工中水平面は足場として使用することが可能
である。又雪崩防止や落石対策としても有効かつ効果的
である。
【0027】又斜面を形成する地盤によっては表面の崩
壊のみならず、表面から深いところに滑り面を有する地
形の場合もある。このような場合、地滑り抑止の合理化
を図るのにアンカーをより水平に用いた時に、斜面上に
同様な構成にて平らな地盤が生ずるが、この平らな地盤
は上記と同様に植生による強化と自然生態系の回復に利
用することができる。
【0028】次に、壁体パネル3とボルト7の接続部分
の詳細を図2および図3に基づき説明する。図2は図1
の部分拡大図、図3はボルト接続部の拡大縦断面図であ
る。ボルト7は壁体パネル3の背面に止着する取付金具
12と、地山1内に固定するアンカーバー13と、これ
らの取付金具12及びアンカーバー13を自在継手状に
接続する連結金具14を備える。
【0029】取付金具12は、矩形又は円形に形成する
埋込板12aと、その中心に突設する棒状部材12bを
有し、棒状部材12bの中心には雌ねじ12cを螺刻す
る。アンカーバー13は壁体パネル3側の端部に雄ねじ
13aを螺刻して、側面を球面状に形成するナット13
bを螺合する。
【0030】連結金具14は、接続ボルト15と、これ
を遊嵌する第一筒体16と、アンカーバー13及びナッ
ト13bを遊嵌する第二筒体17よりなり、両筒体を螺
着することで取付金具12とアンカーバー13を連結す
る。接続ボルト15は、側面が球面状の拡張部15aを
後端に形成し、先端を壁体パネル3表面に露出する棒状
部材12bに螺合する。第一筒体16は内面の一端に凸
部16aを周設し、その奥部に球状内周面16b、その
外方に円錐状内周面16cを形成する。この凸部16a
は拡張部15aを外方から包持して接続ボルト15を自
在継手状に掛止する。又第一筒体16の内面他端には雌
ねじ16dを螺刻し、第二筒体17の雄ねじ17aを螺
着する。
【0031】第二筒体17の終端内面には雌ねじ17b
を螺刻し、環状部材18を螺合する。環状部材18は内
面に凸部18aを周設し、その奥部に球状内周面18
b、その外方に円錐状内周面18cを形成する。この凸
部18aはナット13bを外方から包持してこれを自在
継手状に掛止する。
【0032】接続ボルト15の拡張部15aとアンカー
バー13のナット13aは夫々凸部16a,18aに対
して自在継手状に掛止する。従って所定範囲内であれば
接続ボルト15及びアンカーバー13が、あらゆる方向
に傾いていても第一筒体16と第二筒体17を螺着する
ことができる。このためボルト7の設置が容易になり、
壁体パネル3の立設精度も向上する。又揚重機器によっ
て壁体パネル3を吊り下げながら即座にボルト7をセッ
トでき、背面下部の裏込土11を投入転圧した段階で壁
体パネル3は立設・安定するので、転倒防止の治具や足
場は不要となる。アンカーバー13は壁体パネル3との
相対関係でずれや回転を起こすことになるが、連結金具
14内で自由回転するので緩衝効果を得ることができ
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の急傾斜
地の崩壊防止及び緑化方法は、壁体パネルを略垂直に載
置すると共に地山に固定したアンカー体を壁体パネルに
略直交して接続するので、アンカー体の設置角度が水平
化されて効率的となり、アンカー体を細く短くすること
ができる。又壁体パネルは重量物である必要がなく、ア
ンカー体を極めて有効な位置に設置でき高い経済性が得
られると共に地震の影響も受けにくくなる。
【0034】壁体パネル頂部の水平な地盤に植樹帯を形
成するので、植樹の作業性がよくなり、植物の根付きも
良好となり、大きい植物、根の張る植物等を植え込むこ
とが可能となって植物の選定自由度が高くなる。又樹木
等の成長が促進され、その結果として地盤そのものは樹
木の根によって補強され、更に降雨の影響力からの保護
を受けるという、互いに好影響を与え合う関係を作り上
げる。又1段毎に水平面の上で作業ができるので安全性
が確保されると共に作業性が向上し、コストの低減が図
れる。
【0035】請求項2記載の急傾斜地の崩壊防止及び緑
化方法ではアンカー体をボルトとするので極めて経済的
となる。この場合は地滑り等の防災を主体とせずに地盤
の安定と樹林化の実現を主眼に階段状法面造成を目指す
ものである。
【0036】又請求項3記載の急傾斜地の崩壊防止及び
緑化方法では、コンクリートにより崩壊防止対策がなさ
れた斜面に階段状の植樹帯を形成するので、コンクリー
ト吹付けやコンクリート製格子枠が存在する斜面の緑化
修正が行える。
【0037】又請求項4記載の急傾斜地の崩壊防止及び
緑化方法では、壁体パネル背面に止着する取付金具と地
山内に固定するアンカーバーを連結金具で自在継手状に
接続するのでボルトの設置が容易になり、壁体パネルの
立設精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】急傾斜地に立設する壁体パネルの断面図であ
る。
【図2】急傾斜地に立設する壁体パネルの拡大断面図で
ある。
【図3】ボルト接続部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 地山 2 斜面 3 壁体パネル 4 平坦部 5 ボルト孔 6 立上り部 7 ボルト 8 樹木の生育に好適な土壌 9 植樹帯 10 植物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月10日(2000.11.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明の急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法は、急
傾斜地の斜面に壁体立設用の平坦部とボルト孔を穿設す
るための立上り部を形成し、この平坦部に壁体パネルを
略垂直に載置すると共に地山に固定したアンカー体を壁
体パネルに略直交して接続し、この壁体パネルの裏面よ
り前記立上り部に至る樹木の根付き及び生育が可能な容
積を確保してなる埋め戻し空間に樹木の生育に好適な土
壌を裏込して壁体パネル頂部に植樹帯を形成し、樹木の
成長により地盤の強化を図ることを特徴とするものであ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】対象となる急傾斜地は自然斜面あるいは山
を削って形成される新規及び既設の切土斜面で、壁体パ
ネルの背面上部の裏込め土としては傾斜地に表土が存在
する場合はこれを活用し、必要な場合には客土を行って
階段状の植林空間を創造する。壁体パネルの背面上部に
形成する埋め戻し空間は、樹木が根付き更に樹木の成長
により地盤の強化を図ることができるような容積が必要
である。このためボルト孔穿設用の立上り部を形成する
ことにより埋め戻し空間の最大化を図り、これに樹木の
生育に好適な土壌を埋め戻すことによって天然の表土に
近い植生基盤条件を構築するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を添付
図面に基づき詳細に説明する。図1は急傾斜地に立設す
る壁体パネルの断面図である。この工法が適用される地
山1はボルトの植込みが可能な地質であって安定してい
る斜面である。このような急傾斜地の斜面2を削って壁
体パネル3を立設するための平坦部4を等高線に沿って
形成すると共にボルト孔5を穿設するための立上り部6
を適宜形成する。立上り部6は樹木の根付き及び成長が
確実に図れるように、図1に示す如く地山斜面2の勾配
よりも急勾配で形成して必要な容積を確保する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】壁体パネル3の背面上部に裏込めする樹木
の生育に好適な土壌8としては、傾斜地に表土が存在す
る場合はこれを活用し、必要な場合には客土を行って階
段状の植林空間を創造する。なお背面下部の裏込土11
としては排水及び集水機能を備える現地発生の土石を裏
込する。又図1及び図2に示すように土壌8の厚さは2
メートルの壁体パネル3の約半分である1m程度を確保
する。これは天然表土の厚さに近づけるためで、この深
さまでは樹木生長用のスペースを確保するべく立上り部
6は壁体パネル3より原則的に十分離隔して形成する一
方、それより深い部分はボルト7の施工に必要な平坦部
4を確保すれば足りるので壁体パネル3に近づけて形成
し、できるだけ地山掘削量及び現地発生材による埋め戻
し土量を減らす。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】又壁体パネル裏面よりボルト孔穿設用立上
り部に至る埋め戻し空間として樹木の根付き及び生育が
可能な容積を確保しており、かつ壁体パネル頂部の水平
な地盤に植樹帯を形成するので、植樹の作業性がよくな
り、植物の根付きも良好となり、大きい植物、根の張る
植物等を植え込むことが可能となって植物の選定自由度
が高くなる。又樹木等の成長が促進され、その結果とし
て地盤そのものは樹木の根によって補強され、更に降雨
の影響力からの保護を受けるという、互いに好影響を与
え合う関係を作り上げる。又1段毎に水平面の上で作業
ができるので安全性が確保されると共に作業性が向上
し、コストの低減が図れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 急傾斜地の斜面に壁体立設用の平坦部を
    形成し、この平坦部に壁体パネルを略垂直に載置すると
    共に地山に固定したアンカー体を壁体パネルに略直交し
    て接続し、この壁体パネルの背面上部に樹木の生育に好
    適な土壌を裏込して壁体パネル頂部に植樹帯を形成し、
    樹木の成長により地盤の強化を図ることを特徴とする急
    傾斜地の崩壊防止及び緑化方法。
  2. 【請求項2】 前記急傾斜地はボルトの植込みが可能な
    地山であって、前記斜面にボルト孔を穿設するための立
    上り部を形成し、地山に固定したボルトを壁体パネルに
    接続することを特徴とする請求項1記載の急傾斜地の崩
    壊防止及び緑化方法。
  3. 【請求項3】 前記急傾斜地は、コンクリートにより崩
    壊防止対策がなされた斜面であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の急傾斜地の崩壊防止及び緑化方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ボルトは、壁体パネル背面に止着す
    る取付金具と、地山内に固定するアンカーバーと、これ
    らの取付金具及びアンカーバーを自在継手状に接続する
    連結金具を備えることを特徴とする請求項2又は請求項
    3記載の急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法。
JP30170399A 1999-10-22 1999-10-22 急傾斜地の崩壊防止及び緑化方法 Pending JP2001123453A (ja)

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