JP2001116974A - レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性を向上させ、破損等を防止すること
が可能なレンズ鏡筒及びカメラを提供する。 【解決手段】 撮影レンズを収納する第１の鏡枠５１
と、自己の内側において、第１の鏡枠が撮影レンズの光
軸方向に移動可能なように、第１の鏡枠と係合するよう
設けられた第２の鏡枠５２と、第１の鏡枠の前面及び外
周面の少なくとも一部をそれぞれ覆うように構成され、
第１の鏡枠に対し光軸方向に移動可能なように設けられ
た鏡枠保護部材５３と、鏡枠保護部材と接触する面を有
する緩衝部材５４と、緩衝部材を外側方向に移動させる
ためのガイド手段５１ａ、５３ａとを具備し、緩衝部材
は、鏡枠保護部材に外力が加わると、鏡枠保護部材によ
り押圧され、ガイド手段により外側方向へ移動して第２
の鏡枠の内周面に当接するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ鏡筒及びカ
メラに関する。

【０００２】

【従来の技術】電子カメラ等のカメラでは、振動対策等
のためにレンズ鏡筒に緩衝部材を設けたものがある（例
えば、特開平９−８０５４４号公報等）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐衝撃
性という観点から見た場合、従来のレンズ鏡筒は必ずし
も満足できるものとは言えず、強い衝撃が加わったとき
にレンズ鏡筒が破損する等の問題があった。

【０００４】本発明は、このような従来の課題に対して
なされたものであり、耐衝撃性を向上させ、レンズ鏡筒
の破損等を防止することが可能なレンズ鏡筒及びカメラ
を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るレンズ鏡筒
は、撮影レンズを収納する第１の鏡枠と、自己の内側に
おいて、上記第１の鏡枠が上記撮影レンズの光軸方向に
移動可能なように、上記第１の鏡枠と係合するよう設け
られた第２の鏡枠と、上記第１の鏡枠の前面及び外周面
の少なくとも一部をそれぞれ覆うように構成され、上記
第１の鏡枠に対し上記光軸方向に移動可能なように設け
られた鏡枠保護部材と、上記鏡枠保護部材と接触する面
を有する緩衝部材と、上記緩衝部材を外側方向に移動さ
せるためのガイド手段とを具備し、上記緩衝部材は、上
記鏡枠保護部材に外力が加わると、上記鏡枠保護部材に
より押圧され、上記ガイド手段により外側方向へ移動し
て上記第２の鏡枠の内周面に当接するように構成された
ことを特徴とする。

【０００６】上記発明の好ましい態様は、以下の通りで
ある。

【０００７】（１）上記ガイド手段は、上記鏡枠保護部
材の上記緩衝部材との接触部分に設けられた傾斜面を有
するガイド部と、上記緩衝部材の上記光軸方向への移動
を制限すべく、上記第１の鏡枠に設けられたストッパ部
とからなり、上記緩衝部材は、上記鏡枠保護部材に外力
が加わると、上記鏡枠保護部材により押圧され、上記ス
トッパ部により上記光軸方向への移動が制限された後、
上記傾斜面に沿って外側方向へ移動して上記第２の鏡枠
の内周面に当接するように構成されている。

【０００８】（２）上記ガイド手段は、上記第１の鏡枠
の上記緩衝部材との接触部分に設けられた傾斜面を有す
るガイド部からなり、上記緩衝部材は、上記鏡枠保護部
材に外力が加わると、上記鏡枠保護部材により押圧さ
れ、上記ガイド部の傾斜面に沿って外側方向へ移動して
上記第２の鏡枠の内周面に当接するように構成されてい
る。

【０００９】（３）上記第２の鏡枠の内周面には凹部が
設けられるとともに、上記鏡枠保護部材には所定位置に
おいて自己の突出する方向への移動を制限するためのス
トッパ部が設けられ、上記緩衝部材は、上記第１の鏡枠
が突出する方向に移動されると、上記第１の鏡枠の移動
に伴って上記鏡枠保護部材とともに移動し、所定位置に
おいて上記鏡枠保護部材のストッパ部により上記突出方
向への移動が制限された後、上記第１の鏡枠に押圧され
て上記傾斜面に沿って外側方向に移動して上記第２の鏡
枠の凹部に当接し、上記凹部により上記光軸方向におい
て係止されるように構成されている。

【００１０】（４）上記第１の鏡枠の前面と上記鏡枠保
護部材との間に弾性部材が設けられ、上記鏡枠保護部材
は、上記弾性部材の変形により上記第１の鏡枠に対し上
記光軸方向に移動可能になされている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。

【００１２】（カメラ構成例）図１は、本発明に係るレ
ンズ鏡筒を備えたカメラの一例として、電子カメラの構
成例を示したブロック図である。

【００１３】撮像部の基本的な構成は、通常の電子カメ
ラと同様であり、レンズ部１１、ＣＣＤ等の光電変換素
子からなる撮像素子１２、撮像回路１３及びＡ／Ｄ変換
回路１４から構成されている。すなわち、レンズ部１１
によって結像された被写体像を撮像素子１２によって光
電変換し、光電変換された画像信号を撮像回路１３を介
してＡ／Ｄ変換回路１４に入力することにより、デジタ
ル変換された画像信号が得られるように構成されてい
る。レンズ部１１には、後述するレンズ鏡筒が含まれて
いる。

【００１４】システムコントローラ（シスコン）１５
は、電子カメラの各部を制御するものであり、ホワイト
バランス処理やマトリックス演算等を行う画像処理機能
や、画像データの圧縮や伸長を行う圧縮伸長機能を有し
ている。

【００１５】バッファメモリ１６は、撮像部によって得
られた画像データ等を一時的に記憶するものである。ま
た、このバッファメモリ１６は、画像処理や圧縮伸長処
理等の作業領域としても用いられる。

【００１６】メモリインターフェース１７は、カードス
ロット１８に挿入された着脱メモリ（メモリカード）１
９との間で情報の送受を行うためのインターフェースで
あり、このメモリインターフェース１７を介して、着脱
メモリ１９への画像情報の書き込みや、着脱メモリ１９
からの画像情報の読み出しが行われる。

【００１７】ビデオメモリ２０は表示用データを保持す
るものであり、この表示用データに基づき、ビデオ変換
回路２１からの信号により画像表示ＬＣＤ２２に画像が
表示される。また、ビデオ変換回路２１からの出力信号
は、ビデオアウト端子２３を介して外部機器に送出でき
るようになっている。

【００１８】外部インターフェース２４は、外部入出力
端子２５を介して外部機器との間で通信を行うためのイ
ンターフェースであり、この外部インターフェース２４
により、パーソナルコンピュータ等の外部機器との間で
画像情報等の各種情報の送受を行うことができる。

【００１９】操作部２６は、電子カメラに各種の指示を
与えるものであり、レリーズスイッチや各種モードを選
択するモード選択スイッチ等を備えている。

【００２０】モード表示ＬＣＤ２７は、各種モードの表
示を行うものであり、ストロボ発光部２８は、ストロボ
撮影を行う際にストロボを発光させるものである。

【００２１】電源部２９は、電子カメラの各部へ電力を
供給するものであり、この電源部２９には電池３０が接
続されるようになっている。また、電源部２９には外部
電源端子３１を介して外部電源を接続できるようになっ
ている。

【００２２】（レンズ鏡筒の第１の構成例）図２は、図
１に示したレンズ部１１に設けられたレンズ鏡筒の第１
の構成例について、その主要部の断面構成を模式的に示
した図である。図２（ａ）はレンズ鏡筒に外力が加わら
ない定常状態を、図２（ｂ）は外力が加わったときの状
態を示している。

【００２３】第１の鏡枠５１は、撮影レンズを収納する
ものであり、撮影レンズの光軸を中心軸とした円筒形の
基本形状を有している。第１の鏡枠５１の外側には、第
１の鏡枠５１と同一の中心軸を有する第２の鏡枠５２が
設けられている。この第２の鏡枠５２は、第１の鏡枠５
１が光軸方向に移動可能なように、第１の鏡枠５１と係
合するようになっている。鏡枠保護部材５３は、第１の
鏡枠５１の前面及び外周面の少なくとも一部をそれぞれ
覆うように構成され、第１の鏡枠５１に対し光軸方向に
移動可能なように構成されている。

【００２４】緩衝部材５４は、鏡枠保護部材５３のガイ
ド部５３ａの傾斜面に接触する部分が傾斜面となってお
り、鏡枠保護部材５３に外力が加わったときに、外側の
方向に移動して第２の鏡枠５２の内周面に当接し、衝撃
を吸収するようになっている。また、緩衝部材５４の光
軸方向への移動は、第１の鏡枠５１に設けられたストッ
パ部５１ａによって制限されるようになっている。

【００２５】第１の鏡枠５１の前面と鏡枠保護部材５３
との間にはバネ等からなる弾性部材５５が設けられてお
り、鏡枠保護部材５３に外力が加わったときに、弾性部
材５５が変形して衝撃を抑制するようになっている。

【００２６】次に、図１に示したレンズ鏡筒の動作を説
明する。

【００２７】外力が加わらない定常状態では、図２
（ａ）に示すように、緩衝部材５４と第２の鏡枠５２と
の間、緩衝部材５４と第１の鏡枠５１のストッパ部５１
ａとの間は僅かに離間して保たれている。

【００２８】例えばカメラを落下させた場合等、レンズ
鏡筒の鏡枠保護部材５３に矢印で示した方向に外力が加
わると、図２（ｂ）に示すように、緩衝部材５４は鏡枠
保護部材５３によって押圧される。緩衝部材５４は、第
１の鏡枠５１のストッパ部５１ａによって光軸方向への
移動が制限された後、傾斜面に沿って外側方向へ僅かに
移動して第２の鏡枠５２の内周面に押し当てられる。こ
れにより、外力による衝撃を吸収することができ、レン
ズ鏡筒の破損等を防止することが可能となる。また、こ
のとき弾性部材５５が変形することによっても衝撃が抑
制され、より耐衝撃性を高めることが可能となる。

【００２９】（レンズ鏡筒の第２の構成例）図３（ａ）
は、図１に示したレンズ部１１に設けられたレンズ鏡筒
の第２の構成例について、その主要部の断面構成を模式
的に示した図である。なお、図１に示した構成要素に対
応する構成要素については、図１と同一の番号を付して
いる。

【００３０】第１の鏡枠５１、第２の鏡枠５２及び鏡枠
保護部材５３の基本的な構成や相互の位置関係について
は、図２に示した例とほぼ同様であり、これらに関して
は特徴的な部分について説明する。

【００３１】本例では、第１の鏡枠５１は、緩衝部材５
４との接触部分が傾斜面となっているガイド部５１ｂを
備えている。また、緩衝部材５４は、鏡枠保護部材５３
のガイド部５１ｂの傾斜面との接触部分が傾斜面となっ
ている。このような構成により、鏡枠保護部材５３に外
力が加わると、緩衝部材５４がガイド部５１ｂの傾斜面
に沿って外側の方向に移動して第２の鏡枠５４の内周面
に当接し、衝撃を吸収できるようになっている。

【００３２】また、第２の鏡枠５２の内周面には凹部５
２ａが、鏡枠保護部材５３にはストッパ部５３ｂが設け
られており、鏡枠保護部材５３等の突出する方向への移
動を制限するようになっている。

【００３３】次に、図３に示したレンズ鏡筒の動作を説
明する。

【００３４】外力が加わらない定常状態（ここでは図示
していない）では、緩衝部材５４と第２の鏡枠５２との
間は僅かに離間して保たれている。

【００３５】レンズ鏡筒の鏡枠保護部材５３に矢印で示
した方向に外力が加わると、緩衝部材５４は鏡枠保護部
材５３によって押圧される。緩衝部材５４は、傾斜面に
沿って外側方向へ僅かに移動し、第２の鏡枠５２の内周
面に押し当てられる。これにより、外力による衝撃を吸
収することができ、レンズ鏡筒の破損等を防止すること
が可能となる。また、弾性部材５５が変形することによ
っても衝撃が抑制され、より耐衝撃性を高めることが可
能となる。

【００３６】図３（ｂ）は、第１の鏡枠５１が突出方向
に移動した場合の状態を拡大して示している。

【００３７】第１の鏡枠５１が突出する方向に移動する
と、緩衝部材５４も第１の鏡枠５１の移動に伴って鏡枠
保護部材５３とともに移動する。所定位置まで移動する
と、第２の鏡枠５２に設けた凹部５２ａ及び鏡枠保護部
材５３に設けたストッパ部５３ｂの作用により、緩衝部
材５４等の突出方向への移動が制限された後、緩衝部材
５４は、第１の鏡枠５１に押圧され、傾斜面に沿って外
側方向に移動して第２の鏡枠５２の凹部５２ａに当接す
る。

【００３８】このように、第２の鏡枠５２に設けた凹部
５２ａ、鏡枠保護部材５３に設けたストッパ部５３ｂ及
び緩衝部材５４の作用により、緩衝部材５４を光軸方向
において確実に係止することができる。

【００３９】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明は上記実施形態に限定されるものではない。例え
ば、上記実施形態では二つの鏡枠（第１及び第２の鏡
枠）を設けた構成について説明したが、三つ以上の鏡枠
を設け、それぞれの鏡枠間に上記実施形態で示したよう
な緩衝部材を設けるようにしてもよい。

【００４０】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内において種々変形して実施することが可能である。

【００４１】

【発明の効果】本発明によれば、レンズ鏡筒に外力が加
わったとき、緩衝部材が外側方向へ移動して第２の鏡枠
の内周面に当接することにより、外力による衝撃を吸収
することができ、レンズ鏡筒の破損等を防止することが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るレンズ鏡筒を備えたカメラの一例
として、電子カメラの構成例を示したブロック図。

【図２】本発明に係るレンズ鏡筒の第１の構成例につい
て、その主要部の構成を模式的に示した図。

【図３】本発明に係るレンズ鏡筒の第２の構成例につい
て、その主要部の構成を模式的に示した図。

【符号の説明】

１１…レンズ部 ５１…第１の鏡枠 ５１ａ…ストッパ部 ５１ｂ…ガイド部 ５２…第２の鏡枠 ５２ａ…凹部 ５３…鏡枠保護部材 ５３ａ…ガイド部 ５３ｂ…ストッパ部 ５４…緩衝部材 ５５…弾性部材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】撮影レンズを収納する第１の鏡枠と、 自己の内側において、上記第１の鏡枠が上記撮影レンズ
   の光軸方向に移動可能なように、上記第１の鏡枠と係合
   するよう設けられた第２の鏡枠と、 上記第１の鏡枠の前面及び外周面の少なくとも一部をそ
   れぞれ覆うように構成され、上記第１の鏡枠に対し上記
   光軸方向に移動可能なように設けられた鏡枠保護部材
   と、 上記鏡枠保護部材と接触する面を有する緩衝部材と、 上記緩衝部材を外側方向に移動させるためのガイド手段
   とを具備し、 上記緩衝部材は、上記鏡枠保護部材に外力が加わると、
   上記鏡枠保護部材により押圧され、上記ガイド手段によ
   り外側方向へ移動して上記第２の鏡枠の内周面に当接す
   るように構成されたことを特徴とするレンズ鏡筒。
2. 【請求項２】上記ガイド手段は、上記鏡枠保護部材の上
   記緩衝部材との接触部分に設けられた傾斜面を有するガ
   イド部と、上記緩衝部材の上記光軸方向への移動を制限
   すべく、上記第１の鏡枠に設けられたストッパ部とから
   なり、 上記緩衝部材は、上記鏡枠保護部材に外力が加わると、
   上記鏡枠保護部材により押圧され、上記ストッパ部によ
   り上記光軸方向への移動が制限された後、上記傾斜面に
   沿って外側方向へ移動して上記第２の鏡枠の内周面に当
   接するように構成されたことを特徴とする請求項１に記
   載のレンズ鏡筒。
3. 【請求項３】上記ガイド手段は、上記第１の鏡枠の上記
   緩衝部材との接触部分に設けられた傾斜面を有するガイ
   ド部からなり、 上記緩衝部材は、上記鏡枠保護部材に外力が加わると、
   上記鏡枠保護部材により押圧され、上記ガイド部の傾斜
   面に沿って外側方向へ移動して上記第２の鏡枠の内周面
   に当接するように構成されたことを特徴とする請求項１
   に記載のレンズ鏡筒。
4. 【請求項４】上記第２の鏡枠の内周面には凹部が設けら
   れるとともに、上記鏡枠保護部材には所定位置において
   自己の突出する方向への移動を制限するためのストッパ
   部が設けられ、 上記緩衝部材は、上記第１の鏡枠が突出する方向に移動
   されると、上記第１の鏡枠の移動に伴って上記鏡枠保護
   部材とともに移動し、所定位置において上記鏡枠保護部
   材のストッパ部により上記突出方向への移動が制限され
   た後、上記第１の鏡枠に押圧されて上記傾斜面に沿って
   外側方向に移動して上記第２の鏡枠の凹部に当接し、上
   記凹部により上記光軸方向において係止されるように構
   成されたことを特徴とする請求項３に記載のレンズ鏡
   筒。
5. 【請求項５】上記第１の鏡枠の前面と上記鏡枠保護部材
   との間に弾性部材が設けられ、 上記鏡枠保護部材は、上記弾性部材の変形により上記第
   １の鏡枠に対し上記光軸方向に移動可能になされている
   ことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のレン
   ズ鏡筒。
6. 【請求項６】請求項１〜５のいずれかに記載のレンズ鏡
   筒を備えたことを特徴とするカメラ。