JP2001115266A - プラズマプロセス装置 - Google Patents

プラズマプロセス装置

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JP2001115266A
JP2001115266A JP29660799A JP29660799A JP2001115266A JP 2001115266 A JP2001115266 A JP 2001115266A JP 29660799 A JP29660799 A JP 29660799A JP 29660799 A JP29660799 A JP 29660799A JP 2001115266 A JP2001115266 A JP 2001115266A
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JP
Japan
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reaction gas
plasma
shower plate
gas supply
chamber
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JP29660799A
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English (en)
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Takamitsu Tadera
孝光 田寺
Masaki Hirayama
昌樹 平山
Tadahiro Omi
忠弘 大見
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応ガス導入孔からシャワープレートに形成
されたそれぞれのガス供給孔までのコンダクタンスを容
易に変更することが可能なプラズマプロセス装置を提供
する。 【解決手段】 プラズマを用いた処理を行なう処理室1
6と、処理室16に面して配置され、処理室16内でプ
ラズマ状態にされる反応ガスを処理室16に供給するた
めの第1および第2のガス導入孔18a〜18fを有す
るシャワープレート5aと、第1のガス導入孔18a〜
18cと接続され、第1のガス導入孔18a〜18cに
反応ガスを供給する第1の反応ガス供給路15aと、第
2のガス導入孔18d〜18fと接続され、第2のガス
導入孔18d〜18fに反応ガスを供給する第2の反応
ガス供給路15bとを備える、プラズマプロセス装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマプロセ
ス装置に関し、より特定的には、半導体装置や液晶表示
装置の製造工程に用いることが可能なプラズマプロセス
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置や液晶表示装置を製造
するために、プラズマを用いて成膜、エッチング、アッ
シングなどを行なうプラズマプロセス装置が知られてい
る。図7は、従来のプラズマプロセス装置の1つである
CVD(Chemical Vapor Deposition)装置の断面模式
図である。図7を参照して、CVD装置を説明する。
【0003】図7を参照して、CVD装置は、チャンバ
本体102とチャンバ蓋101と誘電体からなるシャワ
ープレート105と基板ホルダ107とを備える。チャ
ンバ本体102上には、絶縁フランジ125を介してチ
ャンバ蓋101が設置されている。絶縁フランジ125
の所定の位置にはOリング109が配置されている。こ
のようにして、チャンバ本体102とチャンバ蓋101
とによって囲まれた処理室は大気から隔離される。チャ
ンバ蓋101の下面には、シャワープレート105がシ
ャワープレート保持部材106によって固定されてい
る。シャワープレート105の所定の位置には、複数の
ガス導入孔118が形成されている。シャワープレート
105の上には、バッファ室126が形成されている。
チャンバ蓋101には、このバッファ室126に接続す
るように反応ガス導入口113が形成されている。シャ
ワープレート105下に位置する処理室の内部には、基
板108を保持するための基板ホルダ107が設置され
ている。
【0004】次に、このCVD装置の動作を説明する。
処理室の内部は予め真空ポンプ(図示せず)などを用い
てほぼ真空に近い状態に保持されている。反応ガス導入
口113からバッファ室126へと反応ガスが供給され
る。バッファ室126に供給された反応ガスはシャワー
プレート105のガス導入孔118から処理室の内部へ
と供給される。このとき、反応ガスがこのバッファ室1
26に一旦蓄積されるため、反応ガスの圧力をシャワー
プレートの全面に対してほぼ均一とすることができる。
このため、複数のガス導入孔118を通過する反応ガス
の圧力をほぼ等しくできるので、それぞれのガス導入孔
118からほぼ等しい流量の反応ガスが処理室の内部へ
と導入される。
【0005】基板ホルダ107はチャンバ本体102と
ともに接地されている。そして、チャンバ蓋101には
図示していないがRF電源が接続されている。このRF
電源より高周波電力をチャンバ蓋101とシャワープレ
ート105とに印加することにより、シャワープレート
105と基板ホルダ107上に保持されている基板10
8との間において反応ガスのプラズマが形成される。こ
のプラズマを用いて基板108の表面に所定の薄膜を堆
積させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、処理室内で上
記プラズマを発生させるためにマイクロ波を用いる場合
には、チャンバ蓋101に導波管を接続する必要があ
る。さらに、処理室の内部にこの導波管から伝送された
マイクロ波を導入するための構造をチャンバ蓋101に
形成する必要がある。このような導波管などの構造を形
成する場合、バッファ室126の容量を十分に確保する
ことが困難となる。
【0007】このようにバッファ室126の容量が十分
確保できない場合には、反応ガスの圧力をシャワープレ
ートの全面に対してほぼ均一とすることが困難になる場
合がある。つまり、反応ガス導入口113の直下に位置
するガス導入孔118と、反応ガス導入口113から離
れてシャワープレート105の端部に位置するガス導入
孔118とで、流入する反応ガスの圧力が異なる場合が
ある。これは、反応ガス導入口113からシャワープレ
ート105のそれぞれのガス導入孔118までのコンダ
クタンスが、ガス導入孔118の場所によってそれぞれ
異なる状態となっていることを意味する。このようにガ
ス導入孔118のそれぞれについてコンダクタンスが異
なる場合、ガス導入孔118を介して処理室の内部へと
導入される反応ガスの導入量がガス導入孔118の位置
により変化する(不均一になる)ことになる。このよう
に反応ガスの処理室への導入量が不均一となる場合、基
板108とシャワープレート105との間に形成される
プラズマもその密度や量などが不均一となる。この結
果、基板108の表面上に均一な膜質を有するCVD膜
を形成することが困難になる。このような不均一なCV
D膜は、基板108上に形成される半導体装置などの動
作不良の原因となり、結果的に製造される半導体装置の
歩留りの低下の原因となる。
【0008】上述のようにガス導入孔118のそれぞれ
についてコンダクタンスが異なるという状態を改善する
ため、シャワープレート105のガス導入孔118の配
置、あるいはガス導入孔118の断面形状などをそれぞ
れのガス導入孔118ごとに調節することによって、ガ
ス導入孔118のそれぞれのコンダクタンスを変更する
ことが考えられる。このようにすれば、それぞれのガス
導入孔118から処理室へ導入される反応ガスの流量を
均一化することが可能となる。しかし、このようにガス
導入孔118の配置、さらには断面形状を切削加工など
により変更することによってコンダクタンスを調整する
場合、この切削加工などでは数十μm程度以下という非
常に高い加工精度が求められる。一方、シャワープレー
ト105は誘電体からなり、アルミナなどのセラミック
スによって形成されている。そして、これらのセラミッ
クスの加工において上記のような高い加工精度を実現し
ようとする場合、加工自体が大変難しいため加工に要す
る時間が大変長くなり、加工に要する費用が非常に高く
なる。この結果、シャワープレート105の製造コスト
が大幅に上昇することになる。
【0009】また、処理室の内部における基板ホルダ1
07などの配置や、真空ポンプの設置場所などによっ
て、処理室の内部における反応ガスの流れ方が変化す
る。そして、このような反応ガスの流れ方が変化するこ
とによって、基板108の中央部と基板108の外周部
とにおける反応ガスの密度などが変化する場合があっ
た。このような場合、やはりプラズマの密度などが不均
一になる。
【0010】この場合、基板108の中央部と外周部と
にそれぞれ対向するガス導入孔118のコンダクタンス
を微調整する必要がある。このようなコンダクタンスの
微調整を行なうために、上述のようにシャワープレート
105を直接加工してガス導入孔118の断面積などを
変更する場合、その加工にはやはり高精度が要求される
ので、さらにシャワープレート105の加工に要する費
用がかさむことになる。そのため、反応ガスの処理室へ
の供給量を微調整することにより均一なプラズマを容易
に得ることは実質的に困難であった。
【0011】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の1つの目的は、
反応ガス導入口からシャワープレートに形成されたそれ
ぞれのガス導入孔までのコンダクタンスを容易にかつ低
コストで変更することが可能であり、均一なプラズマを
発生させ、基板などの表面に対して均一なプラズマ処理
を行なうことが可能なプラズマプロセス装置を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の一の局面にお
けるプラズマプロセス装置は、処理室と、シャワープレ
ートと、第1および第2の反応ガス供給路とを備える。
処理室ではプラズマを用いた処理を行なう。シャワープ
レートは、処理室に面して配置され、処理室内でプラズ
マ状態にされる反応ガスを処理室に供給するための第1
および第2のガス導入孔を有する。第1の反応ガス供給
路は第1のガス導入孔と接続され、第1のガス導入孔に
反応ガスを供給する。第2の反応ガス供給路は、第2の
ガス導入孔と接続され、第2のガス導入孔に反応ガスを
供給する(第1の発明)。
【0013】このように、第1および第2のガス導入孔
に対応してそれぞれ第1および第2の反応ガス供給路が
形成されているので、この反応ガス供給路の幅、長さ、
屈曲部の形状、屈曲部の数などのうちの少なくとも1つ
を変更することにより、第1および第2の反応ガス供給
路においてそれぞれのコンダクタンスを変更することが
できる。このため、第1および第2のガス導入孔におけ
る反応ガスの流量をそれぞれ独立して変更することがで
きる。そのため、処理室内部の基板ホルダなどの部材の
配置状況などに応じて第1および第2のガス導入孔から
処理室の内部へと供給される反応ガスの流量を容易に調
整できる。その結果、処理室の内部において反応ガスを
均一な状態とすることが可能となる。このような均一な
反応ガスによって均一なプラズマを発生させることがで
きるので、この均一なプラズマによって基板表面におけ
る成膜あるいはエッチングといったプラズマプロセスを
基板の全面に対して均一な条件で行なうことが可能とな
る。
【0014】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、シャワープレートが処理室に面する下面よびそ
の下面と反対側に位置する上面を有し、さらに、シャワ
ープレートの上面との間に反応ガスを供給する空間を形
成するように配置された反応ガス供給路形成部材を備え
ることが好ましい。シャワープレートの上面と対向する
反応ガス供給路形成部材の面には、第1および第2の反
応ガス供給路が形成されていることが好ましい(第2の
発明)。
【0015】このようにすれば、第1および第2のガス
導入孔における反応ガスの流量をそれぞれ個別に変更す
る場合、反応ガス供給路形成部材の面に形成された第1
および第2の反応ガス供給路の幅や長さなどを変更する
ことにより、この第1および第2の反応ガス供給路のコ
ンダクタンスを容易に変更することができる。この結
果、シャワープレート自体を加工することなく、第1お
よび第2のガス導入孔における反応ガスの流量を変更す
ることができる。
【0016】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、第1および第2の反応ガス供給路が、反応ガス
供給路形成部材の面に形成された溝を含むことが好まし
い(第3の発明)。
【0017】このようにすれば、反応ガス供給路形成部
材の面に溝を形成するという比較的簡単な加工により第
1および第2の反応ガス供給路の形状を決定できるの
で、反応ガス供給路の形状が複雑な場合、容易に第1お
よび第2の反応ガス供給路を形成することができる。ま
た、第1および第2の反応ガス供給路におけるコンダク
タンスを変更するため反応ガス供給路の断面積や長さを
変更する場合、反応ガス供給路形成部材の面に形成され
た溝の断面形状や溝の長さを変更することにより、容易
に反応ガス供給路のコンダクタンスを変更することがで
きる。
【0018】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、シャワープレートが処理室に面する下面および
その下面と反対側に位置する上面を有していることが好
ましく、さらに、シャワープレートの上面上に配置され
た上壁部材と、シャワープレートと上壁部材との間に配
置され、第1および第2の反応ガス供給路が形成されて
いる反応ガス供給路形成部材とを備えることが好ましい
(第4の発明)。
【0019】このようにすれば、異なる形状を有するこ
とによって異なるインダクタンスを有する第1および第
2の反応ガス供給路を含む複数の反応ガス供給路形成部
材を準備しておくことにより、これらの反応ガス供給路
形成部材を交換することによって、容易に第1および第
2のガス導入孔における反応ガスの流量を変更すること
ができる。
【0020】また、この反応ガス供給路形成部材の材料
として金属やその他の加工が容易な材料を用いれば、複
雑な形状の反応ガス供給路を容易に形成することができ
る。この結果、プラズマプロセス装置の製造コストが増
大することを防止できる。
【0021】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、好ましくは、反応ガス供給路形成部材には側壁
面を有する貫通孔が形成され、第1および第2の反応ガ
ス供給路の壁面は、貫通孔の側壁面と、反応ガス供給路
形成部材と対向する上壁部材の面と、シャワープレート
の上面とを含む(第5の発明)。
【0022】このようにすれば、反応ガス供給路形成部
材に形成される貫通孔の形状を変更することにより、容
易に反応ガス供給路の平面形状や断面積を変更すること
ができる。この結果、反応ガス供給路におけるコンダク
タンスを容易に変更することができるので、第1および
第2のガス導入孔における反応ガスの流量を容易に変更
することができる。
【0023】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、反応ガス供給路形成部材が導電体を含むことが
好ましい(第6の発明)。
【0024】ここで、マイクロ波は導電体を透過しな
い。このため、プラズマプロセス装置において、処理室
内部にプラズマを発生させるためにマイクロ波を用いる
場合、反応ガス供給路の壁面が導電体の壁面を含むこと
になるので、処理室の内部へと導入されるマイクロ波の
うち電界振幅の大きな成分がこの反応ガス供給路へ導入
されることを防止できる。このため、反応ガス供給路に
おいてこのマイクロ波に起因して反応ガスのプラズマが
発生すること(異常プラズマが発生すること)を防止で
きる。この結果、反応ガス供給路の壁面、つまりシャワ
ープレートの上面などがこの異常プラズマにより損傷を
受けることを防止できる。
【0025】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、導電体が金属であることが好ましい。
【0026】このようにすれば、金属部材は一般にセラ
ミックスなどより切削加工などが容易であるので、反応
ガス供給路のコンダクタンスの変更をより容易に行うこ
とができる。この結果、プラズマプロセス装置の製造コ
ストが増大することを防止できる。
【0027】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、第1および第2のガス導入孔の直径がほぼ同一
であることが好ましい。
【0028】このようにすれば、シャワープレートにお
ける第1および第2のガス導入孔自体のコンダクタンス
はほぼ同一であるので、第1および第2のガス導入孔に
おけるガスの流量は、第1および第2の反応ガス供給路
の断面積や長さといった形状を変更することによって容
易に調整することができる。
【0029】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、処理室にマイクロ波を導入するマイクロ波導入
手段をさらに備えることが好ましく、処理室内におい
て、反応ガスはマイクロ波によってプラズマ状態にされ
ることが好ましい。シャワープレートは処理室上に配置
され、マイクロ波導入手段はシャワープレート上に配置
され、処理室にマイクロ波を導入するための開口部を含
むことが好ましい。第1および第2の反応ガス供給路
は、シャワープレートとマイクロ波導入手段との間にお
いて、マイクロ波導入手段の開口部下に位置する領域以
外の領域に形成されていることが好ましい(第7の発
明)。
【0030】この場合、第1および第2のガス導入孔へ
はそれぞれ第1および第2の反応ガス供給路によって反
応ガスが供給されているので、従来のように第1および
第2のガス導入孔へ供給する反応ガスの圧力が均一にな
るように調整するためのバッファ室をシャワープレート
上に設ける必要がない。このため、マイクロ波導入手段
としての導波管などをシャワープレート上に配置する場
合の設計の自由度を大きくすることができる。
【0031】また、処理室の内部へと導入されるマイク
ロ波は、マイクロ波を導入するための開口部からシャワ
ープレートを介して処理室の内部へと導入される。つま
り、マイクロ波導入手段の開口部下に位置する領域はマ
イクロ波の伝送経路となる。そして、シャワープレート
とマイクロ波導入手段との間において、このマイクロ波
導入手段の開口部下に位置する領域以外の領域に第1お
よび第2の反応ガス供給路を形成しているので、この反
応ガス供給路とマイクロ波の伝送経路とが重なることを
防止できる。そのため、反応ガス供給路へマイクロ波の
電界振幅の大きな成分が照射されることを確実に防止で
きる。このため、反応ガス供給路において、反応ガスに
マイクロ波が照射されることに起因する異常プラズマの
発生を防止できる。この結果、反応ガス供給路の壁面な
どがこの異常プラズマによって損傷を受けることを防止
できる。
【0032】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、第1のガス導入孔は処理室の中央部に反応ガス
を供給するように配置され、第2のガス導入孔は処理室
の周縁部に反応ガスを供給するように配置されているこ
とが好ましい。
【0033】このようにすれば、第1および第2のガス
導入孔に対応する第1および第2の反応ガス供給路のコ
ンダクタンスをそれぞれ変更することにより、処理室の
中央部と周縁部とにおける反応ガスの供給量をそれぞれ
任意に設定できる。このため、処理室の内部において反
応ガスの密度などを容易に均一化できる。このような均
一化された反応ガスにより均一なプラズマを発生させる
ことができるので、この均一なプラズマによって基板表
面における成膜あるいはエッチングといったプラズマプ
ロセスを基板の全面に対して均一な条件で行なうことが
可能となる。
【0034】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、処理室の内部に配置され、プラズマプロセスの
対象となる基板などの被処理部材を保持する保持部材を
備えることが好ましく、第1のガス導入孔は保持部材の
中央部上に位置する領域に反応ガスを供給するように配
置され、第2のガス導入孔は保持部材の周縁部上に位置
する領域に反応ガスを供給するように配置されているこ
とが好ましい。
【0035】このようにすれば、第1および第2の反応
ガス供給路のコンダクタンスをそれぞれ変更することに
より、保持部材の中央部上に位置する領域と周縁部上に
位置する領域とに対する反応ガスの供給量をそれぞれ任
意に設定できる。このため、保持部材の全面に対向する
領域において反応ガスの密度などを容易に均一化でき
る。このような均一化された反応ガスにより均一なプラ
ズマを発生させることができるので、この均一なプラズ
マによって基板表面における成膜あるいはエッチングと
いったプラズマプロセスを基板の全面に対して均一な条
件で行なうことが可能となる。
【0036】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、処理室に形成された排気口に接続され、処理室
の内部からガスを排気する排気ポンプをさらに備えてい
てもよい。第1のガス導入孔と排気口との間の距離よ
り、第2のガス導入口と排気口との間の距離が大きくな
っていてもよい。
【0037】このようにすれば、第1および第2の反応
ガス供給路のコンダクタンスをそれぞれ変更することに
より、処理室の内部の排気口に相対的に近い領域におけ
る反応ガスの供給量と排気口から相対的に離れた領域に
おける反応ガスの供給量とをそれぞれ任意に設定でき
る。このため、処理室の内部において反応ガスの密度な
どを容易に均一化できる。このような均一化された反応
ガスにより均一なプラズマを発生させることができるの
で、この均一なプラズマによって被処理部材としての基
板の全面に対してプラズマプロセスを均一な条件で行な
うことが可能となる。
【0038】上記一の局面におけるプラズマプロセス装
置では、第1のガス導入孔はシャワープレートのほぼ中
央部に位置していてもよく、第2のガス導入孔はシャワ
ープレートの周辺部に位置していてもよい。
【0039】このようにすれば、第1および第2の反応
ガス供給路のコンダクタンスをそれぞれ変更することに
より、処理室の内部においてシャワープレートの中央部
に対向する領域における反応ガスの供給量とシャワープ
レートの周辺部に対向する領域における反応ガスの供給
量とをそれぞれ任意に設定できる。このため、処理室の
内部において反応ガスの密度などを容易に均一化でき
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一
または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説
明は繰返さない。
【0041】(実施の形態1)図1は、本発明によるプ
ラズマプロセス装置の実施の形態1を示す断面模式図で
ある。図2は、図1に示した線分100−100におけ
る断面模式図である。
【0042】また、図3は、図1に示したプラズマプロ
セス装置のシャワープレートを基板8(図1参照)側か
ら見た平面模式図である。図4は、図1に示したプラズ
マプロセス装置のチャンバ蓋のシャワープレートと対向
する面(シャワープレート接合面)を下から見た平面模
式図である。図1〜4を参照して、プラズマプロセス装
置を説明する。
【0043】図1〜4を参照して、プラズマプロセス装
置は、チャンバ本体2とチャンバ蓋1と保持部材として
の基板ホルダ7とシャワープレート5a〜5dとマイク
ロ波導入窓4a、4bと導波管端部3a、3bと導波管
12a、12bとを備える。金属製のチャンバ本体2の
上部開口部上には金属製のチャンバ蓋1が設置されてい
る。チャンバ蓋1とチャンバ本体2との接合部にはOリ
ング9が設置され、チャンバ内部16は密閉されてい
る。このチャンバ本体2とチャンバ蓋1とにより、処理
室としてのチャンバ内部16が構成される。チャンバ蓋
1の下面には、シャワープレート5a〜5dがシャワー
プレート保持部材6により固定されている。シャワープ
レート5a〜5dには、ガス導入孔18a〜18o(図
1および図3参照)が形成されている。反応ガス供給路
形成部材としてのチャンバ蓋1におけるシャワープレー
ト5a〜5dの上面に対向する面(シャワープレート接
合面20)には、反応ガス供給路を構成する溝21(図
4参照)が形成されている。この溝21によって、チャ
ンバ蓋1とシャワープレート5a〜5dとの間に反応ガ
ス供給路としての反応ガス流路15a〜15dが形成さ
れている。
【0044】チャンバ蓋1には、開口部19a、19b
が形成されている。この開口部19a、19bには、マ
イクロ波導入窓4a、4bが設置されている。チャンバ
蓋1とマイクロ波導入窓4a、4bとの接合部の所定の
位置にはOリング10a、10bが配置されている。マ
イクロ波導入窓4a、4b上には導波管端部3a、3b
が配置されている。この導波管端部3a、3bは、それ
ぞれその上面中央部で導波管12a、12bと接続され
ている。導波管12a、12bと導波管端部3a、3b
とマイクロ波導入窓4a、4bとからマイクロ波導入手
段は構成されている。この導波管12a、12bから導
入されたマイクロ波は、導波管端部3a、3bに形成さ
れた導波路内を伝搬し、導波管開口部17a、17bを
介してマイクロ波導入窓4a、4bへと放射される。そ
して、マイクロ波導入窓4a、4bに放射されたマイク
ロ波は、マイクロ波導入窓4a、4bからシャワープレ
ート5a〜5dへと伝送され、このシャワープレート5
a〜5dの下部全面からチャンバ内部16へと放射され
る。
【0045】導波管端部3a、3bには、保温流路11
a、11bが形成されている。この保温流路11a、1
1b内部には、導波管端部3a、3bおよびその周辺部
を所定の温度に保つために保温媒体が流れている。チャ
ンバ蓋1には、反応ガス流路15a〜15dへと反応ガ
スを供給するための反応ガス導入口13a〜13e(図
1および図4参照)が形成されている。チャンバ内部1
6には、基板8を保持するための基板ホルダ7が配置さ
れている。また、図示していないが、チャンバ本体2に
はチャンバ内部16を真空に保つための真空ポンプが接
続されている。この真空ポンプを用いてチャンバ内部1
6を真空状態に保持することができる。
【0046】図3および4を参照して、図1に示したプ
ラズマプロセス装置では、4分割されたシャワープレー
ト5a〜5dを用いている。シャワープレート5a〜5
dは誘電体からなる。この誘電体としては、窒化アルミ
ニウムやアルミナなどのセラミックスを用いることがで
きる。また、チャンバ蓋1のシャワープレート接合面2
0は、上述のように反応ガス供給路としての反応ガス流
路15a〜15dとなる溝21が形成されている。この
溝21は、反応ガスを供給するための反応ガス導入口1
3eと接続されている。また、この溝21は、マイクロ
波導入窓4a、4bを設置するための開口部19a、1
9bと重ならないように形成されている。そして、この
溝21の終端部は、シャワープレート5a〜5dに形成
されたガス導入孔18a〜18oの位置とそれぞれ対応
するように形成されている。具体的には、たとえば図4
に示した溝21の終端部22aは、図3に示したシャワ
ープレート5dのガス導入孔18nの位置と適合するよ
うに形成されている。また、終端部22bは、ガス導入
孔18o(図3参照)の位置に適合するように形成され
ている。
【0047】このように溝21が形成されたシャワープ
レート接合面20aにシャワープレート5a〜5dがシ
ャワープレート保持部材6により固定されることによっ
て、この溝21とシャワープレート5a〜5dのチャン
バ蓋1に対向する面とから反応ガス供給路としての反応
ガス流路15a〜15dが形成される。そして、反応ガ
ス導入口からこの反応ガス流路、ガス導入孔を介して反
応ガスがチャンバ内部へと供給される。具体的には、例
えば、反応ガス導入口13eからこの溝21により構成
される反応ガス流路へと供給された反応ガスは、溝21
(つまり反応ガス流路)を介して溝の終端部22a、2
2bへと到達する。そして、この終端部22a、22b
からガス導入孔18n、18oを介してチャンバ内部1
6へと導入される。
【0048】次に、図1〜4に示した本発明によるプラ
ズマプロセス装置の動作を説明する。
【0049】チャンバ内部16は予め真空ポンプなどを
用いて真空状態に保持する。図1および2を参照して、
導波管12a、12bの図示していない端部にはマイク
ロ波を発生させるマイクロ波発生装置が接続されてい
る。このマイクロ波発生装置としてマグネトロンを用い
ることができる。このマイクロ波発生装置によって発生
させたマイクロ波は、導波管12a、12bを介して導
波管端部3a、3bへと伝送される。導波管端部3a、
3bに伝送されたマイクロ波は、この導波管端部3a、
3bの導波管開口部17a、17bからマイクロ波導入
窓4a、4bへと伝送される。そして、マイクロ波はこ
のマイクロ波導入窓4a、4bから誘電体からなるシャ
ワープレート5a〜5d全面からチャンバ内部16へと
照射される。
【0050】一方、プラズマを形成するための反応ガス
を反応ガス導入口13a〜13eから反応ガス流路15
a〜15dおよびガス導入孔18a〜18oを介してチ
ャンバ内部16へと供給する。このとき、それぞれのガ
ス導入孔18a〜18oに対応する反応ガス流路15a
〜15dは、後述するように、反応ガス導入口13a〜
13eからそれぞれのガス導入孔18a〜18oまでの
コンダクタンスがそれぞれ等しくなるように形成されて
いる。このため、ガス導入孔18a〜18oからチャン
バ内部16へとはほぼ均一に反応ガスが導入される。
【0051】チャンバ内部へと反応ガスが導入される
と、シャワープレート5a〜5dからチャンバ内部16
へと照射されるマイクロ波によってこの反応ガスのプラ
ズマが発生する。このプラズマにより、基板ホルダ7上
に設置された基板8表面において成膜あるいはエッチン
グなどのプラズマプロセスが行なわれる。ここで、反応
ガスは均一に供給されているので、生成されるプラズマ
もほぼ均一なプラズマとなっている。このため、基板8
表面におけるプラズマプロセスは、この基板8の全面に
対してほぼ均一な条件とすることができる。
【0052】シャワープレート5a〜5dに形成された
ガス導入孔18a〜18oの直径はほぼ等しく設定して
いる。そして、チャンバ蓋1のシャワープレート接合面
20に形成される溝21の溝幅および溝の深さはすべて
の溝について等しく設定されている。そして、反応ガス
導入口13a〜13eからそれぞれの溝の終端部までの
溝における経路の長さ(例えば、反応ガス導入口13e
から溝の終端部22a、22bまでの溝の経路の長さ)
が等しくなるように溝21を形成する。さらに、反応ガ
ス導入口13a〜13eからそれぞれの溝21の終端部
までの経路上の屈曲部の数およびその屈曲部における角
度(例えば、反応ガス導入口13eから溝21の終端部
22a、22bまでのそれぞれの経路上の屈曲部の数お
よびその屈曲部における角度)は基本的にすべての終端
部について等しくなるように溝21を形成する。
【0053】このようにすれば、反応ガス導入口13a
〜13eからそれぞれの溝21の終端部22a、22b
までのコンダクタンスをほぼ等しくすることができる。
このため、シャワープレート5a〜5dに形成されたガ
ス導入孔18a〜18oを介してチャンバ内部16へ供
給される反応ガスの流量をほぼ均一にすることができ
る。この結果、チャンバ内部16においてこの反応ガス
のプラズマを発生させる場合に、基板8の全面に対向す
るようにほぼ均一なプラズマを容易に形成することがで
きる。
【0054】また、たとえばチャンバ本体2に設置され
る真空ポンプの配置、あるいは基板ホルダ7などの構造
物の配置によって、チャンバ内部16における反応ガス
の流れ方が変化して、基板8の中央部上と周辺部上とに
おける反応ガスの濃度が相違するような場合を考える。
この場合、基板8の中央部へと反応ガスを供給する反応
ガス流路となる溝の幅と、基板8の外周部へと反応ガス
を供給する反応ガス流路を構成する溝の幅とを相対的に
変化させることにより、ガス導入孔18a〜18oのう
ちの、基板8の中央部上位置するものと周辺部上に位置
するものとについて、それぞれ個別に反応ガスの流量を
調整することができる。この結果、反応ガスを均一にチ
ャンバ内部16へと供給することができるので、チャン
バ内部16において反応ガスを均一に分布させることが
できる。その結果、プラズマを均一に発生させることが
可能となる。
【0055】このように、シャワープレート5a〜5d
に形成された第1および第2のガス導入孔としてのガス
導入孔18a〜18oのそれぞれに対応するように反応
ガス供給路としての反応ガス流路15a〜15dが形成
されているので、ガス導入孔18a〜18oのそれぞれ
について個別に反応ガスの流量を変化させることができ
る。このため、チャンバ内部16において空間的に反応
ガスの濃度が均一になるようにガス導入孔18a〜18
oから反応ガスをチャンバ内部16へと供給することが
可能となる。この結果、均一なプラズマを発生させるこ
とができるので、基板8の表面にこれらのプラズマを用
いて成膜を行なう場合には均一な膜質を有する膜を形成
することができる。あるいは、このプラズマを用いてエ
ッチングを行なう場合には、基板8の全面に対して均一
な条件でエッチングを実施することができる。
【0056】また、チャンバ蓋1は導電体としての金属
からなるため、セラミックスなどの誘電体よりも比較的
加工が容易である。このため、セラミックスからなるシ
ャワープレート5a〜5dに対してガス導入孔18aか
ら18oのコンダクタンスを調整するための加工を行な
う場合より、溝21のような複雑な形状の加工を容易に
実施することができる。そのため、プラズマプロセス装
置を製造するために必要なコストを低減できる。
【0057】また、反応ガス流路15a〜15dは、反
応ガス供給路形成部材としてのチャンバ蓋1のシャワー
プレート接合面20においてそれぞれのガス導入口18
a〜18oに対応して形成された溝21により構成され
る。反応ガス流路15a〜15dのコンダクタンスを調
整するために変更するパラメータとしては、溝21の溝
の幅、あるいは溝21の深さ、さらには反応ガス導入口
13eからそれぞれの終端部22a、22bまでの経路
長さ、あるいは反応ガス導入口13eからそれぞれの終
端部22a、22bに至る経路における屈曲部の角度あ
るいは屈曲部の数を変更するという手段を用ることが好
ましい。
【0058】このようにすれば、この溝21の溝幅、あ
るいは溝深さ、経路長さなどを変更することにより、シ
ャワープレートのガス導入孔18a〜18oのそれぞれ
に対応して反応ガス流路15a〜15dのコンダクタン
スを任意に変更することができる。この結果、ガス導入
孔18a〜18oのそれぞれにおける反応ガスの流量を
個別に制御することができる。
【0059】また、このような溝21の加工は通常の切
削加工などを利用することができるので、コンダクタン
スの調整に必要な手間や時間を従来より削減することが
できる。この結果、コンダクタンスの調整に必要な費用
を低減できる。
【0060】また、チャンバ蓋1を金属から構成する場
合、反応ガス供給路としての反応ガス流路15a〜15
dの壁面が導電体である金属からなる壁面を含むことに
なる。ここで、上述のようにマイクロ波は導電体を透過
しない。このため、導波管12a、12bからチャンバ
内部16へと供給されるマイクロ波の電界振幅が大きな
成分がこの反応ガス流路15a〜15dへ導入されるこ
とを防止できる。これにより、反応ガス流路15a〜1
5dにおいてこのマイクロ波に起因して反応ガスから異
常プラズマが形成されることを防止できる。この結果、
反応ガス流路15a〜15dの壁面、つまりシャワープ
レート5a〜5dの上面などがこの異常プラズマによっ
て損傷を受けることを防止できる。
【0061】また、シャワープレート5a〜5dに形成
されたガス導入孔18a〜18oの直径をほぼ同一とし
ているので、ガス導入孔18a〜18oのそれぞれにお
ける反応ガスの流量を、溝21の幅や深さなどのみを変
更することによって正確かつ容易に変更することができ
る。
【0062】また、導波管開口部17a、17bの下に
位置する領域は、マイクロ波の伝送径路となっている。
そして、図1に示すように、導波管開口部17a、17
bの下に位置する領域以外の領域に反応ガス供給路とし
ての反応ガス流路15a〜15dが形成されている。こ
のようにすれば、このマイクロ波の伝送経路と反応ガス
流路15a〜15dとが重ならないようにすることがで
きる。このため、反応ガス流路15a〜15dにマイク
ロ波の電界振幅の大きな成分が照射されることを確実に
防止できる。この結果、反応ガス流路15a〜15dに
おいて、反応ガスにマイクロ波が照射されることに起因
する異常プラズマの発生を防止できる。
【0063】また、本発明によるプラズマプロセス装置
では、高価で加工が困難なシャワープレート5a〜5d
を変更することなく、比較的加工が容易な金属からなる
チャンバ蓋1のシャワープレート接合面20に溝21を
形成することによって反応ガス供給路としての反応ガス
流路15a〜15dを形成しているので、このシャワー
プレート5a〜5dのガス導入孔18a〜18oのそれ
ぞれについての反応ガスの流量をこの溝の形状などを変
えることにより容易に変更することができる。この結
果、反応ガスをチャンバ内部16において均一に分布さ
せることができるので、均一なプラズマを発生させるこ
とができる。この均一なプラズマによって、基板8の表
面に対して均一な成膜等のプラズマプロセスを実施する
ことができる。
【0064】また、図1に示したプラズマプロセス装置
では、反応ガス供給路形成部材としてチャンバ蓋1を利
用するので、装置構成を従来より複雑化すること無く、
本発明によるプラズマプロセス装置を実現できる。
【0065】(実施の形態2)図5は、本発明によるプ
ラズマプロセス装置の実施の形態2を示す断面模式図で
ある。図5を参照して、プラズマプロセス装置を説明す
る。
【0066】図5を参照して、プラズマプロセス装置は
基本的には図1に示したプラズマプロセス装置と同様の
構造を備える。ただし、図5に示したプラズマプロセス
装置では、シャワープレート5a、5bと上壁部材とし
てのチャンバ蓋1との間に反応ガス供給路形成部材とし
ての流路板23が配置されている。この流路板23に
は、図6に示すように、反応ガス供給路としての反応ガ
ス流路15a〜15dを構成する孔24が形成されてい
る。この流路板23は、チャンバ蓋1とシャワープレー
ト5a〜5dとの間に固定されている。この場合、チャ
ンバ蓋1の流路板23に対向する面に溝は形成されてい
ない。(ただし、反応ガス流路15a〜15dのコンダ
クタンスを変更するために、このチャンバ蓋1の流路板
23に対向する面に溝を形成してもよい。)図6は、図
5に示したプラズマプロセス装置の反応ガス流路を構成
する部品の関係を説明するための分解斜視模式図であ
る。
【0067】図6を参照して、反応ガス流路の上壁はチ
ャンバ蓋1の下面(流路板23に対向する面)により構
成される。また、反応ガス流路15a〜15dの側壁は
流路板23の孔24の側壁面により構成される。また、
反応ガス流路15a〜15dの下壁はシャワープレート
5bの上部表面(流路板23に対向する面)により構成
される。そして、図6に示すように、孔24の端部24
a、24bの位置はシャワープレート5bのガス導入孔
18q、18pの位置と適合するように決定されてい
る。また、チャンバ蓋1に形成された反応ガス導入口1
3f、13gの真下に位置するように、孔24は形成さ
れている。図示されていない他の孔についても同様であ
る。このようにすれば、反応ガス導入口13f、13g
から導入された反応ガスは、この孔23によって形成さ
れる反応ガス流路を介して端部24a、24bにまで到
達することができる。そして、この端部24a、24b
からガス導入孔18p、18qを介してチャンバ内部1
6へと反応ガスが供給される。このように、流路板23
を用いて反応ガス流路を構成しても、図6に示したプラ
ズマプロセス装置により本発明の実施の形態1によるプ
ラズマプロセス装置と同様の効果を得ることができる。
【0068】また、図6に示したプラズマプロセス装置
では、流路板23の厚さを変更することにより、反応ガ
ス流路の高さ、すなわち反応ガス流路の断面積を容易に
変更することができる。
【0069】また、この流路板23は金属製であること
が好ましい。このような金属製の流路板23を用いれ
ば、必要な反応ガス流路の形状が複雑な場合、一般に金
属は通常の切削加工などを用いて高精度な加工を行なう
ことができるので、その反応ガス流路の形状に対応した
孔24を流路板23に容易に形成することができる。ま
た、反応ガス流路のコンダクタンスを調整する場合、こ
の流路板23に形成された孔24の幅を変更することに
より容易にコンダクタンスを変更することができる。
【0070】また、このように反応ガス流路を形成する
ための流路板23を備えるので、シャワープレート5a
〜5dに加工を施すことなく、ガス導入孔18a〜18
qのそれぞれについて個別に反応ガスの流量を変更する
ことが可能となる。
【0071】また、流路板23を導電体としての金属に
より形成することにより、反応ガス供給路としての反応
ガス流路の壁面が導電体である金属からなる壁面を含む
ことになる。この結果、導波管12a、12bからチャ
ンバ内部16へと転送されるマイクロ波の電界振幅の大
きな成分が反応ガス流路へと導入されることを防止でき
る。その結果、反応ガス流路においてこのマイクロ波に
起因して反応ガスから異常プラズマが形成されることを
防止できる。
【0072】なお、本発明によるプラズマプロセス装置
の実施の形態1および2において、マイクロ波導入窓4
a、4bのシールに用いたOリング10a、10bは、
図1および5に示すようにマイクロ波導入窓4a、4b
の下側に配置しているが、これらのOリング10a、1
0bはマイクロ波導入窓4a、4bの上側に配置しても
よい。このようにすれば、チャンバ内部16において発
生するプラズマからの熱の影響を軽減することができる
ので、Oリング10a、10bの熱による劣化を防止す
ることができる。また、マイクロ波の伝送経路以外の位
置にOリング10a、10bを配置することになるの
で、このOリング10a、10bがマイクロ波にさらさ
れることによってその特性が劣化するといった問題の発
生を防止できる。
【0073】また、基板8が液晶表示装置などの基板の
ように大面積の基板である場合、導波管12a、12b
およびシャワープレート5a〜5dの数を増やすことに
よって、大面積の基板8に対して均一なプラズマを容易
に発生させることができる。
【0074】また、本発明によるプラズマプロセス装置
の実施の形態1および2では、第1のガス導入孔として
のガス導入孔18e〜18hは処理室としてのチャンバ
内部16の中央部に反応ガスを供給するように配置さ
れ、第2のガス導入孔としてのガス導入孔18a、18
b、18k、18mはチャンバ内部16の周縁部に反応
ガスを供給するように配置されている。
【0075】このようにすれば、第1および第2の反応
ガス流路15a〜15dのコンダクタンスをそれぞれ変
更することにより、チャンバ内部16の中央部と周縁部
とにおける反応ガスの供給量をそれぞれ任意に設定でき
る。このため、チャンバ内部16において反応ガスの密
度などを容易に均一化できる。
【0076】また、本発明によるプラズマプロセス装置
の実施の形態1および2では、ガス導入孔18e〜18
hは基板ホルダ7の中央部上に位置する領域に反応ガス
を供給するように配置され、ガス導入孔18a、18
b、18k、18mは基板ホルダ7の周縁部上に位置す
る領域に反応ガスを供給するように配置されている。
【0077】このようにすれば、第1および第2の反応
ガス流路15a〜15dのコンダクタンスをそれぞれ変
更することにより、基板ホルダ7の中央部上に位置する
領域と周縁部上に位置する領域とに対する反応ガスの供
給量をそれぞれ任意に設定できる。このため、チャンバ
内部16の基板ホルダ7上に位置する領域(基板8に対
向する領域)において反応ガスの密度などを容易に均一
化できる。
【0078】また、本発明によるプラズマプロセス装置
の実施の形態1および2では、チャンバ本体2に排気口
を形成し、チャンバ内部16からガスを排気する排気ポ
ンプをさらに備えることが好ましい。そして、例えば図
1を参照して、排気口がチャンバ本体2の左側(ガス導
入口18a側)に形成されている場合を考える。この場
合、反応ガス流路15a、15dのそれぞれコンダクタ
ンスを調整することにより、排気口に相対的に近い領域
に反応ガスを供給するガス導入孔18a〜18cと、排
気口から相対的に遠い領域に反応ガスを供給するガス導
入孔18j、18k、18mとについて、反応ガスの供
給量を任意に変更できる。この結果、排気口からチャン
バ内部16のガスが排気される際にチャンバ内部16に
おいて反応ガスの密度などを容易に均一化できる。
【0079】本発明によるプラズマプロセス装置は、プ
ラズマを用いたCVD装置に適用してもよく、またこの
プラズマを用いたエッチング装置に適用しても同様の効
果を得ることができる。また、本発明によるプラズマプ
ロセス装置では、図1および5に示したように4分割の
シャワープレートを用いてもよいが、シャワープレート
の数は1枚でもよく、さらにシャワープレートの数を増
やしてもよい。この場合にも同様の効果を得ることがで
きる。
【0080】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0081】
【発明の効果】このように、本発明によるプラズマプロ
セス装置では、シャワープレートに特別な加工を施すこ
となく、シャワープレートに形成されたガス導入孔のそ
れぞれについて個別に反応ガスの流量を制御することが
できる。この結果、プラズマプロセス装置の処理室の内
部へ反応ガスを均一に供給することができるので、処理
室の内部において均一なプラズマを容易に形成すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラズマプロセス装置の実施の
形態1を示す断面模式図である。
【図2】 図1に示した線分100−100における断
面模式図である。
【図3】 図1に示したプラズマプロセス装置のシャワ
ープレートを基板側から見た平面模式図である。
【図4】 図1に示したプラズマプロセス装置のチャン
バ蓋のシャワープレート接合面を下から見た平面模式図
である。
【図5】 本発明によるプラズマプロセス装置の実施の
形態2を示す断面模式図である。
【図6】 図5に示したプラズマプロセス装置の反応ガ
ス流路を構成する部品の関係を説明するための分解斜視
模式図である。
【図7】 従来のプラズマプロセス装置を示す断面模式
図である。
【符号の説明】
1 チャンバ蓋、2 チャンバ本体、3a,3b 導波
管端部、4a,4bマイクロ波導入窓、5a〜5d シ
ャワープレート、6 シャワープレート保持部材、7
基板ホルダ、8 基板、9,10a,10b Oリン
グ、11a,11b 保温流路、12a,12b 導波
管、13a〜13g 反応ガス導入口、15a〜15d
反応ガス流路、16 チャンバ内部、17a,17b
導波管開口部、18a〜18q ガス導入孔、19
a,19b 開口部、20 シャワープレート接合面、
21 溝、22a,22b 終端部、23 流路板、2
4孔、24a,24b 孔の端部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 昌樹 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉05 東北大 学大学院工学研究科内 (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2−1−17− 301 Fターム(参考) 4K030 EA01 EA05 EA06 FA01 LA15 LA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを用いた処理を行なう処理室
    と、 前記処理室に面して配置され、前記処理室内でプラズマ
    状態にされる反応ガスを前記処理室に供給するための第
    1および第2のガス導入孔を有するシャワープレート
    と、 前記第1のガス導入孔と接続され、前記第1のガス導入
    孔に前記反応ガスを供給する第1の反応ガス供給路と、 前記第2のガス導入孔と接続され、前記第2のガス導入
    孔に前記反応ガスを供給する第2の反応ガス供給路とを
    備える、プラズマプロセス装置。
  2. 【請求項2】 前記シャワープレートは前記処理室に面
    する下面およびその下面と反対側に位置する上面を有
    し、さらに、 前記シャワープレートの上面との間に反応ガスを供給す
    る空間を形成するように配置された反応ガス供給路形成
    部材を備え、 前記シャワープレートの上面と対向する前記反応ガス供
    給路形成部材の面には、前記第1および第2の反応ガス
    供給路が形成されている、請求項1に記載のプラズマプ
    ロセス装置。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の反応ガス供給路
    は、前記反応ガス供給路形成部材の面に形成された溝を
    含む、請求項2に記載のプラズマプロセス装置。
  4. 【請求項4】 前記シャワープレートは、前記処理室に
    面する下面およびその下面と反対側に位置する上面を有
    し、さらに、 前記シャワープレートの上面上に配置された上壁部材
    と、 前記シャワープレートと前記上壁部材との間に配置さ
    れ、前記第1および第2の反応ガス供給路が形成されて
    いる反応ガス供給路形成部材とを備える、請求項1に記
    載のプラズマプロセス装置。
  5. 【請求項5】 前記反応ガス供給路形成部材には側壁面
    を有する貫通孔が形成され、 前記第1および第2の反応ガス供給路の壁面は、前記貫
    通孔の側壁面と前記反応ガス供給路形成部材と対向する
    前記上壁部材の面と前記シャワープレートの上面とを含
    む、請求項4に記載のプラズマプロセス装置。
  6. 【請求項6】 前記反応ガス供給路形成部材は導電体を
    含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のプラズマプ
    ロセス装置。
  7. 【請求項7】 前記処理室にマイクロ波を導入するマイ
    クロ波導入手段をさらに備え、 前記処理室内において、前記反応ガスは前記マイクロ波
    によってプラズマ状態にされ、 前記シャワープレートは前記処理室上に配置され、 前記マイクロ波導入手段は前記シャワープレート上に配
    置され、前記処理室にマイクロ波を導入するための開口
    部を含み、 前記第1および第2の反応ガス供給路は、前記シャワー
    プレートと前記マイクロ波導入手段との間において、前
    記マイクロ波導入手段の開口部下に位置する領域以外の
    領域に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に
    記載のプラズマプロセス装置。
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