JP2001115249A - 浸炭処理法 - Google Patents

浸炭処理法

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JP2001115249A
JP2001115249A JP29786499A JP29786499A JP2001115249A JP 2001115249 A JP2001115249 A JP 2001115249A JP 29786499 A JP29786499 A JP 29786499A JP 29786499 A JP29786499 A JP 29786499A JP 2001115249 A JP2001115249 A JP 2001115249A
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Yasuharu Maeda
靖治 前田
Masahiro Murakami
雅洋 村上
Masaki Sato
正樹 佐藤
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大気雰囲気中の加熱でも浸炭が可能な方法を提
供するものであり、大型の被処理物を一度に多量に処理
することが可能となり大量生産できるものである。 【解決手段】鋼材表面に塗布型浸炭組成物を塗布、焼き
付けて皮膜化した後、該皮膜上に水性無機塗料を塗布、
焼付けてカバーコート層を形成し大気雰囲気中で加熱す
ることによりロスなく浸炭層を形成させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼材の浸炭処理法に
関する。より詳しくは鋼材表面に塗布型浸炭組成物を塗
布、焼き付けし皮膜化した後、該皮膜上にカバーコート
層を形成し、大気雰囲気中で加熱して浸炭層を形成させ
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材の表面に炭素を拡散浸透させる浸炭
処理は、鋼材の表面硬化法として最も広く採用されてい
る方法である。一般に浸炭法としては、個体浸炭法、液
体浸炭法及び気体浸炭法があり、いずれも小型部材や小
型部品に主に適用されている。
【0003】すなわち、個体浸炭法は被処理物を浸炭箱
に入れ、十分な浸炭性ガスを発生させるため各被処理物
の間に多量の個体浸炭剤を充填し、さらに、密封して、
約850℃以上に加熱することによって行われる。ま
た、液体浸炭法においては、浸炭剤を含有する塩浴剤な
どに被処理物を浸漬する方法が一般的である。さらに、
気体浸炭法は密封可能な加熱炉に入れ、これにメタン,
プロパン,ブタンなどの浸炭性ガスを導入し、被処理物
と接触させることによって浸炭を行っている。
【0004】これらの従来技術による方法は、いずれも
密閉系内で実施される。これは被処理物に表面に浸炭性
ガスを高濃度,高圧力で接触させる必要があるからであ
る。したがって、浸炭箱,塩浴層などの大きさ制約さ
れ、この方法で処理される被処理物は小型部品,小型部
材に限定され大型の鋼材などには適用できない欠点があ
る。また、浸炭箱内に被処理物を挿入する方法として、
浸炭性ガスとの接触を良くするため、被処理物と被処理
物の間隔を十分確保し、この間隔部分に浸炭剤を充填す
る方法が一般的である。従って、一回に処理される被処
理物量が少なく大量生産が不可能であり、かつ、一回に
処理される被処理物量に対し多量の浸炭剤が必要である
こと、さらに、被処理物だけでなく密閉系全体を加熱す
るため長時間を要し、多大なエネルギーが必要となるな
ど経済的に高価となる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の浸炭
法では困難であった安価で大量生産を可能にする方法と
して、密閉系に対し大気雰囲気中で浸炭処理を行う方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、塗布型浸炭組成物
を鋼材表面に塗布、乾燥して皮膜化した後、該皮膜上に
カバーコート層を形成した状態で、大気雰囲気中で加熱
することで上記目的を達成できることを見いだし本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は従来技術のように浸炭
性ガスを非処理物の近傍で発生させ接触させたり、或い
は系外から導入した浸炭性ガスを接触させる方法ではな
く、鋼材表面上で直接浸炭性ガスを発生させることにあ
り、これによって浸炭性ガスは瞬時に効率良く鋼板又は
鋼帯表面に十分接触浸炭できることになる。
【0008】鋼材表面上で直接浸炭性ガスを発生させる
方法は、塗布型浸炭組成物を鋼材表面に塗布、焼き付け
て皮膜化した後加熱することによって達成される。すな
わち、塗布型浸炭組成物中のオレフィン系重合体樹脂が
焼き付け時、鋼板材表面で溶融し成膜することにより密
着した皮膜が形成される。さらに、皮膜中に配合された
木炭粉の酸化燃焼及び浸炭促進剤の熱分解によって鋼材
表面上で浸炭性ガスが発生することにより効率良く浸炭
反応が進行することに基づくものである。
【0009】使用する塗布型浸炭組成物は、オレフィン
系重合体樹脂を水性分散体に分散することによって得ら
れた水性塗料に、浸炭剤として上記樹脂100重量部当
たり木炭粉10重量部〜100重量部及び浸炭促進剤と
して上記樹脂100重量部当たり炭酸ナトリウム5重量
部〜80重量部を配合して成る組成物であり、上記組成
物を10g/m2〜150g/m2となるように塗布する
ことが好ましい。
【0010】また、本発明は、発生した浸炭性ガスの放
散を抑制する手段であり、図1に示すように、鋼材1の
表面に塗布型浸炭組成物を塗布、焼き付けて浸炭組成物
皮膜2を形成した後、該皮膜上にカバーコート層3を形
成することによって、皮膜から発生した浸炭性ガスが容
易に鋼材表面から放散することが抑制される。カバーコ
ート層の特性としては、浸炭熱処理温度において浸炭組
成物から発生する浸炭性ガスの放散を抑制するシール効
果と、浸炭熱処理後は容易に鋼材表面から剥離除去され
ることが要求される。このカバーコート層を形成するこ
とにより大気雰囲気中でも浸炭が可能になる処理法に関
する。カバーコート用組成物としては、珪石、長石など
の鉱物粉あるいはSiO2、Al23、TiO2などの酸
化物粉およびこれらの化合物を主成分とし、これを水に
分散した無機塗料を用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は耐疵付き性,耐摩耗性,耐疲労破壊性の向上を
目的に種々の鋼材に適用可能であり、適用目的に応じて
適宣選択されるが、厚み1μm以上でかつビッカース硬
度で550以上の浸炭硬化層を設けるのが好ましい。本
発明において、まず鋼材表面に上記塗布型浸炭組成物を
塗布するが、この際均一な塗布層を得る目的で予め表面
を洗浄しておくのが好ましい。洗浄方法としては、塗布
型組成物を塗布して焼き付けた後に均一な皮膜が形成さ
れ、ついで浸炭処理を施した際に均一な浸炭層ができれ
ば特に制限されるものではなく、例えばアルカリ脱脂、
有機溶剤による脱脂等が挙げられる。予備洗浄された鋼
材表面に塗布型浸炭組成物を塗布する。
【0012】本発明において使用される浸炭組成物と
は、水性塗料中に浸炭剤及び上記水性塗料に対して不活
性な浸炭促進剤とを配合して成る塗布型浸炭組成物であ
る。ここで、塗布型浸炭組成物における水性塗料とし
て、比較的低温で加熱して短時間にかつ容易に皮膜を形
成することができ、形成された皮膜が鋼材の表面との密
着性に優れており、そして浸炭層を形成する際に加熱し
ても有害物質を放出しないなどの観点から、オレフィン
系重合体樹脂を水性媒体に分散させた水性塗料を用いる
のが好ましい。
【0013】このようなオレフィン系重合体樹脂として
はポリエチレン,ポリプロピレン等のオレフィン系重合
体から成る樹脂、エチレンープロピレン共重合体等のオ
レフィン系共重合体から成る樹脂やこれらのブレンドポ
リマーが挙げられ、これらを単独あるいは二種以上の混
合物として使用することができる。又、これらの樹脂
は、水性塗料としての性質、非処理物上への皮膜の形成
や加工性を勘案して、平均粒径で1μm〜3.0μm程
度の粉体を使用するのが好ましい。また、これらの樹脂
は水100重量部に対して10重量部〜40重量部程度
の量で配合するのが好ましい。又、濡れ性を向上させる
ための有機溶剤、消泡剤等を少量添加してもよい。
【0014】上記塗布型浸炭組成物に配合される浸炭剤
としてはグラファイト,カーボンブラック,木炭粉など
が挙げられ、これらを単独又は二種類以上の混合物とし
て使用することができる。本発明者等がこれらの浸炭剤
について大気中で熱分析を行ったところ、グラファイト
粉は750℃付近で急激に酸化燃焼するが、一部が10
00℃以上に昇温後においても燃焼せず残存していた。
これに対し、カーボンブラックでは650℃で酸化燃焼
し、また木炭粉については500℃付近で急激に酸化燃
焼した。また、カーボンブラックや木炭粉では、100
0℃以上に昇温後において残存重量は認められなかっ
た。これらの実験結果から、短時間の熱処理で均一な浸
炭層を形成させる浸炭剤として低温で急激に酸化燃焼し
浸炭性ガス圧を高めることが可能なカーボンブラック及
び木炭粉が好ましく、より好ましくは木炭粉である。
【0015】また、上記塗布型浸炭組成物に、浸炭層を
形成するために加熱する際にCO2等の圧力を高めて浸
炭を促進する目的で、浸炭促進剤が添加される。浸炭促
進剤としてはベースとなる水性塗料への添加時CO2
の気体を発生せず、浸炭温度に加熱した際にはじめて気
体を発生するものであれば特に制限されるものでない。
これらの浸炭促進剤は、使用する水性媒体の種類や皮膜
の形成方法に依存して決定されるが炭酸ナトリウム及び
その均等物が好ましい。浸炭促進剤は例えば、ベースと
なる塗料がオレフィン系重合体樹脂を水性媒体に分散し
てなる水性塗料をベースとして使用する場合には、炭酸
バリウム(BaCO3)を使用すると分散配合時にCO2
を発生し、また、過マンガン酸カリウム(K2MnO4
を使用すると分散配合時にO2を発生するので好ましく
ない。
【0016】本発明に使用される塗布型浸炭組成物にお
いて、水性塗料中に浸炭剤及び上記水性塗料に対して不
活性な浸炭促進剤が配合されるが、これらの配合につい
ては形成される皮膜の物性、塗料粘度、浸炭性ガスの発
生時間等を考慮して適宣選択される。例えば、オレフィ
ン系重合体樹脂を水性媒体に分散させて調整した水性塗
料を使用し、浸炭剤として木炭粉、浸炭促進剤として炭
酸ナトリウムを使用した塗布型浸炭組成物について、鋼
材表面に形成させる浸炭硬化層の硬度を550以上、浸
炭層の厚みを1μm以上となるように設定し適正な組成
について検討したところ、浸炭剤としての木炭粉の添加
量は、樹脂100重量部にたいして10重量部〜100
重量部の範囲であるのが好ましく、特に好ましくは30
重量部〜80重量部であり、また、浸炭促進剤としての
炭酸ナトリウムの添加量は樹脂100重量部にたいして
5重量部〜80重量部が好ましく、特に好ましくは15
重量部〜50重量部である。
【0017】木炭粉の配合量が100重量部を超えると
樹脂分が不足して形成された皮膜の被処理物との密着性
及び加工性が低下し、さらに塗布する際の塗料粘度が著
しく高くなり、浸漬、刷毛塗り、ロールコートなどによ
り塗布するのが困難になるので好ましくない。逆に配合
量が10重量部未満であると、浸炭性ガスが発生するの
に長時間かかり、浸炭熱処理に長時間を要するので好ま
しくない。浸炭促進剤の配合量が5重量部未満である場
合、浸炭促進剤としての効果は少なくなるので好ましく
ない。逆に80重量部を超えると組成物の液性を低下さ
せるので好ましくない。
【0018】上記塗布型浸炭組成物を鋼材表面に塗布す
るが、この際の塗布方法は、従来の塗布方法から適宣選
択される。このような塗布方法として、例えば刷毛塗
り、ロールコート、スプレーコート、浸漬等が挙げられ
る。コイル状の鋼材は連続塗装設備で連続的に塗布、焼
付けする。この際の塗布型浸炭組成物の塗布量は鋼材の
使用目的によって適宣選択するが浸炭硬化層の硬度を5
50以上、浸炭層の厚みを1μm以上を目標にすると、
乾燥皮膜量で10g/m2〜150g/m2となるように
塗布するのが好ましい。乾燥皮膜量で10g/m2未満
では浸炭源が不足し1μm以上の浸炭硬化層を確保する
のが困難であるので好ましくない。逆に乾燥皮膜量で1
50g/m2を超えると皮膜の密着性や加工性が悪くな
り、所望の形状に加工するのが困難となるので好ましく
ない。また150g/m2を超えて塗布しても増量塗布
に見合った効果が得られない。
【0019】このようにして塗布した塗布型浸炭組成物
を乾燥して皮膜を形成させるが、オレフィン系重合体樹
脂等の熱可塑性樹脂を水性媒体に分散させた分散液をベ
ースとする場合には水の沸点以上でかつ使用する樹脂の
融点以上の温度に加熱する。例えばオレフィン系重合体
樹脂を使用した場合には100℃〜150℃に加熱する
ことによって密着性に優れた皮膜を形成することができ
る。
【0020】このようにして鋼材表面に形成された浸炭
組成物皮膜の上にカバーコート層を形成する。カバーコ
ート層を形成する目的は、浸炭熱処理中にできるだけ皮
膜状態を維持し浸炭性ガスの放散を抑制するためであ
る。加熱後のカバーコートの除去は下層の浸炭組成物が
灰化するため比較的容易であり、特に浸炭熱処理温度に
おいてガラス化し強固な皮膜を形成するものを除けば組
成的適用範囲は広い。
【0021】カバーコート層を形成するための水性無機
塗料は、珪石、長石などの鉱物を溶融しガラス化したフ
リットあるいはSiO2、Al23、TiO2などの酸化
物粉及びこれらの化合物を主成分とし、これを水に分散
したものを用いる。フリットや酸化物粉を水に分散させ
るための懸濁剤として粘土、珪酸カリウムなどを添加す
る。これによってフリットや酸化物粉の沈殿が防止され
分散化が可能となる。さらに、粘土の添加により塗布、
乾燥後の乾燥皮膜強度が向上し安定した皮膜が形成され
る。また、塗布状態での塗料タレや流れを防止するため
に唖硝酸ナトリウムなどを添加することにより、カバー
コート層形成用の水性無機塗料組成物が完成する。
【0022】塗布方法は塗布型浸炭組成物を塗布する方
法と同様、従来の塗布方法から適宜選択すればよい。水
性無機塗料の塗布は下層皮膜の浸炭組成物から発生する
浸炭性ガスの放散を抑制するシール効果を十分発揮でき
る皮膜厚が必要である。塗布量は塗料の種類や配合量に
より異なるが、10〜200g/m2となるようにする
ことが好ましい。塗布量が10g/m2未満ではシール
効果が発揮されず、200g/m2を越えると乾燥後の
皮膜密着性や加工性が劣り、製造コストも高くなる。こ
のようにして塗布した水性無機塗料を乾燥し、カバーコ
ート層を形成させる。乾燥は水の沸点以上の温度で数秒
から数分間加熱することでカバーコート層が形成され
る。
【0023】鋼材表面に形成された浸炭組成物皮膜の上
にカバーコート層を形成した状態で加熱することによ
り、浸炭組成物より発生する浸炭性ガスの鋼材表面から
の放散が抑制され、大気雰囲気中での加熱においても浸
炭層が形成される。浸炭処理における加熱温度は900
℃〜1200℃の温度範囲が好ましい。加熱温度が90
0℃未満の場合、浸炭層の形成に時間がかかり、また、
1200℃を超えると結晶粒度の粗大化を生じ鋼材の靭
性を低下するだけでなく、浸炭濃度及び浸炭層厚みの制
御が難しくなるためである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (被処理物)本発明の実施例において次の組成を有する
低合金鋼を被処理物として使用した。C 0.22%、
Si 0.24%、Mn% 0.44%、Cr 0.3
0%、P 0.008%、S 0.008%、B 0.
003%、Fe 残部 (塗布型浸炭組成物)本発明の塗布型浸炭組成物として
次の組成を有する塗料を使用した。 ポリエチレン樹脂 100重量部 木炭粉 40重量部 炭酸ナトリウム 40重量部 (水性無機塗料組成物)本発明のカバーコート層形成用
として次の組成を有する塗料を使用した。 SiO2、TiO2及びK2Oを主成分とするフリット 100重量部 酸化チタン 12重量部 珪酸カリウム 10重量部 水 40重量部
【0025】前記成分からなる鋼板(厚さ1.6mm、
幅80mm、長さ150mm)を脱脂後、その片面に前
記浸炭組成物を乾燥塗布量で50g/m2となるように
塗布し、150℃で2分間乾燥して皮膜を形成した。次
いでこの皮膜上に前記水性無機塗料組成物を乾燥塗布量
で200g/m2となるように塗布し、130℃で1分
間乾燥してカバーコート層を形成した。このように皮膜
を積層した鋼板を950℃に昇温したマッフル炉に挿入
し8分後に取出して放冷した。この浸炭処理を施した鋼
板の硬度を測定し、また別途、光学顕微鏡で断面組織を
観察し、形成された浸炭層を評価した。表1にビッカー
ス硬度測定結果を示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示すとおり、表層50μmから50
0μmの深さまではビッカース硬度210〜181であ
り、鋼板の板厚中心部(表層から約0.8mmの部位)
の176と比較して高くなっていた。また、別途実施し
た断面組織の観察結果から浸炭層が形成されていたこと
が確認された。これらの結果から、鋼材表面に本発明の
浸炭組成物皮膜及びカバーコート層を積層した状態で、
大気雰囲気中で加熱することにより浸炭層が形成される
ことが判る。以上の結果から明らかなように、鋼材表面
に浸炭組成物を塗布し、皮膜化した後、その皮膜上にカ
バーコート層を形成し加熱することによって、大気中で
も浸炭層の形成が可能であることが判明した。
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、鋼材表面に塗布型
浸炭組成物を塗布、乾燥して皮膜化した後、該皮膜上に
水性無機塗料を塗布、乾燥しカバーコート層を形成し、
大気雰囲気中で加熱することにより鋼材表面に浸炭層を
形成させることが可能になる。また、従来の方法では、
浸炭箱等の密閉系で実施されるのにため大型被処理物に
は適用できなかったが本発明の方法では大気雰囲気中で
の処理が可能なため大型被処理物にも適用可能となる。
さらに、本発明によれば大量生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼材表面に浸炭組成物を塗布し皮膜化した後、
その上にカバーコート層を積層した断面図である。
【符号の説明】
1:鋼材 2:浸炭組成物皮膜 3:カバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正樹 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社技術研究所塗装・複合材料研究 部内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB99Z CA47 DB02 EA06 EA60 EB01 EB13 EC07 EC54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材表面に塗布型浸炭組成物を塗布、焼き
    付けて皮膜化した後、該皮膜上に水性無機塗料を塗布、
    乾燥しカバーコート層を形成し、大気雰囲気中で加熱す
    ることにより鋼材表面に浸炭層を形成させることを特徴
    とする浸炭処理法。
  2. 【請求項2】塗布型浸炭組成物が、オレフィン系重合体
    樹脂を水性分散体に分散することによって得られた水性
    塗料に、浸炭剤として上記樹脂100重量部当たり木炭
    粉10重量部〜100重量部及び浸炭促進剤として上記
    樹脂100重量部当たり炭酸ナトリウム5重量部〜80
    重量部を配合して成る組成物であり、上記組成物を10
    g/m2〜150g/m2となるように塗布する請求項1
    に記載の浸炭処理法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010222663A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nisshin Steel Co Ltd 打抜き性の良好な浸炭鋼帯およびその製造方法
JP2016223011A (ja) * 2015-05-26 2016-12-28 挺正 周 鋼材の表面処理剤および鋼材の表面処理方法

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