JP2001111070A - 太陽電池用窓層の評価方法 - Google Patents

太陽電池用窓層の評価方法

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JP2001111070A
JP2001111070A JP28520599A JP28520599A JP2001111070A JP 2001111070 A JP2001111070 A JP 2001111070A JP 28520599 A JP28520599 A JP 28520599A JP 28520599 A JP28520599 A JP 28520599A JP 2001111070 A JP2001111070 A JP 2001111070A
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film
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Hideaki Oyama
秀明 大山
Tetsuya Niimoto
哲也 新本
Miwa Tsuji
美輪 辻
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Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物半導体太陽電池用窓層の適切な評価方
法を確立し、前記窓層の的確な品質管理と、高性能・高
品質の太陽電池を歩留まり良く安価に製造することを可
能にすることを目的とする。 【解決手段】 化合物半導体膜および透明導電膜からな
る窓層の入射光波長に対する屈折率のスペクトルから求
めた前記窓層の特定入射光波長範囲における屈折率か
ら、前記窓層の適性を評価する。前記スペクトルの測定
・解析方法は楕円偏光解析法が好ましい。また、光電変
換層がCdTe膜からなる太陽電池の窓層を評価する場
合には、窓層の吸収端波長から1000nmの入射光波
長範囲において、2.45〜2.90の屈折率を備えた
ものを良好な窓層として評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体太陽
電池用窓層の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は1973年の第一次オイル
ショック以降、化石エネルギーの代替エネルギー源とし
て期待されてきた。1990年代に入ると地球環境問題
への対応エネルギー源として、さらに大きな期待を担う
ようになってきた。しかしながら、太陽電池の本格的な
実用化には、いまだ多くの未解決の課題が山積されてお
り、特に、太陽電池の高効率化と低コスト化は最大の課
題である。
【0003】太陽電池は、p型およびn型の特性を持っ
た少なくとも1対の半導体膜を備え、シリコン(Si)
系、化合物系などの半導体を用いたものが実用化されて
いる。それらの半導体の中で、テルル化カドミウム(C
dTe)は、比較的容易にpn制御ができる数少ないII
-VI族化合物半導体の一つであり、太陽光エネルギーを
電気的エネルギーに変換するための好適な材料である。
また、1.49eVというバンドギャップを備えてお
り、2.2eV付近にスペクトルピークを持つ太陽光を
吸収するためには最適な材料と言える。これらの物性的
優位性から、CdTeは高効率太陽電池用の光電変換層
を形成するための有力材料として期待されている。
【0004】一方、前記光電変換層への光吸収を効率的
に行わせるための窓層は、透光性基板上に形成された透
明導電膜と、この上に積層された窓層用半導体膜とから
形成される。前記窓層用半導体膜の材料に関しては、代
表的なものとして、II-VI族化合物半導体に属する硫化
カドミウム(CdS)があり、古くから研究されてき
た。CdSは2.53eVという広いバンドギャップを
持ち、太陽光を透過し易いので、光電変換層に太陽光を
導入するための窓層用材料として好適である。また、前
記化合物半導体と共に窓層用材料として用いられる透明
導電膜には、窓層用半導体膜側の集電膜としての役割と
共に、太陽光を透過させる役割があり、通常80%以上
の太陽光エネルギーを透過させる酸化錫(SnO2)な
どの膜が用いられている。
【0005】このような窓層を備えた太陽電池の代表例
として、CdS/CdTe系太陽電池の構成例を以下に
例示する。まず、ガラス基板などの透光性基板上に酸化
インジウム(ITO)あるいはSnO2などからなる透
明導電膜、およびCdS膜を順次形成することにより、
窓層が形成される。次いで、このCdS膜上に、近接昇
華法などにより厚さ1〜6μmのCdTe膜が形成され
る。このように、CdS膜とCdTe膜という異種の化
合物半導体が積層して形成された状態がヘテロ接合と呼
ばれる。このようなヘテロ接合によりCdTe層内にp
n接合が形成され、このCdTe層が光電変換層とな
る。さらに電極として、CdTe膜上にカーボン膜およ
び銀膜、CdS膜上に銀インジウム膜を形成して太陽電
池素子が構成される。
【0006】このように、透明導電膜とこの膜上に形成
された窓層用化合物半導体膜とから構成される窓層を備
えた化合物半導体太陽電池においては、同一条件で作製
された太陽電池の同一ロット内あるいはロット間におい
て、光電変換効率や短絡電流などの諸特性に大きなバラ
ツキが発生する場合が多い。これらのバラツキを縮小す
るために、従来から、透明導電膜の面抵抗、窓層用半導
体膜の光透過率や膜厚、光電変換層用半導体の膜厚な
ど、多くの項目について様々な手法を用いて工程管理が
行われている。しかし、依然として原因不明のバラツキ
が発生することが回避できないのが現状である。そのた
め、作製された製品としての太陽電池の歩留まりが低
く、結果的に低コスト化、高品質・高性能化の妨げにな
っていた。これは、製品の性能を左右する構成材料面あ
るいは製造工程面での諸要因の解明が未だ不十分なた
め、太陽電池の製造過程における重要な項目についての
工程的管理が欠落していたためと考えられる。
【0007】上記の太陽電池の特性バラツキに関して、
検討が不十分と考えられる重要な要因の一つとして、窓
層の屈折率特性が挙げられる。つまり、上記ヘテロ接合
を有する太陽電池における窓層の役割は、光電変換層に
多くの太陽光を入射させると共に、その光の吸収経路を
長くして効率的な光吸収を助長することにあり、その助
長効果が窓層の屈折率特性に大きく影響されるためであ
る。すなわち、上記太陽電池の透光性基板側から照射さ
れた太陽光のうち、上記窓層を透過した太陽光は、窓層
に固有の屈折率に応じて屈折して光電変換層に入射さ
れ、光電変換層でさらに屈折しながら吸収される。入射
光の光電変換層での吸収量を大きくするためには、光電
変換層に入射した光を大きく屈折させることにより、吸
収経路を長くする必要がある。これにより、入射光が光
電変換層に効率的に吸収されて光生成電流が増加し、太
陽電池の短絡電流や光電変換効率などの諸特性が向上す
る。
【0008】そのためには、窓層の屈折率を大きくし
て、光電変換層に入射させる光を大きく屈折させること
が好ましい。また、光電変換層内に入射した光を(反射
させない範囲内で)さらに大きく屈折させ、前記入射光
の吸収経路を長くするためには、窓層の屈折率は光電変
換層の屈折率を越えず、しかも、両者の屈折率差が大き
いことが好ましい。しかし、窓層の屈折率、および光電
変換層と窓層との屈折率の差が過度に大きくなると、光
電変換層に入射した光が反射するので、却って光吸収効
率を低下させることになる。また、同じ窓層および光電
変換層においても、屈折率は光の波長により変化するの
で、窓層の最適な屈折率特性は入射光の波長変化に伴う
屈折率変化や太陽光の波長スペクトルに対応させて検討
する必要がある。上記のような考え方を基本にして、窓
層の最適な屈折率特性は、太陽電池特性との相関性を光
電変換層の種類に応じて実験的に把握しながら求める必
要がある。
【0009】以上のことから、太陽電池の特性に対し
て、窓層の屈折率が大きな影響を与えることは十分に予
測されることであるが、従来から窓層の屈折率、あるい
はこれと太陽電池性能とを関連付けた検討がほとんど行
われていない。つまり、従来、窓層を構成するCdSな
どの窓層用化合物半導体膜あるいはSnO2などの透明
導電膜の個々の膜についての屈折率を測定された事例は
あるが、これらを用いた太陽電池の特性とを関連づけた
検討は行われていない。また、透明導電膜の屈折率は上
記窓層用化合物半導体膜の屈折率に較べて非常に小さい
ため、窓層の屈折率に依存する要素は少ないが、前記両
者の膜の接合状態によっても窓層の屈折率は大きく変化
するものと考えられる。しかし、透明導電膜と窓層用半
導体膜とから構成される窓層全体の膜としての屈折率に
ついては測定された事例もない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、実際的に
は、上記の窓層全体の屈折率が太陽電池の特性に大きな
影響を与えると考えられるに拘わらず、これらの検討が
殆ど行われていないのが実状である。本発明は、CdS
/CdTe系などのヘテロ接合を有する化合物半導体太
陽電池の諸特性のバラツキに大きな影響を与えると考え
られる前記太陽電池用窓層の適性を評価する方法を確立
することを目的とする。さらに、この評価方法を適用す
ることにより、バラツキが少なく、低コスト・高品質の
化合物半導体太陽電池の製造を可能にすることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による太陽電池用
窓層の評価方法は、異種化合物半導体膜によるヘテロ接
合により形成された光電変換層と窓層を備えた太陽電池
の前記窓層の評価方法であって、前記窓層への入射光の
波長に対応する屈折率のスペクトルを測定し、前記スペ
クトルから求めた特定入射光波長範囲における前記窓層
の前記屈折率の値により、前記窓層の適性を評価するも
のである。上記本発明の評価方法において、前記スペク
トルを測定し、前記屈折率の範囲を求める方法として、
楕円偏光解析法を用いることが好ましい。
【0012】さらに、本発明の太陽電池用窓層の評価方
法を、光電変換層がCdTe膜からなる前記太陽電池の
前記窓層の評価方法として適用する場合に、前記特定入
射光波長範囲を、前記窓層の吸収端波長〜1000nm
とした時に、前記屈折率の範囲が2.40〜2.90で
あるものを良好な窓層として評価するものである。ま
た、上記本発明を、特に、前記窓層がCdS膜および透
明導電膜からなる太陽電池の窓層の評価方法として用い
る場合には、前記特定入射光波長範囲を450nm〜1
000nmとすることが好ましい。
【0013】これら上記の本発明による太陽電池用窓層
の評価方法を太陽電池の製造工程の管理手法として適用
することにより、CdS/CdTe系に代表されるCd
Teを光電変換層として用いる各種太陽電池をはじめ、
ヘテロ接合を有する各種化合物半導体太陽電池の特性バ
ラツキを縮小できる。これにより、低コスト・高品質の
高性能太陽電池を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、前記太陽電池用窓層の
入射光波長に対応する屈折率のスペクトルを測定し、前
記スペクトルから求めた前記窓層の特定入射光波長範囲
における屈折率の範囲から、前記窓層の太陽電池用窓層
としての適性を評価するものである。上記窓層は窓層用
化合物半導体膜と透明導電膜から形成され、上記屈折率
は、窓層用化合物半導体膜の特性と、上記双方の膜の接
合状態に大きく影響される窓層全体の屈折率特性であ
る。
【0015】上記の窓層の材料には、透明導電膜として
InSnO2(ITO)、SnO2(TO)、CdSnO
4、ZnSnO4などの膜、窓層用半導体膜としては、C
dSをはじめ、ZnS,ZnSe,ZnO,CdSe,
CdOなどの他のII-VI族化合物半導体などの膜を用い
ることもできる。また、光電変換層を形成する半導体膜
としては、CdTeをはじめ、CuInSe2(CI
S)、CuAlS2、CuAlSe2、CuAlTe2
CuGaSe 2、CuGaS2、CuGaTe2、CuI
nTe2、CuInS2などの各種カルコパライト系化合
物半導体などの膜を用いることができる。
【0016】なお、上記特定入射光波長範囲は、太陽光
エネルギースペクトルのピーク波長が500nm近辺に
あり、300nm近辺に下限にあることから、一般的に
は300nm以上の範囲で設定すれば良い。例えば、9
0%以上の太陽光エネルギーがカバーされる400nm
〜1000nmの波長範囲での窓層の屈折率により、窓
層を評価することもできる。さらに好ましくは、左記の
波長範囲を考慮した上で、光電変換層や窓層の種類に応
じて、固有の吸収端波長や屈折率特性と太陽電池特性と
の相関関係を把握した上で、窓層評価のために適切な波
長範囲と屈折率を設定すれば良い。
【0017】本発明は、屈折率特性とその窓層を用いた
太陽電池の変換効率などの諸特性の関連を実験的に検討
し、見出された両者の間の明瞭な相関関係を基礎にし
て、太陽電池用窓層の適性を的確に評価できる方法を確
立したものである。この評価方法を太陽電池の製造工程
の管理手法として組み入れることにより、透光性基板上
の透明導電膜上に窓層用化合物半導体膜を積層して窓層
を形成した段階において、この窓層の太陽電池用窓層と
しての適性を的確に評価し、窓層の品質を適切に管理す
ることができる。その結果、バラツキの少ない高品質・
高性能の太陽電池を歩留まり良く製造することが可能と
なる。
【0018】さらに、本発明の太陽電池用窓層の評価方
法においては、楕円偏光解析法(別称、エリプソメトリ
ー法)により、窓層の屈折率特性を測定し、屈折率を求
めることが好ましい。屈折率の測定方法としては、楕円
偏光解析法と垂直反射スペクトル分散解析法がある。そ
の中で、楕円偏光解析法は、膜状の試料の屈折率特性を
測定するに適した方法であり、特に、多層膜の全体的な
屈折率特性をも測定できるので、透明導電膜と窓層用半
導体膜から構成される太陽電池用窓層の屈折率特性を測
定するために最適な方法である。この方法は、斜めから
照射した等方性の入射光が試料表面および表面層から反
射する際に生じた楕円偏光を検知し、その偏角や強度分
布などの変化を観測して、試料表面ないしは薄膜の屈折
率などの光学定数を知るものである。この方法は、高感
度で、しかも、表面で反射した光以外に、膜内で吸収し
きれない光が楕円偏光して反射した光の情報をも検知し
て解析する方法なので、膜表面および薄膜の光学定数を
測定する方法として有効である。
【0019】一方、垂直反射スペクトル解析法は、簡便
な方法で、試料表面や、極く薄い膜の試料の屈折率特性
を求めるには適した方法である。従って、極く薄い膜厚
の窓層の屈折率特性を測定する場合には用いることがで
きる。この方法は、光を試料表面に垂直に照射し、反射
してくる光のエネルギーを解析するものである。この場
合、膜の内部に吸収される波長の光は殆ど反射されない
ため、表面あるいは極く表面近傍の情報以外の情報を得
ることが困難である。また、表面の汚れなどによって敏
感に測定値に影響を与えるため、この方法による測定に
際しては、試料表面を特に清浄に処理する必要がある。
【0020】さらに、本発明者は、透明導電膜上にCd
S膜を形成して構成した窓層を用い、光電変換層にCd
Te層を用いた太陽電池の窓層の屈折率の範囲が、前記
窓層の吸収端波長から1000nmの入射光波長範囲に
おいて、2.40〜2.90の場合に大きな光吸収効果
を示し、良好な太陽電池特性を示すことを、後述の実施
例などにより、実験的に見出した。この光吸収効果がC
dTe層と窓層の屈折率の差に依存することから、上記
CdTe/CdS系の太陽電池の実験結果は、同じ光電
変換層(CdTe膜)を用いる各種太陽電池の窓層の評
価方法にも共通して適用できる。
【0021】これらのことから、光電変換層がCdTe
層である場合には、本発明の太陽電池用窓層の上記評価
方法は、入射光波長が前記窓層の吸収端波長から100
0nmの範囲において、屈折率が2.40〜2.90に
あるものを良好な窓層として評価することが好ましいと
言える。また、上記実験により、透明導電膜とCdS膜
からなる窓層の吸収端波長は試料によって若干の相違は
あるが、何れも500nmの近辺にあり、この波長で屈
折率のピークを持つことを見出した。また、400nm
近辺以下の波長では屈折率が急激に増大して試料間の差
を見極めることがことが困難であることが判明した。従
って、光電変換層がCdTeであり、透明導電膜とCd
S膜からなる窓層を備えた太陽電池の窓層を評価する場
合に限っては、入射光波長範囲の下限を、上記の窓層の
吸収端波長とする代わりに、450nmとすることによ
っても、窓層を的確に評価できる。
【0022】なお、上記の入射光波長範囲は上記に加え
て、次のような考え方を含めて設定したものである。す
なわち、上記波長範囲の下限は、窓層を透過して、実際
にCdTe層内に入射する光の下限波長である窓層の吸
収端波長と整合させるのが適切である。また、上記波長
範囲の上限はCdTeの吸収端波長が実測値で900n
m近辺にあり、これ以上の波長の光が太陽電池エネルギ
ーとして活用されることがないことからも、1000n
mとするのが適切である。また、この波長範囲は全太陽
光エネルギーの大半がカバーされる波長領域でもある。
【0023】一方、窓層の屈折率の最適値については、
CdTeの屈折率(n1)が入射光波長が1000nm
近辺以下では2.90以上という実測値を示し、前記窓
層の屈折率(n2)との差(n1−n2)は上記波長範囲
において常に正の値となるのが好ましいこと、さらに、
前記実験で良好な結果が得られた窓層の屈折率は2.9
0を越えないことから、窓層の屈折率の最適値の上限を
2.90とするのが適切である。また、前記窓層の屈折
率の最適値の下限は、入射光波長が1000nmの場合
の窓層の屈折率2.40を境にして、太陽電池の特性が
大きく変化することを実験的に見出したことから設定し
た。
【0024】上記条件を備えた窓層は、CdTe層に入
射された吸収可能な波長範囲の太陽光の光電変換層内で
の光吸収経路を長くするために有効に作用し、効率的に
光吸収させるために大きく寄与することになる。また、
窓層の屈折率は、特に窓層を構成する半導体膜の種類に
よっても異なるが、CdS以外の半導体膜を用いた場合
でも、例えば、屈折率が異なるZnSとZnOを積層し
た多層構造にするなどの方法により、上記の最適な屈折
率を持つように設計することができる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例を挙げて詳
細に説明する。
【0026】《実施例1》図1に作製したCdS/Cd
Te系太陽電池素子の断面を示す。まず、硼珪酸ガラス
製のガラス基板1上に、SnO2からなる膜厚500n
mの透明導電膜2、膜厚100nmのCdS膜3を順次
製膜し、窓層を形成した。CdS膜3上には膜厚5μm
のCdTe膜4を形成し、CdTe膜4に対する電極で
あるカーボン膜5、およびAg電極6を順次形成した。
次いで、CdS膜3側の集電体としてAgIn電極7を
形成して、太陽電池素子を作製した。図1における前記
太陽電池素子の窓層は、まず、ガラス基板1上に、有機
金属の熱分解法により透明導電膜2を製膜し、次いで、
カドミウム有機金属化合物の熱分解法によりCdS膜3
を製膜して形成した。
【0027】透明導電膜2の製膜は、二塩化ジメチル錫
の有機溶媒溶液を噴霧して塗布したガラス基板1を、4
50℃に加熱された空気雰囲気のマッフル炉内をベルト
により連続的に移動させ、ガラス基板1上で二塩化ジメ
チル錫を熱分解してSnO2からなる透明導電膜2を連
続して30枚製膜した。CdS膜3の製膜は、ジブチル
ジチオカルバミン酸カドミウムの有機溶媒溶液をガラス
基板1上の透明導電膜2に噴霧して塗布し、酸素を若干
量含む窒素雰囲気の430℃に加熱されたマッフル炉内
に連続的に供給し、炉内のベルトにより移動させなが
ら、ジブチルジチオカルバミン酸カドミウムを熱分解さ
せて透明導電膜2上にCdS膜3を製膜した。このCd
S膜は連続的に30枚製膜した。
【0028】この様にしてCdS/CdTe太陽電池用
窓層を形成した30枚のガラス基板の内から、ランダム
に11枚を採取し、図2に模式図を示す方法を用いて楕
円偏光解析を行った。図2において、光源9としてキセ
ノンランプを用い、ガラス基板1上の透明導電膜2とC
dS膜3からなる窓層8のCdS膜表面のおよそ1cm
2の領域にガラス基板1側から白色光を入射させ、窓層
8で楕円偏向された反射光を分光器10により分光し、
分光された光の各波長におけるエネルギーと偏光度合い
をSi−Ge検出器11で検出し、これを解析して入射
光波長変化に対応する屈折率のスペクトルを測定した。
測定は、室温にて測定波長範囲400nm〜1800n
mでおこなった。図3に供試した11枚の試料の内の代
表例として、試料4と9の測定スペクトルを示す。横軸
は楕円偏向した光の波長(nm)であり、縦軸は屈折率
の値を示す。また、上記の屈折率特性を測定した試料1
〜11の窓層を用いて作製した各太陽電池素子につい
て、その特性をAM1.5、100mW/cm2の条件
でソーラーシュミュレータにより測定した。その結果
を、各窓層の屈折率特性の測定値とともに表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】図3に示すように、500nm付近のピー
クは、各窓層試料の光吸収端波長に対応し、これは太陽
光スペクトルのピーク波長にも近い。試料4と試料9に
おいて、波長変化に対応して屈折率が変化し、その変化
の状態は試料間に差が見られる。すなわち、試料4で
は、吸収端波長508nmにおいて2.88、波長10
00nmにおいて2.45の屈折率を示し、一方、試料
9では、吸収端波長495nmにおいて2.85、波長
1000nmにおいて2.36の屈折率を示している。
また、表1から、試料4の窓層を用いた各太陽電池の変
換効率は13.40%、試料9の窓層を用いた場合には
12.13%と両者に顕著な差が見られる。
【0031】また、表1から見られるように、試料1〜
11の窓層およびこれらの窓層を用いた太陽電池の諸特
性は、代表例として示した上記の試料4と9の場合と同
様に、測定波長に対応して窓層の屈折率が変化し、その
変化度合いに対応して太陽電池の諸特性が変化すること
が判明した。即ち、試料1〜6の場合には変換効率1
3.0〜13.4%、短絡電流密度23.8〜24.4
mA/cm2 の範囲にあり、試料7〜11の場合の変換
効率11.9〜12.3%、短絡電流密度22.2〜2
3.5mA/cm2 に較べて良好な値を示した。この傾
向は、開路電圧などの上記以外の太陽電池特性において
も同様に見られた。
【0032】さらに、窓層の屈折率特性に関しては、試
料1〜6において、波長1000nmでの屈折率は何れ
も2.40以上、試料7〜11では2.40未満の値を
示していることが特徴的である。このことは、上記の太
陽電池特性において見られた傾向と波長1000nmに
おける窓層の屈折率との間に明瞭な相関関係があること
を示している。また、各試料の吸収端波長は、何れも4
80〜508nmの範囲にあり、各々の試料の吸収端波
長における屈折率は2.80〜2.90の範囲の値を示
しているが、これらの値の試料間の差と上記太陽電池特
性との相関関係は必ずしも認められなかった。窓層の吸
収端以下の波長領域では、屈折率が減少した後、400
nm近辺では、急激に屈折率が増大し、場合によっては
吸収端波長における屈折率ピーク値を越える値も観測さ
れた。しかし、この値と太陽電池特性の相関関係も認め
られなかった。
【0033】表1に示した各試料の波長1000nmに
おける屈折率と短絡電流密度とをプロットした相関図を
図4に示した。図5には前記屈折率と変換効率とをプロ
ットした相関図を示した。図4および図5から、短絡電
流密度および変換効率は、波長1000nmにおける屈
折率が大きくなるにつれて増大する傾向にあり、特に
2.40近辺からの増大傾向が大きく、2.40以上の
場合と2.40未満の場合とでは明瞭な差が観測され
る。
【0034】以上の実施例により、実測された各試料固
有の吸収端波長から1000nmの入射光波長範囲にお
いて、屈折率が2.40〜2.90の値を示す窓層を用
いることにより良好な特性を備えた太陽電池を得ること
ができることが明らかになった。このことは、CdS/
CdTe系太陽電池に限らず、これと同じ光電変換層
(CdTe膜)を備えた他の太陽電池、例えば、窓層用
半導体として、ZnS,ZnSe,ZnO,CdSe,
CdOなどのCdS以外の化合物半導体膜を用いた太陽
電池においても同様であることは明らかである。
【0035】また、本実施例の結果から、CdS/Cd
Te系太陽電池用窓層を評価する場合には、吸収端波長
(500nm近辺)以下で、しかも前記屈折率が急激に
増大しない範囲の波長を評価の際の下限波長とすること
もでき、450nm〜1000nmの入射光範囲におけ
る屈折率が2.40〜2.90の値を示すものを良好な
窓層と評価することもできる。なお、本実施例では、窓
層を形成したガラス製の透光性基板を試料として用いて
窓層の屈折率を測定した。この際、透光性基板の屈折率
は真空の屈折率(1.0)にほぼ近く、窓層の屈折率と
大きく異なるので、透光性基板の有無は測定された窓層
の屈折率に殆ど影響を与えない。このことは、測定した
窓層の屈折率値に対する透光性基板による影響を補正し
た値と補正しない値の双方を求めることによっても確認
された。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明を太陽電池の製造
工程管理に適用することにより、窓層を形成した段階
で、窓層の特性を適切に評価することができる。これに
より、窓層の品質管理を的確に行うことができ、製造工
程の初期段階で事前に太陽電池の特性を予見できる。そ
の結果、CdS/CdTeなどのCdTe系各種太陽電
池をはじめ、各種の高性能・高品質化合物半導体太陽電
池を歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるCdS/CdTe系太
陽電池の模式断面図である。
【図2】本発明の実施例における窓層の屈折率の測定方
法を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例における窓層の波長変化に対応
する屈折率のスペクトル図である。
【図4】本発明の実施例における波長1000nmにお
ける窓層の屈折率と太陽電池の短絡電流密度との相関関
係を示す図である。
【図5】本発明の実施例における波長1000nmにお
ける窓層の屈折率と太陽電池の変換効率との相関関係を
示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明導電膜 3 CdS膜 4 CdTe膜 5 カーボン膜 6 Ag電極 7 AgIn電極 8 窓層 9 光源 10 分光器 11 検出器
フロントページの続き (72)発明者 辻 美輪 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA09 FA02 GA03 HA19 HA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種化合物半導体膜によるヘテロ接合に
    より形成された光電変換層と窓層を備えた太陽電池の前
    記窓層の評価方法であって、前記窓層への入射光波長に
    対応する屈折率のスペクトルを測定し、前記スペクトル
    から求めた特定入射光波長範囲における前記窓層の前記
    屈折率の値により、前記窓層の適性を評価することを特
    徴とする太陽電池用窓層の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記スペクトルを測定し、前記屈折率の
    値を求める方法が楕円偏光解析法である請求項1に記載
    の太陽電池用窓層の評価方法。
  3. 【請求項3】 光電変換層がテルル化カドミウム膜から
    なる前記太陽電池の前記窓層の評価方法であって、前記
    特定入射光波長範囲を、前記窓層の吸収端波長〜100
    0nmとした場合に、2.40〜2.90の範囲の前記
    屈折率値を示すものを良好な窓層として評価する請求項
    1または2に記載の太陽電池用窓層の評価方法。
  4. 【請求項4】 光電変換層がテルル化カドミウム膜から
    なり、前記窓層が硫化カドミウム膜および透明導電膜か
    らなる前記太陽電池の前記窓層の評価方法であって、前
    記特定入射光波長範囲を450nm〜1000nmとし
    た場合に、2.40〜2.90の範囲の前記屈折率値を
    示すものを良好な窓層として評価する請求項1または2
    に記載の太陽電池用窓層の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011155225A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 太陽電池評価装置および太陽電池評価方法

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JP2011155225A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 太陽電池評価装置および太陽電池評価方法

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