JP2001105946A - チャイルドシートの座席への固定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在のチャイルドシートの取付け方法による
ときは、３点式、２点式の固定方法では、丸みのあるチ
ャイルドシートを１本の安全ベルトで固定しているだけ
であるから、万一の事故時の背もたれ部が前にのめり反
動で後方に大きく揺れるので、幼児は非常に危険であ
る。又左右からの力や、追突を考えると一層危険である
ので、安全対策が必要である。 【解決手段】 自動車の座席の背もたれ部の左右上端、
腰掛け前部及び後部の左右両側に、安全ベルトの固定点
を設け、かつチャイルドシートの背もたれ部の左右上
端、腰掛け前部及び後部の左右両側に、安全ベルトの係
止固定点を設け、チャイルドシートを同方向に設定した
ときは横方向に３本の安全ベルトで固定し、向き合って
設定したときには横方向に２本の安全ベルトで固定する
ようにした固定方法で、自動車の座席とチャイルドシー
トとを一体化することにより安全を確保することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車の座席に装着
して、座席に同乗させた幼児が急ブレーキや衝突の際
に、障害を発生するのを防止するようなチャイルドシー
トの固定方法及びこの方法を実現するためのチャイルド
シート及び座席の固定点の設定構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】チャイルドシートは、年齢１〜３才の幼
児の自動車用部品で、交通事故あるいは急ブレーキを踏
んだ際に、幼児を障害から保護するために設けられるも
のである。このチャイルドシートを用いても誤装着等に
より依然として事故発生のおそれが報じられている。と
ころで、現在、装着方法としては、大別すると３点式と
２点式の２種類がある。３点式の場合を図８で説明すれ
ば、座席ＡとチャイルドシートＢを同方向に置いて取付
ける場合、座席の両膝の両側に当たる箇所に固定点２
ａ，２ｂを設け、車体の肩の箇所のＥＬＰの３点を固定
点とし、この間にベルトを点線のように通すことにより
固定する。すなわち、図示の例では、ＥＬＰより引き出
されたベルト３は、チャイルドシートＢの背もたれ部の
背面を通って、反対側の座席の後端の固定点２ｂに固定
し、チャイルドシートの座席部の後端内部を通り、座席
の後端の固定点２ａに固定される。ベルトの先端にはタ
ングを設け、固定点のバックルに差し込んで固定したり
ベルトクリップを通してベルトを締めつけるようにする
ことは公知の方法であり、図では省略してある。又２点
式は、図９に示すように、肩の上のＥＬＰと、座席平面
部の奥の両端に固定点２ａ，２ｂを設ける点は３点式と
同様であるが、ベルト３をＥＬＰより真っ直ぐ下ろされ
る側に固定点２ａとしてタングを設け、同時に固定点２
ｃとしてベルトクリップを近接して設け、他の固定点２
ｂとの間をチャイルドシート内を通して往復させるよう
にし、座席の奥の部分を２つのラインにて固定する方法
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記のような３点式、
又は２点式のいずれも自動車にセットされているシート
ベルト（安全ベルト）を用いているだけであるから、完
全に安全な固定をしているとは言えなかった。何故なら
ば、チャイルドシートは全体に座椅子部と背面部（背も
たれ部）とを丸みを持たせて成形したプラスティックを
基体としているので、これを一本のベルトで固定点間を
装着して固定しているのであるから、前面、横面、後方
に衝突、急ブレーキ、接触、横転、追突等の強い力が加
わると、下記のような問題があることが考えられる。

【０００４】すなわち、前面からの力に対して、座席の
平面の部分には、クッションが付いているので、チャイ
ルドシートの背もたれ部分が前のめりになり、そして反
動で後方に大きく揺れるので、乗せられている幼児の揺
れがこの揺れに対応する結果非常に危険に曝されること
になる。

【０００５】又、横方向から力が加わる場合は、チャイ
ルドシートが装着されているシートが横すべりして移動
し、乗せられている幼児が左右に大きく揺さぶられる可
能性があり、これ又危険性が大きい。

【０００６】更に追突の場合等、後方から力が加わる
と、チャイルドシートの前の部分が、後方に撥ね上が
り、不安定であり、これに乗せられている幼児が浮き上
がる可能性がある。

【０００７】更に又、車が万一横転した場合を考える
と、車の座席からチャイルドシートが外れる危険性があ
り、これに乗せられている幼児が放り出される可能性が
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、自動
車の座席の背もたれ部の左右上端と、腰掛け部の後部の
左右両側、及び腰掛け前部の左右両側に安全ベルトの固
定点を設け、且つ又、チャイルドシートの背もたれ部の
左右上端、腰掛け部の後部の左右両側及び腰掛け前部の
左右両側に、安全ベルトの係止固定点を設け、チャイル
ドシートを自動車の座席の方向と同一方向に配置したと
きには、３条の安全ベルトの端部をそれぞれ自動車の座
席の前記の対応する左右の固定点に固定し、中間はチャ
イルドシートを抑えるように張って対応する係止固定点
を経由して取付けるようにし、チャイルドシートを自動
車の座席の方向と向き合わせ方向に配置したときには、
腰掛け部の２条の安全ベルトの端部を自動車の座席の前
記の対応する左右の固定点に固定し、中間はチャイルド
シートを抑えるように張って対応する係止固定点を経由
して取付けるようにしたことを特徴とするチャイルドシ
ートの座席への固定方法である。

【０００９】又、請求項２の発明は、自動車の座席が、
背もたれ部と平面状座席部とを一体にした上部シート
と、平面状座席部の下部に別の座席支持シートを設けた
リクラインシートよりなり、上部シートの背もたれ部の
左右上端、座席支持シートの後部の左右両側及び前部の
左右両側に、安全ベルトの固定点を設けたことを特徴と
する請求項１に記載のチャイルドシートの座席への固定
方法であり、請求項３の発明は、安全ベルトの固定点が
バックルであり、安全ベルトの係止固定点がクリップで
あり、安全ベルトの両端にはタングを付してなることを
特徴とする請求項１又は２記載のチャイルドシートの座
席への固定方法である。

【００１０】本発明は上記のように、車の座席とチャイ
ルドシートの全てに安全ベルトの固定点を６か箇所、従
って、自動車の座席とチャイルドシートが同方向の場合
は、３本の安全ベルトを用い、向き合う方向の場合は車
とチャイルドシートの両座席部の２本の安全ベルトを用
いてチャイルドシートを車の座席に緊縛して保持する構
造であるから、極めて安全性が高くなり、従来の技術の
問題点を解決するものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施例ついて図示説
明する。図１はチャイルドシートを乗せる車の座席Ａの
斜視説明図で、その背もたれ部１１の最上部の固定点１
１ａ，１１ｂ、平面状座席部１２の奥部の固定点１２
ａ，１２ｂ及び前部の固定点１３ａ，１３ｂの３箇所の
両側計６点に安全ベルトの固定点を設けてある。

【００１２】図２は通常のチャイルドシートの座席Ｂの
斜視説明図で、その背もたれ部２１の最上部の係止固定
点２１ａ，２１ｂ、平面状座席部２２の奥部の係止固定
点２２ａ，２２ｂ及び前部の係止固定点２３ａ，２３ｂ
の３箇所の両側計６点に安全ベルトの係止固定点を設け
てある。

【００１３】図３は上記の座席ＡにチャイルドシートＢ
を同方向に載せた場合の斜視説明図で、車の座席Ａの固
定点である１１ａから、チャイルドシートＢの係止固定
点である２１ａ，２１ｂを経て車の座席Ａの固定点であ
る１１ｂに安全ベルト３を取り付ける。又車の座席Ａの
固定点である１２ａから、チャイルドシートＢの係止固
定点である２２ａ，２２ｂを経て車の座席Ａの固定点で
ある１２ｂに安全ベルトを取り付け、更に車の座席Ａの
固定点である１３ａから、チャイルドシートＢの係止固
定点である２３ａ，２３ｂを経て車の座席Ａの固定点で
ある１３ｂに安全ベルト３を取り付ける。この場合、図
ではチャイルドシートＢの上面側に安全ベルト３を取付
けたものが示されれているが、チャイルドシートＢの内
部を通すようにしてもよいことは勿論である。

【００１４】図４は車の座席Ａがリクラインシートであ
る場合の斜視図で、自動車の座席が、背もたれ部と平面
状座席部とを一体にした上部シートＣ１ と、平面状座
席部の下部に別の座席支持シートＣ２ を設けたリクラ
インシートよりなり、上部シートＣ１ の背もたれ部の
左右上端、座席支持シートＣ２ の後部の左右両側及び
前部の左右両側に、図示のように安全ベルト３の固定点
３１ａ，３１ｂ、３２ａ，３２ｂ、３３ａ，３３ｂを設
ける。

【００１５】図５は図４のリクラインシートにチャイル
ドシートＢを同方向に載せた場合の斜視説明図で、車の
座席Ａの上部シートＣ１ に設けた固定点である３１ａ
から、チャイルドシートＢの係止固定点である２１ａ，
２１ｂを経て車の座席Ａの固定点である３１ｂに安全ベ
ルト３を取り付ける。又車の座席Ａの座席支持シートＣ
２ の固定点である３２ａから、チャイルドシートＢの
係止固定点である２２ａ，２２ｂを経て車の座席支持シ
ートＣ２ の固定点である３２ｂに安全ベルト３を取り
付け、更に車の座席Ａの座席支持シートＣ２ の固定点
である３３ａから、チャイルドシートＢの係止固定点で
ある２３ａ，２３ｂを経て車の座席Ａの座席支持シート
Ｃ２ の固定点である３３ｂに安全ベルト３を取り付け
る。この場合、図ではチャイルドシートＢの上面側に安
全ベルト３を取付けたものが示されているが、チャイル
ドシートＢの内部を通すようにしてもよいことは勿論で
ある。

【００１６】図６は、図１の座席Ａにチャイルドシート
Ｂを向かい合わせに載せた場合の斜視説明図で、車の座
席Ａの固定点である１１ａ、１１ｂは安全ベルトをつけ
なくて良い。車の座席Ａの固定点である１２ａから、チ
ャイルドシートＢの係止固定点である２２ｂ，２２ａを
経て車の座席Ａの固定点である１２ｂに安全ベルト３を
取り付け、更に車の座席Ａの固定点である１３ａから、
チャイルドシートＢの係止固定点である２３ｂ，２３ａ
を経て車の座席Ａの固定点である１３ｂに安全ベルト３
を取り付ける。この場合、図ではチャイルドシートＢの
表面側を安全ベルト３を通して取付けたものが示されれ
ているが、チャイルドシートＢの内部を通すようにして
もよいことは勿論である。

【００１７】なお、本発明で用いられる安全ベルトの固
定点や係止固定点及び安全ベルト等について図７を参照
しながら説明すれば、固定点と安全ベルトは離隔状態の
斜視図で示してあるが、安全ベルト１０１の端部にはタ
ング１０２を付してある。座席の固定点はタング１０２
の挿入されるバックル１０３とすることにより容易にタ
ングを着脱することができる。なお、チャイルドシート
の係止固定点はクリップ１０４で形成され、安全ベルト
１０１を通して緩みなく緊張状態で固定することができ
る。この場合安全ベルトには自由に長さを定め得るクリ
ップを別に中間に設けてもよいことは明らかである。

【００１８】

【発明の効果】以上のように車の座席とチャイルドシー
トとはそれぞれ６点の固定点があり、これを互いに左右
反対側と横直線状に安全ベルトで結合しているので、車
に前後左右如何なる力が加わっても両者は一体のものと
して機能するので、チャイルドシートの把握保持が不十
分な従来技術の有する欠陥を皆無とするとができる。勿
論従来の２点式、もしくは３点式の固定と組合わせて実
施することは何ら問題が無く寧ろ歓迎される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明で用いられる車の座席の固定点を設けた
斜視図。

【図２】本発明で用いられるチャイルドシートの係止固
定点を設けた斜視図。

【図３】図１と図２とを同方向に組合わせた場合の斜視
図。

【図４】本発明で用いられる車の座席がリクラインシー
トの場合の斜視図。

【図５】図２と図４とを組合わせた場合の斜視図。

【図６】図１の座席と図２のチャイルドシートを向き合
わせた場合の斜視図

【図７】本発明で用いられる安全ベルトの固定状態の説
明図

【図８】従来の３点式固定方法の斜視図

【図９】従来の２点式固定方法の斜視図

【符号の説明】

Ａ 車の座席 Ｂ チャイルドシート Ｃ１ リクラインシートの上部 Ｃ２ リクラインシートの支持部 ２ａ，２ｂ，２ｃ 固定点 ３ 安全ベルト １１ 座席の背もたれ部 １１ａ，１１ｂ 上部固定点 １２ 平面状座席部 １２ａ，１２ｂ 平面状座席部の後部固定点 １３ａ，１３ｂ 平面状座席部の前部固定点 ２１ チャイルドシートの背もたれ部 ２１ａ，２１ｂ 最上部の係止固定点 ２２ 平面状座席部 ２２ａ，２２ｂ 平面状座席部の後部の係止固定点 ２３ａ，２３ｂ 平面状座席部の前部の係止固定点 ３１ａ，３１ｂ 最上部の固定点 ３２ 平面状座席部 ３２ａ，３２ｂ 平面状座席部の後部の固定点 ３３ａ，３３ｂ 平面状座席部の前部固定点 ２ａ，２ｂ，２ｃ 固定点 １０１ 安全ベルト １０２ タング １０３ バックル １０４ クリップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の座席の背もたれ部の左右上端
   と、腰掛け部の後部の左右両側、及び腰掛け前部の左右
   両側に安全ベルトの固定点を設け、且つ又、チャイルド
   シートの背もたれ部の左右上端、腰掛け部の後部の左右
   両側及び腰掛け前部の左右両側に、安全ベルトの係止固
   定点を設け、チャイルドシートを自動車の座席の方向と
   同一方向に配置したときには、３条の安全ベルトの端部
   をそれぞれ自動車の座席の前記の対応する左右の固定点
   に固定し、中間はチャイルドシートを抑えるように張っ
   て対応する係止固定点を経由して取付けるようにし、チ
   ャイルドシートを自動車の座席の方向と向き合わせ方向
   に配置したときには、腰掛け部の２条の安全ベルトの端
   部を自動車の座席の前記の対応する左右の固定点に固定
   し、中間はチャイルドシートを抑えるように張って対応
   する係止固定点を経由して取付けるようにしたことを特
   徴とするチャイルドシートの座席への固定方法。
2. 【請求項２】 自動車の座席が、背もたれ部と平面状座
   席部とを一体にした上部シートと、平面状座席部の下部
   に別の座席支持シートを設けたリクラインシートよりな
   り、上部シートの背もたれ部の左右上端、座席支持シー
   トの後部の左右両側及び前部の左右両側に、安全ベルト
   の固定点を設けたことを特徴とする請求項１に記載のチ
   ャイルドシートの座席への固定方法。
3. 【請求項３】 安全ベルトの固定点がバックルであり、
   安全ベルトの係止固定点がクリップであり、安全ベルト
   の両端にはタングを付してなることを特徴とする請求項
   １又は２記載のチャイルドシートの座席への固定方法。