JP2001105146A - 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置 - Google Patents

溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置

Info

Publication number
JP2001105146A
JP2001105146A JP28277699A JP28277699A JP2001105146A JP 2001105146 A JP2001105146 A JP 2001105146A JP 28277699 A JP28277699 A JP 28277699A JP 28277699 A JP28277699 A JP 28277699A JP 2001105146 A JP2001105146 A JP 2001105146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
light
fume
shielding surface
light shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28277699A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Yazawa
文明 矢澤
Seiji Sugiyama
清治 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP28277699A priority Critical patent/JP2001105146A/ja
Publication of JP2001105146A publication Critical patent/JP2001105146A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ventilation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接時に発生する有害な流体であるヒューム
を正確に所定の方向へ排除するために、作業者が扱い易
いヒューム除去装置を提供する。 【解決手段】 公知のものと同様な構造の、遮光ガラス
3と把手4等の支持手段とを備えている溶接用の遮光面
1の前面の左右に、内部に空気室を形成する箱形のカバ
ー8を取り付けて、それに例えばL形の空気吹き出し口
7を形成し、圧縮空気源からエアホース30とエアバル
ブ及び消音器を介してカバー8内へ圧縮空気を導入す
る。従って、空気流が消音された状態で溶接箇所の近傍
に向かって流出し、ヒュームを前方へ吹き払うと共に、
左右から空気流によって挟んで拡散するのを防ぎ、キャ
ノピー形フードが設けられている場合には、そのフード
の方向へ正確に導くので、ヒュームが溶接箇所24から
作業者の方へ流れて遮光面内へ回り込み、作業者がそれ
を吸い込むのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接作業に用いら
れる防護用の遮光面(防護マスク)に対して一体的に取
り付けられるヒューム除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気溶接やガス溶接等の溶接作業におい
ては高温となる溶接箇所から強い光線や火花が発生する
ので、作業者の眼や顔面の皮膚を保護するために、作業
者自身が手に持って自分の顔面及び頭部の一部を覆う
か、或いは頭部にかぶることによって顔面を覆うことが
できるような形状を有し、不透明な耐熱材料から製作さ
れた所謂「遮光面」が従来から広く用いられている。作
業者は溶接箇所を監視する必要があるから、この遮光面
には光線の大部分を吸収或いは反射して作業者の眼を保
護する半透明の遮光ガラスを嵌め込んだ窓が設けられて
おり、作業者はその遮光ガラスを透して溶接箇所を見な
がら溶接作業を行う。このようにして遮光面は有害な火
花と強い光線を確実に遮断して作業者を保護することが
できる。
【0003】しかしながら、溶接作業の際には火花と強
い光線だけではなく「ヒューム」と呼ばれている有害な
ガスや微粒子の混合物も発生する。ヒュームが呼吸によ
って人体に吸い込まれると健康を害する恐れがあるの
で、溶接作業を通気のよい屋外で行うか、或いは屋内で
行う場合には、溶接作業の作業現場からヒュームが他へ
拡散するのを防止するために、一般的には図12に示す
ように、作業現場の上部を覆うキャノピー(天蓋)形の
フード40と、それに接続された吸引式の送風機41等
からなる集塵機を接続し、定盤44上のワーク45にお
ける溶接箇所38から上方へ立ちのぼるヒューム39
を、送風機41が発生する負圧によって作業現場周辺の
空気と共にキャノピー形のフード40によって集めて吸
い上げ、ダクト42によって図示しないフィルタへ導く
ことにより、ヒューム39に含まれている有害なガス成
分や微粒子を濾過・分離して除去して、浄化された空気
のみを大気中へ放出する。場合によっては、集めたヒュ
ーム39に多量の清浄な空気を混合して殆ど無害化した
ものを大気中へ放出することもある。
【0004】このようなキャノピー形フード40と送風
機41等からなる集塵機は、送風機41の強力な吸引力
によって作業現場から上方へ上昇する空気の流れを形成
することにより、溶接箇所38から立ちのぼるヒューム
39をその空気の流れに乗せて除去するものであるか
ら、作業現場全体の空気に含まれる平均的なヒュームの
濃度を問題のない程度まで低減させることはできるもの
の、作業者43は溶接箇所38のすぐ上部へ顔を近付け
て作業をすることが多いので、図13に示すように、溶
接箇所38から立ちのぼるヒューム39が遮光面46の
左右、又は下側より作業者43の口元へ流れ込んで、作
業者43がヒューム39を呼吸と共に吸い込む可能性は
依然として残っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような諸問題に対処して、作業者が取り扱
い易く、比較的に構成が簡単で安価な手段によって溶接
箇所から発生するヒュームを確実に除去し、作業者がヒ
ュームを吸い込むことがないようにすると共に、自由な
溶接作業を妨げることがないような、溶接用の遮光面に
取り付け得る改良されたヒュームの除去装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のヒューム除去装
置においては、耐熱性の不透明材料からなり、溶接作業
の作業者の少なくとも顔面を覆う形状を有すると共に、
把手や帽子形等の支持手段と、前面の遮光ガラスとを備
えている従来の遮光面と同様な構造に対して、溶接箇所
の近傍に向かって空気を吹き出すことができる複数個の
空気吹き出し口が付設される。そして、この空気吹き出
し口へ圧縮空気を供給するための空気通路の途中に消音
器とエアバルブが設けられ、更に、この空気通路の一部
であって遮光面と圧縮空気源を接続する部分に柔軟なエ
アホースが使用される。
【0007】本発明においては、遮光面に複数個設けら
れる空気吹き出し口のうちの少なくとも1つを、遮光面
に取り付けられて空気通路の一部を構成する箱形のカバ
ーに形成することができる。また、空気吹き出し口の少
なくとも1つは、遮光ガラスの左右側に形成された実質
的に縦方向のスリット、或いは遮光ガラスよりも下部に
形成された実質的に横方向のスリットとして形成するこ
とができる。更に、空気吹き出し口の周囲の少なくとも
一部に、そこから吹き出される空気の流れを案内するル
ーバーを設けることができ、この場合において、空気の
吹き出し方向を変化させるためにルーバーの傾きを調整
可能とすることができる。また、遮光面の支持手段を中
空の把手として、その把手の内部に空気通路の一部を形
成してもよい。更に、少なくとも1個のエアバルブを、
空気吹き出し口に通じる空気通路のうちでも遮光面の領
域に属する部分に設けるのが好適である。
【0008】
【作用】本発明のヒューム除去装置においては、従来の
ものと同様な構造の遮光面に複数個の空気吹き出し口が
付設され、この空気吹き出し口へ圧縮空気を供給し、溶
接箇所の近傍に向かって空気を吹き出すことにより、溶
接箇所から立ちのぼるヒュームを吹き払い、キャノピー
形フードを有する集塵機が設けられている作業現場で
は、ヒュームを確実にフードの方へ導いて、ヒュームが
作業現場の周辺へ拡散するのを防止することができる。
従って、ヒュームが作業者の方へ流れて遮光面の中へ回
り込み、作業者がヒュームを吸い込むのを防止すること
ができる。
【0009】特に、空気吹き出し口へ圧縮空気を供給す
る空気通路の途中に消音器とエアバルブが設けられるの
で、圧縮空気が減圧されて吹き出すときに発生する騒音
を軽減することができ、作業者の作業に騒音による障害
を与える恐れがない。更に、遮光面と圧縮空気源を接続
する空気通路に柔軟なエアホースを使用するので、作業
者がエアホースを引きずって作業をする場合に、エアホ
ースから受ける曲げ力や張力等が小さくなるので、それ
らの力が作業の障害にならない。
【0010】空気吹き出し口を遮光面に取り付けられた
箱形のカバーに設けると、空気吹き出し口の形成が容易
になるし、内部に消音器を設ける場合には、溶接によっ
て発生する火花から消音器を保護することができる。ま
た、空気吹き出し口を遮光ガラスの左右側に縦方向のス
リットとして形成すると、溶接箇所から発生するヒュー
ムが左右に拡散するのを防止することができる。空気吹
き出し口を遮光ガラスの下部に横方向のスリットとして
形成すると、ヒュームが作業者の方へ流れるのを防止す
ることができる。それらによってヒュームの流れに方向
を与えて、例えばキャノピー形フードの方へ正確に導く
ことが可能になり、ヒュームを効率良く排除することが
できる。更に、空気吹き出し口の周囲の一部にでもにル
ーバーを設けると、吹き出される空気の流れに方向を与
えて、ヒュームをルーバーの方向に導くことができるの
で、ルーバーの傾きを調整可能とする場合には、吹き出
す空気の流れ、従ってヒュームを任意の方向へ導くこと
ができる。
【0011】また、遮光面の支持手段を中空の把手とし
て、その把手の内部に空気通路の一部を形成すると、作
業者が把手を掴む時に空気通路が邪魔にならないので遮
光面の支持が容易になるだけでなく、把手の内部に空気
通路の一部となるエアホースを通した場合には、その部
分のエアホースが溶接箇所から発生する火花によって焼
損することが避けられる。更に、エアバルブを空気通路
のうちでも遮光面の領域内に設けると、作業者は移動し
なくてもエアバルブを操作することができるので、吹き
出す空気流の強さ及び断続を容易に制御することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例におけ
る遮光面1の外観を示すもので、この遮光面1において
も従来の遮光面と同様に、前面2の窓には溶接箇所から
発生する有害な強い光線の大部分を吸収或いは反射して
作業者の眼を保護する半透明の遮光ガラス3が嵌められ
ており、前面2の下部には作業者が手で支持する把手4
が取り付けられている。5及び6は前面2の上下に接続
して取り付けられた上面と下面である。また、これらの
前面2、上面5、下面6、及び把手4には、軽くて不透
明な一重或いは多重の薄板状耐熱性材料が使用される。
なお、第1実施例の遮光面1においては、把手4に角形
の中空パイプが使用されている。遮光面1の前面2には
複数個の空気吹き出し口7が設けられる。それぞれの空
気吹き出し口7はL形のスリットを形成しており、左右
一対の中空箱形のカバー8の前面に開口している。左右
のカバー8は、遮光面1の前面2にリベット又はビスに
よって横方向に取り付けられた共通の中空のベース9の
両端側の上部に、やはりリベット又はビスのような手段
によって固定されている。
【0013】この構造を図2から図7を用いて更に詳細
に説明する。図2は遮光面1を前面側から見た正面図、
図3はその一側から見た側面図、図4は同じく上側から
見た平面図である。更にその細部を示すものとして、図
5はカバー8を上側から見た平面図、図6は中空ベース
9の斜視図、図7はやはりカバー8の斜視図である。
【0014】図6から明らかなように、ベース9はアル
ミニウムの薄板のような材料からプレス成形された中空
横長の箱形のもので、平坦な上面10と、図示しないリ
ベット又はビスのような手段によって遮光面1の前面2
に取り付けられる曲面状の背面11と、平坦な前面12
と、この前面12から後方へ折れ曲がって端縁が遮光面
1の前面2に接触している左右一対の斜めの下面13等
を有する。左右の下面13の間の中央部分から垂下して
いる舌片14は、把手4の前面にビス等によって取り付
けられる。上面10の左右には後述する消音器を取り付
けるための開口15が設けられている。
【0015】前述のように、中空ベース9の左右の端部
には箱形のカバー8が載置されて、リベット又はビス等
によって取り付けられている。それぞれのカバー8は図
7に示すような構造を有する。即ち、第1実施例のカバ
ー8は、所定の形状に打ち抜いたアルミニウムの薄板の
ような材料を折り曲げる共に、それを丸めてL形の空気
吹き出し口7の縦方向部分7aを残す縦方向の筒状壁1
6を形成し、その上部開口を塞ぐように、補強材を兼ね
た蓋板17をリベット或いはビスによって取り付けたも
のである。カバー8にはその前面となる部分の下方寄り
に予めL形の空気吹き出し口7の横方向部分7bとなる
部分がスリット状の開口として形成されており、その開
口を切り開く際に開口の上下の縁部を折り曲げて横方向
のルーバー18,19が形成されている。また、前述の
ようにL形の空気吹き出し口7の縦方向部分7aを形成
する際にも、筒状壁16の両端縁として縦方向のルーバ
ー20,21が形成されるように設定する。
【0016】一対の箱形のカバー8は中空ベース9の左
右の上面10に載せてリベット又はビス等によって固定
するが、第1実施例においては、箱形のカバー8の前面
下部に垂下壁22が形成されており、それにリベット或
いはビスを挿通するための孔23が例えば図示のような
位置に設けられているので、中空ベース9に対するカバ
ー8の座りが良く、それらを少数のリベット又はビス2
4によってベース9上に確実に固定することができる。
なお、このようにカバー8が、遮光面1に固定された中
空ベース9の左右の上部に取り付けられた状態におい
て、L形の空気吹き出し口7の縦方向部分7aが遮光ガ
ラス3の左右に位置すると共に、横方向部分7bが遮光
ガラス3の下部に位置するように設定されている。
【0017】箱形のカバー8内に形成された空間25に
は圧縮空気が流出するときの騒音を抑制するための消音
器26が設けられる。ここに言う消音器26とは、例え
ばエアドライバーによって代表されるような圧縮空気を
利用して回転駆動されるエアツールにおいて、従来から
よく使用されているものと同様な構造のものであって、
合成樹脂製の構成部分が多いが、このようにカバー8内
に設けることにより、溶接箇所から飛散する火花によっ
て焼損することが避けられる。
【0018】エアツールにおいては、エアモータを通過
した後の圧縮空気(排気)を大気中へ放出するための排
気口において騒音が発生するので、その騒音を低減させ
るために小型の簡単な消音器が取り付けられるのが普通
である。この消音器は、例えば、硬質の合成樹脂等の連
続気泡を有する発泡体を主体とし、この発泡体を先の閉
じた円筒形に成形したものを排気口に被せて用いる。こ
の消音器を用いると圧縮空気(排気)は発泡体の内部で
無数の微小な流れに分割され、或いは再び合流しながら
流れる間に減速、減圧されて発泡体の全周から大気中へ
流出し、その間に微小な流れが相互に干渉するので、圧
縮空気がノズル等から集中的に流出する際に発生するよ
うな周波数の高い騒音がかなり抑制される。同様な消音
器として、圧縮空気を使用する空圧制御装置の排気口に
用いるものも知られており、それを第1実施例の消音器
26として利用することもできる。
【0019】第1実施例の場合、消音器26は箱形のカ
バー8内の空間25において、図6に示すような中空ベ
ース9の上面10に形成された左右の開口15に取り付
けられる。そして、左右のカバー8内に設けられた各消
音器26の内部は、それぞれの開口15に挿通されて消
音器26に螺着されるユニオン(エルボ)31と、遮光
面1の前面2に設けられた開口33(図4参照)を通過
して中空ベース9の内部へ延びている短いエアホース2
7とを介して、3ウエイユニオン28の2つの分岐口へ
接続されている。分岐する前の3ウエイユニオン28の
基部は直接に、或いは短いエアホースを介してエアバル
ブ29に接続されており、図示しないコンプレッサのよ
うな圧縮空気源に接続している細くて長く軽くて可撓性
に富むエアホース30が、角形の中空パイプからなる把
手4の内部を通過してエアバルブ29に連結されてい
る。
【0020】ユニオン28,31は硬質の合成樹脂製品
であり、エアホース27,30は軟質の合成樹脂製品或
いはゴム製品であるから、溶接箇所から飛散する火花に
よって焼損する恐れがあるが、このように、ユニオン2
8,31やエアホース27をアルミニウム板等からなる
中空ベース9の内部に設けると共に、長いエアホース3
0のうちで溶接箇所に近い部分を耐熱性材料からなるパ
イプ状の把手4の内部を通して保護することによって、
それらの焼損を防止することがきる。
【0021】なお、図3に示す32はエアバルブ29を
操作するためのレバー、34は箱形のカバー8を、それ
に一体化されたステイ35のようなものを介して遮光面
1の前面2に取り付けるためのリベット又はビスであ
る。更に、レバー32を備えているエアバルブ29を遮
光面1の内部に設ける必要はないので、遮光面1の下面
6の下部に露出させて把手4に取り付けてもよい。
【0022】第1実施例の遮光面1はこのような構造を
有するので、図示しない圧縮空気源からエアホース30
を通じて圧縮空気が供給されているときに、作業者がレ
バー32を操作してエアバルブ29を開弁させると、圧
縮空気が3ウエイユニオン28によって分流して短いエ
アホース27とユニオン31を経て消音器26内へ流入
し、発泡体によって消音されて比較的静かに箱形のカバ
ー8の空間25内へ流出する。そして、空間25内で圧
力が高められたのちにL形の空気吹き出し口7から遮光
面1の前方の外部へ噴出する。このときの吹き出し方向
は、L形の空気吹き出し口7の縁部に設けられている横
方向のルーバー18,19や縦方向のルーバー20,2
1を、図5の(b)や(c)に示したように適当に曲げ
ることによって自由に調整することができる。
【0023】図8に示すように、作業者が片手にもって
いる溶接トーチ36から自動的に繰り出される溶接棒3
7の先端が溶接箇所38になるが、遮光面1に取り付け
られた一対のカバー8のL形の空気吹き出し口7のうち
でも横方向部分7bから吹き出す空気流を、溶接箇所3
8の上方の最適距離d(通常100mm前後)だけ離れ
た位置47を狙って放出することによって、溶接箇所3
8から発生するヒューム39を前方へ吹き払って遮光面
1の周辺へ立ちのぼるのを防止すると共に、空気吹き出
し口7のうちの縦方向部分7aから吹き出す左右の空気
流の間にヒューム39を挟んで左右に拡散しないように
しながら、作業現場の上方に通常設けられているキャノ
ピー形フード40(図12参照)の方へ導き、フード4
0内へ効率よく吸い込まれるようにする。それによって
ヒューム39が作業者の口元へ流れるのを確実に防止す
ることができる。
【0024】なお、遮光面1のカバー8に設けられたL
形の空気吹き出し口7から吹き出す空気流の指向する最
適位置47を、溶接箇所38の上方約100mmの距離
dとしているのは、空気流を直接に溶接箇所38に衝突
させると、溶接トーチ36の先端から溶接棒37の周囲
へ流出する溶接用のシールドガス(不活性ガス)が吹き
飛ばされて溶接欠陥を発生する恐れがあるためである。
L形の空気吹き出し口7から吹き出す空気流があまり強
いと、やはり溶接箇所38からシールドガスが吹き飛ば
される恐れがあるので、レバー32によってエアバルブ
29を調整して空気流の流量を適当に減少させることも
できる。このように、エアバルブ29は遮光面1から放
出される空気の流量を作業者が容易に調整したり遮断す
ることができるが、多少の不便を忍ぶならば、同様な目
的のエアバルブを圧縮空気源の側に設けることも可能で
あることは言うまでもない。
【0025】しかしながら、図9に示すように、ワーク
45の一部や、その他の物体が溶接箇所38の前方にお
いてヒューム39の流れを妨げる障害物48を形成して
いる場合には、図8と同様な仕様では、ヒューム39を
含む空気流が障害物48に衝突して遮光面1の方へ戻っ
て来る逆流49を生じる。逆流49が生じるとその一部
が遮光面1の内部へ回り込んで作業者に吸い込まれる恐
れがあるので、それを避けるためには、箱形のカバー8
に設けられた横方向のルーバー18,19を調節して、
L形の空気吹き出し口7の横方向部分7bから流出する
空気流を、図10において50として示すように若干下
方に向かって流出させることによって、ヒューム39は
空気流50によって吹き払われて図示しない上方のフー
ドの方へ立ちのぼるので、遮光面1内へ回り込む恐れが
なくなる。
【0026】図11は本発明の第2実施例の遮光面51
を示したものである。第2実施例の遮光面51において
も、第1実施例の遮光面1と同様な部分については同じ
参照符号を付すことによって重複する説明を省略する。
第2実施例の遮光面51の構造上の特徴は、左右の箱形
のカバー8のために共通のものとして、唯1個の消音器
52を取り付けられた箱形或いは筒形で中空の空気室5
3を遮光面51の中央下部に設けて、それをエアバルブ
29を介してエアホース30の先端に接続すると共に、
空気室53を、それから分岐する2本の太めの短いエア
ホース54やユニオン等によって左右の箱形のカバー8
に接続した点にある。
【0027】なお、この構造と直接の関係はないが、第
2実施例においては把手55を中実の単なる角材として
いるので、エアバルブ29と図示しない圧縮空気源とを
接続するエアホース30は把手55の内部を通すことな
く、把手55の背後に隠れてそれに沿って延びるよう
に、ブラケット56のようなものによって把手55に取
り付けられている。
【0028】第2実施例の遮光面51はこのような構造
を有するから、エアホース30とエアバルブ29を通っ
て唯1個の消音器52へ供給される圧縮空気は、消音器
52によって大きな騒音を発生することなく空気室53
内へ膨張し、そこから太めの短いエアホース54を通っ
て左右の箱形のカバー8内へ供給され、それぞれL形の
空気吹き出し口7から溶接箇所の近傍に向かって流出す
る。従って、前述の第1実施例の場合と同様な効果を奏
することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、溶接箇所から発生する
ヒュームを、作業者自身が用いる遮光面に取り付けられ
た簡単で安価な除去装置によって、確実に且つ手軽に溶
接箇所から吹き払うことができるので、ヒュームが作業
者の周辺へ流れて遮光面の内部へ回り込むことによって
作業者がヒュームを吸い込むことを完全に防止すること
ができる。それによって、溶接作業の作業環境を簡単に
改善することができ、その際にプッシュプル式集塵機の
ような高価な設備を設ける必要もなくなる。また、作業
者の耳元に近い遮光面の空気吹き出し口から吹き出す圧
縮空気が発生する騒音は、簡単な消音器によって著しく
騒音レベルを低減させることができるから、空気騒音が
溶接作業の邪魔になるということもない。また、作業現
場の条件に応じて空気の吹き出し方向や強さを簡単に調
整することができるので、容易に最適の状態とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における遮光面を示す斜視
図である。
【図2】図1に示す遮光面の詳細な構造を示す正面図で
ある。
【図3】同じく図1に示す遮光面の側面図である。
【図4】同じく図1に示す遮光面の横断平面図である。
【図5】(a)は図4の一部である箱形のカバーと縦方
向のルーバーの作動状態を拡大して示す横断平面図であ
って、(b)はそれとは異なる作動状態を示す横断平面
図、(c)は更に異なる作動状態を示す横断平面図であ
る。
【図6】遮光面に取り付けられる中空のベースを示す斜
視図である。
【図7】遮光面に取り付けられる箱形のカバーを示す斜
視図である。
【図8】本発明による遮光面の1つの好適な使用状態を
示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】本発明による遮光面の好ましくない使用状態を
示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】本発明による遮光面の他の1つの好適な使用
状態を示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図で
ある。
【図11】本発明の第2実施例における遮光面をそれぞ
れ部分的に切断して示すもので、(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図12】一般的に用いられているキャノピー形フード
を有する集塵機と、従来の遮光面の問題点を示す側面図
である。
【図13】従来の遮光面の問題点を示す平面図である。
【符号の説明】
1…遮光面(第1実施例) 3…遮光ガラス 4…中空角形の把手 7…L形の空気吹き出し口 8…箱形のカバー 9…中空のベース 18,19…横方向のルーバー 20,21…縦方向のルーバー 26…消音器 28…3ウエイユニオン 29…エアバルブ 30…エアホース 36…溶接トーチ 38…溶接箇所 39…ヒューム 40…キャノピー形のフード 41…吸引式の送風機 46…従来の遮光面 51…遮光面(第2実施例) 52…唯1個の消音器 53…空気室 55…把手

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の不透明材料からなり溶接作業の
    作業者の少なくとも顔面を覆う形状を有すると共にそれ
    自体の支持手段及び前面に遮光ガラスを備えている遮光
    面と、前記遮光面に取り付けられて溶接箇所の近傍に向
    かって空気を吹き出すことができる複数個の空気吹き出
    し口と、前記空気吹き出し口へ圧縮空気を供給するため
    の空気通路と、前記空気通路の途中に設けられた消音器
    と、前記空気通路の一部を構成し前記遮光面と圧縮空気
    源を接続する柔軟なエアホースとを備えていることを特
    徴とする溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記複数個の空気吹
    き出し口の少なくとも1つが、前記遮光面に取り付けら
    れて前記空気通路の一部を構成する箱形のカバーにて形
    成されていることを特徴とするヒューム除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記空気吹き
    出し口が、前記遮光ガラスの左右側にあって実質的に縦
    方向のスリットと、実質的に横方向のスリットとの少な
    くとも一方を含んでいることを特徴とするヒューム除去
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記空気吹き出し口の周縁の少なくとも一部に、前記空
    気吹き出し口から吹き出される空気を案内するルーバー
    が設けられていることを特徴とするヒューム除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記ルーバーが、前
    記空気吹き出し口から吹き出される空気の吹き出し方向
    を変化させるために傾きが調整可能となっていることを
    特徴とするヒューム除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    エアバルブが、前記空気通路のうちでも前記遮光面の領
    域に属する部分に設けられていることを特徴とするヒュ
    ーム除去装置。
JP28277699A 1999-10-04 1999-10-04 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置 Pending JP2001105146A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28277699A JP2001105146A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28277699A JP2001105146A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001105146A true JP2001105146A (ja) 2001-04-17

Family

ID=17656939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28277699A Pending JP2001105146A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001105146A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139389A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd アスファルト舗装機械
US9981351B2 (en) 2014-11-07 2018-05-29 RSV Welder Repair, Inc. Welding accessory apparatus
JP6426236B1 (ja) * 2017-06-19 2018-11-21 久男 羽生 溶接用手持ちシールド面

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139389A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd アスファルト舗装機械
US9981351B2 (en) 2014-11-07 2018-05-29 RSV Welder Repair, Inc. Welding accessory apparatus
US10766104B2 (en) 2014-11-07 2020-09-08 RSV Welder Repair, Inc. Welding accessory apparatus
JP6426236B1 (ja) * 2017-06-19 2018-11-21 久男 羽生 溶接用手持ちシールド面

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7178932B1 (en) Welding helmet
US4195363A (en) Perimeter draft welding hood
US4011865A (en) Dust-proof protection mask of face covering type
JP2006239392A (ja) 顔面遮蔽具の内側壁、そのカバー、および顔面遮蔽具
US6332837B1 (en) Device for the removal of gas and particles formed during welding and cutting jobs
US2469273A (en) Welding mask attachment
US5002049A (en) Portable smoke and gas dispeller
US5689884A (en) Circular saw with blower
JP2001105146A (ja) 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置
JPH0617303A (ja) 保護ヘルメット
JP4925998B2 (ja) 集塵機能を備えた作業台
US4709645A (en) Waste fabric and line collection box for a sewing machine
US3584314A (en) Ventilated welding helmet
JP3566073B2 (ja) 循環気流式集塵装置
JP5372647B2 (ja) 感染防止装置および感染防止システム
KR20190002016U (ko) 차세대 용접 마스크
KR200420609Y1 (ko) 안전 커버를 가지는 용접 토치
JP3043502U (ja) 花粉症防止具
JP2001087305A (ja) 溶接用の遮光面に取り付けられたヒューム除去装置
JP3583925B2 (ja) 溶接作業用排煙設備
JP4076463B2 (ja) ヒューム排煙システム
JP2010227442A (ja) 解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置
JP4551984B2 (ja) 卓上型換気装置
JPH07112032A (ja) 呼吸保護具及び呼吸保護方法
JP2002017879A (ja) 送気マスク用フェイスシールド