JP2001105024A - 潤滑性に優れたハイドロフォーミング用鋼管 - Google Patents

潤滑性に優れたハイドロフォーミング用鋼管

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JP2001105024A
JP2001105024A JP28770999A JP28770999A JP2001105024A JP 2001105024 A JP2001105024 A JP 2001105024A JP 28770999 A JP28770999 A JP 28770999A JP 28770999 A JP28770999 A JP 28770999A JP 2001105024 A JP2001105024 A JP 2001105024A
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JP
Japan
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hydroforming
pipe
steel tube
steel
lubricity
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JP28770999A
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English (en)
Inventor
Osamu Sonobe
治 園部
Yuji Hashimoto
裕二 橋本
Akira Yorifuji
章 依藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 通常の防錆油を塗布するだけでハイドロフ
ォーミング加工の際に充分な潤滑を維持できる潤滑性に
優れたハイドロフォーミング用鋼管を提供する。 【解決手段】 前記課題は、表面粗さRa:5〜20μmの
外表面をもつ鋼管により達成され、また、外表面に深さ
5μm以上、径50〜5000の凹部を1〜60%の面積率で有
する鋼管により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑性に優れたハ
イドロフォーミング用鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイドロフォーミングとは、必要に応じ
て管をおおよその形状まで曲げた後、金型の中に入れ、
プレス機で金型を保持しながら管内部へ高い液圧を負荷
して管周方向に伸びを与え、同時に管端から管を軸方向
に押し込み(「軸押」という)、あるいは軸直角方向へ
管を押しつぶすことによって、軸対称あるいは非軸対称
の複雑な断面形状をもつ部品を一体成形する加工法を意
味する。なお、拡管加工の際に必要に応じて剛性工具を
管内に挿入する場合もある。
【0003】ハイドロフォーミング用素管としては、一
般に、低炭素鋼の電縫鋼管が用いられる。ハイドロフォ
ーミング加工の際には、焼付疵の発生を防止しながら拡
管率を大きくする必要性から、素管(素材鋼管)と金型
間の潤滑を良くする必要があり、そのため、素管にプレ
ス用の潤滑油を塗布して加工を施すことが一般的に行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の素管では、ハイ
ドロフォーミング加工に際してプレス用の潤滑油を塗布
しなければならないことから、ユーザサイドで加工コス
トの他に潤滑油のコストもかかり、また、加工後に潤滑
油を除去(脱脂)して防錆油を塗布する必要がある。そ
のため、ハイドロフォーミング加工の際にプレス用の潤
滑油を使用しなくてもすむ素管が要望されていた。
【0005】本発明は、かかる要望に応えるもので、通
常の防錆油を塗布するだけでハイドロフォーミング加工
の際に充分な潤滑性能を維持できる潤滑性に優れたハイ
ドロフォーミング用鋼管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意検討した結果、特定の表面粗さない
し表面凹凸を有する鋼管では、防錆油のような低粘度の
ものを潤滑剤として用いてハイドロフォーミング加工を
行っても充分な潤滑性能を確保できるという知見を得、
かかる知見を基に本発明をなすに至った。
【0007】すなわち本発明は、(1)表面粗さRa:5
〜20μmの外表面をもつ潤滑性に優れたハイドロフォー
ミング用鋼管であり、また、(2)外表面に深さ5μm
以上、径50〜5000μmの凹部を1〜60%の面積率で有す
る潤滑性に優れたハイドロフォーミング用鋼管である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、外表面に特定範囲の
粗さないし凹部を有する鋼管としたことにより、この凹
部に潤滑剤が捕捉されて油溜まりとなり、この捕捉され
た潤滑剤がハイドロフォーミング加工時に内圧をかけた
際に滲出して鋼管と金型間の摩擦係数を下げるように作
用する。そして、摩擦係数が下がることにより軸押が効
果的に働き、拡管率が向上する。
【0009】防錆油程度の低粘度のものを潤滑剤に使用
した場合に、前記の捕捉・滲出作用が有効に発現するに
は、例えば図5に示すように、鋼管外表面の表面粗さが
Ra:5〜20μmである必要がある。Ra:5μm未満では
油捕捉量が不足し、Ra:20μm超では油滲出量が不足し
て、いずれも摩擦係数の減少に至らないと考えられる。
【0010】また、前記作用は、例えば図6〜図8に示
すように、外表面に深さ5μm以上(図6)、径50〜50
00μm(図7)の凹部を1〜60%の面積率(図8)で有
する鋼管においても有効に発現する。凹部の深さが5μ
m未満では油捕捉量が不足し、凹部の径が50μm未満で
は油捕捉量が不足し、凹部の径が5000μm超では油滲出
量が不足し、凹部の面積率が1%未満では油捕捉量が不
足し、凹部の面積率が60%超では油滲出量が不足して、
いずれも摩擦係数の減少に至らないと考えられる。
【0011】なお、凹部の深さは5μm 以上であれば十
分な潤滑油捕捉量が得られるが、実用上、20μm 程度あ
れば十分であるので、20μm 以下が好ましい。上記本発
明の鋼管は、以下の方法1〜6のいずれかで最終仕上げ
した鋼板を素材として造管することにより得られる。な
お、ロール表面粗さの鋼板表面への転写率を考慮して、
ロール表面粗さは所要の鋼板表面粗さよりも粗くしてい
る。
【0012】方法1:熱間圧延後に表面中心線平均粗さ
Ra:10〜70μmのダルロールを用いてスキンパス圧延す
る。 方法2:熱間圧延後にロール面に高さ5μm以上、径50
〜5000μm凸部を1〜60%の面積率で有するロールを用
いてスキンパス圧延する。 方法3:冷間圧延後に表面中心線平均粗さRa:8〜50μ
mのダルロールを用いてスキンパス圧延する。
【0013】方法4:冷間圧延の最終パスまたは最終ス
タンドで表面中心線平均粗さRa:5〜35μmのダルロー
ルを用いて圧延する。 方法5:冷間圧延後にロール面に高さ5μm以上、径50
〜5000μmの凸部を1〜60%の面積率で有するロールを
用いてスキンパス圧延する。 方法6:冷間圧延の最終パスまたは最終スタンドでロー
ル面に高さ5μm以上、径50〜5000μmの凸部を1〜60
%の面積率で有するロールを用いて圧延する。
【0014】
【実施例】(実施例1)JIS STKM12A相当の
熱延鋼板を、表1に示す各種のロールを用いてスキンパ
ス圧延後、電縫管製造プロセスにより外径63.5mm×肉厚
2mmの電縫鋼管となし、これらの電縫鋼管から供試鋼管
として切り出したパイプ材(長さ1000mm)について、外
面の表面特性(表面粗さまたは凹部寸法・面積率)を調
査するとともに、図1に示す構成のハイドロフォーミン
グ加工装置に図2に示す寸法の金型を配置したものを用
い、図3に示す負荷パターンで内圧および軸押量を負荷
して拡管させる自由バルジ試験を行って拡管率を調査
し、また、図4に全体構成を示す摩擦係数測定試験装置
を用いてパイプ材1とダイ2間の摩擦係数を調査した。
ここで、パイプ材1と金型(ダイ)2間の潤滑剤として
粘度12cSt (at 40 ℃)の防錆油を使用した。
【0015】なお、表面特性の調査方法は以下の通りで
ある。 ・表面粗さ:表面粗さ計にて計測した。 ・ロール面の凸部、パイプ材外面の凹部の寸法および面
積率:凹部の寸法は3次元表面粗さ計を用い、表面プロ
フィルを測定して、開口部の寸法(穴径)、深さを測
定、面積率は適当な倍率で表面の顕微鏡写真を撮影し、
画像解析により算出した。
【0016】結果を表1に示す。表面特性が本発明範囲
内のパイプ材(本発明例)では摩擦係数が0.065 以下と
低く、45%以上の高い拡管率が得られたのに対し、表面
特性が本発明範囲外のパイプ材(比較例)では摩擦係数
が0.080 と高く、拡管率は高々40%に止まった。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)JIS STKM12A相当
の冷延鋼板を、表2に示す各種のロールを用いてスキン
パス圧延後、電縫管製造プロセスにより外径63.5mm×肉
厚2mmの電縫鋼管となし、これらの電縫鋼管から供試鋼
管として切り出したパイプ材(長さ1000mm)について、
外面の表面特性(表面粗さまたは凹部寸法・面積率)を
調査するとともに、図1に示す構成のハイドロフォーミ
ング加工装置に図2に示す寸法の金型を配置したものを
用い、図3に示す負荷パターンで内圧および軸押量を負
荷して拡管させる自由バルジ試験を行って拡管率を調査
し、また、図4に全体構成を示す摩擦係数測定試験装置
を用いてパイプ材1とダイ2間の摩擦係数を調査した。
ここで、パイプ材1と金型(ダイ)2間の潤滑剤として
粘度12cSt (at 40 ℃)の防錆油を使用した。
【0019】なお、表面特性は実施例1と同様の方法で
調査した。結果を表2に示す。表面特性が本発明範囲内
のパイプ材(本発明例)では摩擦係数が0.060 以下と低
く、65%以上の高い拡管率が得られたのに対し、表面特
性が本発明範囲外のパイプ材(比較例)では摩擦係数が
0.075 と高く、拡管率は高々60%に止まった。
【0020】
【表2】
【0021】(実施例3)JIS STKM12A相当
の鋼板を、冷延最終スタンドのロールを表3に示すよう
に種々変えて冷延後、電縫管製造プロセスにより外径6
3.5mm×肉厚2mmの電縫鋼管となし、これらの電縫鋼管
から供試鋼管として切り出したパイプ材(長さ1000mm)
について、外面の表面特性(表面粗さまたは凹部寸法・
面積率)を調査するとともに、図1に示す構成のハイド
ロフォーミング加工装置に図2に示す寸法の金型を配置
したものを用い、図3に示す負荷パターンで内圧および
軸押量を負荷して拡管させる自由バルジ試験を行って拡
管率を調査し、また、図4に全体構成を示す摩擦係数測
定試験装置を用いてパイプ材1とダイ2間の摩擦係数を
調査した。ここで、パイプ材1と金型(ダイ)2間の潤
滑剤として粘度12cSt (at 40 ℃)の防錆油を使用し
た。
【0022】なお、表面特性は実施例1と同様の方法で
調査した。結果を表3に示す。表面特性が本発明範囲内
のパイプ材(本発明例)では摩擦係数が0.061 以下と低
く、63%以上の高い拡管率が得られたのに対し、表面特
性が本発明範囲外のパイプ材(比較例)では摩擦係数が
0.075 と高く、拡管率は高々60%に止まった。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】かくして本発明のハイドロフォーミング
用鋼管は、通常の防錆油を塗布するだけでハイドロフォ
ーミング加工の際に充分な潤滑を維持できるので、潤滑
油コスト節減および脱脂工程省略を達成でき、産業上に
寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自由バルジ試験に用いたハイドロフォーミング
加工装置の構成を示す断面図である。
【図2】自由バルジ試験に用いた金型寸法を示す断面図
である。
【図3】自由バルジ試験に用いた負荷パターンを示すグ
ラフである。
【図4】摩擦係数測定試験に用いた装置の構成を示す断
面図である。
【図5】表面粗さと摩擦係数の関係を示すグラフであ
る。
【図6】凹部の深さと摩擦係数の関係を示すグラフであ
る。
【図7】凹部の径と摩擦係数の関係を示すグラフであ
る。
【図8】凹部の面積率と摩擦係数の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 パイプ材(供試鋼管) 2 金型(ダイ) 3 ダイホルダ 4 アウターリング 5A、5B 軸押シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依藤 章 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E002 AD10 BC08 4E016 AA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の中心線平均粗さRa:5〜20μmの
    外表面をもつ潤滑性に優れたハイドロフォーミング用鋼
    管。
  2. 【請求項2】 外表面に深さ5μm以上、径50〜5000μ
    mの凹部を1〜60%の面積率で有する潤滑性に優れたハ
    イドロフォーミング用鋼管。
JP28770999A 1999-10-08 1999-10-08 潤滑性に優れたハイドロフォーミング用鋼管 Pending JP2001105024A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245180A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Jfe Steel Kk 金属管のハイドロフォーミング加工方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245180A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Jfe Steel Kk 金属管のハイドロフォーミング加工方法および装置

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