JP2001104793A - ヘテロポリ酸/ポリオキソメタレート触媒 - Google Patents

ヘテロポリ酸/ポリオキソメタレート触媒

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JP2001104793A JP2000247492A JP2000247492A JP2001104793A JP 2001104793 A JP2001104793 A JP 2001104793A JP 2000247492 A JP2000247492 A JP 2000247492A JP 2000247492 A JP2000247492 A JP 2000247492A JP 2001104793 A JP2001104793 A JP 2001104793A
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    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
    • C07C51/215Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of saturated hydrocarbyl groups

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリオキソメタレート塩に担持されたヘテロ
ポリ酸を含む、種々の化学プロセスのための改善された
触媒の提供。 【解決手段】 ポリオキソメタレート担体上に担持され
たヘテロポリ酸を含む触媒組成物であって、該ヘテロポ
リ酸が、式 H(e′−bz′)G(Xk′m′−x′ x′
n′y′)−e′ (I) [式I中、Gは1〜16族から選択される元素又はその
オキシイオン;Xは3〜16族から選択される元素;M
=Mo、W又はそれらの組合せ;M=V;MはM及
びMとは異なる遷移金属であり該ポリオキソメタレー
ト担体が、式 C(e−az)(Xm−x
−e (II) CはCで代表される金属、MはMo、W、MはV、
は、M及びMとは異なる遷移金属であり、さらに
熱処理された触媒組成物。ポリオキソメタレート担体は
例えば、CsPMo1240であり、ヘテロポリ酸
は例えば、HPMo1240である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の背景)本発明は一般に、種々の化
学プロセスのための改善された触媒に関する。特に、本
発明は、ポリオキソメタレート(polyoxomet
allate)塩に担持されたヘテロポリ酸(hete
ropolyacid)を含む改善された触媒に関す
る。
【0002】一般に、種々の化学プロセスのための触
媒、特にアルコール、カルボン酸、アルケン、アルキン
等のような生成物をアルカンから製造するための触媒は
よく知られている。典型的には、そのような触媒は、非
常に高温で、バインダーまたは触媒製造中に導入される
望まない不純物を除去するための時間熱処理されて、所
望のコンパウンドまたは結晶相を形成するか、または焼
結によって最終触媒ペレットの機械的強度を増加させ
る。例えば、C.N.サターフィールド(Satter
field)、「Heterogeneous Cat
alysis inPractice」、マグローヒル
(McGraw−Hill)、ニューヨーク、198
0、p75参照。
【0003】ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレート
は、種々の用途、例えばプロピレンおよびイソブチレン
のアクリル酸およびメタクリル酸への酸化、芳香族炭化
水素の酸化、オレフィンの重合、オレフィンのエポキシ
化、水素脱硫法、およびアルカンのアルコールへの酸化
における触媒として良く知られている。例えば米国特許
第5,705,685号(リオンズ(Lyons)ら)
は、アルカンの不飽和カルボン酸への酸化のためにヘテ
ロポリ酸およびポリオキソメタレートを使用することを
開示する。そのようなポリオキソメタレート塩上に担持
されたヘテロポリ酸は、他の慣用の触媒より低温、すな
わち400℃未満で作用するので、特に有用な触媒であ
る。しかしながら、そのようなヘテロポリ酸/ポリオキ
ソメタレート触媒は、比較的収率が低く、あまり選択性
が高くないという欠点を持つ。ポリオキソメタレート上
に担持されたヘテロポリ酸を含む触媒の製造において
は、そのような触媒は、比較的低温、すなわち約300
℃で焼成されるが、典型的には、より高温では熱処理さ
れない。そのような触媒は、熱処理なしで作用するの
で、また高温、例えば、400℃以上では比較的不安定
であり、典型的には分解するので、一般的には熱処理さ
れない。
【0004】ウエダ(Ueda)らによる、Chemi
stry Letters,(1995)541−2
は、モリブデンまたはタングステンを含むヘテロポリ酸
および1種のポリオキソメタレート、KPMo12
40の加熱を開示する。そのようなヘテロポリ酸は、窒
素下で420〜430℃で2時間熱処理され、ポリオキ
ソメタレートは380℃で熱処理された。ピリジンの存
在下で熱処理されたヘテロポリ酸は、プロパンのアクリ
ル酸への酸化において、転化率および選択性の増加を示
した。ヘテロポリ酸の還元状態を維持するためにピリジ
ンが添加された。ポリオキソメタレート担体上にヘテロ
ポリ酸を含む触媒は、この文献には開示されていない
し、セシウムを含むポリオキソメタレートも開示されて
いない。また、ウエダ(Ueda)らは、ポリオキソメ
タレート担体の細孔径の調節方法を開示していない。
【0005】リ(Li)らによる、Applied C
atalysis A: General, 182
(1999),357−363は、12−モリブドホス
ホン酸(すなわち、ヘテロポリ酸)のピリジニウム塩の
熱処理を開示する。ヘテロポリ酸の還元状態を維持する
ためにピリジンが添加された。リ(Li)らは、ポリオ
キソメタレート担体上にヘテロポリ酸を含む触媒を開示
していないし、セシウムを含むポリオキソメタレートも
開示していない。また、リ(Li)らは、ポリオキソメ
タレート担体の細孔径の調節方法を開示していない。
【0006】このように、高収率および高選択性で、低
温で機能するヘテロポリ酸を含む触媒が必要とされ続け
ていた。
【0007】(発明の概要)驚くべきことに、熱処理さ
れたヘテロポリ酸/ポリオキソメタレート触媒が、種々
の化学プロセス、例えばアルカンの種々の生成物(例え
ばアルケン、不飽和カルボン酸、アルコール等)への転
化における収率および選択性を増加させることが見出さ
れた。そのような熱処理された触媒は、他の慣用の触媒
より低温で機能することの利点を有する。これらの触媒
は、実際の使用および潜在的な工業的利益のために、他
の公知の触媒より魅力的である。
【0008】1つの態様において、本発明は、ポリオキ
ソメタレート担体上に担持されたヘテロポリ酸を含む触
媒組成物であって、ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオン(oxyion)であり;Xは、3〜16
族から選択される元素であり;M=モリブデン、タング
ステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジウ
ム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であり;
z’=Gの電荷であり;b=0〜12;k’=1〜5;
m’=5〜20;x’=0〜6;n’=0〜3;y’=
18〜62;およびe’はポリオキソメタレートアニオ
ンの電荷である;を有し、ポリオキソメタレート担体
が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タン
グステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジウ
ム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であり;
z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;n=
0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeはポリ
オキソメタレートアニオンの電荷である;を有し、ポリ
オキソメタレート担体が、385〜600℃の範囲の温
度で熱処理される触媒組成物に関する。
【0009】第2の態様において、本発明はまた、ポリ
オキソメタレート担体上にヘテロポリ酸を含む触媒組成
物の製造方法であって、ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択される
元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそれ
らの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mおよ
びMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷であ
り;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である;
を有し、ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
から選択される元素であり;Mは前記と同義であり;M
=バナジウム;Mは、MおよびMとは異なる遷移
金属であり;z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5
〜20;n=0〜3;x=0〜6;y=18〜62;お
よびeはポリオキソメタレートアニオンの電荷である;
を有し、ポリオキソメタレート担体を、385〜600
℃の範囲の温度で加熱する工程を含む方法に関する。
【0010】第3の態様において、本発明は、アルカン
を、酸化剤および、ポリオキソメタレート担体上にヘテ
ロポリ酸を含む触媒組成物と接触させる工程を含む不飽
和カルボン酸の製造方法に関し、ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択される
元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそれ
らの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mおよ
びMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷であ
り;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である;
を有し、ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タン
グステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジウ
ム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であり;
z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;n=
0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeはポリ
オキソメタレートアニオンの電荷である;を有し、ヘテ
ロポリ酸は、ポリオキソメタレートの表面積の100%
が覆われるような量で存在し、かつポリオキソメタレー
ト担体は、385〜600℃の範囲の温度で熱処理され
る方法に関する。
【0011】第4の態様において、本発明は、アルカン
を、酸化剤および、ポリオキソメタレート担体上にヘテ
ロポリ酸を含む触媒組成物と接触させる工程を含むアル
ケンの製造方法に関し、ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択される
元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそれ
らの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mおよ
びMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷であ
り;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である;
を有し、ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タン
グステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジウ
ム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であり;
z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;n=
0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeはポリ
オキソメタレートアニオンの電荷である;を有し、ヘテ
ロポリ酸は、ポリオキソメタレートの表面積の100%
未満が覆われるような量で存在し、かつポリオキソメタ
レート担体は、385〜600℃の範囲の温度で熱処理
される方法に関する。
【0012】(発明の詳細な説明)本明細書中で使用さ
れているように、明らかに他に示されていなければ、以
下の用語は以下の意味を有する。「アルカン」という語
は、線状、分岐状および環状のアルカンを含む。同様
に、「アルケン」という語は、線状、分岐状および環状
のアルケンを含む。元素はすべて、国際純正応用化学連
合(IUPAC)により推奨される名称を用いて呼ばれ
る。ここで使用されているように、「遷移金属」という
語は、第3〜12族の元素をいい、ランタニドおよびア
クチニド系列を含む。「ヘテロポリ酸/ポリオキソメタ
レート触媒」という語は、ポリオキソメタレート塩上に
担持されたヘテロポリ酸を含む触媒をいう。
【0013】他に記載がなければ、全ての比および量は
重量による。他に記載がなければ、数値範囲はすべて、
境界値を含めている。明細書中では、以下の略語を使用
する:C=摂氏温度;AA=アクリル酸;HPA=ヘテ
ロポリ酸;POM=ポリオキソメタレート;g=グラ
ム;N=規定;mol=モル;L=リットル;m=メー
トル;Å=オングストローム;cc=立方センチメート
ルおよびml=ミリリットル。
【0014】本発明のポリオキソメタレートおよびヘテ
ロポリ酸は、負の電荷を有する多面体ケージ(cag
e)構造またはフレームワーク(framework)
(例えば[PW1240−3)からなり、負の電荷
は、ケージの外部にあるカチオンによってバランスをと
られている。少なくとも1つのカチオンがプロトンであ
るとき、化合物はヘテロポリ酸(HPA)(例えばH
[PW1240]およびH(VO)[PMo12
40])である。カチオンがいずれもプロトンでなく、
金属例えばアルカリ金属、カリウム、ナトリウム、セシ
ウムもしくはリチウム(KPW1240におけるよ
うに)またはアンモニウム((NHPW12
40におけるように)であるとき、化合物はポリオキソ
メタレート(POM)である。ポリオキソメタレート
が、さらなる酸、例えば硫酸と組み合わされるとき、得
られる混合物は、ヘテロポリ酸という語に包含される。
ポリオキソアニオン(polyoxoanion)は、
化合物のアニオンケージ様部分(anionic ca
ge−like portion)、例えば[PW12
−3を言う。
【0015】ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレート
は、ケージフレームワークに取り囲まれた、第1の一般
的に中心に配置された原子を有するケージ様構造であ
り、そのフレームワークは、酸素原子に結合した同じま
たは異なる複数の金属原子を含む。ヘテロポリ酸および
ポリオキソメタレートの中心元素は、フレームワークの
金属原子とは異なり、時には「ヘテロ」元素または原子
と称され;縮合した(condensed)配位元素
は、「フレームワーク」元素または金属と称され、通常
遷移金属である。ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレ
ートの大部分が、4つの酸素原子を介して「フレームワ
ーク」金属(「M」)に通常四面体の形で結合される、
中心に配置されたヘテロ原子(「X」)を有する。フレ
ームワーク金属は、(i)通常、酸素(「O」)を介し
て八面体の形で中心の原子に結合され、(ii)酸素原
子を介して4つの他のフレームワーク金属に結合され、
かつ(iii)「末端酸素」原子として知られる第6の
架橋していない酸素原子を有する。このことは、式(I
II)で示される。
【0016】
【化1】
【0017】主なフレームワーク金属Mは、適当なカチ
オン半径を有する任意のものであり、良好な酸素pπ電
子の受容体である。典型的には、フレームワーク金属
は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブま
たはタンタルから選ばれる。フレームワーク金属がモリ
ブデン、タングステンまたはバナジウムであるのが好ま
しい。
【0018】慣用のヘテロポリ酸(およびそのポリオキ
ソアニオン)は、一般式H(X−eで表
すことができる。この化学式において、中心の原子Xは
典型的には3〜16族元素、好ましくは13〜16族元
素である。適当な13〜16族元素としては、リン、ア
ンチモン、ケイ素およびホウ素が挙げられるが、これら
に限定されない。中心の原子Xがリンであるのが好まし
い。下付の「k」は典型的には1〜5、好ましくは1ま
たは2である。Mは典型的にはモリブデン、タングステ
ンまたはバナジウムである。下付の「n」は典型的には
5〜20である。下付の「y」は典型的には18〜6
2、好ましくは約40〜62である。上付の「e」の表
記は、(X)ポリオキソアニオンにおける負
の電荷であり、場合によって変わるが、「e」は常に、
式のバランスをとるのに必要とされるプロトンの数であ
る。典型的なケギン(Keggin)ヘテロポリ酸で
は、H PMo1240におけるようにk=1,n=
12およびy=40であり、ポリオキソメタレートでは
PW11VO40である。典型的なダウソン(Da
wson)ヘテロポリ酸では、HMo1862
におけるようにk=2,n=18およびy=62であ
り、ポリオキソメタレートではK17VO 62
である。
【0019】ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレート
は、ケギン、ダウソン(Dawson)およびアンダー
ソン(Anderson)構造を含む種々の構造で存在
することが知られている。これらの異なる構造は、特定
のヘテロポリ酸組成物の特定の幾何学的構造に対応し、
存在する金属の配位化学および原子半径に従って変化す
る。これらの構造またはその混合物の任意のものが、本
発明における使用に適当である。フレームワーク置換さ
れたヘテロポリ酸およびポリオキソメタレートがまた本
発明において有用である。これらの化合物は、あるフレ
ームワーク原子M(およびそれに二重結合した酸素原
子)が遷移金属で置換されている、ヘテロポリ酸および
ポリオキソメタレートである。置換は、例えばモノ置
換、ランダムもしくはレジオ(regio)−2置換、
ランダムもしくはレジオ−3置換またはより多い置換で
あることができ、その全部が、本発明の方法における担
持されたヘテロポリ酸およびポリオキソメタレート担体
としての使用のために有効な組成物を生成する。触媒
は、以下に記載する種々の手段によってさらに活性増進
されることができる。本発明は、非置換および置換のポ
リオキソメタレートの塩上に担持された非置換および置
換のヘテロポリ酸を包含する。
【0020】フレームワーク置換された組成物を作るの
に有用な典型的なヘテロポリ酸は、式HPMo12
40を有する。3個のMo=O単位が、例えば鉄(F
e)で置換されるときは、得られるフレームワーク置換
されたヘテロポリ酸は、式HPMoFe37
有する。このように、上記したレジオ選択的に(reg
ioselectively)フレームワーク置換され
たヘテロポリ酸の一般式は、 H(X −e 式中、kは1〜5であり、nは5〜19であり、mは1
〜6であり、かつyは18〜62である、になる。この
式において、Mは、1個以上の亜鉛または任意の遷移
金属、すなわち周期表の第3〜10族金属を含む。好ま
しくは、遷移金属は、第8〜10族または第4〜7族の
最初の列、例えば鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、
白金(第8〜10族)またはチタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン(第4〜7族の最初の列)から選択される
が、これらに限定されない。なかでも、より好ましいM
金属は、鉄、マンガン、バナジウムおよび、ニッケル
と鉄もしくは他の遷移金属との組合せである。3つのM
原子は同じである必要はない。しかしながら、3つの
原子は、置換された3つのM原子と異なっていなけ
ればならない。
【0021】ケギンまたはダウソン(Dawson)構
造において、モリブデンのような金属を、鉄のような酸
化活性(oxidation−active)な金属で
置換することによって、アルカンのアルケンまたは不飽
和カルボン酸(例えばプロピレン、イソブチレン、アク
リル酸またはメタクリル酸)への直接酸化のために特に
優れた触媒を得ることができる。優れた触媒とは、アル
カンからアルケンへの転化について、転化率、収率およ
び/または選択性が増加した触媒を意味する。そのよう
な酸化活性な金属の置換は、フレームワークまたはエク
ストラ−フレームワーク(extra−framewo
rk)、すなわちフレームワークの外部であることがで
きる。そのような酸化活性な金属がヘテロポリ酸中で置
換されるとき、それらはプロトンと置換することができ
る。
【0022】本発明において有用なヘテロポリ酸は典型
的には、水および極性の有機溶媒、例えばアセトニトリ
ルおよびアルコール例えばメタノールに可溶性である。
そのようなヘテロポリ酸は、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択される
元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそれ
らの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mおよ
びMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷であ
り;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である、
を有する。Gのための適当な元素としては、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レ
ニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、
亜鉛またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに限
定されない。Gのための適当な元素のオキシアニオンと
しては、チタニル、バナジル、ニオビルまたはそれらの
組合せが挙げられるが、それらに限定されない。Xのた
めの適当な遷移元素としては、リン、ケイ素、ガリウ
ム、アルミニウム、砒素、ゲルマニウム、ホウ素、コバ
ルト、セリウム、プラセオジム、ウラン、トリウムまた
はそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されな
い。Mのための適当な遷移元素としては、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レ
ニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、
亜鉛またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに限
定されない。Mがモリブデンとタングステンの組合せで
あり、化合物がケギンイオンであるとき、x’=0であ
るのが好ましい。Mがモリブデンであり、化合物がケギ
ンイオンであるとき、x’=0〜3であるのがまた好ま
しい。Mがタングステンであり、化合物がケギンイオン
であるとき、x’=0〜6であるのがさらに好ましい。
【0023】上記式において、(e’−bz’)は、触
媒のヘテロポリ酸成分に存在するプロトン(「H」)
の数を表す。最小で、(e’−bz’)は好ましくは
0.1以上である。本発明の1つの実施態様において、
(e’−bz’)は0.5以上であり、別の実施態様に
おいて1以上である。幾つかの実施態様において、b
z’はゼロに等しく、HPAにおけるプロトンの数は
e’である。別の実施態様において、(e’−bz’)
は形式的に0であり、系を別の酸、例えば硫酸で処理す
ることによってプロトンが添加される。本発明において
有用である適当なヘテロポリ酸としては、HPMo
1240、HPW1240、(VO)1. PM
1240、(VO)1.5PW1240、(Ti
O)1.5PMo 1240、H(VO)PMo12
40、H(VO)PW1240、HPVMo
40、HPVMo1040、HPV10
40、HPVMo1140、HPVW
1140、RhPMo1240、BiPMo12
40、HCrPVMo1140、HBiPVMo11
40またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに
限定されない。ヘテロポリ酸が、HPMo
1240、HPW1240、(VO)1.5PM
1240、H(VO)PMo1240、HPV
Mo1040、HPVMo1140、RhPM
1240、HCrPVMo1140またはHBi
PVMo1140であるのが好ましい。ヘテロポリ酸
が、HPMo1240、HPW 1240、(V
O)1.5PMo1240、H(VO)PMo12
40であるのがより好ましい。ヘテロポリ酸が、例えば
(VO)1.5PMo12 、(TiO)1.5
Mo1240、RhPMo1240またはBiPM
1240であるとき、必要な酸は典型的には、別の
酸源、例えば(VO) .5PMo1240を作るた
めに使用したVOSOにおける硫酸からくる。そのよ
うな量の酸は、本発明のために十分である。
【0024】本発明において担体として有用なポリオキ
ソメタレートは典型的には、水不溶性であり、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
から選択される元素であり;M(第1のフレームワーク
金属)はモリブデン、タングステンまたはそれらの組合
せであり;M(第2のフレームワーク金属)は、第1
のフレームワーク金属の代わりであり、これはバナジウ
ムであり;M(第3のフレームワーク金属)は、Mお
よびMとは異なり、独立して遷移金属であり;z=C
の電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;n=0〜
3;x=0〜6;y=18〜62;およびeはポリオキ
ソメタレートアニオンの電荷である、を有するものであ
る。Cのために有用な適当な遷移金属は、バナジウム、
クロム、ランタン、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウ
ム、銅等が挙げられるが、それらに限定されない。Cの
ために有用な適当な金属オキシイオンとしては、バナジ
ウムのオキシイオン、クロムのオキシイオン、ウランの
オキシイオン等が挙げられるが、それらに限定されな
い。Cがカリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ランタ
ン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピリ
ジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族アミ
ン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混合
物であるのが好ましく、より好ましくはセシウムであ
る。Xのために適当な遷移元素は、上記したヘテロポリ
酸におけるXとして有用なものである。Mのために有
用な適当な遷移元素は、ヘテロポリ酸について上記した
ものである。Mがモリブデンであり、化合物がケギンイ
オンであるとき、x=0〜3であるのが好ましい。Mが
タングステンであり、化合物がケギンイオンであると
き、x=0〜6であるのが好ましい。「az」が「e」
に等しいとき、ポリオキソメタレート担体にプロトンは
存在せず、これは好ましい。
【0025】本発明において有用な適当なポリオキソメ
タレート担体としては、例えば、米国特許出願第08/
565,206号に記載された種々の置換ポリオキソメ
タレートの広い細孔(wide pore)のセシウム
塩のような、広い細孔の塩が挙げられ、そのような塩の
製造に関する記載は本明細書の一部として参照される。
ポリオキソメタレート担体が、Cs3+x(PM
12−x40)(ここで、x=0〜3かつM=モ
リブデンまたはタングステン)であるのが好ましい。適
当な好ましいポリオキソメタレート担体としては、Cs
(PMo1240)、Cs(PMo11
40)、Cs(PMo1040)、Cs
(PMo40)、Cs(PW
1240)、Cs(PW11VO )、Cs
(PW1040)、Cs(PW
40)またはそれらの組合せが挙げられる。ポリオ
キソメタレート担体が、Cs(PMo12 40)、
Cs(PW1240)またはそれらの組合せである
のがさらに好ましい。
【0026】本発明の触媒のポリオキソメタレート担体
は、大きい(すなわち広い)または小さい細孔、または
混合した細孔径を有することができる。ポリオキソメタ
レート担体が大きい細孔を有するのが好ましい。例え
ば、ポリオキソメタレート担体は好ましくは、0.01
〜0.25ml/gの範囲の細孔容積および、細孔容積
の約60%より多くが、約75Å以上、好ましくは約1
00Å以上、より好ましくは約150Å以上、さらによ
り好ましくは約200Å以上のメジアン細孔半径を有す
る細孔に帰する細孔径分布を有する。より好ましくは、
担体は、0.05〜0.25ml/gの範囲の細孔容積
および、細孔容積の約60%より多くが、約75Å以上
のメジアン細孔半径を有する細孔に帰する細孔径分布を
有する。好ましい実施態様においては、担体物質は、
0.01〜0.25ml/gの範囲の細孔容積および、
細孔容積の約80%より多くが、約200Å以上のメジ
アン細孔半径を有する細孔に帰する細孔径分布を有し、
より好ましくは、担体物質は、0.15ml/gより大
きい細孔容積および、細孔容積の約80%より多くが、
約200Å以上のメジアン細孔半径を有する細孔に帰す
る細孔径分布を有する。より好ましい実施態様において
は、担体中の細孔は、75Åより大きい細孔半径および
0.05ml/gより大きい細孔容積を有し、より好ま
しくは細孔半径は100Åより大きく、かつ独立して細
孔容積は0.1ml/gより大きい。0.02ml/g
より大きい細孔容積を有する担体は、細孔が広ければ
(すなわち約75Åより大きい細孔半径)、優れた触媒
性能を有する触媒を生じることがわかった。これらのポ
リオキソメタレートは、水、例えば蒸気での前処理、種
々の溶媒での洗浄によって、またバナジルアセチルアセ
トネートもしくはVOSOの存在中での形成によっ
て、さらに変性することができる。そのような担体はま
た、粉砕して細孔径を変更することができる。
【0027】本発明において使用するポリオキソメタレ
ートまたはヘテロポリ酸成分は、等しい数の第1のフレ
ームワーク金属と取り替えて、そのフレームワーク中に
置換された第2のフレームワーク金属を含むことができ
る。そのような置換金属としては、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、
鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、亜鉛また
はそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されな
い。第2のフレームワーク金属Mは、第1のフレーム
ワーク金属Mと異なる。1つより多いM 原子があると
きには、各Mは酸素原子を介して別のMに結合す
る。
【0028】そのような置換で取り替えられる原子とし
ては、モリブデン、タングステン、バナジウムまたはそ
れらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
取り替えられたフレームワーク原子の数は、1〜3また
はそれ以上であることができ、置換金属は被置換と異な
っており、置換金属はそれぞれ、同じ金属、例えば鉄で
あることができ、または互いに異なる、例えば2または
3個の異なる金属原子であることができる。たとえば、
1個の鉄原子が1個のタングステン原子と置き換わるこ
とができ、2個の鉄原子が2個のタングステン原子と置
き換わることができ、3個の鉄原子が3個のタングステ
ン原子と置き換わることができ、互いに異なる2個の原
子、例えば鉄とコバルトが、2個のタングステン原子と
置き換わることができ、互いに異なる3個の原子、例え
ば鉄、コバルトおよびニッケルが、3個のタングステン
原子と置き換わることができ、2個の鉄原子と1個のコ
バルト原子が3個のタングステン原子と置き換わること
ができる等である。POMまたはHPAの3つのフレー
ムワーク原子を、フレームワーク原子とは異なる3つの
原子(その置換原子のうちの2つは鉄、クロム、マンガ
ンまたはルテニウムからなる群より選ばれ、置換原子の
3番目は、前の2つとは異なり、かつ遷移金属である)
で置き換わることは、米国特許第5,091,354号
(リオンズ(Lyons)ら)に開示されている。
【0029】そのようなヘテロポリ酸の例としては、H
PWFe37・NaN(ここで、リン(P)
はヘテロ原子であり、タングステン(W)は第1のフレ
ームワーク金属であり、鉄(Fe)は第2のフレームワ
ーク金属である);HPW FeMO37・NaN
(ここで、リン(P)はヘテロ原子であり、タングス
テン(W)は第1のフレームワーク金属であり、鉄(F
e)および「M」は第2のフレームワーク金属であり、
Mは、ニッケル、マンガン、コバルト、亜鉛と様々であ
る);ならびにHPWCr37・NaN(こ
こで、リン(P)はヘテロ原子であり、タングステン
(W)は第1のフレームワーク金属であり、クロム(C
r)は第2のフレームワーク金属である)が挙げられ
る。そのようなヘテロポリ酸の例としては、HPW
1040(ここで、Mはチタン、ジルコニウム、
ニオブ、タンタル、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル
または銅である)が挙げられる。これらの組成物は、本
発明の担持された触媒のPOMおよび/またはHPA成
分として有用である。ポリオキソメタレートもしくはヘ
テロポリ酸または両方が、独立して、(1)少なくとも
6原子の第1のフレームワーク金属(モリブデン、タン
グステン、バナジウムまたはそれらの組合せを含む)な
らびに(2)少なくとも1原子の第2のフレームワーク
金属(モリブデン、タングステンまたはバナジウム以外
の遷移金属を含む)を含むことができる。1個より多い
第2のフレームワーク金属があるときには、それらは、
利用できる遷移金属の組合せを含むことができる。
【0030】1つの実施態様においては、本発明におい
て使用されるポリオキソメタレートおよび/またはヘテ
ロポリ酸は、9〜11原子の第1のフレームワーク金属
(モリブデン、タングステンおよびバナジウムからなる
群より選ばれる)ならびに1〜3原子の第2のフレーム
ワーク金属、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングス
テン、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケル、
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウム、白金、銅または亜鉛(この第2の金属は、第1
のフレームワーク金属とは異なる遷移金属である)を含
む。第2のフレームワーク金属、Mは、部位特異的レ
ジオ選択的置換であり、各Mは、酸素原子を介して別
のMに結合される。
【0031】本発明において有用なヘテロポリ酸は市販
されていて入手可能であるか、または当分野で公知の種
々の方法によって製造することができる。本発明におい
て有用なポリオキソメタレートおよびヘテロポリ酸の一
般的合成は、ポープ(Pope)らによる、Heter
opoly and Isopoly Oxometa
llates, Springer−Verlag,
New York(1983)に記載されている。典型
的にはヘテロポリ酸は、所望の金属酸化物を水に溶解
し、酸例えば塩酸でpHを約1〜2に調整して必要なプ
ロトンを与え、次いで所望のヘテロポリ酸が沈殿するま
で水を蒸発させることによって製造される。例として、
ヘテロポリ酸、HPMo1240は、NaHPO
およびNaMoOを混合し、硫酸でpHを調整
し、エーテルで抽出し、得られるヘテロポリ酸を水中で
結晶化させることによって得ることができる。また、バ
ナジウム置換ヘテロポリ酸は、V.F. オダイアコフ
(Odyakov)らによる、Kinetics an
d Catalysis, 1995, vol.3
6, p.733に記載された方法に従って製造でき
る。さらに以下に記載されたように、上記ヘテロポリ酸
を炭酸セシウムで処理し、得られる沈殿生成物を集める
ことによって、CsPMo1240担体を製造する
ことができる。
【0032】本発明において有用なヘテロポリ酸は、バ
ナジルアセチルアセトネート等の存在下でヘテロポリ酸
を製造することを含む種々の手段によって、活性増進さ
れることができる。さらに、鉄または他の遷移金属、ア
クチニドおよびランタニド金属ならびに他の基、G、の
交換は、本発明の方法において使用される触媒のヘテロ
ポリ酸の活性を増進させることがわかった。典型的に
は、触媒のポリオキソメタレート担体成分は、所望のカ
チオンの可溶性塩、例えばセシウム塩担体のために、C
COを、所望の可溶性のヘテロポリ酸、例えばH
(PMo1240)に加えて、不溶性のポリオキソ
メタレート、例えばCs(PMo1240)を形成
することによって製造することができる。ポリオキソメ
タレートは、任意の手段、例えばろ過または溶媒蒸発、
好ましくは溶媒蒸発によって単離することができる。あ
る種のポリオキソメタレート沈殿物は、蒸発工程を必要
とせずに単離できる。しかしながら、多くの場合、沈殿
物は非常に細かく、単離は好ましくは水の蒸発によって
なされる。金属酸化物の所望の割合は、所望の生成物に
必要とされる理論量からいくらか変化し得る。塩溶液は
好ましくは、ヘテロポリ酸溶液にゆっくりと添加されて
カチオンのヘテロポリメタレート塩を沈殿させる。以下
の反応がプロセスを例示する:
【0033】3CsCO+2H(PMo12
40)→2Cs(PMo1240)+3HO+2
CO 沈殿は、高温で(例えば60〜65℃)行われることが
でき、反応中にCOが放出される。得られるポリオキ
ソメタレート塩は、水中で細かい懸濁物を形成し、例え
ばロータリーエバポレーターによって、または例えば5
0〜70℃またはそれより低温で加熱することによっ
て、蒸発乾固することができる。乾燥した物質は、(例
えば300℃で)焼成/熱処理することができる。ポリ
オキソメタレートの製造方法は、ポリオキソメタレート
塩の表面積、細孔容積および細孔径分布(PSD)に影
響を及ぼすことができる。例えば、カチオン塩をヘテロ
ポリ酸溶液へゆっくりと添加すると、少しの小さい細孔
と多くの大きい細孔を有する物質が得られる。反対に、
カチオン塩の急速な添加は、多くの小さい細孔と幾らか
の中間の細孔および大きい細孔とを有する幅広いPSD
を生じる。本発明のためには、ゆっくりと添加して(特
に約0.1モル/Lの溶液濃度を用いるときには、例え
ば2ml/分の速度で)、主に大きい細孔を形成するの
が好ましい。より好ましくは、特に大量の物質の製造の
ためには、カチオン塩およびヘテロポリ酸の溶液は、反
応容器に同時に添加することができる。塩溶液は、約
0.05〜1モル/L、好ましくは0.1〜0.2モル
/Lの範囲の濃度を有することができる。ヘテロポリ酸
溶液は、約0.05〜1モル/Lの範囲、好ましくは
0.1〜0.2モル/Lの範囲、より好ましくは0.1
モル/Lの濃度を有することができる。
【0034】PSDに影響を及ぼすさらなる要因は、沈
殿工程中の反応媒体の温度である。室温での沈殿は、メ
ジアン細孔半径約90Åを有する狭いPSDを生じ、そ
れに対して65℃での沈殿は、より大きいメジアン細孔
半径(120Å以上)を有する、より幅広いPSDを生
じることがわかった。さらに、ポリオキソメタレート塩
を含むスラリーのエージング、次いでゆっくりとした蒸
発乾固は、大きい細孔物質の製造に有益であることがわ
かった。好ましくは、スラリーを、室温または約35〜
45℃の範囲の温度に長時間保持させた後にゆっくりと
乾燥させることができる。エージングおよび乾燥のプロ
セスは、1〜3日間またはそれより長い期間にわたるこ
とができる。また、(化学量論量に対して)過剰のカチ
オン塩を使用すると、所望の大きい細孔の担体物質の形
成が促進される。化学量論比の出発物質を使用して担体
物質を製造することができるが、少し過剰のカチオン塩
を使用するのが好ましい。ランダムなフレームワーク金
属置換、例えばH(PMo40);K (S
iMo11MnO39)およびK(PW11
40)を有する、ヘテロポリ酸およびポリオキソメタ
レートの製造が知られている。例えば、K(PW11
VO40)は45.0gの12−タングストリン酸H
(PW1240)を、水105mlに溶解させること
によって製造することができる。撹拌しながら、重炭酸
カリウムを用いてpHを約5.2に調整する。次に混合
物を70℃に加熱し、水15ml中の硫酸バナジル(V
OSO)6.0gを加える。溶液を冷却し、塩化カリ
ウムを加えて所望のK(PW11VO40)を沈殿さ
せる。
【0035】レジオ特異的(regiospecifi
c)でトリラキュナリー(trilacunary)フ
レームワーク置換されたヘテロポリ酸またはポリオキソ
メタレートの製造がまた、本発明において有用であり得
る。適当なレジオ特異的でトリラキュナリーフレームワ
ーク置換されたヘテロポリ酸またはポリオキソメタレー
トは、米国特許第4,898,989号に記載されてお
り、そのような置換化合物の製造に関する記載は本明細
書の一部として参照される。本発明において有用なHP
AおよびPOMは別々に製造した後、合わせることがで
き、あるいは、一緒に製造することができる。HPAお
よびPOMを別々に製造した後、合わせるのが好まし
い。他の実施態様においては、本発明において有用な触
媒は、ポリオキソメタレートをプロトン含有強酸で処理
することにより、ポリオキソメタレート担体の表面上に
その場で(in situ)ヘテロポリ酸を生成させる
ことによって製造することができる。任意のプロトン含
有強酸が適当であり、好ましくは無機酸である。適当な
酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸および硝酸が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0036】本発明の触媒は、ポリオキソメタレート塩
上に担持されたヘテロポリ酸(HPA/POM触媒)を
含む。本発明において有用なそのような触媒は、式: H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e / C(e−az)(Xm−x −e (I V) (式中、個々の成分は、上記式(I)および(II)に
記載したのと同様である)を有するものである。HPA
/POM触媒は、(VO)1.5PMo1240/C
(PMo1240)、(VO)1. PMo12
40/Cs(PW1240)、H(VO)PMo
1240/Cs(PMo1240)、HPV
Mo1040/Cs(PMo1240)、H
Mo1040/Cs(PW1240)、H
PVMo1140/Cs(PMo1240)、H
PVMo11 /Cs(PW1240)、R
hPMo1240/Cs(PMo1240)、H
CrPVMo11 /Cs(PMo
1240)、HBiPVMo1140/Cs(P
Mo1240)、H(PMo11 40)/Cs
(PMo1240)、H(PMo1240)/C
(PMo1240)、H(PMo12 40
/Cs(PW1240)、H(PW1240)/
Cs(PMo1240)またはH(PW12
)/Cs(PW1240)であるのが好ましく、
より好ましくは、H(PMo1240)/Cs
(PMo1240)、H(PMo12 40)/
Cs(PW1240)、H(PW1240)/C
(PMo 40)またはH(PW
1240)/Cs(PW1240)である。
【0037】ポリオキソメタレート塩上に担持されたヘ
テロポリ酸の量は、所望の触媒の活性に依存する。例え
ば、ポリオキソメタレートの表面積の100%がヘテロ
ポリ酸で覆われている本発明の触媒は、アルカンの不飽
和カルボン酸への転化において有用である。ポリオキソ
メタレートの表面積の100%未満がヘテロポリ酸で覆
われている本発明の触媒は、アルカンのアルケンへの転
化において有用である。このように、所望の反応を触媒
する任意の量のヘテロポリ酸が適当である。本発明のH
PA/POM触媒は、POM担体の熱処理後に、改善さ
れた触媒活性、例えば収率および選択性の増加を示す。
本発明の触媒は、まずPOM担体を熱処理した後、HP
AをPOM上に担持させることによって製造することが
できる。本発明の触媒は製造後に、すなわち、HPAが
POM上に担持された後に熱処理されるのが好ましい。
そのような熱処理は典型的には、385〜600℃の範
囲、好ましくは390〜470℃の範囲、より好ましく
は410〜470℃の範囲の温度で一定時間触媒を加熱
することを含む。そのような熱処理は典型的には、継続
して24時間までであるが、それより長くてもよい。熱
処理が継続して8時間までが好ましく、より好ましくは
4時間まで、最も好ましくは2時間までである。触媒が
分解しない限り、もっと長い熱処理時間を使用できるこ
とを、当業者は認識するであろう。このように、あまり
安定でない触媒については、より低い熱処理温度が使用
されるなら、より長い熱処理時間を使用することができ
る。典型的には、本発明の熱処理は、所望の温度が達成
されるまで、可変の温度勾配、例えば1分間当たり2℃
の温度勾配によって行うことができる。代替の実施態様
においては、HPA/POM触媒は、1回より多く熱処
理される。例えば、本発明のHPA/POM触媒は、繰
返し短時間熱処理することができ、例えば15〜60分
間ごとに410〜450℃での2回以上の熱処理であ
る。本発明の熱処理は、不活性雰囲気または酸素含有雰
囲気下で行うことができる。適当な熱処理雰囲気として
は、空気、酸素、窒素、アルゴンおよびそれらの組合せ
が挙げられるが、これらに限定されない。1つより多い
雰囲気を使用できること、例えば、窒素下で第1の熱処
理をした後、空気または酸素下での熱処理ができること
が認識されるであろう。
【0038】本発明の熱処理は、任意の方法で行うこと
ができる。本発明のポリオキソメタレート担体を、触媒
反応器に置く前に熱処理することができ、使用前に触媒
反応器中で熱処理することができ、または使用中に触媒
反応器中で熱処理することができる。1つの実施態様に
おいては、本発明のHPA/POM触媒が反応器中に置
かれ、反応気体、例えばアルカンを存在させずに熱処理
される。反応器および触媒を次に冷却する。冷却された
ら、次に、反応器および触媒を、反応気体の所望の転化
のための適当な温度に加熱した後、気体を反応器に供給
する。本発明のポリオキソメタレートが使用中に熱処理
されるときには、触媒を触媒反応器中に置き、反応器の
温度を所望の熱処理温度に上げながら、反応気体を反応
器に供給する。そのような熱処理後に、反応器温度を反
応気体の所望の転化のための適当な温度に下げ、反応を
続ける。熱処理されたポリオキソメタレート担体を有す
る本発明のHPA/POM触媒は、非熱処理HPA/P
OM触媒が有用であるすべての反応を触媒するのに有用
である。例えば、熱処理されたポリオキソメタレート担
体を有する本発明のHPA/POM触媒は、アルカンの
アルコールへの酸化、アルカンの不飽和カルボン酸への
酸化、アルカンのアルケンへの酸化的脱水素化、芳香族
炭化水素の酸化、オレフィンの重合、オレフィンのエポ
キシ化、水素脱硫法およびアルケンの酸化において有用
である。本発明の触媒は好ましくは、アルカンのアルコ
ールへの酸化、アルカンの不飽和カルボン酸への酸化、
アルカンのアルケンへの酸化的脱水素化およびアルケン
の酸化において使用される。本発明の触媒は、アルカン
の不飽和カルボン酸もしくはアルケンへの転化において
特に有用である。触媒が、ポリオキソメタレート担体上
の完全な表面層としてヘテロポリ酸を含むとき、すなわ
ち、ヘテロポリ酸が、担体の表面積の100%を覆って
いるときには、アルカンは不飽和カルボン酸へ転化され
る。例えば、プロパンはアクリル酸へ転化され、イソブ
タンはメタクリル酸へ転化される。そのような触媒のポ
リオキソメタレート担体が本発明に従い熱処理されると
きには、不飽和カルボン酸の収率ならびに転化の選択性
は増加する。触媒が、ポリオキソメタレート担体上の完
全な表面層より少ない量でヘテロポリ酸を含むとき、す
なわち、ヘテロポリ酸が、担体の表面積の100%未満
を覆っているときには、アルカンはアルケンに転化され
る。そのような触媒のポリオキソメタレート担体が本発
明に従い熱処理されるときには、アルケンの収率ならび
に転化の選択性は増加する。
【0039】本発明の触媒が、アルカンのアルケンへの
転化に使用されるときには、ポリオキソメタレート担体
の表面積の100%未満が覆われているような任意の量
のヘテロポリ酸を使用することができる。ヘテロポリ酸
の量が、ポリオキソメタレート担体の表面積の0.5〜
75%を覆っているのが好ましく、より好ましくは表面
積の1〜70%、最も好ましくは表面積の3〜50%で
ある。例えば、ポリオキソメタレート担体が、表面積8
0m/gを有するCsPMo1240であるとき
には、本発明において有用なヘテロポリ酸の量は20モ
ル%未満、好ましくは10モル%未満(表面積の約50
%が覆われている)である。ポリオキソメタレート担体
が、表面積110m/gを有するCsPW 12
40であるときには、本発明において有用なヘテロポリ
酸の量は25モル%未満、好ましくは12モル%未満
(表面積の約50%が覆われている)である。本発明に
おいて有用な触媒は、上記したように、熱処理されてい
るポリオキソメタレート担体上にヘテロポリ酸を含む。
ポリオキソメタレート塩上に担持されたヘテロポリ酸を
含む担持触媒は、例えば、ヘテロポリ酸の溶液を固体担
体マトリックス上に噴霧した後、乾燥する初期湿式法
(incipient wetness techni
que)によって、または担体物質をヘテロポリ酸の溶
液に加え、溶液を蒸発乾固することによって、またはヘ
テロポリ酸をポリオキソメタレート担体と共に乾式粉砕
することによって製造することができる。ヘテロポリ酸
は、水または他の溶媒、例えばアセトニトリルに溶解す
ることができる。
【0040】以下のプロセスは、初期湿式法を用いた触
媒製造について説明する。所望量のヘテロポリ酸を溶媒
(典型的には水またはアセトニトリル)に溶解する。ヘ
テロポリ酸を、所望ならG基の前駆体と共に溶解した
後、溶液を担体物質上に均等に噴霧し、担持触媒を、例
えば80℃で8時間(水を使用したとき)または50℃
で8時間(アセトニトリルを使用したとき)乾燥する。
噴霧および乾燥工程を繰り返し使用して、分散特性を変
えることができる。最終の担持触媒物質は熱処理するこ
とができる。熱処理するなら、熱処理温度は好ましくは
250〜450℃であり、触媒を損傷するほど過酷な温
度ではない。熱処理は、例えば275℃で3〜6時間ま
たは420℃で1〜2時間行うことができる。本発明の
触媒がアルカンのアルケンへの転化において使用される
べきものであり、ポリオキソメタレートをプロトン含有
強酸で処理することによってその場で製造されるときに
は、得られるヘテロポリ酸がポリオキソメタレート担体
の表面積の100%未満を覆う限り、任意の量の酸を使
用することができる。
【0041】本発明の1つの実施態様においては、担持
されたヘテロポリ酸は、水例えば蒸気で前処理すること
ができる。触媒は、水蒸気で飽和された空気に約48時
間暴露することによって製造される。水和された触媒
は、約5〜30重量%の水を含むことができる。触媒の
水和によるこの前処理は、触媒活性を増大させることが
できる。他の前処理、例えばアミンでの前処理を、本発
明の触媒を用いて好結果で使用できる。適当なアミンと
しては、ピリジン、2,2’−ビピリジン、キノリンお
よびピリジンN−オキシドが挙げられる。本発明の触媒
がピリジンを含まないことが好ましい。本発明のアルカ
ン転化プロセスにおいては、アルカンを酸化剤および熱
処理した本発明の触媒と接触させる。上記したように、
ヘテロポリ酸が、ポリオキソメタレート担体の表面積の
100%が覆われるような量で存在するときには、触媒
はアルカンの不飽和カルボン酸への転化のために適当で
ある。同様に、ヘテロポリ酸が、ポリオキソメタレート
担体の表面積の100%未満が覆われるような量で存在
するときには、触媒はアルカンのアルケンへの転化のた
めに適当である。
【0042】本発明において有用なアルカンは、直鎖
状、分枝状または環状であることができ、反応温度で気
体状である任意のものである。本発明において有用なア
ルカンは370℃で気体状であるのが好ましく、より好
ましくは225℃で気体状である。このように、2〜2
0個の炭素原子を有するアルカンを、本発明の方法にお
いて好結果で使用できる。アルカンは、単一の化合物で
あるか、または化合物の混合物であることができる。ア
ルカンの純度は不可欠ではないが、触媒毒になり得る化
合物の存在を避けるのが好ましい。適当なアルカンとし
ては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロオクタン、デカン、ドデカン、テトラデカ
ン、ヘキサデカンおよびそれらの混合物が挙げられる
が、これらに限定されない。結果として、本発明の方法
のための供給原料は、関係するアルカンのほかにさら
に、メタンまたはエタンならびに不純物例えば空気また
は二酸化炭素を含む。アルカンのアルケンへの転化にお
いて、好ましいアルカンは2〜12個の炭素原子を有
し、より好ましくは2〜8個の炭素原子を有する。アル
ケンへの転化において有用な適当な好ましいアルカンと
しては、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、
ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、エ
チルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよび
それらの混合物が挙げられるが、これらに限定されな
い。特に好ましいアルカンとしては、エタン、プロパン
およびイソブタンが挙げられる。アルカンの不飽和カル
ボン酸への転化において、好ましいアルカンは3〜12
個の炭素原子を有し、より好ましくは3〜8個の炭素原
子を有する。不飽和カルボン酸への転化において有用な
適当な好ましいアルカンとしては、プロパン、n−ブタ
ン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、
イソヘキサン、エチルヘキサン、シクロペンタン、シク
ロヘキサンおよびそれらの混合物が挙げられるが、これ
らに限定されない。不飽和カルボン酸への転化において
有用なより好ましいアルカンとしては、プロパンおよび
イソブタンが挙げられる。
【0043】本発明のアルカン転化プロセスにおいて有
用な適当な酸化剤またはオキシダントとしては、空気、
分子状酸素、過酸化水素、窒素酸化物およびそれらの混
合物が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤
が、空気、分子状酸素または窒素酸化物であるのが好ま
しく、より好ましくは酸化剤は空気である。本発明にお
いて有用な酸化剤の量は、アルカンを酸化するのに十分
な任意の量である。例えば、酸化剤の量は、アルカンの
量に基づき、化学量論量までの量またはそれより多い任
意の量であることができる。さらに、酸化剤およびアル
カンの量を調節することによって、触媒を酸化状態また
は還元状態に保持することができ、触媒の寿命および反
応性を調節できる。本発明のアルカン転化プロセスが種
々の条件下で行うことができることを当業者は認識する
であろう。必要な条件は一般に、その条件下で酸化剤が
アルカンを不飽和カルボン酸またはアルケンへと酸化す
るように作用する条件である。このように、本発明のプ
ロセスは、酸化条件下で進められるのが好ましい。本発
明のアルカン転化プロセスは好ましくは蒸気相中で行
う。本発明の方法において、アルカン、酸化剤、任意的
に不活性希釈気体および任意的に気体状促進剤および/
または変性剤を反応器に供給する。適当な不活性気体と
しては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられるが、
これらに限定されない。好ましくは供給原料はアルカン
気体である。アルカン、酸化剤および任意的な不活性希
釈気体を、反応器に供給する前に混合するか、または反
応器中で混合することができる。
【0044】本発明のアルカン転化プロセスは、水蒸気
の存在下または不存在下で行うことができ、好ましくは
水蒸気の存在下で行う。不活性な希釈気体が本発明の方
法において使用されるときには、出発反応気体混合物中
のアルカン、酸化剤、希釈気体および水(水蒸気)(存
在するなら)のモル比の決定は、当業者の能力の範囲内
にある。本発明の方法において使用される気体空間速度
の決定は、当業者の能力の範囲内にある。本発明の方法
において使用される温度は、不飽和カルボン酸またはア
ルケンを反応生成物として形成するのに好ましい温度で
ある。本発明の方法に従う、アルカンの不飽和カルボン
酸またはアルケンへの転化は、225〜450℃の範囲
の温度で行う。本発明の方法は、典型的には少なくとも
約225℃、好ましくは少なくとも約275℃の温度
で、かつ、望ましくない量の、アルカンの二酸化炭素お
よび水への分解ならびに/または触媒の分解を引き起こ
す温度より下の温度で行われる。一般に、その温度は4
50℃以下、より好ましくは400℃以下である。この
ように、好ましい温度範囲は、275〜400℃であ
る。より高いプロセス温度、例えば400℃より高温、
が使用されるときには、タングステン含有触媒がより安
定であり、したがって、そのような高温のプロセスのた
めに好ましい。本発明の範囲内で与えられた反応および
与えられた触媒について最も望ましい温度の決定は、当
業者の能力の範囲内にある。
【0045】本発明の方法において使用される圧力は不
可欠ではないが、重要である。例えば、本発明の方法に
おいて使用される圧力は、アルケン形成の選択性に影響
を及ぼすことがある。プロセスは、大気圧下で好結果に
行うことができる。他の圧力が使用でき、本発明の範囲
内で与えられた反応について最も望ましい圧力の決定
は、当業者の能力の範囲内にある。本発明の方法は、任
意の適当な反応器形状で行うことができる。例えば、反
応は、固定床反応器、流動床反応器、沸騰床(ebul
lating bed)反応器または他の、当業者が決
定する能力の範囲内にある反応器で行うことができる。
本発明のプロセスからの未反応アルカンはリサイクルさ
れ、1回以上反応器を通過することができることが認識
される。そのようなリサイクルは、製造されるアルケン
の収率を増加させるという利点を有する。本発明のプロ
セスは、供給原料として不飽和カルボン酸またはアルケ
ンを用いるプロセス、例えば不飽和カルボン酸の重合の
ためのプロセスまたはアルケンからの不飽和カルボン
酸、アルコール等の製造のためのプロセスと組合せるこ
とができる。そのような場合には、本発明のプロセス
は、その後反応して、直接不飽和カルボン酸のような生
成物、例えばアクリル酸もしくはメタクリル酸またはア
ルコールを形成することができるアルケンを製造するの
に使用することができる。他の実施態様においては、本
発明の触媒は、1種以上のさらなる触媒と組合せること
ができる。そのような組合せ触媒系は、アルカンの不飽
和カルボン酸またはアルケンへの転化、次いでこれらの
生成物の他の反応生成物への転化を1つの反応器内また
は反応器系内で行うことができるという利点を有する。
【0046】本発明のアルカン転化プロセスにおいて有
用なアルカンの炭素鎖長が増加するにつれて、ポリオキ
ソメタレートの細孔径がまた増加するのが好ましい。例
えば、約8個より多い炭素原子を有するアルカンが本発
明のプロセスにおいて使用されるときには、ポリオキソ
メタレート担体は大きい細孔を有するのが好ましい。多
数の大きい細孔を含むポリオキソメタレートを有する触
媒は、まず大きい細孔を含むポリオキソメタレートを製
造した後、ヘテロポリ酸とそのようなポリオキソメタレ
ートとを合わせることによって製造される。そのような
大きい細孔のポリオキソメタレートの製造は、先に記載
されている。しかしながら、そのような製造方法は、大
きい細孔のみを有するポリオキソメタレートを与えな
い。むしろ、そのような方法は、小さい細孔がなお存在
することを意味する、より大きいメジアン細孔径を有す
るポリオキソメタレートを提供する。驚くべきことに、
HPA/POM触媒の細孔径が熱処理によって調節でき
ること、すなわち、小さい細孔を有するHPA/POM
触媒が、より多い割合の大きい細孔を有するHPA/P
OM触媒へと転化されることが見出された。
【0047】ポリオキソメタレート塩の細孔径だけが熱
処理によって調節できること、すなわち、小さい細孔を
有するポリオキソメタレート塩が、より多い割合の大き
い細孔を有するポリオキソメタレート塩へと転化される
ことがまた見出された。大きい細孔のポリオキソメタレ
ート塩を製造するそのような方法は、公知の製造方法に
優る利点を有することができる。例えば、担体およびコ
ーティングに異なる組成物を有する触媒、例えばモリブ
デンベースのヘテロポリ酸でコーティングされた、タン
グステンベースのポリオキソメタレート担体の製造を可
能にする。そのような方法はまた、コーティングされた
種が高温に敏感である触媒の製造を可能にする。
【0048】図1は、不活性雰囲気下でのセシウムポリ
オキソメタレートCsPMo1240についての熱
処理温度に伴う、(m2/gで表した)表面積およびオ
ングストロームで表した結晶サイズ(crystall
ite size)の変化を示す。結晶サイズは、内部
標準と比べた、XRD線幅(20° 2θ)から決定さ
れる。増加する結晶サイズと減少する表面積の間に優れ
た相関があり、温度増加に伴う3次構造の大きな変化を
反映していた。図2および3は、アルゴン雰囲気中で種
々の温度で熱処理されたCsPMo 1240につい
ての、それぞれ細孔容積および細孔面積の細孔径に対す
るプロットを示す。細孔径はÅで示され、細孔容積はc
c/gで示され、細孔面積はm 2/gで示されている。
これらの図は明らかに、熱処理温度が高くなると表面積
が減少し、細孔径分布がより大きい細孔の方へシフトす
ることを示す。
【0049】このように、本発明は、ポリオキソメタレ
ート担体上に担持されたヘテロポリ酸を含む触媒組成物
における細孔径を調節する方法を提供するものであり、
ここで、ヘテロポリ酸は、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) 式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはその
オキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択される
元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそれ
らの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mおよ
びMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷であ
り;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である;
を有し、ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) 式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷移
金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシイ
オン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ピ
リジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族ア
ミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの混
合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16族
元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タン
グステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジウ
ム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であり;
z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;n=
0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeはポリ
オキソメタレートアニオンの電荷である;を有し、ポリ
オキソメタレート担体を、385〜600℃の範囲の温
度で加熱する工程を含む。
【0050】細孔径が、390〜550℃の範囲の温度
で組成物を加熱することによって調節されるのが好まし
く、より好ましくは410〜500℃の範囲の温度であ
る。ポリオキソメタレート担体の細孔径は、まずPOM
を加熱した後、POM上にHPAを担持させることによ
って調節することができる。ポリオキソメタレート担体
の細孔径が、触媒製造後に、すなわちHPAがPOM上
に担持された後に、熱処理することによって調節される
のが好ましい。本発明の熱処理が、ポリオキソメタレー
ト担体の細孔径を調節するために使用されるときには、
触媒はピリジンを含まないのが好ましい。本発明のさら
なる種々の態様を説明するために以下の実施例を与える
が、いかなる意味でも本発明の範囲を限定することを意
図しない。試薬はすべて良好な市販の等級を有するもの
であり、さらに精製することなく使用した。
【0051】
【実施例】実施例1 ヘテロポリ酸触媒およびポリオキソメタレート担体を、
以下の一般的方法に従って製造した。ヘテロポリ酸 以下の実施例において使用したリンタングステン酸およ
びリンモリブデン酸(HPW1240およびH
Mo1240)は市販のものを購入した。以下の実施
例において使用したH3+x(PM12−x
40)タイプの触媒は、HPVMo1040
について示された、以下の一般的方法に従って製造し
た。200gの脱イオン水中の48.8gのNaVO
と、200gの脱イオン水中の14.2gのNaHP
とを95℃にて混合することによって、HPV
Mo1040を製造した。混合物を冷却後、18.4
gの濃硫酸を加え、そのとき、溶液は赤くなり、発熱が
観察された。酸の添加で、pHは9.1から3.7に下
がった。次に、NaMoOを400gの脱イオン水
に加えた後、発熱的な酸添加中の温度を50℃より下に
保持しながら、さらに312gの濃硫酸を加えた。室温
に冷却後、激しく撹拌しながら、1000mlのジエチ
ルエーテルを混合物に加えた。中間層(すなわち、ヘテ
ロポリエーテラート(heteropolyether
ate)層)を分離し、エーテルを蒸発させた。生成物
を60〜80gの脱イオン水に溶かし、結晶化させた。
得られた大きい赤色結晶をろ過し、洗浄し、乾燥して、
所望のヘテロポリ酸78.53gを得た。
【0052】エクストラフレームワークに促進剤を有す
るヘテロポリ酸は、カチオン性促進剤種、例えばVOS
、Fe(NO、Cu(NOの水性溶液
(例えば0.1モル)を、HPW1240またはH
PMo1240水性溶液(例えば0.1モル)に適
当な量加えることによって一般的に製造した。試料を6
0℃で30分間加熱した後、蒸発によって水を除去し
て、所望の固体ヘテロポリ酸を与えた。本発明において
有用な典型的なヘテロポリ酸を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】ポリオキソメタレート担体 CsPMo1240について説明された以下の一般
的方法に従って、ポリオキソメタレート担体を製造し
た。1225gの脱イオン水中の33.31gのCs
COを、800gの脱イオン水中の159.47gの
PMo12 40に50℃にて添加することによっ
て、CsPMo1240を製造した。2時間かけて
添加を行い、混合物を50℃にてさらに30分間保持し
た。室温に冷却後、混合物をゆっくりと約70時間撹拌
した。次に、蒸発によって水を除去し、得られる固体生
成物を真空オーブン中で、または高温で(例えば300
℃)乾燥し、約150gの所望のポリオキソメタレート
担体を生成した。本発明において有用な典型的なポリオ
キソメタレートを表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】実施例2 以下の実施例で使用した、ポリオキソメタレート担持ヘ
テロポリ酸触媒は、H PMo1240/CsPM
1240の製造について説明した、以下の一般的方
法に従って製造した。0.7196gのHPMo12
40・20HO、34.02gのCsPMo12
40および315gの脱イオン水を合わせることによ
って、HPMo1240/CsPMo1240
(0.02/1.0モル比−約10%表面被覆)を製造
した。室温で80分間撹拌した後、蒸発によって水を除
去し、得られる固体を乾燥した。試料を空気中で150
℃にて1時間加熱処理して、32.69gの所望の触媒
を与えた。次に触媒を、酸化反応器に充填するためにペ
レット化した。この方法に従って製造された触媒の例な
らびに、コーティングされた担体のおよその表面積を表
3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例3 CsPMo1240上に担持された(VO)1.5
PMo1240を含有する4つの触媒試料を製造し
た。各場合において、(VO)1.5PMo1240
を、さらに精製をしていない硫酸バナジルから製造し
た。各試料は、POMの表面積の100%が覆われるよ
うに十分な(VO)1.5PMo1240を含んでい
た。各試料を、室温でオーブン中に置き、試料を1分間
当たり約2℃の速度で最終的熱処理温度まで加熱するこ
とによって、熱処理した。各試料を最終的熱処理温度に
2時間保持した。1つの試料は対照として使われ、30
0℃で熱処理され、これは、HPA/POM触媒の典型
的乾燥または焼成温度である。その他の試料は、420
℃、450℃または500℃で熱処理された。各場合に
おいて、POMはHPAでコーティングされる前に熱処
理された(「コート前(pre−coat)」)か、ま
たはPOM上に担持されたHPAを含む触媒を熱処理し
た(「コート後(post−coat)」)。熱処理
後、各触媒を室温にて空気下で触媒反応器中に置き、プ
ロパンを反応器に供給し、反応器を380℃に加熱し
た。約30%のプロパン転化率にて、アクリル酸(A
A)の収率を、各触媒について測定した。これらの結果
を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】上記データは明らかに、触媒が高温で熱処
理されたときにアクリル酸の収率が大きく増加したこと
を示す。このデータはまた、組合されたHPA/POM
触媒を熱処理することによって、アクリル酸の収率をさ
らに増加させることを示す。
【0061】実施例4 CsPMo1240上に担持された(VO)1.5
PMo1240を含有する2つの触媒試料を製造し
た。各試料は、POMの表面積の100%が覆われるよ
うに十分な(VO)1.5PMo1240を含んでい
た。1つの試料は対照として使われ、実施例3に記載し
たように300℃で熱処理された。他の試料を、触媒反
応器中のその場で420℃にて熱処理した。熱処理した
試料を室温にて空気下で触媒反応器中に置き、プロパン
を反応器に供給し、温度を420℃に上げた。反応器を
この温度に10分未満の間保持した後、380℃に冷却
し、反応を続けた。プロパン転化率30%にて、アクリ
ル酸の収率を測定した。対照試料をまた、実施例3に記
載したように、プロパンのアクリル酸への転化を触媒す
るのに使用した。対照試料およびその場で熱処理した試
料についてのデータを表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】上記のデータは明らかに、HPA/POM
触媒のその場での熱処理が、プロパンからのアクリル酸
の収率を増加させるのに非常に有効であることを示す。
【0064】実施例5 CsPMo1240担体上にヘテロポリ酸(30重
量%)を合わせることによって、HPA/POM触媒を
製造した。使用した具体的なヘテロポリ酸を以下の表に
示す。アミンを用いた前処理をされなかった1つの試料
を275℃で熱処理し、比較例とした。残りの試料を4
20℃または440℃で熱処理した。試料の幾つかは、
ヘテロポリ酸の量に対して0.25〜1.0当量の量の
アミンにて前処理した。使用したアミンは、ピリジン
(PYR)、キノリン(QUIN)およびビピリジン
(BIPYR)であった。熱処理後、プロパンのアクリ
ル酸への酸化を触媒するのに、この触媒を使用した。酸
化は、プロパン、空気および窒素の混合物(1.76/
15.8/9.6ml/分)を、375〜380℃にて
触媒4ml上を通すことによって行った。アクリル酸の
収率、プロパン転化率およびアクリル酸選択性を表6に
示す。
【0065】
【表6】
【0066】上記データは明らかに、HPA/POM触
媒を熱処理することによって、熱処理しない触媒と比べ
て、収率、転化率およびアクリル酸の選択性が改善され
ることを示す。上記のデータはさらに、アミンで前処理
した熱処理触媒であっても、そのようなアミンでの前処
理をしない触媒より収率およびアクリル酸の選択性を改
善しないことを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、不活性雰囲気下での、温度に対する
表面積および結晶サイズのプロットを示す。
【図2】 図2は、アルゴン雰囲気中で種々の温度で熱
処理されたCsPMo1240についての細孔容積
対平均細孔径のプロットを示す。
【図3】 図3は、アルゴン雰囲気中で種々の温度で熱
処理されたCsPMo1240についての細孔面積
対平均細孔径のプロットを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 57/05 C07C 57/05 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (71)出願人 500273274 スノコ・インコーポレイティド アメリカ合衆国ペンシルバニア州19103− 1699,フィラデルフィア,マーケット・ス トリート・1801,テン・ペン・センター (72)発明者 ポール・エドワード・エリス アメリカ合衆国テキサス州77479,シュガ ー・ランド,クリスフィールド・ドライ ブ・1931 (72)発明者 スワティ・カルマカル アメリカ合衆国ペンシルバニア州19355, マルバーン,ウェブリッジ・ドライブ・ 109 (72)発明者 リチャード・デービッド・リンク・ザサー ド アメリカ合衆国ペンシルバニア州19054, レビットタウン,ラベンダー・レーン・58 (72)発明者 ジェームズ・エドワード・ライアンズ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19086, ウォーリングフォード,クーパー・ドライ ブ・211 (72)発明者 ネカ・ナモノ・マクニール アメリカ合衆国ペンシルバニア州19002, アンブラー,メイン・ストリート・66・エ ヌ (72)発明者 アンソニー・フランク・ボルペ・ジュニア アメリカ合衆国カリフォルニア州95054, サンタ・クララ,ナンタケット・サーク ル・1745,ナンバー・165

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキソメタレート担体上に担持され
    たヘテロポリ酸を含む触媒組成物であって、該ヘテロポ
    リ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) [式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはそ
    のオキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択され
    る元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそ
    れらの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mお
    よびMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷で
    あり;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
    x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
    びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である]
    を有し;該ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) [式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグ
    ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷
    移金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシ
    イオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、
    ピリジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族
    アミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの
    混合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16
    族元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タ
    ングステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジ
    ウム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であ
    り;z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;
    n=0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeは
    ポリオキソメタレートアニオンの電荷である]を有し;
    さらにポリオキソメタレート担体が、385〜600℃
    の範囲の温度で熱処理される、触媒組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキソメタレート担体が、式 Cs
    3+x(PM12− 40)(式中、Mはモリブ
    デンまたはタングステンであり、xは0〜3である)を
    有する、ヘテロポリ酸のセシウム塩を含む請求項1記載
    の組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオキソメタレート担体が、Cs
    (PMo1240)、Cs(PMo11
    40)、Cs(PMo1040)、Cs
    (PMo40)、Cs(PW
    1240)、Cs(PW11VO40)、Cs
    (PW1040)、Cs(PW
    40)またはそれらの組合せを含む請求項2記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオキソメタレート担体が、Cs
    (PMo1240)またはCs(PW
    1240)を含む請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 ヘテロポリ酸が、HPMo
    1240、HPW12 、(VO)1.5PM
    1240、(VO)1.5PW1240、(Ti
    O)1.5PMo1240、H(VO)PMo12
    40、H(VO)PW 40、HPVMo
    40、HPVMo1040、HPV 10
    40、HPVMo1140、HPVW
    1140、RhPMo1240、BiPMo12
    40、HCrPVMo1140、HBiPVMo
    40またはそれらの組合せを含む請求項1記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 ヘテロポリ酸が、HPMo
    1240、HPW12 、(VO)1.5PM
    1240またはH(VO)PMo1240を含む
    請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ヘテロポリ酸が、HPMo
    1240、HPW12 、(VO)1.5PM
    1240、(VO)1.5PW1240、(Ti
    O)1.5PMo1240、H(VO)PMo12
    40、H(VO)PW 40、HPVMo
    40、HPVMo1040、HPV 10
    40、HPVMo1140、HPVW
    1140、RhPMo1240、BiPMo12
    40、HCrPVMo1140、HBiPVMo
    40またはそれらの組合せを含み、かつポリオキソメ
    タレート担体が、式Cs3+x(PM12−x
    40)(式中、Mはモリブデンまたはタングステンであ
    り、xは0〜3である)を有する、ヘテロポリ酸のセシ
    ウム塩を含む請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレー
    ト担体の両方がピリジンを含まない請求項1記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 組成物が、390〜470℃の範囲の温
    度で熱処理される請求項1記載の組成物。
  10. 【請求項10】 組成物が、410〜450℃の範囲の
    温度で熱処理される請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 ヘテロポリ酸が担体上に担持される前
    に、ポリオキソメタレート担体が熱処理される請求項1
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 ヘテロポリ酸が担体上に担持された後
    に、ポリオキソメタレート担体が熱処理される請求項1
    記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ポリオキソメタレート担体上にヘテロ
    ポリ酸を含む触媒組成物の製造方法であって、該ヘテロ
    ポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) [式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはそ
    のオキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択され
    る元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそ
    れらの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mお
    よびMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷で
    あり;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
    x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
    びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である]
    を有し;該ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) [式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグ
    ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷
    移金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシ
    イオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、
    ピリジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族
    アミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの
    混合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16
    族から選択される元素であり;Mは前記と同義であり;
    =バナジウム;Mは、MおよびMとは異なる遷
    移金属であり;z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=
    5〜20;n=0〜3;x=0〜6;y=18〜62;
    およびeはポリオキソメタレートアニオンの電荷であ
    る]を有し;ポリオキソメタレート担体を、385〜6
    00℃の範囲の温度で加熱する工程を含む触媒組成物の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリオキソメタレート担体が、式 C
    3+x(PM12 −x40)(式中、Mはモリ
    ブデンまたはタングステンであり、xは0〜3である)
    を有する、ヘテロポリ酸のセシウム塩を含む請求項13
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 ポリオキソメタレート担体が、Cs
    (PMo1240)、Cs(PMo11
    40)、Cs(PMo1040)、Cs
    (PMo40)、Cs(PW
    1240)、Cs(PW11VO )、Cs
    (PW1040)、Cs(PW
    40)またはそれらの組合せを含む請求項14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 ヘテロポリ酸が、HPMo12
    40、HPW12 40、(VO)1.5PMo12
    40、(VO)1.5PW1240、(TiO)
    1.5PMo1240、H(VO)PMo
    1240、H(VO)PW 1240、HPV
    40、HPVMo1040、HPV
    1040、HPVMo1140、HPVW11
    40、RhPMo 40、BiPMo
    1240、HCrPVMo1140、HBiPVM
    1140またはそれらの組合せを含む請求項13記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレ
    ート担体の両方がピリジンを含まない請求項13記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 アルカンを、酸化剤および、ポリオキ
    ソメタレート担体上にヘテロポリ酸を含む触媒組成物と
    接触させる工程を含む不飽和カルボン酸の製造方法であ
    って、該ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) [式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはそ
    のオキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択され
    る元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそ
    れらの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mお
    よびMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷で
    あり;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
    x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
    びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である]
    を有し;該ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) [式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグ
    ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷
    移金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシ
    イオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、
    ピリジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族
    アミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの
    混合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16
    族元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タ
    ングステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジ
    ウム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であ
    り;z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;
    n=0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeは
    ポリオキソメタレートアニオンの電荷である]を有し;
    該ヘテロポリ酸は、ポリオキソメタレートの表面積の1
    00%が覆われるような量で存在し;かつ該ポリオキソ
    メタレート担体は、アルカンと接触する前に、385〜
    600℃の範囲の温度で熱処理される不飽和カルボン酸
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 ポリオキソメタレート担体が、式 C
    3+x(PM12 −x40)(式中、Mはモリ
    ブデンまたはタングステンであり、xは0〜3である)
    を有する、ヘテロポリ酸のセシウム塩を含む請求項18
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 ポリオキソメタレート担体が、Cs
    (PMo1240)、Cs(PMo11
    40)、Cs(PMo1040)、Cs
    (PMo40)、Cs(PW
    1240)、Cs(PW11VO )、Cs
    (PW1040)、Cs(PW
    40)またはそれらの組合せを含む請求項19記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 ヘテロポリ酸が、HPMo12
    40、HPW12 40、(VO)1.5PMo12
    40、(VO)1.5PW1240、(TiO)
    1.5PMo1240、H(VO)PMo
    1240、H(VO)PW 1240、HPV
    40、HPVMo1040、HPV
    1040、HPVMo1140、HPVW11
    40、RhPMo 40、BiPMo
    1240、HCrPVMo1140、HBiPVM
    1140またはそれらの組合せを含む請求項18記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレ
    ート担体の両方がピリジンを含まない請求項18記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 アルカンを、酸化剤および、ポリオキ
    ソメタレート担体上にヘテロポリ酸を含む触媒組成物と
    接触させる工程を含むアルケンの製造方法であって、該
    ヘテロポリ酸が、式 H(e’−bz’)(Xk’m’−x’ x’ n’y’−e’ (I) [式中、Gは、1〜16族から選択される元素またはそ
    のオキシイオンであり;Xは、3〜16族から選択され
    る元素であり;M=モリブデン、タングステンまたはそ
    れらの組合せであり;M=バナジウム;Mは、Mお
    よびMとは異なる遷移金属であり;z’=Gの電荷で
    あり;b=0〜12;k’=1〜5;m’=5〜20;
    x’=0〜6;n’=0〜3;y’=18〜62;およ
    びe’はポリオキソメタレートアニオンの電荷である]
    を有し;該ポリオキソメタレート担体が、式 C(e−az)(Xm−x −e (II) [式中、Cは、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグ
    ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、遷
    移金属、アクチニド金属、ランタニド金属、金属オキシ
    イオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、
    ピリジニウム、キノリニウム、プロトン化された芳香族
    アミン、プロトン化された脂肪族アミンまたはそれらの
    混合物から選択されるカチオンであり;Xは、3〜16
    族元素から選択される元素であり;M=モリブデン、タ
    ングステンまたはそれらの組合せであり;M=バナジ
    ウム;Mは、MおよびMとは異なる遷移金属であ
    り;z=Cの電荷であり;k=1〜5;m=5〜20;
    n=0〜3;x=0〜6;y=18〜62;およびeは
    ポリオキソメタレートアニオンの電荷である]を有し;
    該ヘテロポリ酸は、ポリオキソメタレートの表面積の1
    00%未満が覆われるような量で存在し;かつ該ポリオ
    キソメタレート担体は、アルカンと接触する前に、38
    5〜600℃の範囲の温度で熱処理される、アルケンの
    製造方法。
  24. 【請求項24】 ポリオキソメタレート担体が、式 C
    3+x(PM12 −x40)(式中、Mはモリ
    ブデンまたはタングステンであり、xは0〜3である)
    を有する、ヘテロポリ酸のセシウム塩を含む請求項23
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 ポリオキソメタレート担体が、Cs
    (PMo1240)、Cs(PMo11
    40)、Cs(PMo1040)、Cs
    (PMo40)、Cs(PW
    1240)、Cs(PW11VO )、Cs
    (PW1040)、Cs(PW
    40)またはそれらの組合せを含む請求項24記載
    の方法。
  26. 【請求項26】 ヘテロポリ酸が、HPMo12
    40、HPW12 40、(VO)1.5PMo12
    40、(VO)1.5PW1240、(TiO)
    1.5PMo1240、H(VO)PMo
    1240、H(VO)PW 1240、HPV
    40、HPVMo1040、HPV
    1040、HPVMo1140、HPVW11
    40、RhPMo 40、BiPMo
    1240、HCrPVMo1140、HBiPVM
    1140またはそれらの組合せを含む請求項23記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 ヘテロポリ酸およびポリオキソメタレ
    ート担体の両方がピリジンを含まない請求項23記載の
    方法。
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