JP2001102356A - 表面平坦化処理方法および装置 - Google Patents
表面平坦化処理方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】現在半導体装置作製工程で被加工物表面の平坦
化処理法として現在用いられている化学機械研磨におい
て、被加工物と研磨布との機械的な接触により平坦化を
実現しているが、良好な平坦化処理を行うためにはこの
ような機械的な接触に起因する多種多様な平坦化処理条
件を最適にしなければならず、確立された平坦化処理法
とは言い難かった。 【解決手段】被加工物表面を構成する材料が比較的、物
理化学的に安定に存在し得る電解溶液中に被加工物を浸
漬し、その溶液中の被加工物表面近傍、あるいはノズル
を介して対向電極を設置し、被加工物と対向電極間、あ
るいは対向電極と被加工物から十分離れたところに設置
した電極に電圧を印加し、電気化学的な電解作用により
被加工物表面をエッチングし、被加工物表面のミクロ
ン、あるいはサブミクロンオーダーの平坦化を実現す
る。
化処理法として現在用いられている化学機械研磨におい
て、被加工物と研磨布との機械的な接触により平坦化を
実現しているが、良好な平坦化処理を行うためにはこの
ような機械的な接触に起因する多種多様な平坦化処理条
件を最適にしなければならず、確立された平坦化処理法
とは言い難かった。 【解決手段】被加工物表面を構成する材料が比較的、物
理化学的に安定に存在し得る電解溶液中に被加工物を浸
漬し、その溶液中の被加工物表面近傍、あるいはノズル
を介して対向電極を設置し、被加工物と対向電極間、あ
るいは対向電極と被加工物から十分離れたところに設置
した電極に電圧を印加し、電気化学的な電解作用により
被加工物表面をエッチングし、被加工物表面のミクロ
ン、あるいはサブミクロンオーダーの平坦化を実現す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
工程に適用可能なレベルの固体表面の平坦化方法の提供
に関する。特に、被加工物表面が化学的に安定に存在し
得る電解質溶液中に被加工物を浸漬し、その溶液中の被
加工物表面近傍、あるいはノズルを介して対向電極を設
置し、被加工物と対向電極間、あるいは対向電極と被加
工物から十分離れたところに設置した電極に電圧を印加
し、被加工物表面に何等かの機械的な作用を及ぼすこと
なく、電気化学的な電解作用により被加工物表面を平坦
化することを特徴とする。また本発明は上記の平坦化処
理方法を実現するための装置にも関する。
工程に適用可能なレベルの固体表面の平坦化方法の提供
に関する。特に、被加工物表面が化学的に安定に存在し
得る電解質溶液中に被加工物を浸漬し、その溶液中の被
加工物表面近傍、あるいはノズルを介して対向電極を設
置し、被加工物と対向電極間、あるいは対向電極と被加
工物から十分離れたところに設置した電極に電圧を印加
し、被加工物表面に何等かの機械的な作用を及ぼすこと
なく、電気化学的な電解作用により被加工物表面を平坦
化することを特徴とする。また本発明は上記の平坦化処
理方法を実現するための装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】現在、珪素をベースとした大規模集積回
路半導体素子製造においては、従来からの手法である一
次元的なパターンの微細化や二次元的な珪素ウエハの大
口径化に加えて、近年 素子間の三次元的な多層配線化
などによってさらなる高集積化、高速化、高付加価値化
を図ろうとしている。従来、珪素ウエハ表面近傍に半導
体素子の基本的構成要素であるトランジスタやコンデン
サーを配置した後に、これらの上に珪素酸化膜などの絶
縁層を形成し、所望の位置でこれを開口してこれにタン
グステンなどの金属を埋め込み、その上にアルミニウム
などの金属の層を形成して各素子間を配線していた。し
かし高集積化の進展に伴い、この絶縁および配線層の層
数は増加の一途をたどり、現在論理素子においては7か
ら8層にも及んでいる。このような場合、開口後に成膜
するとその開口部分が凹んだり、また柱状の構造物の上
に成膜するとその部分が凸になったりし、これらは上層
になるほど増幅され顕著になる。このようにして生じて
しまった凹凸は、表面が平坦であるという前提で行って
いるリソグラフィ工程において重大な問題となる。例え
ば金属配線膜を成膜後に表面の高い所と低い所の差が1
μmあるとすると(この値は実際に一般的なものであ
る)、現在主として用いられている解像度0.25μm
前後の弗化クリプトンあるいは弗化アルゴンレーザーを
光源とした投影露光方式の光学系の焦点深度は0.3μ
m以下であるから、前述したようなレベルの表面の凹凸
がリソグラフィ工程の焦点合わせを非常に困難なものに
することは一目僚然である。従って、このような問題を
解決するためには、上述したような成膜工程後の表面の
凹凸を何らかの方法で除去し、平坦にしなければならな
い。
路半導体素子製造においては、従来からの手法である一
次元的なパターンの微細化や二次元的な珪素ウエハの大
口径化に加えて、近年 素子間の三次元的な多層配線化
などによってさらなる高集積化、高速化、高付加価値化
を図ろうとしている。従来、珪素ウエハ表面近傍に半導
体素子の基本的構成要素であるトランジスタやコンデン
サーを配置した後に、これらの上に珪素酸化膜などの絶
縁層を形成し、所望の位置でこれを開口してこれにタン
グステンなどの金属を埋め込み、その上にアルミニウム
などの金属の層を形成して各素子間を配線していた。し
かし高集積化の進展に伴い、この絶縁および配線層の層
数は増加の一途をたどり、現在論理素子においては7か
ら8層にも及んでいる。このような場合、開口後に成膜
するとその開口部分が凹んだり、また柱状の構造物の上
に成膜するとその部分が凸になったりし、これらは上層
になるほど増幅され顕著になる。このようにして生じて
しまった凹凸は、表面が平坦であるという前提で行って
いるリソグラフィ工程において重大な問題となる。例え
ば金属配線膜を成膜後に表面の高い所と低い所の差が1
μmあるとすると(この値は実際に一般的なものであ
る)、現在主として用いられている解像度0.25μm
前後の弗化クリプトンあるいは弗化アルゴンレーザーを
光源とした投影露光方式の光学系の焦点深度は0.3μ
m以下であるから、前述したようなレベルの表面の凹凸
がリソグラフィ工程の焦点合わせを非常に困難なものに
することは一目僚然である。従って、このような問題を
解決するためには、上述したような成膜工程後の表面の
凹凸を何らかの方法で除去し、平坦にしなければならな
い。
【0003】従来から用いられてきた表面の平坦化の方
法として、エッチバック、成膜法、流動化法などが知ら
れている。エッチバック法は,金属や層間絶縁膜の膜堆
積とスパッタや反応性イオンエッチングなどのエッチン
グを組み合わせて平坦化する方法である。流動化法は、
リンや硼素などを添加した珪素酸化膜を堆積、または無
機や有機のSOG(Spin on Glass)など
を塗布した後に熱処理を行って表面を平坦化する。しか
しながら、これらの平坦化の手法は、金属膜や層間絶縁
膜などの膜種によって加工の適否があることや、平坦化
可能な領域が数nmから100nmと極めて狭いという
問題が指摘されており、今後さらに多層配線化が進んだ
場合には、これらの方法は適用出来ないと考えられてい
る。
法として、エッチバック、成膜法、流動化法などが知ら
れている。エッチバック法は,金属や層間絶縁膜の膜堆
積とスパッタや反応性イオンエッチングなどのエッチン
グを組み合わせて平坦化する方法である。流動化法は、
リンや硼素などを添加した珪素酸化膜を堆積、または無
機や有機のSOG(Spin on Glass)など
を塗布した後に熱処理を行って表面を平坦化する。しか
しながら、これらの平坦化の手法は、金属膜や層間絶縁
膜などの膜種によって加工の適否があることや、平坦化
可能な領域が数nmから100nmと極めて狭いという
問題が指摘されており、今後さらに多層配線化が進んだ
場合には、これらの方法は適用出来ないと考えられてい
る。
【0004】以上のような背景から、被平坦化処理表面
の材質に関係なく、かつ表面の全面にわたってほぼ均一
に平坦化処理のできる方法として、近年化学機械研磨
(Chemical Mechanical Poli
shing:CMP)と呼ばれる研磨を施して表面を平
坦化するという方法が提唱され、実際に製品に適用され
はじめている。
の材質に関係なく、かつ表面の全面にわたってほぼ均一
に平坦化処理のできる方法として、近年化学機械研磨
(Chemical Mechanical Poli
shing:CMP)と呼ばれる研磨を施して表面を平
坦化するという方法が提唱され、実際に製品に適用され
はじめている。
【0005】このCMPによる表面研磨による平坦化の
手法は、地球上で最も平坦性が高いと言われる鏡面仕上
げされた珪素ウエハを得るための研磨方法と基本的には
同じである。すなわち、種々の固さのパッド(研磨布)
に被加工物表面を圧着させ、種々の粒径の研磨粒を分散
させた混濁液(スラリー)を供給しながらパッドおよび
被加工物を回転させて研磨するという、混濁液と被加工
物表面との化学的作用とパッドや研磨粒と被加工物表面
との機械的作用、およびこれらの複合作用を積極的に活
用することによって実現している。
手法は、地球上で最も平坦性が高いと言われる鏡面仕上
げされた珪素ウエハを得るための研磨方法と基本的には
同じである。すなわち、種々の固さのパッド(研磨布)
に被加工物表面を圧着させ、種々の粒径の研磨粒を分散
させた混濁液(スラリー)を供給しながらパッドおよび
被加工物を回転させて研磨するという、混濁液と被加工
物表面との化学的作用とパッドや研磨粒と被加工物表面
との機械的作用、およびこれらの複合作用を積極的に活
用することによって実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で適用実績のある珪素ウエハ表面の研磨とは異なり、極
限の清浄度を維持しながら、サブミクロンオーダーの加
工精度が要求される半導体素子製造工程の一つとして、
このCMPを適用するためには種々の問題がある。そし
てこれらの問題の大部分は、CMPでの平坦化を可能な
らしめているパッドと被研磨表面との物理的な接触(機
械的な相互作用)に起因している。
で適用実績のある珪素ウエハ表面の研磨とは異なり、極
限の清浄度を維持しながら、サブミクロンオーダーの加
工精度が要求される半導体素子製造工程の一つとして、
このCMPを適用するためには種々の問題がある。そし
てこれらの問題の大部分は、CMPでの平坦化を可能な
らしめているパッドと被研磨表面との物理的な接触(機
械的な相互作用)に起因している。
【0007】例えば、接触するパッドからの荷重(圧
力)は被加工表面のパターンの凸部で分担されるため
に、配線パターンの密度やその大きさによって加工の進
み具合いが異なる。すなわち、高密度の配線パターンの
部分では加工が優先的に進行し、その結果としてシニン
グ(Thinning)と呼ばれる配線金属のオーバー
加工が生じる箇所が発生する。また、同じく配線部のオ
ーバー加工でも、主として研磨パッドの弾性とスラリー
の化学的作用に起因して、配線部の中央部が速く加工が
進行し凹みが生じる、いわゆるディッシング(Dish
ing)が生じてしまう。さらに砥粒の脱落による被加
工物表面への傷(スクラッチ)も生じる。一方、スラリ
ーを構成するアルカリ金属を含む溶液や砥粒、また被加
工物表面を研磨したした結果生じる金属などの微粒子
は、CMP工程後に完全に除去しなければならないため
に、新たに精密な洗浄工程を付加しなければならない。
また、多数の被加工物に対して均一な性能を発揮できる
ように、被加工物表面の材質によってパッドやスラリー
はどのようなものを用い、また選んだパッドの寿命、ス
ラリーの供給方法、供給量などを決定しなければならな
い。さらにパッドと被加工物の回転数、両者の間の圧力
など、決定しなければならないパラメータは多岐に渡っ
ている。以上述べてきた問題点は、前述したように主と
してパッドと被研磨表面との物理的な接触に起因してい
る。しかしながら、このような物理的な接触による機械
的な作用無しに表面の平坦化は望むべくもなく、このこ
とはCMP技術による平坦化法のジレンマとなってい
る。
力)は被加工表面のパターンの凸部で分担されるため
に、配線パターンの密度やその大きさによって加工の進
み具合いが異なる。すなわち、高密度の配線パターンの
部分では加工が優先的に進行し、その結果としてシニン
グ(Thinning)と呼ばれる配線金属のオーバー
加工が生じる箇所が発生する。また、同じく配線部のオ
ーバー加工でも、主として研磨パッドの弾性とスラリー
の化学的作用に起因して、配線部の中央部が速く加工が
進行し凹みが生じる、いわゆるディッシング(Dish
ing)が生じてしまう。さらに砥粒の脱落による被加
工物表面への傷(スクラッチ)も生じる。一方、スラリ
ーを構成するアルカリ金属を含む溶液や砥粒、また被加
工物表面を研磨したした結果生じる金属などの微粒子
は、CMP工程後に完全に除去しなければならないため
に、新たに精密な洗浄工程を付加しなければならない。
また、多数の被加工物に対して均一な性能を発揮できる
ように、被加工物表面の材質によってパッドやスラリー
はどのようなものを用い、また選んだパッドの寿命、ス
ラリーの供給方法、供給量などを決定しなければならな
い。さらにパッドと被加工物の回転数、両者の間の圧力
など、決定しなければならないパラメータは多岐に渡っ
ている。以上述べてきた問題点は、前述したように主と
してパッドと被研磨表面との物理的な接触に起因してい
る。しかしながら、このような物理的な接触による機械
的な作用無しに表面の平坦化は望むべくもなく、このこ
とはCMP技術による平坦化法のジレンマとなってい
る。
【0008】化学的な作用のみによって金属の表面を平
坦化する方法として、従来から用いられている電解研磨
法が挙げられる。この方法はりん酸や硫酸などの非常に
粘性の高い酸溶液を主体とする電解質溶液中に被加工物
と対向電極を浸漬し、両者間に電圧を印加することによ
って被加工物表面の平坦化を実現している。この方法の
原理は電解液の粘性が非常に高いために、被加工物表面
の凸部では電解エッチングに伴い生じる生成物が凹部と
比較して速やかに溶液の沖合いに移動できるために、結
果として凸部ではエッチングレートが大きく凹部ではエ
ッチングレートが小さくなるという所にある。しかしな
がらこの方法を用いる場合には比較的大きな電流を短時
間で被加工物と対向電極間に流さなければならず、数十
から数百ミクロンオーダー以上の凹凸の平坦化は可能で
あるが、今要求されているようなミクロンやサブミクロ
ンオーダーの凹凸の平坦化は望むべくもなく不可能であ
る。
坦化する方法として、従来から用いられている電解研磨
法が挙げられる。この方法はりん酸や硫酸などの非常に
粘性の高い酸溶液を主体とする電解質溶液中に被加工物
と対向電極を浸漬し、両者間に電圧を印加することによ
って被加工物表面の平坦化を実現している。この方法の
原理は電解液の粘性が非常に高いために、被加工物表面
の凸部では電解エッチングに伴い生じる生成物が凹部と
比較して速やかに溶液の沖合いに移動できるために、結
果として凸部ではエッチングレートが大きく凹部ではエ
ッチングレートが小さくなるという所にある。しかしな
がらこの方法を用いる場合には比較的大きな電流を短時
間で被加工物と対向電極間に流さなければならず、数十
から数百ミクロンオーダー以上の凹凸の平坦化は可能で
あるが、今要求されているようなミクロンやサブミクロ
ンオーダーの凹凸の平坦化は望むべくもなく不可能であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】被加工物表面へのパッド
等の物理的な接触に起因する機械的な効果を期待するこ
となく、表面のミクロン、あるいはサブミクロンオーダ
ーの凹凸を排除して平坦化を実現するために、まず、被
加工物表面が金属や半導体のように導電性を有する材料
で構成されている場合には、このような材料が比較的、
物理化学的に安定に存在し得る電解質溶液中に被加工物
を浸漬し、その溶液中の被加工物表面近傍に対向電極を
設置し、被加工物と対向電極間に電圧を印加して、通電
し、いわゆる電気化学的な電解作用を利用して被加工物
表面をエッチングする。通常、多くの金属材料の場合に
はpHが7近傍の中性の電解質溶液中においては自発的
な腐食などが起こらず、安定に存在し得るのでこのよう
な電解質溶液を用いる。また、pHが7以下の酸性の電
解質溶液中においてもイオン化傾向の比較的小さい銅や
銀などの貴金属は安定に存在し得るのでこのような溶液
を用いても良い。このときのエッチング量は被加工物表
面と対向電極間距離の短い所、すなわち被加工物表面が
凸になっている所では電界がきわめて局所的に印加され
るため、そこを通過する電荷量が増大して結果として大
きくなり、一方その距離の長い所、すなわち被加工物表
面が凹んでいる所では小さくなるので、結果として被加
工物表面の平坦化が達成される。このとき被加工物と対
向電極間の距離を非常に短く(被加工物表面の凹凸のレ
ベル)すると、同じ印加電圧で両者間に流れる電流量が
増加するためにエッチング量が増加するという効果に加
えて、両者間の距離の被加工物表面内での変化率が大き
くなることに起因して、上述した被加工物表面の凸部と
凹部のエッチング量が両者間の距離が長い場合と比較
し、それぞれ大きく異なり、すなわち凸部ではエッチン
グ量が多く凹部のではエッチング量が少ないというエッ
チングの選択性が向上できることを意味している。さら
に両者間距離が短い場合には、両者はお互が溶液中で形
成する拡散二重層中に置かれるため、両者間の距離が長
い場合と比較して表面近傍でのイオン濃度が高くなるた
め、このような現象もエッチング量の増大と被加工物表
面の凸部と凹部とでエッチング量の異なる選択性の向上
に寄与すると考えられる。
等の物理的な接触に起因する機械的な効果を期待するこ
となく、表面のミクロン、あるいはサブミクロンオーダ
ーの凹凸を排除して平坦化を実現するために、まず、被
加工物表面が金属や半導体のように導電性を有する材料
で構成されている場合には、このような材料が比較的、
物理化学的に安定に存在し得る電解質溶液中に被加工物
を浸漬し、その溶液中の被加工物表面近傍に対向電極を
設置し、被加工物と対向電極間に電圧を印加して、通電
し、いわゆる電気化学的な電解作用を利用して被加工物
表面をエッチングする。通常、多くの金属材料の場合に
はpHが7近傍の中性の電解質溶液中においては自発的
な腐食などが起こらず、安定に存在し得るのでこのよう
な電解質溶液を用いる。また、pHが7以下の酸性の電
解質溶液中においてもイオン化傾向の比較的小さい銅や
銀などの貴金属は安定に存在し得るのでこのような溶液
を用いても良い。このときのエッチング量は被加工物表
面と対向電極間距離の短い所、すなわち被加工物表面が
凸になっている所では電界がきわめて局所的に印加され
るため、そこを通過する電荷量が増大して結果として大
きくなり、一方その距離の長い所、すなわち被加工物表
面が凹んでいる所では小さくなるので、結果として被加
工物表面の平坦化が達成される。このとき被加工物と対
向電極間の距離を非常に短く(被加工物表面の凹凸のレ
ベル)すると、同じ印加電圧で両者間に流れる電流量が
増加するためにエッチング量が増加するという効果に加
えて、両者間の距離の被加工物表面内での変化率が大き
くなることに起因して、上述した被加工物表面の凸部と
凹部のエッチング量が両者間の距離が長い場合と比較
し、それぞれ大きく異なり、すなわち凸部ではエッチン
グ量が多く凹部のではエッチング量が少ないというエッ
チングの選択性が向上できることを意味している。さら
に両者間距離が短い場合には、両者はお互が溶液中で形
成する拡散二重層中に置かれるため、両者間の距離が長
い場合と比較して表面近傍でのイオン濃度が高くなるた
め、このような現象もエッチング量の増大と被加工物表
面の凸部と凹部とでエッチング量の異なる選択性の向上
に寄与すると考えられる。
【0010】また、異なる解決手段として、被加工物と
対向電極を別室に設置し、それぞれの部屋に電解質溶液
を満たし、部屋間をノズルを介して液絡して被加工物表
面と対向電極間に電圧を印加する。このような場合、電
解質溶液中のイオンは電圧を印加されたことによってそ
れぞれの電極に偏るために両電極間に設けられているノ
ズルを介してこれらのイオンは移動することになる。こ
れらのイオンは被加工物表面のエッチングに直接寄与し
ていることから、上述のノズルを被加工物表面に近接し
てイオンの移動を制限すれば被加工物表面のノズル近傍
でのみエッチングが生じ、またノズルと被加工物表面の
距離が短くなるほどエッチング量は多くなると考えられ
る。このことは被加工物表面の凸部ではエッチング量が
多く、凹部ではエッチング量が少なくなることを示し、
すなわちこの方法で平坦化が可能であることを示してい
る。また、このときのエッチングの被加工物表面内での
分解能は、ノズルの幅を制御することによって容易に変
化させることができる。
対向電極を別室に設置し、それぞれの部屋に電解質溶液
を満たし、部屋間をノズルを介して液絡して被加工物表
面と対向電極間に電圧を印加する。このような場合、電
解質溶液中のイオンは電圧を印加されたことによってそ
れぞれの電極に偏るために両電極間に設けられているノ
ズルを介してこれらのイオンは移動することになる。こ
れらのイオンは被加工物表面のエッチングに直接寄与し
ていることから、上述のノズルを被加工物表面に近接し
てイオンの移動を制限すれば被加工物表面のノズル近傍
でのみエッチングが生じ、またノズルと被加工物表面の
距離が短くなるほどエッチング量は多くなると考えられ
る。このことは被加工物表面の凸部ではエッチング量が
多く、凹部ではエッチング量が少なくなることを示し、
すなわちこの方法で平坦化が可能であることを示してい
る。また、このときのエッチングの被加工物表面内での
分解能は、ノズルの幅を制御することによって容易に変
化させることができる。
【0011】さらに電解液にpHが7以上のアルカリ性
溶液を用い、被加工物と対向電極間に電圧を印加した場
合、被加工物が金属のときにはその表面には酸化物が形
成され、その厚さはそこを通過した電荷量の増加に伴い
増加する。したがって被加工物表面近傍に対向電極を近
接させたとき、被加工物表面の凸部では厚く酸化物が形
成され、また凹部では薄く酸化膜が形成される。その後
適宜な処理をしてこの酸化物のみを被加工物表面から除
去すると、凸部は凹部よりも多くエッチングされること
から、結果として被加工物表面の平坦化が達成できる。
溶液を用い、被加工物と対向電極間に電圧を印加した場
合、被加工物が金属のときにはその表面には酸化物が形
成され、その厚さはそこを通過した電荷量の増加に伴い
増加する。したがって被加工物表面近傍に対向電極を近
接させたとき、被加工物表面の凸部では厚く酸化物が形
成され、また凹部では薄く酸化膜が形成される。その後
適宜な処理をしてこの酸化物のみを被加工物表面から除
去すると、凸部は凹部よりも多くエッチングされること
から、結果として被加工物表面の平坦化が達成できる。
【0012】一方、被加工物表面が導電性を持たない絶
縁膜で覆われている場合はこれまで述べたような方法は
適用できない。このような場合、被加工物を適当な電解
質溶液中に浸漬し、同時に電極を2本浸漬してこの電極
間に電圧を印加する。このとき電解質溶液中の一方の電
極表面近傍に、被加工物表面を構成する絶縁材料をエッ
チングするイオン種が移動してくる。したがってこの電
極を被加工物表面近傍に設置すれば、被加工物表面の電
極の近傍のみエッチング量が増大する。そしてこの場合
も電極に近いほど被加工物表面のエッチングに寄与する
イオン種の濃度が高くなるために、被加工物表面の凸部
と凹部でのエッチング速度を比較すると、前者でのエッ
チング速度の方が大きいので結果として被加工物表面の
平坦化が実現出来ることになる。この方法は当然被加工
物が導電性の膜の場合にも適用することができる。
縁膜で覆われている場合はこれまで述べたような方法は
適用できない。このような場合、被加工物を適当な電解
質溶液中に浸漬し、同時に電極を2本浸漬してこの電極
間に電圧を印加する。このとき電解質溶液中の一方の電
極表面近傍に、被加工物表面を構成する絶縁材料をエッ
チングするイオン種が移動してくる。したがってこの電
極を被加工物表面近傍に設置すれば、被加工物表面の電
極の近傍のみエッチング量が増大する。そしてこの場合
も電極に近いほど被加工物表面のエッチングに寄与する
イオン種の濃度が高くなるために、被加工物表面の凸部
と凹部でのエッチング速度を比較すると、前者でのエッ
チング速度の方が大きいので結果として被加工物表面の
平坦化が実現出来ることになる。この方法は当然被加工
物が導電性の膜の場合にも適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に示した装置が本発明の平坦
化を行うための装置の一例である。11の容器中に12
の電解質溶液を入れ、またその中に13の被加工物と1
4の対向電極を浸漬し、両者の間に15の電源を用いて
電圧を印加し、通電する。ここで対向電極には例えば白
金などの金属や導電性の材料を用いる。また被加工物表
面の電位をある基準電位と比較するために、16の基準
電極を電解質溶液17に浸漬してそれを18の塩橋を介
して12の電解質溶液と電気的に接続して13の被加工
物と16の基準電極との間に電圧計19を配線し、その
電位を観測しても良い。さらに電解量を見積もるために
20に電流計あるいは電荷量計(クーロンメーター)を
接続しても良い。また、被加工物表面の全体に渡って平
坦化処理を行うために、対向電極を被加工物表面内(水
平方向)で走査可能で、かつ対向電極と被加工物表面間
の距離を調整するために鉛直方向に可動な駆動装置21
を装備している。22のピエゾ素子を用いたアクチュエ
ーターは鉛直方向での被加工物表面と対向電極間距離を
精度良く調整するために設けたものである。またこのア
クチュエーターは加工中に被加工物から溶出してくる金
属などのイオン種が対向電極上に付着しないようにある
振幅で振動させても良い。この図においては駆動装置は
対向電極に付与しているが、これは被加工物に付与して
も、また両方に付与しても良い。この図では対向電極は
線状となっているが、もちろん面状にして被加工物面内
を走査しても良いし、また対向電極の面積を被加工物と
同程度として走査する必要を無くしても良い。また同様
に針状にしても良い。23の電極は被加工物や対向電極
から十分離した電解質溶液中に設置し、被加工物から溶
出した金属などのイオン種の対向電極への付着を抑制す
るためのものである。すなわち、13の被加工物を陽
極、14の対向電極を陰極とした場合に、被加工物があ
る種の金属の場合には対向電極上に被加工物から溶出し
た金属イオンが付着、析出するために、被加工物と対向
電極間が電気的に短絡するおそれが生じる。したがっ
て、被加工物と対向電極間に印加している電圧以上の電
圧を23の電極を陰極として対向電極との間に印加すれ
ば、対向電極上には金属イオンは析出せず、23の電極
上へ析出する。23の電極は被加工物や対向電極と十分
離してあるので、これらと電気的に短絡するおそれはな
い。その他の電極間へ電圧を印加する方法として、13
の被加工物と14の対向電極間にパルス状に電圧を印加
し、この両者間に電圧が印加されていないときに14の
対向電極と23の電極間に電圧を印加するという方法も
良い。この場合、13の被加工物と14の対向電極間に
電圧が印加されているときは対向電極上に金属イオンは
析出するが、その後に14の対向電極と23の電極間に
電圧が印加されると対向電極上の析出した金属は23の
電極へと移動し、対向電極上からは除去される。電解質
溶液に溶存している酸素等を除去するために、24の配
管を通して窒素などの不活性な気体を容器内に供給し、
25の配管から排気する。または溶存酸素の除去に加
え、処理時に電極から発生する水素や酸素を排気するた
めに、24や25の配管から排気して容器内を減圧とし
ても良い。また電解処理に伴い溶液中に溶出する金属イ
オン等が電極に付着、析出しないように、26の配管を
通して常時新鮮な電解質溶液を供給し、また27の配管
を通して排水しても良い。このとき26と27の配管の
間にフィルター、イオン交換樹脂等を接続して電解質溶
液を再生し、再利用しても良い。
化を行うための装置の一例である。11の容器中に12
の電解質溶液を入れ、またその中に13の被加工物と1
4の対向電極を浸漬し、両者の間に15の電源を用いて
電圧を印加し、通電する。ここで対向電極には例えば白
金などの金属や導電性の材料を用いる。また被加工物表
面の電位をある基準電位と比較するために、16の基準
電極を電解質溶液17に浸漬してそれを18の塩橋を介
して12の電解質溶液と電気的に接続して13の被加工
物と16の基準電極との間に電圧計19を配線し、その
電位を観測しても良い。さらに電解量を見積もるために
20に電流計あるいは電荷量計(クーロンメーター)を
接続しても良い。また、被加工物表面の全体に渡って平
坦化処理を行うために、対向電極を被加工物表面内(水
平方向)で走査可能で、かつ対向電極と被加工物表面間
の距離を調整するために鉛直方向に可動な駆動装置21
を装備している。22のピエゾ素子を用いたアクチュエ
ーターは鉛直方向での被加工物表面と対向電極間距離を
精度良く調整するために設けたものである。またこのア
クチュエーターは加工中に被加工物から溶出してくる金
属などのイオン種が対向電極上に付着しないようにある
振幅で振動させても良い。この図においては駆動装置は
対向電極に付与しているが、これは被加工物に付与して
も、また両方に付与しても良い。この図では対向電極は
線状となっているが、もちろん面状にして被加工物面内
を走査しても良いし、また対向電極の面積を被加工物と
同程度として走査する必要を無くしても良い。また同様
に針状にしても良い。23の電極は被加工物や対向電極
から十分離した電解質溶液中に設置し、被加工物から溶
出した金属などのイオン種の対向電極への付着を抑制す
るためのものである。すなわち、13の被加工物を陽
極、14の対向電極を陰極とした場合に、被加工物があ
る種の金属の場合には対向電極上に被加工物から溶出し
た金属イオンが付着、析出するために、被加工物と対向
電極間が電気的に短絡するおそれが生じる。したがっ
て、被加工物と対向電極間に印加している電圧以上の電
圧を23の電極を陰極として対向電極との間に印加すれ
ば、対向電極上には金属イオンは析出せず、23の電極
上へ析出する。23の電極は被加工物や対向電極と十分
離してあるので、これらと電気的に短絡するおそれはな
い。その他の電極間へ電圧を印加する方法として、13
の被加工物と14の対向電極間にパルス状に電圧を印加
し、この両者間に電圧が印加されていないときに14の
対向電極と23の電極間に電圧を印加するという方法も
良い。この場合、13の被加工物と14の対向電極間に
電圧が印加されているときは対向電極上に金属イオンは
析出するが、その後に14の対向電極と23の電極間に
電圧が印加されると対向電極上の析出した金属は23の
電極へと移動し、対向電極上からは除去される。電解質
溶液に溶存している酸素等を除去するために、24の配
管を通して窒素などの不活性な気体を容器内に供給し、
25の配管から排気する。または溶存酸素の除去に加
え、処理時に電極から発生する水素や酸素を排気するた
めに、24や25の配管から排気して容器内を減圧とし
ても良い。また電解処理に伴い溶液中に溶出する金属イ
オン等が電極に付着、析出しないように、26の配管を
通して常時新鮮な電解質溶液を供給し、また27の配管
を通して排水しても良い。このとき26と27の配管の
間にフィルター、イオン交換樹脂等を接続して電解質溶
液を再生し、再利用しても良い。
【0014】一方、対向電極を被加工物表面から離し
て、ノズルを介して両者間を液絡する場合の装置を図2
に示す。基本的な構成は図1に示した装置と同様である
が、この場合の特徴は、34の対向電極が45の対向電
極設置室中にあり、33の被加工物とは46のノズルを
介して電解質溶液の液絡が行われているところにある。
このノズルの幅を変えることにより、被加工物表面内の
加工分解能が決定でき、またノズルを47の水平および
鉛直方向駆動装置および49のアクチュエーターを用い
て鉛直方向の加工分解能、および被加工物表面内の走査
が可能となる。また、48の配管より電解質溶液を供給
して43、あるいは44の配管から排水しても良い。ま
たは逆に43、あるいは44の配管から電解質溶液を供
給して、48の配管より排水しても良い。
て、ノズルを介して両者間を液絡する場合の装置を図2
に示す。基本的な構成は図1に示した装置と同様である
が、この場合の特徴は、34の対向電極が45の対向電
極設置室中にあり、33の被加工物とは46のノズルを
介して電解質溶液の液絡が行われているところにある。
このノズルの幅を変えることにより、被加工物表面内の
加工分解能が決定でき、またノズルを47の水平および
鉛直方向駆動装置および49のアクチュエーターを用い
て鉛直方向の加工分解能、および被加工物表面内の走査
が可能となる。また、48の配管より電解質溶液を供給
して43、あるいは44の配管から排水しても良い。ま
たは逆に43、あるいは44の配管から電解質溶液を供
給して、48の配管より排水しても良い。
【0015】また、図3には被加工物表面が絶縁膜であ
る場合の装置を示している。この場合も図1の装置とほ
ぼ同様の構成であるが、この場合の特徴は被加工物自体
には電圧を印加することなく、54の電極1と66の電
極2の間に電圧を印加して、それらの一方の電極(図中
では54電極1)を被加工物53近傍に設置し、その近
接させた電極近傍、すなわち被加工物表面近傍に、電解
質溶液中の被加工物表面のエッチング種であるイオン種
を引き寄せ、局所的にエッチング速度を増大させる。こ
のときも近接させる電極の形状は線状、面状いずれでも
良く、これを鉛直方向で適当な位置に水平および鉛直方
向駆動装置61、およびピエゾ素子を用いたアクチュエ
ーター67で調整、固定し、また同調整装置61で被加
工物表面内(水平方向)を走査すれば、被加工物表面全
面を平坦化することができる。
る場合の装置を示している。この場合も図1の装置とほ
ぼ同様の構成であるが、この場合の特徴は被加工物自体
には電圧を印加することなく、54の電極1と66の電
極2の間に電圧を印加して、それらの一方の電極(図中
では54電極1)を被加工物53近傍に設置し、その近
接させた電極近傍、すなわち被加工物表面近傍に、電解
質溶液中の被加工物表面のエッチング種であるイオン種
を引き寄せ、局所的にエッチング速度を増大させる。こ
のときも近接させる電極の形状は線状、面状いずれでも
良く、これを鉛直方向で適当な位置に水平および鉛直方
向駆動装置61、およびピエゾ素子を用いたアクチュエ
ーター67で調整、固定し、また同調整装置61で被加
工物表面内(水平方向)を走査すれば、被加工物表面全
面を平坦化することができる。
【0016】
【実施例】(第一の実施例)図1の装置において、被加
工物としてスパッタリングにより30mm角の珪素表面
上に銅を約3μm成膜したもの、電解質溶液として濃度
が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(pH=5)
を用いて電解エッチング特性を調べた。このとき対向電
極として図4に示す断面図ような非常に表面の平坦性が
高い珪素基板をベースとしたものを用い、被加工物面内
と垂直方向での加工分解能を向上させることに留意し
た。すなわち、71の珪素基板の端面を鋭角に研磨して
鋭利にし、その後珪素表面を酸化し、全体を電気的な絶
縁膜としての珪素酸化膜72で覆う。その後この珪素基
板を図5に示すような85の土台に固定してある鉛直方
向に微調整可能なゴニオメーター81にOリング82を
介して83の押さえ板で84の位置に設置し、これらを
布製のパッド86を張り付けてある回転定盤87の上に
乗せ、固定する。このとき図6に示すように回転定盤9
1上の図5に示した治具の土台94の珪素基板92の近
傍においては、土台と珪素基板の間に隙間が存在するた
めにパッド93が上方へわずかに盛り上がる。このとき
図5中の珪素基板を鉛直方向に移動させるためのゴニオ
メーター81を微調整することにより、図6に示すよう
に前述の盛り上がった部分のパッドと珪素基板の鋭利な
部分を接触させ、珪素基板の先端部分を精密に研磨して
珪素酸化膜を部分的に除去し、下地の珪素基板を露出さ
せることができる。次にこのようにして珪素酸化膜をご
く一部除去して下地の珪素基板を露出した部分を硫酸銅
を主体とする電解質溶液中に浸漬し、電圧を印加して珪
素基板が露出した部分にのみ銅を電解メッキする。この
部分が図4中の73である。さらに電解溶液を塩化白金
酸を主体とするものに代えて同様に銅をメッキした部分
にのみ図4中74の白金を電解メッキし、図4に示すよ
うな対向電極を作製した。ここでは銅を介して白金膜を
形成したが、もちろん直接白金膜を珪素表面へ直接メッ
キしても良いし、その他の導電性材料を用いても良い。
または上述のようなメッキを行わす、珪素酸化膜を研
磨、除去し、局部的に珪素基板を露出した後にそのまま
それを対向電極としても良い。以上のように、図1の装
置で用いる対向電極の幅は、珪素酸化膜を研磨、剥離す
る幅、あるいはその後そこに導電性材料をメッキする量
で決められ、それらは図5に示したような冶具を用いる
こと、あるいはメッキ量を制御することで容易に、且つ
精密に決定することができる。ここでは5μmの幅の対
向電極を作製し、用いた。図7には被加工物である銅の
電位を飽和カロメル参照電極に対して−220mVに保
ち、30秒間処理したときのエッチング量とエッチング
幅の対向電極と被加工物表面間距離依存性を示してい
る。ここで、エッチング後の銅表面の物理的な凹凸は二
次元走査可能な段差計で評価し、特に対向電極と向かい
合っていた部分の典型的な断面図は図8のようになって
いるので、この図の溝の深さhをエッチング量、wを幅
と定義した。図7より、エッチング量は被加工物と対向
電極間距離が短くなるに伴い増加し、特にその距離が1
0μm以下になると急激に増加することが分かる。ま
た、エッチング幅は距離が短くなるに伴い電極幅である
5μmに近づいてくることが分かる。以上の結果は被加
工物表面に凹凸が存在する場合に、距離を短くするほど
その凹凸の大きさに敏感にエッチング量が変化すること
ことにより平坦化が実現できることを示している。また
同時に距離を短くすればエッチング幅が狭くなることか
ら、被加工物表面内での分解能の高い平坦化処理が実現
できることを示している。
工物としてスパッタリングにより30mm角の珪素表面
上に銅を約3μm成膜したもの、電解質溶液として濃度
が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(pH=5)
を用いて電解エッチング特性を調べた。このとき対向電
極として図4に示す断面図ような非常に表面の平坦性が
高い珪素基板をベースとしたものを用い、被加工物面内
と垂直方向での加工分解能を向上させることに留意し
た。すなわち、71の珪素基板の端面を鋭角に研磨して
鋭利にし、その後珪素表面を酸化し、全体を電気的な絶
縁膜としての珪素酸化膜72で覆う。その後この珪素基
板を図5に示すような85の土台に固定してある鉛直方
向に微調整可能なゴニオメーター81にOリング82を
介して83の押さえ板で84の位置に設置し、これらを
布製のパッド86を張り付けてある回転定盤87の上に
乗せ、固定する。このとき図6に示すように回転定盤9
1上の図5に示した治具の土台94の珪素基板92の近
傍においては、土台と珪素基板の間に隙間が存在するた
めにパッド93が上方へわずかに盛り上がる。このとき
図5中の珪素基板を鉛直方向に移動させるためのゴニオ
メーター81を微調整することにより、図6に示すよう
に前述の盛り上がった部分のパッドと珪素基板の鋭利な
部分を接触させ、珪素基板の先端部分を精密に研磨して
珪素酸化膜を部分的に除去し、下地の珪素基板を露出さ
せることができる。次にこのようにして珪素酸化膜をご
く一部除去して下地の珪素基板を露出した部分を硫酸銅
を主体とする電解質溶液中に浸漬し、電圧を印加して珪
素基板が露出した部分にのみ銅を電解メッキする。この
部分が図4中の73である。さらに電解溶液を塩化白金
酸を主体とするものに代えて同様に銅をメッキした部分
にのみ図4中74の白金を電解メッキし、図4に示すよ
うな対向電極を作製した。ここでは銅を介して白金膜を
形成したが、もちろん直接白金膜を珪素表面へ直接メッ
キしても良いし、その他の導電性材料を用いても良い。
または上述のようなメッキを行わす、珪素酸化膜を研
磨、除去し、局部的に珪素基板を露出した後にそのまま
それを対向電極としても良い。以上のように、図1の装
置で用いる対向電極の幅は、珪素酸化膜を研磨、剥離す
る幅、あるいはその後そこに導電性材料をメッキする量
で決められ、それらは図5に示したような冶具を用いる
こと、あるいはメッキ量を制御することで容易に、且つ
精密に決定することができる。ここでは5μmの幅の対
向電極を作製し、用いた。図7には被加工物である銅の
電位を飽和カロメル参照電極に対して−220mVに保
ち、30秒間処理したときのエッチング量とエッチング
幅の対向電極と被加工物表面間距離依存性を示してい
る。ここで、エッチング後の銅表面の物理的な凹凸は二
次元走査可能な段差計で評価し、特に対向電極と向かい
合っていた部分の典型的な断面図は図8のようになって
いるので、この図の溝の深さhをエッチング量、wを幅
と定義した。図7より、エッチング量は被加工物と対向
電極間距離が短くなるに伴い増加し、特にその距離が1
0μm以下になると急激に増加することが分かる。ま
た、エッチング幅は距離が短くなるに伴い電極幅である
5μmに近づいてくることが分かる。以上の結果は被加
工物表面に凹凸が存在する場合に、距離を短くするほど
その凹凸の大きさに敏感にエッチング量が変化すること
ことにより平坦化が実現できることを示している。また
同時に距離を短くすればエッチング幅が狭くなることか
ら、被加工物表面内での分解能の高い平坦化処理が実現
できることを示している。
【0017】(第二の実施例)図1の装置において、被
加工物としてスパッタリングにより30mm角の珪素表
面上に銅を約3μm成膜したもの、電解質溶液として濃
度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(pH=
5)を用いて電解エッチング特性を調べた。ここで用い
た対向電極は以下の手順で作製した。図9に示す断面図
のように珪素基板101の端面を鋭利に研磨し、その表
面全体を熱酸化により珪素酸化膜で覆う。その後図中の
102で示した部分のみ珪素酸化膜を残し、その他は除
去して、103の部分に白金をスパッタリングにより堆
積する。引き続きこのように加工した珪素基板を不活性
ガス雰囲気中で400℃で焼き鈍しして、白金を堆積し
た部分を珪素基板と反応させ、白金シリサイド103を
形成する。そして図9に示したような形状で白金シリサ
イドが形成されていない珪素基板をもう一枚用意し、こ
の二枚の珪素基板を張り合わせて図10のような断面図
の電極を作製した。白金シリサイド113の部分が電極
部分である。白金シリサイドは導電性が高く、化学的に
安定であり、またこのような電極作製方法の場合、珪素
基板上へ堆積する白金膜の厚さで電極幅を決定できると
ころが利点である。今回作製した電極の場合、白金シリ
サイドの厚さは0.1μmとした。このようにして作製
した対向電極を用い、被加工物の銅の電位を飽和カロメ
ル参照電極に対して−220mVに保ち、10秒間電解
エッチング行ったときのエッチング量とエッチング幅の
対向電極と被加工物間距離依存性を図11に示す。これ
から図7に示した結果と同様に対向電極と被加工物間の
距離が短くなるのに伴い、エッチング量は増加し、エッ
チング幅は狭くなることが分かる。そしてやはりエッチ
ング量の増加は対向電極と被加工物間の距離が10μm
以下となった領域で顕著であり、このようなエッチング
の振る舞いは物理的な凹凸を持つ被加工物表面の平坦化
処理を行うにあたって都合がよい。またエッチング幅は
図7の結果との比較から、対向電極の幅に依存してお
り、その幅を狭くするほど狭くなることが分かる。これ
は被加工物面内での加工分解能を対向電極の幅で決定で
きることを示している。
加工物としてスパッタリングにより30mm角の珪素表
面上に銅を約3μm成膜したもの、電解質溶液として濃
度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(pH=
5)を用いて電解エッチング特性を調べた。ここで用い
た対向電極は以下の手順で作製した。図9に示す断面図
のように珪素基板101の端面を鋭利に研磨し、その表
面全体を熱酸化により珪素酸化膜で覆う。その後図中の
102で示した部分のみ珪素酸化膜を残し、その他は除
去して、103の部分に白金をスパッタリングにより堆
積する。引き続きこのように加工した珪素基板を不活性
ガス雰囲気中で400℃で焼き鈍しして、白金を堆積し
た部分を珪素基板と反応させ、白金シリサイド103を
形成する。そして図9に示したような形状で白金シリサ
イドが形成されていない珪素基板をもう一枚用意し、こ
の二枚の珪素基板を張り合わせて図10のような断面図
の電極を作製した。白金シリサイド113の部分が電極
部分である。白金シリサイドは導電性が高く、化学的に
安定であり、またこのような電極作製方法の場合、珪素
基板上へ堆積する白金膜の厚さで電極幅を決定できると
ころが利点である。今回作製した電極の場合、白金シリ
サイドの厚さは0.1μmとした。このようにして作製
した対向電極を用い、被加工物の銅の電位を飽和カロメ
ル参照電極に対して−220mVに保ち、10秒間電解
エッチング行ったときのエッチング量とエッチング幅の
対向電極と被加工物間距離依存性を図11に示す。これ
から図7に示した結果と同様に対向電極と被加工物間の
距離が短くなるのに伴い、エッチング量は増加し、エッ
チング幅は狭くなることが分かる。そしてやはりエッチ
ング量の増加は対向電極と被加工物間の距離が10μm
以下となった領域で顕著であり、このようなエッチング
の振る舞いは物理的な凹凸を持つ被加工物表面の平坦化
処理を行うにあたって都合がよい。またエッチング幅は
図7の結果との比較から、対向電極の幅に依存してお
り、その幅を狭くするほど狭くなることが分かる。これ
は被加工物面内での加工分解能を対向電極の幅で決定で
きることを示している。
【0018】(第三の実施例)図1の装置において適当
な対向電極を用い、それを被加工物表面に近接させて電
解エッチングを行った場合、被加工物の材質にも依存す
るが、たとえば被加工物が銅の場合、被加工物表面から
溶出した銅イオンが対向電極上に樹枝状に析出し、長時
間処理を行うと被加工物と対向電極間が電気的に短絡し
てしまい、電解エッチングができなくなる。このような
対向電極上への銅の樹枝状成長を、図1中のアクチュエ
ータを振動させることによって抑制することを試みた。
すなわち、アクチュエータにより対向電極をある振幅で
振動させ、対向電極が最も被加工物表面に近づいたとき
のみ対向電極と被加工物表面との間に電圧を印加して電
解エッチングを行う。このとき対向電極上に銅が樹枝状
に成長しても、対向電極と被加工物間の電圧を電解エッ
チングを行っているときよりも下げ、対向電極を物理的
に動かして被加工物表面から離したときに、そのような
成長物は対向電極上から脱離することが期待される。対
向電極の幅を10μm、その対向電極を振動振幅5μ
m、振動周波数500ヘルツ(矩形波)で振動させ、対
向電極が最も被加工物表面に近接したときに被加工物の
銅の電位を飽和カロメル参照電極に対して−220mV
とし、処理を行った。電解質溶液は濃度1mol/kg
の塩化アンモニウム溶液(pH=5)を用いた。図12
には3分間処理を行った後のエッチング量と溝幅の被加
工物と対向電極間距離依存性を示している。これからこ
れまでと同様に被加工物と対向電極間距離が短くなるの
に伴い、エッチング量は増加し、エッチング溝幅は減少
することがわかる。特にこれまでの実施例のように被加
工物と対向電極間に直流電圧を印加し続けた場合、30
秒から1分間処理を行うと、対向電極上に被加工物の銅
が樹枝状に析出して被加工物と対向電極間が電気的に短
絡してしまうという問題があったが、本実施例の場合に
は3分間(実際には被加工物には交流を印加しているの
で、電圧を印加している合計時間は1.5分間)処理を
行っても電気的な短絡を生起することなく被加工物を加
工することができた。これは対向電極を振動させたこと
と、その動きに同期させて被加工物に電圧を印加した効
果であると考えられる。
な対向電極を用い、それを被加工物表面に近接させて電
解エッチングを行った場合、被加工物の材質にも依存す
るが、たとえば被加工物が銅の場合、被加工物表面から
溶出した銅イオンが対向電極上に樹枝状に析出し、長時
間処理を行うと被加工物と対向電極間が電気的に短絡し
てしまい、電解エッチングができなくなる。このような
対向電極上への銅の樹枝状成長を、図1中のアクチュエ
ータを振動させることによって抑制することを試みた。
すなわち、アクチュエータにより対向電極をある振幅で
振動させ、対向電極が最も被加工物表面に近づいたとき
のみ対向電極と被加工物表面との間に電圧を印加して電
解エッチングを行う。このとき対向電極上に銅が樹枝状
に成長しても、対向電極と被加工物間の電圧を電解エッ
チングを行っているときよりも下げ、対向電極を物理的
に動かして被加工物表面から離したときに、そのような
成長物は対向電極上から脱離することが期待される。対
向電極の幅を10μm、その対向電極を振動振幅5μ
m、振動周波数500ヘルツ(矩形波)で振動させ、対
向電極が最も被加工物表面に近接したときに被加工物の
銅の電位を飽和カロメル参照電極に対して−220mV
とし、処理を行った。電解質溶液は濃度1mol/kg
の塩化アンモニウム溶液(pH=5)を用いた。図12
には3分間処理を行った後のエッチング量と溝幅の被加
工物と対向電極間距離依存性を示している。これからこ
れまでと同様に被加工物と対向電極間距離が短くなるの
に伴い、エッチング量は増加し、エッチング溝幅は減少
することがわかる。特にこれまでの実施例のように被加
工物と対向電極間に直流電圧を印加し続けた場合、30
秒から1分間処理を行うと、対向電極上に被加工物の銅
が樹枝状に析出して被加工物と対向電極間が電気的に短
絡してしまうという問題があったが、本実施例の場合に
は3分間(実際には被加工物には交流を印加しているの
で、電圧を印加している合計時間は1.5分間)処理を
行っても電気的な短絡を生起することなく被加工物を加
工することができた。これは対向電極を振動させたこと
と、その動きに同期させて被加工物に電圧を印加した効
果であると考えられる。
【0019】(第四の実施例)図1の装置において、被
加工物として平坦な表面を持つ銅を用い、電解質溶液と
して濃度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(p
H=5)を用いて電解エッチング特性を調べた。被加工
物には対向電極(電極幅30μm)に対して周波数50
0Hzの矩形波(0.8V〜0V)を印加して、この電
圧が0Vのときに、対向電極から十分離れた電極(図1
中の23)と対向電極間に電圧を2V(対向電極を陽極
とした)印加した。このようにすることによって、被加
工物と対向電極間に電圧を印加したときに、対向電極上
に析出する被加工物の銅が次にこの電圧を0Vとしたと
きに対向電極と対向電極から十分離れた電極間に電圧が
印加されるので、このとき対向電極上に析出した銅は対
向電極から十分離れた電極へと移動することになる。こ
のようなことを繰り返しながら被加工物の加工を行うの
で、対向電極上への銅の析出に伴う被加工物と対向電極
間の電気的な短絡は起こらないことが期待される。実際
に3分間処理を行ったところ、処理途中で電気的な短絡
無く処理を継続することができた。また被加工物の加工
特性もほぼ図12に示すようにエッチング量およびエッ
チング幅は被加工物と対向電極間距離の減少に伴いそれ
ぞれ増加、減少する。したがって上述したような方法を
用いて対向電極と被加工物間が電気的に短絡することな
く被加工物の処理を行うことができる。
加工物として平坦な表面を持つ銅を用い、電解質溶液と
して濃度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(p
H=5)を用いて電解エッチング特性を調べた。被加工
物には対向電極(電極幅30μm)に対して周波数50
0Hzの矩形波(0.8V〜0V)を印加して、この電
圧が0Vのときに、対向電極から十分離れた電極(図1
中の23)と対向電極間に電圧を2V(対向電極を陽極
とした)印加した。このようにすることによって、被加
工物と対向電極間に電圧を印加したときに、対向電極上
に析出する被加工物の銅が次にこの電圧を0Vとしたと
きに対向電極と対向電極から十分離れた電極間に電圧が
印加されるので、このとき対向電極上に析出した銅は対
向電極から十分離れた電極へと移動することになる。こ
のようなことを繰り返しながら被加工物の加工を行うの
で、対向電極上への銅の析出に伴う被加工物と対向電極
間の電気的な短絡は起こらないことが期待される。実際
に3分間処理を行ったところ、処理途中で電気的な短絡
無く処理を継続することができた。また被加工物の加工
特性もほぼ図12に示すようにエッチング量およびエッ
チング幅は被加工物と対向電極間距離の減少に伴いそれ
ぞれ増加、減少する。したがって上述したような方法を
用いて対向電極と被加工物間が電気的に短絡することな
く被加工物の処理を行うことができる。
【0020】(第五の実施例)図2に示した装置を用
い、エッチング量とその幅の被加工物とノズル間距離依
存性を調べた。被加工物には同じくスパッタリングによ
り形成した銅薄膜、対向電極には白金箔、電解質溶液に
は濃度1mol/kgの塩化アンモニウム溶液をそれぞ
れ用いた。ここで被加工物表面内で高い空間分解能で加
工を行うために、ノズル幅を狭くすることに留意した。
すなわち、ここでもやはり非常に平坦性の高い珪素基板
を用い、ノズルの製作を行った。まず、約0.5μmの
膜厚の珪素酸化膜が形成されている珪素基板の一部を後
述の珪素酸化膜を剥離する際の処理でほとんどエッチン
グされないような材料で覆った後に、この部分以外の珪
素酸化膜を剥離し、図13のような形状に加工する。こ
のような形状の珪素基板を2枚用意して、お互いの両端
に珪素酸化膜が残っている面を張り合わせ、さらにその
端面を鋭角に研磨することで図14のように珪素酸化膜
厚で幅が決定されているノズルを形成することができ
る。この場合は珪素基板上の珪素酸化膜の厚さは0.5
μmであったので、ノズル幅は1μmとなる。また、こ
こでは珪素酸化膜でノズル幅を決定したが、勿論その他
の膜を用いても良いし、また珪素基板自体のある面の両
端を残してエッチングし、そのエッチング量でノズル幅
を決定しても良い。もちろん珪素基板の代わりに他の材
質の基板を用いても良い。このようにして作製したノズ
ルを用いた他は実施例1と同条件で処理を行った場合の
エッチング量とエッチング幅のノズルと被加工物表面間
距離依存性を図15に示す。この結果より、やはりこの
ような距離の範囲においては、エッチング量は距離の減
少に伴い劇的に変化、増加する。また、エッチング幅も
距離の減少に伴い減少し、この場合のノズル幅である1
μmに漸近してくることが分かる。さらにこの場合は、
対向電極は被加工物表面からノズルを介して十分離れて
設置されているので、処理時間が長くても被加工物と対
向電極間が電気的に短絡することはない。これらのこと
はやはり距離が短くなることによって、今の被加工対象
であるミクロンからサブミクロンオーダーの凹凸によっ
て敏感にエッチング量が変化することを示し、この現象
を積極的に用いて被加工物表面の平坦化が実現できるこ
とを示している。
い、エッチング量とその幅の被加工物とノズル間距離依
存性を調べた。被加工物には同じくスパッタリングによ
り形成した銅薄膜、対向電極には白金箔、電解質溶液に
は濃度1mol/kgの塩化アンモニウム溶液をそれぞ
れ用いた。ここで被加工物表面内で高い空間分解能で加
工を行うために、ノズル幅を狭くすることに留意した。
すなわち、ここでもやはり非常に平坦性の高い珪素基板
を用い、ノズルの製作を行った。まず、約0.5μmの
膜厚の珪素酸化膜が形成されている珪素基板の一部を後
述の珪素酸化膜を剥離する際の処理でほとんどエッチン
グされないような材料で覆った後に、この部分以外の珪
素酸化膜を剥離し、図13のような形状に加工する。こ
のような形状の珪素基板を2枚用意して、お互いの両端
に珪素酸化膜が残っている面を張り合わせ、さらにその
端面を鋭角に研磨することで図14のように珪素酸化膜
厚で幅が決定されているノズルを形成することができ
る。この場合は珪素基板上の珪素酸化膜の厚さは0.5
μmであったので、ノズル幅は1μmとなる。また、こ
こでは珪素酸化膜でノズル幅を決定したが、勿論その他
の膜を用いても良いし、また珪素基板自体のある面の両
端を残してエッチングし、そのエッチング量でノズル幅
を決定しても良い。もちろん珪素基板の代わりに他の材
質の基板を用いても良い。このようにして作製したノズ
ルを用いた他は実施例1と同条件で処理を行った場合の
エッチング量とエッチング幅のノズルと被加工物表面間
距離依存性を図15に示す。この結果より、やはりこの
ような距離の範囲においては、エッチング量は距離の減
少に伴い劇的に変化、増加する。また、エッチング幅も
距離の減少に伴い減少し、この場合のノズル幅である1
μmに漸近してくることが分かる。さらにこの場合は、
対向電極は被加工物表面からノズルを介して十分離れて
設置されているので、処理時間が長くても被加工物と対
向電極間が電気的に短絡することはない。これらのこと
はやはり距離が短くなることによって、今の被加工対象
であるミクロンからサブミクロンオーダーの凹凸によっ
て敏感にエッチング量が変化することを示し、この現象
を積極的に用いて被加工物表面の平坦化が実現できるこ
とを示している。
【0021】他のノズルの作製方法として、珪素基板を
異方性エッチングにより貫通させることで作製を試み
た。すなわち面方位(100)の珪素基板上にマスクと
しての珪素酸化膜を形成し、この上に適当な大きさの長
方形の部分以外は炭素樹脂などを用いてマスクする。そ
してその長方形部分の表面に露出している珪素酸化膜を
弗酸溶液等で剥離し、その部分だけ珪素基板を露出させ
る。次に炭素樹脂などのマスク材を除去し、この珪素基
板をヒドラジンや水酸化カリウムなどの珪素の面方位
(100)の部分をエッチングし、その他の(111)
や(110)面をほとんどエッチングしないような溶液
中に浸漬する。このとき珪素酸化膜で覆われている部分
はエッチングされないので、珪素基板が露出している長
方形の部分のみが図16のに示すような先細りの形状で
エッチングされる。このエッチングに伴い形成される斜
面は(111)面方位である。したがってこの珪素基板
が露出している長方形の幅を適当な大きさにすれば、珪
素基板を貫通して形成される裏面のノズルの幅を任意に
変えることができる。実際、この方法で1μm幅のノズ
ルを作製し、被加工物のエッチング量とそのエッチング
幅の被加工物と対向電極間距離を調べたところ、図15
に準じるようなエッチング特性が得られた。
異方性エッチングにより貫通させることで作製を試み
た。すなわち面方位(100)の珪素基板上にマスクと
しての珪素酸化膜を形成し、この上に適当な大きさの長
方形の部分以外は炭素樹脂などを用いてマスクする。そ
してその長方形部分の表面に露出している珪素酸化膜を
弗酸溶液等で剥離し、その部分だけ珪素基板を露出させ
る。次に炭素樹脂などのマスク材を除去し、この珪素基
板をヒドラジンや水酸化カリウムなどの珪素の面方位
(100)の部分をエッチングし、その他の(111)
や(110)面をほとんどエッチングしないような溶液
中に浸漬する。このとき珪素酸化膜で覆われている部分
はエッチングされないので、珪素基板が露出している長
方形の部分のみが図16のに示すような先細りの形状で
エッチングされる。このエッチングに伴い形成される斜
面は(111)面方位である。したがってこの珪素基板
が露出している長方形の幅を適当な大きさにすれば、珪
素基板を貫通して形成される裏面のノズルの幅を任意に
変えることができる。実際、この方法で1μm幅のノズ
ルを作製し、被加工物のエッチング量とそのエッチング
幅の被加工物と対向電極間距離を調べたところ、図15
に準じるようなエッチング特性が得られた。
【0022】(第六の実施例)図3の装置を用い、珪素
基板上に絶縁物である約2μmの珪素酸化膜が形成され
ている試料を被加工物として加工を行った。電解質溶液
には0.1%の弗酸溶液を用い、図3中54の電極1に
は幅3μmの白金を用いた。この場合の被加工物である
珪素酸化膜のエッチング種はHF2 −などの負イオンな
のでこれらのイオン種の濃度を被加工物表面で増大させ
るために被加工物に近接させる電極1を陽極として図3
中の電極1と電極2の間に電圧を2V印加し、加工時間
1分で被加工物のエッチング量とその幅の被加工物と電
極1間距離依存性を調べた。その結果を図17に示す。
これからこれまでの実施例と同じように被加工物と電極
1間の距離が短くなるに伴い、被加工物のエッチング量
は増加し、またその幅も狭くなってくる。この結果から
電極1を被加工物表面に近接させてその面内を走査させ
ることで被加工物表面の平坦化を実現することができ
る。また、この図3の装置を用いた加工は、被加工物が
電気的な絶縁物ではなく、導電性の材料であっても適用
することができる。
基板上に絶縁物である約2μmの珪素酸化膜が形成され
ている試料を被加工物として加工を行った。電解質溶液
には0.1%の弗酸溶液を用い、図3中54の電極1に
は幅3μmの白金を用いた。この場合の被加工物である
珪素酸化膜のエッチング種はHF2 −などの負イオンな
のでこれらのイオン種の濃度を被加工物表面で増大させ
るために被加工物に近接させる電極1を陽極として図3
中の電極1と電極2の間に電圧を2V印加し、加工時間
1分で被加工物のエッチング量とその幅の被加工物と電
極1間距離依存性を調べた。その結果を図17に示す。
これからこれまでの実施例と同じように被加工物と電極
1間の距離が短くなるに伴い、被加工物のエッチング量
は増加し、またその幅も狭くなってくる。この結果から
電極1を被加工物表面に近接させてその面内を走査させ
ることで被加工物表面の平坦化を実現することができ
る。また、この図3の装置を用いた加工は、被加工物が
電気的な絶縁物ではなく、導電性の材料であっても適用
することができる。
【0023】(第七の実施例)図1の装置を用い、珪素
基板上に銅が約2μmの堆積されている試料を被加工物
として加工を行った。電解質溶液には10−3mol/
kgの水酸化カリウム溶液を用い、対抗電極には幅5μ
mの白金を用いた。被加工物の銅の電位を飽和カロメル
参照電極に対して−220mVとし、30秒間処理を行
った。このとき用いた電解質溶液はアルカリ性であるた
め、電解処理に伴い銅表面には酸化物が形成され、対向
電極と向かい合っていた部分の被加工物表面は図18に
示すように局所的に盛り上がる。この図中のtの高さを
酸化量、hをエッチング量として、それらの被加工物表
面と対向電極間距離依存性を調べた結果図19のように
なった。なお、エッチング量hは酸化量tを段差計で測
定した後に希塩酸溶液中で銅の酸化物を除去した後に同
じく段差計で計測した。図19より酸化量、エッチング
量ともに被加工物表面と対向電極間距離の減少に伴い増
加してくることが分かる。このことは一度被加工物表面
の凸部を局所的に酸化し、その後に酸化物を除去してや
ることにより、被加工物表面の平坦化処理が可能である
ことを示している。また、この方法は図2や図3に示し
た装置でも可能であることを確認した。
基板上に銅が約2μmの堆積されている試料を被加工物
として加工を行った。電解質溶液には10−3mol/
kgの水酸化カリウム溶液を用い、対抗電極には幅5μ
mの白金を用いた。被加工物の銅の電位を飽和カロメル
参照電極に対して−220mVとし、30秒間処理を行
った。このとき用いた電解質溶液はアルカリ性であるた
め、電解処理に伴い銅表面には酸化物が形成され、対向
電極と向かい合っていた部分の被加工物表面は図18に
示すように局所的に盛り上がる。この図中のtの高さを
酸化量、hをエッチング量として、それらの被加工物表
面と対向電極間距離依存性を調べた結果図19のように
なった。なお、エッチング量hは酸化量tを段差計で測
定した後に希塩酸溶液中で銅の酸化物を除去した後に同
じく段差計で計測した。図19より酸化量、エッチング
量ともに被加工物表面と対向電極間距離の減少に伴い増
加してくることが分かる。このことは一度被加工物表面
の凸部を局所的に酸化し、その後に酸化物を除去してや
ることにより、被加工物表面の平坦化処理が可能である
ことを示している。また、この方法は図2や図3に示し
た装置でも可能であることを確認した。
【0024】(第八の実施例)図1の装置を用い、実際
に凹凸を持つ表面の平坦化を試みた。表面に凹凸を持つ
被加工物は図20に示すように珪素基板上の膜厚1μm
の珪素酸化膜をパターニングした後にエッチングしてエ
ッチングしたところとしていない部分で線状に高さ1μ
mの段差(近接する凸部と凸部の間の距離は1μm)を
形成したものを用いた。そしてこの上に銅を4μm堆積
させこれに本発明の平坦化処理を施した。電解質溶液と
して濃度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(p
H=5)、対向電極には白金(電極幅:1μm)を用
い、銅の電位を飽和カロメル参照電極に対して−200
mV、表面の凸部と対向電極間距離を1μmに保ち、水
平方向の走査速度毎秒10μmで処理を行った。この結
果、処理前の凹凸である1μmが平均で0.13μmま
で減少していた。またこの後銅の電位を飽和カロメル参
照電極に対して−210mVの他は同条件で処理を行っ
たところ凹凸のレベルは平均で数nmまで減少してい
た。したがって本発明の方法で平坦化が実現できること
が明らかにされた。また図2や図3で示した装置を用い
た場合や、被加工物を一度局所的に酸化した後にそれを
剥離する方法においても平坦化が実現されることを確認
した。
に凹凸を持つ表面の平坦化を試みた。表面に凹凸を持つ
被加工物は図20に示すように珪素基板上の膜厚1μm
の珪素酸化膜をパターニングした後にエッチングしてエ
ッチングしたところとしていない部分で線状に高さ1μ
mの段差(近接する凸部と凸部の間の距離は1μm)を
形成したものを用いた。そしてこの上に銅を4μm堆積
させこれに本発明の平坦化処理を施した。電解質溶液と
して濃度が1mol/kgの塩化アンモニウム溶液(p
H=5)、対向電極には白金(電極幅:1μm)を用
い、銅の電位を飽和カロメル参照電極に対して−200
mV、表面の凸部と対向電極間距離を1μmに保ち、水
平方向の走査速度毎秒10μmで処理を行った。この結
果、処理前の凹凸である1μmが平均で0.13μmま
で減少していた。またこの後銅の電位を飽和カロメル参
照電極に対して−210mVの他は同条件で処理を行っ
たところ凹凸のレベルは平均で数nmまで減少してい
た。したがって本発明の方法で平坦化が実現できること
が明らかにされた。また図2や図3で示した装置を用い
た場合や、被加工物を一度局所的に酸化した後にそれを
剥離する方法においても平坦化が実現されることを確認
した。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、被加工物表面を構成
する材料が比較的、物理化学的に安定に存在し得る電解
溶液中に被加工物を浸漬し、その溶液中の被加工物表面
近傍、あるいはノズルを介して対向電極を設置し、被加
工物と対向電極間、あるいは対向電極と被加工物から十
分離れたところに設置した電極に電圧を印加し、電気化
学的な電解作用により被加工物表面をエッチングし、被
加工物表面のミクロン、あるいはサブミクロンオーダー
の平坦化が可能となった。本発明では特に被加工物が絶
縁物でも導電材料でも適用でき、非常に利用範囲は広
い。また従来の被加工物表面の平坦化法であるCMPの
ジレンマの源となっていた被加工物表面への何らかの具
材の物理的な接触は必要ないので、CMPの欠点であっ
たシニングやディッシングが発生することは無い。この
ことから本発明を半導体装置の製造工程に適用すること
により、良品率の一層の向上が実現できる。
する材料が比較的、物理化学的に安定に存在し得る電解
溶液中に被加工物を浸漬し、その溶液中の被加工物表面
近傍、あるいはノズルを介して対向電極を設置し、被加
工物と対向電極間、あるいは対向電極と被加工物から十
分離れたところに設置した電極に電圧を印加し、電気化
学的な電解作用により被加工物表面をエッチングし、被
加工物表面のミクロン、あるいはサブミクロンオーダー
の平坦化が可能となった。本発明では特に被加工物が絶
縁物でも導電材料でも適用でき、非常に利用範囲は広
い。また従来の被加工物表面の平坦化法であるCMPの
ジレンマの源となっていた被加工物表面への何らかの具
材の物理的な接触は必要ないので、CMPの欠点であっ
たシニングやディッシングが発生することは無い。この
ことから本発明を半導体装置の製造工程に適用すること
により、良品率の一層の向上が実現できる。
【図1】本発明を実施するための装置を説明した図であ
る。
る。
【図2】本発明を実施するための装置を説明した図であ
る。
る。
【図3】本発明を実施するための装置を説明した図であ
る。
る。
【図4】本発明を実施するための装置で用いる電極の作
製法を説明する図である。
製法を説明する図である。
【図5】本発明を実施するための装置で用いる電極の作
製法を説明する図である。
製法を説明する図である。
【図6】本発明を実施するための装置で用いる電極の作
製法を説明する図である。
製法を説明する図である。
【図7】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被加
工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とその
幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とその
幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
【図8】電解質溶液中でのエッチングされた被加工物
(銅)表面の断面形状を示す図である。
(銅)表面の断面形状を示す図である。
【図9】本発明で用いた対向電極の作製方法を説明する
図である。
図である。
【図10】本発明で用いた対向電極の作製方法を説明す
る図である。
る図である。
【図11】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
【図12】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物と対向電極間距離依存性を示した図であ
る。
【図13】本発明で用いた被加工物と対向電極間に設置
するノズルの作製方法を説明する図である。
するノズルの作製方法を説明する図である。
【図14】本発明で用いた被加工物と対向電極間に設置
するノズルの作製方法を説明する図である。
するノズルの作製方法を説明する図である。
【図15】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物とノズル間距離依存性を示した図であ
る。
加工物(銅)をエッチングしたときのエッチング量とそ
の幅の被加工物とノズル間距離依存性を示した図であ
る。
【図16】本発明で用いた被加工物と対向電極間に設置
するノズルの作製方法を説明する図である。
するノズルの作製方法を説明する図である。
【図17】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物(珪素酸化膜)をエッチングしたときのエッチン
グ量とその幅の被加工物と電極1間距離依存性を示した
図である。
加工物(珪素酸化膜)をエッチングしたときのエッチン
グ量とその幅の被加工物と電極1間距離依存性を示した
図である。
【図18】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物表面を酸化したときの対向電極と向かい合ってい
た部分の被加工物表面の様子を説明する図である。
加工物表面を酸化したときの対向電極と向かい合ってい
た部分の被加工物表面の様子を説明する図である。
【図19】本発明の方法と装置を用い電解質溶液中で被
加工物表面を酸化したときのその酸化量とその酸化物を
除去した後のエッチング量の被加工物と対向電極間距離
依存性を示した図である。
加工物表面を酸化したときのその酸化量とその酸化物を
除去した後のエッチング量の被加工物と対向電極間距離
依存性を示した図である。
【図20】本発明の方法と装置を用い平坦化処理を行っ
た表面の様子を説明する図である。
た表面の様子を説明する図である。
11 容器 12 電解質溶液 13 被加工物 14 対向電極 15 電源 16 基準電極 17 電解質溶液 18 塩橋 19 電圧計 20 電流計あるいは電荷量計 21 水平および鉛直方向駆動装置 22 アクチュエーター 23 電極 24 配管 25 配管 26 配管 27 配管 31 容器 32 電解質溶液 33 被加工物 34 対向電極 35 電源 36 基準電極 37 電解質溶液 38 塩橋 39 電圧計 40 電流計あるいは電荷量計 41 配管 42 配管 43 配管 44 配管 45 対向電極設置室 46 ノズル 47 水平および鉛直方向駆動装置 48 配管 49 アクチュエーター 51 容器 52 電解質溶液 53 被加工物 54 電極1 55 電源 56 基準電極 57 電解質溶液 58 塩橋 59 電圧計 60 電流計あるいは電荷量計 61 水平および鉛直方向駆動装置 62 配管 63 配管 64 配管 65 配管 66 電極2 67 アクチュエーター 71 珪素基板 72 珪素酸化膜 73 銅薄膜 74 白金薄膜 81 ゴニオメーター 82 Oリング 83 押さえ板 84 珪素基板 85 土台 86 パッド 87 回転定盤 91 回転定盤 92 珪素基板 93 パッド 94 土台 101 珪素基板 102 珪素酸化膜 103 白金シリサイド 111a 珪素基板 111b 珪素基板 112a 珪素酸化膜 112b 珪素酸化膜 113 白金シリサイド 121 珪素基板 122 珪素酸化膜 131a 珪素基板 131b 珪素基板 132a 珪素酸化膜 132b 珪素酸化膜 141 珪素基板 151 被加工物 152 被加工物の酸化物 161 珪素基板 162 酸化珪素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 正則 東京都杉並区3丁目5番地4号 (72)発明者 小川 洋輝 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目18番地 1号 センチュリー新横浜701号室 (72)発明者 一木 隆範 埼玉県坂戸市千代田1丁目25番地14号 サ ンハイツ喜芳201号室 (72)発明者 篠原 正 千葉県千葉市稲毛区弥生町1丁目170番地 1号 (72)発明者 辻川 茂男 千葉県千葉市花見川区花見川2丁目13番地 404号 (72)発明者 菊地 純 東京都港区白金台2丁目14番地6号 Fターム(参考) 5F043 AA02 BB22 DD14 EE05 EE07 EE14 EE24 EE33 FF07
Claims (24)
- 【請求項1】 電解質溶液中に被加工物を浸漬し、該被
加工物表面近傍に電極を設置し、該被加工物と該電極間
に電圧を印加することを特徴とする表面平坦化処理方法
および装置。 - 【請求項2】 電解質溶液中に被加工物を浸漬し、該被
加工物表面近傍に設置したノズルを介して液絡されてい
る電極を設置し、該被加工物と該電極間に電圧を印加す
ることを特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項3】 電解質溶液中に被加工物を浸漬し、該被
加工物表面近傍に電極を設置し、さらに該被加工物から
十分離れた該電解質溶液中に電極を設置し、これらの電
極間に電圧を印加することを特徴とする表面平坦化処理
方法および装置。 - 【請求項4】 請求項1から3に記載の電解質溶液が、
特に電圧を印加していない場合に被加工物表面を物理化
学的に侵すことがほとんどないことを特徴とする表面平
坦化処理方法および装置。 - 【請求項5】 請求項1から3に記載の電極が、特に白
金で形成されていることを特徴とする表面平坦化処理方
法および装置。 - 【請求項6】 請求項1および3に記載の被加工物近傍
に設置する電極を珪素をベースとしたものの上に適当な
導電材料を成膜した後にこれをシリサイド化させること
により作製することを特徴とする表面平坦化処理方法お
よび装置。 - 【請求項7】 請求項1と2に記載の被加工物と電極間
に印加する電圧を、特に該被加工物と適当な参照電極と
の間の電位差から制御することを特徴とする表面平坦化
処理方法および装置。 - 【請求項8】 請求項3に記載の電極間に印加する電圧
を、特に被加工物表面近傍に設置した電極と適当な参照
電極との間の電位差から制御することを特徴とする表面
平坦化処理方法および装置。 - 【請求項9】 請求項1から3に記載の被加工物あるい
は該被加工物近傍に設置してある電極を相対的に被加工
物の表面内で走査することを特徴とする表面平坦化処理
方法および装置。 - 【請求項10】請求項1から3に記載の被加工物と電極
間に印加する電圧が、特に直流であることを特徴とする
表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項11】請求項1に記載の被加工物あるいは該被
加工物近傍に設置した電極を物理的に振動させることを
特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項12】請求項9に記載の被加工物あるいは該被
加工物近傍に設置した電極の振動に同期させて、該被加
工物と該被加工物近傍に設置した電極間に電圧を印加す
ることをを特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項13】請求項1に記載の被加工物から十分離れ
た電解質溶液中に新たな電極を設置し、該被加工物とそ
れに近接する電極間に正弦波、矩形波あるいは三角波な
どの交流を印加して、この交流に同期させて該被加工物
から十分離れた電解質溶液中の電極と該被加工物に近接
する電極との間に交流電圧を印加することを特徴とする
表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項14】請求項1から3に記載の電解液溶液を加
工を行う槽内へ供給、また槽内から排出し、槽内の電解
液を常に新鮮に保つことを特徴とする表面平坦化処理方
法および装置。 - 【請求項15】請求項12に記載の処理を行う槽内から
排出した電解液溶液を再度処理を行う槽へと供給するこ
とを特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項16】請求項13に記載の処理を行う槽内から
排出した電解液溶液をフィルタやイオン交換樹脂などを
介した後に再度処理を行う槽へと供給することを特徴と
する表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項17】請求項2に記載のノズルを特に珪素基板
をベースとした微細加工、珪素基板同士の張り合わせな
どを用い作製することを特徴とする表面平坦化処理方法
および装置。 - 【請求項18】請求項2に記載のノズルを特にヒドラジ
ンや水酸化カリウムなどの溶液中で珪素基板を面方位に
対して異方性エッチングすることにより作製することを
特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項19】請求項1および3に記載の被加工物近傍
に設置する電極を珪素をベースとしたものの上に適当な
導電材料を電解メッキにより成膜して作製することを特
徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項20】請求項17に記載の導電材料が特に銅あ
るいは白金であることを特徴とする表面平坦化処理方法
および装置。 - 【請求項21】請求項4に記載の導電材料が特に白金で
あり、シリサイド化させたものが白金シリサイドである
ことを特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項22】請求項1から3に記載の電解液溶液に適
当なものを用いることで、被加工物表面を局所的に酸化
し、その後これを除去することを特徴とする表面平坦化
処理方法および装置。 - 【請求項23】請求項1および2に記載の被加工物が、
特に導電性を有する金属や半導体などで構成されている
ことを特徴とする表面平坦化処理方法および装置。 - 【請求項24】請求項3に記載の被加工物が、特に導電
性を有する金属や半導体、あるいは導電性を有さない絶
縁物などで構成されていることを特徴とする表面平坦化
処理方法および装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31140799A JP2001102356A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 表面平坦化処理方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31140799A JP2001102356A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 表面平坦化処理方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001102356A true JP2001102356A (ja) | 2001-04-13 |
Family
ID=18016838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31140799A Pending JP2001102356A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 表面平坦化処理方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001102356A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003098673A1 (fr) * | 2002-05-21 | 2003-11-27 | Sony Corporation | Procede et systeme de polissage et procede de fabrication d'un dispositif semi-conducteur |
JP2012516438A (ja) * | 2009-01-30 | 2012-07-19 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 高速走査プローブ顕微鏡 |
-
1999
- 1999-09-27 JP JP31140799A patent/JP2001102356A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003098673A1 (fr) * | 2002-05-21 | 2003-11-27 | Sony Corporation | Procede et systeme de polissage et procede de fabrication d'un dispositif semi-conducteur |
JP2012516438A (ja) * | 2009-01-30 | 2012-07-19 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 高速走査プローブ顕微鏡 |
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