JP2001101446A - ３次元曲面形状への情報の埋め込み方法、及び該方法により埋め込まれた情報の取り出し方法、装置、及び記録媒体 - Google Patents
３次元曲面形状への情報の埋め込み方法、及び該方法により埋め込まれた情報の取り出し方法、装置、及び記録媒体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ３次元曲面形状をポリゴンモデルとして近似
表現することなく、３次元曲面形状のパラメトリック表
現式自体を利用し、かつ、もとの３次元曲面形状に相当
する部分の幾何形状を変更することなく情報を埋め込
み、またこの埋め込み情報を読み出す。 【解決手段】 パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意し（Ｓ１）、その３次元曲面形
状がトリム曲面として表現されていない場合にはトリム
曲面として表現し直し（Ｓ２，Ｓ３）、その３次元曲面
形状を延長して（Ｓ４）、延長により追加された部分形
状を識別する情報を出力する（Ｓ５）。そして埋め込む
べき情報を用意し（Ｓ６）、延長により追加された部分
形状を表現するパラメータを、埋め込むべき情報に対応
して変更することにより、延長前の３次元曲面形状に相
当する部分の幾何形状を変更することなく、情報を前記
３次元曲面形状へ埋め込む。
表現することなく、３次元曲面形状のパラメトリック表
現式自体を利用し、かつ、もとの３次元曲面形状に相当
する部分の幾何形状を変更することなく情報を埋め込
み、またこの埋め込み情報を読み出す。 【解決手段】 パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意し（Ｓ１）、その３次元曲面形
状がトリム曲面として表現されていない場合にはトリム
曲面として表現し直し（Ｓ２，Ｓ３）、その３次元曲面
形状を延長して（Ｓ４）、延長により追加された部分形
状を識別する情報を出力する（Ｓ５）。そして埋め込む
べき情報を用意し（Ｓ６）、延長により追加された部分
形状を表現するパラメータを、埋め込むべき情報に対応
して変更することにより、延長前の３次元曲面形状に相
当する部分の幾何形状を変更することなく、情報を前記
３次元曲面形状へ埋め込む。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ＣＡＤ／ＣＡＭ／
ＣＡＥ／ＣＧなど３次元形状を扱う分野に応用可能な３
次元曲面形状への情報埋め込み方法、該方法により埋め
込まれた情報の取り出し方法、装置、及びそれらの機能
を実現するためのプログラムを記録した記録媒体に関す
る。
ＣＡＥ／ＣＧなど３次元形状を扱う分野に応用可能な３
次元曲面形状への情報埋め込み方法、該方法により埋め
込まれた情報の取り出し方法、装置、及びそれらの機能
を実現するためのプログラムを記録した記録媒体に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】ディジタルメディアの普及によりディジ
タルコンテンツのコピーが容易になるとともに、不正コ
ピーや改竄を防止するために、ディジタルコンテンツ中
に著作権情報や配布経路情報などを埋め込む電子透かし
技術の必要性が高まっている。２次元画像データや音声
データを対象とした電子透かしについてはすでに多くの
研究が行われているが、３次元形状データへの情報埋め
込みの研究はまだ端緒が開かれたばかりである。例え
ば、特開平１０−３３４２７２号公報によれば、３次元
形状をポリゴンモデル（３角形メッシュモデル）として
近似表現し、当該ポリゴンモデルの幾何パラメータ（数
値パラメータおよび位相）を変更することにより情報を
埋め込んでいた。
タルコンテンツのコピーが容易になるとともに、不正コ
ピーや改竄を防止するために、ディジタルコンテンツ中
に著作権情報や配布経路情報などを埋め込む電子透かし
技術の必要性が高まっている。２次元画像データや音声
データを対象とした電子透かしについてはすでに多くの
研究が行われているが、３次元形状データへの情報埋め
込みの研究はまだ端緒が開かれたばかりである。例え
ば、特開平１０−３３４２７２号公報によれば、３次元
形状をポリゴンモデル（３角形メッシュモデル）として
近似表現し、当該ポリゴンモデルの幾何パラメータ（数
値パラメータおよび位相）を変更することにより情報を
埋め込んでいた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平１０−３
３４２７２号公報に示された従来技術では、３次元形状
データの主な用途がブラウザ上における表示であるとい
う立場から、３次元形状の表現形式として近似表現形式
であるポリゴンモデルを採用している。また、情報を埋
め込むために当該ポリゴンモデルの数値パラメータ（頂
点の座標値など）を微少に変更する場合には、ポリゴン
モデルの表示をブラウザ上で目視してもユーザが気づか
ない程度ではあるものの、３次元形状自体を変更してし
まうことになる。
３４２７２号公報に示された従来技術では、３次元形状
データの主な用途がブラウザ上における表示であるとい
う立場から、３次元形状の表現形式として近似表現形式
であるポリゴンモデルを採用している。また、情報を埋
め込むために当該ポリゴンモデルの数値パラメータ（頂
点の座標値など）を微少に変更する場合には、ポリゴン
モデルの表示をブラウザ上で目視してもユーザが気づか
ない程度ではあるものの、３次元形状自体を変更してし
まうことになる。
【０００４】しかしながら、３次元ＣＡＤ／ＣＡＭなど
で３次元形状データを利用する場合には、常に３次元曲
面形状を厳密に表現する必要があるため、ポリゴンモデ
ルでは精度が不十分であり、また、たとえ微少といえど
も、情報の埋め込みが３次元曲面形状自体に影響を及ぼ
すことは望ましくない。
で３次元形状データを利用する場合には、常に３次元曲
面形状を厳密に表現する必要があるため、ポリゴンモデ
ルでは精度が不十分であり、また、たとえ微少といえど
も、情報の埋め込みが３次元曲面形状自体に影響を及ぼ
すことは望ましくない。
【０００５】本発明は、上記の課題を解決するために、
３次元曲面形状をポリゴンモデルとして近似表現するこ
となく、３次元曲面形状のパラメトリック表現式自体を
利用し、かつ、もとの３次元曲面形状に相当する部分の
幾何形状を変更することなく情報を埋め込むことがで
き、またその情報を取り出すことができる３次元曲面形
状への情報の埋め込み方法、情報の取り出し方法、装
置、およびそれらの機能を実現するためのプログラムを
記録した記録媒体を提供することを目的とする。
３次元曲面形状をポリゴンモデルとして近似表現するこ
となく、３次元曲面形状のパラメトリック表現式自体を
利用し、かつ、もとの３次元曲面形状に相当する部分の
幾何形状を変更することなく情報を埋め込むことがで
き、またその情報を取り出すことができる３次元曲面形
状への情報の埋め込み方法、情報の取り出し方法、装
置、およびそれらの機能を実現するためのプログラムを
記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、パラ
メトリック表現式によって表現される３次元曲面形状を
用意するステップと、前記３次元曲面形状がトリム曲面
として表現されていない場合に、前記３次元曲面形状を
トリム曲面として表現し直すステップと、トリム曲面と
して表現された前記３次元曲面形状を延長するステップ
と、前記延長により追加された部分形状を表現するパラ
メータを、埋め込むべき前記情報に対応して変更するこ
とにより、前記延長前の３次元曲面形状に相当する部分
の幾何形状を変更することなく、前記３次元曲面形状に
追加された部分形状へ前記情報を埋め込むステップとを
有することを特徴としたものである。
メトリック表現式によって表現される３次元曲面形状を
用意するステップと、前記３次元曲面形状がトリム曲面
として表現されていない場合に、前記３次元曲面形状を
トリム曲面として表現し直すステップと、トリム曲面と
して表現された前記３次元曲面形状を延長するステップ
と、前記延長により追加された部分形状を表現するパラ
メータを、埋め込むべき前記情報に対応して変更するこ
とにより、前記延長前の３次元曲面形状に相当する部分
の幾何形状を変更することなく、前記３次元曲面形状に
追加された部分形状へ前記情報を埋め込むステップとを
有することを特徴としたものである。
【０００７】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出すため
の３次元曲面形状からの情報の取り出し方法であって、
前記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意するステ
ップと、トリム曲面として表現された３次元曲面形状を
延長することにより追加された部分形状を表現するパラ
メータを検出することにより、前記情報を前記３次元曲
面形状から取り出すステップとを有することを特徴とし
たものである。
て、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出すため
の３次元曲面形状からの情報の取り出し方法であって、
前記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意するステ
ップと、トリム曲面として表現された３次元曲面形状を
延長することにより追加された部分形状を表現するパラ
メータを検出することにより、前記情報を前記３次元曲
面形状から取り出すステップとを有することを特徴とし
たものである。
【０００８】請求項３の発明は、請求項１の発明におい
て、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲面
式であることを特徴としたものである。
て、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲面
式であることを特徴としたものである。
【０００９】請求項４の発明は、請求項１または３の発
明において、前記パラメータは、パラメトリック表現式
における制御点の座標値、重み、または該座標値と該重
みとの比であることを特徴としたものである。
明において、前記パラメータは、パラメトリック表現式
における制御点の座標値、重み、または該座標値と該重
みとの比であることを特徴としたものである。
【００１０】請求項５の発明は、パラメトリック表現式
によって表現される３次元曲面形状を用意する手段と、
前記３次元曲面形状がトリム曲面として表現されていな
い場合に、前記３次元曲面形状をトリム曲面として表現
し直す手段と、トリム曲面として表現された前記３次元
曲面形状を延長する手段と、前記延長により追加された
部分形状を表現するパラメータを、埋め込むべき前記情
報に対応して変更することにより、前記延長前の３次元
曲面形状に相当する部分の幾何形状を変更することな
く、前記３次元曲面形状に追加された部分形状へ前記情
報を埋め込む手段とを具備することを特徴としたもので
ある。
によって表現される３次元曲面形状を用意する手段と、
前記３次元曲面形状がトリム曲面として表現されていな
い場合に、前記３次元曲面形状をトリム曲面として表現
し直す手段と、トリム曲面として表現された前記３次元
曲面形状を延長する手段と、前記延長により追加された
部分形状を表現するパラメータを、埋め込むべき前記情
報に対応して変更することにより、前記延長前の３次元
曲面形状に相当する部分の幾何形状を変更することな
く、前記３次元曲面形状に追加された部分形状へ前記情
報を埋め込む手段とを具備することを特徴としたもので
ある。
【００１１】請求項６の発明は、請求項５の発明におい
て、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出す機能
を有する３次元曲面形状からの情報の取り出し装置であ
って、前記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意す
る手段と、トリム曲面として表現された３次元曲面形状
を延長することにより追加された部分形状を表現するパ
ラメータを検出することにより、前記情報を前記３次元
曲面形状から取り出す手段とを具備することを特徴とし
たものである。
て、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出す機能
を有する３次元曲面形状からの情報の取り出し装置であ
って、前記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意す
る手段と、トリム曲面として表現された３次元曲面形状
を延長することにより追加された部分形状を表現するパ
ラメータを検出することにより、前記情報を前記３次元
曲面形状から取り出す手段とを具備することを特徴とし
たものである。
【００１２】請求項７の発明は、請求項５の発明におい
て、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲面
式であることを特徴としたものである。
て、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲面
式であることを特徴としたものである。
【００１３】請求項８の発明は、請求項５または７の発
明において、前記パラメータは、パラメトリック表現式
における制御点の座標値、重み、または該座標値と該重
みとの比であることを特徴としたものである。
明において、前記パラメータは、パラメトリック表現式
における制御点の座標値、重み、または該座標値と該重
みとの比であることを特徴としたものである。
【００１４】請求項９の発明は、３次元曲面形状へ情報
を埋め込むプログラムを記録した記録媒体であって、該
プログラムが、パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意する機能と、前記３次元曲面形
状がトリム曲面として表現されていない場合に、前記３
次元曲面形状をトリム曲面として表現し直す機能と、ト
リム局面として表現された前記３次元曲面形状を延長す
る機能と、前記延長により追加された部分形状を表現す
るパラメータを、埋め込むべき前記情報に対応して変更
することにより、前記延長前の３次元曲面形状に相当す
る部分の幾何形状を変更することなく、前記３次元曲面
形状に追加された部分形状へ前記情報を埋め込む機能と
を実現するためのプログラムであることを特徴としたも
のである。
を埋め込むプログラムを記録した記録媒体であって、該
プログラムが、パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意する機能と、前記３次元曲面形
状がトリム曲面として表現されていない場合に、前記３
次元曲面形状をトリム曲面として表現し直す機能と、ト
リム局面として表現された前記３次元曲面形状を延長す
る機能と、前記延長により追加された部分形状を表現す
るパラメータを、埋め込むべき前記情報に対応して変更
することにより、前記延長前の３次元曲面形状に相当す
る部分の幾何形状を変更することなく、前記３次元曲面
形状に追加された部分形状へ前記情報を埋め込む機能と
を実現するためのプログラムであることを特徴としたも
のである。
【００１５】請求項１０の発明は、請求項９の発明にお
いて、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出すプ
ログラムを記録した媒体であって、該プログラムが、前
記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意する機能
と、トリム曲面として表現された３次元曲面形状を延長
することにより追加された部分形状を表現するパラメー
タを検出することにより、前記情報を前記３次元曲面形
状から取り出す機能を実現するためのプログラムである
ことを特徴としたものである。
いて、３次元曲面形状へ埋め込まれた情報を取り出すプ
ログラムを記録した媒体であって、該プログラムが、前
記情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用意する機能
と、トリム曲面として表現された３次元曲面形状を延長
することにより追加された部分形状を表現するパラメー
タを検出することにより、前記情報を前記３次元曲面形
状から取り出す機能を実現するためのプログラムである
ことを特徴としたものである。
【００１６】請求項１１の発明は、請求項９の発明にお
いて、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲
面式であることを特徴としたものである。
いて、前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプライン曲
面式であることを特徴としたものである。
【００１７】請求項１２の発明は、請求項９または１１
の発明において、前記パラメーターは、パラメトリック
表現式における制御点の座標値、重み、または該座標値
と該重みとの比であることを特徴としたものである。
の発明において、前記パラメーターは、パラメトリック
表現式における制御点の座標値、重み、または該座標値
と該重みとの比であることを特徴としたものである。
【００１８】
【発明の実施の形態】図１は、本発明による３次元曲面
形状への情報の埋め込み／情報の取り出しを行う装置の
一実施例におけるシステム構成を示すブロック図であ
る。当該装置は、バス１、ＣＰＵ２、メモリ３、外部記
憶装置４、入力装置５、表示装置６を備えるコンピュー
タシステム及びその上で動作するプログラムによって表
現される。
形状への情報の埋め込み／情報の取り出しを行う装置の
一実施例におけるシステム構成を示すブロック図であ
る。当該装置は、バス１、ＣＰＵ２、メモリ３、外部記
憶装置４、入力装置５、表示装置６を備えるコンピュー
タシステム及びその上で動作するプログラムによって表
現される。
【００１９】図２は、本発明による３次元曲面形状への
情報の埋め込み／情報の取り出し装置の一実施例におけ
る機能ブロック図である。当該装置は、入力部１１、情
報埋め込み部１２、情報取り出し部１３、出力部１４、
表示部１５の各要素から構成される。
情報の埋め込み／情報の取り出し装置の一実施例におけ
る機能ブロック図である。当該装置は、入力部１１、情
報埋め込み部１２、情報取り出し部１３、出力部１４、
表示部１５の各要素から構成される。
【００２０】図３は、本発明により３次元曲面形状へ情
報を埋め込む動作を説明するためのフローチャートであ
る。まず、パラメトリック表現式によって表現される３
次元曲面形状を用意する（ステップＳ１）。次いで用意
した３次元曲面形状がトリム曲面として表現されている
かどうかを判断し（ステップＳ２）、トリム曲面として
表現されていない場合には、その３次元曲面形状の自然
境界に一致したトリム境界を付与し、当該３次元曲面形
状をトリム曲面として表現し直す（ステップＳ３）。
報を埋め込む動作を説明するためのフローチャートであ
る。まず、パラメトリック表現式によって表現される３
次元曲面形状を用意する（ステップＳ１）。次いで用意
した３次元曲面形状がトリム曲面として表現されている
かどうかを判断し（ステップＳ２）、トリム曲面として
表現されていない場合には、その３次元曲面形状の自然
境界に一致したトリム境界を付与し、当該３次元曲面形
状をトリム曲面として表現し直す（ステップＳ３）。
【００２１】図５は、トリム曲面について説明するため
の図である。実用的な３次元形状処理システムにおいて
は、通常、３次元曲面形状は、母曲面（もとになる曲
面）２０の幾何形状データと、そのうちどの部分が実際
の形状表現として用いられているかという境界情報を表
わすトリム境界３０との組であるトリム曲面４０として
表現される。すなわち、母曲面２０のうちトリム境界３
０に囲まれた部分のみが実際の３次元曲面形状であると
解釈される。なお、母曲面２０自体の境界をトリム境界
と区別して自然境界２１と呼ぶ。
の図である。実用的な３次元形状処理システムにおいて
は、通常、３次元曲面形状は、母曲面（もとになる曲
面）２０の幾何形状データと、そのうちどの部分が実際
の形状表現として用いられているかという境界情報を表
わすトリム境界３０との組であるトリム曲面４０として
表現される。すなわち、母曲面２０のうちトリム境界３
０に囲まれた部分のみが実際の３次元曲面形状であると
解釈される。なお、母曲面２０自体の境界をトリム境界
と区別して自然境界２１と呼ぶ。
【００２２】一方、３次元曲面形状がトリム曲面として
表現されていない場合には、その３次元曲面形状は母曲
面２０の幾何形状データのみによって表現されているこ
とになり、この場合、その母曲面の全体が実際の３次元
曲面形状であると解釈される。従って、母曲面の自然境
界２１と一致するトリム境界を付与すれば、実際の３次
元曲面形状として解釈される部分が母曲面の全体である
ということを変更することなく、該３次元曲面形状をト
リム曲面として表現し直すことができる。
表現されていない場合には、その３次元曲面形状は母曲
面２０の幾何形状データのみによって表現されているこ
とになり、この場合、その母曲面の全体が実際の３次元
曲面形状であると解釈される。従って、母曲面の自然境
界２１と一致するトリム境界を付与すれば、実際の３次
元曲面形状として解釈される部分が母曲面の全体である
ということを変更することなく、該３次元曲面形状をト
リム曲面として表現し直すことができる。
【００２３】図３のフローチャートに戻って説明する。
ステップＳ４では、トリム曲面として表現された３次元
曲面形状の母曲面を延長し、延長により追加された部分
形状を識別する情報を出力する（ステップＳ５）。この
とき、延長前の母曲面に相当する部分の幾何形状を変更
することなく、かつ、延長により追加される部分形状が
任意性を有するような方法で、当該母曲面を延長する。
なお、トリム境界は変更されないので、この延長によっ
て実際の３次元曲面形状として解釈される部分の幾何形
状が変更されることはない。
ステップＳ４では、トリム曲面として表現された３次元
曲面形状の母曲面を延長し、延長により追加された部分
形状を識別する情報を出力する（ステップＳ５）。この
とき、延長前の母曲面に相当する部分の幾何形状を変更
することなく、かつ、延長により追加される部分形状が
任意性を有するような方法で、当該母曲面を延長する。
なお、トリム境界は変更されないので、この延長によっ
て実際の３次元曲面形状として解釈される部分の幾何形
状が変更されることはない。
【００２４】上記のような延長は、たとえば、３次元曲
面形状のパラメトリック表現式がＢ−スプライン曲面式
である場合、「任意の２つのＢ−スプライン曲面はそれ
らの幾何形状を変更することなく１つのＢ−スプライン
曲面式で表現することができる」というＢ−スプライン
曲面式の一般的な性質などを用いることにより、実行す
ることができる。
面形状のパラメトリック表現式がＢ−スプライン曲面式
である場合、「任意の２つのＢ−スプライン曲面はそれ
らの幾何形状を変更することなく１つのＢ−スプライン
曲面式で表現することができる」というＢ−スプライン
曲面式の一般的な性質などを用いることにより、実行す
ることができる。
【００２５】上記のごとくの延長により追加された部分
形状を識別する情報としては、例えば、延長により追加
された部分形状を表現する制御点のインデックス（およ
び個数）または、延長前の３次元曲面形状に相当する部
分のパラメトリック表現式が、Ｓ＝Ｓ（ｕ，ｖ）ただし
ｕ０≦ｕ≦ｕ１かつｖ０≦ｖ≦ｖ１と表現される場合
の、ｕとｖの範囲を示すｕ０，ｕ１，ｖ０およびｖ１の
値などを出力すればよい。また、当該３次元曲面形状の
パラメトリック表現式がＢ−スプライン曲面式である場
合には、上記のｕ０，ｕ１，ｖ０およびｖ１をノットと
して挿入し、他のノットと識別可能な特定の多重度を有
するように多重化して、その多重度を出力してもよい。
これらの情報は、情報を埋め込んだ３次元曲面形状から
情報を取り出す際に用いられる。
形状を識別する情報としては、例えば、延長により追加
された部分形状を表現する制御点のインデックス（およ
び個数）または、延長前の３次元曲面形状に相当する部
分のパラメトリック表現式が、Ｓ＝Ｓ（ｕ，ｖ）ただし
ｕ０≦ｕ≦ｕ１かつｖ０≦ｖ≦ｖ１と表現される場合
の、ｕとｖの範囲を示すｕ０，ｕ１，ｖ０およびｖ１の
値などを出力すればよい。また、当該３次元曲面形状の
パラメトリック表現式がＢ−スプライン曲面式である場
合には、上記のｕ０，ｕ１，ｖ０およびｖ１をノットと
して挿入し、他のノットと識別可能な特定の多重度を有
するように多重化して、その多重度を出力してもよい。
これらの情報は、情報を埋め込んだ３次元曲面形状から
情報を取り出す際に用いられる。
【００２６】そして、埋め込むべき情報を用意し（ステ
ップＳ６）、延長により追加された部分形状を表現する
パラメータを上記の埋め込むべき情報に対応して変更し
（ステップＳ７）、情報が埋め込まれた３次元曲面形状
を出力する（ステップＳ８）。
ップＳ６）、延長により追加された部分形状を表現する
パラメータを上記の埋め込むべき情報に対応して変更し
（ステップＳ７）、情報が埋め込まれた３次元曲面形状
を出力する（ステップＳ８）。
【００２７】上述したごとくに、延長により追加された
部分形状は任意性を有するので、たとえば、任意性を有
する制御点の座標値を埋め込むべき情報に対応して変更
することによって、３次元曲面形状へ情報を埋め込むこ
とができる。３次元曲面形状のパラメトリック表現式が
有理パラメトリック表現式の場合には、任意性を有する
重みを埋め込むべき情報に対応して変更することもでき
る。また、任意性を有する制御点の座標値または重みが
複数存在する場合には、それらの比（アフィン変換に対
する不変量）を埋め込むべき情報に対応して変更するこ
ともできる。
部分形状は任意性を有するので、たとえば、任意性を有
する制御点の座標値を埋め込むべき情報に対応して変更
することによって、３次元曲面形状へ情報を埋め込むこ
とができる。３次元曲面形状のパラメトリック表現式が
有理パラメトリック表現式の場合には、任意性を有する
重みを埋め込むべき情報に対応して変更することもでき
る。また、任意性を有する制御点の座標値または重みが
複数存在する場合には、それらの比（アフィン変換に対
する不変量）を埋め込むべき情報に対応して変更するこ
ともできる。
【００２８】なお、延長により追加された部分形状を表
現するパラメータが変更されても、実際の３次元曲面形
状として解釈される部分の幾何形状が変更されることは
ない。従って、本発明により、もとの３次元曲面形状に
相当する部分の幾何形状を変更することなく、当該３次
元曲面形状へ情報を埋め込むことができる。また、上述
したごとくに、情報を埋め込んだ３次元曲面形状はトリ
ム曲面として表現されており、情報を埋め込んだ後に切
断操作や集合演算などが施されても、通常はトリム境界
が変更されるのみで、延長により追加された部分形状を
含む母曲面は変更されない。従って、埋め込まれた情報
は保存される可能性が高い。
現するパラメータが変更されても、実際の３次元曲面形
状として解釈される部分の幾何形状が変更されることは
ない。従って、本発明により、もとの３次元曲面形状に
相当する部分の幾何形状を変更することなく、当該３次
元曲面形状へ情報を埋め込むことができる。また、上述
したごとくに、情報を埋め込んだ３次元曲面形状はトリ
ム曲面として表現されており、情報を埋め込んだ後に切
断操作や集合演算などが施されても、通常はトリム境界
が変更されるのみで、延長により追加された部分形状を
含む母曲面は変更されない。従って、埋め込まれた情報
は保存される可能性が高い。
【００２９】図４は、本発明により、３次元曲面形状か
ら情報を取り出す動作を説明するためのフローチャート
である。まず、情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用
意する（ステップＳ１１）。そして延長により追加され
た部分形状を識別する情報を用意して（ステップＳ１
２）、当該３次元曲面形状のうち延長により追加された
部分形状を表現するパラメーターを検出して情報を取り
出し（ステップＳ１３）、取り出された情報を出力する
（ステップＳ１４）。
ら情報を取り出す動作を説明するためのフローチャート
である。まず、情報が埋め込まれた３次元曲面形状を用
意する（ステップＳ１１）。そして延長により追加され
た部分形状を識別する情報を用意して（ステップＳ１
２）、当該３次元曲面形状のうち延長により追加された
部分形状を表現するパラメーターを検出して情報を取り
出し（ステップＳ１３）、取り出された情報を出力する
（ステップＳ１４）。
【００３０】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１，５及び９の発明によると、パラメトリック表現式に
よって表現される３次元曲面形状へ情報を埋め込むこと
ができ、このとき、元の３次元曲面形状に相当する部分
の幾何形状を変更することなく情報を埋め込むことがで
きる。
１，５及び９の発明によると、パラメトリック表現式に
よって表現される３次元曲面形状へ情報を埋め込むこと
ができ、このとき、元の３次元曲面形状に相当する部分
の幾何形状を変更することなく情報を埋め込むことがで
きる。
【００３１】請求項２、６及び１０の発明によると、請
求項１、５または９に記載された発明によって情報を埋
め込まれた３次元曲面形状から情報を取り出すことがで
きる。
求項１、５または９に記載された発明によって情報を埋
め込まれた３次元曲面形状から情報を取り出すことがで
きる。
【００３２】請求項３、７及び１１の発明によると、３
次元曲面形状のパラメトリック表現式がＢ−スプライン
曲面式である場合に、請求項１、２、５、６、９または
１０記載の発明の効果を得ることができる。
次元曲面形状のパラメトリック表現式がＢ−スプライン
曲面式である場合に、請求項１、２、５、６、９または
１０記載の発明の効果を得ることができる。
【００３３】請求項４、８、及び１２に記載された発明
によると、３次元曲面形状に情報を埋め込むために変更
するパラメーターが当該３次元曲面形状のパラメトリッ
ク表現式における制御点の座標値、重み、またはそれら
の比である場合に、請求項１、２、３、５、６、７、
９、１０または１１記載の発明の効果を得ることができ
る。
によると、３次元曲面形状に情報を埋め込むために変更
するパラメーターが当該３次元曲面形状のパラメトリッ
ク表現式における制御点の座標値、重み、またはそれら
の比である場合に、請求項１、２、３、５、６、７、
９、１０または１１記載の発明の効果を得ることができ
る。
【図１】 本発明が適用される３次元曲面形状への情報
埋め込み、取り出し装置の一実施例におけるシステム構
成を示すブロック図である。
埋め込み、取り出し装置の一実施例におけるシステム構
成を示すブロック図である。
【図２】 本発明が適用される３次元曲面形状への情報
埋め込み、取り出し装置の一実施例における機能ブロッ
ク図である。
埋め込み、取り出し装置の一実施例における機能ブロッ
ク図である。
【図３】 本発明により３次元曲面形状へ情報を埋め込
む動作を説明するためのフローチャートである。
む動作を説明するためのフローチャートである。
【図４】 本発明により３次元曲面形状から情報を取り
出す動作を説明するためのフローチャートである。
出す動作を説明するためのフローチャートである。
【図５】 本発明に関わるトリム曲面について説明する
ための図である。
ための図である。
１…バス、２…ＣＰＵ、３…メモリ、４…外部記憶装
置、５…入力装置、６…表示装置、１１…入力部、１２
…情報埋め込み部、１３…情報取り出し部、１４…出力
部、１５…表示部、２０…母曲面、２１…自然境界、３
０…トリム境界、４０…トリム曲面。
置、５…入力装置、６…表示装置、１１…入力部、１２
…情報埋め込み部、１３…情報取り出し部、１４…出力
部、１５…表示部、２０…母曲面、２１…自然境界、３
０…トリム境界、４０…トリム曲面。
Claims (12)
- 【請求項１】 パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意するステップと、前記３次元曲
面形状がトリム曲面として表現されていない場合に、前
記３次元曲面形状をトリム曲面として表現し直すステッ
プと、トリム曲面として表現された前記３次元曲面形状
を延長するステップと、前記延長により追加された部分
形状を表現するパラメータを、埋め込むべき前記情報に
対応して変更することにより、前記延長前の３次元曲面
形状に相当する部分の幾何形状を変更することなく、前
記３次元曲面形状に追加された部分形状へ前記情報を埋
め込むステップとを有することを特徴とする３次元曲面
形状への情報の埋め込み方法。 - 【請求項２】 請求項１に記載の３次元曲面形状への情
報の埋め込み方法によって３次元曲面形状へ埋め込まれ
た情報を取り出すための３次元曲面形状からの情報の取
り出し方法であって、前記情報が埋め込まれた３次元曲
面形状を用意するステップと、トリム曲面として表現さ
れた３次元曲面形状を延長することにより追加された部
分形状を表現するパラメータを検出することにより、前
記情報を前記３次元曲面形状から取り出すステップとを
有することを特徴とする３次元曲面形状からの情報の取
り出し方法。 - 【請求項３】 前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプ
ライン曲面式であることを特徴とする請求項１に記載の
３次元曲面形状への情報の埋め込み方法。 - 【請求項４】 前記パラメータは、パラメトリック表現
式における制御点の座標値、重み、または該座標値と該
重みとの比であることを特徴とする請求項１または３に
記載の３次元曲面形状への情報の埋め込み方法。 - 【請求項５】 パラメトリック表現式によって表現され
る３次元曲面形状を用意する手段と、前記３次元曲面形
状がトリム曲面として表現されていない場合に、前記３
次元曲面形状をトリム曲面として表現し直す手段と、ト
リム曲面として表現された前記３次元曲面形状を延長す
る手段と、前記延長により追加された部分形状を表現す
るパラメータを、埋め込むべき前記情報に対応して変更
することにより、前記延長前の３次元曲面形状に相当す
る部分の幾何形状を変更することなく、前記３次元曲面
形状に追加された部分形状へ前記情報を埋め込む手段と
を具備することを特徴とする３次元曲面形状への情報の
埋め込み装置。 - 【請求項６】 請求項５に記載の３次元曲面形状への情
報の埋め込み装置によって３次元曲面形状へ埋め込まれ
た情報を取り出す機能を有する３次元曲面形状からの情
報の取り出し装置であって、前記情報が埋め込まれた３
次元曲面形状を用意する手段と、トリム曲面として表現
された３次元曲面形状を延長することにより追加された
部分形状を表現するパラメータを検出することにより、
前記情報を前記３次元曲面形状から取り出す手段とを具
備することを特徴とする３次元曲面形状からの情報の取
り出し装置。 - 【請求項７】 前記パラメトリック表現式は、Ｂ−スプ
ライン曲面式であることを特徴とする請求項５に記載の
３次元曲面形状への情報の埋め込み装置。 - 【請求項８】 前記パラメータは、パラメトリック表現
式における制御点の座標値、重み、または該座標値と該
重みとの比であることを特徴とする請求項５または７に
記載の３次元曲面形状からの情報の埋め込み装置。 - 【請求項９】 ３次元曲面形状へ情報を埋め込むプログ
ラムを記録した記録媒体であって、該プログラムが、パ
ラメトリック表現式によって表現される３次元曲面形状
を用意する機能と、前記３次元曲面形状がトリム曲面と
して表現されていない場合に、前記３次元曲面形状をト
リム曲面として表現し直す機能と、トリム曲面として表
現された前記３次元曲面形状を延長する機能と、前記延
長により追加された部分形状を表現するパラメータを、
埋め込むべき前記情報に対応して変更することにより、
前記延長前の３次元曲面形状に相当する部分の幾何形状
を変更することなく、前記３次元曲面形状に追加された
部分形状へ前記情報を埋め込む機能とを実現するための
プログラムであることを特徴とする記録媒体。 - 【請求項１０】 請求項９に記載の記録媒体に記録され
たプログラムの機能を実現することにより３次元曲面形
状へ埋め込まれた情報を取り出すプログラムを記録した
媒体であって、該プログラムが、前記情報が埋め込まれ
た３次元曲面形状を用意する機能と、トリム曲面として
表現された３次元曲面形状を延長することにより追加さ
れた部分形状を表現するパラメータを検出することによ
り、前記情報を前記３次元曲面形状から取り出す機能を
実現するためのプログラムであることを特徴とする記録
媒体。 - 【請求項１１】 前記パラメトリック表現式は、Ｂ−ス
プライン曲面式であることを特徴とする請求項９に記載
の記録媒体。 - 【請求項１２】 前記パラメータは、パラメトリック表
現式における制御点の座標値、重み、または該座標値と
該重みとの比であることを特徴とする請求項９または１
１に記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27965099A JP2001101446A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ３次元曲面形状への情報の埋め込み方法、及び該方法により埋め込まれた情報の取り出し方法、装置、及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27965099A JP2001101446A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ３次元曲面形状への情報の埋め込み方法、及び該方法により埋め込まれた情報の取り出し方法、装置、及び記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001101446A true JP2001101446A (ja) | 2001-04-13 |
Family
ID=17613948
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27965099A Pending JP2001101446A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ３次元曲面形状への情報の埋め込み方法、及び該方法により埋め込まれた情報の取り出し方法、装置、及び記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001101446A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009529269A (ja) * | 2006-03-06 | 2009-08-13 | フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ | 直線形状又は平面形状の製造 |
-
1999
- 1999-09-30 JP JP27965099A patent/JP2001101446A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009529269A (ja) * | 2006-03-06 | 2009-08-13 | フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ | 直線形状又は平面形状の製造 |
| JP4814961B2 (ja) * | 2006-03-06 | 2011-11-16 | フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ | 直線形状又は平面形状の製造 |
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