JP2003099805A - 3次元形状モデルへの電子透かし埋込み方法並びに電子透かし復元方法 - Google Patents

3次元形状モデルへの電子透かし埋込み方法並びに電子透かし復元方法

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JP2003099805A
JP2003099805A JP2001289141A JP2001289141A JP2003099805A JP 2003099805 A JP2003099805 A JP 2003099805A JP 2001289141 A JP2001289141 A JP 2001289141A JP 2001289141 A JP2001289141 A JP 2001289141A JP 2003099805 A JP2003099805 A JP 2003099805A
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Hiroshi Nagahashi
宏 長橋
Riyokuma Mihashi
力麻 三橋
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Rikogaku Shinkokai
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Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3次元形状モデルに、埋込みの前後で3次元
形状モデルの形状が大略保存され、又、攻撃・侵害を受
けた場合でも、埋込んだ電子透かし情報が失われたり、
復元不可能とならない、攻撃に対して頑強な耐性のある
電子透かし情報の埋込み/復元方法を提供する。 【解決手段】 透かし情報の埋込み用パラメータを設定
する工程と、3次元形状モデルの変換前データを入力す
る工程と、入力した3次元形状モデルの各曲面メッシュ
に対して、透かし情報の埋込み処理を行うメッシュと、
埋込み処理を行わないメッシュとを選別する工程と、選
別された各曲面メッシュの集合の中の所定のメッシュに
対して、埋込み用パラメータに指定された分割比率を有
する制御点を新しく生成し、当該制御点が、所定の曲面
上にあり、かつ、前記所定の曲面メッシュと同数の制御
点を有する分割メッシュを生成することにより、上記課
題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、3次元CAD(Co
mputer Aided Design)システムで作成された3次元多
項式モデル等の3次元形状モデルへの電子透かし情報の
埋込み方法、並びに、電子透かし情報の復元方法に関す
るものである。特に、3次元形状モデルに対して、汎用
性があり、形状を保存しながら、外部からの攻撃に対し
耐性のある著作権等の透かし情報の埋込みが可能な電子
透かし情報の埋込み方法、並びに、透かし情報を検出・
抽出したり、読取る電子透かし情報の復元方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】a1) 電子透かし(digital watermarkin
g)は、デジタルデータ化された音声/音楽、動/静止画
等の流通データに対し、著作権者や利用者の識別情報、
著作権者の権利情報、当該データの利用条件/コピー制
御情報等の情報(これらを電子透かし情報と呼ぶ)を知覚
が容易ではない状態となる様に、流通データに埋込み、
後に必要に応じて上記透かし情報を、その流通データ内
から検出・抽出したり、読取ることによって、利用制
御、コピー制御を含む著作権保護を行ったり、不正コピ
ー、不正編集を防止しながら、二次利用の促進を行うた
めの技術である。 a2) ところで、従来、直感的でしかも容易な形状入力
機能を持った3次元CADシステムでは、一般に自由曲
面で形状を定義するようになっており、複雑な自由曲面
を持った3次元形状モデルを容易に入力できるようにす
るため、設計者が自由曲面を定義する場合、断面線や曲
面の境界曲線等の曲面を特徴づける特徴線を、3次元多
項式モデルや3次元有理式モデルで表現し入力する方法
が採用されている。これらの方法では、設計者は先ず曲
面の境界曲線を表す曲線メッシュを定義し、それから曲
線メッシュで囲まれる領域(以下、曲面メッシュと呼
ぶ)を自由曲面で内挿する。入力された曲面メッシュ
は、設計したい3次元形状モデルの大まかな形状を表
し、上記曲面メッシュは、Bezier曲線、有理Bezier曲
線、B-Spline曲線、Hermite曲線や、NURBS(Non
Uniform Rational B-Spline)曲線等、様々なタイプの
曲線で構成され、また、設計する3次元形状モデルによ
っては、3角形や5角形のような非4辺形となる領域も
含んだ不規則な曲面メッシュが現れるが、かかる様々な
タイプの曲線で構成され、かつ、不規則な領域を含んだ
曲面メッシュを、設計者が意図した曲面形状で内挿する
ようになっている。 a3) 特開2000ー82156号公報には、3次元形状モデルデ
ータの不正な複製等を防止する方法として、著作権情報
等を電子透かし情報としてデジタルメディアに埋め込
み、又、埋込んだ著作権情報等が電子透かし情報として
抽出できる方法であって、3次元形状モデルに直接電子
透かし情報を埋込む方法が記載されている。この手法で
は、3次元形状モデルが自由曲面を表現可能な3次元多
項式モデルではなく、形状モデルが3角形ポリゴンの集
合で構成されると共に表現されており、これらの3角形
ポリゴンを更に4つの3角形に分割して、その間に構成
される3角形(どの3角形ポリゴンの頂点も含まない3
角形)に電子透かし情報(著作権情報)を埋込む方法が
記載されている。上記公報の手法では、3次元形状デー
タに電子透かし情報を埋込んだ場合、埋込んだ3次元形
状モデルに視覚的誤差が発生するので、この誤差を制御
するように成っており、具体的には、3角形ポリゴンで
表現された3次元形状モデルにウェーブレット変換処理
を行い、ウェーブレット変換処理により生成されるウェ
ーブレット係数ベクトルに電子透かし情報を埋込み、電
子透かし情報を埋込んだウェーブレット係数ベクトルに
基づいて、電子透かし情報を埋込んだ3次元形状モデル
を作成するようになっている。又、 a4) 大渕らは、「NURBS曲線・曲面を対象とした
幾何形状を保存する電子透かし埋込み手法」、情報処理
学会論文誌Vol.41No.3、2000,pp559ー569で、NURBS
曲線・曲面からなる3次元モデルを対象に、埋込みの前
後で、その幾何形状を厳密に保存し、更に、そのデータ
量も保存する電子透かし埋込み方法を提案している。こ
の手法は、有理線形再パラメータ化の前後で、NURB
S曲線・曲面の幾何形状が変わらない性質を利用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記a
1)、a3)、a4)の各手法には、以下のような問題点があっ
た。先ず、 b1) a1)に開示されているようなオーディオ信号波形
や、画像信号波形と、3次元形状モデルのデジタル・デ
ータとは、その表現形式が、根本的に異なっているの
で、基本的には、1次元波形に対して適用される従来の
電子透かし技術は、そのまま適用しても、ほとんど無意
味である。 b3) a3)に開示されている3次元形状モデルへの電子透
かし方法では、3角形ポリゴンの集合で3次元モデルを
表現しているので、自由曲面を忠実に表現できない、3
次元形状モデルに電子透かし情報を埋込むと、埋込んだ
3次元形状モデル全体に、更に、視覚的誤差が追加され
てしまうといった問題点があった。 b4) a4)に開示されている3次元形状モデルへの電子透
かし埋込み方法では、透かし情報の埋込まれたNURB
S曲線・曲面からなる3次元形状モデルに、更に、任意
の再パラメータ化処理を実施すると、透かし情報が消失
してしまい、非常に透かし情報の破壊が容易であるとい
った問題点や、ruled surfaceやトリム曲線のように透
かし情報を埋込む曲線・曲面が、再パラメータ化により
変更されてしまうと、パラメータ技術を積極的に利用す
る別のアプリケーションでは、変更により対象が異なっ
たものとなり、適切に対応できないといった問題点があ
った。 本発明は上述の様な事情に鑑みて成されたものであり、
本発明の目的は、3次元形状モデルに、著作権情報等を
含む電子透かし情報を埋込む場合に、埋込みの前後で3
次元形状モデルの形状が大略保存され、又、3次元形状
モデルに対し削除、変形等の攻撃・侵害を受けた場合で
も、埋込んだ電子透かし情報が失われたり、復元不可能
とならない、攻撃に対して頑強な耐性のある電子透かし
情報の埋込み/復元方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、多項式又は有
理式で表現された3次元形状モデルへの電子透かし情報
の埋込み方法に関し、本発明の上記目的は、前記透かし
情報の埋込み用パラメータを設定する工程と、3次元形
状モデルの変換前データを入力する工程と、前記入力し
た3次元形状モデルの各曲面メッシュに対して、透かし
情報の埋込み処理を行うメッシュと、埋込み処理を行わ
ないメッシュとを選別する工程と、前記選別された各曲
面メッシュの集合の中の所定のメッシュに対して、前記
埋込み用パラメータに指定された分割比率を有する制御
点を新しく生成し、当該制御点が、前記所定の曲面上に
あり、かつ、前記所定の曲面メッシュと同数の制御点を
有する分割メッシュを生成することにより、前記電子透
かし情報の埋込みを実行する工程と、を含むことによっ
て達成される。又、本発明は、多項式又は有理式で表現
された3次元形状モデルからの電子透かし情報の復元方
法にも関し、本発明の上記目的は、前記透かし情報の復
元用パラメータを設定する工程と、3次元形状モデル・
データを入力する工程と、前記入力した3次元形状モデ
ルの各曲面メッシュに対して、任意の3つの制御点から
成る三角形の3辺の比を演算し、当該比率のヒストグラ
ムを作成し、このヒストグラムから所定の度数以上の比
率が、前記復元用パラメータに登録されているか否かに
応じて、埋込まれた前記透かし情報を抽出する工程と、
を含むことによっても達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施例について、詳細に説明する。先ず、図1
は、本発明の電子透かし情報埋込み方法を実現するため
のシステム構成の1例を示すブロック図であり、オリジ
ナルの3次元多項式モデルや3次元有理式モデルで表現
されたオリジナル3次元形状モデル(以下、オリジナル
モデルVoという)のデータは、パーソナルコンピュー
タ等で構成された埋込み手段10の形状判定部12に入
力され、外部から設定・入力される形状判定パラメータ
para1に従って、電子透かし情報を埋込むメッシュの集
合v1と、電子透かし情報を埋め込まないメッシュの集
合v0とに分類され、電子透かし情報を埋め込まないメ
ッシュの集合v0は、そのまま統合部16に入力され、
又、電子透かし情報を埋込むメッシュの集合v1は、埋
込み変換部14に入力されるようになっている。次に、
埋込み変換部14では、外部から設定又は入力された埋
込みキー情報key1、配置制御情報al1、及び、透かし情
報wm1に基づいて、透かし情報wm1が埋込み対象メッシュ
の集合v1の個々のメッシュに対して、後述するメッシ
ュ分割方法により埋込まれ、メッシュの集合v2に変換
されて、統合部16に入力され、統合部16では、電子
透かし情報wm1を埋込んだメッシュの集合v2を入力す
ると、微小変位部17により、境界制御点以外の内部制
御点に対して、微小変位を付与し、埋込んだ透かし情報
が容易に解読できないようにすると共に、電子透かし情
報を埋め込まないメッシュの集合v0と統合し、流通、
配布する3次元形状モデルVdに統合して外部に出力す
るようになっている。尚、上記微小変位部17は、埋込
み変換部14の内部に設けることも可能である。
【0006】又、図2は、本発明の電子透かし情報復元
方法を実現するためのシステム構成の1例を示すブロッ
ク図であり、配布された3次元形状モデルVdが、パー
ソナルコンピュータ等で構成された復元手段20の形状
判定部22に入力され、外部から設定・入力される形状
判定パラメータpara1に従って、電子透かし情報を埋込
まれた候補メッシュの集合v4と、電子透かし情報を埋
込まれていないメッシュの集合v3とに分類され、電子
透かし情報を埋込まれていない候補メッシュの集合v3
は、そのままモデル復元部26に入力され、又、電子透
かし情報が埋込まれた候補メッシュの集合v4は、透か
し復元部24に入力されるようになっている。次に、透
かし復元部24では、外部から設定又は入力された埋込
みキー情報key1、及び、配置制御情報al1に基づいて、
埋込み候補メッシュの集合v4の個々のメッシュに対し
て、後述する透かし復元方法により電子透かし情報wm1
を復元し、外部に出力すると共に、透かし情報により分
割されたメッシュを統合・復元して、オリジナル・メッ
シュの集合v5に復元し、オリジナル・メッシュの集合
v5も、モデル復元部26に入力され、モデル復元部2
6では、オリジナル・メッシュの集合v5に対して、逆
微小変位部27により、メッシュ内部の所定の制御点に
対して、逆微小変位処理が施され、その後、逆行列変換
により、完全なオリジナル・メッシュの集合v6に変換
され、メッシュの集合v3及びv6が統合され、電子透
かし情報を埋込む前のオリジナル・3次元形状モデルV
oが、配布された3次元形状モデルVdから復元される
ようになっている。尚、上記逆微小変位部27は、透か
し復元部24に設けることも可能である。
【0007】しかして、図3(A)は、本発明を実行す
る計算機システムのハードウエア構成の1例を示すブロ
ック図であり、かかる計算機システム30には、パーソ
ナル・コンピュータやワークステーション等が利用で
き、例えば、CPUやMPU等の演算処理装置を有する
コンピュータ上で、埋込み又は復元・抽出を行うプログ
ラムに基づいて処理され、図3では、演算処理装置3
1、主記憶装置32、入出力制御装置34、マウス3
6、キーボード38、ハードデェスク等の外部記憶装置
40及び表示装置42が、システムバス44を介して相
互に接続され計算機システムを構築した例が示されてい
る。図3(B)は、その入出力構成を示すインタフェー
ス・ブロックの1例であり、コマンド解析/処理部50
は、入出力制御装置34を主とした入出力制御部52を
介して表示装置42、マウス36及びキーボード38と
接続され、入力されるコマンドの解析及び処理を行う。
又、3次元形状モデルに基づいて表示装置42へ3次元
形状モデルの表示処理を行ったり、透かしデータwm1の
表示処理を行ったりする。更に、埋込み・復元処理部5
4は、本発明の埋込み手段10や復元手段20を実現す
る部分であり、本発明の埋込み方法や復元方法に基づい
て、実際にオリジナル3次元形状モデルに透かしデータ
wm1を埋込んだり、透かしデータwm1を抽出復元したり、
配布モデルからオリジナル3次元形状モデルを復元する
部分であり、埋込み手段10の形状判定部12と復元手
段20の形状判定部22とは、同一構成のものを利用で
き、主記憶装置32及び/又は外部記憶装置40からな
る記憶処理部56には、それぞれ、所定の記憶領域に、
オリジナル3次元形状モデルVoや透かしデータwm1を
埋込んだ3次元形状モデルVd等を記憶すると共に、形
状判定パラメータpara1、埋込みキー情報key1、及び、
配置制御情報al1等も記憶されるようになっており、入
出力制御部52は、コマンド解析/処理部50、埋込み
・復元処理部54、及び、記憶処理部56と、表示装置
42、マウス36及びキーボード38とのインタフェー
スを行うようになっている。
【0008】かかる構成において、その動作を、図4〜
図13を参照して説明する。先ず、本発明の電子透かし
情報埋込み方法は、大きく、以下の4つの工程からな
る。 c1) オリジナル3次元形状モデルVoを形状判定部12
に入力し、形状判定パラメータpara1に従って、電子透
かし情報を埋込むメッシュの集合v1と、電子透かし情
報を埋め込まないメッシュの集合v0とに分類し、電子
透かし情報を埋込まないメッシュの集合v0は、そのま
ま統合部16に出力し、又、電子透かし情報を埋込むメ
ッシュの集合v1は、埋込み変換部14に出力する形状
分類工程 c2) 埋込みキー情報key1、及び、配置制御情報al1に基
づいて、透かし情報wm1を生成する工程 c3) 埋込み変換部14により、c2)で生成された透かし
情報wm1を、埋込み対象メッシュの集合v1の中から選
択・特定された所定のメッシュに対して、個々の透かし
情報wm1により定義される分割比率を有する制御点を新
しく生成し、当該制御点が、前記所定の曲面上にあり、
かつ、前記所定の曲面メッシュと同数の制御点を有する
分割メッシュの集合v2を生成することにより、前記電
子透かし情報の埋込みを実行する工程 c4) 統合部16により、電子透かし情報を埋め込まない
メッシュの集合v0と、電子透かし情報wm1を埋込んだ
メッシュの集合v2とを入力し、流通、配布する3次元
形状モデルVdに統合して外部に出力するメッシュ統合
工程 次に、上記埋込み処理の4つの工程を、それぞれ詳細に
説明する。
【0009】c1) メッシュの形状分類工程 本発明では、電子透かし情報の埋込み処理を行うと、分
割前のnxm次のメッシュ(曲面)が、所定の分割比率
によりnxm次の2つの曲面メッシュに分割されるた
め、分割対象となった曲面の面積は小さくなる。従っ
て、埋込み処理により、他の曲面に比べて非常に小さな
曲面を生成することは、モデルの情報が不必要に多量と
なり、好ましくない。又、先端の尖った形状や、角部の
形状等は、視覚的に認知することが比較的容易にできる
ので、かかる特徴的な形状部に、分割処理により透かし
情報を埋込むと、容易に埋込んだ透かし情報が認知され
てしまい、好ましくない。そこで、上記問題点に対処す
るため、透かし情報の埋込み箇所を、隣接する全てのメ
ッシュとの境界が、滑らかに接続されており(例えば、
G1連続以上の滑らかさで接続されている)、かつ、そ
の形状が、次式により形状評価した場合、比較的、面積
が大きいメッシュで、かつ、曲面の変化が小さく、平面
に近い曲面を持つメッシュを、透かし情報の埋込み対象
メッシュに分類・選定する。すなわち、オリジナル3次
元形状モデルVoを形状判定部12に入力すると、透か
し情報の埋込み箇所を、隣接する全てのメッシュとの境
界が、例えば、G1連続以上の滑らかさで接続されてお
り、かつ、形状判定パラメータpara1、及び、式(1)
に従って、電子透かし情報を埋込むメッシュの集合v1
(P1>Th1)と、電子透かし情報を埋め込まないメ
ッシュの集合v0(P1<Th1)とに分類する。 P1 = w1xSa + w2xRa > Th1 ・・・(1) 但し、w1,w2,Th1は、形状判定パラメータpara
1であり、w1は、メッシュの面積に対する重み係数で
あり、w2は、メッシュの曲率半径に対する重み係数で
ありTh1は、評価関数(1)の閾値である。又、Sa
は、nxm次の曲面メッシュの面積であり、数1で定義
され、Raは、nxm次の曲面メッシュを球面で、最小
2乗近似した場合の、曲率半径である。
【数1】 尚、数1において、VA、VB、VC、VDは、次式でそれ
ぞれ定義される長さである。 VA = qi+1,j − qi,j ・・・(2) VB = qi,j+1 − qi,j ・・・(3) VC = qi+1,j − qi+1,j+1 ・・・(4) VD = qi,j+1 − qi+1,j+1 ・・・(5) かくして、式(1)に従って、電子透かし情報を埋込む
メッシュの集合v1と、電子透かし情報を埋込まないメ
ッシュの集合v0とに分類し、電子透かし情報を埋込ま
ないメッシュの集合v0は、そのまま統合部16に出力
し、又、電子透かし情報を埋込むメッシュの集合v1
は、埋込み変換部14に出力すると形状分類工程は終了
する。この様子を、図13(A)に例示すると、斜線を
付したメッシュm30、m31、m32、m33、m23、m13
は、電子透かし情報を埋込まないメッシュの集合v0に
分類され、その他のメッシュは、電子透かし情報を埋込
むメッシュの集合v1に分類される。
【0010】c2) 次に、埋込みキー情報key1、及び、配
置制御情報al1に基づいて、透かし情報wm1を生成する工
程を説明する。この工程は、文字列からなる電子透かし
情報wm1を、生成する工程であり、種々の文字列生成方
法が利用可能であるが、3次元形状モデルへの埋込み方
法と相性のよい方法としては、予め文字列を構成する各
文字トークン及びその順番に対して、乱数からなる分割
比率を定義するテーブルを用意しておき、予め文字列を
構成する各文字トークンに対しては、図4(A)に示す
様に、埋込みキー情報テーブルkey1により、分割比率e
(i)を選択し、又、各文字の順番に対しても、図4
(B)に示す様に、配置制御情報テーブルal1により、
分割比率f(i)を選択し、かかる2自由度の分割比率
を、埋込み対象となるメッシュの、例えば、u方向及び
/又はv方向の分割比率として採用し、透かし情報wm1
を、文字列及びその順番に対応して生成される、2つの
乱数からなる分割比率の順序付けられた集合として、生
成することが可能である。より具体的には、アルファベ
ット26文字及び0〜9の数字の合計36の文字トーク
ンに対しては、0.2〜0.5又は0.5〜0.8の範
囲で、より好ましくは、0.25〜0.5又は0.5〜
0.75の範囲で、それぞれ、一様乱数を発生させ、か
かる乱数を、文字列を構成する各文字トークンに対す
る、埋込みキー情報テーブルkey1として、図4(A)に
示すように用意してもよい。尚、上記乱数と、文字トー
クンとの対応の順番は、任意に選択可能である。又、分
割比率が、0.2〜0.8の範囲外であると、非常に細
分化されたメッシュを生成しやすく好ましくない。又、
各文字トークンの順番に対しても、例えば、文字数40
桁の透かし情報を生成する場合、1番目の文字から40
番目の文字まで、各文字の順番に対して、上記埋込みキ
ー情報テーブルkey1と同様に、0.5〜0.8又は0.
2〜0.5の範囲で、より好ましくは、0.5〜0.7
5又は0.25〜0.5の範囲で、それぞれ、一様乱数
を発生させ、かかる乱数を、文字列を構成する各文字ト
ークンの出現位置に対するキー情報として、図4(B)
に示すように、配置制御情報テーブルal1の形式で用意
してもよい。尚、上記乱数と、出現位置の順番との対応
の順番は、任意に選択可能である。又、分割比率が、
0.2〜0.8の範囲外であると、非常に細分化された
メッシュを生成しやすく好ましくない。更に又、上記分
割比率の割当方法としては、上記各文字トークンに対す
る分割比率e(i)と、各文字の順番に対する分割比率
f(i)を統合して、順番を考慮した透かし情報を1種
類予め用意しておき、かかる透かし情報に対して、分割
比率が、0.2〜0.8の範囲であるものをそれぞれ、
1種類割り当てることも可能である。かかる埋込みキー
情報テーブルkey1と配置制御情報テーブルal1とを利用
すると、例えば、透かし情報wm1として、 wm1 = JAPAN001 ・・・(6) という文字列を埋込む場合、 wm1 = J(1)A(2)P(3)A(4)N(5)0(6)0(7)1(8) ・・・(7) と文字e(i)及びその出現位置f(i)(i=1〜
8)が、特定できるので、例えば、以下のように、2つ
の乱数からなる分割比率の集合 {e(i),f(i)(i=1〜n4)} ・・・(8) 但し、n4は透かし情報wm1の文字列の桁数 を有する制御点を、新しく生成し、集合v1の所定のメ
ッシュに対し、順序付けられた分割比率の集合からなる
透かし情報e(i)、f(i)で、順番に上記メッシュ
を分割し、埋込むことが可能である。上記、式(7)の
文字列の場合には、例えば、図4に示すような文字トー
クンに対する分割比率e(i)、及び、各文字の順番に
対する分割比率f(i)を応用すると、以下の様にな
る。 wm1 = {0.2598,0.7375}{0.4539,0.6848}{0.4931,0.6749}{0.4539,0.7579 } {0.2309,0.5641}{0.4375,0.6258}{0.4375,0.7975}{0.3848,0.6712} ・・ ・(9)
【0011】c3) 埋込み変換部14により、c2)で生成
された透かし情報wm1を、埋込み対象メッシュの集合v
1の中から選択・特定された所定のメッシュに対して、
個々の透かし情報wm1により定義される分割比率を有す
る制御点を新しく生成し、当該制御点が、前記所定の曲
面上にあり、かつ、前記所定の曲面メッシュと同数の制
御点を有する分割メッシュの集合v2を生成する工程で
は、埋込み対象メッシュの集合v1の全てのメッシュ
(総数n1)に対して、透かし情報wm1を埋込んでもよ
いが、集合v1のメッシュの個数n1が100以上であ
れば、数パーセント〜10パーセント以下、又は、文字
列が複数回、好ましくは、2〜20回程度、所定の回数
n2だけ繰り返して埋込み処理できれば、十分であり、
埋込み処理の対象となるメッシュは、例えば、集合v1
の全てのメッシュ(n1)に対して、1から順番に識別
番号を任意に割当て、1〜n1の範囲で、必要な回数
(n3)一様乱数を発生させ、かかる乱数に対応した識
別番号を有するメッシュに対して、順番に、透かし情報
wm1を埋込むことも可能である。尚、透かし情報wm1の文
字列の桁数をn4とすると、上記乱数の発生回数n3
と、繰り返し回数n2、及び、集合v1のメッシュ総数
n1との間には、以下の関係が成り立つ。 n1 >= n3 >= n2 x n4 ・・・(10) 次に、埋込み変換部14において、透かし情報wm1によ
り特定される分割比率e(i)、f(i)(i=1〜n
4)で、集合v1の所定のメッシュD1ーD2ーD3ーD
4を、最初、分割比率e(i)で分割した後に、更に分
割し生成されたメッシュに対し、分割比率f(i)で2
回目の分割処理を実施し、分割メッシュの集合v2の要
素を生成する透かし情報の埋込み工程の1例を説明す
る。本発明の透かし情報の埋込み処理では、埋込み対象
の曲面メッシュは、それぞれ、図5に示すようなnxm
次の制御点からなるBezier曲面の多項式/有理式等で
表現されており、分割後の曲面メッシュも、又、nxm
次の制御点からなるBezier曲面の多項式/有理式等で
表現される特性を有し、更に、個々の透かし情報wm1に
より定義される分割比率を有する制御点が、前記分割前
の所定の曲面上にあるという性質を有する。かかる特性
を有する分割方法は、例えば、媒介変数を用いた区分的
モデル化手法(Parametric Piecewise Modeling:以下
PPMと略す)によって分割することで可能であり、従
って、透かし情報は、曲面メッシュの分割をした際の新
しい制御点の分割比率によって記憶・保存される。又、
PPM分割方法により、分割前の曲面メッシュの形状
が、分割後に生成される複数の曲面によって厳密に保持
され、分割後の曲面メッシュは、各々が独立した新たな
曲面メッシュとして表現されるため、各曲面メッシュに
対して再パラメータ化が行われても、透かし情報が失わ
れ無いという利点がある。具体的には、図5に示すよう
な透かし情報の埋込み対象の曲面メッシュD1ーD2ーD
3ーD4を、nxm次のBezier曲面等の多項式で表現す
ると、かかるBezier曲面等は、(n+1)x(m+1)個の制
御点で表現され、これらの制御点に対して、Bezier曲
面は、四隅の制御点D1ーD2ーD3ーD4を通過する特
徴を有する。これら4つの制御点で特定される個々のメ
ッシュD1ーD2ーD3ーD4を、Bernstein関数のパラ
メータ(u、v)で、区間(0、1)に正規化し、2回
にわたり分割する方法は、その方向を考慮すると、以下
に示すh1)〜h9)の合計9種類あり、これらの分割方法の
いずれか1つを採用することも可能であり、又、任意に
組み合わせて利用することも可能であるが、以下に、こ
れを説明する。先ず、 h1) 図6(A)ー(B)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、v方向の対向する2つの
制御点D1ーD2、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D5,D6をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、次に、メッシュD1ーD5ーD6
ーD4、及び、メッシュD5ーD2ーD3ーD6に対し、そ
れぞれ、u方向の対向する2つの制御点D1ーD4、及
び、D5ーD6間に、透かし情報wm1の中の、位置を特定
する分割比率f(i)=αで指定される位置に、新しい
制御点D7,D8をそれぞれ追加し、v方向に2分割
し、合計4つの曲面メッシュD1ーD5ーD8ーD7、D
7ーD8ーD6ーD4、D5ーD2ーD82ーD72、D72ーD82ー
D3ーD6に分割してもよい。この分割方法h1)を、図5
に示すメッシュD1ーD2ーD3ーD4に適用すると、最
終的には、図11に示すような4つの曲面メッシュD1
ーD5ーD8ーD7、D72ーD82ーD6ーD4、D5ーD2ーD
83ーD73、D74ーD84ーD3ーD6が、制御点D5ーD6で
の分割、及び、制御点D7ーD8での分割により、集合
v2の要素として、生成される。尚、図11において、
制御点、D8,D82、D73、D74は、全て、同一の制御
点である。又、制御点D5、D52、及び、制御点D6、
D62、制御点D7,D72、制御点D83、D84も、それぞ
れ、同一の制御点である。また、 h2) 図7(A)ー(B)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、v方向の対向する2つの
制御点D1ーD2、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D5,D6をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、次に、左側のメッシュD1ーD
5ーD6ーD4に対してだけ、更にv方向の対向する2つ
の制御点D1ーD5、及び、D4ーD6間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=γ2で指
定される位置に、新しい制御点D9,D10をそれぞれ追
加し、u方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1
ーD9ーD10ーD4、D9ーD5ーD6ーD10、D5ーD2ーD
3ーD6に分割してもよい。また、 h3) 図7(A)ー(C)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、v方向の対向する2つの
制御点D1ーD2、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D5,D6をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、次に、右側のメッシュD5ーD
2ーD3ーD6に対してだけ、更にv方向の対向する2つ
の制御点D5ーD2、及び、D6ーD3間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=γ2で指
定される位置に、新しい制御点D9,D10をそれぞれ追
加し、u方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1
ーD5ーD6ーD4、D5ーD9ーD10ーD6、D9ーD2ーD
3ーD10に分割してもよい。また、 h4) 図8(A)ー(B)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、v方向の対向する2つの
制御点D1ーD2、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D5,D6をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、次に、左側のメッシュD1ーD
5ーD6ーD4に対してだけ、更にu方向の対向する2つ
の制御点D1ーD4、及び、D5ーD6間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=αで指定
される位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1ー
D5ーD8ーD7、D7ーD8ーD6ーD4、D5ーD2ーD
3ーD6に分割してもよい。また、 h5) 図8(A)ー(C)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、v方向の対向する2つの
制御点D1ーD2、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D5,D6をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、次に、右側のメッシュD5ーD
2ーD3ーD6に対してだけ、更にu方向の対向する2つ
の制御点D5ーD6、及び、D2ーD3間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=αで指定
される位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1ー
D5ーD6ーD4、D5ーD2ーD8ーD7、D7ーD8ーD
3ーD6に分割してもよい。また、 h6) 図9(A)ー(B)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、u方向の対向する2つの
制御点D1ーD4、及び、D2ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=αで指定さ
れる位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、次に、上側のメッシュD7ーD
8ーD3ーD4に対してだけ、更にu方向の対向する2つ
の制御点D7ーD4、及び、D8ーD3間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=α2で指
定される位置に、新しい制御点D11,D12をそれぞれ追
加し、v方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1
ーD2ーD8ーD7、D7ーD8ーD12ーD11、D11ーD12ーD
3ーD4に分割してもよい。また、 h7) 図9(A)ー(C)に示すように、メッシュD1ーD
2ーD3ーD4に対し、最初に、u方向の対向する2つの
制御点D1ーD4、及び、D2ーD3間に、透かし情報wm
1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=αで指定さ
れる位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、次に、下側のメッシュD1ーD
2ーD8ーD7に対してだけ、更にu方向の対向する2つ
の制御点D1ーD7、及び、D2ーD8間に、透かし情報
wm1の中の、位置を特定する分割比率f(i)=α2で指
定される位置に、新しい制御点D11,D12をそれぞれ追
加し、v方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1
ーD2ーD12ーD11、D11ーD12ーD8ーD7、D7ーD8ーD
3ーD4に分割してもよい。また、 h8) 図10(A)ー(B)に示すように、メッシュD1ー
D2ーD3ーD4に対し、最初に、u方向の対向する2つ
の制御点D1ーD4、及び、D2ーD3間に、透かし情報
wm1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=αで指定
される位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、次に、上側のメッシュD7ーD
8ーD3ーD4に対してだけ、v方向の対向する2つの制
御点D7ーD8、及び、D4ーD3間に、透かし情報wm1
の中の、位置を特定する分割比率f(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D9,D10をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1ー
D2ーD8ーD7、D7ーD9ーD10ーD4、D9ーD8ーD
3ーD10に分割してもよい。また、 h9) 図10(A)ー(C)に示すように、メッシュD1ー
D2ーD3ーD4に対し、最初に、u方向の対向する2つ
の制御点D1ーD4、及び、D2ーD3間に、透かし情報
wm1の中の、文字を特定する分割比率e(i)=αで指定
される位置に、新しい制御点D7,D8をそれぞれ追加
し、v方向に2分割し、次に、下側のメッシュD1ーD
2ーD8ーD7に対してだけ、v方向の対向する2つの制
御点D1ーD2、及び、D7ーD8間に、透かし情報wm1
の中の、位置を特定する分割比率f(i)=γで指定さ
れる位置に、新しい制御点D9,D10をそれぞれ追加
し、u方向に2分割し、合計3つの曲面メッシュD1ー
D9ーD10ーD7、D9ーD2ーD8ーD10、D7ーD8ーD
3ーD4に分割してもよい。
【0012】PPMによる具体的演算手順を、次に行列
の演算式で示す。nxm次のBezier曲面メッシュの制御
点がqij[i=0...n,j=0...m]とすると、分割前の曲面S
(u,v)は、数2で与えられる。
【数2】 尚、数2の行列Q(nxm)、C~(n)、D(n)、U
(n)、V(n)は、それぞれ、以下の数3、数5、数
6、数8、数9で与えられる。
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】 上記曲面メッシュS(u,v)に対し、u方向に[α、
β]で分割し、v方向に[γ、δ]で分割すると、その制
御点Qnew(nxm)は、数10で演算される。則ち、u
方向の分割は、始点をu=α、終点をu=β(0 <= α <
β <= 1)で特定することで行う。又、v方向の分割
は、始点をv=γ、終点をv=δ(0 <=γ < δ <= 1)で
特定することで行う。
【数10】 尚、数10の行列A(n)は、数11により表される。
【数11】 又、数11の行列C(n)、DINV(n)、Ω(n)、
Δ(n)、D(n)、C~(n)は、それぞれ、数4、
数7、数12、数13、数6、数5によって表わされ
る。
【数12】
【数13】 例えば、分割方法h1)により、図6(A)に示すメッシ
ュD1ーD2ーD3ーD4に対するu方向の分割の場合、
メッシュD1ーD5ーD6ーD4を生成する場合には、u
方向のパラメータは、始点α=0、終点β=1に設定し、v
方向には、始点をγ=0、終点δ=γに設定して、数10
を演算すると、制御点D5は、数10の行列Qnew(nx
m)の要素(0、m)で特定され、制御点D6は、数1
0の行列Qnew(nxm)の要素(n、m)で特定され
る。又、メッシュD5ーD2ーD3ーD6を生成する場合
には、u方向のパラメータは、始点α=0、終点β=1に設
定し、v方向には、始点をγ=γ、終点δ=1に設定し
て、数10を演算すると、制御点D5は、数10の行列
Qnew(nxm)の要素(0、0)で特定され、制御点D
2は、行列Qnew(nxm)の要素(0、m)で特定さ
れ、制御点D3は、行列Qnew(nxm)の要素(n、
m)で特定され、制御点D6は、行列Qnew(nxm)の
要素(n、0)で特定される。次に、図6(A)に示す
メッシュD1ーD5ーD6ーD4に対するv方向の分割の
場合、図6(B)に示すメッシュD1ーD5ーD8ーD7
を生成する場合には、v方向のパラメータは、始点γ=
0、終点δ=1に設定し、u方向には、始点をα=0、終点
β=αに設定して、数10を演算すると、制御点D1
は、数10の行列Qnew(nxm)の要素(0、0)で特
定され、制御点D5は、行列Qnew(nxm)の要素
(0、m)で特定され、制御点D8は、行列Qnew(nx
m)の要素(n、m)で特定され、制御点D7は、行列
Qnew(nxm)の要素(n、0)で特定される。又、図
6(B)に示すメッシュD7ーD8ーD6ーD4を生成す
る場合には、v方向のパラメータは、始点γ=0、終点δ
=1に設定し、u方向には、始点をα=α、終点β=1に設
定して、数10を演算すると、制御点D7は、数10の
行列Qnew(nxm)の要素(0、0)で特定され、制御
点D8は、行列Qnew(nxm)の要素(0、m)で特定
され、制御点D6は、行列Qnew(nxm)の要素(n、
m)で特定され、制御点D4は、行列Qnew(nxm)の
要素(n、0)で特定される。かかる数10の行列演算
を、図5に示すメッシュD1ーD2ーD3ーD4に対して
実行すると、分割方法h1)では、最終的に、図11に示
すような4つの曲面メッシュD1ーD5ーD8ーD7、D7
2ーD82ーD6ーD4、D5ーD2ーD83ーD73、D74ーD84ー
D3ーD6が、制御点D5ーD6での分割、及び、制御点
D7ーD8での分割により、生成される。従って、数1
0の行列演算を、各メッシュ毎に、分割メッシュの個数
である4回、又は、3回繰り返すと、それぞれ、対応す
る分割メッシュが生成できる。かくして、集合v1の各
メッシュの中から、n2xn4個のメッシュに対して、
透かし情報wm1を埋込み、分割メッシュの集合v2を生
成し、統合部16に出力する。
【0013】尚、分割比率の集合{e(i),f(i)
(i=1〜n4)}を、このまま透かし情報等の復元処
理のために、キー情報として記憶することも可能である
が、透かし情報、及び/又は、オリジナル3次元形状モ
デルの復元処理をより高速に実行するためには、かかる
式(8)の情報と共に、新しく生成した分割制御点D5
〜D8等と、図12(A)に示すように、そのメッシュ
両端の制御点とで形成される三角形の3辺の比も、分割
のため新しく生成した各制御点に対して、予め演算し
て、キー情報として、保存しておくのが、好ましい。例
えば、図12(A)に示す j1) 制御点D1,D2,D5で形成される三角形の場
合、辺D1ーD2,D2ーD5、D5ーD1の長さを、そ
れぞれ、x1,y1,z1とすると、三角形D1,D
2,D5に対する3辺の比は、 (x1/(x1+y1+z1)):(y1/(x1+y1+z1)):(z1/(x1+y1+z1)) ・・・(11) と求まり、 j2) 制御点D4,D3,D6で形成される三角形の場
合、辺D4ーD3,D3ーD6、D6ーD4の長さを、そ
れぞれ、x2,y2,z2とすると、三角形D4,D
3,D6に対する3辺の比は、 (x2/(x2+y2+z2)):(y2/(x2+y2+z2)):(z2/(x2+y2+z2)) ・・・(12) と求まり、 j3) 制御点D1,D4,D7で形成される三角形の場
合、辺D1ーD4,D4ーD7、D7ーD1の長さを、そ
れぞれ、x3,y3,z3とすると、三角形D1,D
4,D7に対する3辺の比は、 (x3/(x3+y3+z3)):(y3/(x3+y3+z3)):(z3/(x3+y3+z3)) ・・・(13) と求まり、 j4) 制御点D2,D3,D8で形成される三角形の場
合、辺D2ーD3,D3ーD8、D8ーD2の長さを、そ
れぞれ、x4,y4,z4とすると、三角形D2,D
3,D8に対する3辺の比は、 (x4/(x4+y4+z4)):(y4/(x4+y4+z4)):(z4/(x4+y4+z4)) ・・・(14) と求まる。尚、式(8)の値、及び、式(11)〜(1
4)の値は、当該3次元形状モデルの認証機関のみが、
記憶・保存するようにし、流通、配布するモデルVdに
は、一切、付加しないのが、好ましい。
【0014】上記数10により、PPMに基づいた曲面
分割を行うと,分割直後の曲面メッシュは、Cn連続であ
り、厳密な形状を保持している。この厳密な形状を保持
する特性は、長所であると同時に、透かし情報を復元す
る逆行列が、容易に演算可能であるという点で、透かし
情報の脆弱性ともなっている。そこで、図1では、統合
部16の内部に設けた微小変位部17により、形状に大
きな変化を与えず、分割用に形成された境界線に沿っ
て、当該境界線を形成する制御点以外のメッシュ内部の
制御点を、少なくとも2点、上記分割用境界線に対して
直交する方向に、微小変動・変位せしめることで、曲面
の接続を、Cn連続からGn連続(相互に接続される曲面
の傾きのみが保存される)に変更し、透かし情報の脆弱
性を補強する。例えば、図12(B)において、PPM
に基づいた曲面分割により,分割直後の曲面メッシュq0
0、q03、q33、q30と、メッシュq'00、q'03、q'3
3、q'30とは、分割用に新しく生成された境界線q03ー
q13ーq23ーq33(q'00ーq'10ーq'20ーq'30)におい
て、Cn連続で接続されている。そこで、境界線q03ーq
33において、曲面の接続を、Cn連続からGn連続に変更
すると、復元用逆行列が、容易に演算できず、透かし情
報のロバスト性が向上する。具体的には、図12(B)
の左側のメッシュq00、q03、q33、q30の場合、分割
用に新しく生成された分割用境界線q03ーq13ーq23ーq3
3に対して平行な制御点であって、当該境界線を形成す
る制御点以外のメッシュ内部の制御点(例えば、q12、
q22)の中から、少なくとも2点(図12(B)の場合
には、q12、q22)を選択し、上記分割用境界線q03ー
q33に対して直交する方向(図12(B)の矢印で示す
左右いずれか一方の方向(乱数の偶数、奇数で指定可
能))に、所定の範囲の一様乱数で指定される長さだ
け、微小変動・変位せしめることで、上記分割用境界線
の左右のメッシュの曲面の接続を、Cn連続からGn連続
に変更することができる。更に、図12(B)の右側の
メッシュq'00、q'03、q'33、q'30の場合、分割用に
新しく生成された分割用境界線q'00ーq'10ーq'20ーq'3
0に対して平行な制御点であって、当該境界線を形成す
る制御点以外のメッシュ内部の制御点(例えば、q'1
1、q'21)の中から、少なくとも2点(図12(B)の
場合には、q'11、q'21)を選択し、上記分割用境界線
q'00ーq'30に対して直交する方向(図12(B)の矢
印で示す左右いずれか一方の方向(乱数の偶数、奇数で
指定可能))に、所定の範囲の一様乱数で指定される長
さだけ、微小変動・変位せしめることで、上記分割用境
界線の左右のメッシュの曲面の接続を、Cn連続からGn
連続に変更することができる。上記境界線内部の制御点
を微小変位せしめることによって、モデルの接続関係
は、厳密に保存されなくなり、又、その形状も微小変化
する。しかしながら、透かし情報のアタックに対するロ
バスト性は、非常に向上させることが可能となる。則
ち、電子透かし情報が埋込まれているモデルから、第三
者が透かし情報を容易に除去できてはならず、これは、
逆行列が容易に演算できなくすることによって達成され
ている。又、透かし情報が埋込まれている流通モデルV
dに対して、第三者が、新たに別の透かしを埋込んだ場
合、この埋込み処理により、予め埋込まれていた透かし
情報が、読取りできなくする攻撃に対しても十分な耐性
があることが、好ましい。更に、流通モデルに、透かし
情報が埋込まれているにもかかわらず、そのモデルから
透かし情報を取出せなくしてしまう攻撃に対しても、本
発明では、元のモデル座標に依存しない形で、電子透か
し情報の埋込み処理を行っているので、十分な耐性があ
る。従って、流通モデルに対して、並行移動、回転、拡
大縮小などの変換が行われても、透かし情報が取出せな
くなることが無い。
【0015】c4) 統合部16では、電子透かし情報を埋
め込まないメッシュの集合v0と、電子透かし情報wm1
を埋込んだメッシュの集合v2とを入力し、集合v0の
メッシュと集合v2のメッシュとが容易に区別・識別で
きないように、適当に混合せしめ、その後所定の形式に
統合して、流通、配布する3次元形状モデルVdを生成
し、外部に配布、流通せしめる。
【0016】次に、本発明の電子透かし情報復元方法に
関して、説明する。本発明の電子透かし情報復元方法
は、大きく、以下の3つの工程からなる。 d1) 透かし情報の復元用パラメータを設定し、配布され
た3次元形状モデルVdを、パーソナルコンピュータ等
で構成された復元手段20の形状判定部22に入力し、
透かし情報の埋込まれている箇所を、隣接する全てのメ
ッシュとの境界が、滑らかに接続されており(例えば、
G1連続以上の滑らかさで接続されている)、かつ、そ
の形状を所定の評価式により形状評価した場合、比較
的、面積が大きいメッシュで、かつ、曲面の変化が小さ
く、平面に近い曲面を持つメッシュを、透かし情報の復
元対象メッシュに分類・選定する工程であり、形状判定
パラメータpara1に従って、電子透かし情報が埋込まれ
た候補メッシュの集合v4と、電子透かし情報が埋込ま
れていないメッシュの集合v3とに分類し、電子透かし
情報が埋込まれていないメッシュの集合v3は、そのま
まモデル復元部26に出力し、又、電子透かし情報が埋
込まれた候補メッシュの集合v4は、透かし復元部24
に出力する形状分類工程 d2) 透かし復元部24により、所定の埋込みキー情報ke
y1、及び、配置制御情報al1に基づいて、埋込み候補メ
ッシュの集合v4の個々のメッシュに対して、透かし復
元方法により電子透かし情報wm1を復元し、外部に出力
する電子透かし情報復元工程 具体的には、入力した3次元形状モデルの各曲面メッシ
ュに対して、任意の3つの制御点から成る三角形の3辺
の比を演算し、当該比率のヒストグラムを作成し、この
ヒストグラムから所定の度数以上の比率が、上記復元用
パラメータに登録されているか否かに応じて、埋込まれ
た上記透かし情報を復元・抽出する工程 d3) モデル復元部26により、透かし情報により分割さ
れたメッシュv5を逆行列により復元して、オリジナル
・メッシュの集合v7を復元し、更に、かかるオリジナ
ル・メッシュの集合v7を、電子透かし情報が埋込まれ
ていないメッシュの集合v3と統合し、電子透かし情報
を埋込む前のオリジナル・3次元形状モデルVoを生成
するオリジナル3次元形状モデル復元工程 次に、上記3つの復元工程を、それぞれ詳細に説明す
る。
【0017】d1) メッシュの形状分類工程 本発明の復元工程におけるメッシュの形状分類工程は、
基本的には、上記透かし情報の埋込み工程におけるメッ
シュの形状分類工程c1)と、同様の処理である。尚、こ
の工程は、省略することも可能である。全ての制御点に
対して、後述する透かし情報の復元処理を実行すること
も可能であるが、その前処理として、透かし情報の復元
箇所を、隣接する全てのメッシュとの境界が、滑らかに
接続されており(例えば、G1連続以上の滑らかさで接
続されている)、かつ、その形状が、上記式(1)と同
様の方法により、復元処理の対象となるメッシュを限定
できると、復元処理の対象となる制御点の数が、大幅に
削減できるので、より好ましい。尚、式(1)におい
て、形状判定パラメータpara1を構成する、重み係数w
1,w2,及び判定閾値Th1は、対象となるメッシュ
が、分割され、小さくなっているので、それぞれ、オリ
ジナル・3次元モデル形状に応じて、適宜、設定し直す
のが、好ましい。かくして、式(1)、及び、形状判定
パラメータpara1に従って、電子透かし情報を埋込まれ
た候補メッシュの集合v4と、電子透かし情報が埋込ま
れていないメッシュの集合v3とに分類し、電子透かし
情報を埋込まれていないメッシュの集合v3は、そのま
まモデル復元部26に出力し、又、電子透かし情報が埋
込まれた候補メッシュの集合v4は、透かし復元部24
に出力すると、形状分類工程は終了する。
【0018】d2) 次に、透かし復元部24により、埋込
み候補メッシュの集合v4の個々のメッシュから、電子
透かし情報wm1を復元する、本発明の電子透かし情報復
元方法に関して説明する。透かし復元部24では、所定
の埋込みキー情報key1、及び、配置制御情報al1に基づ
いて、埋込み候補メッシュの集合v4の個々のメッシュ
に対して、入力した3次元形状モデルの各曲面メッシュ
を形成する全ての境界制御点の中から、任意の3つの境
界制御点を選択し、かかる3つの境界制御点から成る三
角形の3辺の比を演算し、当該比率のヒストグラムを作
成し、このヒストグラムから所定の度数以上の比率が、
上記復元用パラメータとして、予め登録しておいた上記
式(11)〜(14)により演算されたテーブルに登録
されているか否かに応じて、上記埋込まれた透かし情報
が、あるか、否かを判定する。則ち、式(11)〜(1
4)から演算されたテーブルにより、3辺の比が上記テ
ーブルに登録されていると、式(8)に定義した分割比
率の集合{e(i),f(i)}の要素が特定でき、か
かる分割比率の集合{e(i),f(i)}の要素が特
定できると、透かし情報wm1のi番目の要素が特定でき
る。かくして、上記ヒストグラムから、所定の度数以上
の分割比率が、上記復元用テーブルに登録されている比
率と、予め設定した所定の誤差範囲内で一致すると、透
かし情報wm1の個々の埋込み情報が、復元可能となる。
本発明では、上記c2)、及び、c3)の工程で、文字列から
なる電子透かし情報wm1を、文字列を構成する各文字ト
ークン及びその順番に対して、乱数からなる分割比率を
定義するテーブルを用意しておき、予め文字列を構成す
る各文字トークンに対しては、埋込みキー情報テーブル
key1により、分割比率e(i)を選択し、又、各文字の
順番に対しても、配置制御情報テーブルal1により、分
割比率f(i)を選択し、かかる2自由度の分割比率
を、埋込み対象となるメッシュの、例えば、u方向及び
/又はv方向の分割比率として採用し、透かし情報wm1
を、文字列及びその順番に対応して生成される、2つの
乱数からなる分割比率の順序付けられた集合{e
(i),f(i)(i=1〜n4)}として、生成し、
埋込み処理を行っているので、1つのメッシュに対し
て、2重にチェックすることが可能となり、又、順番も
確率変数として、埋込まれているので、透かし情報に対
して、3重のチェックをすることも十分に可能である。
更に、同一の透かし情報を、n2回、ランダムに分散さ
せて埋込み処理しているので、透かし情報に対して、4
重のチェックをすることも可能であり、一段と、検出し
た透かし情報の信頼性を向上させることが可能である。
かくして復元した透かし情報wm1は、透かし復元部24
から外部に出力可能であり、又、3つの制御点で形成さ
れた三角形の3辺の比が、式(11)〜(14)から演
算されたテーブルに登録されていると、式(8)に定義
した分割比率の集合{e(i),f(i)}の要素が特
定でき、かかる分割比率の集合{e(i),f(i)}
の要素が特定できると、透かし情報wm1のi番目の要素
で分割した結果生成されたメッシュv5が特定でき、メ
ッシュv5のデータは、分割比率{e(i),f
(i)}と共に、モデル復元部26に出力される。又、
モデル復元部26には、メッシュv4の情報も出力され
る。
【0019】d3) モデル復元部26により、透かし情報
により分割されたメッシュv5を逆変換用行列により復
元して、オリジナル・メッシュの集合v7を復元し、更
に、かかるオリジナル・メッシュの集合v7を、電子透
かし情報が埋込まれていないメッシュの集合v3と統合
し、電子透かし情報を埋込む前のオリジナル・3次元形
状モデルVoを生成するオリジナル3次元形状モデル復
元工程モデル復元部26では、透かし復元部24から、
透かし情報により分割されたメッシュv5を入力する
と、先ず、図2に示す逆微小変位部27により、図1の
微小変位部17により付加された、分割用境界線内部の
制御点を微小変位せしめた演算の逆変位演算を実行し、
透かし情報のアタックに対するロバスト性を除去し、分
割モデルの接続の連続性を、完全に元の状態に戻したメ
ッシュv6を生成する。かかる分割用境界線内部の制御
点の逆変位演算を、全てのヒストグラム演算により復元
された分割メッシュv5に対して実行し、ロバスト性を
除去したメッシュの集合v6を生成する。次に、ロバス
ト性を除去したメッシュの集合v6に対して、分割比率
{e(i),f(i)}を与え、モデル復元部26の逆
変換用行列演算により、オリジナル・メッシュの集合v
7を復元する。かかる逆変換用行列演算を、PPMによ
る具体的演算式で、数14に示す。
【数14】 尚、上記数14において、分割後のメッシュv6の制御
点Q~(nxm)、及び、u方向の分割比率[α、β]、v
方向の分割比率[γ、δ]を与えると、分割前の制御点Q
(nxm)は、数14で演算される。則ち、u方向の分
割は、始点をu=α、終点をu=β(0 <= α < β <=
1)で行い、又、v方向の分割は、始点をv=γ、終点を
v=δ(0 <= γ < δ <= 1)で行ったものと仮定してい
る。更に、数14の行列B(n)、B(m)は、数15
により表される。
【数15】 尚、数15の行列C(n)、DINV(n)、Ω~(n)、
Δ(n)、D(n)、C~(n)は、それぞれ、数4、
数7、数16、数17、数6、数5によって表される。
【数16】
【数17】 尚、図11に示すような4つの曲面メッシュD1ーD5ー
D8ーD7、D72ーD82ーD6ーD4、D5ーD2ーD83ーD7
3、D74ーD84ーD3ーD6に対して、数14に示す各行列
に、それぞれ、数10と同一の分割の際に用いたu方向
の分割比率[α、β]、及び、v方向の分割比率[γ、δ]
を与えると、それぞれ、メッシュD1ーD5ーD6ーD
4、メッシュD1ーD5ーD6ーD4、メッシュD5ーD2
ーD3ーD6、メッシュD5ーD2ーD3ーD6が復元され
る。又、メッシュD1ーD5ーD6ーD4、又は、メッシ
ュD5ーD2ーD3ーD6に対して、数14に示す各行列
に、それぞれ、数10と同一の分割の際に用いたu方向
の分割比率[α、β]、及び、v方向の分割比率[γ、δ]
を与えると、それぞれ、メッシュD1ーD2ーD3ーD
4、及び、メッシュD1ーD2ーD3ーD4が、メッシュ
v7として復元される。更に、かかるオリジナル・メッ
シュの集合v7を、電子透かし情報が埋込まれていない
メッシュの集合v3と統合し、電子透かし情報を埋込む
前のオリジナル・3次元形状モデルVoを生成し、外部
に出力すると、オリジナル3次元形状モデル復元工程は
終了する。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の3次元形
状モデルへの電子透かし埋込み方法並びに電子透かし復
元方法によれば、3次元形状モデルに、著作権情報等を
含む電子透かし情報を埋込む場合に、埋込みの前後で3
次元形状モデルの形状が大略保存され、又、流通3次元
形状モデルVdに対し削除、変形等の攻撃・侵害を受け
た場合でも、埋込んだ電子透かし情報が失われたり、復
元不可能とならない、攻撃に対して頑強な耐性のある電
子透かし情報の埋込み/復元方法を提供することができ
る。則ち、本発明では、元のモデル座標に依存しない形
で、電子透かし情報を曲面メッシュの分割点の比率情報
として埋込み処理を行っているので、流通モデルに対し
て、並行移動、回転、拡大縮小等の攻撃が行われても、
十分耐性があり、かつ、透かし情報が取出せなくなるこ
とが無い。更に、上記境界線内部の制御点を、微小変位
部17により、微小変位せしめることによって、分割曲
面メッシュの接続の連続性は、厳密に保存されなくなる
が、逆変換行列が、容易に演算できなくなるので、透か
し情報のアタックに対するロバスト性は、非常に向上さ
せることが可能である。又、透かし情報が埋込まれてい
る流通モデルVdに対して、第三者が、新たに別の透か
しを埋込んだ場合にも、この埋込み処理により、予め埋
込まれていた透かし情報が、読取りできなくする攻撃に
対しても十分な耐性があり、更に、流通モデルに、透か
し情報が埋込まれているにもかかわらず、そのモデルか
ら透かし情報を取出せなくしてしまう攻撃に対しても、
本発明では、元のモデル座標に依存しない形で、電子透
かし情報の埋込み処理を行っているので、十分な耐性が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透かし情報埋込み装置の1構成例を示
すブロック図である。
【図2】本発明の透かし情報復元装置の1構成例を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の透かし情報埋込み/復元装置のハード
ウエア構成の1例を示す図である。
【図4】本発明の透かし情報の文字トークンの分割確
率、及び、出現位置の分割確率の1例を示す図である。
【図5】本発明のnxm次の曲面メッシュの1例を示す
図である。
【図6】本発明のメッシュ分割方法h1)の1例を示す図
である。
【図7】本発明のメッシュ分割方法h2)、h3)の1例を示
す図である。
【図8】本発明のメッシュ分割方法h4)、h5)の1例を示
す図である。
【図9】本発明のメッシュ分割方法h6)、h7)の1例を示
す図である。
【図10】本発明のメッシュ分割方法h8)、h9)の1例を
示す図である。
【図11】本発明のメッシュ分割方法h1)で生成される
4つのメッシュの1例を示す図である。
【図12】本発明の分割点における線分比(A)、及
び、分割境界線に沿った制御点の微小変位処理(B)の
1例を示す図である。
【図13】本発明の分割前のメッシュ(A)、及び、分
割後のメッシュ(B)の1例を示す図である。
【符号の説明】
10 埋込み手段 12 形状判定部 14 埋込み変換部 16、26 統合部 17 微小変位部 20 復元手段 24 透かし復元部 26 モデル復元部 27 逆微小変位部
フロントページの続き Fターム(参考) 5B046 FA12 5B050 AA03 BA07 BA09 BA18 DA10 EA13 EA19 EA28 GA07 5B057 BA01 CA13 CA17 CB13 CB17 CB19 CE08 CG07 CH08 5B080 AA06 AA07 AA18 FA08 5C076 AA14 AA40 BA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多項式又は有理式で表現された3次元形
    状モデルへの電子透かし情報の埋込み方法であって、 前記透かし情報の埋込み用パラメータを設定する工程
    と、 3次元形状モデルの変換前データを入力する工程と、 前記入力した3次元形状モデルの各曲面メッシュに対し
    て、透かし情報の埋込み処理を行うメッシュと、埋込み
    処理を行わないメッシュとを選別する工程と、 前記選別された各曲面メッシュの集合の中の所定のメッ
    シュに対して、前記埋込み用パラメータに指定された分
    割比率を有する制御点を新しく生成し、当該制御点が、
    前記所定の曲面上にあり、かつ、前記所定の曲面メッシ
    ュと同数の制御点を有する分割メッシュを生成すること
    により、前記電子透かし情報の埋込みを実行する工程
    と、を含むことを特徴とする3次元形状モデルへの電子
    透かし情報の埋込み方法。
  2. 【請求項2】 前記多項式が、Bezier曲線、B-Spline
    曲線、Hermite曲線からなる群、又は、これらの組合
    せ、又は、 前記有理式が、有理Bezier曲線、NURBS曲線から
    なる群、又はこれらの組合せから成る請求項1に記載の
    3次元形状モデルへの電子透かし情報の埋込み方法。
  3. 【請求項3】 前記透かし情報が、文字列トークンの識
    別情報、及び/又は、その出現位置情報を含む請求項1
    又は2に記載の3次元形状モデルへの電子透かし情報の
    埋込み方法。
  4. 【請求項4】 前記曲面メッシュの選別工程では、 インタラクティブに、埋込み処理を行うメッシュをオペ
    レータが指定する工程を含む、又は、 所定の評価関数により自動的に、埋込み処理を行うメッ
    シュを選別する工程を含む、請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の3次元形状モデルへの電子透かし情報の埋
    込み方法。
  5. 【請求項5】 前記曲面メッシュの選別工程の所定の評
    価関数では、 当該メッシュの大きさ、及び/又は、平坦度を評価する
    ようになっている請求項4に記載の3次元形状モデルへ
    の電子透かし情報の埋込み方法。
  6. 【請求項6】 前記透かし情報の埋込み工程では、前記
    選別された各曲面メッシュの集合の中の所定のメッシュ
    に対して、前記埋込み用パラメータに指定された分割比
    率を有する制御点を、区分的線形パラメータモデル(P
    PM)方法により、新しく生成し、各曲面メッシュを分
    割するようになっている請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の3次元形状モデルへの電子透かし情報の埋込み
    方法。
  7. 【請求項7】 前記透かし情報の埋込み工程では、前記
    各曲面メッシュを分割する制御点を含む三角形を形成
    し、当該三角形の3辺の比を復元用パラメータとして予
    め演算する工程を更に含む請求項1乃至6のいずれか1
    項に記載の3次元形状モデルへの電子透かし情報の埋込
    み方法。
  8. 【請求項8】 前記透かし情報の埋込み工程では、前記
    各曲面メッシュを分割した後、所定の制御点を少なくと
    も2つ微小変位させる工程を更に含む請求項1乃至7の
    いずれか1項に記載の3次元形状モデルへの電子透かし
    情報の埋込み方法。
  9. 【請求項9】 多項式又は有理式で表現された3次元形
    状モデルからの電子透かし情報の復元方法であって、 前記透かし情報の復元用パラメータを設定する工程と、 3次元形状モデル・データを入力する工程と、 前記入力した3次元形状モデルの各曲面メッシュに対し
    て、任意の3つの制御点から成る三角形の3辺の比を演
    算し、当該比率のヒストグラムを作成し、このヒストグ
    ラムから所定の度数以上の比率が、前記復元用パラメー
    タに登録されているか否かに応じて、埋込まれた前記透
    かし情報を抽出する工程と、を含むことを特徴とする3
    次元形状モデルからの電子透かし情報の復元方法。
  10. 【請求項10】 前記多項式が、Bezier曲線、B-Spli
    ne曲線、Hermite曲線からなる群、又は、これらの組合
    せ、又は、 前記有理式が、有理Bezier曲線、NURBS曲線から
    なる群、又はこれらの組合せから成る請求項1に記載の
    3次元形状モデルからの電子透かし情報の復元方法。
  11. 【請求項11】 埋込まれた前記電子透かし情報を抽出
    する工程では、前記三角形の3辺の比のヒストグラムか
    ら、埋込まれた前記透かし情報を抽出した後、更に、前
    記透かし情報を含む曲面メッシュを特定し、この透かし
    情報を含む曲面メッシュに対して、区分的線形パラメー
    タモデル(PPM)方法の逆変換により分割前の曲面メ
    ッシュを復元する工程を更に含む、請求項9又は10に
    記載の3次元形状モデルからの電子透かし情報の復元方
    法。
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