JP2001100435A - パターン形成方法及び洗浄液 - Google Patents

パターン形成方法及び洗浄液

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JP2001100435A
JP2001100435A JP27383499A JP27383499A JP2001100435A JP 2001100435 A JP2001100435 A JP 2001100435A JP 27383499 A JP27383499 A JP 27383499A JP 27383499 A JP27383499 A JP 27383499A JP 2001100435 A JP2001100435 A JP 2001100435A
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resist
resist solution
solution
cleaning
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JP27383499A
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English (en)
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Motofumi Kashiwagi
幹文 柏木
Naoji Itami
直滋 伊丹
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Zeon Corp
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィ技術を利用したパターン
形成方法において、レジスト溶液の付着やパーティクル
の発生による装置の汚染や製品の品質と歩留の低下を抑
制するパターン形成方法、並びに該パターン形成方法に
用いる洗浄液を提供すること。 【解決手段】 基板上にレジスト溶液を塗布し、乾燥し
た後、形成されたレジスト膜をパターン状に露光し、次
いで、現像する工程を含むパターン形成方法において、
基板上にレジスト溶液を塗布した後、乾燥する前に、基
板表面の端部に過剰に存在するレジスト溶液(a) 、レジ
スト溶液の塗布時に基板側面から裏面に回り込んで付着
したレジスト溶液(b) 、または、これらのレジスト溶液
(a) 及び(b) の両方を、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル60〜95重量%と酢酸ブチル5〜40重量
%との混合物からなる洗浄液を用いて洗浄し除去する工
程を配置することを特徴とするパターン形成方法。プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル60〜95重量%
と酢酸ブチル5〜40重量%との混合物からなる洗浄
液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト組成物
(レジスト溶液)を用いたフォトリソグラフィ技術によ
るパターン形成方法に関し、さらに詳しくは、基板上に
レジスト溶液を塗布した後、プリベークにより乾燥する
前に、基板の表面端部及び/または裏面に存在する不要
なレジスト溶液を洗浄して除去する工程を含むパターン
形成方法に関する。また、本発明は、パターン形成方法
において好適に用いられるレジスト用の洗浄液に関す
る。
【0002】本発明のパターン形成方法は、半導体素
子、液晶ディスプレイ、プリント配線板などの製造工程
に適用することができ、特に大型基板を用いたパターン
形成に好適である。なお、本発明において、パターンと
は、フォトリソグラフィ技術により形成されるパターン
であって、中間のレジストパターンのみならず、このレ
ジストパターンを用いて基板上に最終的に形成される配
線パターン、電極パターン、着色パターンなど各種パタ
ーンをも意味する。
【0003】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD)は、液晶セ
ル、偏光板、光拡散性の反射板またはバックライトなど
で構成されている。液晶セルは、透明なガラス基板また
はプラスチック基板の内向面に透明電極と液晶分子の配
向層とを積層した一対の電極基板、スぺーサ、周辺シー
ル、液晶材料などで構成されている。透明電極は、画素
電極の形状にパターン化されている。透明電極のパター
ンが複雑、微細な場合には、透明な基板の全面に透明導
電膜を被着した後、その表面にレジスト溶液を塗布して
レジスト膜を形成し、次いで、フォトマスクを介した露
光、現像、エッチング、洗浄などの諸工程を経て、透明
電極を形成している。カラー表示方式のLCDの場合に
は、カラーフィルタを使用しているが、このカラーフィ
ルタを作成する場合にも、レジスト組成物を用いたフォ
トリソグラフィ技術により、透明な基板上に、赤、緑、
青の三原色の微細な画素(着色パターン)を形成してい
る。レジスト溶液としては、例えば、アルカリ可溶性樹
脂、感光剤、溶剤、及び必要に応じて添加される各種添
加剤を含有するレジスト組成物が使用されている。
【0004】近年、LCDに対する需要が増大してお
り、大型化も進んでいる。大型LCDの液晶セルには、
300mm×400mm以上の角形基板が用いられてお
り、具体的には、例えば、360mm×460mm、5
50mm×650mm、600mm×720mmなどの
大きさの角形基板が実用化されている。このような大型
の基板、特に角形基板上にレジスト溶液を塗布すると、
表面張力によって、基板の端部にレジスト溶液が溜り、
厚みのある盛り上がり部(エッジビード)を形成する。
この盛り上がり部のレジスト溶液は、次の基板の移動の
際にこぼれ落ちやすい。パターン形成工程において、基
板の端部に溜ったレジスト溶液がこぼれると、装置を汚
すので、安定した製品の製造に支障が生じる。装置の洗
浄も必要となる。装置の汚れが直接若しくは塵埃となっ
て基板に付着すると、製品の品質や歩留に問題が生じ
る。基板上にレジスト溶液を塗布し乾燥してレジスト膜
とすると、生産ラインで端部の盛り上がり部が削られ、
パーティクルとなって製品や装置を汚染する。したがっ
て、LCDの分野において、大型基板での安定したパタ
ーン形成技術の確立が求められている。
【0005】また、レジスト溶液を基板に塗布する際
に、レジスト溶液が基板の側面から裏面に回り込んで付
着することがある。このような付着現象は、大型基板に
おいても見られるが、比較的サイズが小さい半導体基板
などにおいて起こりやすい。基板の裏面に付着したレジ
スト溶液は、装置を汚したり、塵埃の原因となる。基板
の裏面に付着したレジスト溶液をプリベークにより乾燥
すると、基板厚みが変化するため、露光時のフォーカス
ずれの原因となる。
【0006】従来より、レジスト用剥離剤として種々の
溶剤や溶液が提案されている。例えば、特開昭57−2
02540号公報には、プロピレングリコールなどの2
価アルコール化合物またはその誘導体を含むアルカリ水
溶液からなるフォトレジスト用剥離剤が提案されてい
る。このレジスト用剥離剤は、エッチング処理後に被加
工材料上に残存するレジスト膜を除去するために使用さ
れるものである。
【0007】特開昭62−105145号公報には、プ
ロピレングリコールアルキルエーテルとプロピレングリ
コールアルキルエーテルアセテートとの混合物を用い
て、基体からフォトレジストを剥離する方法が提案され
ている。この混合物は、レジスト用剥離剤であり、シリ
コンウエハなどの支持体(基板)上に形成された硬化ま
たは未硬化のレジスト膜を剥離するのに使用されるもの
である。該公報には、支持体上にレジスト溶液を塗布
し、熱処理してレジスト被膜を形成し、次いで、露光
し、現像してから、前記混合物中に浸漬して、レジスト
被膜を除去したことが記載されている。
【0008】特開平2−253265号公報には、低級
アルコキシプロパノール、または低級アルコキシプロパ
ノールと酢酸エステルとの混合物からなるレジスト用剥
離剤が提案されている。この剥離剤は、シリコンウエハ
上に形成されたレジスト膜を溶解して剥離するためのも
のである。該公報の実施例には、シリコンウエハ上にレ
ジスト溶液を塗布し、プリべークしてレジスト膜を形成
し、このシリコンウエハをスピンナーに装着して回転さ
せながらレジスト用剥離剤である溶剤または溶剤混合物
を滴下し、その後、高速回転させてレジストを剥離した
ことが記載されている。該公報には、レジスト塗布時に
シリコンウエハの裏面やエッジ部に付着した不要なレジ
ストを除去することも記載されているが、いずれも乾燥
して固化したレジストを除去対象としている。
【0009】このように、従来技術では、レジスト用剥
離剤は、典型的には、基板上にレジスト溶液を塗布し、
プリベークにより乾燥被膜とした後、露光、現像、エッ
チング処理を行い、しかる後、不要となったレジスト膜
を基板上から除去するために使用されている。基板の裏
面やエッジ部に付着したレジスト溶液も、乾燥して固化
した後に剥離剤を用いて除去している。
【0010】しかしながら、乾燥後のレジストの除去に
は、有機溶剤を主体とするレジスト用剥離剤を多量に使
用する必要があるため、除去効率が悪く、環境上の問題
も大きい。しかも、基板上に塗布したレジスト溶液が乾
燥により固化される前に、基板表面端部の盛り上がり部
のレジスト溶液がこぼれ落ちたり、基板裏面に付着した
レジスト溶液が装置を汚すため、従来の方法では、安定
した製品の供給という点で不十分であった。さらに、乾
燥後の処理では、盛り上がり部が生産ラインで削られ、
粉塵となって製品や装置を汚染する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トリソグラフィ技術を利用したパターン形成方法におい
て、レジスト溶液の付着やパーティクルの発生による装
置の汚染や製品の品質と歩留の低下を抑制する新規なパ
ターン形成方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、パターン形成方法において好適に用いられるレジ
スト用の洗浄液を提供することにある。
【0012】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、基板上にレジスト溶液
を塗布した後、乾燥する前に、基板の表面端部及び/ま
たは裏面に存在する過剰で不要なレジスト溶液を洗浄し
て除去する方法に想到した。不要なレジスト溶液の洗浄
除去には、一般に有機溶剤が適していると考えられる
が、従来よりレジスト用剥離剤として使用されている有
機溶剤であっても、除去効率の点で必ずしも満足できる
ものではない。また、安全上の問題のある有機溶剤を使
用することはできない。さらに、基板表面端部のレジス
ト溶液を除去するには、使用する洗浄液が基板上に塗布
されたレジスト溶液の中心領域にまで浸透することがな
く、かつ、洗浄後の表面端部や裏面にレジスト残渣が残
らないことが求められる。本発明者らは、さらに研究を
進めた結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル
と酢酸ブチルとの特定割合の混合物が、基板表面や裏面
に存在する過剰で不要なレジスト溶液の洗浄除去の目的
に適していることを見いだした。本発明は、これらの知
見に基づいて完成するに至ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基板上
にレジスト溶液を塗布し、乾燥した後、形成されたレジ
スト膜をパターン状に露光し、次いで、現像する工程を
含むパターン形成方法において、基板上にレジスト溶液
を塗布した後、乾燥する前に、基板表面の端部に過剰に
存在するレジスト溶液(a) 、レジスト溶液の塗布時に基
板側面から裏面に回り込んで付着したレジスト溶液(b)
、または、これらのレジスト溶液(a) 及び(b) の両方
を、プロピレングリコールモノメチルエーテル60〜9
5重量%と酢酸ブチル5〜40重量%との混合物からな
る洗浄液を用いて洗浄し除去する工程を配置することを
特徴とするパターン形成方法が提供される。また、本発
明によれば、プロピレングリコールモノメチルエーテル
60〜95重量%と酢酸ブチル5〜40重量%との混合
物からなる洗浄液が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】一般に、フォトリソグラフィ技術
では、被加工層を表面に形成した基板(単に基板と呼ぶ
ことがある)の上に、感光性高分子材料を有機溶剤に溶
かしたレジスト溶液を塗布する。プリベークで余分な有
機溶剤を蒸発させて、レジスト膜を形成する。レジスト
膜に部分的に光を照射する。すなわち、レジスト膜をパ
ターン状に露光する。露光により、レジスト膜の照射部
分または非照射部分の現像液に対する溶解性が変化す
る。露光後、必要に応じてポストべークする。現像液を
用いて不要な部分のレジスト膜を溶解除去すると、基板
上にレジストパターンが形成される。このレジストパタ
ーンの上から、基板上の被加工層を溶解する酸などの液
に浸漬するなどしてエッチングする。最後に不要なレジ
スト膜を除去して、加工が終了する。例えば、LCD基
板では、透明導電膜が被加工層となり、この被加工層
は、最終的に画素電極の形状にパターン化される。従
来、不要なレジスト膜は、プリベーク後若しくはエッチ
ング工程の後にレジスト用剥離剤を用いて除去されてい
た。
【0015】本発明では、基板上へのレジスト溶液の塗
布後、乾燥する前に、基板の表面や裏面に存在する過剰
で不要なレジスト溶液を特定の組成の洗浄液で洗浄し除
去する点に最大の特徴を有している。もちろん、常法に
従って、エッチング工程後に不要となったレジスト膜
は、レジスト用剥離剤を用いて除去することができる。
技術的に重要なことは、基板上へのレジスト溶液の塗布
直後というパターン形成工程の初期の段階で、過剰で不
要なレジスト溶液を洗浄除去することである。
【0016】基板上の過剰で不要なレジスト溶液とは、
基板表面の端部に溜ったレジスト溶液の盛り上がり部、
塗布時に基板裏面に回り込んで付着したレジスト溶液、
基板側面に付着したレジスト溶液などである。乾燥前と
は、常法によるプリベーク工程の前を意味する。乾燥前
のレジスト溶液は、少なくとも固化していないことが必
要である。
【0017】基板としては、特に限定されないが、例え
ば、LCD基板、半導体基板、プリント配線基板、フレ
キシブル基板などが挙げられる。基板の材質としては、
特に限定されず、例えば、シリコンウエハ、セラミック
ス、ガラス、金属、プラスチックなどが挙げられる。基
板上に形成された被加工層の材質も特に限定されず、そ
れぞれの用途に応じて適宜決定される。
【0018】本発明の方法は、LCDなどで用いられて
いる大型基板、特に大型の角形基板を用いたパターン形
成に好適に適用することができる。大型の角形基板と
は、縦横が300mm×400mm以上のものを意味す
る。このような大型の角形基板の場合、レジスト溶液を
塗布すると、表面張力によって、基板の端部にレジスト
溶液が厚みのある盛り上がり部を形成しやすい。レジス
ト溶液の塗布時に基板側面から裏面に回り込んで付着し
たレジスト溶液を洗浄除去する場合には、基板の大きさ
は特に問題とはならない。
【0019】レジスト溶液としては、特に限定されず、
公知のポジ型レジスト組成物、ネガ型レジスト組成物な
どが包含される。ポジ型レジスト組成物としては、アル
カリ可溶性樹脂、感光剤、溶剤、及び必要に応じて添加
される化合物を含有するレジスト溶液を挙げることがで
きる。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノー
ル化合物とアルデヒド類との縮合反応生成物、フェノー
ル化合物とケトン類との縮合反応生成物、ビニルフェノ
ール系重合体、イソプロペニルフェノール系重合体、こ
れらのフェノール樹脂の水素添加物、これらの2種以上
の混合物などが挙げられる。フェノール化合物とアルデ
ヒド類との縮合反応生成物としては、m−クレゾール/
p−クレゾールのノボラック樹脂が好ましく、両者の仕
込み重量比が4/6〜6/4のノボラック樹脂が特に好
ましい。
【0020】感光剤としては、特に限定されないが、フ
ェノール性水酸基を有するポリヒドロキシ化合物のキノ
ンジアジドスルホン酸エステルが好ましく、ポリヒドロ
キシベンゾフェノンのキノンジアジドスルホン酸エステ
ルがより好ましい。具体例としては、2,3,4−トリ
ヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホン酸エステルが挙げられる。ポリヒド
ロキシ化合物に対するキノンジアジドスルホン酸化合物
のエステル化率は、水酸基の20〜100%が好まし
く、50〜90%がより好ましい。感光剤は、アルカリ
可溶性樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量
部、好ましくは3〜50重量部の割合で使用する。
【0021】溶剤としては、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類、モノオキシカルボン酸エステル類、セロソル
ブアセテート類、プロピレングリコール類、ジエチレン
グリコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、極性溶媒などが挙げられる。溶剤としては、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、及びこれらの2種以上の混合物が特
に好ましい。溶剤は、他の成分を均一に溶解するに足る
量比で使用される。
【0022】ポジ型レジスト組成物には、必要に応じ
て、界面活性剤、保存安定剤、ストリエーション防止
剤、増感剤、可塑剤、スチレン−不飽和酸共重合体、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シュラッ
ク、ロジン、ポリヒドロキシ化合物などの汎用の添加剤
を含有させることができる。ポジ型レジスト組成物の現
像液としては、2.38重量%テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド水溶液などのアルカリ現像剤が好適であ
る。
【0023】基板上にレジスト溶液を塗布する方法は、
特に限定されないが、例えば、スピンコーティング、ロ
ールコーティングなどの塗布法がある。基板上にレジス
ト溶液を塗布した後、通常は、プリベーク工程で溶剤が
除去され、乾燥したレジスト膜が形成されるが、本発明
では、プリベーク前に、基板上の過剰で不要なレジスト
溶液を洗浄除去する。
【0024】本発明では、洗浄液としてプロピレングリ
コールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略記する
ことがある)60〜95重量%と酢酸ブチル(以下、n
BAと略記することがある)5〜40重量%との混合物
を使用する。洗浄液中のPGMEの割合が過小(すなわ
ち、nBAの割合が過大)であると、レジスト溶解性が
高くなり、洗浄効率は高くなる。しかしながら、洗浄部
周辺のレジストに溶剤が吸収されて、洗浄部周辺のレジ
スト膜厚が厚くなり、膜厚異常を起こす。
【0025】より具体的には、図5(a)に断面を示す
ように、例えば、大型の角形ガラス基板51上にレジス
ト溶液を塗布すると、基板の端部にレジスト溶液が溜
り、盛り上がり部(エッジビード)のある塗膜52を形
成する。この盛り上がり部のある箇所が洗浄領域53で
ある。洗浄領域53を洗浄液にて洗浄した後には、図5
(b)に断面を示すように、基板端部のレジスト溶液の
盛り上がり部は除去されるものの、洗浄部周辺のレジス
ト膜の盛り上がり部54が見られ、これが大きくなりす
ぎると、膜厚異常を起こすことになる。
【0026】PGMEの割合が過大(すなわち、nBA
の割合が過小)であると、レジスト溶解性が低くなり、
洗浄効率の低下により、残渣が生じるか、洗浄液の使用
量の増加をもたらす。PGMEとnBAとを特定の割合
で併用することにより、レジストに対する溶解度が適度
なものとなり、効率よく基板上の過剰で不要なレジスト
溶液を洗浄除去することができ、そして、洗浄後のレジ
スト残渣も抑制することができる。洗浄液の組成は、P
GMEが好ましくは60〜90重量%、より好ましくは
60〜85重量%であり、nBAが好ましくは10〜4
0重量%、より好ましくは15〜40重量%である。
【0027】プロピレングリコールモノメチルエーテル
(PGME)には、プロピレングリコール−1−メチル
エーテルとプロピレングリコール−2−メチルエーテル
があるが、これらのいずれか一方または両方を使用する
ことができる。これらの中でも、洗浄効率の点で、プロ
ピレングリコール−1−メチルエーテルが特に好まし
い。酢酸ブチルは、酢酸のn−ブチルエステルである。
洗浄液に、塩素イオン、金属イオン、過酸化物、高沸点
物などの不純物が含まれると、半導体回路の不良発生な
どの原因となり、製品の品質に悪影響を及ぼすので、P
GEM及びnBAともに十分に精製したものを使用する
ことが望ましい。また、PGEM及びnBAは、0.2
μm以下の孔径のフィルターで濾過して、微細な異物の
発生原因とならないようにすることが望ましい。本発明
の洗浄液には、催奇性などの毒性はない。
【0028】洗浄方法としては、特に限定されず、基板
の裏面に付着したレジスト溶液を洗浄除去するには、洗
浄液を基板の裏面に吹き付けるなどの方法が挙げられ
る。しかしながら、基板表面端部のレジスト溶液の盛り
上り部をプリベーク前に洗浄除去するには、工夫を要す
る。図1〜3に、基板表面の端部に過剰に存在するレジ
スト溶液を洗浄除去する好適な端面洗浄装置とその使用
方法を示す。図1に断面図を示すように、端面洗浄装置
2は、略コの字形をしており、コの字形の内面の先端部
に多数のノズル3が設けられており、各ノズルから洗浄
液を吹き出す(洗浄液供給ラインは省略)。吹き出した
洗浄液は、端面洗浄装置2の側壁の開口から真空(減
圧)5にして吸引すると、弧4を描いて基板の表面及び
裏面の端部に接触する。ノズルから吹き出す洗浄液の流
量や減圧ラインの減圧の程度などを調整することによ
り、基板の端部の洗浄位置を制御することができる。
【0029】図2は、端面洗浄装置と基板との関係を示
す斜視図である。コの字形端面洗浄装置の側壁から減圧
ライン6が延長している。図3は、大型の角形基板の四
辺に4個の端面減圧装置を配置した例を示す斜視図であ
る。各端面洗浄装置は、大型の角形基板の各辺に沿って
左右に摺動して、所要の回数だけスキャンできるように
なっている(駆動機構は省略)。図4は、端面洗浄装置
を作動させて、大型の角形基板の一辺の端部から幅2m
mのレジスト溶液を除去した場合を示す。LCDの大型
基板では、端部まで微細加工する必要がないため、図4
に示すようなレジスト液(レジスト膜)が形成されない
部分7があっても、電極パターンの形成に支障を来すこ
とはない。カラーフィルタの場合も同様であるが、その
基板の端部にはブラックマトリックスが形成されている
ことが多いので、この点でも端部を微細加工する必要が
ない。洗浄によって、このようなレジスト溶液が塗布さ
れていない部分を四辺に設けることができる。
【0030】上記の如き端面洗浄装置を用いると、基板
の表面及び裏面の端部を同時に洗浄して、過剰で不要な
レジスト溶液を除去することができ、当然のことなが
ら、基板側面に付着したレジスト溶液も除去できる。洗
浄液は、基板の中央部の方向には流れないので、端部以
外の塗布レジスト溶液に悪影響を及ぼすことはない。し
たがって、本発明のパターン形成方法は、内面の先端部
に洗浄液の吹き出しノズル3が設けられ、側壁に減圧ラ
イン6の開口部がある略コの字形の端面洗浄装置を用い
て、基板表面の端部に過剰に存在するレジスト溶液(a)
、レジスト溶液の塗布時に基板側面から裏面に回り込
んで付着したレジスト溶液(b) 、または、これらのレジ
スト溶液(a) 及び(b) の両方を、洗浄除去する方法を包
含する。基板の表面端部の過剰なレジスト溶液を除去す
るだけであれば、コの字形の内側の一方(図では上方)
にのみノズルを設けた端面洗浄装置を用いてもよい。同
様に、半導体基板のように、主として、裏面に付着した
レジスト溶液を除去する場合にも、コの字形の内側の一
方(図では下方)にのみノズルを設けた端面洗浄装置を
用いてもよい。あるいは、上方または下方のノズルの吹
き出しを調節する弁などの機構を設けてもよい。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0032】[実施例1〜3及び比較例1〜4]m−ク
レゾール/p−クレゾール(仕込み重量比=6/4)と
パラホルムアルデヒドとから合成したノボラック樹脂1
00重量部と、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
エステル(エステル化率=80%)20重量部を、乳酸
エチル/酢酸エチル(重量比=85/15)に均一に溶
解したポジ型レジスト組成物(レジスト溶液;40c
P)を、4インチのシリコンウエハ上にスピンコーター
を用いて塗布し、プリベークすることなく、洗浄剤の組
成と洗浄時間を表1に示すように種々に変化させて、裏
面に付着したレジスト溶液の洗浄を行った。シリコンウ
エハ裏面の洗浄は、スピンコーター中で回転中のシリコ
ンウエハ裏面の当該ウエハより小さなウエハ支持体の横
に設置されたノズルにより、ウエハ裏面へ向けて洗浄液
を噴射することにより行った。結果を表1に示す。シリ
コンウエハ裏面の洗浄結果は、洗浄後の裏面を目視にて
観察し、以下の基準で評価した。 ○:きれいに洗浄されており、レジスト残渣がない、 △:裏面端部(エッジ部)に若干のレジスト残渣があ
る、 ×:レジスト残渣がある。
【0033】
【表1】
【0034】(脚注) PGME:プロピレングリコール−1−メチルエーテル nBA:酢酸ブチル
【0035】[実施例4〜6及び比較例5〜8]m−ク
レゾール/p−クレゾール(仕込み重量比=6/4)と
パラホルムアルデヒドとから合成したノボラック樹脂1
00重量部、及び2,3,4−トリヒドロキシベンゾフ
ェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸エステル(エステル化率=80%)20重量部を、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに均
一に溶解したポリ型レジスト組成物(レジスト溶液;1
5cP)を、360mm×460mmのガラス基板上に
1500rpmでスピンコートした。次に、図1〜2に
示す端面洗浄装置を用いて、レジスト溶液の表面張力で
盛り上がった端部(エッジビード)の洗浄除去の実験を
行った。洗浄液の組成、端面洗浄装置のスキャン速度、
スキャン回数を表2に示すように種々に変化させた。洗
浄後、基板端部のレジスト溶液は除去され、基板が露出
する。この基板の露出部を目視にて観察し、以下の基準
で評価した。また、洗浄後、スキャン回数4回のサンプ
ルについて基板上のレジスト膜の任意の9点の平均膜厚
と、洗浄部周辺のレジスト膜の任意の9点の盛り上がり
部の平均厚みを測定した。これらの結果を表2に示す。 ○:きれいに洗浄されており、レジスト残渣がない、 △:端部(エッジ部)に若干のレジスト残渣がある、 ×:レジスト残渣がある。
【0036】
【表2】
【0037】(脚注) PGME:プロピレングリコール−1−メチルエーテル nBA:酢酸ブチル *1:スキャン回数5回、流量40cc/min *2:スキャン速度80mm/sec、流量40cc/
min
【0038】表1及び2の結果から明らかなように、P
GME/nBAとの重量割合が60:40〜95:5、
好ましくは60:40〜90:10、より好ましくは6
0:40〜85:15の範囲で、良好な結果が得られる
ことが分かる。
【0039】
【発明の効果】フォトリソグラフィ技術を利用したパタ
ーン形成方法において、基板上にレジスト溶液を塗布し
た後、プリベークにより乾燥する前に、基板の表面端部
及び/または裏面に存在する不要なレジスト溶液を洗浄
して除去することにより、レジスト溶液の付着やパーテ
ィクルの発生による装置の汚染や製品の品質と歩留の低
下を抑制することができる。本発明のパターン形成方法
によれば、特にLCDなどの大型基板のパターン形成に
おいて、高いスループットを実現することが可能であ
る。また、各種基板の表面端部及び/または裏面洗浄を
早期に行うため、過剰なレジスト溶液による装置の汚れ
や製品の品質や歩留の低下などが抑制され、安定した生
産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】端面洗浄装置の構造と使用状態を示す断面図で
ある。
【図2】端面洗浄装置の構造と基板との関係を示す斜視
図である。
【図3】基板への端面洗浄装置の適用例を示す斜視図で
ある。
【図4】基板の洗浄例を示す正面図である。
【図5】基板上にレジスト溶液を塗布した場合の塗膜形
状を示す断面図(a)、並びに端部洗浄後の洗浄部周辺
のレジスト膜の盛り上がり現象を示す断面図(b)であ
る。
【符号の説明】
1:基板(表面にレジスト溶液が塗布されている) 2:端面洗浄装置 3:洗浄液の吹き出しノズル 4:洗浄液の軌跡 5:真空(減圧) 6:減圧ライン 51:ガラス基板 52:レジスト膜 53:洗浄領域 54:洗浄部周辺のレジスト膜の盛り上がり部
フロントページの続き (72)発明者 伊丹 直滋 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA25 AA27 CA14 DA04 5F046 MA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にレジスト溶液を塗布し、乾燥し
    た後、形成されたレジスト膜をパターン状に露光し、次
    いで、現像する工程を含むパターン形成方法において、
    基板上にレジスト溶液を塗布した後、乾燥する前に、基
    板表面の端部に過剰に存在するレジスト溶液(a) 、レジ
    スト溶液の塗布時に基板側面から裏面に回り込んで付着
    したレジスト溶液(b) 、または、これらのレジスト溶液
    (a) 及び(b) の両方を、プロピレングリコールモノメチ
    ルエーテル60〜95重量%と酢酸ブチル5〜40重量
    %との混合物からなる洗浄液を用いて洗浄し除去する工
    程を配置することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 プロピレングリコールモノメチルエーテ
    ル60〜95重量%と酢酸ブチル5〜40重量%との混
    合物からなる洗浄液。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514661A (ja) * 2002-01-11 2005-05-19 クラリアント インターナショナル リミテッド ポジ型またはネガ型フォトレジスト用の洗浄剤組成物
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WO2017191929A1 (ko) * 2016-05-04 2017-11-09 영창케미칼 주식회사 네가톤 포토레지스트를 이용한 패터닝 공정에서 lwr 개선 방법과 조성물

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