JP2001099862A - 伝送特性測定用プローブ及び伝送特性測定装置 - Google Patents

伝送特性測定用プローブ及び伝送特性測定装置

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JP2001099862A JP28120799A JP28120799A JP2001099862A JP 2001099862 A JP2001099862 A JP 2001099862A JP 28120799 A JP28120799 A JP 28120799A JP 28120799 A JP28120799 A JP 28120799A JP 2001099862 A JP2001099862 A JP 2001099862A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定場所を選ぶことなく、被測定物の伝送特
性を簡便に測定することができる伝送特性測定用プロー
ブの提供を目的とする。 【解決手段】 コア材12に1次コイル14と短絡した
2次コイル16を対向する位置に設け、同軸線路18の
インピーダンスと送端インピーダンスを一定とするため
に1次コイル14と同軸線路18の中心導体20に直列
に抵抗素子22を設ける。更に、2次コイルと抵抗素子
22固有のインダクタンスを打ち消して周波数帯域を広
域化するために抵抗素子22に並列に容量素子24を設
ける。また、広帯域で周波数インピーダンス特性を安定
させるために、2次コイル16と同軸線路18のシール
ド外皮20を容量素子28により接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送特性測定用プ
ローブ及び伝送特性測定装置にかかり、特に、電磁波対
策を行うために情報処理機器及び各種電気・電子機器の
金属筺体や金属接合板等の高周波信号伝送特性の測定を
行う伝送特性測定用プローブ及び伝送特性測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機器より放射される電磁ノイ
ズ対策を行うための伝送特性測定に使用されるプローブ
は、コモンモードノイズを観測する電流変成器や容量性
結合プローブなどが使用されていた。
【0003】高周波測定用プローブとしては、実願平2
−30062号公報に記載の高周波測定用プローブが提
案されている。この高周波測定用プローブは、導電性を
有する筒体、棒体を同心円上に配置することで分布容量
を形成し、筒体、棒体の同心円上にインダクタンスコア
材を配置することでインダクタンス成分を形成し、分布
容量とインダクタンス成分とを回路定数として使用する
ことによって高周波測定を行うができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コモン
モードノイズを観測する電流変成器や容量性結合プロー
ブを使用したネットワークアナライザ又は標準信号発生
器と電界強度計を用いた伝送特性測定は、従来の測定で
は図10に示すように、通常基準大地面となる信号リタ
ーン(接地)構造が必要となり、容積の大きな情報処理
装置や電気・電子機器の測定を行う際には、基準大地面
が大きくなるばかりでなく、任意の点に簡便に信号を注
入することができない。さらに、機器に組み込まれた金
属構造体の信号伝送特性を測定することができない、と
いう問題がある。
【0005】また、実願平2−30062号公報の高周
波測定プローブを用いて伝送特性測定を行う場合には、
図11に示すように、基準大地面を必要とせず機器の任
意の点にプローブを接触させることで電流の測定を行う
ことができるが、接触端子を被測定物に接触させたとき
プローブの持つインピーダンス周波数特性が変動する。
また、このプローブは電流抽出を目的としたものである
と共に、接地線路が終端構造を持たない(プローブ回路
がオープン回路である)ために、プローブに接続される
同軸線路の配置や人及び隣接金属にインピーダンスが左
右されて変動するため、測定の再現性を確保することが
できず、測定精度に問題を生じる、という問題がある。
【0006】このため、大型基準大地面となり得るシー
ルドルームと呼ばれる特殊な電磁環境測定場所での測定
が必要であった。
【0007】本発明は、上記問題を解決すべく成された
もので、測定場所を選ぶことなく、被測定物の伝送特性
を簡便に測定することができる伝送特性測定用プローブ
及び伝送特性測定装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、被測定物に接触させる接触
部と、前記接触部が接続された第1の巻線及び前記被測
定物の伝送特性を測定する測定装置に接続された第2の
巻線を備えるトランスと、前記第2の巻線と前記測定装
置との間に直列に接続された抵抗素子と、を備えること
を特徴としている。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、第2の巻
線と測定装置との間に直列に抵抗素子を設けることによ
って、送端インピーダンス(伝送特性測定用プローブ側
のインピーダンス)と測定装置(例えば、測定装置と伝
送特性測定用プローブを接続する同軸線路)のインピー
ダンスとの整合を図ることが可能となり、広帯域の周波
数でインピーダンスを略一定に保つことができる。すな
わち、伝送特性測定用プローブと測定装置間(例えば同
軸線路)のインピーダンス変動を抑制することができる
ので、大きな基準面を必要とせずに、被測定物の任意の
点における測定が可能となる。すなわち、測定場所を選
ぶことなく、被測定物の伝送特性を簡便に測定すること
ができる。
【0010】なお、抵抗に容量素子を並列に接続するよ
うにしてもよい。このようにすることによって、トラン
ス及び抵抗素子固有のインダクタンス成分を打ち消すこ
とができ、広帯域の周波数で更に安定したインピーダン
ス特性を得ることができる。
【0011】さらに、絶縁部材を設けると共に、該絶縁
部材内にスプリングなどの付勢手段を挿入し、該付勢手
段に接触部を配置するようにしてもよい。このようにす
ることによって、伝送特性測定用プローブを押圧して接
触部を被測定物に接触させ、絶縁部材が被測定物に接触
するまで押圧することによって、接触部と被測定物との
押圧力が付勢手段の付勢力となり、常に一定の接触圧力
となる。従って、接触部と被測定物との接触抵抗が測定
毎に変化するのを防止することができ、測定の再現性を
確保することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記第1の巻線と前記第2の巻線とを
容量素子で直列接続することを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、容量素子を第1の巻線及び第2の巻線
の間に直列に設けることによって、定在波を抑制するこ
とができ、接触部を被測定物に接触させた時のインピー
ダンス変動を抑制することができる。
【0014】例えば、第1の巻線と第2の巻線との間に
容量素子を直列に接続し、同軸線路の外皮に接続するこ
とによって、定在波を抑制することができ、接触部を被
測定物に接触させた時のインピーダンス変動を抑制する
ことができる。
【0015】従って、大きな基準面を必要とせずに、被
測定物の任意の点における測定が可能となる。すなわ
ち、測定場所を選ぶことなく、被測定物の伝送特性を簡
便に測定することができる。
【0016】また、請求項1及び請求項2の抵抗及び容
量素子は、可変抵抗及び可変容量素子を使用するように
してもよい。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の伝送特性測定用プローブを第1のプロー
ブとして接続し且つ前記第1のプローブの接触部を介し
て信号を被測定物に印加するための信号発生手段と、前
記第1のプローブと異なる請求項1又は請求項2に記載
の伝送特性測定用プローブを第2のプローブとして接続
し且つ前記第1のプローブと異なる被測定物の部位に前
記第2のプローブを接触させ、接触部を介して得られる
信号を周波数分析する分析手段と、を備えることを特徴
としている。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、信号発生
手段は前記伝送特性測定用プローブを第1のプローブと
して、その第1のプローブの接触部を介して被測定物に
信号を印加する。また、分析手段は第1のプローブと異
なる伝送特性測定用プローブを第2のプローブとして、
その第2のプローブの接触部を第1のプローブとは異な
る被測定物の部位に接触させる。分析手段は、第2のプ
ローブの接触部を介して得られる信号を周波数分析する
ことによって、被測定物のインピーダンス周波数変動や
共振周波数を測定する。ここで、上記で説明したように
伝送特性測定用プローブを用いれば、インピーダンス変
動が少なく、広帯域の周波数で安定したインピーダンス
特性が得られる。このため、プローブと、信号発生手段
及び分析手段との間(例えば、同軸線路による接続)の
隣接金属物や人によるインピーダンス変動が抑制され、
測定の再現性を確保することができ、測定精度を向上さ
せることができる。
【0019】また、第1のプローブと第2のプローブを
それぞれ被測定物の異なる部位に接触させて被測定物の
周波数分析を行うことができるので、被測定物の大きさ
や測定場所にかかわらず、被測定物の周波数分析を容易
に行うことができる。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の伝送特性測定用プローブと、前記伝送特
性測定用プローブが接続され且つ前記伝送特性測定用プ
ローブの接触部を介して測定信号を被測定物に印加する
ための信号発生手段と、前記伝送特性プローブが接続さ
れ且つ前記伝送特性測定用プローブの接触部を介して被
測定物から得られる戻り信号に基づいて被測定物の伝送
特性を測定する測定手段と、を備えることを特徴として
いる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、前記伝送
特性測定用プローブを介して信号発生手段によって発生
された信号を被測定物に注入する。そして、注入した信
号を被測定物を介して伝送特性測定用プローブによって
抽出することによって被測定物からの戻り信号を測定手
段により測定することができる。測定手段は、信号発生
手段により発生された信号及び被測定物を介して抽出し
た戻り信号に基づいて、被測定物のインピーダンスや共
振周波数などの伝送特性を測定することができる。上記
で説明したように、伝送特性測定用プローブを用いれ
ば、インピーダンス変動が少なく、広帯域の周波数で安
定したインピーダンス特性が得られる。このため、伝送
特性測定用プローブと信号発生手段及び測定手段との間
(例えば同軸線路)の隣接金属物や人によるインピーダ
ンス変動が抑制され、測定の再現性を確保し、測定精度
を向上させることができる。
【0022】信号発生手段及び測定手段に接続する伝送
特性測定用プローブは、同様のものを用いることがで
き、前記伝送特性測定用プローブを複数用意しておけ
ば、何れを用いても構わない。
【0023】前記伝送特性測定用プローブは、被測定物
の異なる任意の点に接触させて伝送特性を測定すること
できる。
【0024】伝送特性測定装置における各々の伝送特性
測定用プローブを被測定物の異なる任意の点にそれぞれ
接触させることにより、信号発生手段により発生された
信号を伝送特性測定用プローブを介して被測定物に注入
し、その被測定物を介し、また伝送特性測定用プローブ
から戻り信号を測定手段へ伝送することが可能となる。
従って、被測定物の大きさや測定場所等にかかわらず、
被測定物の伝送特性の測定を容易に行うことが可能とな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。
【0026】図1には、本発明の実施の形態に係る伝送
特性測定用プローブの概略図が示されている。
【0027】同図において伝送特性測定用プローブ10
は、NiZn系のフェライト、MnZn系フェライト燒
結体やこれらを混合した燒結体がリング状(輪形、所謂
中空部を有するドーナツ形状)に形成されたコア材12
に、コイル用線材が巻きつけられた2次導体(2次コイ
ル)16と、2次コイル16と同一コア上の対向する位
置にコイル用線材が巻きつけられた1次導体(1次コイ
ル)14によって、主に構成されている。
【0028】コア材12の中心部には、同軸線路18が
設けられており、同軸線路18の中心導体20は、抵抗
22及び容量素子24を介して1次コイル14に接続さ
れている。1次コイル14は、さらに、同軸線路18の
接地線路(シールド外皮)26に接続されている。
【0029】同軸線路18は、電圧発生源、電流発生
源、電流計、電界強度計や電圧計に接続され、電気的信
号を伝達する。
【0030】また、2次コイル16は、容量素子28を
介して同軸線路18のシールド外皮26に接続されてい
ると共に、被測定物に直接接触させる接触端子30がス
プリング32を介して接続されている。スプリング32
は、円筒上の絶縁体34の内部に挿入されている。すな
わち、接触端子を被測定物に接触させることによりスプ
リング32が収縮し、被測定物と絶縁体34が接触する
ように構成されている。
【0031】図2には、上述のように構成された伝送特
性測定用プローブ10の等価回路が示されており、続い
て、上述のように構成された伝送特性測定用プローブ1
0の等価回路について説明する。
【0032】1次コイル14の一端は、抵抗Rが同軸線
路18の中心導体20に直列に接続されている。また、
抵抗22と並列に容量素子24が接続されている。そし
て、1次コイル14の他端は、同軸線路18の接地され
たシールド外皮26に接続されている。抵抗22及び容
量素子24の大きさは、コア材12及び1次コイル14
によって発生するインピーダンスと同軸線路18のイン
ピーダンスが略同一となるような大きさの抵抗及び容量
素子が接続されている。
【0033】2次コイル16は、短絡された閉ループが
形成され、容量素子28を介して同軸線路18のシール
ド外皮26に接続されていると共に、スプリング32を
介して接触端子30に接続されている。
【0034】さて、上述の伝送特性測定用プローブ10
は、図3に示すように、一対の伝送特性測定用プローブ
10を、同軸線路18を介してネットワークアナライザ
36のポート1及びポート2に接続して伝送特性測定装
置100とすることによって電気基板等を保護する金属
筺体や各種情報処理機器等より出力される共振周波数な
どの伝送特性を測定することができる。
【0035】伝送特性測定装置100のネットワークア
ナライザ36は、図4に示すように、主に信号発生手段
38、測定手段40、入力手段48、及び、モニタ50
によって構成されており、信号発生手段38、測定手段
40、入力手段48、及び、モニタ50は、それぞれ入
出力バス52を介して接続されている。
【0036】信号発生手段38は、同軸線路18及び伝
送特性測定用プローブ10の一方のプローブ(ポート1
に接続された伝送特性測定用プローブ)を介して所定の
パルス信号を被測定物に注入し、測定手段40は、信号
発生手段38より出力されて同軸線路18及びポート1
に接続された伝送特性測定用プローブ10を介して被測
定物に注入された信号を他方の伝送特性測定用プローブ
(ポート2に接続された伝送特性測定用プローブ)及び
同軸線路18を介して抽出する。そして、信号発生手段
38によって発生される信号と被測定物を介して抽出さ
れた信号とを比較することによって、被測定物の伝送特
性を測定するものである。
【0037】ネットワークアナライザ36は、信号発生
手段38によって発生される信号を調整するための情報
や、ネットワークアナライザ36の校正を指示する情報
を入力手段48に入力することによって動作させること
ができ、ネットワークアナライザ36の測定結果は、モ
ニタ50に表示することができる。なお、測定結果を印
字するようにしてもよい。
【0038】例えば、ネットワークアナライザ36の信
号発生手段38は、所定周波数のパルス電流を発生し、
被測定物に該パルス電流を注入する。そして、測定手段
40は、信号発生手段38によって発生されたパルス電
流と被測定物を介して抽出されたパルス電流から被測定
物のインピーダンスによる損失を測定することによって
被測定物のインピーダンス周波数変動や被測定物より発
生される電磁ノイズの共振周波数を測定することが可能
である。
【0039】なお、伝送特性測定用プローブ10の上述
の抵抗22及び容量素子24のそれぞれの値は、ネット
ワークアナライザに一個の伝送特性測定用プローブ10
を接続して、SパラメータS11(入力反射係数)を用
いてネットワークアナライザ36で得られるインピーダ
ンスより、スミスチャートに基づいて決定することが可
能である。例えば、ネットワークアナライザ36で得ら
れるインピーダンスをインダクタンス成分とキャパシタ
ンス成分にスミスチャート上で分解することによって、
抵抗22及び容量素子24の値を決定することが可能で
ある。
【0040】続いて、伝送特性測定用プローブ10の作
用について説明する。
【0041】伝送特性測定用プローブ10は、抵抗22
及び容量素子24によって同軸線路18のインピーダン
スとコア材12及び1次コイル14によって発生するイ
ンピーダンスを略同一インピーダンスとなるように接続
されているので、同軸線路18と送端となる伝送特性測
定用プローブとのインピーダンス整合が図られる。そし
て、容量素子24が抵抗22に並列に接続されているの
で、インピーダンス周波数特性が広帯域の周波数で安定
した略同一インピーダンスとなり、安定したインピーダ
ンス周波数特性を得ることができる。
【0042】2次コイル16は、被測定物に接触させる
ことによって被測定物の伝送特性を測定するために信号
を被測定物に注入及び注入された信号を抽出するもので
あるが、被測定物に接触させることによって、プローブ
回路(伝送特性測定用プローブ10の等価回路)のイン
ピーダンスが変動することがある。しかし、この2次コ
イル16と同軸線路18の接地されたシールド外皮26
を容量素子28によって接続されているので、定在波を
抑制することができ、プローブ回路のインピーダンスが
変動することなく広帯域の周波数でインピーダンス特性
が確保される。従って、被測定物に接触させることによ
って、変動するインピーダンスを抑制することができ
る。
【0043】また、伝送特性測定用プローブ10を被測
定物に接触させた時に、接触端子30はスプリング32
に接続されているため、スプリング32の付勢力を受け
ることになる。そして更に被測定物に押圧することによ
って、絶縁体34に被測定物が接触する。すなわち、接
触端子30はスプリング32の付勢力に応じた所定の圧
力が加えられた状態で被測定物に接触することになる。
従って、絶縁体34が接触するまで伝送特性測定用プロ
ーブ10を被測定物に押し付けることによって、被測定
物と接触端子30との接触抵抗は、常に同一の接触抵抗
となり、接触抵抗によって測定の再現性が損なわれるの
を防止することができる。
【0044】上述のように、本実施形態に係る伝送特性
測定用プローブ10は、簡便且つ、安定した信号の注
入、抽出を行うことができる。
【0045】続いて、上述の伝送特性測定装置100に
よって情報処理機器などの機器内部に電気・電子回路が
組み込まれた機器の伝送特性として周波数特性を測定す
る場合の作用について説明する。
【0046】図3に示すように、伝送特性測定用プロー
ブ10をネットワークアナライザ36のポート1とポー
ト2に接続し、被測定物の任意の点を信号注入点及び信
号抽出点として、伝送特性測定用プローブ10の接触端
子30を接触させる。
【0047】続いて、信号発生手段38によって発生し
た所定のパルス信号をネットワークアナライザ36のポ
ート1より被測定物の信号注入点より注入すると、ネッ
トワークアナライザ36のポート2に接続され、被測定
物の信号抽出点に接触された伝送特性測定用プローブ1
0が接続された信号発生手段38より出力され、信号注
入点に接触された伝送特性測定用プローブ10を介して
被測定物に入力された信号が抽出され、ネットワークア
ナライザ36の測定手段40へ伝送される。
【0048】ネットワークアナライザ36の測定手段4
0では、信号発生手段38によって発生された信号と測
定手段40に被測定物を介して抽出された信号とが比較
され、被測定物によって損失された信号が測定される。
すなわち、被測定物に注入する信号と被測定物を介して
抽出した信号を分析することにより、被測定物の伝送特
性を測定することができる。ここで、被測定物へ注入す
る信号の周波数を可変して注入することによって、被測
定物のインピーダンス周波数変動や共振周波数を測定す
るが可能となる。
【0049】伝送特性測定装置100は、上述した伝送
特性測定用プローブ10を用いているので、伝送特性測
定用プローブ10に接続された同軸線路18の配置、近
接金属や人によるインピーダンス変動が抑制されるた
め、測定場所を選ぶことないと共に、被測定物の任意の
点を信号の注入点及び抽出点とすることができ、被測定
物の伝送特性を簡便に測定することができる。
【0050】また、伝送特性測定装置100は、信号発
生手段38により発生した信号を被測定物に注入するの
で、被測定物の動作(電気・電子機器の動作)にかかわ
らず、被測定物のインピーダンス周波数変動や共振周波
数などの伝送特性を測定することができる。
【0051】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の伝送特性測
定用プローブの実施例を詳細に説明する。
【0052】伝送特性測定用プローブ10に50Ωの同
軸線路18を接続し、抵抗22を51Ω、容量素子24
及び容量素子28を33pFに設定した場合の伝送特性
測定用プローブ10を伝送特性測定装置100に接続
し、伝送特性測定用プローブ10自体の損失測定(伝送
特性測定用プローブ2個分)を行った結果(Sパラメー
タS21)を図5に示し、該伝送特性測定用プローブ1
0のインピーダンス周波数特性を図6に示し、電圧定在
波比(VSWR)周波数特性を図7示す(Sパラメータ
S11)。
【0053】伝送特性測定用プローブ10自体の損失測
定は、伝送特性測定装置100に伝送特性測定用プロー
ブ10を接続し、信号発生手段38に接続した伝送特性
測定用プローブ10と測定手段40に接続した伝送特性
測定用プローブ10を接触させた状態(ショート状態)
で、信号発生手段38により発生した信号に対して測定
手段40に戻ってきた信号とを比較したものであり、図
5は、信号発生手段38に対して戻り信号の大きさを示
したものである。図5より、伝送特性測定用プローブ1
0の損失特性は、30MHzで、約33dB、100M
Hzで約30dB、500MHzで約45dB、1GH
zで約43dBとなっており、広帯域の周波数で略フラ
ットなプローブの損失特性を得られることがわかる。
【0054】また、図6より、伝送特性測定用プローブ
10のインピーダンス周波数特性は、広帯域の周波数
で、同軸線路18のインピーダンス50Ωに近い60〜
70Ωとなっており、送端インピーダンス(伝送特性測
定用プローブ10)と同軸線路18とのインピーダンス
整合が図られ、安定したインピーダンス周波数特性が得
られることがわかる。
【0055】さらに、図7より、電圧定在波比周波数特
性においても、広帯域の周波数で、電圧定在波比(VS
WR)が理想値1:1に近い値の1:1〜1:1.5と
なっており、安定した電圧定在波比周波数特性が得られ
ることがわかる。
【0056】ここで、図8に、本発明の伝送特性測定装
置100に伝送特性測定用プローブ10を用いて、実際
の電子機器等の被測定装置に周波数を可変してパルス信
号(電流)を注入し、該被測定装置を介して抽出した信
号の各周波数における信号(電流)損失の測定結果を示
す。
【0057】図8に示すように、注入周波数に応じて信
号損失が変化しており、各周波数において信号損失の大
きい点が被測定物の共振周波数として測定することがで
きる。
【0058】なお、上記では、抵抗22、容量素子24
及び容量素子28を固定としたが、図9に示す伝送特性
測定用プローブの等価回路のように、可変抵抗42、可
変容量素子44及び可変容量素子46を用いるようにし
てもよい。
【0059】図9に示すようにすることによって、例え
ば、伝送特性測定用プローブ10を交換した場合等によ
る伝送特性測定用プローブ10のインピーダンス変動の
調整を行うことが可能となる。
【0060】更に、図6及び図7に示すようなインピー
ダンス周波数特性や電圧定在波比周波数特性を広帯域の
周波数帯域で安定させるだけではなく、例えば所定周波
数帯域を精密測定する場合に、所定周波数帯域のみにお
けるそれぞれの特性を、更に理想値に近い値に安定させ
ることが可能となる。
【0061】また、本実施の形態では、伝送特性測定装
置100として、伝送特性測定用プローグ10を2つ接
続した構成としたが、伝送特性測定用プローブ10を複
数接続して、何れかを使用する構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
2の巻線と測定装置との間に直列に抵抗素子を設けるこ
とによって、送端インピーダンスと測定装置のインピー
ダンスとの整合を図ることができる。また、容量素子を
第1の巻線及び第2の巻線の間に直列に設けることによ
って、定在波を抑制することができ、接触部を被測定物
に接触させた時のインピーダンス変動を抑制することが
できる。すなわち、大きな基準面を必要とせずに、被測
定物の任意の点における測定が可能となり、測定場所を
選ぶことなく、被測定物の伝送特性を簡便に測定するこ
とができる伝送特性測定用プローブ及び伝送特性測定装
置を提供することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の実施の形態に係る伝送特性
測定用プローブの概略図である。(B)は(A)におけ
るA−A断面を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る伝送特性測定用プ
ローブの等価回路を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る伝送特性測定装置
を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る伝送特性測定装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 伝送特性測定用プローブの損失周波数特性を
示す図である。
【図6】 伝送特性測定用プローブのインピーダンス周
波数特性を示す図である。
【図7】 伝送特性測定用プローブの低在波比周波数特
性を示す図である。
【図8】 伝送特性測定装置による測定結果の一例を示
す図である。
【図9】 伝送特性測定用プローブの変形例の等価回路
を示す図である。
【図10】 従来の伝送特性の測定方法を示す図であ
る。
【図11】 従来のプローブを用いの測定を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 伝送特性測定用プローブ 12 コア材 14 1次コイル 16 2次コイル 18 同軸線路 20 中心導体 22 抵抗 28 容量素子 30 接触端子 38 信号発生手段 40 測定手段 100 伝送特性測定装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物に接触させる接触部と、 前記接触部が接続された第1の巻線及び前記被測定物の
    伝送特性を測定する測定装置に接続される第2の巻線を
    備えるトランスと、 前記第2の巻線と前記測定装置との間に直列に接続され
    た抵抗素子と、 を備えることを特徴とする伝送特性測定用プローブ。
  2. 【請求項2】 前記第1の巻線と前記第2の巻線とを容
    量素子で直列接続することを特徴とする請求項1に記載
    の伝送特性測定用プローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の伝送特性
    測定用プローブを第1のプローブとして接続し且つ前記
    第1のプローブの接触部を介して信号を被測定物に印加
    するための信号発生手段と、 前記第1のプローブと異なる請求項1又は請求項2に記
    載の伝送特性測定用プローブを第2のプローブとして接
    続し且つ前記第1のプローブと異なる被測定物の部位に
    前記第2のプローブを接触させ、接触部を介して得られ
    る信号を周波数分析する分析手段と、 を備えた伝送特定測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の伝送特性
    測定用プローブと、前記伝送特性測定用プローブが接続
    され且つ前記伝送特性測定用プローブの接触部を介して
    測定信号を被測定物に印加するための信号発生手段と、
    前記伝送特性プローブが接続され且つ前記伝送特性測定
    用プローブの接触部を介して被測定物から得られる戻り
    信号に基づいて被測定物の伝送特性を測定する測定手段
    と、を備えた伝送特性測定装置。
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