JP2001095843A - 中高部横断するエンボスを有する生理用ナプキン - Google Patents

中高部横断するエンボスを有する生理用ナプキン

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JP2001095843A
JP2001095843A JP27972699A JP27972699A JP2001095843A JP 2001095843 A JP2001095843 A JP 2001095843A JP 27972699 A JP27972699 A JP 27972699A JP 27972699 A JP27972699 A JP 27972699A JP 2001095843 A JP2001095843 A JP 2001095843A
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直人 中尾
Takako Fujii
孝子 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に夜用として適し、股間部に対するフィット
性および吸収性を著しく改善した生理用ナプキンを提供
する。 【解決手段】使用面側から体液を受け入れて内部の吸収
体に保持する吸収要素10と、この裏面側にあって前記
吸収要素から裏面側への体液の漏れを防止する漏れ防止
シート30とを備え、吸収体12は、ほぼ長手方向全長
にわたって、かつ幅方向中央部に使用面側に高い中高部
12Aを有し、吸収体12の中高部12Aの両側に、吸
収体12の長手方向両端縁近傍まで延在する側部エンボ
ス50B,50A,50Cが形成され、これらのエンボ
スが前後の少なくとも前側おいて中高部12Aを横断す
る後部横断エンボス50Dにより繋がっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中高部横断するエ
ンボスを有する生理用ナプキンに関する。
【0002】
【従来の技術】生理用ナプキンにおいて、体液の横及び
前後漏れ防止を図りながら良好なフィット性を確保する
ことはきわめて重要である。このために、特開平11−
33054号公報などに開示されているように、フィッ
ト性および吸収性を高めるために中高部を長手方向中央
部のみに形成すること、吸収体のよれの防止や吸収要素
領域内における体液の前後あるいは横漏れを防止するた
めにエンボス(圧搾条溝)を形成することが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】中高部を形成すること
は、股間部に対するフィット性および吸収性を高めるた
めにきわめて有効である。
【0004】しかるに、前記先行技術では、中高部を長
手方向中央部のみに形成するものであるために、特に長
時間使用し、かつ吸収容量も大きいことが要求される夜
用には適さない。
【0005】したがって、本発明の課題は、特に夜用と
して適し、股間部に対するフィット性および吸収性を著
しく改善した生理用ナプキンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は次記のとおりである。
【0007】<請求項1記載の発明>使用面側から体液
を受け入れて内部の吸収体に保持する吸収要素と、この
裏面側にあって前記吸収要素から裏面側への体液の漏れ
を防止する漏れ防止シートとを備え、前記吸収体は、ほ
ぼ長手方向全長にわたって、かつ幅方向中央部に使用面
側に高い中高部を有し、前記吸収体の前記中高部の両側
に、前記吸収体の長手方向両端縁近傍まで延在する側部
エンボスが形成され、これらのエンボスが前後の少なく
とも後側おいて前記中高部を横断する横断エンボスによ
り繋がっている、ことを特徴とする生理用ナプキン。
【0008】(作用効果) A.吸収体は、ほぼ長手方向全長にわたって、かつ幅方
向中央部に使用面側に高い中高部を有する。したがっ
て、中高部が股間部に食い込みフィット性が良好とな
り、排血口に密着するようになるので、スポット吸収性
にも優れる。しかも、中高部は吸収体のほぼ長手方向全
長にわたっているので、製品長さあたりの吸収容量が大
きいものとなる。 B.吸収体の前記中高部の両側に、前記吸収体の長手方
向両端縁近傍まで延在する側部エンボスが形成され、こ
れらのエンボスが前後のおいて前記中高部を横断する横
断エンボスにより繋がっている。吸収体に吸収された体
液は、連続するエンボスの存在により、前後の少なくと
も吸収した体液が多く溜まり前部漏れが生じ易い前部及
び左右から漏れることを防止できる。側部エンボスは、
中高部の潰れを防止し、中高部のよれを防止する。した
がって、常に中高部が維持されるから、肌との間に隙間
を生じることによる漏れの原因を解消できる。前述のよ
うに、製品長さあたりの吸収容量を大きくするために、
中高部は吸収体のほぼ長手方向全長にわたっているのが
望ましいばかりでなく、違和感がないし、股間部からの
横ずれを防ぐためにも望ましいことが知見された。この
反面、中高部の前後においてよれが発生することに対し
て、中高部を横断する横断エンボスにより、そのよれを
防止できる。しかも、たとえ中高部に対して横断エンボ
スを形成しても、その横断エンボスにより前後漏れを防
止できることも知見された。
【0009】<請求項2記載の発明>前側における各側
部エンボスに連なる前部横断エンボスが外方に膨らんで
いる請求項1記載の生理用ナプキン。
【0010】(作用効果) C.体液は、前側に溜まり易いが、前部横断エンボス
が、これに連なる各側部エンボスより外方に外方に膨ら
んでいるので、中高部のみの吸収保持でなく、その膨ら
み部分においても吸収でき吸収容量が大きいものとな
る。
【0011】<請求項3記載の発明>さらに、少なくと
も製品の長手方向中間において、製品の両側部にあっ
て、体液の透過を実質的に許さないギャザーカフスシー
トに対して弾性伸縮部材を有し、製品の装着時その弾性
伸縮部材の収縮力により使用者の肌側に起立するギャザ
ーカフスと、前記各側部エンボスの前側部分の外側に離
間して外方に曲率中心を有する実質的に円弧状のフィッ
トエンボスとを有する請求項1または2記載の生理用ナ
プキン。
【0012】(作用効果) D.装着時、ギャザーカフスの収縮力により、吸収要素
が排血口より前側の側部エンボス及びフィットエンボス
を境にして、使用面側に起立するように変形し、排血口
より前側部分の両側部における吸収要素の肌との密着性
が改善され、かつ、ギャザーカフスの起立性も改善され
横漏れを確実に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しながらさらに詳説する。
【0014】<第1の実施の形態:図1〜図7>図1に
おいて上側が製品の前側である。また、以下「内側」
「内方」及び「外側」「外方」とは製品の幅方向に関し
て言う。
【0015】本発明の生理用ナプキンは、使用面側から
体液を受け入れて内部に保持する吸収要素10と、この
裏面側にあって吸収要素10から裏面側への体液の漏れ
を防止するポリエチレンシートなどからなる漏れ防止シ
ート30とを備える。
【0016】好適には、少なくとも製品の長手方向中間
において、製品の両側部にあって、体液の透過を実質的
に許さないギャザーカフスシート21に対して、たとえ
ば糸ゴムなどからなる弾性伸縮部材22A,22Bを有
し、製品の装着時その弾性伸縮部材22A,22Bの収
縮力により使用者の肌側に起立するギャザーカフス20
とを備えるのが望ましい。
【0017】吸収要素10は、使用面側に位置し体液を
透過させる、不織布や好適には外面から内面方向には体
液を通すが逆戻りを防止する小孔を有するポリエチレン
シートを用いた表面シート11と、透過した体液を受け
入れて内部に保持する綿状粉砕パルプおよび必要により
さらにその上下面もしくは全面を包む吸収紙(図示せ
ず)を有する、中高部12Aが形成された吸収体12と
を有している。もちろん、高分子吸収ポリマーを含有さ
せることができる。実施の形態では、表面シート11
は、吸収体12の使用面を覆っている。
【0018】中高部12Aは、製品の長手方向中央の排
血口部位(概念的にその部位を符号Zで示す)を跨いで
長手方向に沿い、かつ幅方向中央部に使用面側に高い部
位である。
【0019】前記各ギャザーカフス20は、吸収要素1
0の半剛性を有する吸収体12がある位置に設けられ
(形成され)ている。
【0020】漏れ防止シート30は、吸収要素10の側
縁より外方に延在してフラップの構成部材としてある。
【0021】ギャザーカフスシート21は、好適には疎
水性または撥水性などの不織布材料からなり、必要なら
ば体液不透過性プラスチックシートなども用いることで
あり、その基部21Aの長手方向全体が、表面シート1
1の表面にホットメルト接着剤などにより固定されてい
る。このギャザーカフスシート21は、吸収要素10の
側縁より外方に延在しており、その延在部21Bが、漏
れ防止シート30上に重ね合わされ、ホットメルト接着
剤などにより相互が一体化され、フラップ40を構成し
ている。フラップ40は、前側フラップ40A、ショー
ツの股間部に巻き込むためのウイング部40B、及びほ
ぼ長手方向中間から後部に向かって大きく翼を広げる後
側フラップ40Cに区分して構成してある。
【0022】ギャザーカフスシート21は、基部21A
の内方縁の第1折り返し線L1において折り返され、幅
方向外方に向かう第1折り返し部21Cが形成され、こ
の第1折り返し部21C終端の第2折り返し線L2にお
いて折り返され、幅方向内方に向かう第2折り返し部2
1Dが形成され、さらに弾性伸縮部材22A,22Bを
内包させるために、第2折り返し部21Dの終端の第3
折り返し線C3において折り返しされ、重合部21Eお
よび重合部21Fとして、第1折り返し部21C及び第
2折り返し部21Dに対してホットメルト接着剤などに
より重合状態で固定されている。
【0023】ギャザーカフス20を構成するために、ギ
ャザーカフスシート21は、製品の長手方向両端部のみ
において、第1折り返し部21Cが、製品の使用面側
に、実施の形態では基部21Aの表面に、ホットメルト
接着剤などにより固定されている(この固定領域を図1
の破線によるハッチングにより示した)。しかも、第2
折り返し部21Dが、重合部21Eを介して、重合部2
1F及び第1折り返し部21Cにホットメルト接着剤な
どにより重ね合わせ状態で固定されている(この固定領
域を図1の実線によるハッチングにより示した)。な
お、各固定領域は全面でなく、間欠的に固定することも
できる。
【0024】他方、図4に明示されているように、製品
の長手方向両端部間においては、第1折り返し部21C
が、製品の使用面側に非固定であり、かつ、第2折り返
し部21Dが第1折り返し部21Cに非固定とされ、外
方に向かう第1自由部Xとこれから折り返されて幅方向
内方に向かう第2自由部Yとが構成されている。
【0025】前記第2折り返し線L2近傍(±1.5m
m以内)には、起立用弾性伸縮部材22Aが固定され、
この起立用弾性伸縮部材22Aより幅方向内方の第2自
由部Yに当接用弾性伸縮部材22B,22Bが固定され
ている。
【0026】ギャザーカフス20を平坦化したときのそ
の平面視の幅(第1自由部X幅または第2自由部Yの幅
でもある)としては、8〜18mmが望ましい。
【0027】ここで、各弾性伸縮部材としては、糸ゴム
のほか、弾性伸縮性発泡体(たとえば発泡ウレタン)な
どの採用も可能である。糸ゴムを使用する場合、起立用
弾性伸縮部材22Aとしては、第2折り返し線L2近傍
に3本以内の数で設けることができる。当接用弾性伸縮
部材22Bとしては、第2折り返し部21Dにおいて1
本でもよいが、幅方向に複数、たとえば2本とするのが
起立・持ち上げ性に優れる。最高で6本以内の配設が可
能である。ただ、第2折り返し部21Dの内方縁(第3
折り返し線C3)の内方に当接用弾性伸縮部材22Bを
設けず、その内方縁から1〜3mm程度離間させること
が、肌への接触性が優れる。
【0028】弾性伸縮部材の固定に際しては、当該弾性
伸縮部材にホットメルト接着剤を塗布してギャザーカフ
スシート21に固定するほか、ギャザーカフスシート2
1にホットメルト接着剤を塗布して弾性伸縮部材を固定
する形態によってもよい。起立用弾性伸縮部材22A及
び当接用弾性伸縮部材22B,22Bの伸張率は110
〜200%、特に130〜180%が好ましい。
【0029】起立用弾性伸縮部材22Aの伸張応力が、
当接用弾性伸縮部材22Bの伸張応力より大きいことが
ギャザーカフス20全体の起立性の点で望ましい。それ
らの伸張応力の差は10〜40%が好ましい。
【0030】さらに、前後の少なくとも一方の端部、好
適には両端部において、製品の長手方向中央からの基準
で、第1自由部Xの延長部分の固定開始位置が、第2自
由部Yの前後方向延長部分の第1自由部Xへの重ね合わ
せ固定開始位置より、製品の長手方向端縁側に偏位して
いることが望ましい。すなわち、図1に図示するよう
に、第1自由部Xの収縮有効長さD1が、第2自由部Y
の収縮有効長さD2より長い方が望ましい。
【0031】さて、本発明においては、吸収要素10に
は吸収体12のよれ防止、体液の拡散防止、ならびにフ
ィット性向上などのための周回エンボス50、及び一対
の円弧状のフィットエンボス51が形成されている。
【0032】周回エンボス50は、中高部12の両側
に、本発明に係る側部エンボスとして、排血口部位Zを
跨ぐ長さ範囲にわたって形成され、これらの側部エンボ
スは、排血口部位Zの前側部エンボス50B及び後側部
エンボス50Cと、これらより幅方向外方に膨出する形
状を有する膨出エンボス50Aとにより形成されてい
る。さらに、前端部において両側の前側部エンボス50
B,50Bとを繋いでふくらみのある頭様の前部エンボ
ス50Dと、後端部において両側の後側部エンボス50
C,50Cとを繋いで半円状の後部エンボス50Eとを
有し、全体として連続する曲線をなしている。
【0033】かかる構成の下で、本発明のナプキンを装
着する場合には、漏れ防止シート30の裏面(表面)に
設けた粘着剤(図示せず)をショーツ内面に当てて仮止
めするとともに、ウイング部40Bをショーツの外面に
巻き込み粘着剤(図示せず)により仮固定する。
【0034】装着状態を概念的に図5および図6に示し
た。ナプキンは前後方向に股間部に沿って湾曲する。こ
のとき、弾性伸縮部材22A,22Bの収縮力により、
ギャザーカフス20が起立する。したがって、ギャザー
カフス20が横漏れ防止用バリヤーカフスを構成する。
【0035】このとき、第1自由部Xと第2自由部Yと
の折り返し部分(第2折り返し線L2)近傍に起立用弾
性伸縮部材22Aが固定されているから、装着時におい
て前後方向の湾曲に伴ってその起立用弾性伸縮部材22
Aの収縮力により、ギャザーカフス20が使用面側に起
立する。この起立ライン(第2折り返し線L2)を起点
として、第2自由部Yに当接用弾性伸縮部材22B,2
2Bが固定されていることもあって、当接用弾性伸縮部
材22B,22Bの収縮力により、第2自由部Yの製品
幅方向内側部分が前記起立ラインより使用面側により高
く起立する。したがって、ギャザーカフス20全体の起
立高を大きくでき、装着者の動きが極端であっても、そ
の動きに良好に追従して常に肌に接するから、横漏れ防
止効果が高いものとなる。
【0036】ギャザーカフス20を形成するに、第1自
由部Xと第2自由部Yとの折り返し形態を採っている。
しかるに、第1自由部Xと第2自由部Yとの折り返し形
態を採ることにより、幅方向にある程度狭い幅内におい
て、第1自由部X及び第2自由部Yを起立させることが
できるので、体液受け入れ性に優れ、及び体液の浸透開
始有効面積を広く取ることができる。しかも、装着時に
おいて前後方向の湾曲に伴ってその起立用弾性伸縮部材
22Aの収縮力により、比較的幅狭の第1自由部Xが平
坦化することなく確実に起立し、当接用弾性伸縮部材の
収縮力22Aにより、同様に比較的幅狭の第2自由部Y
が平坦化することなく確実に起立するので、ギャザーカ
フス20全体として幅狭でありながら、大きくかつ確実
に起立するギャザーカフス20が得られる。そして、第
1自由部X自体として確実に起立し、第2自由部Y自体
も確実に起立することは、製品の面と直交する方向のギ
ャザーカフスのクッション性を高め、肌へのフィット性
を良好にし、横漏れ防止効果を高める。
【0037】他方、本発明に係る吸収要素10は、排血
口部位Zを跨いで長手方向に沿い、かつ幅方向中央部に
使用面側に高い中高部12Aを有する。したがって、中
高部12Aが股間部に対して良好にフィットかつ密着
し、排血口からの体液はそのまま中高部12Aに吸収さ
れ吸収性が良好となる。
【0038】ギャザーカフス20はその収縮力が排血口
部位を跨ぐ範囲に相当する長さ範囲に作用するように構
成され、吸収要素10の中高部12Aの両側に、排血口
部位を跨ぐ長さ範囲にわたってエンボスが形成され、こ
れらのエンボスは、排血口部位において前後より幅方向
外方に膨出する形状をなす膨出エンボス50Aを有す
る。
【0039】しかるに、ギャザーカフス20の収縮力に
より、その収縮力作用域に対応する吸収要素10の長さ
範囲全体が収縮しようとする。このとき、膨出エンボス
50Aを有するので、排血口部位Z近傍の膨出エンボス
50Aが、図5に示す吸収体12が変形したときの等高
線Sによって判るように、ならびに図6に示すように、
排血口側に膨らむ。
【0040】その結果、吸収要素10の中高部12Aが
股間にフィットするばかりでなく、その中高部12Aが
排血口側に膨らんでフィットするため、排血口と吸収要
素とが密着し、ポイント吸収を図ることができ、漏れ防
止効果が高いものとなる。
【0041】中高部の両側に形成するエンボス50B及
び50Cは、中高部12Aの左右によれを防ぐ機能があ
る反面、吸収した体液を横方向外方に阻止する機能もあ
る。しかるに、中高部12Aでの吸収性能を超える体液
の排泄があったとしても、膨出エンボス50Aは排血口
部位Zにおいて前後より幅方向外方に膨出する形状をな
しているので、中高部12Aの外方においても体液の吸
収が可能であり、漏れを防止できる。
【0042】ここで、前記吸収体12は、長さ270〜
310mm、幅75〜90mmとすることができる。中
高部12Aとしては、吸収体12の全幅に対して20〜
40%、その重量は両側部に対して1.5〜2倍、厚み
は6〜8mmとすることができる。排血口部位Zが製品
の長手方向中央から±10mm〜±30mmとなるよう
に設計することができる。膨出エンボス50A,50A
の中心は、ウイング部40B,40Bの中心より後方側
に50〜70mm位置する構成とすることができる。膨
出エンボス50Aの前後エンボスからの膨出長は5mm
〜30mmとすることができる。
【0043】側部エンボス50A,膨出エンボス50B
及び側部エンボス50Cの終端は、吸収体の長手方向両
端縁近傍まで延在する。この延在端は、吸収体の長手方
向端縁から10〜60mm離間させるのが望ましい。前
部横断エンボス50Dの中高部側縁からの膨出長は5〜
15mmが好適である。後部横断エンボス50Eは必須
とするが、前部横断エンボス50Dは省略することもで
きる。前部横断エンボス50Dの好適な形状は図示のよ
うに、外方に曲率中心を有する実質的に円弧状のもので
ある。
【0044】フィットエンボス51は、前部横断エンボ
ス50Dと外方に3〜8mm離間しているのが望まし
い。フィットエンボス51の長手方向長さは35〜45
mmが好ましい。
【0045】また、エンボスは、完全に連続のほか、間
欠的に形成してもよい。エンボスの形成に際しては、特
開平9−108262号に記載のように、長さ方向に高
圧搾部と低圧搾部とが交互になる形態で形成できる。加
圧ヒートシールなどによりエンボスを形成することもで
きる。
【0046】<第2の実施の形態:図8〜図11>本発
明において、ギャザーカフスは、その収縮力により膨出
エンボス51の形成領域を排血口側に膨出させる機能を
有する。したがって、この機能を有する限り、たとえば
ここに示す第2の実施の形態などの形態を含むものであ
る。
【0047】第2の実施の形態の生理用ナプキンは、使
用面側から裏面側にかけて;使用面側から体液を受け入
れて内部に保持する吸収要素10と、長手方向中間にお
いて、前記吸収要素10の裏面側にあって、前記吸収要
素10の両側縁より幅方向外方にそれぞれ延在し、その
延在部分においてたとえば糸ゴムなどからなる弾性伸縮
部材22を有するギャザーカフス20と、前記吸収要素
10から裏面側への体液漏れを防止し、前記吸収要素1
0の両側縁位置より幅方向外方に延在している、たとえ
ばポリエチレンシートなどからなる漏れ防止シート30
と、を順に備える。
【0048】吸収要素10の形態は、第1の実施の形態
と同様であるが、中高部12Aが吸収体12の全長にわ
たっていない点において相違する。また、表面シート1
1は、吸収コア12の使用面および両側面を包み、下面
の自由起点40より中央側に延在して巻き込まれている
(いわゆる額巻きされている)。
【0049】ギャザーカフス20を形成するギャザーカ
フスシート21は、漏れ防止シート30の両側部におい
て、その上に重ね合わせ状態でたとえばホットメルト接
着剤により固定され(その固定部分を*印にて図示して
いる)、製品の中央側において折り返され、折り目L1
を境にして幅方向外方に向かい、その折り返し領域のう
ち吸収要素10の側縁より内側の自由起点40までの部
分全体または自由起点40近傍のみが吸収要素10とホ
ットメルト接着剤などにより固定してあり、この自由起
点40より幅方向外方部分は、吸収要素10と非固定で
あり、かつ、ギャザーカフスシート21の重ね合わせ領
域においても非固定である。これにより、折り目L1が
ギャザーカフス20の起立起線を構成する。
【0050】ここで、図10に図示のように、ギャザー
カフスシート21相互の重ね合わせ領域が非固定である
と、ギャザーカフス20の折り返し領域全体が折り目L
1を境にして自由に使用面側に起立することが可能であ
る。31はショーツに対して固定するためのウイング部
である。
【0051】第2の実施の形態では、中高部12の両側
に、排血口部位Zを跨ぐ長さ範囲にわたって側部エンボ
スが形成され、これらの側部エンボスは、排血口部位Z
に対して前後の前側部エンボス50B及び後側部エンボ
ス50Cと、これらより幅方向外方に膨出する形状を有
する膨出エンボス50Aとにより形成されている。前部
エンボス50Dが、両前側部エンボス50B,50Bを
繋ぎかつ中高部12Aを横断して形成されている。後部
エンボスは形成されていない。
【0052】他方、本発明において、中高部12Aは、
吸収体12の長手方向両端もしくは一端に延在していて
もよい。
【0053】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、特に夜
用として適し、股間部に対するフィット性および吸収性
を著しく改善した生理用ナプキンを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生理用ナプキンの第1の実施の形態に
おける使用面側からの平面図である。
【図2】2−2線矢視図である。
【図3】3−3線矢視図である。
【図4】本発明の生理用ナプキンの使用状態におけるギ
ャザーカフスの長手方向端部と中央部との関係を示す要
部拡大断面図である。
【図5】使用状態の斜視図である
【図6】6−6線に沿う使用状態における側面図であ
る。
【図7】エンボスを中心にした平面図である。
【図8】第2の実施の形態における使用面側からの平面
図である。
【図9】その横断面図である。
【図10】使用状態における横断面図である。
【図11】使用状態の斜視図である
【符号の説明】
10…吸収要素、11…表面シート、12…吸収体、1
2A…中高部、20…ギャザーカフス、21…ギャザー
カフスシート、22A…起立用弾性伸縮部材、22B…
当接用弾性伸縮部材、30…漏れ防止シート、31,4
0…フラップ、50…周回エンボス、50A…膨出エン
ボス、50B…前側部エンボス、50C…後側部エンボ
ス、50D…前部横断エンボス、50E…後部横断エン
ボス、51…フィットエンボス、Z…排血口部位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 孝子 静岡県富士市厚原151−2 ダイオーサニ タリープロダクツ株式会社内 Fターム(参考) 4C003 AA06 CA01 DA06 EA02 EA03 HA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用面側から体液を受け入れて内部の吸収
    体に保持する吸収要素と、この裏面側にあって前記吸収
    要素から裏面側への体液の漏れを防止する漏れ防止シー
    トとを備え、 前記吸収体は、ほぼ長手方向全長にわたって、かつ幅方
    向中央部に使用面側に高い中高部を有し、前記吸収体の
    前記中高部の両側に、前記吸収体の長手方向両端縁近傍
    まで延在する側部エンボスが形成され、これらのエンボ
    スが前後の少なくとも前側おいて前記中高部を横断する
    横断エンボスにより繋がっている、 ことを特徴とする生理用ナプキン。
  2. 【請求項2】前側における各側部エンボスに連なる前部
    横断エンボスが外方に膨らんでいる請求項1記載の生理
    用ナプキン。
  3. 【請求項3】さらに、少なくとも製品の長手方向中間に
    おいて、製品の両側部にあって、体液の透過を実質的に
    許さないギャザーカフスシートに対して弾性伸縮部材を
    有し、製品の装着時その弾性伸縮部材の収縮力により使
    用者の肌側に起立するギャザーカフスと、前記各側部エ
    ンボスの前側部分の外側に離間して外方に曲率中心を有
    する実質的に円弧状のフィットエンボスとを有する請求
    項1または2記載の生理用ナプキン。
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