JP2001095841A5

JP2001095841A5 -

Info

Publication number: JP2001095841A5
Application number: JP1999279724A
Authority: JP
Filing date: 1999-09-30
Publication date: 2005-10-27
Anticipated expiration: 2019-09-30

Description

【書類名】明細書
【発明の名称】ギャザーカフスを有する生理用ナプキン
【特許請求の範囲】
【請求項１】使用面側から裏面側にかけて；使用面側から体液を受け入れて内部の吸収体に保持する吸収要素と、
少なくとも製品の長手方向中間において、製品の両側部にあって、体液の透過を実質的に許さないギャザーカフスシートに対して弾性伸縮部材を有し、製品の装着時その弾性伸縮部材の収縮力により使用者の肌側に起立するギャザーカフスと、
前記吸収要素から裏面側への体液の漏れを防止する漏れ防止シートとを備えた生理用ナプキンにおいて：
前記ギャザーカフスは、幅方向内側に起立線を有し、幅方向外側が自由縁とされて外向きの起立カフスが形成され、前記起立線と自由縁との間に１本以上の前記弾性伸縮部材が配置され、
幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置が前記自由縁より幅方向内側であり、
前記起立カフスを伏倒した状態において、前記ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分の幅方向外方縁が、前記幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置より幅方向外方に位置している、
ことを特徴とするギャザーカフスを有する生理用ナプキン。
【請求項２】前記弾性伸縮部材は二重ギャザーカフスシート間に位置し、前記起立カフス領域において、実質的に各弾性伸縮部材部分のみがギャザーカフスシートに固定され、起立カフスの他の部分におけるギャザーカフスシート相互は非固定である請求項１記載の生理用ナプキン。
【請求項３】製品は長さ方向２箇所の折り位置で三重重ね折りされるものであって、前記ギャザーカフスは前記吸収要素上に配置されており、その起立カフスは、前記２箇所の折り位置を跨いで長手方向端縁側に延在するが、前記ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分までの延在長さは、それぞれ２０ｍｍを超えない請求項１記載の生理用ナプキン。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ギャザーカフスを有する生理用ナプキンに関する。
【０００２】
【従来の技術】
生理用ナプキンにおいて、体液の横漏れ防止を図ることはきわめて重要であり、このため種々の改良がなされている。最近では、特開平８−２８０７３５号に開示のように、外向きギャザーフラップを備えたものがある。さらに、このものでは、幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置がギャザーフラップの自由縁より幅方向内側である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報には、幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置がギャザーフラップの自由縁より幅方向内側とする理由は明示されていないが、防漏面を肌当接面とほぼ平行とするためと考えられる。
【０００４】
他方、同公報のように、防漏面が肌当接面とほぼ平行であると、肌と離間する部位が発生し易く、横漏れを生じ易いことが知見された。確実な横漏れ防止のためには、肌と線状に接触するのが望ましい。
【０００５】
しかし、肌と線状に接触すると、肌に過度に食い込む当たりとなる感触（違和感）となり、この改善も要求される。
【０００６】
したがって、本発明の主たる課題は、横漏れ防止効果を高め、しかも起立カフスの自由縁部分が柔らかく肌に接するようにすることにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
【０００８】
＜請求項１記載の発明＞
使用面側から裏面側にかけて；使用面側から体液を受け入れて内部の吸収体に保持する吸収要素と、
少なくとも製品の長手方向中間において、製品の両側部にあって、体液の透過を実質的に許さないギャザーカフスシートに対して弾性伸縮部材を有し、製品の装着時その弾性伸縮部材の収縮力により使用者の肌側に起立するギャザーカフスと、
前記吸収要素から裏面側への体液の漏れを防止する漏れ防止シートとを備えた生理用ナプキンにおいて：
前記ギャザーカフスは、幅方向内側に起立線を有し、幅方向外側が自由縁とされて外向きの起立カフスが形成され、前記起立線と自由縁との間に１本以上の前記弾性伸縮部材が配置され、
幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置が前記自由縁より幅方向内側であり、
前記起立カフスを伏倒した状態において、前記ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分の幅方向外方縁が、前記幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置より幅方向外方に位置している、
ことを特徴とするギャザーカフスを有する生理用ナプキン。
【０００９】
（作用効果）
Ａ．吸収要素は使用面側から体液を受け入れて内部に保持するが、裏面側には漏れ防止シートにより透過しない。
Ｂ．ギャザーカフスは、製品の装着時その弾性伸縮部材の収縮力により使用者の肌側に自身が起立し、横漏れを防止する。
Ｃ．ギャザーカフスは、幅方向内側に起立線を有し、幅方向外側が自由縁とされて外向きの起立カフスが形成され、前記起立線と自由縁との間に１本以上の前記弾性伸縮部材が配置され、幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置が前記自由縁より幅方向内側であり、前記起立カフスを伏倒した状態において、前記ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分の幅方向外方縁が、前記幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置より幅方向外方に位置している。
したがって、自由縁には弾性伸縮部材を有しないので、仮に自由縁部が肌に当接するとしても、当たりは柔らかく、肌への食い込みはない。
ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分の幅方向外方縁が、前記幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置より幅方向外方に位置しているので、後述及び図４に示すように、前後においては、幅方向最外方の弾性伸縮部材の位置より幅方向外方に位置まで規制されており、この規制縁より内側に弾性伸縮部材が収縮するから、起立カフスは使用面側に膨出した状態で斜め外方に起立するようになる。
このために、起立カフスのほぼ幅方向中央部全体が肌に当接し、漏れ防止効果を高め、しかも、肌と平行でなく、全体的に斜めに起立するから、より横漏れ防止効果が高いものとなる。
【００１０】
＜請求項２記載の発明＞
前記弾性伸縮部材は二重ギャザーカフスシート間に位置し、前記起立カフス領域において、実質的に各弾性伸縮部材部分のみがギャザーカフスシートに固定され、起立カフスの他の部分におけるギャザーカフスシート相互は非固定である請求項１記載の生理用ナプキン。
【００１１】
（作用効果）
Ｄ．前記起立カフス領域において、各弾性伸縮部材の固定部分以外の、ギャザーカフスシートの他の部分が非固定であると、ギャザーカフスシートに皺が多く入り、肌の当たりを和らげる。また、固定用に用いるたとえばホットメルト接着剤の固化によりギャザーカフスシートの柔軟性を阻害する事態を回避できる。
【００１２】
＜請求項３記載の発明＞
製品は長さ方向２箇所の折り位置で三重重ね折りされるものであって、前記ギャザーカフスは前記吸収要素上に配置されており、その起立カフスは、前記２箇所の折り位置を跨いで長手方向端縁側に延在するが、前記ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分までの延在長さは、それぞれ２０ｍｍを超えない請求項１記載の生理用ナプキン。
【００１３】
（作用効果）
Ｅ．長さ方向２箇所の折り位置で三重重ね折りされる生理用ナプキンは、公知である。この折り線による折り癖は製品の装着時においてもほとんど残る。したがって、起立カフスは長さ方向２箇所の折り位置では起立割合が大きい。この起立割合が大きい部分に対して、延在長さがそれぞれ２０ｍｍを超えない位置で、起立カフスの過度の起立を、ギャザーカフスの前後端部の製品本体に対する固定部分により規制しているので、自由縁を倒すように作用し、結果として、使用面側に膨出した状態で斜め外方に起立する形態を簡単に得ることができる。ここに、ギャザーカフスは吸収要素上に配置されていると、側部フラップ上にある場合に比較して、起立カフスの形状保持性に優れたものとなる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながらさらに詳説する。
【００１５】
図１の上側が前である。実施の形態の生理用ナプキンは、使用面側から体液を受け入れて内部に保持する吸収要素１０と、少なくとも製品の長手方向中間において、製品の両側部にあって、実施の形態では吸収要素１０上にあって、体液の透過を実質的に許さないギャザーカフスシート２１に対して弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂを有し、製品の装着時その弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂの収縮力により使用者の肌側に起立するギャザーカフス２０、前記吸収要素１０から裏面側への体液漏れを防止し、前記吸収要素１０の両側縁位置より幅方向外方に延在している、たとえばポリエチレンシートなどからなる漏れ防止シート３０と、を備える。
【００１６】
吸収要素１０は、使用面側に位置し体液を透過させる、不織布や好適には外面から内面方向には体液を通すが逆戻りを防止する小孔を有するポリエチレンシートを用いた表面シート１１と、透過した体液を受け入れて内部に保持する綿状粉砕パルプおよび必要によりさらにその上下面もしくは全面を包む吸収紙を有する吸収体１２とを有している。もちろん、高分子吸収ポリマーを含有させることができる。実施の形態では、吸収体１２は、ほぼ長手方向中央部にわたって、かつ幅方向中央部に使用面側に高い小判状の中高部を有している。
【００１７】
ギャザーカフス２０は、好適には疎水性または撥水性などの不織布材料からなり、必要ならば体液不透過性プラスチックシートなども用いることが可能な、体液阻止性を有するギャザーカフスシート２１からなる。このギャザーカフス２０を形成するギャザーカフスシート２１は、漏れ防止シート３０の両側部において、その上に重ね合わせ状態でたとえばホットメルト接着剤により固定され（その固定部分を符号Ｆ１にて図示している）、フラップを構成している。このフラップは長手方向中間部において大きく張り出して、ショーツに粘着剤を介して固定するウイング部４０を有している。
【００１８】
他方、吸収要素１０の少なくとも長手方向中間における、両側縁より内側位置において長手方向に沿ってフィットエンボス５１，５１が、中高部の両側部に、使用面側から形成されている。このフィットエンボス５１，５１は、ナプキンの側外方に円弧中心を有する円弧またはほぼ円弧状曲線としてある。さらに、フィットエンボス５１，５１前後を繋いで方向に円弧またはほぼ円弧状曲線による繋ぎエンボス５２，５２が形成されている。これらのエンボス５１，５１，５２，５２で閉じられた領域では吸収体１２が中高とされている。したがって、エンボス５１，５１，５２，５２領域内おいて吸収体１２の中高部に集中的に吸収を図る構成とされている。
【００１９】
図２〜図４はホットメルト接着剤などによる相互の固定部Ｆ１〜Ｆ４と非固定部との関係を示している。ギャザーカフスシート２１は、吸収要素１０上において二重重ねされ、さらに、固定域Ｘの幅方向中央縁を起立線Ｌ１とし、この上に自由域Ｙが重ね合わされるようにしている。自由域Ｙの幅方向外縁が自由縁Ｌ２である。
【００２０】
図４に示すように、製品の長手方向中間において、ギャザーカフス２０は、幅方向内側に起立線Ｌ１を有し、幅方向外側が自由縁Ｌ２とされて外向きの起立カフスが形成され、前記起立線と自由縁との間に１本以上、実施の形態では２本の弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂが配置されている。
【００２１】
幅方向最外方の弾性伸縮部材２２Ａの位置が自由縁Ｌ２より幅方向内側に位置しており、実施の形態では、起立カフス形成領域において、二重ギャザーカフスシート２１間に位置し、実質的に各弾性伸縮部材部分のみがギャザーカフスシート２１に固定されている。起立カフス形成領域において重ねたギャザーカフスシート２１相互は非固定である。
【００２２】
他方、図３に示すように、起立カフスを伏倒した状態において、ギャザーカフス２０の前後端部の製品本体に対する固定部分Ｆ１の幅方向外方縁が、幅方向最外方の弾性伸縮部材２２Ａの位置より幅方向外方に位置している。
【００２３】
また、製品は、図１の符号Ｐ１，Ｐ２で示す、長さ方向２箇所の折り位置で三重重ね折りされるものであって、前記ギャザーカフス２０は前記吸収要素１０上に配置されており、その起立カフスは、前記２箇所の折り位置（繋ぎエンボス５２，５２の頂部の位置）を跨いで長手方向端縁側に延在するが、ギャザーカフス２０の前後端部の製品本体に対する固定部分Ｆ１までの延在長さＤは、それぞれ２０ｍｍを超えないものとされている。
【００２４】
ここで、弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂとしては、糸ゴムのほか、弾性伸縮性発泡体（たとえば発泡ウレタン）などの採用も可能である。弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂは幅方向に複数、たとえば２本とするのが起立・持ち上げ性に優れる。その伸張率は１１０〜１８０％が望ましい。
【００２５】
かかる構成の下で、本発明のナプキンを装着する場合には、漏れ防止シート３０の裏面（表面）に設けた粘着剤（図示せず）をショーツ内面に当てて仮止めするとともに、ウイング部４０をショーツの外面に巻き込み粘着剤（図示せず）により仮固定する。
【００２６】
装着状態を概念的に図５に示した。ナプキンは前後方向に股間部に沿って湾曲する。このとき、弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂの収縮力により、ギャザーカフス２０の側部が起立して、横漏れを防止する。
【００２７】
本発明においては、自由縁Ｌ２には弾性伸縮部材２２Ａ，２２Ｂを有しないので、仮に自由縁部Ｌ２が肌に当接するとしても、当たりは柔らかく、肌への食い込みはない。ギャザーカフス２０の前後端部の製品本体に対する固定部分Ｆ１の幅方向外方縁が、最外方の弾性伸縮部材２２Ａの位置より幅方向外方に位置しているので、図４に示すように、前後においては、弾性伸縮部材２２Ａの位置より幅方向外方の位置まで規制されており、この規制縁より内側に弾性伸縮部材２２Ａが収縮するから、起立カフスは使用面側に膨出した状態で斜め外方に起立するようになる。このために、起立カフスのほぼ幅方向中央部全体が肌に当接し、漏れ防止効果を高め、しかも、肌と平行でなく、全体的に斜めに起立するから、より横漏れ防止効果が高いものとなる。
【００２８】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、横漏れ防止効果が高められ、しかも起立カフスの自由縁部分が柔らかく肌に接するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明の生理用ナプキンの使用面側からの平面図である。
【図２】
図１の２−２線矢視図である。
【図３】
図１の３−３線矢視図である。
【図４】
図１の４−４線矢視図である。
【図５】
使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
１０…吸収要素、１１…表面シート、１２…吸収体、２０…ギャザーカフス、２１…ギャザーカフスシート、２２Ａ，２２Ｂ…弾性伸縮部材、３０…漏れ防止シート、４０…ウイング（部）。