JP2001093438A - 電子銃およびその製造方法 - Google Patents

電子銃およびその製造方法

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JP2001093438A
JP2001093438A JP27185799A JP27185799A JP2001093438A JP 2001093438 A JP2001093438 A JP 2001093438A JP 27185799 A JP27185799 A JP 27185799A JP 27185799 A JP27185799 A JP 27185799A JP 2001093438 A JP2001093438 A JP 2001093438A
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Shuhei Nakada
修平 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カソードドライブ特性とエミッタンス特性の
両特性を同時に向上させることのできる中空ビーム電子
銃の構造を簡易にし、量産性を向上させる。 【解決手段】 レーザを用いた加工方法等によりカソー
ドの中心部に電子放出抑制領域を設け、中空ビームを得
ることにより、カソードドライブ特性とエミッタンス特
性の両特性を同時に向上させた、構成が簡易で量産に適
した電子銃を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はCRT等に用いら
れる電子銃とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、例えば「(電子・イオンビー
ムハンドブック第三版(平成10年10月28日出版)
P149」に記載されている、従来の中実ビーム電子銃
における三極管の構成を示すもので、図において1はG
1電極、2はG2電極、3はG3電極、4はカソード、
5は電子ビーム、6は電界レンズの等電位線を示してい
る。
【0003】従来の中実ビーム電子銃においてはドライ
ブ特性(カソード電圧[=ドライブ電圧]vsエミッシ
ョン電流特性)向上のために、放出された電子を一点に
収束させることが重要で、良好なエミッタンス特性(電
子ビームの広がりや太さを表す指標)が要求される。従
来の中実ビーム電子銃における三極管では良好なエミッ
タンス特性を得るためにカソード電圧は通常約40Vに
設定されており、例えば約300μAのエミッション電
流値が得られている。
【0004】また、図14は米国特許第4091311
号明細書( Modulatable, hollowbeam electron gun )
に開示された従来の中空ビーム電子銃の構成を示す図で
ある。図において34は電子銃、38はターミナル、4
4はディスペンサー型カソード、50は囲いの端部、5
8はカソード表面部、60はコンダクター、62は第1
コントロールグリッド、64はコンダクター、66は第
2コントロールグリッド、68はコンダクター、70は
第1アノード、76は第2アノード、78は軸電極、8
4は第1アノードモジュレータ、88はレジスター、9
2はコンダクター、114は電子ビームを示す。
【0005】従来の中空ビーム電子銃は図14に示すよ
うに構成されており、ディスペンサー型カソード中心に
構造体50が配置されることにより中空ビーム114を
生み出すと共に軸電極78を電子ビームの軌道中心(電
子銃の中心軸部)に配置していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
中実ビーム電子銃における三極管では、良好なエミッタ
ンス特性を得るために40V程度のカソードドライブ電
圧が必要で、以下のような問題があった。近年、CRT
の解像度向上により、カソードドライブ電圧の基本周波
数は、ビデオ信号の周波数に相当する数百MHzまで増
大してきている。カソードドライブ回路においてはビデ
オ信号の増幅器が必要であるが、カソードドライブ電圧
の周波数が向上したため、増幅に必要な電圧の維持が困
難となってきている。このような理由から、ドライブ電
圧を低減させることが望まれている。しかしながら、従
来の中実ビーム電子銃における三極管の構成では、ドラ
イブ電圧を下げると十分なエミッション電流が得られ
ず、ドライブ特性とエミッタンス特性の両立は困難であ
り、性能を飛躍的に改善させることはできなかった。
【0007】また、従来のディスペンサー型カソードを
用いた中空ビーム電子銃においては、同軸状の集束電極
が必要となるため構造が複雑で、CRTの様な大量生産
が必要な用途に対しては適用が困難であった。
【0008】また、従来のディスペンサー型カソードを
用いた中空ビーム電子銃においては、部品点数が多く、
組立時の電子ビーム軌道中心の軸出しが容易でなく、C
RTの様な高精度な電子ビーム制御が必要とされる用途
には適していなかった。
【0009】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、簡易な構造で、製造し易く量産に適す
ると共に、CRTなどに使用される電子銃のドライブ電
圧低減及びエミッタンス特性改善という2つの問題を同
時に解決することができる中空ビーム電子銃を提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電子銃
は、加熱手段を内蔵し、かつその一端に支持面を備えた
カソード支持体と、電子放出性材料からなりこのカソー
ド支持体の支持面上に設けられた平板状カソードと、こ
の平板状カソードの表面中央部上に電子放出抑制領域が
設けられている。
【0011】この発明に係る電子銃は、電子放出抑制領
域が電子放出抑制材料からで形成されてもよい。
【0012】この発明に係る電子銃は、電子放出抑制領
域が白金もしくはタングステンの膜で形成されてもよ
い。
【0013】この発明に係る電子銃は、電子放出抑制領
域が平板状カソードの表面中央部が薄肉化された凹状電
子放出抑制領域で形成されてもよい。
【0014】この発明に係る電子銃は、加熱手段を内蔵
し、かつその一端に支持面を備えたカソード支持体と、
電子放出抑制材料からなりこのカソード支持体の支持面
上に設けられた平板状基板を備え、この平板状基板はそ
の少なくとも中央領域を除く所定領域が電子放出促進材
料で含浸されて、この中央領域に電子放出抑制領域を有
する平板状カソードを備えてもよい。
【0015】この発明に係る電子銃は、電子放出材料か
らなる平板状カソード表面上に有機膜を形成する工程
と、この有機膜上に電子放出抑制膜を形成する工程と、
この電子放出抑制膜をレーザ照射することにより、この
平板状カソード表面の少なくとも中央領域を残して電子
放出抑制膜を除去する工程と、この平板状カソードを加
熱処理することにより有機膜を除去して、中央部に電子
放出抑制領域を備えた平板状カソードを得る工程により
製造してもよい。
【0016】この発明に係る三極管は、中心波長が65
0nm以下のレーザで電子放出抑制膜を除去してもよ
い。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1 以下、この発明の実施の形態につき図を用いて説明す
る。図1、図2はこの発明に係る電子銃の略構造図で、
各々(a)は側方からの断面図、(b)はカソード部分
を表側(a図の左側)から見た図である。図において7
は電子放出抑制領域、15はヒータ、16はカソード取
付基板、18は電子ビーム軌道中心を示す。また、図7
は本発明における電子銃の製造方法を示す図で、20は
PMMA、21はレーザ光、22はマスク、23は結像
レンズを示している。
【0018】図1において、G1電極1、G2電極2、
G3電極3及びカソード4は同軸上に配置されており、
軸上の中央部において電子放出抑制領域7が形成される
ことにより電子放出が抑制された構造となっている。そ
のためカソード中央部からの電子放出は実質的に生じる
ことはなく、周辺部のみからG1電極1を避けるように
電子放出されることになる。図2は電子放出抑制領域が
ドーナツ状に形成されている例で、図1に示したものよ
り電子放出抑制領域がさらに小さいためより低エミッタ
ンスでの電子放出が可能となる。図7にこれら電子銃の
製造方法を示す。図7(a)において、カソード取付基
板16上に配置されたカソード4の表面上にPMMA膜
20が形成される。PMMA膜20を形成する方法は溶
媒に溶かしたPMMAを塗布した後に焼成する方法やフ
ィルム状のPMMAを接着剤や自己粘着作用によりカソ
ード4に直接貼り付ける方法がある。次に、図7(b)
において、この上にタングステンや白金の膜7が形成さ
れる。これら膜の形成は真空蒸着やイオンプレーティン
グやスパッタのような物理蒸着を用いてもよいし、電解
メッキのような化学的な膜形成方法を用いてもよい。続
いて、図7(c)に示したように所定のパターンを有す
るマスク22を用いたレーザ転写加工により所定のパタ
ーンの加工が行われ、図7(d)のようなパターンが得
られる。本実施の形態においてはドーナツ状のパターン
形成例を示している。これらパターンはマスクのパター
ンにより決まり、ドーナツ状以外の様々なパターン形成
が可能である。マスク22はレーザ光21を透過させる
基板(例えばガラスや合成石英などレーザの波長により
適宜選択する)とCr、Al、誘電体多層膜のようなレ
ーザを遮蔽し所定のパターンを形成する部分から構成さ
れている。図7(c)においてレーザ照射された電子放
出抑制部を形成するタングステンや白金は一般的にはレ
ーザ照射のみでは溶融状態になり完全な除去は困難であ
るが、下地にPMMAが存在するとPMMAの急激な加
熱・昇温に伴う爆発的な除去作用によりPMMAと一緒
にカソード表面から除去されることになる。このような
現象はレーザアブレーションと呼ばれ、特に波長の短い
紫外レーザにて顕著に表れるものである。従って、この
加工に用いるレーザとしては中心波長650nm以下、
望ましくは中心波長400nm以下の紫外レーザが適し
ている。一般的にはエキシマレーザもしくはYAGレー
ザの高次の高調波が用いられる。図7(d)で示された
パターンが得られると、図7(e)で示されたようにP
MMA20を除去するための焼成が行われ、所定の電子
放出抑制領域が形成されることになる。PMMA20の
焼成温度は一般的には〜250℃以上の高温で実行され
る。また、図7に示した方法ではレーザを利用した除去
加工により電子放出抑制部を形成したが、PMMAに変
えてレジストを塗布・形成し、露光によって電子放出抑
制領域のレジストを除去し、その後にタングステン、白
金などの電子放出抑制材料を前面に形成し、エッチング
でレジストとその上に形成された電子放出抑制材料を除
去する、いわゆるフォトリソグラフィーを用いた方法で
製造することも可能である。その他、有機膜としてはP
MMAのみならず、レーザ光の吸収が大きな材料ならば
他の膜でもよく、例えばポリイミド膜やポリスルフォン
膜のようなものでもよい。さらに図7に示したレーザ加
工においてはマスクを用いたパターン転写加工の例を示
したが、1本のレーザビームを用いて電子銃上を走査す
る方法でもよい。その場合、電子銃を固定しレーザビー
ムをミラー等で走査してもよいし、レーザビームを固定
し電子銃をステージ等で走査してもよい。図10
(a)、(b)は図1に示された実施の形態における仮
想物点位置(各グリッドにて形成される電子レンズ系に
おける物点位置)での電子ビーム径および電子ビームの
発散角と電子放出抑制領域の大きさの関係を計算によっ
て求めた図で、図10(a)において黒丸と点線で示し
たものが電子放出抑制領域の大きさと最大発散角の関係
を示す図であり、×印と実線で示したものが電子放出抑
制領域の大きさと最大ビーム径の関係を示す図である。
図10(b)は縦軸に最大ビーム径と最大発散角の積を
用い、電子放出抑制領域の大きさとの関係を示す図であ
る。図10(a)から分かるように電子放出抑制領域が
小さいと電子ビーム径が十分に絞られず、逆に電子放出
抑制領域が大きいとカソード中心から離れた部分から電
子放出されることになるため電子ビームの発散角が大き
くなる。そのため、図10(b)に示されたように電子
放出抑制領域の大きさは最大ビーム径と最大発散角の関
係から最適値を持つことになる。本実施例においては図
10(b)から、電子放出抑制領域半径は約60μmを
中心としてほぼ40μm〜120μm程度にすることが
望ましいことが分かる。図11(a),(b)に、電子
放出抑制領域半径を約70μmとした、図1に示した本
発明に係る電子銃にて得られた、ドライブ特性を示す。
図11(a)はドライブ電圧とエミッション電流の関係
を示す図で、図中実線で示されたAが本発明により得ら
れた特性で、図中点線で示されたBが従来の中実ビーム
電子銃の特性である。本発明により従来の中実ビーム電
子銃で、40Vのドライブ電圧で得られていたエミッシ
ョン電流値は本発明では約30Vのドライブ電圧で得ら
れ、大幅な特性改善が実現されていることが分かる。ま
た、図11(b)はエミッション電流と仮想物点におけ
る電子ビームの半径(=物点半径)の関係を示す図で、
図中実線で示された特性Aが本発明により得られたもの
で、図中実線で示された特性Bが従来の中実ビーム電子
銃の特性である。実用域であるエミッション電流値0.
4mAにおいて物点半径は約10%改善されることが分
かる。次に、図12(a)、(b)に、図1に示した本
発明に係る電子銃にて得られた、仮想物点位置における
半径方向の電子分布及び発散角方向の分布を示した。
(a)、(b)の横軸は各々、中心軸からの位置、発散
角を、縦軸はビーム強度を示す。図中、×は本発明に関
わる電子銃において得られた特性を、黒点は従来の中実
ビーム電子銃において得られた特性を示している。図1
2(a)に示したように、本発明に関わる電子銃におい
ては半径方向のビーム径が小さくなっており、特性向上
していることが分かる。また、図12(b)に示したよ
うに、従来の中実ビーム電子銃において0mradから
55mradの幅を有する発散角が、本発明に関わる電
子銃においては30mradから60mradと狭い範
囲に集中していることが分かる。発散角の分布が狭い範
囲に集中することにより電子ビームの収束性が改善され
エミッタンス特性が向上することを示している。
【0019】以上、この発明に係る電子銃ではレーザ加
工を用いた製造方法にて電子銃のカソード中心からの電
子放出を抑制した高精度な中空ビームが容易に得られる
ことから、ドライブ電圧の低減と電子ビームの収束性改
善を同時に実現する電子銃を、高い量産性をもって製造
することが可能になる。
【0020】実施の形態2 図3、図4はこの発明の実施の形態2である電子銃の構
成を示したものである。図1、2において示された実施
の形態1とほぼ同じ構成で、図3はカソード中央に電子
放出抑制領域を形成した場合、図4はカソード中心を軸
としてドーナツ状に電子放出抑制領域を形成した場合で
あるが、本実施の形態においては実施の形態1にある電
子放出抑制領域7が存在していない。本実施の形態は、
カソード表面に凹部を形成し、この凹部を電子放出抑制
領域として用いるものであり、凹部の溝の深さはグリッ
ド電極との位置関係にもよるが、概ね10μm程度あれ
ばよい。図8に本実施の形態に係る電子銃の製造方法の
一例を示す。図8(a)においてレーザ光21が所定の
パターンを有するマスク22に照射され結像レンズ23
によってカソード4上に像転写され所定の加工が行わ
れ、図8(b)に示された所定の凹凸がカソード上に形
成される。カソード4は白金もしくはタングステンで構
成されており、レーザ光は赤外レーザであってもよい
が、一般的には波長の短いレーザ光の方が吸収が大きい
ため、この加工に用いるレーザとしては中心波長650
nm以下、望ましくは中心波長400nm以下の紫外レ
ーザが適している。一般的にはエキシマレーザもしくは
YAGレーザの高次の高調波が用いられる。この実施例
ではマスクを用いたパターン転写加工例を示したが、マ
スクのない直接描写でも可能であるし、ピンホールパタ
ーンを用いたパターン転写と電子銃を走査させる方法で
も可能である。また、カソード4に凹凸を形成する方法
としては射出成形のような方法でも可能であるし、放電
加工のような方法でも可能であるし、鍛造のような方法
を用いても同様の形状が得られる。本実施の形態におい
ては、実施の形態1のように完全に電子放出が抑制され
る訳ではないが、凹部は凸部に比べ電子放出が抑制され
るため、実施の形態1よりも簡易な構造で擬似的に中空
ビームを得ることができる。
【0021】以上、この発明に係る電子銃では電子銃の
カソード中心に凹部を形成することによって擬似的な中
空ビームが容易に得られ、ドライブ電圧の低減と電子ビ
ームの収束性改善を同時に実現する電子銃を、より低コ
ストかつより高い量産性をもって製造することが可能に
なる。
【0022】実施の形態3 図6、7はこの発明の実施の形態3である電子銃の構造
を示したものである。図において11はベースメタル、
12は含浸カソードを示している。また、図9は本発明
に係る電子銃の製造方法例を示すもので、24はIrビ
ームを示している。本発明に係る電子銃は、カソード取
付基板の表面にベースメタル(タングステンをベースと
しBaO、Ir、Osなどを混練・焼結したもの)を形
成し、その上にIrを含浸させた含浸カソードを形成し
たものである。図6はベースメタルの中心部以外を含浸
カソードとしたもの、図7はベースメタルの中心を軸と
してドーナツ状の含浸カソードを形成したものを示して
いる。図9を用いて製造方法を説明する。図9(a)に
おいて図示されない蒸着源から飛び出したIrビーム2
4が所定のパターンを有したマスク22を通過し、ベー
スメタル22に打ち込まれる。ベースメタルとマスクの
間は通常、ギャップが100μm以下に抑えられて保持
されているが勿論コンタクトしていてもよい。このよう
にして、図9(b)に示されたように所定のパターン形
状の含浸カソードがベースメタル上に形成される。図9
はベースメタル中心を軸としたドーナツ状の含浸カソー
ドの形成方法であるが、マスク22は実施の形態1、2
で示したような基板を持たないため、リング状の含浸カ
ソードは例えば図9(c)に示したように半円形状のマ
スクを用い、Irビームの蒸着を2回の工程に分けるこ
とによって行われる。また、さらに複雑なパターン形状
が必要となる場合にはマスクを交換してIrビームの蒸
着を行ってもよい。図9(c)の工程を繰り返すことに
より図9(d)に示したようなリング状の含浸カソード
が形成される。
【0023】このように、ベースメタルにIrビームを
蒸着することにより所定の形状で電子放出抑制領域を形
成でき、電子銃のカソード中心からの電子放出を抑制し
た高精度な中空ビームが容易に得られ、ドライブ電圧の
低減と電子ビームの収束性改善を同時に実現する電子銃
を、高い量産性をもって製造することが可能になる。
【0024】なお、上記実施の形態1、2、3において
は軸対象性、パターンの簡易さから電子放出抑制領域の
形状は円形もしくはドーナツ形状としているが、これら
形状は効果の程度は異なるが楕円形状であっても、正方
形や長方形、三角形のような形状であっても構わないこ
とは言うまでもない。
【発明の効果】
【0025】以上、この発明に係る電子銃ではレーザ加
工や含浸カソードを用いた簡易な方法にて電子銃のカソ
ード中心からの電子放出を抑制した高精度な中空ビーム
が得られることから、ドライブ電圧の低減と電子ビーム
の収束性改善を同時に実現する電子銃を、高い量産性を
もって製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る電子銃の構成図
である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る電子銃の別構成
図である。
【図3】 本発明の実施の形態2に係る電子銃の構成図
である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る電子銃の別構成
図である。
【図5】 本発明の実施の形態3に係る電子銃の構成図
である。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る電子銃の別構成
図である。
【図7】 本発明の実施の形態1及び2に係る電子銃の
製造方法を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態3及び4に係る電子銃の
製造方法を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態5及び6に係る電子銃の
製造方法を示す図である。
【図10】 本発明に係る電子銃の収束位置における電
子ビーム径・発散角と電子放出抑制領域の関係を示す図
である。
【図11】 本発明に係る電子銃のカソードドライブ特
性及び仮想物点径特性である。
【図12】 本発明に係る電子銃のクロスオーバ地点に
おけるビームプロファイルである。
【図13】 従来の電子銃の構造と電子ビームの軌道を
示す図である。
【図14】 従来の中空ビーム電子銃の構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 G1電極、2 G2電極、3 G3電極、4 カソ
ード、5 電子ビーム軌道、6 電界レンズの等電位
線、7 電子放出抑制領域、11 ベースメタル、12
含浸カソード、15 ヒータ、16 カソード取付基
板、18 電子ビーム軌道中心、20 PMMA、21
レーザ光、22 マスク、23 結像レンズ、24
Irビーム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を内蔵し、かつその一端に支持
    面を備えたカソード支持体と、電子放出性材料からなり
    前記カソード支持体の支持面上に設けられた平板状カソ
    ードを備え、この平板状カソードの表面中央部に電子放
    出抑制領域を設けてなる中空ビーム放出用電子銃。
  2. 【請求項2】 前記電子放出抑制領域が電子放出抑制材
    料からなる請求項1に記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記電子放出抑制材料が白金もしくはタ
    ングステンの膜にて構成されてなる請求項2に記載の電
    子銃。
  4. 【請求項4】 前記電子放出抑制領域は、前記平板状カ
    ソードの表面中央部が薄肉化された凹状電子放出抑制領
    域からなる請求項1に記載の電子銃。
  5. 【請求項5】 加熱手段を内蔵し、かつその一端に支持
    面を備えたカソード支持体と、電子放出抑制材料からな
    り前記カソード支持体の支持面上に設けられた平板状基
    板を備え、この平板状基板はその少なくとも中央領域を
    除く所定領域が電子放出促進材料で含浸されて、前記中
    央領域に電子放出抑制領域を有する平板状カソードを構
    成してなる中空ビーム放出用電子銃。
  6. 【請求項6】 電子放出材料からなる平板状カソード表
    面上に有機膜を形成する工程と、この有機膜上に電子放
    出抑制膜を形成する工程と、この電子放出抑制膜をレー
    ザ照射することにより、前記平板状カソード表面の少な
    くとも中央領域を残して前記電子放出抑制膜を除去する
    工程と、前記平板状カソードを加熱処理することにより
    前記有機膜を除去して、中央部に電子放出抑制領域を備
    えた平板状カソードを得る工程を含む中空ビーム放出用
    電子銃の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記レーザの中心波長が650nm以下
    である請求項5に記載の中空ビーム放出用電子銃の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002052599A1 (fr) * 2000-12-26 2002-07-04 Sony Corporation Structure cathodique, son procede de fabrication, canon electronique et tube cathodique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002052599A1 (fr) * 2000-12-26 2002-07-04 Sony Corporation Structure cathodique, son procede de fabrication, canon electronique et tube cathodique

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