JP2001091497A - フリーフロー電気泳動装置 - Google Patents

フリーフロー電気泳動装置

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JP2001091497A JP27022999A JP27022999A JP2001091497A JP 2001091497 A JP2001091497 A JP 2001091497A JP 27022999 A JP27022999 A JP 27022999A JP 27022999 A JP27022999 A JP 27022999A JP 2001091497 A JP2001091497 A JP 2001091497A
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separation
electrophoresis
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Etsuo Shinohara
悦夫 篠原
Seiji Kondo
聖二 近藤
Nobuyoshi Tajima
信芳 田島
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Technology Research Association of Medical and Welfare Apparatus
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    • GPHYSICS
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    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分取流路を複数接続する場合や、電極部分で
ガスが大量に発生する場合でも、精密な分離を行えるフ
リーフロー電気泳動装置を提供する。 【解決手段】 試料および緩衝液を上流から下流へ流し
ながら、流れと垂直に電圧を印加し電気泳動を行うフリ
ーフロー電気泳動装置において、下流部に設置される複
数の分取流路5(1) 〜5(n+m)の断面および、長さが等
しい構成とする。各分取流路の断面積と長さを同一にし
て圧力損失を均一に揃えられ、これにより、分離部4で
の流れは平行な均一な流れとなり、分離部で分離した試
料を効率よく取り出すことができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気泳動装置、よ
り詳しくは、電気泳動を利用した液体試料の分析、およ
び液体試料中の成分の分離、分取に用いることのできる
フリーフロー電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気泳動は、核酸や酵素等のような液体
試料中の各種成分の成分比の分析や液体試料中の成分毎
の分離・分取に用いられるが、近年、キャピラリ電気泳
動がその分離能力の高さから注目を集めている。キャピ
ラリ電気泳動装置は、キャピラリと高電圧装置と検出器
等からから構成される。キャピラリは本電気泳動装置の
心臓部であり、一般に、溶融石英ガラスを中空円筒状に
細長く引き延ばし、さらにその周囲をポリイミド樹脂で
コーティングすることにより補強したものが用いられ
る。この方法の特徴は直径が150μ以下の細管の中で
分析が行われるため、体積に比し界面の面積の影響が強
い場での分析である。これにより、キャピラリ電気泳動
は界面での電気浸透流を有効に利用した分析方法と言わ
れている。
【0003】また、近年のマイクロマシン技術の発達に
より、上述のキャピラリを使わずにシリコン基板やガラ
ス基板にリソグラフィ技術を用いて溝を形成し、そこで
電気泳動を行うことも試みられるようになっている。こ
の技術を用いることにより自由な形状のキャピラリを形
成することができ、その応用範囲が拡大することが期待
されている。
【0004】一方、電気泳動を利用した試料の前処理シ
ステムにもマイクロマシン技術の応用が試みられるよう
になってきた。“Continuous Sample Pretreatment Usi
ng aFree-Flow Electrophoresis(自由流動電気泳動)
Device Integrated onto aSilicon Chip”Anal. Chem.
(Analytical Chemistry) Vol. 66, 2858 頁−2865頁(19
94) (文献1)、および米国特許第5,180,480 号(文献
2)には、フリーフロー電気泳動を応用した試料の前処
理システムが述べられている。この装置は電気泳動を行
うための緩衝液を連続的に流すための流路とその流路に
対し直角に電場を印加する電極が配置されている。緩衝
液が流れている流路中に試料を滴下すると試料は緩衝液
によって運ばれて行くが、同時に流れと直角方向に電場
を印加することにより泳動が行われ試料が分離される。
【0005】泳動の終了する地点の流路をさらに細分化
し、分離された目的の成分のみを取り出すことにより前
処理が行われる。このように連続的に前処理が行うこと
ができるため、マイクロマシンを技術を用いた微小なシ
ステムでもシステムのサイズを変えることなく必要な試
料量に応じて処理を行うことが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記のよう
に試料および緩衝液を上流から下流へ流しながら、流れ
と垂直に電圧を印加し電気泳動を行うフリーフロー電気
泳動において、本発明者による以下の考察に基づけば、
次のような点が指摘できる。
【0007】(イ)フリーフロー電気泳動による分離を
精密に行うためには、分離部内での試料や緩衝液の流れ
を均一に保つことが重要である。分離部上面と下面の間
隙が小さい場合には上面と下面の表面の影響が流れに強
く作用するため、上面から見た流速分布は放物線で描か
れる分布は示さずプラグフローと言われるような台形状
の流速分布を示す。したがって、上面と下面間隔を均一
に保つことにより、均一な流れを実現することができる
が、分離部に分取用の流路を接続した場合には分取用流
路の流路抵抗が分離部の流れに影響する。このため、分
取用流路の流路抵抗にバラツキがあると分離部での均一
な流れに影響し、ひいては精密な分離ができなくなる。
【0008】(ロ)フリーフロー電気泳動を行う場合、
分離部全体に電圧を印加するため電極表面での水の電気
分解による酸素、または水素ガスが大量に発生する。こ
の発生した気体が滞留し、分離部へ広がると分離部での
液体の流れに影響を及ぼし、分離部での均一な流れに影
響し、ひいては精密な分離ができなくなる。
【0009】よって、望ましのは、分離部下流に分取流
路を複数接続する場合も、これが分離部での均一な流れ
に影響を与えないよう、乃至はその影響を抑えるように
し、もって精密な分離を行えることである。望ましいの
はまた、電極部分で酸素または水素ガスが大量に発生し
ても、これが分離部の流れを乱すのを防止乃至は抑制す
るようにし、もって精密な分離を行えることである。
【0010】本発明は、上述のような考察に基づき、ま
た後述する考察にも基づき、これらの点から改良を加
え、上記の不利等を解消し得て、精密な分離を行うこと
のできるフリーフロー電気泳動装置を提供しようという
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用効果】本発明に
よると、各種成分を含む液体試料および緩衝液を上流か
ら下流へ流しながら、流れと垂直に電圧を印加して、前
記液体試料中の各々の成分が異なる成分を全く含まない
ように電気泳動を行うフリーフロー電気泳動装置におい
て、下流部に設置される複数の分取流路の断面積およ
び、長さが等しいことを特徴とするフリーフロー電気泳
動装置が提供される(請求項1)。
【0012】かかる請求項1の発明においては、分離部
で実現した均一な流れに影響を与えないように分取用流
路を接続するためには個々の分取用流路(5(1) 〜5(n
+m))の流入口と流出口の間で生じる圧力損失を均一に
揃えるのが良いとの着想に基礎をおくものである。たと
えば、中心部の分取用流路の長さが短く、両サイドの分
取用流路の長さが長くなると分取用流路の圧力損失は両
サイドに向かうにつれて大きくなるため、分離部(4)
での流れは中心部に向うことになり分離の効率を減少さ
せることになる。そこで、この問題を解決するためには
分取用流路の断面積と長さを同一にして上述の圧力損失
を均一に揃えるのが良い。このような構造にすることに
より、分離部での流れは平行な均一な流れとなり、分離
部で分離した試料を効率よく取り出すことができるよう
になる(図1(または図2または3))。よって、上記
(イ)で述べた考察点からの改良が図られ、精密な分離
を行うことを可能ならしめる。
【0013】本発明によるとまた、試料および緩衝液を
上流から下流へ流しながら、流れと垂直に電圧を印加し
電気泳動を行うフリーフロー電気泳動装置において、電
気泳動分離部の流れに沿ってその外側に配置される電極
との間に隔壁が設けられ、かつその隔壁の下端と壁面と
の間に微小隙間が設けられていることを特徴とするフリ
ーフロー電気泳動装置が提供される(請求項2)。この
場合において、好ましくは、両側の電極が隔壁の外側に
配置され、かつ上面または下面に形成される構成として
(請求項3)、本発明は実施できる。
【0014】かかる請求項2または請求項3の発明にお
いては、電極(10)で発生した酸素、または水素ガス
が分離部(4)へ拡散しないように隔壁(15)を設け
る。また、ガスは上方へ拡散する性質があるので、隔壁
(15)は上面に取り付け、電極間の電気的な導通を確
保するために隔壁の下端と下面との間に間隙を設ける。
電極は上面または下面に形成してもよいが、上面に形成
した方が望ましい。このような構造にすることにより、
電極で発生した気泡は分離部へ拡散することなく、電極
部に繋がる流出口(5(1) ,5(n+m))から効率的に排
出することができる。したがって、分離部での均一な流
れを阻害することなく精密な分離を実現することができ
る(図2)。よって、上記(ロ)で述べた考察点からの
改良が図られ、精密な分離を行うことを可能ならしめ
る。
【0015】本発明によってまた、試料および緩衝液を
上流から下流へ流しながら、流れと垂直に電圧を印加し
電気泳動を行うフリーフロー電気泳動装置において、電
気泳動分離部の流れに沿ってその外側の上壁面に窪みが
形成され、その窪み上面または底面に電極が形成される
ことを特徴とするフリーフロー電気泳動装置が提供され
る(請求項4)。
【0016】かかる請求項4の発明にあっては、電極
(8)で発生した酸素、または水素ガスが滞留し、分離
部(4)へ拡散しないようにするため、 電極部の上面部
に窪み(11)を設ける。電極部で発生したガスは上面
に形成された窪みに滞留し、その窪みに連通した流出口
(5(1) ,5(n+m))を通して外部に排出される。窪み
部は分離部に比べ液が流動しやすく、注入口付近では電
極部に向かう外向きの流れが生じるが、一定距離流れる
と分離部と電極部の断面積に比例した均一の流れを作る
ことができる。したがって、一定距離流れた後で分離を
開始すると分離部での均一な流れを阻害することなく精
密な分離を実現することができる(図3)。よって、請
求項2、3とは異なる手段ながらも、同様に、上記
(ロ)で述べた考察点からの改良が図られ、精密な分離
を行うことを可能ならしめる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。ここに、図面中、図1は、本発明の
フリーフロー電気泳動装置の第1の実施の形態を示し、
図2は第2の実施の形態(同図(b)は、同図(a)の
A−A線相当個所の断面図)を、図3は第3の実施の形
態(同図(b)は、同図(a)のA−A線相当個所の断
面図)を示す。本発明に従う各実施の形態は、いずれ
も、試料および緩衝液を上流から下流へ流しながら、流
れと垂直に電圧を印加し電気泳動を行うフリーフロー電
気泳動装置である。
【0018】第1の実施の形態のものは、次のように構
成されている。すなわち、本装置は、基本的には、2つ
のガラス基板を用いて構成することができ、図1に示す
ごとく、図中、参照符号2を付して表す形状部分(後述
の分取用流路部分の形状を含む)が、ガラス基板に、図
に示される形状にエッチングされ、そのエッチングされ
た部分(エッチングが下部側のガラス基板を対象になさ
れる構成を採用する場合には、そのエッチングされた部
分の上面側(図3(b)参照)、エッチングが上部側の
ガラス基板を対象になされる構成を採用する場合には、
そのエッチングされた部分の下面側(図2(b)参
照))は他のガラス基板で覆われる。エッチングの深さ
は、1mm以下である。
【0019】図1中、矢印P1,P2,P3は,分離部
4を流れる液体の方向を示したものである。分離部4に
は、流れの方向(矢印P1,P2,P3)に沿って、分
離部4の両側部に電極3,3を設ける。該電極3,3に
より、流れと垂直に電圧を印加することができる。
【0020】参照符号5を付して全体を示す分取用の流
路は、分離部4に接続されており、図に示されるように
多数の分取用流路5(1) , 5(2) , ・・・,5(n) ,・
・・, 5(n+m −1 ),5(n+m)を形成する場合には、外
部との接続のし易さを考慮して外向きに各々の分取用流
路が離間するような構造が便利である。ここに、各々の
分取用流路5(1) , 5(2) , ・・・,5(n) ,・・・,
5(n+m −1 ),5(n+m)は、その断面と長さが等しくな
るように形成する。
【0021】このようにするのは、以下の観点によるも
のである。先にも、触れたように、フリーフロー電気泳
動による分離を精密に行うためには分離部4内での試料
や緩衝液の流れを均一に保つ必要がある。分離部4上面
と下面の間隙が小さい場合(前述のように、本装置で
は、分離部4形成のためのエッチングの深さ(分離部深
さ)は1mm以下)には、上面と下面の表面の影響が流れ
に強く作用するため、上面から見た流速分布は放物線で
描かれる分布は示さずプラグフローと言われるような台
形状の流速分布を示す。したがって、上面と下面間隔を
均一に保つことにより、均一な流れを実現することがで
きるが、分離部4に、もし、本発明非採用の状態で単に
分取用の流路(5)を接続した場合には、分取用流路の
流路抵抗が分離部4の流れに影響し、これがため分取用
流路の流路抵抗にバラツキがあると、分離部4での均一
な流れに影響し、ひいては精密な分離ができなくなるこ
とについては、既に述べたとおりである。
【0022】そこで、分離部4で実現した均一な流れに
影響を与えないように所要の複数の分取用流路を接続す
るためには、下流部に設置される個々の分取用流路5
(1) ,5(2) , ・・・,5(n) ,・・・, 5(n+m −1
),5(n+m)の流入口と流出口の間で生じる圧力損失を
均一に揃える必要があるとの着想を得たものである。す
なわち、もし、たとえば、中心部の分取用流路(流路5
(n) 近傍)の長さが短く、両サイドの分取用流路(流路
5(1) , 5(2) ,・・、流路5(n+m),5(n+m −1 )
・・)の長さが長くなると、分取用流路の圧力損失は、
両サイド(流路5(1) 側、流路5(n+m)側)に向かうに
つれて大きくなるため、分離部4での流れは中心部(流
路5(n) 近傍)に向うことになり、分離の効率を減少さ
せることになる。
【0023】かくして、これを解決せんとして、配置す
る各分取用流路の断面積と長さを同一にして上述の圧力
損失を均一に揃える必要があるとの着想のもと、これを
具現化するべく、各々の分取用流路5(1) , 5(2) , ・
・・,5(n) ,・・・, 5(n+m −1 ),5(n+m)はその
断面と長さが等しくなるように形成するようにしたもの
であり、このように形成されているため、図1中参照符
号aで示される鎖線位置(分取流路流入口側)と参照符
号bで示される鎖線位置(分取流路流出口側)での圧力
損失は全て等しくなる。結果、このような構造とするこ
とにより、分離部4での流れは平行な均一な流れとな
り、分離部4で分離した試料を効率よく取り出すことが
できるようになる。それゆえにまた、本フリーフロー電
気泳動装置によれば、精密な分離を実現することもでき
る。
【0024】次に、このフリーフロー電気泳動装置を用
いた使用方法を述べる。電気泳動での分離に用いる緩衝
液を矢印P1,P2,P3で示すように流しながら、た
とえば矢印P1の上端に位置する部分から試料を注入す
る。ここに、分離部深さは1mm以下であるため緩衝液を
層流で流すことができ、このため緩衝液と注入した試料
との混合を最小にすることができる。したがって、電極
3,3に電圧を印加しない場合には試料中の成分の分離
は生じないため、試料は緩衝液と混合することなく矢印
P1で示される流れになり、そのまま矢印P1に繋がる
流出用流路に5(n) を通して排出される。
【0025】一方、電極3,3に電圧を印加すると試料
は流れに対し垂直方向に分離され、流出口に向かって流
れるに従って次第に分離の間隔が広がって行く。本発明
に従う本第1の実施の形態では、各々の流出用流路(5
(1) , 5(2) , ・・・,5(n) ,・・・, 5(n+m −1
),5(n+m))の圧力損失は均一になるように構成され
ているため、分離部4での分離が維持され流出用流路の
流入部に正確に流れ込むことができる。したがって、本
発明に従う本第1の実施の形態により分離部4で分離さ
れた試料を特定の流出口を選択することにより、簡単に
目的成分を取り出すことができるようになる。
【0026】〔第1の実施の形態の変形例等〕本発明の
第1の実施の形態は、上述した以外にも種々の変形、変
更が可能である。たとえば、本実施の形態では流出用流
路の形状は直線状であるが、各々の流出用流路の圧力損
失が均一であれば、曲線状でも折れ曲がった形状でもよ
い。本発明は、このようにして実施することもできる。
【0027】次に、図2(a),(b)に示す本発明の
フリーフロー電気泳動装置の第2の実施の形態は、上記
第1の実施の形態と同様、試料および緩衝液を上流から
下流へ流しながら、流れと垂直に電圧を印加し電気泳動
を行うフリーフロー電気泳動の場合であるが、本実施の
形態では、かかる装置において、電気泳動分離部の流れ
に沿ってその外側に配置される電極との間に隔壁を設
け、かつその隔壁の下端と壁面との間に微小隙間を設け
ようというものである。なお、図示例では、上記第1の
実施の形態による構成をも加味してあり、したがって、
複数の流出用流路(5(1) , 5(2) , ・・・,5(n) ,
・・・, 5(n+m −1 ),5(n+m))等の前述したのと共
通の構成部分、それに基づく作用効果については、同様
であるためその詳細な説明は省略する(この点は、第3
の実施の形態でも同様である)。以下、本実施の形態
(第2の実施の形態)の要部について説明する。
【0028】本実施の形態によるのものは、次のように
構成されている。すなわち、図2に示すごとく、ガラス
基板に、参照符号2で示される形状にエッチングされ、
そのエッチング部分は他のガラス基板で覆われている。
具体的には、図2(a)は、同図(b)における上側の
ガラス基板16をそのエッチング面側からみたものに相
当し、したがって、ガラス基板16に所要の分離部深さ
(前述と同様1mm以下でよい)が得られるようエッチ
ングにより分離部4が形成され、その部分の下面側が下
部ガラス基板17によって覆われている構成である。
【0029】さらに、分離部4と電極部(電極10)と
の間には、隔壁15が設けられている。かくして、ここ
では、両側の電極10,10が隔壁15,15の外側に
配置されている。この隔壁15,15はガラス基板16
に接続し、下端と下部ガラス基板17との間には間隙が
ある。
【0030】これも、先にも触れたように、フリーフロ
ー電気泳動を行う場合、図2(a)にも示されるごと
く、分離部4全体に電圧を印加するため電極表面での水
の電気分解による酸素、または水素ガスが大量に発生
し、かくて、この発生した気体が滞留し、分離部4へ広
がると、この面から、分離部4での液体の流れに影響を
及ぼし、結果、分離部4での均一な流れに影響し、ひい
ては精密な分離ができなくなる。本実施の形態は、特
に、このような点に着目したものである。
【0031】そこで、ここでは、電極10,10で発生
した酸素、または水素ガスが分離部4へ拡散しないよう
に隔壁15,15を設け、また、ガスは上方へ拡散する
性質があるので、隔壁15,15は上面に取り付け、電
極10,10間の電気的な導通を確保するために隔壁1
5,15の下端と下面との間に間隙を設けることとした
ものである。
【0032】ここで、間隙については微小隙間とし、具
体的には、本例において、間隙の大きさは1〜500μ
m であり、 もし、1 μm 以下にするとその部分の液抵抗
が高くなり、分離部4に掛かる電圧の分圧が低くなるた
め分離の効率が低下する。他方また、 もし、500μm
以上の間隙を明けると電極部で発生したガスが分離部4
へ拡散しやすくなる。よって、これらの観点から、分離
部深さが1mm以下の本実施の形態において、上述のよ
うな範囲のものに選定すると良い。また、電極10,1
0については、これはガラス基板16または下部ガラス
基板17(したがって、上面かまたは下面)のどちらに
形成してもかまわないが、望ましくはガラス基板16
(したがって、上面)に形成した方が、分離部4への拡
散を防止しやすい。
【0033】使用方法については、第1の実施の形態で
述べた方法と同様であるが、本実施の形態では、さら
に、電極10,10により発生したガスを効率よく外部
に排出することができる。すなわち、電極10,10で
発生した酸素、または水素ガスは隔壁15,15のため
に分離部4に拡散することなくガラス基板16の電極周
辺に留まり、電極10,10に沿って流れる緩衝液に運
ばれて、電極部に繋がる流路5(1) , 5(n+m)を通して
外部に排出される。このため、電極10,10による電
極部で大量のガスが生成されるにもかかわらず、分離部
4の流れを乱すことがないので精密な分離が可能とな
る。かくて、前述した第1の実施の形態の場合の作用効
果に加えて、さらにまた、電極10、10で発生した気
泡は分離部4へ拡散することなく、電極部に繋がる流出
口から効率的に排出することができ、したがって、かか
る第1の実施の形態によっても、分離部4での均一な流
れを阻害することなく精密な分離を実現することができ
る。したがってまた、本発明に従う第2の実施の形態よ
り分離部4で分離された試料を特定の流出口を選択する
ことにより、簡単に目的成分を取り出すことができるよ
うになる。
【0034】〔第2の実施の形態の変形例等〕本発明の
第2の実施の形態は、上述した以外にも種々の変形、変
更が可能である。たとえば、本実施の形態においては隔
壁15,15の高さを分離部4の深さより小さくして、
隔壁15,15の下端と下部ガラス基板17との間に間
隙を構成したが、隔壁15,15の高さを分離部4の深
さと同一にして隔壁15,15の下端と相対する下部ガ
ラス基板17の部分をエッチングにより窪みを形成し
て、間隙を形成しても良い。このような構造にすると、
分離部4の形成と隔壁15の形成をエッチングにより同
時に行うことができる。本発明は、このようにして実施
することもできる。
【0035】次に、図3(a),(b)に示す本発明の
フリーフロー電気泳動装置の第3の実施の形態は、上記
第2の実施の形態の場合と同様の発想によるものであっ
て、電気泳動分離部の流れに沿ってその外側の上壁面に
窪みが形成され、その窪み上面または底面に電極が形成
されるようにして、同じような狙いを達成しようという
ものである。以下、本実施の形態(第3の実施の形態)
の要部について説明する。
【0036】本実施の形態によるのものは、次のように
構成されている。図3に示すごとく、ガラス基板に、参
照符号2で示される形状にエッチングされ、そのエッチ
ング部分は他のガラス基板で覆われている。具体的に
は、ここでは、下側のガラス基板13に所要の分離部深
さ(前述と同様1mm以下でよい)が得られるようエッ
チングにより分離部4を形成し、その上面が上側のガラ
ス基板14によって覆われる構成とすることができる
(図3(b))。一方、電極部はガラス基板14に溝1
1,11を穿つことにより形成される。そして、溝1
1,11により形成される窪み部分に電極8,8が配さ
れる。
【0037】本実施の形態では、こうして、電極8,8
で発生する酸素、または水素ガスが滞留し、分離部4へ
拡散しないようにするため、 電極部の上面部に窪みを設
ける構成を採用するものであり、かくして、電極部で発
生したガスは上面に形成された窪みに滞留し、その窪み
に連通した流出口を通して外部に排出されることとな
る。この場合において、窪み部は分離部4に比べ液が流
動しやすく、注入口付近では電極部に向かう外向きの流
れが生じるが、一定距離流れると分離部4と電極部の断
面積に比例した均一の流れを作ることができる。したが
って、一定距離流れた後で分離を開始すると、やはり、
分離部4での均一な流れを阻害することなく精密な分離
を実現することができる。
【0038】電極8,8の配置態様については、電極8
はガラス基板14または下部ガラス基板13のどちらに
形成しても良いが、 望ましくは、図3(b)に示すごと
くに、ガラス基板14に形成した方が、分離部4への拡
散を防止しやすい。
【0039】使用方法については、これも、第1の実施
の形態で述べた方法と同様であるが、本実施の形態で
は、さらに、電極8,8により発生したガスを効率よく
外部に排出することができる。すなわち、電極8,8で
発生した酸素、または水素ガスは溝11,11のために
分離部4に拡散することなくガラス基板14の電極8,
8周辺に留まり、電極8,8に沿って流れる緩衝液に運
ばれて、電極部に繋がる流路5(1) , 5(n+m)を通して
外部に排出される。このため、電極部8,8で大量のガ
スが生成されるにもかかわらず、分離部4の流れを乱す
ことがないので精密な分離が可能となる。よって、前述
した第1の実施の形態の場合の作用効果を奏することが
できる上、本実施の形態によっても、上記第2の実施の
形態とは異なる手段ながら、同様の狙いが達成できる。
したがってまた、本発明に従う第3の実施の形態により
分離部4で分離された試料を特定の流出口を選択するこ
とにより、簡単に目的成分を取り出すことができるよう
になる。本発明は、このようにして実施することもでき
る。
【0040】なお、本発明は、以上の実施の態様に限定
されるものではない。たとえば、第2、第3の実施の形
態それぞれは、第1の実施の形態のものに加えて、さら
に当該第2、第3の実施の形態による構成を併用した例
について説明されているが、もとより、それら第2、第
3の実施の形態は、それぞれ単独(前記の〔第2の実施
の形態の変形例等〕も含む)で実施してもその構成に基
づく作用効果を得られるものであり、したがって、その
ようにして実施することを妨げるものではないことは、
いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフリーフロー電気泳動装置の第1の
実施の形態を示す図である。
【図2】 本発明のフリーフロー電気泳動装置の第2の
実施の形態を示す図である。
【図3】 本発明のフリーフロー電気泳動装置の第3の
実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
3 電極 4 分離部 5, 5(1) , 5(2) ,・・・5(n+m) 分取用流路(流
出用流路;排出口) 8 電極 10 電極 11 溝(窪み) 13 ガラス基板(下部ガラス基板) 14 ガラス基板 15 隔壁 16 ガラス基板 17 ガラス基板(下部ガラス基板)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種成分を含む液体試料および緩衝液を
    上流から下流へ流しながら、流れと垂直に電圧を印加し
    て、前記液体試料中の各々の成分が異なる成分を全く含
    まないように電気泳動を行うフリーフロー電気泳動装置
    において、下流部に設置される複数の分取流路の断面積
    および、長さが等しいことを特徴とするフリーフロー電
    気泳動装置。
  2. 【請求項2】 試料および緩衝液を上流から下流へ流し
    ながら、流れと垂直に電圧を印加し電気泳動を行うフリ
    ーフロー電気泳動装置において、電気泳動分離部の流れ
    に沿ってその外側に配置される電極との間に隔壁が設け
    られ、かつその隔壁の下端と壁面との間に微小隙間が設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載のフリー
    フロー電気泳動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、両側の電極が隔壁の
    外側に配置され、かつ上面または下面に形成されている
    ことを特徴とするフリーフロー電気泳動装置。
  4. 【請求項4】 試料および緩衝液を上流から下流へ流し
    ながら、流れと垂直に電圧を印加し電気泳動を行うフリ
    ーフロー電気泳動装置において、電気泳動分離部の流れ
    に沿ってその外側の上壁面に窪みが形成され、その窪み
    上面または底面に電極が形成されることを特徴とする請
    求項1に記載のフリーフロー電気泳動装置。
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