JP2001090700A - ジェットポンプ - Google Patents

ジェットポンプ

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JP2001090700A
JP2001090700A JP27147299A JP27147299A JP2001090700A JP 2001090700 A JP2001090700 A JP 2001090700A JP 27147299 A JP27147299 A JP 27147299A JP 27147299 A JP27147299 A JP 27147299A JP 2001090700 A JP2001090700 A JP 2001090700A
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discharge
jet pump
pipe
injection nozzle
water supply
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Takehiro Kosugi
建博 小杉
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体中に埋没させ、周囲の流体を吸引させ、
大流量の流体を吐出させるのに適したジェットポンプを
提供する。 【解決手段】 噴射ノズルと、流入口が噴射ノズルの吐
出口に隙間を隔てて正対するベンチュリ管とを備え、噴
射ノズルの吐出口とベンチュリ管の流入口との間の隙間
の外周が外部空間に開放されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジェットポンプに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、ノズル1から吐出さ
せた高速流体を、ノズル1から隙間を隔てて配設したベ
ンチュリ管2へ流入させ、ベンチュリ管2のスロート3
に負圧を発生させ、エジェクタ作用により、貯留タンク
4から管路5を介してベンチュリ管2へ流体を吸い上
げ、ノズル1から吐出させた高速流体と貯留タンク4か
ら吸い上げた流体との混合流体をベンチュリ管2から吐
出させるように構成したジェットポンプが従来から広く
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ジェットポンプを流体
中に埋没させ、周囲の流体を吸引させ、大流量の流体を
吐出させたい場合がある。図1に示す従来型のジェット
ポンプは、ベンチュリ管2の流入口の周囲が、管路5に
連通する部位を除いて閉鎖されているので、流体中に埋
没させても、ジェットポンプ周囲の流体を大流量でベン
チュリ管へ吸引することはできず、大流量で流体を吐出
することはできない。本発明は上記問題に鑑みてなされ
たものであり、流体中に埋没させ、周囲の流体を吸引さ
せ、大流量の流体を吐出させるのに適したジェットポン
プを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために、噴射ノズルと、流入口が噴射ノ
ズルの吐出口に隙間を隔てて正対するベンチュリ管とを
備え、噴射ノズルの吐出口とベンチュリ管の流入口との
間の隙間の外周が外部空間に開放されていることを特徴
とするジェットポンプを提供する。本発明に係るジェッ
トポンプにおいては、噴射ノズルの吐出口とベンチュリ
管の流入口との間の隙間の外周を外部空間に開放してい
るので、ジェットポンプ近傍の流体は、全方位からベン
チュリ管へ自由に流入することができる。この結果、エ
ジェクタ作用によりベンチュリ管へ吸引される流体の流
量が増加する。従って、本発明に係るジェットポンプ
を、流体中に埋没させ、周囲の流体を吸引させて、大流
量の流体を吐出させることができる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、ジェッ
トポンプの噴射ノズルは、連続した環状の吐出口を有す
る。ジェットポンプの噴射ノズルの吐出口を連続した環
状とすることにより、噴射ノズルから吐出する噴流の外
径が拡大し、噴流に連行されてベンチュリ管へ流入する
洗浄水の流量が増加し、ジェットポンプの洗浄水吐出流
量が増加する。
【0006】本発明の好ましい態様においては、噴射ノ
ズルの連続した環状の吐出口の径方向内方に、噴射ノズ
ルを貫通する流路が形成されている。噴射ノズルを貫通
する流路を介して、噴射ノズルから吐出する筒状の噴流
内ヘ洗浄水が連行される。この結果、噴流に連行されて
ベンチュリ管へ流入する洗浄水の流量が増加し、ジェッ
トポンプの洗浄水吐出流量が増加する。
【0007】本発明の好ましい態様においては、ジェッ
トポンプの噴射ノズルは、環状に配設された複数の吐出
口を有する。環状に配設された複数の吐出口から吐出し
た噴流は合体して筒状の噴流を形成する。噴流が筒状に
なることにより、噴流の外径が拡大し、噴流に連行され
てベンチュリ管へ流入する洗浄水の流量が増加し、ジェ
ットポンプの洗浄水吐出流量が増加する。
【0008】本発明の好ましい態様においては、噴射ノ
ズルの環状に配設された複数の吐出口の径方向内方に、
噴射ノズルを貫通する流路が形成されている。噴射ノズ
ルを貫通する流路を介して、噴射ノズルから吐出する筒
状の噴流内ヘ洗浄水が連行される。この結果、噴流に連
行されてベンチュリ管へ流入する洗浄水の流量が増加
し、ジェットポンプの洗浄水吐出流量が増加する。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記環
状は円環状である。連続した円環状の吐出口は工作が容
易である。円環状に配設された複数の吐出口は工作が容
易である。
【0010】本発明においては、複数の噴射ノズルと、
流入口が噴射ノズルの吐出口に隙間を隔てて正対する複
数のベンチュリ管とを備え、複数の噴射ノズルと複数の
ベンチュリ管とが一体に組み付けられ、噴射ノズル群と
ベンチュリ管群との間の隙間の外周が外部空間に開放さ
れていることを特徴とするジェットポンプを提供する。
本発明に係るジェットポンプは、対峙する一対の噴射ノ
ズルとベンチュリ管とにより形成されるジェットポンプ
の集合体として構成されている。個々のジェットポンプ
がエジェクタ作用により周囲の流体を吸引して吐出する
ので、本発明に係るジェットポンプは、単一のジェット
ポンプに比べて、大流量の流体を吐出することができ
る。噴射ノズル群とベンチュリ管群との間の隙間の外周
を外部空間に開放しているので、ジェットポンプ近傍の
流体は、全方位からベンチュリ管群へ自由に流入するこ
とができる。この結果、エジェクタ作用によりベンチュ
リ管群へ吸引される流体の流量が増加する。従って、本
発明に係るジェットポンプを、流体中に埋没させ、周囲
の流体を吸引させて、大流量の流体を吐出させることが
できる。複数の噴射ノズルと複数のベンチュリ管とを一
体に組み付けることにより、ジェットポンプが堅牢にな
る。
【0011】本発明の好ましい態様においては、ジェッ
トポンプは、給水本管と給水本管の下流端から分岐した
複数の枝管とから成る給水管と、吐出本管と吐出本管の
上流端から分岐した複数の枝管とから成る吐出管とを有
備え、給水管の各枝管の下流端にそれぞれ噴射ノズルが
接続され、吐出管の各枝管の上流端にそれぞれベンチュ
リ管が接続されている。給水管を給水本管と給水本管の
下流端から分岐した複数の枝管とにより構成し、吐出管
を吐出本管と吐出本管の上流端から分岐した複数の枝管
とにより構成することにより、圧力損失の少ないジェッ
トポンプが得られる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、複数の
噴射ノズルの吐出圧が均一である。複数の噴射ノズルの
吐出圧が均一であれば、噴射ノズル群から吐出した噴流
群は偏流することなくベンチュリ管群ヘ流入し、全ての
ベンチュリ管において均等にエジェクタ作用が惹起され
る。この結果、ベンチュリ管群へ吸引される流体の流量
が増加し、ジェットポンプの吐出流量が増加する。
【0013】本発明の好ましい態様においては、吐出管
の複数の枝管の吐出圧が均一である。吐出管の複数の枝
管の吐出圧が均一であれば、吐出本管入口での流れの乱
れの発生が抑制され、吐出本管囲壁からの流れの剥離が
抑制され、剥離による圧力損失の発生が抑制され、ジェ
ットポンプの吐出流量が増加する。
【0014】本発明の好ましい態様においては、ジェッ
トポンプは、給水本管と、給水本管と複数の噴射ノズル
とを接続する給水側マニホールドとから成る給水管と、
吐出本管と、複数のベンチュリ管と吐出本管とを接続す
る吐出側マニホールドとから成る吐出管とを備える。給
水本管と複数の噴射ノズルとを給水側マニホールドを介
して接続し、吐出本管と複数のベンチュリ管とを吐出側
マニホールドを介して接続することにより、ジェットポ
ンプの構造が簡略化され、ジェットポンプの製造コスト
が低減する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例を説明する。
図2、3に示すように、ジェットポンプ6は、外側円筒
61aと、外側円筒61aと同軸に配設された内側円筒
61bとを有する噴射ノズル61を備えている。外側円
筒61aと内側円筒61bとの間に円筒状の流路61c
が形成されている。外側円筒61aは一方の端部へ向け
てテーパしている。外側円筒61aの前記一方の端部と
内側円筒61bの一方の端部との間に、狭幅の連続した
円環状の吐出口61dが形成されている。外側円筒61
aの他方の端部と内側円筒61bの他方の端部との間の
円環状の隙間は、円環状の端壁61eにより閉鎖されて
いる。外側円筒61aに開口61fが形成されている。
外側円筒61aを円環状に取り巻くフランジ61gが外
側円筒61aと一体形成されている。内側円筒61bに
より貫通流路61hが形成されている。
【0016】図2、3に示すように、ジェットポンプ6
はベンチュリ管62を備えている。ベンチュリ管62
は、噴射ノズル61の吐出口61dに隙間Sを隔てて正
対する流入口62aと、スロート62bと、広がり部6
2cと、流出口62dとを有している。ベンチュリ管6
2を円環状に取り巻くフランジ62eがベンチュリ管6
2と一体形成されている。
【0017】図2に示すように、噴射ノズル61とベン
チュリ管62とは、フランジ61g、62eを貫通して
延在する3本のボルト63と、3本のボルト63に螺合
する3個のナット64とにより、一体に組み付けられて
いる。噴射ノズル61とベンチュリ管62とが一体に組
み付けられることにより、ジェットポンプ6は堅牢化し
ている。図2、3から分かるように、噴射ノズル61の
吐出口61dとベンチュリ管62の流入口62aとの間
の隙間Sの外周は、外部空間に開放されている。
【0018】ジェットポンプ6を、水洗便器の洗浄水タ
ンクに貯留した洗浄水中に埋没させて使用する場合を想
定して、ジェットポンプ6の作動を説明する。ジェット
ポンプ6を作動させるために、図示しない水道配管から
図示しない配管を介して、所定水圧の水道水が、ジェッ
トポンプ6の噴射ノズル61ヘ供給される。噴射ノズル
61へ供給された水道水W1は、図3で矢印で示すよう
に、開口61fを通って円筒状流路61cへ流入し、円
筒状流路61cを通り、狭幅の連続した円環状の吐出口
61dから円筒状の高速噴流となって吐出する。
【0019】図3で2重矢印で示すように、貫通流路6
1hを介して、噴射ノズル61の吐出口61dから吐出
する円筒状の水道水W1の高速噴流内ヘ洗浄水W2が連
行される。噴射ノズル61から吐出した円筒状の水道水
W1の高速噴流は、図3で3重矢印で示すように、噴射
ノズル61近傍の洗浄水W2を連行しつつ、噴射ノズル
61の吐出口61dに正対するベンチュリ管62の流入
口62aへ流入する。円筒状の水道水W1の高速噴流と
当該高速噴流に連行された洗浄水W2とが一体となっ
て、ベンチュリ管62のスロート62bを通過し、増速
する。この結果、ベンチュリ管62のスロート62bに
おいて負圧が発生し、エジェクタ作用により、ベンチュ
リ管62近傍の洗浄水W2が、図3で白抜き矢印で示す
ように、ベンチュリ管62の流入口62aへ吸引され
る。スロート62bを通過した高速の水道水W1と洗浄
水W2との混合流体W3は、広がり部62cを通り、圧
力を回復した後、図3で2重白抜き矢印で示すように、
ベンチュリ管62から吐出し、ひいてはジェットポンプ
6から吐出する。ジェットポンプ6から吐出した混合流
体W3は、図示しない配管を介して図示しない便器ヘ導
かれ、当該便器を洗浄する。
【0020】本実施例に係るジェットポンプ6では、水
圧が1kgf/cm2 の水道水W1を25リットル/分
の流量でジェットポンプ6へ供給すると、水圧が0.1
6kgf/cm2 の水道水W1と洗浄水W2との混合流
体が略100リットル/分の流量でジェットポンプ6か
ら吐出することが実験により確認されている。。
【0021】本実施例に係るジェットポンプ6において
は、噴射ノズル61の吐出口61dを円環状にして、噴
射ノズル61から吐出する水道水W1の高速噴流の外径
を拡大させ、水道水W1の高速噴流と洗浄水W2との接
触面積を増大させ、水道水W1の高速噴流に連行されて
ベンチュリ管62へ流入する洗浄水W2の流量を増加さ
せ、ジェットポンプ6の洗浄水吐出流量を増加させてい
る。
【0022】本実施例に係るジェットポンプ6において
は、噴射ノズル61の貫通流路61hを介して、噴射ノ
ズル61から吐出する筒状の水道水W1の高速噴流内ヘ
洗浄水W2を連行させ、水道水W1の高速噴流に連行さ
れてベンチュリ管62へ流入する洗浄水W2の流量を増
加させ、ジェットポンプ6の洗浄水吐出流量を増加させ
ている。
【0023】本実施例に係るジェットポンプにおいて
は、噴射ノズル61の吐出口61dとベンチュリ管62
の流入口62aとの間の隙間Sの外周を洗浄水タンクの
内部空間に開放して、全方位からのベンチュリ管62へ
の洗浄水W2の自由な流入を可能とし、水道水W1の高
速噴流に連行されてベンチュリ管62へ流入する洗浄水
W2の流量と、エジェクタ作用によりベンチュリ管62
へ吸引される洗浄水W2の流量とを増加させ、ジェット
ポンプ6の洗浄水吐出流量を増加させている。
【0024】本発明の第2実施例を説明する。図4に示
すように、本実施例に係るジェットポンプ7は、給水本
管71aと給水本管71aの下流端から分岐した複数の
枝管71bとから成る給水管71を有している。複数の
枝管71bの上流端は密に集合している。図5から分か
るように、給水本管71aの断面積AMSと、枝管71b
の断面積ASSの総和ΣASSとは略等しい。複数の枝管7
1bの下流端は分散している。全ての枝管71bにおい
て、枝管71bの長さLSSと枝管71bの断面積ASS
の比LSS/ASSは一定である。複数の枝管71bは、合
成樹脂製のブロック71c内に形成されている。ブロッ
ク71cは、給水本管71aを有する段付き円筒体71
dに内装されている。
【0025】給水管71の各枝管71bの下流端に、そ
れぞれ噴射ノズル72が接続されている。噴射ノズル7
2は円形の吐出穴72aを有している。複数の噴射ノズ
ル72は面一に配設されている。複数の噴射ノズル72
は、端板73に形成されたネジ穴に螺合しており、端板
73を介して一体化されている。端板73は図示しない
ネジにより、給水管71の段付き円筒体71dに固定さ
れている。図6に示すように、複数の噴射ノズル72
は、正面視で略円形の噴射ノズル群Σ72を形成するよ
うに配設されている。
【0026】図4に示すように、ジェットポンプ7は、
吐出本管74aと吐出本管74aの上流端から分岐した
複数の枝管74bとから成る吐出管74を有している。
複数の枝管74bの下流端は密に集合している。図7か
ら分かるように、吐出本管74aの断面積AMDと、枝管
74bの断面積ASDの総和ΣASDとは略等しい。複数の
枝管74bの上流端は分散している。全ての枝管74b
において、枝管74bの長さLSDと枝管74bの断面積
SDとの比LSD/ASDは一定である。複数の枝管74b
は、合成樹脂製のブロック74c内に形成されている。
ブロック74cは、吐出本管74aを有する段付き円筒
体74dに内装されている。
【0027】吐出管74の各枝管74bの上流端に、そ
れぞれベンチュリ管75が接続されている。ベンチュリ
管75は円形の流入口75aとスロート75bと広がり
部75cとを有している。複数のベンチュリ管75は面
一に配設されている。複数のベンチュリ管75は、端板
76を切削加工することにより形成されており、端板7
6を介して一体化されている。端板76は図示しないネ
ジにより、吐出管74の段付き円筒体74dに固定され
ている。図8に示すように、複数のベンチュリ管75
は、正面視で略円形のベンチュリ管群Σ75を形成する
ように配設されている。
【0028】図4に示すように、複数のベンチュリ管7
5の流入口75aは、複数の噴射ノズル72の吐出口7
2aに、隙間Sを隔てて正対している。対峙する一対の
噴射ノズル72とベンチュリ管75とにより1個のジェ
ットポンプが形成されている。従って、ジェットポンプ
7は、複数のジェットポンプの集合体として構成されて
いる。図4、6、8から分かるように、噴射ノズル群Σ
72とベンチュリ管群Σ75との間の隙間Sの外周は、
外部空間に開放されている。図4、6、8に示すよう
に、給水管71と、噴射ノズル72と、ベンチュリ管7
5と、吐出管74とは、端板73と端板76とに螺合す
る複数のボルト77と、各ボルト77に螺合する一対の
ナット78とにより、一体に組付けられている。
【0029】第1実施例と同様に、ジェットポンプ7
を、水洗便器の洗浄水タンクに貯留した洗浄水中に埋没
させて使用する場合を想定して、ジェットポンプ7の作
動を説明する。ジェットポンプ7を作動させるために、
図示しない水道配管から図示しない配管を介して、所定
水圧の水道水が、ジェットポンプ7ヘ供給される。ジェ
ットポンプ7ヘ供給された水道水W1は、図4で矢印で
示すように、給水管71の給水本管71aへ流入し、給
水本管71aの下流端から複数の枝管71bヘ流入す
る。水道水W1は、図4で矢印で示すように、複数の枝
管71bを通り、複数の噴射ノズル72から高速噴流と
なって吐出する。
【0030】図4で2重矢印で示すように、複数の噴射
ノズル72から吐出した水道水W1の高速噴流は、噴射
ノズル72近傍の洗浄水W2を連行しつつ、対峙する複
数のベンチュリ管75へ流入する。水道水W1の高速噴
流と連行された洗浄水W2とが一体となって、ベンチュ
リ管75のスロート75bを通過し、増速する。この結
果、ベンチュリ管75のスロート75bにおいて負圧が
発生し、エジェクタ作用により、図4で白抜き矢印で示
すように、ベンチュリ管75近傍の洗浄水W2が、ベン
チュリ管75の流入口75aへ吸引される。スロート7
5bを通過した高速の水道水W1と洗浄水W2との混合
流体は、広がり部75cを通り、圧力を回復した後、吐
出管74の枝管74bヘ流入する。水道水W1と洗浄水
W2との混合流体は、枝管74bを通って本管74aへ
流入し、図4で2重白抜き矢印で示すように、本管74
aを通って、ジェットポンプ7から吐出する。ジェット
ポンプ7から吐出した混合流体は、図示しない配管を通
って図示しない便器へ供給され、当該便器を洗浄する。
【0031】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、ジェットポンプの集合体を形成する複数のジェット
ポンプが、それぞれエジェクタ作用により周囲の洗浄水
W2を吸引して吐出するので、単一のジェットポンプに
比べて大流量の水道水W1と洗浄水W2との混合流体を
吐出することができる。本実施例に係るジェットポンプ
7では、水圧が1kgf/cm2 の水道水を25リット
ル/分の流量でジェットポンプ7へ供給すると、水圧が
0.16kgf/cm2 の水道水W1と洗浄水W2との
混合流体が80〜100リットル/分の流量でジェット
ポンプ7から吐出することが実験により確認されてい
る。
【0032】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、給水管71を、給水本管71aと給水本管71aの
下流端から分岐した複数の枝管71bとにより構成し、
吐出管74を吐出本管74aと吐出本管74aの上流端
から分岐した複数の枝管74bとにより構成するので、
例えば、枝管71b、74bを一旦マニホールドに接続
し、当該マニホールドを給水本管71a、吐出本管74
aに接続する場合等に比べて、圧力損失が少ない。マニ
ホールドを使用すると、流路面積の急激な拡大に伴う流
れの流路囲壁からの剥離による圧力損失が発生する。
【0033】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、噴射ノズル群Σ72とベンチュリ管群Σ75との間
の隙間Sの外周を洗浄水タンクの内部空間に開放してい
るので、全方位からのベンチュリ管群Σ75への洗浄水
W2の自由な流入が可能となり、エジェクタ作用により
ベンチュリ管群Σ75へ吸引される洗浄水W2の流量が
増加する。この結果、ジェットポンプ7の洗浄水吐出流
量が増加する。
【0034】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、給水管71の給水本管71aの断面積AMSと、給水
管71の枝管71bの断面積ASSの総和ΣASSとを略等
しくして、流路面積の急激な拡大に伴う流れの流路囲壁
からの剥離による圧力損失の発生と、流路面積の過大な
縮小に伴う流路囲壁の摩擦による圧力損失の増大とを抑
制し、噴射ノズル群Σ72の吐出圧の低下を抑制し、ジ
ェットポンプ7の洗浄水吐出流量の増加を図っている。
【0035】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、複数の噴射ノズル72を面一に配設し、対峙する複
数のベンチュリ管75も面一に配設して、ジェットポン
プ7の構造を簡略化し、ジェットポンプ7の製造を容易
にしている。複数の噴射ノズル72を面一に配設する
と、図4から分かるように、給水管71の全ての枝管7
1bの長さLSSを等しくすることは不可能になる。この
場合でも、LSS/ASS=一定であれば、全ての枝管71
bの囲壁の摩擦による圧力損失を等しくすることができ
る。この結果、全ての噴射ノズル72の吐出圧が等しく
なるので、噴射ノズル群Σ72から吐出した噴流群は偏
流することなくベンチュリ管群Σ75ヘ流入し、全ての
ベンチュリ管75において均等にエジェクタ作用が惹起
される。この結果、ベンチュリ管群Σ75へ吸引される
洗浄水W2の流量が増加し、ジェットポンプ7の洗浄水
吐出流量が増加する。
【0036】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、吐出管74の吐出本管74aの断面積AMDと、吐出
管74の枝管74bの断面積ASDの総和ΣASDとを略等
しくして、流路面積の急激な拡大に伴う流れの流路囲壁
からの剥離による圧力損失の発生と、流路面積の過大な
縮小に伴う流路囲壁の摩擦による圧力損失の増大とを抑
制し、ジェットポンプ7の吐出圧の低下を抑制し、ジェ
ットポンプ7の洗浄水吐出流量の増加を図っている。
【0037】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、複数の噴射ノズル72を面一に配設し、対峙する複
数のベンチュリ管75も面一に配設して、ジェットポン
プ7の構造を簡略化し、ジェットポンプ7の製造を容易
にしている。複数のベンチュリ管75を面一に配設する
と、図4から分かるように、吐出管74の全ての枝管7
4bの長さLSDを等しくすることは不可能になる。この
場合でも、LSD/ASD=一定であれば、全ての枝管74
bの囲壁の摩擦による圧力損失を等しくすることができ
る。この結果、吐出管74の吐出本管74aの入口での
洗浄水流の乱れの発生が抑制され、吐出本管74aの囲
壁からの流れの剥離が抑制され、剥離による圧力損失の
発生が抑制され、ジェットポンプ7の吐出圧の低下が抑
制され、ジェットポンプ7の洗浄水吐出流量が増加す
る。
【0038】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、図6から分かるように、複数の噴射ノズル72を、
正面視で円形の噴射ノズル群Σ72を形成するように配
設して、噴射ノズル群Σ72の正面視での面積を最小に
している。この結果、ジェットポンプ7が小型化され
る。
【0039】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、給水管71と、噴射ノズル72と、ベンチュリ管7
5と、吐出管74とを一体に組付けて、ジェットポンプ
7の堅牢化を図っている。
【0040】本実施例に係るジェットポンプ7において
は、複数の枝管71b、74bを、合成樹脂製のブロッ
ク71c、74c内に形成することにより、複数の枝管
71b、74bを一体化し、ジェットポンプ7の堅牢化
を図っている。
【0041】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上記実施例に限定されない。第1実施例においては、
噴射ノズル61の吐出口61dを狭幅の連続した円環状
としたが、噴射ノズル61の吐出口61dの形状は、狭
幅の連続した円環状に限定されない。狭幅の楕円環状、
長円環状、多角環状、その他狭幅の任意形状の環状であ
っても良い。但し、円環状の吐出穴61dは工作が容易
であるという利点を有する。
【0042】第1実施例においては、噴射ノズル61の
吐出口61dを狭幅の連続した円環状としたが、吐出口
61dを環状に配設された複数の吐出口の集合体として
形成しても良い。環状に配設された複数の吐出口から吐
出した水道水W1の高速噴流は合体して筒状の高速噴流
を形成する。筒状になることにより、水道水W1の高速
噴流の外径が拡大し、水道水W1の高速噴流と洗浄水W
2との接触面積が増大し、水道水の高速噴流に連行され
てベンチュリ管62へ流入する洗浄水W2の流量が増加
し、ジェットポンプ6の洗浄水吐出流量が増加する。複
数の吐出口の配設形状は、円環状でも良く、楕円環状、
長円環状、多角環状、その他任意形状の環状であっても
良い。但し、円環状の配設は工作が容易であるという利
点を有する。
【0043】第2実施例において、図9に示すように、
給水管71の複数の枝管71bを球分形状に集合させて
も良い。複数の枝管71bを球分形状に集合させると、
全ての枝管71bの長さLSSを等しくすることができ
る。従って、枝管71bの断面積ASSを等しくすること
により、容易に、全ての枝管71bの囲壁の摩擦による
圧力損失を等しくすることができ、全ての噴射ノズル7
2の吐出圧を等しくすることができ、ジェットポンプ7
の洗浄水吐出流量を増加させることができる。
【0044】第2実施例において、図10に示すよう
に、複数の噴射ノズル72を、正面視で長方形の噴射ノ
ズル群Σ72を形成するように配設しても良い。複数の
噴射ノズル72を、正面視で長方形の噴射ノズル群Σ7
2を形成するように配設すれば、ベンチュリ管群Σ75
も正面視で長方形となる。正面視が長方形のベンチュリ
管群Σ75においては、正面視が円形のベンチュリ管群
Σ75に比べて、群中心部のベンチュリ管75から群周
縁までの距離が短いので、群中心部のベンチュリ管75
へ吸引される洗浄水W2の流量が増加する。この結果、
正面視が円形の噴射ノズル群Σ72を使用する場合に比
べて、ジェットポンプ7の洗浄水吐出流量が増加する。
【0045】第2実施例において、図11に示すよう
に、ジェットポンプ7の給水本管71aと複数の噴射ノ
ズル72とを円錐台形状の給水側マニホールド71eを
介して接続し、複数のベンチュリ管75と吐出本管74
aとを円錐台形状の吐出側マニホールド74eを介して
接続して良い。上記構成により、ジェットポンプ7の構
造が簡略化され、ジェットポンプ7の製造コストが低減
する。
【0046】
【発明の効果】上記説明から分かるように、本発明に係
るジェットポンプにおいては、噴射ノズルの吐出口とベ
ンチュリ管の流入口との間の隙間の外周を外部空間に開
放しているので、ジェットポンプ近傍の流体は、全方位
からベンチュリ管へ自由に流入することができる。この
結果、エジェクタ作用によりベンチュリ管へ吸引される
流体の流量が増加する。従って、本発明に係るジェット
ポンプを、流体中に埋没させ、周囲の流体を吸引させ
て、大流量の流体を吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来構造のジェットポンプの側断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るジェットポンプの外
観図である。(a)は側面図であり、(b)は(a)の
a−a矢視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るジェットポンプの側
断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るジェットポンプの側
断面図である。
【図5】図4のa−a矢視図である。
【図6】図4のb−b矢視図である。
【図7】図4のc−c矢視図である。
【図8】図4のd−d矢視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るジェットポンプの部
分側断面図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るジェットポンプの
噴射ノズル群の正面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るジェットポンプの
側断面図である。
【符号の説明】
6、7 ジェットポンプ 61 噴射ノズル 62 ベンチュリ管 71 給水管 72 噴射ノズル 74 吐出管 75 ベンチュリ管

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射ノズルと、流入口が噴射ノズルの吐
    出口に隙間を隔てて正対するベンチュリ管とを備え、噴
    射ノズルの吐出口とベンチュリ管の流入口との間の隙間
    の外周が外部空間に開放されていることを特徴とするジ
    ェットポンプ。
  2. 【請求項2】 噴射ノズルは連続した環状の吐出口を有
    することを特徴とする請求項1に記載のジェットポン
    プ。
  3. 【請求項3】 噴射ノズルの連続した環状の吐出口の径
    方向内方に、噴射ノズルを貫通する流路が形成されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載のジェットポンプ。
  4. 【請求項4】 噴射ノズルは環状に配設された複数の吐
    出口を有することを特徴とする請求項1に記載のジェッ
    トポンプ。
  5. 【請求項5】 噴射ノズルの環状に配設された複数の吐
    出口の径方向内方に、噴射ノズルを貫通する流路が形成
    されていることを特徴とする請求項4に記載のジェット
    ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記環状は円環状であることを特徴とす
    る請求項2乃至5の何れか1項に記載のジェットポン
    プ。
  7. 【請求項7】 複数の噴射ノズルと、流入口が噴射ノズ
    ルの吐出口に隙間を隔てて正対する複数のベンチュリ管
    とを備え、複数の噴射ノズルと複数のベンチュリ管とが
    一体に組み付けられ、噴射ノズル群とベンチュリ管群と
    の間の隙間の外周が外部空間に開放されていることを特
    徴とするジェットポンプ。
  8. 【請求項8】 給水本管と給水本管の下流端から分岐し
    た複数の枝管とから成る給水管と、吐出本管と吐出本管
    の上流端から分岐した複数の枝管とから成る吐出管とを
    有備え、給水管の各枝管の下流端にそれぞれ噴射ノズル
    が接続され、吐出管の各枝管の上流端にそれぞれベンチ
    ュリ管が接続されていることを特徴とする請求項7に記
    載のジェットポンプ。
  9. 【請求項9】 複数の噴射ノズルの吐出圧が均一である
    ことを特徴とする請求項8に記載のジェットポンプ。
  10. 【請求項10】 吐出管の複数の枝管の吐出圧が均一で
    あることを特徴とする請求項8に記載のジェットポン
    プ。
  11. 【請求項11】 給水本管と、給水本管と複数の噴射ノ
    ズルとを接続する給水側マニホールドとから成る給水管
    と、吐出本管と、複数のベンチュリ管と吐出本管とを接
    続する吐出側マニホールドとから成る吐出管とを備える
    ことを特徴とする請求項7に記載のジェットポンプ。
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