JP2001089506A - 気相重合方法および気相重合装置 - Google Patents

気相重合方法および気相重合装置

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JP2001089506A JP26714599A JP26714599A JP2001089506A JP 2001089506 A JP2001089506 A JP 2001089506A JP 26714599 A JP26714599 A JP 26714599A JP 26714599 A JP26714599 A JP 26714599A JP 2001089506 A JP2001089506 A JP 2001089506A
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瀬 智 洋 荒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流動床内で形成される重合体の塊の形成を正確
に検出し、この検出結果に応じて流動床反応器の動作を
制御する。 【解決手段】流動床反応器1内に重合用固体触媒を供給
するとともに、ブロワー8により流動床反応器1の底部
から分散板11を介して所定の密度のガス状単量体を流
動床反応器1内に吹き込んで、流動床反応器1内に流動
床4を形成し、流動床4内での気相重合反応によって重
合体を得るように構成した気相重合装置において、流動
床反応器1から抜き出した粉末状重合体に含まれる塊を
検出する回転弁13および判別部14からなる検出手段
と、検出手段で検出された結果に基づいて、塊生成が抑
制される方向に、流動床反応器1の反応条件を制御する
監視および制御部15とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動床反応器内に
重合用固体触媒を供給するとともに、ブロワーにより流
動床反応器の底部から分散板を介してガス状単量体を流
動床反応器内に吹き込んで、流動床反応器内に流動床を
形成し、該流動床内での気相重合反応によって重合体を
製造する気相重合方法および気相重合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばポリエチレンなどのポ
リオレフィンを得る場合に、エチレンなどのオレフィン
単量体などをチタン系固体状触媒の存在下で気相重合さ
せる気相重合法が用いられている。
【0003】このような気相重合法では、たとえば、図
4に示すように、固体状触媒Aを供給ライン112を介
して流動床反応器110内に供給するとともに、供給ラ
イン113を介して流動床反応器110の底部から、流
動床反応器110底部近傍に配設した多孔板などからな
るガス分散板111を介してガス状のオレフィンを吹き
込んで、流動床(反応系)114を流動状態に維持しつ
つ、流動床114内で重合反応を行なっている。そし
て、流動床114内で重合反応して生成されたポリマー
粒子は、ライン115を介して流動床反応器110か
ら、連続的に抜き出されるようになっている。また、流
動床反応器110の流動床114を通過した未反応のガ
ス状のオレフィンなどは、流動床反応器110の上方部
分に設けられた減速領域116にて流速が低減されて、
流動床反応器110の上部に設けられたガス出口110
Aを介して流動床反応器110外に排出される。一方、
流動床反応器110より排出された未反応のガス状のオ
レフィンなどは、循環ライン117を介して再び流動床
反応器110内の流動床114内に吹き込まれるように
なっている。なお、ガス状のオレフィンは、循環ライン
117上に配設された熱交換器(冷却装置)119を通
り冷却され、該循環ライン117に合流する供給ライン
120を介してブロワー118に供給され、ブロワー1
18により連続的に流動床反応器110に供給されるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、流動床11
4内で、触媒、重合体、ガス状単量体などの状態が不均
一である部分が存在すると、重合体の塊が形成される。
この塊は、流動床114内の均一な重合反応を阻害す
る。さらには、塊の存在により不均一部分が拡大し塊生
成を助長するという悪循環となってしまう場合もある。
【0005】したがって、このような塊形成の有無を検
出し、塊が検出された時点で流動床114内の状態を一
定の状態に保つための制御が必要である。塊形成の検出
方法としては、例えば特開平4−361150号公報に
開示されているように、流動床反応器110に検知箇所
とその近傍の壁面との間の静電容量の変化を検知する静
電容量検知手段を配設して、この静電容量の変化を検知
して、流動床内に塊が形成されたことを確認する方法が
挙げられる。
【0006】しかしながら、この方法では、静電容量検
知手段の設置に費用がかかり、かつ、高圧ガスの洩れや
防爆対策の必要性など安全上の問題がある。さらに、検
知手段の配設位置によって塊検出の感度が異なること、
静電容量が塊形成以外の要因、例えば原料ガス中に混在
する水素、一酸化炭素や炭水化物などの不純物に影響を
受けて変動することなどにより、得られたデータを客観
的に評価することが困難であった。
【0007】また、塊形成の検出方法の他の例として
は、流動床反応器内に赤外線センサを配設し、この赤外
線センサを用いて粉末状重合体の密度を監視し、密状態
で観測される感度が得られたときに、塊が形成されたこ
とを確認する方法が挙げられる。
【0008】しかしながら、この方法では、赤外線セン
サを用いるため費用がかかるという点が問題である。さ
らに、単に赤外線センサを用いて得られた粉末が密か疎
かを判別するだけなので、塊が形成されたのか、あるい
は粉末が密なだけなのかを区別するのが困難であるた
め、得られたデータを客観的に評価することが困難であ
った。
【0009】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであり、流動床内で形成される重合体の塊の形成を正
確に検出し、この検出結果に応じて流動床反応器の動作
を制御する気相重合方法および気相重合装置を提供する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る気相重合方
法は、上述の問題を解決するため、流動床反応器内に重
合用固体触媒を供給するとともに、ブロワーにより流動
床反応器の底部から分散板を介して所定の密度のガス状
単量体を流動床反応器内に吹き込んで、流動床反応器内
に流動床を形成し、該流動床内での気相重合反応によっ
て重合体を製造するに際し、上記流動床反応器から抜き
出した粉末状重合体に含まれる塊を検出することで、上
記流動床反応器内での塊形成の状態を監視する監視工程
と、この結果に基づいて、塊生成を抑制する方向に上記
流動床反応器の反応条件を制御する制御工程とを有する
ものである。
【0011】また、上記監視工程は、上記抜き出した粉
末状重合体を通す回転弁にかかる負荷を検出して、所定
の大きさ以上の負荷がかかったか否かを判別する工程で
あることが好ましい。
【0012】上記気相重合方法によれば、監視工程で
は、流動床反応器で生成し、抜き出された粉末状重合体
中に塊が含まれているか否かが、適当な判別手段を用い
て判別され、この判別結果に応じて流動床反応器内の塊
形成の状態を間接的に監視する。制御工程では、監視工
程にて得られた判別結果に基づいて、塊形成が確認され
たときに、流動床反応器の反応条件を、塊の生成を抑制
する方向、例えば循環ガス量(空塔速度)を上げて粉末
レベルを低減することによる流動状態を改善する方向、
オレフィンの分圧を低減する方向、重合温度を下げる方
向、触媒供給量を低減する方向などの重合反応をマイル
ドにする方向に制御する。
【0013】また、上記適当な判別手段として、例えば
回転弁を用いた場合には、下記のようにして塊が検出さ
れる。すなわち、回転弁は単位時間につき一定量の粉末
状重合体を通すように動作するため、この回転弁に重合
体の塊が噛んだとき、この動作を維持するために回転弁
のモータに負荷がかかる。この負荷をモータに供給する
電力、電流などの電気信号として検出する。したがっ
て、この電気信号が変化して所定の大きさになったとき
に、重合体の塊が回転弁を通ったことが判断される。こ
のようにして、流動床反応器内に重合体の塊形成が起こ
ったことを確認することができる。
【0014】また、本発明に係る気相重合装置は、流動
床反応器内に重合用固体触媒を供給するとともに、ブロ
ワーにより流動床反応器の底部から分散板を介して所定
の密度のガス状単量体を流動床反応器内に吹き込んで、
流動床反応器内に流動床を形成し、該流動床内での気相
重合反応によって重合体を得るように構成した気相重合
装置において、上記流動床反応器から抜き出した粉末状
重合体に含まれる塊を検出する検出手段と、上記検出手
段で検出された結果に基づいて、塊の生成を抑制する方
向に上記流動床反応器の反応条件を制御する制御手段と
を有するものである。
【0015】また、上記検出手段は、上記抜き出した粉
末状重合体を通す回転弁と、上記回転弁にかかる負荷を
検出して、所定の大きさ以上の負荷がかかったか否かを
判別する判別手段と有することが好ましい。
【0016】上記気相重合装置によれば、検出手段は、
流動床反応器で生成し、抜き出された粉末状重合体中に
塊が含まれているか否か検出して、この検出結果に応じ
て流動床反応器内の塊検出の状態を間接的に監視する。
制御手段は、検出手段にて得られた検出結果に基づい
て、塊形成が確認されたときに、流動床反応器の反応条
件を、塊の生成を抑制する方向、例えば循環ガス量(空
塔速度)を上げて粉末レベルを低減することによる流動
状態を改善する方向、オレフィンの分圧を低減する方
向、重合温度を下げる方向、触媒供給量を低減する方向
などの重合反応をマイルドにする方向に制御する。
【0017】また、上記検出手段として、例えば回転弁
と適当な判別手段とを用いた場合には、下記のようにし
て塊が検出される。すなわち、回転弁は、単位時間につ
き一定量の粉末状重合体を通すように動作するため、回
転弁に重合体の塊が噛んだとき、この動作を維持させる
ために回転弁のモータに負荷がかかる。判別手段は、こ
の負荷をモータに供給する電力、電流などの電気信号と
して検出し、この電気信号が所定の大きさであるか否か
を判別する。したがって、この電気信号が変化して所定
の大きさになったときに、重合体の塊が回転弁を通った
と判断することができる。このようにして、回転弁と適
当な判別手段とを用いることで、流動床反応器内に重合
体の塊形成が起こったことを確認することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気相重合方法
およびこれを適用した気相重合装置を、図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0019】なお、本発明において、「重合」という語
は単独重合のみならず、共重合を包含した意味で用いら
れることがあり、また「重合体」という語は、単独重合
体のみならず、共重合体を包含した意味で用いられるこ
とがある。また、共重合を行なう場合のガス状単量体
は、複数のガス単量体の混合物をいう。
【0020】図1は、本発明に係る気相重合方法を適用
した気相重合装置の概略図である。図1に示すように、
気相重合装置は、流動床反応器1内に重合用固体触媒A
を供給するとともに、ブロワー8により流動床反応器1
の底部からガス分散板11を介してガス状単量体を流動
床反応器1内に吹き込んで、流動床反応器1内に流動床
4を形成し、該流動床4内での気相重合反応によって重
合体もしくは共重合体を得るように構成されている。こ
こでガス状単量体は、重合用固体触媒の作用で重合する
一種またはそれ以上の単量体(モノマー、コモノマー)
であり、重合系へは水素のような分子量制御剤、窒素や
炭化水素のような不活性ガスとともに供給されてもよ
い。
【0021】また、上記気相重合装置では、固体状触媒
Aを供給ライン2を介して流動床反応器1内に供給する
一方、ガス状のオレフィンなどの単量体を、供給ライン
3を介して流動床反応器1の底部から、流動床反応器1
底部近傍に配設した多孔板などからなるガス分散板11
を介して吹き込んで、流動床(反応系)4を流動状態に
維持しつつ、流動床4内で重合反応が行なわれる。な
お、原料調製部21で調製されたガス状単量体は、循環
ライン7に合流する供給ライン20を介して連続的に供
給されるようになっている。
【0022】そして、流動床4内で重合反応が進んで生
成された粉末状重合体(ポリマー粉末)は、ライン5を
介して流動床反応器1から連続的に抜き出されるように
なっている。
【0023】一方、流動床4を通過した未反応のガス状
単量体は、流動床反応器1の上方部分に設けられた減速
領域6にて流速が低減されて、流動床反応器1の上部に
設けられたガス出口10Aを介して流動床反応器1外に
排出されるようになっている。
【0024】ところで、流動床反応器1より排出された
未反応の単量体は、再び流動床反応器1内の流動床4内
に吹き込む前にその重合反応熱を除去する必要があるた
め、循環ライン7の上流側に接続された熱交換器(冷却
装置)9に導入され冷却されるようになっている。
【0025】熱交換器9によって冷却された単量体のガ
スは、続いて、循環ライン7の下流側に配設されたブロ
ワー8および供給ライン3を介し、流動床反応器1の底
部からガス分散板11を通して再び流動床反応器1内の
流動床4内に吹き込まれるように構成されている。
【0026】ここで、上記流動床反応器1内で重合体の
塊が形成されると、流動床4で行われる重合反応が効率
良く行われない虞があるので、この塊形成の有無を検出
して、この検出結果に応じて流動床反応器1の動作を、
後述のように塊の生成を抑制する方向に制御するように
している。
【0027】ライン5から取り出されたポリマー粉末
は、パージビン31、32にて固気分離された後、回転
弁13によって抜き出される。なお、パージビンを二段
設けて固気分離を行うのは、効果的に固気分離を行うた
めであって、一段あるいは三段以上のパージビンを直列
に接続して固気分離を行ってもよいし、パージビンが無
くてもよく、いずれにおいても本発明の効果が得られる
ことは言うまでもない。
【0028】このようにして、流動床反応器1から抜き
出されたポリマー粉末に含まれる塊を、回転弁および適
当な判別手段としての判別部からなる検出手段にて検出
する。
【0029】回転弁は、固気分離済みのポリマー粉末を
送り出す。判別部は、ポリマー粉末を送る出す際に回転
弁を駆動するためのモータにかかる負荷を、モータに供
給する電力あるいは電流として検出し、この検出電力あ
るいは電流が所定の大きさの閾値電力あるいは電流より
も大きいか否かを判別することで、所定の大きさ以上の
負荷がかかった否かを判別し、この判別結果に応じて塊
形成を検出する。
【0030】具体的には、図1において、下流側のパー
ジビン32の取り出し口に回転弁13を配設し、この回
転弁13を単位時間につき一定量の粉末状重合体(ポリ
マー粉末)を送り出すように動作させる。また、判別部
(シーケンサ)14を回転弁13に供給される電力ある
いは電流を検出し、この検出電力あるいは電流に応じて
所定の判別を行った結果を、後述する監視および制御部
(DCS)15に出力できるように接続される。
【0031】なお、重合体の塊を検出するのに、回転弁
13に供給される電力あるいは電流をモニタするのは、
形成した塊が回転弁13に噛むと、回転弁13の一定動
作を維持するために、回転弁13駆動用のモータに負荷
がかかり、この結果多くの電力あるいは電流を必要とす
る。したがって、この電力あるいは電流をモニタしてこ
の変化を追うことで塊の検出を行うことができるからで
ある。
【0032】監視および制御部15は、触媒供給ライン
2、ブロワー8、原料調製部21、弁33などの上記気
相重合装置の各部材およびその周辺機材の動作を制御す
るものである。
【0033】原料調製部21は、原料となるガス状単量
体を調製する。また、ガス状単量体が複数のガスの混合
物である場合には、各ガスの供給源の出力を調節して一
定の組成のガス状単量体を調製する。
【0034】図2に、本発明の気相重合方法における監
視工程(ステップS3〜S5)、制御工程(ステップS
6)の要部を説明するためのフローチャートを示す。な
お、上記監視工程は、上記検出手段にて行われる工程で
あり、上記制御工程は、監視および制御部15にて行わ
れる工程である。
【0035】ステップS1では、流動床反応器1内で気
相重合が進行してポリマー粉末が形成され、ステップS
2に進む。ステップS2では、ポリマー粉末をライン5
から抜き取って、パージビン31、32にて固気分離を
行って、ステップS3に進む。
【0036】ステップS3は、回転弁13に供給する電
力を検出する検出工程である。ここでは、電力計などの
適当な検出手段を用いて電力を検出して、ステップS4
に進む。ここで検出する情報としては、電力の他には上
記のようにモータに印加する電流などが挙げられる。
【0037】ステップS4は、検出工程で得られた検出
電力が所定の閾値よりも大か否かを判別部14で判別す
る判別工程である。ここでは、ステップS3で得られた
検出電力が所定の大きさの電力、すなわち閾値電力より
も大きいか否かを判別する。
【0038】図3に、検出電力の時間変化を示す。な
お、縦軸は電力、横軸は時間を表す。この判別工程にお
いては、時間t0にて電力の検出およびモニタを開始
し、時間t1までは検出電力が閾値電力Ptを下回るた
め、NOの判別結果を出力する。すなわち、検出電力が
所定の大きさの電力よりも小さいと判別され、図2のス
テップS1に戻る。なお、この閾値電力は、予め設定さ
れる値であるが、反応の進行具合などでその都度変更す
ることができる。
【0039】時間t1から時間t2までは検出電力が閾値
電力Ptを超えるため、YESの判別結果を出力する。
すなわち、検出電力が所定の大きさの電力よりも大きい
と判別され、図2のステップS5に進む。
【0040】時間t2から後は、検出電力が閾値電力Pt
を下回るため、NOの判別結果を出力する。すなわち、
検出電力が所定の大きさの電力よりも小さいと判別さ
れ、図2のステップS1に戻る。
【0041】ステップS5では、上記判別工程でYES
の判別結果が出力されたときに重合体の塊が形成された
ことを検出する。なお、ステップS4において、供給電
力の大きさは回転弁13にかかる負荷の大きさに依存す
る。すなわち、ステップS5において検出される塊の大
きさと密接な関係があり、検出電力が大きいときには検
出される塊は大きく、検出電力が小さいときには検出さ
れる塊は小さい。また、検出電力が閾値電力を超える時
間は、所定の大きさの塊が生じた頻度が高くなると長く
なり、低くなると短くなる関係がある。
【0042】従来におけるいずれの方法も、この両方を
相関させたデータを得ることが困難であった。続いて、
ステップS6では、ステップS4で検出電力が所定の大
きさの電力よりも大きいと判別され、ステップS5で塊
形成が検出されたときに、前記監視および制御部15の
動作に基づいて、流動床反応器1内の重合反応の条件
を、塊の生成を抑制する方向、例えば循環ガス量(空塔
速度)を上げて粉末レベルを低減することによる流動状
態を改善する方向、オレフィンの分圧を低減する方向、
重合温度を下げる方向、触媒供給量を低減する方向など
の重合反応をマイルドにする方向に制御する。
【0043】例えば、オレフィンの分圧を低減させる場
合、監視および制御部15から原料調製部21に、ガス
状単量体中の所定のモノマーガス、例えばエチレン、プ
ロピレンなどのガス分圧を減少させる旨の制御データを
送る。この制御データは、所定のモノマーガスの分圧を
所定値まで下げるよう指示する旨のデータあっても、塊
が検出されなくなるまで所定のモノマーガスの分圧を下
げ続けるよう指示する旨のデータであってもよい。原料
調製部21は、この制御データに応じて所定のモノマー
ガスの分圧を下げる。
【0044】また例えば、循環ガス量(空塔速度)を上
げて粉末レベルを低減することによる流動状態を改善す
る場合、監視および制御部15から、例えばブロワー8
に羽根車の回転数を変更するよう指示する制御データを
送る。また、ブロワー8の吸引側に吸込ベーンを配設し
た場合には、この吸込ベーンを開度を調節するように制
御してもよい。また、必要に応じて、二つのパージビン
31、32の間に挿入接続された弁33の開度を調節し
てもよい。
【0045】ステップS7では、ポリマーの生成をさら
に続けるか否かが判断される。さらに、ポリマー生成を
続ける場合には、ステップS1に戻り、続けない場合に
は、気相重合装置の動作を停止して、終了する。
【0046】図2によれば、ステップS4にて検出電力
が所定の大きさの閾値電力よりも大きいと判別されない
限り、ポリマー粉末生成が継続される。また、ポリマー
粉末中に所定の大きさ以上の塊が混在することが検出さ
れた(ステップS5)場合は、塊形成を抑制するよう
に、流動床反応器1の動作を制御する。
【0047】なお、図2においては、塊形成が検出され
た場合にのみ、ポリマー生成の継続が問われ、ポリマー
生成の終了、すなわち流動床反応器1の動作を停止する
流れになっているが、塊形成の検出がなされない場合に
おいても任意に流動床反応器1の動作を停止してもよい
ことは言うまでもない。
【0048】また、これら制御自体を自動で行ってもよ
いし、手動で行ってもよい。以上、説明したように、本
発明に係る気相重合方法および気相重合装置によれば、
流動床反応器内の状態を直接モニタするわけではなく、
生成したポリマー粉末を取り出して塊検出を行うので、
流動床反応器に特別な部材を配設する必要がないため、
コストがかからない上に、現状の流動床反応器の外側に
簡便な部材を追加するだけで、塊検出を行うことができ
る。
【0049】さらに、ポリマー粉末に混在する塊の有無
を直接検出するため、確実に塊形成検出ができる。ま
た、生成したポリマー粉末の状態を直接モニタすること
は、流動床反応器内の状態を間接的にモニタすることに
なるため、ポリマー粉末内の塊形成検出することで、流
動床内の状態を正確に反映した塊形成の検出を行うこと
ができる。したがって、流動床内で形成される重合体の
塊の形成を正確に検出することが可能になり、このよう
な正確な情報に応じて流動層反応器の動作を制御するこ
とが可能になる。
【0050】また、ポリマー粉末の塊を検出する検出手
段として、回転弁および適当な判別部を用いることで、
簡単な構成を追加するだけで上記塊検出が可能になる。
以上、本発明の好ましい実施態様を説明したが、本発明
はこれに限定されることなく、本発明の目的を逸脱しな
い範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る気相重合方法および気相重
合装置によれば、通常用いられる流動床反応器に特別な
部材を配設する必要がないため、コストがかからない上
に、流動床反応器に簡便な部材を追加するだけで、塊検
出を行うことができる。また、流動床内の状態を正確に
反映して塊検出を行うことができるため、流動床内の状
態を正確に把握できるとともに、正確な情報に基づいて
流動床反応器の動作を制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る気相重合装置の要部を示
す概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る気相重合方法を説明する
ためのフローチャートである。
【図3】図3は、上記気相重合方法を説明するための説
明図である。
【図4】図4は、従来の気相重合装置の要部を示す概略
図である。
【符号の説明】
1 流動床反応器 4 流動床(反応系) 8 ブロワー 11 ガス分散板 13 回転弁 14 判別部(シーケンサ) 15 監視および制御部 21 原料調製部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白 石 喜 一 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 荒 瀬 智 洋 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 阿 部 真 二 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4J011 AB10 AB11 BA06 BA08 BB02 BB10 DB33 MA02 MA14 MA17 MB01 4J031 CA02 CA47 CC05 CE01 CF01 CG02 CG04 CG11 CG46 CG47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動床反応器内に重合用固体触媒を供給
    するとともに、ブロワーにより流動床反応器の底部から
    分散板を介して所定の密度のガス状単量体を流動床反応
    器内に吹き込んで、流動床反応器内に流動床を形成し、
    該流動床内での気相重合反応によって重合体を製造する
    に際し、 上記流動床反応器から抜き出した粉末状重合体に含まれ
    る塊を検出することで、上記流動床反応器内での塊形成
    の状態を監視する監視工程と、 この結果に基づいて、塊生成を抑制する方向に上記流動
    床反応器の反応条件を制御する制御工程とを有すること
    を特徴とする気相重合方法。
  2. 【請求項2】 上記監視工程では、上記抜き出した粉末
    状重合体を通す回転弁にかかる負荷を検出して、所定の
    大きさ以上の負荷がかかったか否かが判別されることを
    特徴とする請求項1に記載の気相重合方法。
  3. 【請求項3】 流動床反応器内に重合用固体触媒を供給
    するとともに、ブロワーにより流動床反応器の底部から
    分散板を介して所定の密度のガス状単量体を流動床反応
    器内に吹き込んで、流動床反応器内に流動床を形成し、
    該流動床内での気相重合反応によって重合体を得るよう
    に構成した気相重合装置において、 上記流動床反応器から抜き出した粉末状重合体に含まれ
    る塊を検出する検出手段と、 上記検出手段で検出された結果に基づいて、塊生成を抑
    制する方向に上記流動床反応器の反応条件を制御する制
    御手段とを有することを特徴とする気相重合装置。
  4. 【請求項4】 上記検出手段は、上記抜き出した粉末状
    重合体を通す回転弁と、 上記回転弁にかかる負荷を検出して、所定の大きさ以上
    の負荷がかかったか否かを判別する判別手段と有するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の気相重合装置。
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