JP2001088529A - アンチロール型油圧緩衝器 - Google Patents

アンチロール型油圧緩衝器

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JP2001088529A
JP2001088529A JP26514399A JP26514399A JP2001088529A JP 2001088529 A JP2001088529 A JP 2001088529A JP 26514399 A JP26514399 A JP 26514399A JP 26514399 A JP26514399 A JP 26514399A JP 2001088529 A JP2001088529 A JP 2001088529A
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oil passage
piston rod
switching valve
shock absorber
valve
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Tadashi Jo
忠 城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を簡素化して小型化し車輌への搭載を容
易にするとともに、重量を軽減して製造コストの低減を
図る一方、伸側及び圧側減衰力をそれぞれ独立して設定
することができる油圧緩衝器の伸側オイルロック機構を
提供すること。 【解決手段】 切換弁111はピストンロッド101内
の油通路Lに上下動自在に配設され、その下降時に油通
路を遮断しその上昇時に当該油通路を連通させるポペッ
ト型の弁体を有してなり、ポペット型の弁体はスプリン
グ111dにより常時上昇方向に付勢されるとともに、
ピストンロッド上部に装着したアクチュエータARで、
ピストンロッドの中空孔101Aに介装されたプッシュ
ロッド112を介して上昇或いは下降されて、油通路を
連通又は遮断し、油通路の連通時には緩衝モード,油通
路の遮断時には伸側オイルロックモードとなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、荷物運搬用自動車の
油圧緩衝器に関し、特に荷物の積み下ろし時に生ずる車
体の傾きを防止するのに適するアンチロール型油圧緩衝
器に関するものである。
【0001】
【従来の技術】車両の走行安定性を向上させるために
は、走行中の車両のローリングやピッチング等を効果的
に抑制することが必要になり、そのため従来から種々の
姿勢制御装置が提案されている。
【0002】しかしながら、この種従来の提案にあって
も好ましい姿勢制御が実現できないので、本願出願人
は、先に第5図に示すようなアンチロール型油圧緩衝器
を提案した。
【0003】このアンチロール型油圧緩衝器は、通常は
油圧緩衝器として機能するが、車両姿勢がローリングや
ピッチング等によって傾斜傾向になるときには、その伸
長が阻止されて上記傾斜の招来を阻止することができ
る。
【0004】そのため、シリンダ1内に摺動自在に収装
されたピストン2によってシリンダ1内に区画形成され
る上部室Aと下部室Bとが、通常はシリンダ1の外側に
形成された油通路Lを介して相互に連通状態にあり、シ
リンダ1内におけるピストン2の摺動を許容している。
【0005】ピストン2がシリンダ1内を上昇する所謂
伸側行程時になると、上部室Aからの作動油が、上記油
通路L中に配設された切換弁3の連通ポジション3a及
び伸側減衰弁4を介して下部室Bに流出し、伸側減衰弁
4を作動油が通過する際の通路抵抗により所定の伸側減
衰力を発生する。
【0006】一方、ピストン2がシリンダ1内を下降す
る所謂圧側行程時には、ピストン2に配設されている逆
止弁2aを介して負圧となる上部室Aに下部室Bから作
動油が補充されるとともに、ピストンロッド7の侵入体
積分の作動油が、下部室Bからシリンダ1の下方に形成
されているベースバルブ5の圧側減衰弁6を介してタン
ク室C内に流出し、圧側減衰弁6を作動油が通過する際
の通路抵抗により所定の圧側減衰力を発生する。
【0007】外部パイロット圧Pが付加され、切換弁3
が遮断ポジション3bに切り換えられると油通路Lが遮
断されるので、上部室Aはピストンロッド7の軸芯部に
穿設された透孔7a及び当該透孔7aに接続された連通
路Rを介して外部のアキュムレータQとのみ連通される
ようになる。
【0008】このとき、ピストン2がシリンダ1内を上
昇しようとすると、アキュムレータQ内においてフリー
ピストンQの左方への後退に対しては、ガス室Q
ガス圧にフリーピストンQの受圧面積を乗じた反力が
ピストン2の上昇を阻止する方向に作用するので、油室
内への上部室Aからの作動油の流入が阻止され、本
アンチロール型油圧緩衝器は所謂オイルロック状態にな
る。
【0009】この伸側オイルロックモードでは、上部室
Aの圧力がアキュムレータQのガス室Qのガス圧を越
えない限りその伸長が阻止されて、アンチロール機能が
発揮されることになる。
【0010】切換弁3に対する外部パイロット圧Pが除
去され、切換弁3が連通ポジション3aに切り換えられ
ると、上部室Aが油通路Lを介して下部室Bに連通し、
本アンチロール型油圧緩衝器は、伸縮が許容される緩衝
モードとなる。
【0011】図5において原理的に示されている切換弁
3の具体的な構造は、図6に示すように構成されてい
る。
【0012】切換弁3はシリンダ1の下端部に介装され
たバルブケース10の内部に配設され、その上昇時に油
通路Lを遮断するポペット型の弁体30及び当該ポペッ
ト型の弁体(以下、弁体と略称)30を下降方向に付勢
するスプリング31と、バルブケース10の下方のボト
ム部材11の内部に配設され、外部供給圧Pの作用で上
昇して上記弁体30を押し上げるフリーピストン32と
から構成される。
【0013】シリンダ1の外方には外筒12と内筒13
とが配設され、シリンダ1と内筒13との間には油通路
Lの一部となる環状隙間aが形成され、外筒12と内筒
13との間にはタンク室Cが形成される。
【0014】バルブケース10内には、横孔l0aと縦
孔10bとが形成され、バルブケース10の脚部には、
切欠きl0cが形成されている。
【0015】そして、環状隙間aと横孔l0a及び縦孔
l0bが油通路Lを形成し、横孔l0aと縦孔l0bと
の合流部分に弁体30が配設されている。
【0016】弁体30は、前記バルブケース10の軸芯
部に保持された筒状のブッシュ33の内側に上下動自在
に配設されている。
【0017】弁体30の外周には、シール34が介装さ
れ、上記ブッシュ33との間におけるシール性を確保す
る。
【0018】更に、上記弁体30の下流側となる前記縦
孔10b内には、伸側減衰弁4が配設されている。
【0019】従つて、外部パイロット圧Pが除去され、
スプリング31の押し下げ力により弁体30が下降して
切換弁3が連通ポジション3a(第5図参照)になれ
ば、本アンチロール型油圧緩衝器は伸縮自在な通常の油
圧緩衝器として機能するが、逆に、外部パイロット圧P
が付加され弁体30が上昇して切換弁3が遮断ポジショ
ン3b(第5図参照)になれば、本アンチロール型油圧
緩衝器はオイルロック状態となりその伸長が阻止される
ことになる。
【0020】即ち、外部パイロット圧Pの付加及び除去
の操作で、本アンチロール型油圧緩衝器を通常の油圧緩
衝器として機能する緩衝モード、あるいは伸側オイルロ
ック状態でアンチロール機能を発揮する伸側オイルロッ
クモードを自由に選択しうることになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、走行路面からの大きな衝撃入力を一時的に吸収する
アキュームレータQを、ピストンロッドの透孔7Aを介
してピストンロッド7の上部に配設し、上部室Aをオイ
ルロックする切換弁3を油圧緩衝器のボトム部5に配設
する一方、オイルロックを確実にするために切換弁3の
下流側に伸側減衰弁を配設したため、切換弁3,伸側及
び圧側減衰弁のボトム部5への集約等、構造が極めて複
雑になってしまうと言う問題があった。
【0022】特に、上部室Aからボトム部5に至る油通
路Lの形成においては、シリンダ1,内筒13,外筒1
2の3重管構造としたため、作動油の油圧を受けるシリ
ンダ1及び内筒13は厚肉管とする必要があり、必然的
に外筒12の外径が大きくなってアンチロール型油圧緩
衝器全体の重量が増大し、製造時にあってはその重さが
作業性を悪くする一方、車両への搭載においては大きな
スペースが必要となる。
【0023】上記重量増大はアンチロール型油圧緩衝器
の製造コストを増大させるとともに、車輌重量の増加を
招来して燃費を悪化させることになる。
【0024】また、車体側に取付けられるピストンロッ
ド7以外のアンチロール型油圧緩衝器の構成部材の重量
は、懸架機構における所謂ばね下重量になるため、車輌
の乗り心地が悪化する。
【0025】また、伸側減衰弁4が組み込まれるボトム
部材5の上部に、伸側減衰弁4を迂回して低速域減衰力
を制御するオリフィスを設けると、オイルロックモード
を選択している場合でも当該オリフィスを介して導かれ
る下部室Bの圧力がスプリング31を収容している弁体
30の上部受圧面積全体に加わり、弁体30を押し下げ
切換弁3を開弁させてしまうため、オリフィスは弁体3
0の軸心部に小孔30aとして配設される。
【0026】更に、緩衝モードを選択している場合に
は、弁体30が開弁しているため、伸側行程の低速域に
おいて上部室Aの作動油は、小孔30aを流れてタンク
室に流出しこの際の通路抵抗により低速域の伸側減衰力
を発生する。
【0027】同様に、圧側行程の低速域において下部室
Bの作動油は、上記伸側行程と同じ油通路Lを通り上記
小孔30aを流れてタンク室Cに流出するが、ピストン
ロッドの伸長速度と収縮速度が同一であっても、圧側流
量は伸側流量に比して小さいので、圧側行程の低速域減
衰力は伸側行程の低速域減衰力に比して流量の2乗に比
例して極端に小さくなってしまうため、圧側減衰力を自
由に設定することができない。
【0028】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、構造を簡素化
して小型化し車輌への搭載を容易にするとともに、重量
を軽減して製造コストの低減を図る一方、伸側及び圧側
減衰力をそれぞれ独立して設定することができる油圧緩
衝器の伸側オイルロック機構を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体側に連結
されるピストンロッドに結合されシリンダ内を摺動自在
に案内されるピストンによって区画された上部室と下部
室とが、両室を連通する油通路中に配設された切換弁の
解放時に当該油通路を介して連通されてピストンロッド
の伸縮を許容させるとともに、上記切換弁の閉鎖時に上
記油通路が遮断されてピストンロッドの伸縮を阻止させ
るように形成されてなるアンチロール型油圧緩衝器を前
提とするものである。
【0030】課題を解決するため本発明の採った第1の
手段は、切換弁は上記ピストンロッド内の油通路に上下
動自在に配設され、その下降時に油通路を遮断しその上
昇時に当該油通路を連通させるポペット型の弁体を有し
てなり、当該ポペット型の弁体はスプリングにより常時
上昇方向に付勢されるとともに、ピストンロッド上部に
装着したアクチュエータで、ピストンロッドの中空孔に
介装されたプッシュロッドを介して上昇或いは下降され
て、上記油通路を連通又は遮断し、油通路の連通時には
緩衝モード,油通路の遮断時には伸側オイルロックモー
ドとなることである。上記アクチュエータは、車輌が駐
停車しているときにのみ作動して伸側オイルロックモー
ドを選択できるようにすれば、走行時の車輌の乗り心地
を改善することができる。
【0031】また第2の手段は、切換弁は上記ピストン
ロッド内の油通路に上下動自在に配設され、その下降時
に油通路を遮断しその上昇時に当該油通路を連通させる
ポペット型の弁体を有してなり、当該ポペット型の弁体
はスプリングにより常時上昇方向に付勢されるととも
に、上記ピストンロッドの中空孔と油圧又は空圧等の流
体圧源との間に油圧又は空圧切換弁を介装し、当該油圧
又は空圧切換弁を連通又は遮断することにより、上記ポ
ペット型の弁体を上昇或いは下降させて上記油通路を連
通又は遮断し、油通路の連通時には緩衝モード,油通路
の遮断時には伸側オイルロックモードとなることであ
る。
【0032】上記油圧又は空圧切換弁は、車輌が駐停車
しているときにのみ作動して伸側オイルロックモードを
選択できるようにすれば、走行時の車輌の乗り心地を改
善することができる。
【0033】上記第1及び第2手段に係わるポペット型
の弁体は、ピストンロッドに上下動自在に嵌合する案内
部の外径と当該弁体の着座するバルブシートのシート径
を同一にすることにより、上部室の圧力によって弁体の
両側に加わる力が平衡するため、切換弁の開閉を容易に
することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係わるアンチロール型油
圧緩衝器は、ピストンロッド101に結合され伸側減衰
弁105,切換弁111等が配設されたピストン102
が、シリンダ103内に摺動自在に案内されるとともに
上部室Aと下部室Bを区画する。またシリンダ103の
下端部には、圧側減衰弁108等が配設されたバルブケ
ース104が嵌着され、同じく下部室Bとタンク室Cを
区画している。
【0035】まず、本発明を図1に示す第1実施形態に
基づいて説明する。切換弁111が図1の連通ポジショ
ン111aを選択している場合は、油圧緩衝器として機
能する緩衝モードとなる。
【0036】このモードの伸側行程でピストン102が
上方に移動すると、上部室Aの作動油は、油通路L及び
切換弁111を通り、伸側オリフィス106及び伸側減
衰弁105を分流して下部室Bに流出する。
【0037】ピストンロッド101の伸長によって不足
する退出体積分の作動油は、タンク室Cから圧側逆止弁
110を介して下部室Bに補充される。伸側オリフィス
106と伸側減衰弁105の通路抵抗の合成値が伸側減
衰力となる。
【0038】逆に、圧縮行程においてピストン102が
下降すると、拡大する上部室Aに伸側逆止弁107を介
して補充される分を除いたピストンロッド101の侵入
体積分の下部室Bの作動油が、圧側オリフィス109と
圧側減衰弁108を分流してタンク室Cに流出する。圧
側オリフィス109と圧側減衰弁108の通路抵抗の合
成値が圧側減衰力となる。
【0039】なお切換弁111には、伸側及び圧側行程
時ともに減衰力により上昇する切換弁111の下流側の
圧力を、切換弁111の連通ポジション111a側にパ
イロット圧111eとして作用させ、切換弁111を開
弁方向に付勢して連通ポジション111aを安定的に保
持する。
【0040】荷物運搬用自動車に一般的に採用されてい
る例えばエアーばねは、積載荷重に対する撓み特性が図
3に示すように指数関数的に変化し、荷物の積載による
圧縮側の沈み込みは小さい。
【0041】このため、実用的には伸側のみをオイルロ
ック状態にすれば車体の傾きは防止できる。
【0042】従ってこのモードの圧側行程では通常の油
圧緩衝器として作動させることができる。
【0043】このような構造にした場合、ピストンロッ
ド101の上側に装着したアクチュエータARの駆動力
により、ピストンロッドの中空孔101Aに上下動自在
に介装されたプッシュロッド112をスプリングの反発
力に抗して押し下げ、切換弁111が遮断ポジション1
11bに切り換えられている伸側行程では、ピストン1
02が伸長しようとしても、上部室Aは前記切換弁11
1と伸側逆止弁107により通路が遮断されて密閉状態
となり、本アンチロール型油圧緩衝器は所謂伸側オイル
ロックモードとなる。
【0044】上記伸側オイルロックモードの圧縮行程で
は、上述の様に沈込みが少ないことからその収縮速度も
小さい。
【0045】また、圧側オリフィス109が伸側オリフ
ィス106とは別に独立して設けられているので、発生
する圧側減衰力も低く設定できるため、圧側減衰力を発
生する下部室Bの圧力が伸側オリフィス106を介して
切換弁3のパイロット圧111eとして作用しても切換
弁3が開弁される怖れはない。
【0046】走行路面からの過大な衝撃入力により、仮
に異常に大きな変位と収縮速度が生じ、下部室Bの圧力
が異常に高くなって切換弁111が開弁したとしても、
本実施形態においては従来例のようなアキュームレータ
がないので、圧縮行程終了と同時に下部室Bの圧力は低
下し、切換弁111は直ちに閉弁状態に復帰することに
なる。
【0047】上述したアクチュエータARは、例えば、
荷重センサーw,車高センサーh,速度センサーv等の
信号を演算処理した出力或いは手動開閉信号mに従って
出力するコントローラCTにより駆動される。
【0048】逆に、コントローラCTからアクチュエー
タARへの出力がなくなると、スプリング111dの反
力によりプッシュロッド112が押し上げられて、切換
弁111は開弁状態となり、所謂緩衝モードとなる。
【0049】図2は、図1に示す第1実施形態のピスト
ン近傍の開弁状態の切換弁111,伸側減衰弁105,
伸側オリフィス106の具体的な構造である。
【0050】この状態から切換弁のポペット型の弁体
(以下、弁体と略称)131がプッシュロッド112に
より下方に押し下げられると、スプリング111dを撓
ませて弁体131が下方に移動し、弁体の円錐部131
Aがバルブシート132に押し付けられて閉弁状態にな
る。
【0051】スプリング111dは、ピストンロッド1
01の下端側に止め輪134により保持されたワッシャ
133によってバルブシート132と共に下端側が支持
され、弁体131を上方に付勢する。
【0052】弁体131の案内部131Bの外径daと
バルブシート132のシート径dbは同一径に設定さ
れ、上部室Aの圧力によって、弁体131に切換え力が
発生しないようになっている。
【0053】上部室Aから導かれるパイロット111c
は、図2に示す弁体131の大径部131Cの両側に閉
弁時の上部室Aの圧力を作用させて平衡状態にし、切換
弁111の何れか一方側にのみ切換え力が発生しないよ
うにするもので、伸側オイルロック状態で上部室Aが高
圧になった時でも、切換弁111を自由に切換えること
ができる。
【0054】伸側減衰弁は、薄板の円板135,136
をスプリング137でピストンロッド下端側に付勢する
構造で、ピストンロッド101側に配設される薄板円板
135の切欠き135Aが伸側オリフィスとなる。
【0055】薄板の円板135,136からなる伸側減
衰弁と切欠き135Aからなる伸側オリフィスの作用及
び効果は、従来構造と同様であるので詳細な説明を省略
する。
【0056】図4に示す本発明の第2実施形態は、第1
実施形態の切換弁用アクチュエータAR及びプッシュロ
ッド112を取り除く替わりに、プッシュロッド112
が取り除かれたピストンロッド101の中空孔101A
に、油圧又は空気圧弁CVを介して油圧又は空気圧を付
加或いは除去することにより、ピストン部に配設された
切換弁111を切換えるようにしたものである。
【0057】荷物運搬用自動車は一般に油圧又は空気圧
源Ps(パワーステアリング或いはブレーキ用)を具備
しているので、これらを利用することにより大きな切換
力を得ることができるため、切換弁111を確実に切換
えることができる。
【0058】つぎに、第1及び第2実施形態に共通する
事項を、第1実施形態(第2実施形態)のように異なる
部分のみ()内に区別してまとめて説明する。
【0059】上記第1(第2)実施形態ともに、伸側オ
イルロックモードで走行すると、走行路面からの大きな
衝撃入力に対しては緩衝作用が不十分であるため、積み
荷を損傷させる怖れがある。これを未然に防止するに
は、伸側オイルロック状態が荷物を積み降ろしする駐停
車時にのみ発現するようにすればよい。
【0060】具体的には、前記荷重センサーw,車高セ
ンサーh,車速センサーv等の信号の他に駐停車時のパ
ーキングブレーキの作動信号pを演算処理した出力或い
は手動開閉信号mに従って出力するコントローラCTに
より、アクチュエータAR(油圧又は空気圧弁CV)を
駐停車時にのみ作動させ、本アンチロール型油圧緩衝器
を伸側オイルロックモードに切換えるようにする。
【0061】この場合は、オイルロック状態での走行は
ないため、積み荷の損傷を防止することができる。
【0062】また、第1(第2)実施形態ともピストン
部に設けた切換弁111により、上部室Aから下部室B
への通路を直接遮断して上部室Aを伸側オイルロック状
態にするため、従来構造に対し油通路を形成するための
三重管構成が不要になる。
【0063】この結果、内筒が無くなって構造が簡素化
されるために、アンチロール型油圧緩衝器の容積が縮小
され重量が軽減されるとともに、車輌への搭載が容易に
なる。
【0064】更に、切換弁用のアクチュエータAR(油
圧又は空気圧弁CV)やコントローラCTをピストンロ
ッド101の上側に設けたため、これらは懸架装置のば
ね上に装着されることになり、従来例のばね下装着に比
べばね下重量が低減して車輌の乗り心地が改善されると
ともに、ばね上の方がばね下よりも振動が小さいことも
あって、特にアクチュエータARの強度及び耐振性の低
減が可能になり、小型軽量化することができる。
【0065】加えて、油圧緩衝器の下部に一般的に使用
される圧側減衰弁と圧側オリフィスとを配設したため、
ピストン側の伸側オリフィスとは独立して圧側オリフィ
スの面積が設定できるため、低速域の圧側減衰力を伸側
減衰力に関係なく自由に設定することができる。
【0066】
【発明の効果】以下、発明の効果で共通する部分は、第
1(第2)実施形態のように異なる部分のみ()内に区
別してまとめて説明する。
【0067】本発明の第1(第2)実施形態によれば、
ピストン部に設けた切換弁により、上部室から下部室へ
の通路を直接遮断して、上部室をオイルロック状態にす
るため、従来構造に対し油通路を形成するための三重管
構成が不要になる。
【0068】この結果、内筒が無くなって構造が簡素化
されるために、アンチロール型油圧緩衝器の容積が縮小
され重量が軽減されるとともに、車輌への搭載が容易に
なる。
【0069】特に、第2実施形態によれば、プッシュロ
ッドを取り除いたピストンロッドの中空孔に、荷物運搬
用自動車に一般的に装備されているパワーステアリング
或いはブレーキ用の油圧又は空気圧源を利用して、油圧
又は空気圧の付加或いは除去により切換弁を切換えるよ
うにすることにより大きな切換力を得ることができるた
め、切換弁を確実に切換えることができる。
【0070】つぎに、切換弁用のアクチュエータ(油圧
又は空気圧弁)をピストンロッドの上側に設けたため、
これらは懸架装置のばね上に装着されることになり、従
来例のばね下装着に比べばね下重量が低減して車輌の乗
り心地が改善されるとともに、ばね上の方がばね下より
も振動が小さいこともあって、アクチュエータの強度や
耐振性の低減が可能になり、小型軽量化することができ
る。
【0071】また、オイルロック状態が駐停車時にのみ
発現するようにすれば、走行時には常に緩衝モードにな
るので、走行路面からの大きな衝撃に対しても緩衝作用
が十分であるため、積み荷の損傷を防止することができ
る。
【0072】更に、油圧緩衝器の下部にピストン側の伸
側オリフィスとは独立して圧側オリフィスを配設したた
め、低速域の圧側減衰力を伸側減衰力に関係なく自由に
設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わるアンチロール型油圧緩衝
器の縦断面モデル図である。
【図2】第1,第2実施形態に係わるアンチロール型油
圧緩衝器のピストン近傍の拡大構造図である。
【図3】本発明に使用される懸架ばねの特性図である。
【図4】第2実施形態に係わるアンチロール型油圧緩衝
器の縦断面モデル図である。
【図5】従来技術に係わるアンチロール型油圧緩衝器の
縦断面モデル図である。
【図6】上記アンチロール型油圧緩衝器のピストン近傍
の拡大構造図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C タンク室 L 油通路 AR アクチュエータ CV 油圧又は空気圧弁 105 伸側減衰弁 108 圧側減衰弁 101 ピストンロッド 101A ピストンロッドの中空孔 102 ピストン 103 シリンダ 111 切換弁 111d スプリング 112 プッシュロッド 131 (ポペット型の)弁体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に連結されるピストンロッドに結
    合されシリンダ内を摺動自在に案内されるピストンによ
    って区画された上部室と下部室とが、両室を連通する油
    通路中に配設された切換弁の解放時に当該油通路を介し
    て連通されてピストンロッドの伸縮を許容させるととも
    に、上記切換弁の閉鎖時に上記油通路が遮断されてピス
    トンロッドの伸縮を阻止させるように形成されてなるア
    ンチロール型油圧緩衝器において、切換弁は上記ピスト
    ンロッド内の油通路に上下動自在に配設され、その下降
    時に油通路を遮断しその上昇時に当該油通路を連通させ
    るポペット型の弁体を有してなり、当該ポペット型の弁
    体はスプリングにより常時上昇方向に付勢されるととも
    に、ピストンロッド上部に装着したアクチュエータで、
    ピストンロッドの中空孔に介装されたプッシュロッドを
    介して上昇或いは下降されて、上記油通路を連通又は遮
    断し、油通路の連通時には緩衝モード,油通路の遮断時
    には伸側オイルロックモードとなることを特徴とするア
    ンチロール型油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 上記アクチュエータは、車輌が駐停車し
    ているときにのみ作動して伸側オイルロックモードを選
    択できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    アンチロール型油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 車体側に連結されるピストンロッドに結
    合されシリンダ内を摺動自在に案内されるピストンによ
    って区画された上部室と下部室とが、両室を連通する油
    通路中に配設された切換弁の解放時に当該油通路を介し
    て連通されてピストンロッドの伸縮を許容させるととも
    に、上記切換弁の閉鎖時に上記油通路が遮断されてピス
    トンロッドの伸縮を阻止させるように形成されてなるア
    ンチロール型油圧緩衝器において、切換弁は上記ピスト
    ンロッド内の油通路に上下動自在に配設され、その下降
    時に油通路を遮断しその上昇時に当該油通路を連通させ
    るポペット型の弁体を有してなり、当該ポペット型の弁
    体はスプリングにより常時上昇方向に付勢されるととも
    に、上記ピストンロッドの中空孔と油圧又は空圧等の流
    体圧源との間に油圧又は空圧切換弁を介装し、当該油圧
    又は空圧切換弁を連通又は遮断することにより、上記ポ
    ペット型の弁体を上昇或いは下降させて上記油通路を連
    通又は遮断し、油通路の連通時には緩衝モード,油通路
    の遮断時には伸側オイルロックモードとなることを特徴
    とするアンチロール型油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 上記油圧又は空圧切換弁は、車輌が駐停
    車しているときにのみ作動して伸側オイルロックモード
    を選択できるようにしたことを特徴とする請求項3に記
    載のアンチロール型油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 上記ポペット型の弁体は、ピストンロッ
    ドに上下動自在に嵌合する案内部の外径と当該弁体の着
    座するバルブシートのシート径が同一であることを特徴
    とする請求項1又は3に記載のアンチロール型油圧緩衝
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005108131A1 (es) * 2004-05-04 2005-11-17 Ap Amortiguadores, S.A. Amortiguador hidráulico con bloqueo hidráulico en compresión

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ES2251293A1 (es) * 2004-05-04 2006-04-16 Ap Amortiguadores, S.A. Amortiguador hidraulico con bloqueo hidraulico en compresion.

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