JP2001084723A - 記録/再生ヘッド支持機構および記録/再生装置 - Google Patents

記録/再生ヘッド支持機構および記録/再生装置

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JP2001084723A
JP2001084723A JP32250999A JP32250999A JP2001084723A JP 2001084723 A JP2001084723 A JP 2001084723A JP 32250999 A JP32250999 A JP 32250999A JP 32250999 A JP32250999 A JP 32250999A JP 2001084723 A JP2001084723 A JP 2001084723A
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recording
actuator
slider
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gap
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JP32250999A
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English (en)
Inventor
Keiichi Soeno
佳一 添野
Shinji Ichikawa
慎司 市川
Kazumasa Shiraishi
一雅 白石
Takeshi Wada
健 和田
Takamitsu Tsuna
隆満 綱
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Original Assignee
TDK Corp
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  • Optical Head (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小変位用のアクチュエータを有する磁気デ
ィスク装置や光ディスク装置の記録/再生ヘッド支持機
構において、アクチュエータの変位性能の阻害を防ぐと
共に、信頼性を向上させる。 【解決手段】 本発明の記録/再生ヘッド支持機構は、
スライダ、サスペンションおよびアクチュエータを少な
くともヘッド構成要素として有する。スライダには、電
磁変換素子または光学モジュールが設けられている。ス
ライダは、アクチュエータを介してサスペンションに支
持され、アクチュエータによりスライダをサスペンショ
ンに対して相対的に変位させることができる。相対的に
変位するヘッド構成要素間には、空隙が存在する。空隙
中には摩擦低減手段を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(以下、HDDと略記する)や光ディスクドライ
ブなどの記録/再生装置における記録/再生ヘッド支持
機構と、この記録/再生ヘッド支持機構を有する記録/
再生装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】HDDに用いられる従来の磁気ヘッド支
持機構は、電磁変換素子を設けたスライダをサスペンシ
ョンにより支持し、電磁変換素子に接続する配線パター
ンをサスペンション表面に設けたものが一般的である。
【0003】電磁変換素子は、電気信号と磁気信号とを
相互に変換するための磁極およびコイルや、これらに加
え、磁気信号を電圧信号に変換するための磁気抵抗効果
素子などを有するものであり、これらは薄膜形成技術や
組立加工技術等により形成されている。スライダは、A
23−TiCやCaTiO3などの非磁性セラミック
スやフェライトなどの磁性体から構成され、その形状は
概ね直方体状であり、ディスク媒体に対向する面(エア
ベアリング面)が、ディスク媒体と微小な距離を隔てて
浮上するための圧力を発生するのに適した形状に加工さ
れたものである。磁気ヘッドを支持するサスペンション
は、弾性を有するステンレス板などに曲げや抜きなどの
加工を施すことにより形成されたものである。配線パタ
ーンは、一般に導体線を樹脂被覆で覆った構造となって
いる。サスペンション表面に設けた配線パターンによる
電気的接続は、リード線による電気的接続に比べ、容量
成分および誘導成分が小さくなるので、高周波信号の記
録に適している。
【0004】HDDでは、小型化、高密度記録化が進む
にしたがって、トラック密度がより高く、トラック幅が
より狭くなってきている。高密度記録HDDにおいてト
ラッキング精度を向上させるためには、電磁変換素子や
スライダをサスペンションに対し微小変位させるアクチ
ュエータを記録/再生ヘッドに設けることが有効であ
る。このようなアクチュエータは、例えば特開平6−2
59905号公報、同6−309822号公報、同8−
180623号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなアクチ
ュエータによりスライダを駆動する際には、スライダは
サスペンションに対し相対的に変位する。このとき、隣
り合うヘッド構成要素が接触していると、すなわち、ア
クチュエータとサスペンションとが接触していたり、ア
クチュエータとスライダとが接触していたり、スライダ
とサスペンションとが接触していたりすると、摩擦によ
りアクチュエータの変位性能が阻害されて、電磁変換素
子の位置決め精度が低下する可能性がある。また、摩擦
負荷、衝突衝撃により、各ヘッド構成要素の信頼性が低
下する可能性がある。また、摩耗や衝突による塵埃発生
などに起因して、記録再生性能の信頼性が低下する可能
性がある。しかし、アクチュエータを設けることが記載
されている前記各公報には、各ヘッド構成要素間におい
て生じ得るこのような問題については考慮されていな
い。
【0006】本発明の目的は、微小変位用のアクチュエ
ータを有する磁気ディスク装置や光ディスク装置の記録
/再生ヘッド支持機構において、アクチュエータの変位
性能の阻害を防ぐと共に、信頼性を向上させることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の構成により達成される。 (1) スライダ、サスペンションおよびアクチュエー
タを少なくともヘッド構成要素として有し、前記スライ
ダに電磁変換素子または光学モジュールが設けられてお
り、前記スライダが前記アクチュエータを介して前記サ
スペンションに支持され、前記アクチュエータにより前
記スライダを前記サスペンションに対して相対的に変位
させることができ、相対的に変位するヘッド構成要素間
に空隙を設けるための空隙形成手段を有する記録/再生
ヘッド支持機構。 (2) 相対的に変位するヘッド構成要素間に設けた電
極、配線パターンおよび接着部材の少なくとも1つを、
前記空隙形成手段として利用する上記(1)の記録/再
生ヘッド支持機構。 (3) 前記接着部材が導電性を有する上記(2)の記
録/再生ヘッド支持機構。 (4) 相対的に変位するヘッド構成要素の少なくとも
1つに設けた段差を、前記空隙形成手段として利用する
上記(1)〜(3)のいずれかの記録/再生ヘッド支持
機構。 (5) 前記空隙の寸法が5〜50μmである上記
(1)〜(4)のいずれかの記録/再生ヘッド支持機
構。 (6) 前記空隙形成手段が、サスペンション、アクチ
ュエータおよびスライダそれぞれにおけるサスペンショ
ン延在方向と平行な中心軸に対し対称に配置されている
上記(1)〜(5)のいずれかの記録/再生ヘッド支持
機構。 (7) 前記空隙形成手段の少なくとも1つが、3以上
の構成単位から構成され、前記3以上の構成単位の少な
くとも3つが直線状に配列していない上記(1)〜
(6)のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。 (8) 前記空隙を介して向き合うアクチュエータ表面
とサスペンション表面とがほぼ平行、および/または、
前記空隙を介して向き合うアクチュエータ表面とスライ
ダ表面とがほぼ平行である上記(1)〜(7)のいずれ
かの記録/再生ヘッド支持機構。 (9) 少なくとも1つの前記空隙中に潤滑剤が摩擦低
減手段として存在し、この潤滑剤が、前記空隙の長さと
ほぼ同じ粒径をもつ固体粒子を含有する上記(1)〜
(8)のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。 (10) 前記潤滑剤において、前記固体粒子が半固体
および/または液体に分散している上記(9)の記録/
再生ヘッド支持機構。 (11) 前記潤滑剤が導電性を有する上記(9)また
は(10)の記録/再生ヘッド支持機構。 (12) 少なくとも1つの前記空隙中に、有機材料ま
たは無機材料を主成分とする膜が摩擦低減手段として少
なくとも1つ存在し、この膜の厚さが前記空隙の長さと
ほぼ同じであり、この膜が、前記空隙を挟む2つのヘッ
ド構成要素の一方だけに固定されているか、前記2つの
ヘッド構成要素のいずれにも固定されていない上記
(1)〜(8)のいずれかの記録/再生ヘッド支持機
構。 (13) 前記膜が導電性を有する上記(12)の記録
/再生ヘッド支持機構。 (14) 前記アクチュエータが逆圧電効果または電歪
効果を利用するものである上記(1)〜(13)のいず
れかの記録/再生ヘッド支持機構。 (15) 前記アクチュエータへの配線および/または
前記スライダへの配線が前記サスペンション上に形成さ
れている上記(1)〜(14)のいずれかの記録/再生
ヘッド支持機構。 (16) 前記サスペンションを駆動する主アクチュエ
ータを有する上記(1)〜(15)のいずれかの記録/
再生ヘッド支持機構。 (17) 上記(1)〜(16)のいずれかの記録/再
生ヘッド支持機構を有する記録/再生装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の記録/再生ヘッド支持機
構は、電磁変換素子または光学モジュールが設けられた
スライダと、サスペンションとを有し、スライダがこれ
を変位させるためのアクチュエータを介してサスペンシ
ョンに支持されたものである。以下、本発明を、スライ
ダに電磁変換素子が設けられた磁気ヘッドに適用する場
合を例に挙げて説明する。
【0009】まず、サスペンション、アクチュエータお
よびスライダの代表的な構成について説明する。
【0010】図12に、アクチュエータを有する磁気ヘ
ッド支持機構の構成例を分解斜視図として示す。この磁
気ヘッド支持機構は、電磁変換素子1を設けたスライダ
2と、このスライダ2を支持するサスペンション3とを
有し、スライダ2とサスペンション3との間に、アクチ
ュエータ4を設けたものである。
【0011】アクチュエータ4は、スライダ2をサスペ
ンション3に対して微小変位させるためのものであり、
サスペンション3の末端部に設けたジンバル部3aに、
接着等により固定してある。ジンバル部3aは、スライ
ダをディスク媒体面に追従させることを目的として、エ
ッチング等で打ち抜き溝を設けることにより形成したも
のである。なお、この磁気ヘッドには、サスペンション
全体を駆動するための主アクチュエータも設けられる。
【0012】アクチュエータ4は、固定部43と可動部
44とを有し、さらに、これらを接続する2本の棒状の
変位発生部41、41を有する。変位発生部41には、
両側に電極層が存在する圧電・電歪材料層が少なくとも
1層設けられ、電極層に電圧を印加することにより伸縮
を発生する構成となっている。圧電・電歪材料層は、逆
圧電効果または電歪効果により伸縮する圧電・電歪材料
からなる。変位発生部41の一端は固定部43を介して
サスペンションに連結され、変位発生部41の他端は可
動部44を介してスライダに連結され、変位発生部41
の伸縮によりスライダが変位して、電磁変換素子がディ
スク媒体の記録トラックと交差するように弧状に変位す
る構成となっている。
【0013】アクチュエータ4では、変位発生部41に
おいて、圧電・電歪材料層がPZT等のいわゆる圧電材
料から構成されている場合、圧電・電歪材料層には、通
常、変位性能向上のための分極処理が施されている。こ
の分極処理による分極方向は、アクチュエータの厚さ方
向である。電極層に電圧を印加したときの電界の向きが
分極の向きと一致する場合、両電極間の圧電・電歪材料
層はその厚さ方向に伸長(圧電縦効果)し、その面内方
向では収縮(圧電横効果)する。一方、電界の向きが分
極の向きと逆である場合、圧電・電歪材料層はその厚さ
方向に収縮(圧電縦効果)し、その面内方向では伸長
(圧電横効果)する。そして、一方の変位発生部と他方
の変位発生部とに、収縮を生じさせる電圧を交互に印加
すると、一方の変位発生部の長さと他方の変位発生部の
長さとの比率が変化し、これによって両変位発生部はア
クチュエータの面内において同方向に撓む。この撓みに
よって、固定部43に対し可動部44が、電圧無印加時
の位置を中央として図中矢印方向に揺動することにな
る。この揺動は、可動部44が、変位発生部41の伸縮
方向に対しほぼ直交する方向に弧状の軌跡を描く変位で
あり、揺動方向はアクチュエータの面内に存在する。し
たがって、電磁変換素子も弧状の軌跡を描いて揺動する
ことになる。このとき、電圧と分極とは向きが同じなの
で、分極減衰のおそれがなく、好ましい。なお、両変位
発生部に交互に印加する電圧が変位発生部を伸長させる
ものであっても、同様な揺動が生じる。
【0014】図示するアクチュエータでは、両変位発生
部に、互いに逆の変位が生じるような電圧を同時に印加
してもよい。すなわち、一方の変位発生部と他方の変位
発生部とに、一方が伸長したとき他方が収縮し、一方が
収縮したとき他方が伸長するような交番電圧を同時に印
加してもよい。このときの可動部44の揺動は、電圧無
印加時の位置を中央とするものとなる。この場合、駆動
電圧を同じとしたときの揺動の振幅は、電圧を交互に印
加する上記場合の約2倍となる。ただし、この場合、揺
動の一方の側では変位発生部を伸長させることになり、
このときの駆動電圧は分極の向きと逆となる。このた
め、印加電圧が高い場合や継続的に電圧印加を行う場合
には、圧電・電歪材料の分極が減衰するおそれがある。
したがって、分極と同じ向きに一定の直流バイアス電圧
を加えておき、このバイアス電圧に前記交番電圧を重畳
したものを駆動電圧とすることにより、駆動電圧の向き
が分極の向きと逆になることがないようにする。この場
合の揺動は、バイアス電圧だけを印加したときの位置を
中央とするものとなる。
【0015】図示するアクチュエータは、所定箇所に電
極層を設けた圧電・電歪材料の板状体に孔部および切り
欠きを形成することにより、変位発生部41、固定部4
3および可動部44を一体的に形成した構造となってい
る。したがって、アクチュエータの剛性および寸法精度
を高くでき、組立誤差が生じる心配もない。また、アク
チュエータ製造に接着剤を用いないため、変位発生部の
変形によって応力が生じる部分に接着剤層が存在しな
い。このため、接着剤層による伝達ロスや、接着強度の
経年変化などの問題も生じない。
【0016】本明細書において圧電・電歪材料とは、逆
圧電効果または電歪効果により伸縮する材料を意味す
る。圧電・電歪材料は、上述したようなアクチュエータ
の変位発生部に適用可能な材料であれば何であってもよ
いが、剛性が高いことから、通常、PZT[Pb(Z
r,Ti)O3]、PT(PbTiO3)、PLZT
[(Pb,La)(Zr,Ti)O3]、チタン酸バリ
ウム(BaTiO3)等のセラミックス圧電・電歪材料
が好ましい。アクチュエータをセラミックス圧電・電歪
材料から構成する場合、シート法や印刷法等の厚膜法を
用いて容易に製造できる。なお、アクチュエータは、薄
膜法により作製することもできる。圧電・電歪材料が結
晶構造を有する場合、多結晶体であっても単結晶体であ
ってもよい。
【0017】電極層の形成方法は特に限定されず、圧電
・電歪材料層の形成方法を考慮して、導電性ペーストの
印刷、焼成や、スパッタ、蒸着、CVD等の各種方法か
ら適宜選択すればよい。
【0018】アクチュエータは、変位発生部に、両側を
電極層に挟まれた圧電・電歪材料層が少なくとも1層存
在する構成であればよいが、好ましくは、このような圧
電・電歪材料層が2層以上積層された積層型のものであ
ることが好ましい。圧電・電歪材料層の伸縮量は電界強
度に比例するが、上記積層型とすれば、圧電・電歪材料
層が薄くなるので、必要な電界強度が低電圧で得られる
ようになり、駆動電圧を低減できる。また、単層構造の
場合と同じ駆動電圧とすれば、より大きな伸縮量が得ら
れる。圧電・電歪材料層の厚さは特に限定されず、駆動
電圧や、必要とされる伸縮量、製造しやすさ等の各種条
件に応じて適宜決定すればよいが、通常、5〜50μm
程度であることが好ましい。圧電・電歪材料層の積層数
の上限は特になく、目的とする厚さの変位発生部が得ら
れるように適宜決定すればよい。なお、最も外側にある
電極層のさらに外側には、通常、カバー部としての圧電
・電歪材料層が設けられる。
【0019】なお、図示はしていないが、サスペンショ
ン3の表面には、アクチュエータ4を駆動するための配
線パターンや、電磁変換素子1に接続される配線パター
ンが必要に応じて形成される。また、サスペンション3
表面に、ヘッドドライブ用のICチップ(リードライト
IC)を搭載してもよい。信号処理ICをサスペンショ
ン上に設ければ、電磁変換素子から信号処理ICまでの
配線パターンの長さを短くできるので、誘導成分が減っ
て信号周波数を高くすることができる。
【0020】本発明は、図示する構造の一体型アクチュ
エータを利用する場合に好適であるが、このほか、圧電
素子を用いる組立構造の各種アクチュエータ、静電気力
を用いるアクチュエータ、電磁力を用いるアクチュエー
タ等のいずれを利用する場合にも適用できる。
【0021】サスペンション3は、一般に、ステンレス
鋼等の弾性を有する金属材料から構成する。一方、配線
パターンは、導体線を樹脂被覆によって覆う構造とする
ことが一般的である。このような構造の配線パターンの
形成方法は特に限定されないが、例えば、サスペンショ
ン3の表面に絶縁膜として樹脂膜を形成し、この上に導
体線を形成し、さらに、保護膜として樹脂膜を形成する
方法を用いたり、このような樹脂膜と導体線との積層体
からなる配線用フィルムをサスペンション3に接着した
りする方法を利用する。
【0022】本発明では、上述したような構成を有する
磁気ヘッド支持機構において、相対的に変位するヘッド
構成要素間に空隙を設ける。この空隙を設けるための手
段を、本明細書では空隙形成手段という。前記相対的に
変位するヘッド構成要素間とは、例えば、アクチュエー
タの可動部位とサスペンションとの間、アクチュエータ
の可動部位とスライダとの間、およびスライダとサスペ
ンションとの間である。さらに本発明では、前記空隙の
少なくとも1つに、ヘッド構成要素同士の直接接触を防
止するための摩擦低減手段、すなわち空隙維持機能をも
つ摩擦低減手段を設けることが好ましい。
【0023】なお、この場合のアクチュエータの可動部
位とは、他のヘッド構成要素に対して相対的に変位する
部位のことである。すなわち、図12により説明する
と、サスペンション3に対しては、変位発生部41およ
び可動部44が可動部位となり、スライダ2に対して
は、変位発生部41および固定部43が可動部位とな
る。
【0024】次に、空隙形成手段および摩擦低減手段の
構成例を説明する。
【0025】本発明の第1の態様では、アクチュエータ
表面とサスペンション表面との間および/またはアクチ
ュエータ表面とスライダ表面との間に設けた電極を、前
記空隙形成手段として利用する。この態様を図1により
説明する。図1(a)では、アクチュエータ4表面とサ
スペンション3表面との間およびアクチュエータ4表面
とスライダ2表面との間にそれぞれ電極10を設け、こ
れらの電極10を空隙形成手段として利用する。図1
(b)は、図1(a)において設けた空隙内に膜状の摩
擦低減手段8を設けた構成を示している。
【0026】図1(b)において、アクチュエータ4表
面とサスペンション3との間の電極10は、端子電極か
ら構成される。この端子電極は、例えば、図1(c)に
示すサスペンション3表面のアクチュエータ駆動用配線
パターン5と、アクチュエータ4内の電極層とを接続す
る端子電極、また、電磁変換素子に接続する配線パター
ン(図示しないが、通常、サスペンション3表面に形成
される)とアクチュエータ4表面に形成された配線パタ
ーン(図示せず)とを接続する端子電極などである。一
方、アクチュエータ4表面とスライダ2表面との間の電
極10は、アクチュエータ4表面に形成された上記配線
パターンと、スライダ2に設けた電磁変換素子の端子電
極とを接続するものである。なお、スライダ2と電極1
0との間は、絶縁膜等によって電気的に絶縁されてい
る。
【0027】この態様では、サスペンション3表面の端
子電極13A、13B、13C[図1(c)参照]とア
クチュエータ4表面の端子電極14A、14B、14C
[図1(d)参照]とを、合わせて所要の厚さとなるよ
うに形成し、これを空隙形成手段としてもよく、また、
両端子電極の間に他の導電部材を電極として挟み、これ
らをあわせて空隙形成手段として利用してもよい。空隙
形成手段として利用する電極の形成方法は特に限定され
ないが、通常の端子電極に比べ厚手とする必要が生じる
ことがあり、また、電極がそれぞれ密着している各ヘッ
ド構成要素の表面同士をほぼ平行に維持するために寸法
(厚さ)精度の高いことが要求されるので、厚い金属膜
を寸法精度よく形成できる方法、例えば溶射法やスクリ
ーン印刷法を用いることが好ましい。
【0028】図2(a)および図2(b)に、第1の態
様において摩擦低減手段の構成が異なる例をそれぞれ示
す。図2(a)では、スライダ2の背面側にアクチュエ
ータ4を配置し、アクチュエータ4とサスペンション3
との間およびアクチュエータ4とスライダ2との間にそ
れぞれ電極10によって空隙を設け、これらの空隙内
に、膜状の摩擦低減手段8を設けている。この構成例で
は、相対的に変位するヘッド構成要素の相対する表面の
両方に摩擦低減手段8を設けているため、摩擦低減手段
8同士が接触する構成である。一方、図2(b)に示す
構成例は、スライダ2をアクチュエータ4の側面側に配
置したほかは図2(a)に示す構成例と同様である。
【0029】本発明の第2の態様では、相対的に変位す
るヘッド構成要素間に設けた電気配線を、前記空隙形成
手段として利用する。この態様を図3(a)、図3
(b)、図3(c)および図3(d)により説明する。
図3(a)において、サスペンション3表面の配線パタ
ーン5は、導体を樹脂層で覆った構造の配線フィルムか
らなり、導体の一部は樹脂層から露出して、アクチュエ
ータに接続するための端子電極13A、13B、13C
を構成している。図3(b)は、図3(a)に示すサス
ペンション3に、アクチュエータ4を接着した状態を示
す。図3(b)におけるC−C線断面を図3(c)に、
D−D線断面を図3(d)にそれぞれ示す。なお、図3
(c)および図3(d)では切断面だけを示してあり、
奥行き方向の図示は省略してある。
【0030】図3(c)に示されるように、アクチュエ
ータ4の固定部43は配線パターン5上に接着されてい
る。これに対し図3(d)に示されるように、サスペン
ション3に対し相対的に変位する変位発生部41、41
は、配線パターン5の厚さだけサスペンション3表面か
ら離間しており、両者の間には空隙が形成されている。
したがって、この構成では、変位発生部41、41の変
位が妨げられることがない。図示例では、空隙形成手段
により形成された空隙内に、膜状の摩擦低減手段8を設
けている。なお、このほか、アクチュエータ4の表面に
所要の厚さの配線パターンを設け、これを空隙形成手段
として利用することもできる。また、サスペンション表
面とアクチュエータ表面との両方に配線パターンを設
け、両配線パターンをあわせて空隙形成手段として利用
することもできる。また、ここでは、アクチュエータと
サスペンションとの間の空隙だけについて説明したが、
アクチュエータとスライダとの間の空隙も、アクチュエ
ータ表面および/またはスライダ表面に設けた配線パタ
ーンを空隙形成手段として利用することにより、同様に
して形成できる。
【0031】本発明の第3の態様では、相対的に変位す
るヘッド構成要素間に設けた接着部材を、前記空隙形成
手段として利用する。この態様を図4により説明する。
図4では、アクチュエータ4表面とサスペンション3表
面との間およびアクチュエータ4表面とスライダ2表面
との間に、それぞれ接着部材6が存在する。これらの接
着部材6は、磁気ヘッドのヘッド構成要素同士を接着す
るための部材であるが、この態様では、これらの接着部
材6を所要の厚さに形成することにより空隙形成手段と
して利用する。図示例では、空隙形成手段により形成さ
れた空隙内に、膜状の摩擦低減手段8を設けている。接
着部材は、接着される2種のヘッド構成要素の少なくと
も一方の表面に、接着後に所要の厚さとなるように接着
剤を塗布したり、接着シートを貼り付けたりすることに
より形成できる。ただし、接着部材は、接着剤だけから
構成されている必要はなく、剛性材料や可撓性材料から
なる基材を接着剤層中に埋め込んだものであってもよ
い。例えば、硬質のフィラーを分散させた接着剤層を接
着部材として用いれば、接着部材をその面内で一様な厚
さとすることができる。そのため、接着部材を必要最小
限まで薄くすることができる。また、接着部材がそれぞ
れ貼り付けられている各ヘッド構成要素の表面同士をほ
ぼ平行に維持することが容易となる。その結果、アクチ
ュエータ4により電磁変換素子1を揺動させる際に、デ
ィスク媒体面にほぼ平行な面内で揺動させることが容易
となる。なお、第1の態様および第2の態様において
も、各ヘッド構成要素の空隙形成手段に対する接触面は
互いにほぼ平行であることが好ましい。
【0032】本発明の第4の態様では、アクチュエータ
表面および/またはスライダ表面に設けた段差を、前記
空隙形成手段として利用する。この態様を図5により説
明する。図5(a)では、アクチュエータ4の上面に段
差を設けて固定部43を上方に延長することにより、ア
クチュエータ4とサスペンション3との間に空隙を設
け、また、アクチュエータ4の下面に段差を設けて可動
部44を下方に延長することにより、アクチュエータ4
とスライダ2との間に空隙を設けている。図示例では、
空隙形成手段により形成された空隙内に、膜状の摩擦低
減手段8を設けている。一方、図5(b)は、アクチュ
エータ4の下面に段差を設ける替わりに、スライダ2の
上面に段差を設けて上面の一部を上方に延長することに
より、アクチュエータ4とスライダ2との間に空隙を設
けている点が図5(a)と異なる。このように、アクチ
ュエータやスライダに段差を設ける構成では、空隙の寸
法誤差を小さくでき、組み立て誤差も小さくすることが
できる。なお、第4の態様においても、対向するヘッド
構成要素の両表面は、互いにほぼ平行であることが好ま
しい。
【0033】本発明では、上記した第1〜第4の態様の
2以上を併用することもできる。例えば、アクチュエー
タとサスペンションとの間の空隙を形成する手段と、ア
クチュエータとスライダとの間の空隙を形成する手段と
が、異なっていてもよい。
【0034】本発明では、サスペンション、アクチュエ
ータおよびスライダそれぞれにおける、サスペンション
延在方向と平行な中心軸に対し、空隙形成手段が対称に
配置されていることが好ましい。例えば図1(b)にお
ける端子電極13A、13B、13C、図1(c)にお
ける端子電極14A、14B、14Cおよび図3(a)
における配線パターン5は、いずれもサスペンション3
の延在方向(図中左右方向)に平行な中心軸に対し対称
な配置となっている。このような対称配置とすることに
より、ヘッド荷重時にスライダの浮上状態が安定し、ア
クチュエータ駆動時の安定性が良好となる。
【0035】また、本発明では、空隙形成手段を3以上
の構成単位から構成し、かつ、前記3以上の構成単位の
少なくとも3つを直線状に配列させないことが好まし
い。その具体例は、例えば図1(b)に示される。同図
において端子電極13A、13B、13Cが上記構成単
位であり、これらの構成単位は直線状に配列していな
い。少なくとも3つの構成単位をこのように配列させて
空隙形成手段を構成することにより、アクチュエータと
他のヘッド構成要素との間を一定間隔に維持することが
容易となる。その結果、アクチュエータ4によりスライ
ダを揺動させる際に、ディスク媒体面にほぼ平行な面内
で揺動させることが容易となる。
【0036】本発明において、各ヘッド構成要素間に設
ける空隙の寸法は、サスペンションによる荷重やヘッド
構成要素の剛性を考慮し、ヘッド構成要素同士が相対的
に変位する際に干渉が生じないように決定すればよい
が、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜3
0μmとする。空隙が狭すぎると、アクチュエータ駆動
時に接触が生じるおそれがある。一方、空隙が広すぎる
と、磁気ヘッドの厚さ増大や剛性の低下を招く。
【0037】また、摩擦低減手段の厚さは、各ヘッド構
成要素間に設ける空隙の長さに応じ、この長さとほぼ同
じとなるように設定すればよい。ただし、摩擦低減手段
の厚さが、摩擦低減手段の材質や形成方法などによって
制限される場合には、摩擦低減手段の厚さに対応して空
隙長を決定してもよい。
【0038】次に、前記空隙内に設ける摩擦低減手段の
詳細について説明する。
【0039】上述したようにヘッド構成要素間に空隙を
設ければ、ヘッド構成要素同士が常時接触することは防
げる。しかし、ヘッド構成要素間に空隙を設けると、ヘ
ッドや磁気ディスク装置全体に加わる外力によって、ヘ
ッド構成要素の撓みやヘッド構成要素同士の衝突が生じ
ることがある。ヘッド構成要素に撓みが生じると、アク
チュエータの変位性能が阻害されたり、スライダの浮上
量が不正確になったりするおそれがある。また、衝突が
生じると、ヘッド構成要素が破損したり、アクチュエー
タの変位性能が阻害されたりするおそれがある。これに
対し、摩擦低減手段を設けて、相対するヘッド構成要素
が直接接触しない構成とすれば、ヘッドの耐衝撃性が高
くなり、しかも、ヘッド構成要素間の摩擦増大を防ぐこ
とができる。また、摩擦低減手段を設けることにより、
ヘッド組み立ての際にヘッド構成要素間の空隙を所定の
長さに設定することが容易となるので、組み立て精度を
向上できる。空隙だけを設ける場合には、組み立て精度
を確保するために空隙間に一時的にスペーサを挟んでお
くことが好ましいが、摩擦低減手段をこのスペーサの替
わりに利用すれば、製造の際にスペーサの抜き取りが不
要となるので、工程数を削減できると共に、製造歩留ま
りも向上する。具体的には、ヘッド組み立ての際に、ア
クチュエータの高さ方向の位置決めが非常に容易とな
り、対向するヘッド構成要素同士の間隔および平行度の
管理が容易となる。
【0040】本発明では、摩擦低減手段として潤滑剤を
用いるか、有機材料または無機材料を主成分とする膜を
用いる。
【0041】ところで、米国特許第5,856,896
号明細書の第4カラム第2段落には、サスペンションの
一部を構成するフレキシャーから延びるスライダ・サポ
ート・ビームと、スライダとの間に、両者の相対的な横
方向の動きを許容するためのcompliant shear layer
(好ましくはmylar film(ポリエステル・フィルム))
を接着するか、両者の相対的な動きによって生じる摩耗
や破片を低減するための潤滑剤(ディスク用の通常の潤
滑剤)を設けてもよい旨が記載されている。
【0042】同明細書に記載されたmylar filmは、相対
的に変位する2つのヘッド構成要素(スライダ・サポー
ト・ビームとスライダ)の両者に接着されているため、
2つのヘッド構成要素の相対的変位に伴ってmylar film
には剪断力が発生する。mylar filmは剛体ではないた
め、前記剪断力によって歪み、その結果、ヘッド構成要
素間の相対的な動きを許容するものと考えられる。しか
し、磁気ヘッドのアクチュエータは、トラッキング動作
時の動作(応答)周波数が高い。また、mylar film等の
樹脂フィルムは一般に十分に歪みやすいとはいえない。
そのため、樹脂フィルムがそれを挟む2つのヘッド構成
要素の両方に接着されていると、ヘッド構成要素の変位
に十分に追随できず、アクチュエータの変位性能を阻害
してしまう可能性がある。また、mylar film等の樹脂フ
ィルムは、一般にその柔軟性が温度依存性をもつため、
環境温度の変化によって変位性能が影響されやすいとい
う問題もある。
【0043】また、mylar filmに替えてディスク用の通
常の潤滑剤を用いる場合、外力によるヘッド構成要素同
士の衝突を防ぐことはできない。
【0044】このような従来技術に対し、本発明におい
て摩擦低減手段として用いる潤滑剤は、空隙の長さとほ
ぼ同じ粒径をもつ固体粒子を含有する。固体粒子として
は、固体潤滑剤として用いられる潤滑性の高いもの、例
えばグラファイト粒子や二硫化モリブデン粒子が好まし
いが、そのほかの固体粒子、例えばアルミナ粒子や炭酸
カルシウム粒子などを用いてもよく、その場合でも、ヘ
ッド構成要素同士が接触している場合に比べ、摩擦は低
くなる。また、これらの無機粒子のほか、フッ素系高分
子などの樹脂からなる有機粒子も使用できる。ヘッド構
成要素間にある空隙の長さを一定に保ち、また、ヘッド
構成要素に対する摩擦を低くするために、固体粒子は、
ほぼ球状であってかつ粒径が揃っていることが好まし
い。
【0045】アクチュエータ駆動時の固体粒子の飛散を
防ぐためや、ヘッド構成要素に対する摩擦をより低くす
るために、固体粒子が半固体および/または液体に分散
した状態の潤滑剤を用いることが好ましい。上記半固体
および上記液体としては、それ自体が潤滑剤であるも
の、すなわち、半固体潤滑および液体潤滑剤を用いるこ
とが好ましい。これにより、潤滑性の低い固体粒子を用
いた場合でも、摩擦を十分に低くすることができる。な
お、潤滑性の高い固体粒子と組み合わせる場合、上記半
固体および上記液体は固体粒子の飛散を防ぐために機能
すればよいので、潤滑性をもたなくてもよい。
【0046】半固体潤滑剤としては、例えばグリースを
用いることができる。液体潤滑剤としては、例えばフッ
素系オイル等を用いることができる。
【0047】上記潤滑剤を空隙内に設ける方法は特に限
定されない。例えば、ヘッド構成要素同士を組み立てる
前にヘッド構成要素表面に塗布等により設けてもよく、
組み立て後にヘッド構成要素間の空隙に注入してもよ
い。前者の場合、組み立てに際し、空隙長維持のための
スペーサーを設ける必要がなくなる。
【0048】次に、摩擦低減手段として膜を用いる場合
について説明する。上記米国特許第5,856,896
号明細書には、相対的に変位する2つのヘッド構成要素
(スライダ・サポート・ビームとスライダ)の両者に接
着したmylar filmが記載されている。これに対し本発明
において摩擦低減手段として用いる膜は、空隙を挟む2
つのヘッド構成要素の一方だけに固定されているか、空
隙を挟む2つのヘッド構成要素のいずれにも固定されて
いないものである。そのため、トラッキング動作時のア
クチュエータの動作(応答)周波数が高い場合でも、ア
クチュエータの変位性能を阻害することはない。
【0049】本発明で摩擦低減手段として用いる膜は、
有機材料または無機材料を主成分とし、ヘッド構成要素
に対する摩擦または膜同士の間での摩擦が小さい低摩擦
膜である。
【0050】空隙を挟む2つのヘッド構成要素の一方だ
けに固定された低摩擦膜を形成するためには、ヘッド構
成要素の表面に、スパッタや蒸着、CVD等の薄膜形成
法または塗布法(例えばスクリーン印刷、ディッピン
グ、スプレー塗布)を利用して膜を形成すればよい。こ
のとき、パターニングを行って複数箇所に低摩擦膜が分
散する構成としてもよい。また、このほか、独立した低
摩擦膜の1つまたは複数をヘッド構成要素に貼り付ける
方法も利用できる。低摩擦膜を複数に分割し、空隙内に
分散して配置することにより、スライダ駆動時の安定性
を確保した上で低摩擦膜とヘッド構成要素との接触面積
または膜同士の接触面積を小さくすることができるの
で、摩擦をより小さくできる。
【0051】2つのヘッド構成要素の一方だけに固定さ
れた低摩擦膜を摩擦低減手段として用いる場合、低摩擦
膜を形成するヘッド構成要素は特に限定されないが、好
ましくはアクチュエータに形成する。以下、低摩擦膜を
アクチュエータに形成することが好ましい理由を説明す
る。本明細書に例示する圧電アクチュエータを製造する
に際しては、まず、大面積の圧電基板上に電極パターン
を積層し、さらに、圧電基板および電極パターンの積層
を繰り返して、多数のアクチュエータパターンを含む母
材を形成する。次いで、この母材をカッターにより切断
したり、粒子吹き付けにより打ち抜いたりして分割する
ことにより、多数のアクチュエータを一挙に得る。この
ような製造工程において、上記母材の切断や打ち抜きの
前に、低摩擦膜を母材の少なくとも一方の主面に形成す
れば、低摩擦膜を設けることによる手間の増大を最小限
に抑えることができる。低摩擦膜は、例えば図2(a)
に示すように、アクチュエータ表面のうち他のヘッド構
成要素に接着する領域には設けないことが好ましい。こ
れは、接着力を阻害しないためである。したがって、そ
の場合には、上記母材の主面に低摩擦膜を形成する際に
マスクなどを利用してパターニングするか、形成後に低
摩擦膜の一部を除去する。これに対し、アクチュエータ
の側面にスライダやサスペンションが接着される場合、
上記母材の主面の全域に低摩擦膜を形成してよい。ただ
し、低摩擦膜の形成面積が大きいとアクチュエータの変
位が阻害されることもあるので、このことも考慮して形
成領域を適宜決定することが好ましい。
【0052】空隙を挟む2つのヘッド構成要素のいずれ
にも固定されていない低摩擦膜を形成するためには、独
立した低摩擦膜を、対向するヘッド構成要素間に挟めば
よい。図6(a)は、アクチュエータ4の変位発生部4
1を、フッ素系高分子膜からなる摩擦低減手段8で覆っ
た例を示す。この摩擦低減手段8は、図6(b)の断面
図に示すように、それぞれ両端を折り曲げた2枚の膜8
a、8bとから構成される。膜8aおよび膜8bは、変
位発生部41を上側および下側からそれぞれ挟んでお
り、磁気ヘッド支持機構を組み立てた状態において、そ
れぞれサスペンションおよびスライダと接する。
【0053】なお、低摩擦膜の表面に、潤滑剤を塗布し
てもよく、空隙内の一部だけに低摩擦膜を設け、低摩擦
膜を設けない領域に潤滑剤を充填してもよい。この場合
に用いる潤滑剤としては、半固体潤滑剤または液体潤滑
剤が好ましいが、前記した固体粒子を含む潤滑剤を用い
てもよい。
【0054】無機材料を主成分とする低摩擦膜としては
ダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:
DLC)膜が、有機材料を主成分とする低摩擦膜として
はポリテトラフルオロエチレン膜等のフッ素系高分子膜
が、いずれも摩擦が低くかつ耐摩耗性が良好である点で
好ましい。
【0055】DLC膜は、硬度が高く、また、表面を平
滑にできるため、摩擦が小さくなる。また、極めて薄く
しても十分な接着力と機械的強度が得られるため、薄く
することができる。したがって、DLC膜は弾性変形し
にくい。そのため、スライダに荷重が加わったとき、お
よびアクチュエータによるスライダの変位に伴って剪断
力が加わったときに歪みにくい。その結果、スライダが
媒体上に浮上した状態においてアクチュエータを駆動し
たときに、スライダ変位の阻害を防ぐことができる。
【0056】DLC膜は、ダイヤモンド様炭素膜、i−
カーボン膜等と称されることもある。ダイヤモンド状炭
素膜については、例えば特開平11−278990号公
報に記載されている。DLCは、ラマン分光分析におい
て、1550cm-1にブロードな(1520〜1560cm
-1)ラマン吸収のピークを示す。すなわち、ラマン分光
分析において、1333cm-1に鋭いピークを示すダイヤ
モンドや、1581cm -1に鋭いピークを示すグラファイ
トとは、明らかに異なった構造を有する物質である。D
LC膜は、炭素と水素とを主成分とするアモルファス状
態の薄膜であって、膜中には炭素同士のsp3結合がラ
ンダムに存在する。DLCにおける原子比C:Hは、通
常、95〜60:5〜40程度である。DLC膜は、上
記各公報に示されるように、炭素および水素のほかに各
種元素、例えばSi、N、O、F等の少なくとも1種を
含有していてもよい。DLC膜は、プラズマCVD法、
イオン化蒸着法、スパッタ法などで形成することができ
る。
【0057】なお、ヘッド構成要素の一方だけに固定さ
れたフッ素系高分子膜は、例えば塗布法や薄膜形成法に
より形成することが好ましい。
【0058】図1(b)および図2(a)にそれぞれ例
示したように、低摩擦膜は、空隙を挟んで向かい合う2
つのヘッド構成要素の一方だけに設けてもよく、両方に
設けてもよい。
【0059】摩擦低減手段の厚さは、スライダに荷重が
かからない状態で摩擦低減手段とヘッド構成要素とが接
触するように、すなわち空隙長とほぼ同じとなるように
決定すればよい。これにより、空隙を挟んで対向するヘ
ッド構成要素同士の衝突が防げると共に、摩擦増大を最
小限に抑えることができる。具体的には、摩擦低減手段
の好ましい厚さは、構成材料によって異なるが、一般に
5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。摩擦低
減手段が薄すぎると、十分な機械的強度が得られにく
く、ヘッド構成要素との接触または摩擦低減手段同士の
接触によって破損し、機能が損なわれるおそれがある。
一方、摩擦低減手段が厚すぎると、DLC膜以外では摩
擦低減手段の剛性が低くなりやすく、その結果、摩擦が
大きくなりやすい。また、磁気ヘッドの厚さ増大を招く
点でも好ましくない。
【0060】摩擦低減手段には、必要に応じ、導電性を
もたせてもよい。スライダは、高速に回転する媒体上に
極めて低い高さで浮上しているため、空気との摩擦など
により帯電することがある。また、CSS(コンタクト
・スタート・ストップ)により帯電することもある。ス
ライダが帯電すると、電磁変換素子や光学モジュールが
静電気により破壊されてしまうことがある。摩擦低減手
段に導電性をもたせ、摩擦低減手段を介してスライダ→
アクチュエータ→サスペンションの順に静電気が逃げる
ように摩擦低減手段の配置パターンを設定すれば、電磁
変換素子や光学モジュールの静電破壊を防ぐことができ
る。摩擦低減手段に導電性を付与する方法は特に限定さ
れない。例えば、摩擦低減手段として固体粒子を含有す
る潤滑剤を用いる場合には、グラファイト粒子やそのほ
か導電性を有する粒子を用いればよい。また、導電性元
素をドープした低摩擦膜を利用することもできる。
【0061】また、前記した空隙形成手段のうち、図4
に示す接着部材6についても、同様な理由により導電性
をもたせることが好ましい。
【0062】次に、サスペンションの構造が上記構成例
と異なる磁気ヘッドについて説明する。
【0063】図7に示す構成例におけるサスペンション
は、サスペンション本体31と、その先端部に取り付け
られたジンバル部(フレキシャー)3aと、サスペンシ
ョン本体(ロードビーム)31の先端部に設けられたピ
ボット33とを有する構造である。ピボット33は、ジ
ンバル部3aに設けられた貫通孔(図示せず)を突き抜
けて、アクチュエータ4の可動部上に設けられた膜状の
摩擦低減手段8に接する。アクチュエータ4は、スライ
ダ2の背面側に配置されているため、ピボット33は、
摩擦低減手段8および前記可動部を介してスライダ2に
初期荷重を与える。
【0064】図8に示す構成例では、アクチュエータ4
がスライダ2の側面側に配置されており、ピボット33
が、スライダ2の背面に設けられた膜状の摩擦低減手段
8に接触している。この構成では、ピボット33がスラ
イダ2に直接的に初期荷重を与える。
【0065】図9に示す構成例では、ジンバル部3aに
凹部を形成することにより、スライダ2に向かって突出
する突起31aを形成し、かつ、前記凹部内にピボット
33を挿入している。そのほかの構成は、図8に示す構
成例と同様である。この構成例では、スライダ2背面の
摩擦低減手段8に突起31aが接触しており、この突起
31aがピボットとして機能する。この構造とすること
により、ジンバル部3aの面内ずれを抑制することがで
き、その結果、スライダ2の面内ずれが抑制されて電磁
変換素子のトラックずれが生じにくくなる。なお、この
面内ずれとは、媒体の面内方向におけるずれのことであ
る。このずれは、例えばシーク時にサスペンションが振
動することによって誘起される。
【0066】図10に示す構成例では、ジンバル部3a
に複数の凹部を形成することにより、スライダ2に向か
って突出する突起31bを形成している。ピボット33
は、ジンバル部3aを押すことによりスライダ2に初期
荷重を与える。そのほかの構成は、図8に示す構成例と
同様である。この構成例では、スライダ2背面に設けた
膜状の摩擦低減手段8を突起31bが押圧するので、接
触面積が小さくなる。
【0067】図7〜図10では、膜状の摩擦低減手段8
において、ピボット33、突起31a、突起31bのそ
れぞれとの接触点または接触面だけに荷重が加わり、か
つ、この接触点または接触面においてすべりが生じる必
要があるので、摩擦低減手段8は剛性が高いことが好ま
しい。したがって、摩擦低減手段8としては、高硬度か
つ耐久性の高いDLC膜が特に好適である。
【0068】なお、図7〜図10では、ジンバル部3a
の一部を屈曲させて段差を設けることによりジンバル部
3aとスライダ2との間に空隙を形成しているが、上述
した他の空隙形成手段も使用可能である。
【0069】図11(a)に、アクチュエータの他の構
成例を示す。同図に示されるアクチュエータは、アクチ
ュエータの外枠を構成する枠状の固定部43と、固定部
43に包囲された可動部44と、これらを結ぶL字型の
2本の変位発生部41、41とを有する。このアクチュ
エータの外形形状は、面内に対し垂直でかつ可動部44
の中央を通る対称軸(図中のZ軸)について回転対称で
ある。このアクチュエータにおいて、両変位発生部4
1、41が同時に収縮または同時に伸長するような電圧
を印加すると、可動部44は前記対称軸を中心とする回
転運動をし、可動部44に接着されたスライダも回転運
動する。その結果、電磁変換素子は弧状の軌跡を描く。
【0070】図11(b)に、このアクチュエータを利
用した磁気ヘッドの側面図を示す。同図において、アク
チュエータ4は、ジンバル部3aおよびスライダ2にそ
れぞれ接着部材6により接着されており、これらの接着
部材6が空隙形成手段を構成している。サスペンション
の構造は、ジンバル部3aを空隙形成手段として用いな
いほかは図7とほぼ同じである。ただし、サスペンショ
ン本体31の先端部に設けられたピボット33が、可動
部44の回転中心を押圧して荷重を与える構造となって
いる。この構成では、アクチュエータ駆動時に、ピボッ
ト33と可動部44との間において横方向の摩擦は実質
的に生じない。したがって、アクチュエータ駆動に伴う
可動部44とピボット33との間の摩擦は極めて小さく
なる。
【0071】以上では、記録/再生ヘッドのうちHDD
の磁気ヘッドについて述べたが、本発明は光ディスク装
置にも適用できる。従来の光ディスク装置では、少なく
ともレンズを有する光学モジュールを備えた光ピックア
ップを利用している。この光ピックアップは、光ディス
クの記録面に焦点が合うようにレンズが機械的に制御さ
れるものである。しかし、最近、光ディスクの記録密度
を飛躍的に高める方法として、ニア・フィールド記録が
提案されており[NIKKEI ELECTRONICS 1997.6.16(no.69
1),p.99]、このニア・フィールド記録では、浮上型ヘ
ッドを用いる。この浮上型ヘッドは、浮上型磁気ヘッド
と同様なスライダを用い、このスライダに、SIL(so
lid immersion lens)と呼ばれる半球状のレンズと、磁
界変調記録用コイルと、プリフォーカスレンズとを有す
る光学モジュールを組み込んだものである。ニア・フィ
ールド記録用の浮上型ヘッドは、米国特許第5,49
7,359号明細書にも記載されている。このような浮
上型ヘッドでは、HDD用の磁気ヘッドと同様に高記録
密度化に伴ってトラッキング精度の向上が必要とされる
ため、微小変位アクチュエータが有効である。したがっ
て、本発明は、このような光記録媒体用の記録/再生ヘ
ッド(光学ヘッド)にも適用することができる。
【0072】より一般的にいうと、本発明が適用できる
光学ヘッドは、上記した磁気ヘッドと同様なスライダを
有し、このスライダに光学モジュールを組み込むか、ス
ライダ自体を光学モジュールから構成したものである。
光学モジュールは少なくともレンズを有し、さらに、必
要に応じてレンズアクチュエータや磁界発生用コイルな
どが組み込まれる。このような光学ヘッドとしては、上
記したニア・フィールド記録用の浮上型ヘッドのほか、
スライダが記録媒体表面を摺動するような光学ヘッド、
すなわち疑似接触型や接触型の光学ヘッドが挙げられ
る。本発明を光学ヘッドに適用した場合については、上
記説明において電磁変換素子を光学モジュールと読み替
えれば、容易に理解できる。なお、本発明は、磁気ヘッ
ドにおいても疑似接触型や接触型のものに適用すること
ができる。
【0073】本明細書では、記録/再生ヘッドを、記録
再生ヘッドと記録専用ヘッドと再生専用ヘッドとを含む
概念とし、記録/再生装置も同様に、記録再生装置と記
録専用装置と再生専用装置とを含む概念とする。また、
記録媒体も、記録可能媒体に限らず、例えば再生専用光
ディスクなどのように再生専用型の媒体を含む概念とす
る。
【0074】実験例 本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。
【0075】図1および図3〜図5にそれぞれ示す構成
の磁気ヘッドを作製した。ただし、膜状の摩擦低減手段
8は設けなかった。それぞれにおいて、アクチュエータ
4とサスペンション3との間の空隙長およびアクチュエ
ータ4とスライダ2との間の空隙長は、いずれも30μ
mとした。
【0076】アクチュエータは、圧電・電歪材料にPZ
T(圧電定数d31=−200×10 -12m/V)を用いたも
のであり、両変位発生部に10V(DCバイアス電圧)
±10V(サイン波駆動電圧)をサイン波駆動電圧が互
いに逆相となるようにそれぞれ印加したときに、可動部
の変位量が約±0.5μmとなるものである。
【0077】これらの磁気ヘッドを用い、ヘッド荷重を
2.5gとしてアクチュエータを駆動させたところ、空
隙は維持され、接触は発生せず、変位量は約±0.5μ
mであり、アクチュエータの駆動性能が阻害されないこ
とがわかった。
【0078】
【発明の効果】本発明の記録/再生ヘッド支持機構は、
アクチュエータの可動部位と他のヘッド構成要素との間
の空隙を確保するための空隙形成手段を有するので、ア
クチュエータと他のヘッド構成要素との間の接触、摩擦
を防ぐことができる。したがって、アクチュエータのス
ライダ駆動性能(電磁変換素子または光学モジュールの
位置決め精度)が阻害されることがない。また、摩擦負
荷、衝突衝撃、摩耗塵埃の発生などによる信頼性低下を
防ぐことができる。
【0079】また、本発明において、記録/再生ヘッド
支持機構のヘッド構成要素に段差を設けることや、組み
立ての際に電極や接着剤層の厚さを制御することなどに
より所要寸法の空隙を設ければ、空隙形成のための特別
な工程を追加する必要がなく、コストアップを抑えるこ
とができる。
【0080】また、本発明において、前記空隙内に所定
の摩擦低減手段を設ければ、衝撃、荷重等に起因するヘ
ッド構成要素同士の接触によって生じる破損、塵埃の発
生などを防ぐことができる。また、ヘッド組み立てが容
易となり、組み立て精度も高くなる。しかも、アクチュ
エータのスライダ駆動性能は、摩擦低減手段を設けても
実質的に阻害されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、空隙形成手段として電
極を利用する第1の態様の磁気ヘッドの構成例を示す側
面図であり、(c)は、この態様に用いるサスペンショ
ンの構成例を示す平面図であり、(d)は、この態様に
用いるアクチュエータの構成例を示す平面図である。
【図2】(a)および(b)は、空隙形成手段として電
極を利用する第1の態様の磁気ヘッドの構成例を示す側
面図である。
【図3】(a)は、空隙形成手段として配線パターンを
利用する第2の態様におけるサスペンションの構成例を
示す平面図であり、(b)は、(a)に示すサスペンシ
ョンにアクチュエータを接着したときの平面図であり、
(c)は、(b)のC−C線断面図であり、(d)は、
(b)のD−D線断面図である。
【図4】空隙形成手段として接着部材を利用する第3の
態様の磁気ヘッドの構成例を示す側面図である。
【図5】(a)および(b)は、空隙形成手段としてア
クチュエータ表面および/またはスライダ表面に設けた
段差を利用する第4の態様の磁気ヘッドの構成例を示す
側面図である。
【図6】(a)は、摩擦低減手段を設けたアクチュエー
タを示す斜視図であり、(b)は、(a)の断面図であ
る。
【図7】空隙形成手段としてサスペンションのジンバル
部を利用する磁気ヘッドの構成例を示す側面図である。
【図8】空隙形成手段としてサスペンションのジンバル
部を利用する磁気ヘッドの構成例を示す側面図である。
【図9】空隙形成手段としてサスペンションのジンバル
部を利用する磁気ヘッドの構成例を示す側面図である。
【図10】空隙形成手段としてサスペンションのジンバ
ル部を利用する磁気ヘッドの構成例を示す側面図であ
る。
【図11】(a)は、アクチュエータの構成例を示す斜
視図であり、(b)は、(a)に示すアクチュエータを
利用した磁気ヘッド支持機構の側面図である。
【図12】磁気ヘッド支持機構の構成例を示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
1 電磁変換素子 2 スライダ 3 サスペンション 3a ジンバル部 31a、31b 突起 31 サスペンション本体 33 ピボット 4 アクチュエータ 41 変位発生部 43 固定部 44 可動部 5 配線パターン 6 接着部材 8 摩擦低減手段 10 電極 13A、13B、13C 端子電極 14A、14B、14C 端子電極
フロントページの続き (72)発明者 白石 一雅 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 和田 健 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 綱 隆満 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D042 AA07 CA01 DA08 NA02 PA01 TA01 TA02 5D059 AA01 AA07 BA01 CA02 CA11 CA14 DA03 DA24 EA02 EA04 5D119 AA22 BA01 CA06 DA05 MA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダ、サスペンションおよびアクチ
    ュエータを少なくともヘッド構成要素として有し、前記
    スライダに電磁変換素子または光学モジュールが設けら
    れており、前記スライダが前記アクチュエータを介して
    前記サスペンションに支持され、前記アクチュエータに
    より前記スライダを前記サスペンションに対して相対的
    に変位させることができ、 相対的に変位するヘッド構成要素間に空隙を設けるため
    の空隙形成手段を有する記録/再生ヘッド支持機構。
  2. 【請求項2】 相対的に変位するヘッド構成要素間に設
    けた電極、配線パターンおよび接着部材の少なくとも1
    つを、前記空隙形成手段として利用する請求項1の記録
    /再生ヘッド支持機構。
  3. 【請求項3】 前記接着部材が導電性を有する請求項2
    の記録/再生ヘッド支持機構。
  4. 【請求項4】 相対的に変位するヘッド構成要素の少な
    くとも1つに設けた段差を、前記空隙形成手段として利
    用する請求項1〜3のいずれかの記録/再生ヘッド支持
    機構。
  5. 【請求項5】 前記空隙の寸法が5〜50μmである請
    求項1〜4のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。
  6. 【請求項6】 前記空隙形成手段が、サスペンション、
    アクチュエータおよびスライダそれぞれにおけるサスペ
    ンション延在方向と平行な中心軸に対し対称に配置され
    ている請求項1〜5のいずれかの記録/再生ヘッド支持
    機構。
  7. 【請求項7】 前記空隙形成手段の少なくとも1つが、
    3以上の構成単位から構成され、前記3以上の構成単位
    の少なくとも3つが直線状に配列していない請求項1〜
    6のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。
  8. 【請求項8】 前記空隙を介して向き合うアクチュエー
    タ表面とサスペンション表面とがほぼ平行、および/ま
    たは、前記空隙を介して向き合うアクチュエータ表面と
    スライダ表面とがほぼ平行である請求項1〜7のいずれ
    かの記録/再生ヘッド支持機構。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つの前記空隙中に潤滑剤が
    摩擦低減手段として存在し、この潤滑剤が、前記空隙の
    長さとほぼ同じ粒径をもつ固体粒子を含有する請求項1
    〜8のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。
  10. 【請求項10】 前記潤滑剤において、前記固体粒子が
    半固体および/または液体に分散している請求項9の記
    録/再生ヘッド支持機構。
  11. 【請求項11】 前記潤滑剤が導電性を有する請求項9
    または10の記録/再生ヘッド支持機構。
  12. 【請求項12】 少なくとも1つの前記空隙中に、有機
    材料または無機材料を主成分とする膜が摩擦低減手段と
    して少なくとも1つ存在し、この膜の厚さが前記空隙の
    長さとほぼ同じであり、この膜が、前記空隙を挟む2つ
    のヘッド構成要素の一方だけに固定されているか、前記
    2つのヘッド構成要素のいずれにも固定されていない請
    求項1〜8のいずれかの記録/再生ヘッド支持機構。
  13. 【請求項13】 前記膜が導電性を有する請求項12の
    記録/再生ヘッド支持機構。
  14. 【請求項14】 前記アクチュエータが逆圧電効果また
    は電歪効果を利用するものである請求項1〜13のいず
    れかの記録/再生ヘッド支持機構。
  15. 【請求項15】 前記アクチュエータへの配線および/
    または前記スライダへの配線が前記サスペンション上に
    形成されている請求項1〜14のいずれかの記録/再生
    ヘッド支持機構。
  16. 【請求項16】 前記サスペンションを駆動する主アク
    チュエータを有する請求項1〜15のいずれかの記録/
    再生ヘッド支持機構。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかの記録/再
    生ヘッド支持機構を有する記録/再生装置。
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