JP2001083838A

JP2001083838A - 感光体ドラムユニット

Info

Publication number: JP2001083838A
Application number: JP26345099A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Morita; 啓一森田
Original assignee: Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
Current assignee: Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
Priority date: 1999-09-17
Filing date: 1999-09-17
Publication date: 2001-03-30

Abstract

(57)【要約】【課題】感光体ドラムに樹脂製のフランジを嵌合して接
着剤で結合した感光体ドラムユニットを対象に、過酷な
環境変化にも殆ど影響を受けずに所要の回転トルク，お
よび引き抜き強度が確保できるように組立構造を改良す
る。【解決手段】ドラム基体が金属製（アルミ）である感光
体ドラム１と、ドラム基体の開口端に嵌合して接着剤３
で結合した樹脂成形品のフランジ２との組立体としてな
る感光体ドラムユニットにおいて、フランジの外周面
に、軸方向Ｏ，および周方向Ｐと交差する向きに軸溝２
ｄ，周溝ｅの凹溝を形成し、かつ接着剤３としてドラム
基体に対して高い接着強度を発揮する合成樹脂接着剤を
選定し、この接着剤を軸溝，周溝を埋めるように接合面
に塗布してドラム基体にフランジを嵌め込み結合する。
これにより、凹溝内で効硬化した接着剤がキーとして機
能し、ドラム基体／フランジ間の回転トルク，引き抜き
強度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機，ＦＡＸ，
プリンタなどの電子写真応用装置に搭載する感光体ドラ
ムユニットに関し、詳しくは感光体ドラムの両端に結合
したフランジの構造に係わる。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、頭記の感光体ドラムユニ
ットは、アルミ，またはアルミ合金製になる円筒形のド
ラム基体の外周面に電荷発生層，電荷輸送層，および保
護層の感光層を成層してなる感光体ドラムに対し、その
両端にフランジを嵌合式に結合した組立構造になり、前
記フランジを装置側に軸支し、かつ片方のフランジに形
成した歯車を介して装置の駆動系に伝動連結して感光体
ドラムを回転駆動するようにしている。また、前記フラ
ンジとしては、一般に歯車，軸受部分を一体成形した樹
脂モールド品を採用し、接着剤を使ってドラム基体に接
着結合するようにしている。

【０００３】次に、従来における感光体ドラムユニット
の組立構造を図５に示す。図において、１は感光体ドラ
ム、２は感光体ドラム１の開口端に嵌合したフランジで
あり、接着剤３で感光体ドラム１とフランジ２との間を
接着している。

【０００４】ここで、フランジ２は、感光体ドラム１の
ドラム基体に対しその開口端へ印籠式に嵌まり合うよう
ドラム基体の内径に相応する外形寸法に設定した外筒部
２ａと、支軸（図示せず）を挿入する軸受筒部２ｂと、
端面から半径方向に張出してドラム基体の端面に当接す
る鍔部２ｃが一体成形された樹脂成形品（例えばＰＢＴ
樹脂製）であり、外筒部２ａの周面は平坦面を呈してい
る。

【０００５】そして、感光体ドラム１にフランジ２を取
付ける際には、フランジ２の外周面に接着剤３を塗布し
た上で、感光体ドラム１のドラム基体の開口端に圧入
し、接着剤３を硬化させてドラム基体とフランジ２との
間を結合して感光体ドラムユニットを組立てるようにし
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の感光ドラムユニットの組立構造では、信頼性の面で
次に記すような問題点がある。

【０００７】すなわち、感光体ドラム１のドラム基体が
アルミなどの金属製であるのに対して、フランジ２は樹
脂成形品で両者の間に大きな熱膨張率の差があり、周囲
環境の温度変化，および電子写真装置の運転，停止など
に伴うヒートサイクルが繰り返し加わると、熱的応力に
より長期使用の間に接着剤３の接着力が次第に低下して
被着材の接合面から剥離（界面破壊）を引き起こすおそ
れがある。

【０００８】一方、感光体ドラムユニットは、組立後の
取扱い，並びに電子写真装置に搭載した状態での回転駆
動などに伴い、フランジ２と感光体ドラム１との間に機
械的な回転トルク，引き抜き力が加わることから、接着
剤３の接着強さが低下して剥離した状態になると感光体
ドラムとフランジの結合が不良となって回転駆動時にフ
ランジが空転したり、感光体ドラムが芯ぶれして画質が
低下するトラブルが生じるほか、フランジが感光体ドラ
ムから脱落するおそれもある。

【０００９】そこで、従来では接着剤として金属製の感
光体ドラム１，樹脂製のフランジ２の双方の部品に対し
て高い接着性能を発揮するような接着剤の選定，種類の
異なる接着剤を組合せて使用する、接着面積を拡大す
る、被着面を前処理するなどの方策を施して対処してい
るが、これらの方策は組立工程が複雑化して製造コスト
が増加する割りに、強度面で十分な成果が得られてない
の現状である。

【００１０】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、その目的は前記課題を解決し、製造コストの増加を
招くことなく、かつ過酷な環境変化にも殆ど影響を受け
ずに感光体ドラムとフランジとの間で所要の回転トル
ク，および引き抜き強度が確保できるように改良した信
頼性の高い感光体ドラムユニットの組立構造を提供する
ことにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、金属製になる円筒形ドラム基体の
外周面に感光層を成層した感光体ドラムと、該感光体ド
ラムの開口端に嵌合して接着剤によりドラム基体に接合
した樹脂成形品のフランジとの組立体としてなる感光体
ドラムユニットにおいて、前記ドラム基体の内周面に重
なり合うフランジの外周面に、ドラム基体の軸方向，お
よび周方向と交差する向きに凹溝を形成するとともに、
接着剤としてドラム基体に対して高い接着強度を発揮す
る合成樹脂接着剤を選定し、前記凹溝を埋めて接合面に
塗布した接着剤によりドラム基体にフランジを接合する
（請求項１）ものとし、前記凹溝は具体的に次記のよう
な態様で構成することができる。

【００１２】(1) フランジの周面に形成した凹溝を、周
方向に形成したリング状の周溝と、該周溝に交差して周
上に分散形成した軸方向の軸溝とを組合せた形状とする
（請求項２）。

【００１３】(2) フランジの周面に形成した凹溝を、ド
ラム基体の軸方向，および周方向の双方に対して傾いて
いる傾斜溝とする（請求項３）。

【００１４】(3) フランジの周面に形成した凹溝を、周
方向に分散形成した窪みとする（請求項４）。

【００１５】(4) 前項(1) 〜(3) において、凹溝は、そ
の溝幅が０．５〜１０mm，溝深さが０．０５〜５mmで、
かつ溝の断面形状を角形とする（請求項５）。

【００１６】上記構成によれば、感光体ドラムのドラム
基体に対して接着剤が高い接着強さ発揮するので、周囲
環境の温度変化などに起因する熱的ストレスが加わって
もドラム基体との接着界面で剥離が生じ難くい。また、
フランジの周面に形成した凹溝の中で硬化した接着剤が
アンカーの役目を果たしてフランジ／ドラム基体間を強
固に結合する。しかも、この凹溝は感光体ドラムの周方
向，および軸方向の双方に対して交差する向きに形成さ
れているので、経時的な変化などでフランジに対する接
着剤の接着力が低下した場合でも、回転トルク，引き抜
き力に対してフランジが空転したり、フランジが感光体
ドラムから抜け出るなどの不具合の発生を確実に防止で
きる。しかも、接着剤の選定も１種類で済み、かつ手間
の掛かる被着材の前処理も不要となるので、組立工程が
簡素化されて自動組立にも十分対応できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図４に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施
例の図中で図５に対応する部材には同じ符号を付してそ
の説明は省略する。

【００１８】〔実施例１〕図１(a),(b) は本発明の請求
項２に対応する実施例を示すものである。この実施例に
おいては、感光ドラム１の軸方向を矢印Ｏ，回転周方向
を矢印Ｐとして、フランジ２における外筒部２ａの外周
面には、感光体ドラム１の周方向Ｐと直交する向きに軸
方向Ｏと平行な複数本の軸溝２ｄが、また前記軸溝２ｄ
を横切るように交差して感光体ドラム１の軸方向Ｏと直
交する向きにリング状の周溝２ｅが形成されている。な
お、この軸溝２ｄ，周溝２ｅはフランジ２をモールド成
形する際に同時形成するものとし、その溝幅は０．５〜
１０mm，溝深さは０．０５〜５mmの範囲に設定し、かつ
凹溝の断面形状を角形（フランジの周面に対して溝内の
側壁が垂直なＵ字溝）とするのがよい。

【００１９】そして、フランジ２を感光体ドラム１に取
付ける際には、接着剤３として感光体ドラム１のドラム
基体（被着材）に対して十分な接着強さ（引っ張り強
さ，引っ張り剪断強さなど）を発揮し、かつ硬化後の機
械的な強度（耐衝撃性）の高い合成樹脂接着剤を選定
し、この接着剤を前記した軸溝２ｄ，周溝２ｅを充填す
るように塗布し、感光体ドラム１のドラム基体の開口端
へ嵌合して接着剤３を硬化させる。

【００２０】かかる構成によれば、軸溝２ｄの凹溝内で
硬化した接着剤がキー，軸溝２ｄがキー溝としてスプラ
イン軸と同様に機能し、感光体ドラム１とフランジ２の
空転を妨げるように両者間を強固に結合する。また、周
溝２ｅの中で硬化した接着剤は抜け止めリングとして機
能し、フランジ２が感光体ドラム１から抜け出ないよう
に両者間を結合する。これにより、感光体ドラム１とフ
ランジ２との間に働く回転トルク，引き抜き強度が大幅
に向上する。

【００２１】かかる点について、発明者等は、外径が２
８．４８mm, 外筒部２ａの軸方向の長さが５mmの樹脂製
フランジ２について、その外周面に図１に示した軸溝２
ｄ，周溝２ｅ（溝幅２mm，溝深さ０．５mm，軸溝２ｄの
数は８本）を形成した上で、接着剤３に金属の被着材と
の相性がよいシアノアクリレート系接着剤（商品名：セ
メダイン３０００ＤＸＬ）を採用して感光体ドラム１に
接合した組立体と、図５のようにフランジ２の周面に凹
溝を形成しないで接着した従来構造の組立体を供試体と
して、回転トルク，引き抜き強度の評価テストを行った
結果によれば、従来例の組立体と比べて、回転トルク
（Ｎ・ｍ）は約４倍に、また引き抜き強度（Ｎ）は約６
倍に向上することが確認された。また、環境変化による
耐久性試験の結果でも所要の接着強度が保持できること
が確認されている。

【００２２】〔実施例２〕図２は本発明の請求項３に対
応する実施例を示すものであり、この実施例において
は、フランジ２の外周面上に、凹溝として図示のように
傾斜角度を変えた傾斜溝２ｆと２ｇが周方向に交互に並
んで形成されている。ここで、図示例では感光体ドラム
１の周方向Ｐに対して傾斜溝２ｆは後傾，傾斜溝２ｇが
前傾しており、その傾斜角度は６０°（軸方向Ｏに対し
ては３０°）である。

【００２３】このように、感光体ドラム１に対して軸方
向Ｏ，周方向Ｐの双方に対して傾斜した傾斜溝（凹溝）
２ｆ，２ｇを形成した上で、先記の実施例１と同様に感
光体ドラム１のドラム基体の材質に適合した接着剤３を
選定して感光体ドラム１とフランジ２を接着することに
より、感光体ドラムユニットの組立状態で傾斜溝２ｆ，
２ｇの中で硬化した接着剤３がキーの役目を果して同様
な効果を奏する。

【００２４】〔実施例３〕図３は先記実施例２に対する
応用実施例を示すものであり、この実施例においては、
フランジ２の外周面上に凹溝として、同じ向きに並ぶ複
数の傾斜溝２ｈが形成されており、かつその傾斜の向き
は感光体ドラム１の回転周方向Ｐに対して後傾してい
る。

【００２５】これにより、感光体ドラムユニットの組立
状態で、傾斜溝２ｈの中に硬化した接着剤３がキーとし
て機能し、フランジ２に加わる回転駆動力を感光体ドラ
ム１へ確実に伝達し、かつフランジ２が外力で感光体ド
ラム１から抜けるのを防止するように働く。

【００２６】〔実施例４〕図４は本発明の請求項４に対
応する実施例を示すものである。この実施例において
は、凹溝としてフランジ２の外周面上には、その周方向
に沿って複数の角形窪み２ｉが形成されており、窪み２
ｉの縦辺，横辺がそれぞれ感光体ドラム１の周方向Ｐ，
軸方向Ｏと直交するような向きに設定されている。

【００２７】この構成においても、先記の各実施例と同
等な効果を奏することができる。

【００２８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、感光体ドラムの開口端に嵌合した樹脂成形品のフラ
ンジについて、その外周面にドラム基体の軸方向，およ
び周方向と交差する向きに凹溝を形成するとともに、接
着剤としてドラム基体に対して高い接着強度を発揮する
合成樹脂接着剤を選択し、前記凹溝を埋めて接合面に塗
布した接着剤によりドラム基体にフランジを接合して組
立てたことにより、接着剤のフランジに対する接着強さ
の経時的な劣化の影響を受けることなく、感光体ドラム
ユニットの組立体としてドラム基体とフランジとの間の
で所要の回転トルク，および引き抜き強度を確保するこ
とができて製品の信頼性が向上する。しかも、使用する
接着剤は１種類の選定で済み、かつ手間の掛かる前処理
も不要となるので組立工程の自動化にも対応できるな
ど、コストの低減化にも寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係わる感光体ドラムユニッ
トの組立構造図であり、(a) はフランジの側面図、(b)
は(a) 図のフランジを感光体ドラムの開口端に嵌合して
接着剤で結合した組立状態を表す要部の側視断面図

【図２】本発明の実施例２に係わるフランジの側面図

【図３】本発明の実施例３に係わるフランジの側面図

【図４】本発明の実施例４に係わるフランジの側面図

【図５】従来における感光体ドラムユニットの組立構造
図であり、(a) は感光体ドラムの開口端にフランジを嵌
合して接着剤で結合した組立状態を表す要部の側視断面
図、(b) は(a) 図におけるフランジの側面図

【符号の説明】

１感光体ドラム２フランジ２ａ外筒部２ｄ軸溝２ｅ周溝２ｆ〜２ｈ傾斜溝２ｉ窪み３接着剤Ｏ軸方向Ｐ回転周方向

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属製になる円筒形ドラム基体の外周面に
感光層を成層した感光体ドラムと、該感光体ドラムの開
口端に嵌合して接着剤によりドラム基体に接合した樹脂
成形品のフランジとの組立体としてなる感光体ドラムユ
ニットにおいて、前記ドラム基体の内周面に重なり合う
フランジの外周面に、ドラム基体の軸方向，および周方
向と交差する向きに凹溝を形成するとともに、接着剤と
してドラム基体に対して高い接着強度を発揮する合成樹
脂接着剤を選定し、前記凹溝を埋めて接合面に塗布した
接着剤によりドラム基体にフランジを接合して組立てた
ことを特徴とする感光体ドラムユニット。
【請求項２】請求項１記載の感光体ドラムユニットにお
いて、フランジの周面に形成した凹溝が、周方向に形成
したリング状の周溝と、該周溝に交差して周上に分散形
成した軸方向の軸溝の組合せからなることを特徴とする
感光体ドラムユニット。
【請求項３】請求項１記載の感光体ドラムユニットにお
いて、フランジの周面に形成した凹溝が、ドラム基体の
軸方向，および周方向の双方に対して傾いている傾斜溝
であることを特徴とする感光体ドラムユニット。
【請求項４】請求項１記載の感光体ドラムユニットにお
いて、フランジの周面に形成した凹溝が、周方向に分散
形成した窪みであることを特徴とする感光体ドラムユニ
ット。
【請求項５】請求項１記載１ないし５のいずれかに記載
の感光体ドラムユニットにおいて、凹溝は、その溝幅が
０．５〜１０mm，溝深さが０．０５〜５mmで、かつ溝の
断面形状が角形であることを特徴とする感光体ドラムユ
ニット。