JP2001083496A - ポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子の製造方法 - Google Patents

ポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子の製造方法

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JP2001083496A
JP2001083496A JP25875899A JP25875899A JP2001083496A JP 2001083496 A JP2001083496 A JP 2001083496A JP 25875899 A JP25875899 A JP 25875899A JP 25875899 A JP25875899 A JP 25875899A JP 2001083496 A JP2001083496 A JP 2001083496A
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prepolymer
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Shigeru Yamamoto
滋 山本
Taketo Hikiji
丈人 曳地
Naoki Hiji
直樹 氷治
Sadaichi Suzuki
貞一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリマーネットワーク型コレステリック液晶
素子として、短時間でフォーカルコニック状態に安定化
し、低電圧で駆動できる素子を得るようにする。 【解決手段】 電極2,4を形成した基板1,3間に、
正の誘電異方性を有するネマチック液晶、カイラル剤、
モノマーおよび重合開始剤を含むプレポリマーを注入
し、プレポリマーがアイソトロピック相となる状態でプ
レポリマーの重合を開始するとともに、電極2,4間に
電界を印加しながらプレポリマーを重合相分離するとポ
リマーネットワーク6が垂直配向性を有するポリマーネ
ットワーク構造のコレステリック液晶層5が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反射型ディスプ
レイなどとして用いるポリマーネットワーク型コレステ
リック液晶素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック液晶は、特定波長域の光
を選択反射させる状態と散乱状態のそれぞれが安定であ
り、これら2つの状態を電界によってスイッチングでき
ることから、反射型ディスプレイに用いることが考えら
れている。
【0003】しかし、電界の印加に対して応答が遅いこ
とから、入力に対するレスポンスが遅れる、動画の表示
ができない、という問題がある(例えば、文献『M.P
feiffer,D.−K.Yang,J.W.Doa
ne,et.al.,”AHigh−Informat
ion−Content ReflectiveCho
lesteric Display”,SID 95
DIGEST,p706−709』参照)。
【0004】プレーナ(Planar)状態とフォーカ
ルコニック(Focal Conic)状態とをスイッ
チングするための電界印加シーケンスは、TN方式やS
TN方式とは異なり、FLCD(強誘電性液晶)と同様
に、状態が完全にスイッチングされるまで電界を印加し
続ける必要がある。
【0005】すなわち、プレーナ状態からフォーカルコ
ニック状態に変化させるには、ホメオトロピック(Ho
meotropic)状態にならない低い電界を十分な
時間印加する必要があり、印加時間が短いとプレーナ状
態に戻ってしまう。必要なパルス全体の時間幅は、数1
0m秒前後である。
【0006】さらに、フォーカルコニック状態からプレ
ーナ状態に変化させるには、一旦、ホメオトロピック状
態となる電圧を印加した後、電界を急激に取り去る必要
がある。このとき、ホメオトロピック状態から螺旋構造
を形成し始め、準安定状態である、最終的な螺旋ピッチ
より大きな螺旋ピッチのトランジェント(Transi
ent)プレーナ状態となった後に、プレーナ状態とな
る。この場合、最初は小さな液晶ドメインを形成する
が、徐々にまとまって大きな液晶ドメインに成長する。
【0007】ホメオトロピック状態とするには数m秒、
トランジェントプレーナ状態とするには数m秒、必要で
あり、さらにプレーナ状態とするには数10m秒、必要
である。さらに、液晶ドメインが成長してメモリ状態
の、反射率が最大反射率の80%に達するまでには、数
100m秒を要する。
【0008】以上から、単純マトリックス配線による駆
動では、1配線あたりの駆動に必要な時間は、フォーカ
ルコニック状態にスイッチングするのに必要な10m秒
となり、640×480画素のVGAに1フレームの画
像を書き込むには、10m秒×480=4.8秒、かか
る。また、プレーナ状態にした後、十分な反射強度が得
られるためには、数100m秒が必要なため、画像はゆ
っくりと浮き出てくるように見え、そのため、動画(3
0フレーム/秒)を表示することはできない。
【0009】これを解決する方法として、文献『X.−
Y.Huang,D.−K.Yang,P.J.Bo
s,J.W.Doane,”Dynamic Driv
e for Bistable Reflective
Cholesteric Displays:A R
apid Addressing Scheme”,S
ID 95 DIGEST,p347−350』には、
駆動パルスをPreparationパルス、Sele
ctionパルスおよびEvolutionパルスの段
階に分けてパイプライン駆動とするダイナミック駆動シ
ーケンスが提案されている。この方法では、各選択ライ
ンをSelectionパルスの時間幅で順次駆動する
ことによって、書き込み時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この駆動方法
を用いても、コレステリック液晶をディスプレイに応用
するには問題が残る。
【0011】この駆動方法では、Preparatio
nパルスによってホメオトロピック状態となった後、S
electionパルスによって、プレーナ状態に戻る
かフォーカルコニック状態になるかが選択される。しか
し、Selectionパルスの印加後、フォーカルコ
ニック状態に安定化させるには、Evolutionパ
ルスの時間幅である数10m秒程度の時間が必要にな
る。一方、プレーナ状態にするには、Evolutio
nパルスの間、ホメオトロピック状態を維持する必要が
あり、プレーナ状態に安定化するのは、全てのパルスが
終了した時点から20m秒後であって、プレーナ状態に
安定化させるには、トータルとして数100m秒かか
る。すなわち、この駆動方法では、駆動時間は低減でき
るものの、コレステリック液晶の電界に対するレスポン
スを改善することはできない。
【0012】プレーナ状態では、図8(A)に示すよう
に、電極2,4が形成された基板1,3間に形成された
コレステリック液晶層11中のコレステリック液晶は、
螺旋軸が基板面にほぼ垂直になり、大きな液晶ドメイン
を形成する。
【0013】この状態から電極2,4間に電界Eを印加
すると、液晶分子は電界Eに平行な方向に回転し始める
が、カイラル分子のため、図8(B)に示すように、螺
旋はほどけない。その結果、螺旋軸が波打つようになっ
て、最終的には、図8(C)に示すように、ドメインに
分割するようにディスクリネーションライン12が発生
し、フォーカルコニック状態に安定化する。ディスクリ
ネーションライン12が発生しない時点で電界Eを除去
すると、螺旋軸の波打ちが解消され、図8(A)のプレ
ーナ状態に戻ってしまう。したがって、フォーカルコニ
ック状態が安定化するまで電界Eを印加し続ける必要が
ある。
【0014】これに対して、米国特許第5691795
号には、可視光を選択反射するポリマーネットワーク構
造のコレステリック液晶素子(PSCT:Polyme
rStabilized Cholesteric T
exture)が示されており、重合相分離の際に電界
を印加することによって、プレーナ状態とフォーカルコ
ニック状態の2つの状態の安定性が増し、中間調を表示
できるようになることが示されている。
【0015】しかしながら、応答速度への影響は明らか
にされてなく、重合する際の状態についても記述されて
いない。
【0016】ポリマーネットワーク型コレステリック液
晶素子は、図9に示すように、電極2,4が形成された
基板1,3間にポリマーネットワーク14を有するコレ
ステリック液晶層13が形成されたもので、プレーナ状
態では、同図(A)に示すように、螺旋構造の液晶ドメ
イン7が形成され、フォーカルコニック状態では、同図
(B)に示すように、螺旋がほどけて、液晶分子8がポ
リマーネットワーク14に沿うように配列される。
【0017】さらに、コレステリック液晶素子は必要な
駆動電圧が高い。これに対して、一般に用いられている
液晶素子駆動用ICは40V程度であり、これ以上の電
圧で液晶素子を駆動するには高価なICが必要となる。
そのため、コレステリック液晶素子を用いた表示装置は
高価になる。
【0018】そこで、この発明は、ポリマーネットワー
ク型コレステリック液晶素子として、短時間でフォーカ
ルコニック状態に安定化し、かつ低電圧で駆動すること
ができる素子を、確実かつ容易に得ることができるよう
にしたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の、ポリマーネ
ットワーク型コレステリック液晶素子の製造方法では、
正の誘電異方性を有するネマチック液晶、カイラル剤、
モノマーおよび重合開始剤を含むプレポリマーがアイソ
トロピック相となる状態で、前記プレポリマーの重合を
開始するとともに、遅くとも重合相分離によって液晶相
がネマチック相となる時点で、前記プレポリマーに液晶
相を垂直配向させる電界を印加して、ポリマーネットワ
ークが垂直配向性を有するポリマーネットワーク型コレ
ステリック液晶素子を得る。
【0020】
【作用】図1(A)に示すような、ポリマーネットワー
ク6が垂直配向性を有するポリマーネットワーク型コレ
ステリック液晶素子では、図9に示したような、ポリマ
ーネットワーク14がランダムな配向性を有する従来の
ポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子と比較
すると、ポリマーネットワーク6との界面で液晶分子に
基板面に垂直な方向に配向させる力が働き、かつ隣接す
る液晶ドメイン間で配向方向が揃いやすくなるため、図
1(B)に示すように、基板面に垂直な方向に電界Eを
印加したとき、新たな多くのディスクリネーションライ
ンの発生を必要としないで、液晶分子8が電界Eに平行
な方向に配向されて、短時間で早期にフォーカルコニッ
ク状態に安定化する。
【0021】さらに、ポリマーネットワーク6が垂直配
向性を有することによって、ホメオトロピック状態も安
定化しやすくなるため、ホメオトロピック状態とするの
に必要な駆動電圧も低くすることができる。
【0022】この発明の方法においては、プレポリマー
を重合相分離してポリマーネットワーク構造のコレステ
リック液晶層を形成するに当たって、上記のように、プ
レポリマーがアイソトロピック相(等方相)となる状態
で、プレポリマーの重合を開始するとともに、遅くとも
重合相分離によって液晶相がネマチック相となる時点
で、プレポリマーに液晶相を垂直配向させる電界を印加
するので、重合相分離の結果のポリマーネットワーク構
造のコレステリック液晶層として、図1(A)に示した
ような、ポリマーネットワーク6が垂直配向性を有する
ものが得られる。
【0023】したがって、この発明の方法によって得ら
れたポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子
は、上述したように、短時間でフォーカルコニック状態
に安定化するとともに、低電圧で駆動することができ
る。
【0024】重合途中でコレステリック液晶がホメオト
ロピック状態となるように、重合開始時点からプレポリ
マーに液晶相を垂直配向させる電界を印加し続けるとと
もに、重合相分離後はセルを液晶相がネマチック相とな
る温度に保持すると、ポリマーネットワーク6の垂直配
向性がより高められる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の方法によって
得られるポリマーネットワーク型コレステリック液晶素
子の一例を示す。
【0026】このポリマーネットワーク型コレステリッ
ク液晶素子は、それぞれ透明電極2,4を形成した一対
の透明基板1,3間に後述のプレポリマーを装填し、そ
のプレポリマーを後述の方法により重合相分離すること
によって、透明基板1,3間にポリマーネットワーク6
が垂直配向性を有するポリマーネットワーク構造のコレ
ステリック液晶層5を形成したものである。
【0027】コレステリック液晶素子を表示素子として
用いる場合には、観察側(外光入射側)と反対側の透明
基板3の裏面に、コレステリック液晶層5を透過した光
を吸収する光吸収層を形成し、あるいは、基板3または
電極4を透明にしないで、基板3または電極4に光吸収
層を兼ねさせる。
【0028】このポリマーネットワーク型コレステリッ
ク液晶素子は、プレーナ状態では、図1(A)に示すよ
うに、螺旋構造の液晶ドメイン7が形成される。この状
態から電極2,4間に電界Eを印加すると、液晶分子が
電界Eに平行な方向に回転し始め、ポリマーネットワー
ク6が垂直配向性を有することによって、ポリマーネッ
トワーク6との界面で液晶分子に基板面に垂直な方向に
配向させる力が働き、かつ隣接する液晶ドメイン間で配
向方向が揃いやすくなるため、図1(B)に示すよう
に、新たな多くのディスクリネーションラインの発生を
必要としないで、液晶分子8が電界Eに平行な方向に配
向されて、短時間で早期にフォーカルコニック状態に安
定化する。
【0029】さらに、ポリマーネットワーク6が垂直配
向性を有することによって、ホメオトロピック状態も安
定化しやすくなるため、ホメオトロピック状態とするの
に必要な駆動電圧も低くすることができる。
【0030】このようなポリマーネットワーク型コレス
テリック液晶素子は、以下の実施例に示すような方法に
よって作製する。
【0031】〔試作および実験〕以下に実施例および比
較例1〜4として示すように、実際に各種のコレステリ
ック液晶素子を作製した。
【0032】実施例および比較例1〜4とも、透明電極
が形成された透明基板として、ITO電極付き透明基板
であるコーニング社製の7059ガラスを用いた。シー
ル剤にはノーランド社製のNOA65を用い、これに樹
脂製スペーサを混合して5μmのセルギャップを形成し
た。
【0033】正の誘電異方性を有するネマチック液晶と
しては、メクル社製のE44を用いた。これは、常温で
はネマチック相であり、アイソトロピック点が100℃
である。カイラル剤としては、メクル社製のS1011
とS811を1:4の重量比で混合したものを用い、そ
の混合カイラル剤を、ネマチック液晶E44に80.
6:19.4の重量比で混合した。
【0034】この混合液をセルに注入し、60V,1k
Hzの矩形波パルスを印加した後、電圧を0Vにしたと
ころ、グリーンの反射光が得られた。以下の実施例およ
び比較例1〜4では、この混合液をコレステリック液晶
として用いた。
【0035】モノマーとしては、ノーランド社製のNO
A65を用いた。これはUV硬化型の樹脂であり、重合
開始剤が混合されているものである。
【0036】このモノマーを上記のコレステリック液晶
に、液晶9に対してモノマー1の割合で混合して、プレ
ポリマーとした。このプレポリマーは、常温から65℃
までではネマチック相、65℃以上ではアイソトロピッ
ク相(等方相)であった。
【0037】重合用のUV光源としては、高圧水銀灯を
用いた。その波長は365nmであり、照射強度は30
mWである。
【0038】(実施例)実施例としては、UV照射装置
の照射面にホットステージを設け、セルをプレポリマー
注入前から、ホットステージ上に載せて70℃に加熱し
た。プレポリマーも70℃に保温した。このとき、プレ
ポリマーは透明であった。プレポリマーのセルへの注入
は、温度を下げないようにしながら、毛細管現象を利用
して行った。
【0039】プレポリマー注入後、ITO電極間に60
V,1kHzの矩形波パルスを印加しながら、UV照射
を5分間行った。照射後、電極周囲のセル部分は白濁し
たが、電極部のセル部分は透明であった。電圧を切る
と、電極部のセル部分は緑色に着色された。
【0040】(比較例1)比較例1として、上記のコレ
ステリック液晶を垂直配向膜を形成したセルに注入し
て、通常の(ポリマーネットワーク型ではない)コレス
テリック液晶素子を作製した。
【0041】(比較例2)実施例と同様に、UV照射装
置の照射面にホットステージを設け、セルをプレポリマ
ー注入前から、ホットステージ上に載せて70℃に加熱
した。プレポリマーも70℃に保温した。このとき、プ
レポリマーは透明であった。プレポリマーのセルへの注
入は、温度を下げないようにしながら、毛細管現象を利
用して行った。
【0042】プレポリマー注入後、実施例とは異なり、
電界を印加しないで、UV照射を5分間行った。照射後
は、セル全面に渡って白濁した。照射後、ITO電極間
に60V,1kHzの矩形波パルスを印加し、電圧を切
ると、電極部のセル部分は緑色に着色された。
【0043】(比較例3)実施例および比較例2と同様
に、UV照射装置の照射面にホットステージを設け、セ
ルをプレポリマー注入前から、ホットステージ上に載せ
て70℃に加熱した。プレポリマーも70℃に保温し
た。このとき、プレポリマーは透明であった。プレポリ
マーのセルへの注入は、温度を下げないようにしなが
ら、毛細管現象を利用して行った。
【0044】プレポリマー注入後、実施例および比較例
2とは異なり、ホットステージの温度を下げて、セル温
度が60℃となるようにした。その結果、セルは白濁し
た。
【0045】その後、ITO電極間に60V,1kHz
の矩形波パルスを印加すると、電極部のセル部分は透明
になった。この状態で、UV照射を5分間行った。照射
後、電極周囲のセル部分は白濁したが、電極部のセル部
分は透明のままであった。電圧を切ると、電極部のセル
部分は緑色に着色された。
【0046】(比較例4)実施例および比較例2,3と
同様に、UV照射装置の照射面にホットステージを設
け、セルをプレポリマー注入前から、ホットステージ上
に載せて70℃に加熱した。プレポリマーも70℃に保
温した。このとき、プレポリマーは透明であった。プレ
ポリマーのセルへの注入は、温度を下げないようにしな
がら、毛細管現象を利用して行った。
【0047】プレポリマー注入後、比較例3と同様に、
ホットステージの温度を下げて、セル温度が60℃とな
るようにした。その結果、セルは白濁した。
【0048】その後、比較例3とは異なり、電界を印加
しないで、UV照射を5分間行った。照射後は、セル全
面に渡って白濁した。照射後、ITO電極間に60V,
1kHzの矩形波パルスを印加し、電圧を切ると、電極
部のセル部分は緑色に着色された。
【0049】(実施例および比較例1〜4の比較)以上
の実施例および比較例1〜4のサンプルは、いずれも、
プレーナ状態およびフォーカルコニック状態が、それぞ
れ電圧を印加しない状態で安定に得られ、1週間後も維
持された。
【0050】それぞれのサンプルに1kHzの矩形波パ
ルスを、電圧を変えて印加し、電圧を除去してから1秒
後の反射率を測定した。パルス列の時間幅は、パラメー
タとして、3m秒、10m秒、30m秒および100m
秒の4通りに変化させた。
【0051】図2に、実施例の結果を示す。実施例のポ
リマーネットワーク型コレステリック液晶素子では、3
0Vのパルスを10m秒間印加することによって、フォ
ーカルコニック状態が完全に安定化した。また、パルス
を10m秒間印加した場合、32Vの電圧によって反射
状態にすることができた。
【0052】図3に、比較例1の結果を示す。比較例1
の通常のコレステリック液晶素子では、パルスを3m秒
間印加しただけでは反射状態を完全に解除することがで
きず、完全にフォーカルコニック状態にするには100
m秒間印加する必要があった。また、プレーナ状態にす
るには、42Vのパルスを100m秒間印加する必要が
あった。
【0053】図4に、比較例2の結果を示す。比較例2
の、重合時に電界を印加しなかったポリマーネットワー
ク型コレステリック液晶素子では、パルスを10m秒間
印加するだけでフォーカルコニック状態にすることがで
きたが、それには42Vの電圧が必要であった。
【0054】図5に、比較例3の結果を示す。比較例3
の、ネマチック相で重合を開始し、重合時に電界を印加
したポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子で
も、パルスを10m秒間印加するだけでフォーカルコニ
ック状態にすることができたが、それには45Vの電圧
が必要であった。
【0055】図6に、比較例4の結果を示す。比較例4
の、ネマチック相で重合を開始し、重合時に電界を印加
しなかったポリマーネットワーク型コレステリック液晶
素子でも、パルスを10m秒間印加するだけでフォーカ
ルコニック状態にすることができたが、それには42V
の電圧が必要であった。
【0056】以上の特性を、印加パルスの時間幅と、そ
の時間幅で得られる最低反射率との関係としてプロット
したものを、図7に示す。実施例のポリマーネットワー
ク型コレステリック液晶素子(等方相、電界印加とし
て、四角で示す)が、約7m秒という最も短い時間幅
で、低い反射率、すなわちフォーカルコニック状態が得
られることがわかる。
【0057】以上のように、実施例の方法によれば、プ
レポリマーがアイソトロピック相となる状態でプレポリ
マーの重合を開始するとともに、プレポリマーに電界を
印加しながらプレポリマーを重合相分離することによっ
て、ポリマーネットワークが垂直配向性を有するポリマ
ーネットワーク型コレステリック液晶素子を、確実かつ
容易に得ることができ、フォーカルコニック状態とする
のに必要な印加パルス時間幅を、通常のコレステリック
液晶素子の1/4に短縮することができるとともに、ホ
メオトロピック状態とするのに必要な印加パルス電圧
を、40Vから30Vに低減することができる。
【0058】
【発明の効果】上述したように、この発明の方法によれ
ば、ポリマーネットワーク型コレステリック液晶素子と
して、短時間でフォーカルコニック状態に安定化し、か
つ低電圧で駆動することができる素子を、確実かつ容易
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法によって得られるポリマーネッ
トワーク型コレステリック液晶素子の一例のプレーナ状
態およびフォーカルコニック状態を示す図である。
【図2】実施例の印加パルス電圧に対する反射率の変化
を示す図である。
【図3】比較例1の印加パルス電圧に対する反射率の変
化を示す図である。
【図4】比較例2の印加パルス電圧に対する反射率の変
化を示す図である。
【図5】比較例3の印加パルス電圧に対する反射率の変
化を示す図である。
【図6】比較例4の印加パルス電圧に対する反射率の変
化を示す図である。
【図7】実施例および比較例1〜4についての印加パル
ス時間幅に対する最低反射率の変化を示す図である。
【図8】コレステリック液晶の3つの配向状態を示す図
である。
【図9】ポリマーがランダムな配向性を有する従来のポ
リマーネットワーク型コレステリック液晶素子のプレー
ナ状態およびフォーカルコニック状態を示す図である。
【符号の説明】
1,3…透明基板 2,4…透明電極 5…ポリマーネットワーク構造のコレステリック液晶層 6…ポリマーネットワーク 7…液晶ドメイン 8…液晶分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 氷治 直樹 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 鈴木 貞一 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA03 HA04 KA07 MA03X QA16 RA04 RA16 SA01 TA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正の誘電異方性を有するネマチック液晶、
    カイラル剤、モノマーおよび重合開始剤を含むプレポリ
    マーがアイソトロピック相となる状態で、前記プレポリ
    マーの重合を開始するとともに、遅くとも重合相分離に
    よって液晶相がネマチック相となる時点で、前記プレポ
    リマーに液晶相を垂直配向させる電界を印加して、ポリ
    マーネットワークが垂直配向性を有するポリマーネット
    ワーク型コレステリック液晶素子を得る、ポリマーネッ
    トワーク型コレステリック液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の製造方法において、 重合開始時点から前記プレポリマーに前記電界を印加し
    続けるとともに、重合相分離後はセルを液晶相がネマチ
    ック相となる温度に保持することを特徴とする、ポリマ
    ーネットワーク型コレステリック液晶素子の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004053994A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Ricoh Co Ltd 光偏向素子及び画像表示装置
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