JP2001081391A - 常温硬化水性含ハロゲン樹脂塗料組成物 - Google Patents

常温硬化水性含ハロゲン樹脂塗料組成物

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JP2001081391A
JP2001081391A JP29869799A JP29869799A JP2001081391A JP 2001081391 A JP2001081391 A JP 2001081391A JP 29869799 A JP29869799 A JP 29869799A JP 29869799 A JP29869799 A JP 29869799A JP 2001081391 A JP2001081391 A JP 2001081391A
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Reiko Udagawa
礼子 宇田川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温造膜性,塗装外観,塗膜強度,耐汚染
性,耐沸騰水性,耐溶剤性,耐候性,耐熱性および基材
密着性に非常に優れた塗膜を作製する事が出来る常温硬
化水性含ハロゲン樹脂塗料組成物を提供する。 【解決手段】含ハロゲン樹脂,式 【化1】 (式中、RはCF、CおよびCからなる
群より選択される)で表される架橋剤および架橋触媒と
して脂肪族第一級ジアミン化合物よりなる常温硬化水性
含ハロゲン樹脂塗料組成物。また含ハロゲン樹脂として
は,クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/
シクロヘキシルビニールエーテル共重合体が用いられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含塩素オレフィン、
含フッ素オレフィンおよびオレフィン性不飽和単量体を
共重合して調製した水性分散液に、架橋剤として含フッ
素ジチオール化合物、架橋触媒として脂肪族第一級ジア
ミン化合物を含有する事を特徴とする常温硬化水性フッ
素樹脂塗料組成物およびそれらを含有している水性塗料
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン水性塗料
は、従来よりフライパン、ホットプレート、ジャー、電
気アイロン、鍋などに用いられているが、380℃以上
に加熱しないと塗膜を形成する事ができない。建築物の
外装、内装には常温硬化性のフッ素樹脂塗料が用いられ
ている。フッ素樹脂塗料は、耐熱性、耐候性等に優れて
いるので、需要が多く用途も非常に広いので、近年常温
硬化水性フッ素樹脂塗料の研究が盛んに進められてい
る。
【0003】特開平6−41490号公報には、フルオ
ロオレフィンに活性カルボニル基を有するクロトンアル
デヒドを共重合した樹脂水性分散体とヒドラジン化合物
を架橋剤とする水性フッ素樹脂塗料組成物が提案されて
いる。特開平9−165490号公報には、ビニリデン
フルオライド・テトラフルオロエチレン・クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体からなる水性分散液に、メタク
リル酸メチルおよびメタクリル酸アセトアセトキシエチ
ルをシード重合し、アジピン酸ジヒドラジドで常温架橋
する方法が提案されている。この水性分散液組成物をも
ちいれば、低温造膜性、塗装外観、塗膜強度、耐汚染
性、耐沸騰水性、耐溶剤性、耐候性、耐熱性および基材
密着性に優れた塗膜が作製できるが、ポリテトラフルオ
ロエチレン水性塗料を用いて作製できる塗膜と比較する
と、耐熱性、耐候性等に劣るという欠点を有している。
塗膜特性により優れた常温硬化水性フッ素樹脂塗料が更
に要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温造膜
性、塗装外観,塗膜強度,耐汚染性,耐沸騰水性および
基材密着性に優れ,更にポリテトラフルオロエチレン水
性塗料を用いた場合に近い耐熱性および耐候性に優れた
塗膜が作製できる含フッ素共重合体水性分散液組成物,
それらを用いた水性塗料を提供する事を目的とする。
【0005】本発明者は,含塩素オレフィン,含フッ素
オレフィンおよびオレフィン性不飽和単量体を共重合し
て調製できる水性分散液に,架橋剤として式(I)ある
いは式(II)で示される含フッ素ジチオール化合物を
用い,架橋触媒として脂肪族第一級ジアミン化合物を用
いることにより,上記目的を達成できる事を見出し本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,含塩素オレフ
ィンおよび含フッ素オレフィンと共重合可能なオレフィ
ン性不飽和単量体を水性媒体中で乳化重合して製造で
き,この共重合体の平均粒子径は0.05〜3μmで,
架橋剤として含フッ素ジチオール化合物を用い,架橋触
媒として脂肪族第一級ジアミン化合物を用いることを特
徴とする常温架橋性の水性フッ素樹脂塗料組成物であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素オレフィンとし
ては、テトラフルオロエチテン(TFE)、トリフルオ
ロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロピレン
(HFP),ビニリデンフルオライド(VdF)、ビニ
ールフルオライド(VF)等が挙げられる。含塩素オレ
フィンとしては,クロロトリフルオロエチレン(CTF
E),オレフィン性不飽和単量体としては,アクリル酸
シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル,シクロ
ヘキシルビニールエーテル等が挙げられる.これらの中
で特に,VdF/CTFE/シクロヘキシルビニールエ
ーテル共重合体が望ましく,VdF55〜75モル%,
CTFE5〜25モル%およびシクロヘキシルビニール
エーテル10〜20モル%からなる共重合体が好まし
い。
【0008】含フッ素共重合体において,VdFが55
モル%以上になるとディスパージョンを乾燥させて造膜
したフィルムの透明性,鉛筆硬度などでの塗膜の機械特
性が優れた塗膜が作製できる。またCTFEが5モル%
以下になるとフィルムの透明性が低下したり、塗膜の架
橋密度が低下し,光沢や密着が悪くなる。シクロヘキシ
ルビニールエーテルが10モル%以上になると密着性が
向上する。
【0009】含フッ素共重合体分散液の平均粒子径は,
0.05〜0.5μmが好ましく0.1〜0.2μmが
更に好ましい。また濃度は35重量%以上が好ましく,
40重量%以上が更に好ましい。
【0010】含フッ素共重合体水性分散液は,通常の乳
化重合法によって製造できる。例えば親水性部位を有す
るフッ素系反応性乳化剤を水に,0.01〜1.0重量
%およびフッ素系乳化剤を0.1〜1.0重量%をそれ
ぞれ共存させてフルオロオレフィンを含む単量体混合物
を乳化重合させる事により調製する事が出来る。また,
水に対して1.0重量%以下,好ましくは0.2重量%
以下のフッ素系界面活性剤と0.01〜0.05重量%
のノニオン系非フッ素界面活性剤との共存下に、フルオ
ロオレフィンを含む単量体混合物を乳化重合させる事に
より調製することができる。これらの方法で調製した含
フッ素共重合体分散液は,平均粒子径が0.2μm以下
の粒子を30〜50重量%の高濃度で安定に含むことが
できる。
【0011】親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤
としては、CH=CFCFO[CF(CF)CF
O]nCF(CF)COOH(n=0〜2の整数)
が用いられる。重合温度は30〜70℃が好ましく,2
0℃より低いと生成ラテックスの安定性が悪くなり,1
20℃より高いと連鎖移動による重合速度の失速が起こ
りやすくなる。重合は,通常1.0〜50kg/cm
の加圧下で5〜100時間加熱して行われる.前記フッ
素系乳化剤としては,パーフルオロオクタン酸アンモニ
ウム塩,パーフルオロノナン酸アンモニウム塩等が用い
られる。
【0012】ノニオン系非フッ素界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル,ポリオキシエチ
レンセチルエーテル,ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル,ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等が挙げ
られるが,特にポリオキシエチレンラウリルエーテル
(EO:5〜20,EOはエチレンオキシドユニット数
を示す)が好ましい。
【0013】重合開始剤は,水性媒体中でフリーラジカ
ルを20〜90℃の間で発生するものであればよく,還
元剤と組み合わせて用いる事も出来る。水溶性の重合開
始剤としては、過硫酸塩,過酸化水素,還元剤として
は,ピロ重亜硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム,
L−アスコルビン酸ナトリウム等を挙げることが出来
る。重合開始剤の使用量は,単量体の合計100部あた
り,0.05〜2.0部である。重合温度は30〜70
℃が好ましい。
【0014】溶剤としては,作業性、安全性等に悪影響
を与えない程度の少量のメチルエチルケトン,アセト
ン,メチルイソブチルケトン,酢酸エチル等を使用する
ことが出来る。
【0015】このようにして,本発明の含フッ素共重合
体水性分散液が調製できるが,本発明の目的である造膜
性,密着性の向上という点から−35℃〜25℃の任意
のTg(ガラス転移温度)を有する含フッ素共重合体粒
子を含む水性分散液が調製できる。粒子のTgの選択に
よって0〜70℃の範囲で造膜温度を任意に設定する事
が出来る。
【0016】本発明の水性分散液の粒子の平均粒径は
0.1〜0.2μmが好ましい。平均粒径が0.05μ
m未満では,水性分散液の粘度が上昇し,高濃度の水性
分散液ができない。また3μmを超えると水性分散液を
保存中に,粒子が沈降し,凝固してしまい、塗膜に光沢
がでないこともある。
【0017】以上の説明の通り,含フッ素共重合体水性
分散液に,二個のメルカプト基を含有する含フッ素ジチ
オール化合物を架橋剤として,共重合体水性分散液10
0重量部に対して,1〜15重量部添加するのが望まし
い。また架橋触媒として脂肪族第一級ジアミン化合物
を,0.1〜10重量部添加するのが望ましい。前記含
フッ素ジチオール化合物の量が1重量部より少ないとキ
ャストフィルムの架橋密度が低くなり,15重量部を超
えると未反応のジチオール化合物が塗膜中に残存し,塗
膜の光沢が低下する場合がある。
【0018】含フッ素ジチオール化合物の中で特に重要
なのは、パーフルオロヘキサメチレンジチオールHS
(CFSHおよびビスチオフェノールAF
【0019】本発明の架橋剤のひとつであるパーフルオ
ロヘキサメチレンジチオールあるいはビスチオフェノー
ルAFは,例えば次式に示すスキームにしたがって合成
する事が出来る。本発明による架橋剤として使用される
他のジチオール化合物も,同様のスキームにしたがって
合成する事が出来る。
【0020】
【化2】
【化3】
【0021】前記架橋触媒として用いる脂肪族第一級ジ
アミン化合物としては,エチレンジアミン,テトラメチ
レンジアミン,ヘキサメチレンジアミン等が好ましい.
ポットライフの非常に長い塗料を得るには,含フッ素共
重合体水性分散液とジチオール化合物の混合液に,使用
直前に脂肪族第一級ジアミン化合物を添加して塗料とす
るのが望ましい。
【0022】本発明の含フッ素共重合体水性分散液とし
ては,含フッ素共重合体がフッ化ビニリデン/クロロト
リフルオロエチレン/シクロヘキシルビニールエーテル
共重合体であり,架橋剤がビスチオフェノールAFある
いはパーフルオロヘキサメチレンジチオールであり、脂
肪族第一級ジアミン化合物が,エチレンジアミンあるい
はヘキサメチレンジアミンであるのが望ましい。
【0023】本発明の含フッ素共重合体水性分散液とし
て,造膜助剤,顔料,増粘剤,分散剤,消泡剤および凍
結防止剤など一般に水性ディスパージョン塗料に用いら
れている添加剤を配合して用いることが出来る。
【0024】本発明の含フッ素共重合体水性分散液組成
物は,建築物,構造物の外装および内装用水性塗料とし
て用いることが出来る。本発明の水性塗料は,ロールコ
ーター,エアスプレー等を使用して任意の方法で塗装す
る事が出来る。本発明の水性塗料は,金属に限らず,ガ
ラス,セメント等の無機材料,樹脂類,木材,繊維など
のさまざまな基材に使用出来る。塗膜は架橋剤,架橋触
媒の種類によって,塗装後常温で1時間から1日乾燥し
て硬化させる。塗膜の膜厚は20〜50μmが好まし
い。
【0025】このようにして作製した塗装物は,耐候
性,耐熱性,耐薬品性,密着性などに非常に優れてい
る。電気製品,事務機器の内外装用,自動車の塗装用,
建築物の屋内・屋外の塗装用など幅広い用途に用いるこ
とが出来る。以下に本発明を実施例によりより具体的に
説明するが,本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。
【0026】
【実施例】パーフルオロヘキサメチレンジチオールの合
成:内容積500mlの四つ口フラスコ(攪拌機,温度
計,還流冷却器,および滴下ロート付き)に,蒸留水1
00ml,エチルアルコール100mlおよび硫化水素
カリウム(KHS)14.5g(0.2モル)を仕込
み,25℃の温度で攪拌しながら,55.3g(0.1
0モル)のドデカフルオロ−1,6−ジイオドヘキサン
(東京化成製)を30分かけてゆっくり滴下し,1時間
還流後室温まで冷却し,100mlのジクロロメタンで
3回抽出し,有機層を分離して,100mlの水で3回
洗浄後,有機層に10gの硫酸マグネシウムを加えて一
昼夜乾燥後,硫酸マグネシウムを濾別後,有機層を50
0mlのフラスコに移してジクロロメタンを留去し,分
別蒸留により沸点が120〜122℃の留分を採取した
ところ,27.5g(収率75%)の液状物質が得られ
た。ガス質量分析計(日機装社製MILI−MASS
MA−200)で分子量を測定したところ,366であ
った。日本アナリスト社製の炭素・硫黄分析装置CS−
200型で炭素および硫黄含有量を分析したところ,C
19.67%,S 17.46%であり,得られた生
成物はパーフルオロヘキサメチレンジチオールである事
が確認された。
【0027】ビスチオフェノールAFの合成:内容積5
00mlのステンレス製容器(マグネチックスターラ
ー,ステンレス製温度計付き)に,200gの5%ヘキ
サフルオロアセトン・酢酸エチル溶液(東京化成製)お
よび13.3g(0.12モル)のチオフェノール(東
京化成製)を仕込み,5℃に冷却しながら5mlのフッ
化水素酸(セントラル硝子社製HF−001C)を30
分間かけてゆっくり滴下し,5℃で3時間反応させた。
20%の水酸化ナトリウム水溶液62.5gを添加して
中和後,100mlのジクロロメタンで3回抽出し,有
機層を集めて100mlの水で洗浄後,有機層を10g
の硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し,硫酸マグネシウム
を濾別後,ジクロロメタン層を500mlのフラスコに
移し、ジクロロメタンを留去したところ,20gの固体
状物質が得られた。エタノールから再結晶したところ針
状晶の白色物質が17.7g(収率80%)得られた。
島津製作所製の質量分析計で分子量を測定したところ,
368であり,炭素・硫黄分析装置(日本アナリスト社
製CS−200型)で炭素および硫黄の含有量を測定し
たところ、C 48.86%,S 17.41%であ
り、この生成物は,2,2−ビス(4−メルカプトフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン(チオビスフェノールA
F)である事が確認された。融点は146℃であった。
【0028】実施例1 蒸留水500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウ
ム塩0.5gおよびCH=CFCFOCF(C
)CFOCF(CF)COOHで示される反応
性乳化剤0.5gを内容積11のオートクレーブ(攪拌
機付き)に仕込み,窒素ガスを圧入して脱気する。この
加圧脱気を繰り返した後,溶存空気を除去し、フッ化ビ
ニリデン/クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシ
ルビニールエーテルの74/14/12モル%比の単量
体混合物を,60℃で10kg/cmまで加圧した。
次に酢酸エチル1.5gを圧入し,過硫酸アンモニウム
0.2gを仕込み,容器内圧力が10kg/cmとな
るように本混合モノマーを連続して供給し,50時間反
応を行った後,容器内を常温・常圧まで戻して反応を完
了させた。この水性分散液について以下の項目について
測定した。
【0029】固形分濃度:150℃の乾燥器中で1時間
乾燥後,乾燥前の水性分散液の重量に対する割合を百分
率で示した。 平均粒子径:レーザー光散乱粒径測定装置を用いて測定
した。結果を表1に示す。
【0030】前記の乳化重合により調製した水性分散液
の固形分100重量部に対して,ビスチオフェノーAF
10重量部,エチレンジアミン5重量部,顔料として酸
化チタン50部,分散剤としてノブコスバースSN50
27を2部,凍結防止剤としてエチレングリコール1
部,消泡剤としてFSアンチフォーム013Bを0.5
部,増粘剤としてUH420を0.5部,造膜助剤とし
てダワノールDPnB(ダウ・ケミカル社製ジプロピレ
ングリコール−n−ブチルエーテル)10部および含フ
ッ素系界面活性剤を1部添加して,攪拌機で30分間混
合して塗料を調製して塗膜の特性を評価した。
【0031】低温造膜性:調製した塗料および水性RT
Vシリコーンゴム塗料を塗布した基板を5℃のオーブン
中に12時間放置し,40μmの厚さに塗装し,5℃の
オーブン中で24時間乾燥し,塗膜形成時のクラックの
発生を次の基準で判定した。 〇…異常がない △…微小なクラックが発生する ×…
全面クラック発生
【0032】光沢:調製した塗料をガラス基板上に,2
0μmの厚さに塗装し,室温で4週間乾燥後,光沢計に
より反射角60°の光沢を測定した。 鉛筆硬度:JISK5400鉛筆硬度試験法により塗膜
硬度を測定した。
【0033】密着性:調製した塗料を,水性RTVシリ
コンゴム塗料を塗布した基板上に40μmの厚さに塗装
し,室温で2週間乾燥した後,1mm間隔100コマの
マス目をつくり,セロハンテープを用いて剥離試験を行
い,剥離しないマス目の数を示した。 汚れ落ち性:密着性と同じように試験板を作り,蒸留水
に3%の濃度で分散したカーボンブラックを均一にスプ
レーし,60℃で2時間乾燥後,水で洗浄し,乾燥後の
塗板の△Eを測定した。△Eは塗板の色差を表し,色差
計により測定した。これを次の基準で判定した。 〇…△E<5 △…△Eが5〜10 ×…△Eが10〜
20
【0034】耐沸騰水性:沸騰水中に48時間浸漬した
後,次の基準で判定した。 ○…変化なし △…ブリスター発生 ×…塗膜にクラッ
ク発生 耐溶剤性:調製した塗料から作製したフィルムを25℃
のトルエン中に10日間浸漬した後,溶剤の吸収量を実
験前のフィルムの重量に対する割合を百分率で表した。 〇…溶剤吸収率100重量%未満 △…溶剤吸収率100重量%以上,200重量%未満 ×…溶剤吸収率200重量%以上(フィルムの溶解の場
合を含む)
【0035】耐候性:アルミニウム基板に20μmの厚
さに塗布した試験板をサンシャインウエザーメーター
(スガ試験機製)で3000時間暴露後,光沢を測定
し,初期光沢を百として光沢保持率を百分率で示した。 耐熱性:アルミニウム基板上に20μmの厚さに塗布し
た試験板を250℃のオーブン中に168時間放置後,
変化を次の基準で判定した。 ○…変化なし △…ブリスター発生 ×…塗膜にクラッ
ク発生 結果を表1および表2に示す。
【0036】実施例2〜実施例12 表1に示す単量体混合物,架橋剤および架橋触媒を用い
て,実施例1と同様の方法で含フッ素共重合体水性分散
液組成物を調製し,これらを実施例1と同様の方法で評
価した。結果を表1および表2に示す。
【0037】比較例1 蒸留水500ml,パーフルオロオクタン酸アンモニウ
ム塩0.5gおよびCH=CFCFOCF(C
)CFOCF(CF)COOHで示される反応
性乳化剤0.5gを,内容積11のオートクレーブ(攪
拌機付き)に仕込み,窒素ガスを圧入し脱気する。この
加圧脱気を繰り返した後,溶存空気を除去し,VdF/
CTFE/CHVEの74/14/12モル%比の単量
体混合物を圧入し,60℃で80kg/cmまで加圧
した。次に酢酸エチル1.5gを圧入し,過硫酸アンモ
ニウム0.2gを仕込み,容器内圧力が8kg/cm
になるように本混合モノマーを連続的に供給して,45
時間反応を行った後,容器内を常温・常圧まで戻して反
応を完了させて,含フッ素共重合体水性分散液を調製し
た。次に内容積200mlのフラスコ(攪拌機,冷却
器、温度計を備えたもの)に,前記の合成法で調製した
含フッ素共重合体水性分散液70gを仕込み,JS2
(山洋化成工業社製)を本水性分散液の固形分に対し
て,0.5重量%添加した。その後,過流酸アンモニウ
ムの2重量%水溶液1mlを添加して反応を開始した。
3時間後,温度を85℃に上げて1時間加熱した後,冷
却してアンモニウム水でpHを7にした後,この水性分
散液に10%のアジピン酸ジヒドラジド水溶液をメタク
リル酸アセトキシエチルの活性カルボニル基に対してヒ
ドラジン残基1.0モル当量を加え,金網で濾過し,白
色の含フッ素共重合体水性分散液組成物を調製した。こ
の組成物について,実施例1と同様に塗料化を行い特性
を評価した結果を表1および表2に示す。
【0038】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体水性分散液組
成物を含有する水性塗料を用いることにより,低温造膜
性,塗装外観,塗膜強度,耐汚染性,耐沸騰水性,耐溶
剤性,耐候性,耐熱性および基材密着性に非常に優れた
塗膜および塗装物品を作製することができ,幅広い用途
に用いる事ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含ハロゲン共重合体、例えばフッ化ビニ
    リデン・クロロトリフルオロエチレン・シクロヘキシル
    ビニールエーテル共重合体、フッ化ビニリデン・ブロム
    トリフルオロエチレン・シクロヘキシルビニールエーテ
    ル共重合体,フッ化ビニリデン・イオドトリフルオロエ
    チレン・シクロヘキシルビニールエーテル共重合体と式 【化1】 (式中、Rは、CF3、C2F5、およびC3F7から
    なる群より選択される)で表される架橋剤および架橋触
    媒として脂肪族第一級ジアミン化合物よりなる、常温硬
    化水性含ハロゲン樹脂塗料組成物。含ハロゲン共重合体
    と架橋剤は次式に示す反応機構で架橋が行われる。
  2. 【請求項2】含ハロゲン共重合体が、クロロトリフルオ
    ロエチレン、フッ化ビニリデン、シクロヘキシルビニー
    ルエーテル共重合体である請求項1記載の常温硬化水性
    含ハロゲン樹脂塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載の組成物
    を含有している水性塗料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜2のいずれかに記載の組成物
    を含有している建築物または構造物の外装および内装用
    水性塗料。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の水性塗
    料を塗装して作製した塗装物品。
JP29869799A 1999-09-13 1999-09-13 常温硬化水性含ハロゲン樹脂塗料組成物 Pending JP2001081391A (ja)

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