JP2001081110A - 水溶性蛍光ポリマーおよび製造方法 - Google Patents

水溶性蛍光ポリマーおよび製造方法

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JP2001081110A
JP2001081110A JP26313099A JP26313099A JP2001081110A JP 2001081110 A JP2001081110 A JP 2001081110A JP 26313099 A JP26313099 A JP 26313099A JP 26313099 A JP26313099 A JP 26313099A JP 2001081110 A JP2001081110 A JP 2001081110A
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Masahiro Aoyama
政裕 青山
Minoru Atsuji
稔 阿津地
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水処理剤、分散剤として好適に使用される水
溶性ポリマーで、水中での濃度を簡便にかつ迅速に測定
でき、しかも正確に測定しうる様に標識化されたものの
提供。 【解決手段】 チオール基および共役二重結合を有する
環状アリール化合物または複素環式化合物に起因する置
換基を有する水溶性蛍光ポリマーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な水溶性ポリマ
ーに属するもので、水中での濃度を簡便にかつ迅速に測
定でき、しかも正確に測定しうる様に標識化されたもの
であるため、水処理剤、分散剤として好適に使用される
ものであり、特に水処理剤としては、スケールの付着防
止、腐食防止・抑制に有効なものであり、ボイラや循環
冷却水を使用する各種産業分野で幅広く利用されるもの
である。すなわち、本発明は水処理や水処理薬品技術に
属するものである。また、分散剤としては無機粒子、金
属イオンの分散、吸着に優れるものであり、水を循環利
用する土木、洗浄、製紙分野で幅広く利用されるもので
ある。すなわち、本発明は分散や分散剤技術に属するも
のでもある。
【0002】
【従来の技術】水溶性ポリマーを用いる多くの分野にお
いて、水中でのポリマー濃度を管理することは以前から
望まれている。例えば、ボイラ用水、冷却用水等として
大量の工業用水を利用している分野、特に化学産業や鉄
鋼産業など種々の産業分野において、間接的又は直接的
に被処理物を冷却する目的で冷却水が多量に使用されて
いるが、冷却水中のカルシウム、マグネシウム、鉄ある
いはシリカなどの不純物は濃縮により、炭酸カルシウ
ム、マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、ケ
イ酸マグネシウムとして溶解度以上に存在するようにな
り、伝熱面や配管等に付着するという問題を抱えてい
る。特に最近の中低圧ボイラや冷凍機などのパッケージ
化や高性能化により単位伝熱面積蒸発率が従来より高く
なっており、また水資源の不足や有効利用の観点から、
冷却用水の使用量の節減が指向されており、例えば開放
循環式冷却水系の高濃縮運転下における強制ブロー水量
の節減など、冷却用水の高度利用方式が採用されている
が、このような冷却用水の高度利用方式を実施した場合
には、溶存塩類の濃縮が一層起こり易く、循環冷却水の
水質が悪化し、腐食やスケール発生が一層激しくなる傾
向にある。
【0003】このような障害の発生を防止するために、
従来各種の水溶性ポリマーがスケール形成の防止や腐食
抑制に対して有効に作用することが明らかとなり、スケ
ール防止剤や腐食抑制剤として広く使用されるようにな
ってきた。現在、スケール防止用または腐食抑制用ポリ
マーとして、例えばアクリル酸系ポリマー、マレイン酸
系ポリマー、アクリルアミド系ポリマーなどが用いられ
ている。これらのスケール防止用または腐食抑制用ポリ
マーは、通常固形分換算で1〜100mg/リットル程度
の添加量で効果を発揮することが認められている。この
ようなポリマーを用いる場合、そのスケール防止効果な
どを効率よく発揮させるためには、水中のポリマー濃度
が重要な因子となる。ところが、水に添加された水処理
用ポリマーは、前記に記したように冷却水等の高濃縮運
転下では冷却水中の溶存塩類のイオンバランスがスケー
ル化などによって変化するため、沈殿する場合があり、
外部から添加されたポリマ一の量が水中に常に一定に保
持されているとは限らない。また、土木、洗浄、製紙分
野でも同様に循環水系において系中の無機粒子、金属イ
オンを効果的に分散、吸着するためにはポリマー濃度が
重要な因子であり、その濃度管理が、安定な操業および
薬剤コストの削減の面から不可欠である。また、これら
の作業は安全性、簡便性、操業コスト、人件費を考慮す
る必要が有り、自動化できるものが望まれている。
【0004】このような状況下、従来、ポリマーの濃度
を測定する方法としては、例えば比色法、比濁法、リチ
ウム法あるいは蛍光トレーサー法(特開平2-115093号公
報、特開平2-115697号公報)などが知られている。しか
しながら、比色法や比濁法においては、自動化が困難で
あり、通常手動分析が行われているが、この場合分析に
著しく時間を要するという問題が生じ、たとえ自動化で
きたとしても、測定に時間がかかるのを免れないなどの
欠点がある。一方、リチウム法や蛍光トレーサー法にお
いては、測定自体は短時問でできるが、ポリマーそのも
のについて測定する方法ではなく、間接的な方法であ
り、したがってポリマー投入濃度の管理はできるもの
の、例えば過剰濃縮やスケール付着の有無により該ポリ
マーの消費量が大幅に変わった場合、この消費量に関し
ては濃度が測定できないため、実体が把握できないとい
う欠点がある。近年、これらの問題を解決するために、
紫外線を吸収する化合物(特開平7-8995号公報)や蛍光
を示す化合物(特開平4-233918号公報、特開平7-109587
号公報、特開平9-108696号公報)をポリマーに直接導入
することで、ポリマー自体の濃度を直接測定することが
提案されているが、アミド交換反応やグリニヤ試薬を用
いた反応を行うことは非常に煩雑であり安全上好ましく
なく、また蛍光基を有するモノマーを重合したポリマー
は、モノマーの合成に非常に手間がかかり、また他のモ
ノマーとの反応性比の違いによりポリマーへの蛍光基の
導入が不均一であり、目的組成のポリマーを得ることが
難しいという様な問題を有している。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、水処理剤、分散剤の原料に適し、且つ水
中における濃度が迅速に測定でき、しかも正確に測定し
得る水溶性ポリマーおよび、簡便に当該ポリマーを製造
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、チオール基を
有し共役二重結合を有する環状アリール化合物または複
素環式化合物をポリマー合成の重合時にモノマーに添加
することにより得られる水溶性ポリマーが蛍光を有し、
蛍光測定により水中でのポリマー濃度を容易に測定する
ことを可能とし、それらポリマーは水処理剤及び分散剤
として有用であること、さらには該ポリマーがその連鎖
にチオール基を有し共役二重結合を有する環状アリール
化合物または複素環式化合物に起因する置換基を有する
ことを見い出し、本発明を完成したのである。すなわち
本発明は、チオール基および共役二重結合を有する環状
アリール化合物または複素環式化合物に起因する置換基
を有することを特徴とする水溶性蛍光ポリマーおよび置
換基が2−ナフタレンチオール基、4−ヒドロキシフェ
ニルチオール基、サリチル酸チオール基またはサリチル
酸塩チオール基であることを特徴とする水溶性蛍光ポリ
マーならびにチオール基および共役二重結合を有する環
状アリール化合物または複素環式化合物を、ポリマー合
成の重合反応時にモノマーに添加することを特徴とする
水溶性蛍光ポリマーの製造方法に関するものである。
【0007】
【実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
の水溶性蛍光ポリマーは、ポリマー合成時のモノマーの
重合反応に際して、重合反応系にチオール基及び共役二
重結合を有する環状アリール化合物または複素環式化合
物を添加することにより得られるものであって、チオー
ル基及び共役二重結合を有する環状アリール化合物また
は複素環式化合物に起因する置換基は、水素引き抜き反
応による連鎖移動効果によってポリマー連鎖に付加され
導入されるものと推定される。チオール基を介して共役
二重結合を有する環状アリール化合物または複素環式化
合物としては、チオール基を有し、共役二重結合を有す
る環状アリール化合物または複素環式化合物であり、反
応性や溶解性など点から、ヒドロキシル基、アミノ基、
スルホン酸基などを含むものが好ましい。それらの化合
物の具体例としては、2-ナフタレンチオール、1,5-ナフ
タレンジチオール、チオナリド、4-ヒドロキシチオフェ
ノール、1,4-ベンゼンチオール、3-メトキシチオフェノ
ール、チオサリチル酸(塩)、チオ安息香酸、4-アミノチ
オフェノールなどが挙げられ、本発明にとり好ましいも
のは、2-ナフタレンチオール、4-ヒドロキシチオフェノ
ール、チオサリチル酸(塩)である。これらは単独でも2
種類以上併用して使用することも可能であり、これらに
含まれる塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアリ
カリ金属塩、アンモニア、ジエチルアミンのようなアル
キルアミン類、モノエタノールアミン、トリエタノール
アミンのようなアルカノールアミン類等が挙げられる。
【0008】水溶性ポリマーの合成に使用されるモノマ
ーとしては、ラジカル重合により重合可能なものが好適
で、従来の水処理剤、分散剤用ポリマーの合成に使用さ
れているものが挙げられ、具体的には、アクリル酸、メ
タクリル酸(以下アクリルとメタクリルを合わせて(メ
タ)アクリルという)、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸を主体とする
ものが挙げられ、それらに(メタ)アクリル酸メチルや
(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドタ
ーシャリーブチルスルホン酸、スチレンスルホン酸等の
スルホン酸含有単量体、ポリエチレングリコール付加
(メタ)アクリレート等のアリキレングリコール(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、N,N-
ジメチルビスアクリルアミド等の架橋性アクリレート及
び架橋性アミド、アリルスルホン酸などのアリル化合
物、スチレン、酢ビなどの不飽和単量体を併用したもの
が挙げられる。これらの群の中から選ばれる2種類以上
を使用することも可能である。
【0009】重合反応溶媒としては、水、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケ
トン、ジオキサン、トルエンなどが挙げられるが、本発
明にとり好ましいものは、エタノール、イソプロピルア
ルコールであり、より好ましいものはエタノールであ
る。また、これらの重合溶媒は混合して使用することも
可能である。重合開始剤としては、一般的なラジカル開
始剤を用いることでよく、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウム等の過硫酸塩、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリ
ン酸等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、過酢酸等の
有機過酸化物、過酸化水素等の無機過酸化物が挙げられ
る。これらの群の中から選ばれる2種類以上を使用する
ことも可能である。添加量としては、使用するモノマー
の種類および添加量等によって可変するものであり、一
般的にモノマーに対して、0.05〜20%程度が選択
される。添加の方法としては、初期に一括投入したり、
断続的に滴下することなども可能であるが、チオール基
を介して蛍光を示す基を連鎖に付加導入するための化合
物の反応を妨げないように、重合初期の添加量を少な
く、後半に大量に連続的にもしくは断続的に添加するの
が好ましい。本発明においては、ポリマーの重合時にモ
ノマーと共にチオール基を有し共役二重結合を有する環
状アリール化合物または複素環式化合物を添加すること
により、蛍光を示す置換基がポリマーの連鎖に付加導入
される。連鎖に置換基をポリマーの連鎖に付加導入する
一般的な方法としては、重合反応容器の中へ重合反応溶
媒を張っておき、モノマー、重合開始剤及びチオール基
を有し共役二重結合を有する環状アリール化合物または
複素環式化合物をそれぞれ連続滴下することにより重合
反応を行う方法が挙げられる。チオール基を有し共役二
重結合を有する環状アリール化合物または複素環式化合
物の添加の方法としては、モノマーと同時もしくはモノ
マーよりも前に反応容器に連続的もしくは断続的に導入
する方法が望ましい。添加量としては、蛍光分析により
ポリマー濃度が測定できるレベル以上であれば良く、目
的のポリマー分子量とモノマーの種類・添加量により決
定される。一般に、モノマーの0.01〜10%程度が
好ましい。重合温度は、特に制限はないが、50〜15
0℃の範囲が好ましく、用いる重合反応溶媒の沸点付近
で重合することが好ましい。反応容器は、重合温度に耐
えられる任意のものを用いることが可能であるが、溶媒
の沸点を超える温度で重合する場合は、オートクレーブ
などの耐圧容器を用いることが好ましい。重合時の反応
系中のpHは任意に設定できる。また重合中のpHを調
整することも可能であり、中和剤として、ナトリウム、
カリウムなどのアリカリ金属の水酸化物や炭酸塩、アン
モニア、ジエチルアミンのようなアルキルアミン類、モ
ノエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなア
ルカノールアミン類等が挙げられる。これらの2種類以
上を混合して使用することも可能である。ポリマーの重
合性を促進するために、次亜リン酸塩などのリン酸塩、
アスコルビン酸ナトリウムや重亜硫酸ナトリウムなどの
有機還元剤、硫酸鉄、硫酸銅、塩化第2鉄、硫酸アルミ
などの多価金属塩等の重合促進剤を反応系に重合の初
期、および重合反応時に連続的または一括、分割で投入
することも可能である。
【0010】ポリマーの分子量は、水処理剤、分散剤と
して利用可能な範囲に設定することが可能であり、一般
的には重量平均分子量で500〜200,000程度の
範囲で選択される。本発明のポリマーの冷却水等の水中
における濃度は、分光蛍光光度計を用いてその蛍光強度
を測定し、予め作成しておいた検量線から容易に求めら
れる。さらに、これを水処理剤、分散剤としての最適な
添加量と比較判断して、目的の濃度になるように添加量
を自動もしくは手動で冷却水等に添加または濃度調整を
行い濃度管理される。本発明の水溶性蛍光ポリマーを用
いた水処理剤は、海水淡水化、鉄鋼、石油精製、石油化
学、ビル等の冷却水系やボイラ水系、高炉や転炉の集塵
水系、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜などパルプ製造プロセ
ス等の水を使用し、ポリマーの濃度管理を必要とされる
循環水系で使用され得るものであり、本発明の水溶性蛍
光ポリマーは単独で添加され使用されても良く、また、
通常の水処理用ポリマーと併用されて使用することもで
きる。さらに重合リン酸塩、ホスホン酸塩、亜鉛塩、次
亜塩素酸ナトリムなどの防食剤、スライムコントロール
剤、キレート剤などと組み合わせて使用することも可能
である。使用の方法としては、例えば循環水中の水処理
剤の濃度が一定になるように定量注入または間欠注入す
るなど、通常の水処理剤と同様の方法で使用することが
でき、その添加量は一般に1〜50ppmである。本発明
の水溶性蛍光ポリマーを用いた分散剤は、土木掘削現場
での循環水系、ガラス、金属、セラミックス、繊維、食
品、製紙などの洗浄水系などのポリマー濃度管理が望ま
れる水系で使用され得るものであり、本発明の水溶性蛍
光ポリマーを単独で使用することも、また、通常の重合
リン酸塩、ホスホン酸塩などの分散剤やクエン酸やED
TA(エチレンシ゛アミン四酢酸)などの有機物や炭酸ナトリム
やケイ酸ナトリウムなどの無機物と併用することも可能
である。使用の方法としては、上記と同じく、循環水中
の水処理剤の濃度が一定になるように定量注入または間
欠注入するなど、通常の分散剤と同様の方法で使用する
ことができる。
【0011】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。 実施例1 温度計、攪拌機および環流冷却器を備えた1L四つ口フ
ラスコにイソプロピルアルコール150gを仕込み、8
0℃まで昇温した。次に、攪拌しながらアクリル酸15
0g、2-ナフタレンチオールの1%イソプロピルアルコ
ール溶液150gを4時間かけて滴下して重合を開始
し、また過硫酸ナトリウム30%水溶液15gを重合開
始後30分後から3.5時間かけて滴下した。重合反応
終了後、さらに1時間熟成し、その後イソプロピルアル
コールを減圧で溜去しながら、純水を加えて置換し、3
2%水酸化ナトリム160gで中和してポリマー水溶液
を得た。得られたポリマーを大量のメタノールで沈殿精
製、乾燥を行い最終的にポリマー粉末を得た。1HNM
Rで測定した結果を図1に、IRスペクトルを図2に示
す。
【0012】実施例2 実施例1と同様の反応容器にイソプロピルアルコール1
50gを仕込み、80℃まで昇温した。次に、攪拌しな
がらアクリル酸150g、チオサリチル酸の13.3%イ
ソプロピルアルコール溶液45gを4時間かけて滴下し
て重合を開始し、また過硫酸ナトリウム30%水溶液1
5gを重合開始後30分後から3.5時間かけて滴下し
た。重合反応終了後、さらに1時間熟成し、その後イソ
プロピルアルコールを減圧で溜去しながら水を加えて置
換し、32%水酸化ナトリム160gで中和してポリマ
ー水溶液を得た。得られたポリマーを大量のメタノール
で沈殿精製、乾燥を行い最終的にポリマー粉末を得た。
【0013】実施例3 実施例1と同様の反応容器にイソプロピルアルコール1
50gを仕込み、80℃まで昇温した。次に、攪拌しな
がらアクリル酸150g、4-ヒドロキシチオフェノール
の10%イソプロピルアルコール溶液45gを4時間か
けて滴下して重合を開始し、また過硫酸ナトリウム30
%水溶液15gを重合開始後30分後から3.5時間かけ
て滴下した。重合反応終了後、さらに1時間熟成し、そ
の後イソプロピルアルコールを減圧で溜去しながら水を
加えて置換し、32%水酸化ナトリム160gで中和し
てポリマー水溶液を得た。得られたポリマーを大量のメ
タノールで沈殿精製、乾燥を行い最終的にポリマーを粉
末として得た。
【0014】実施例4 実施例1と同様の反応容器にイソプロピルアルコール1
50gを仕込み、80℃まで昇温した。次に、攪拌しな
がらアクリル酸150g、チオ安息香酸の10%イソプ
ロピルアルコール溶液52.5gを4時間かけて滴下し
て重合を開始し、また過硫酸ナトリウム30%水溶液1
5gを重合開始後30分後から3.5時間かけて滴下し
た。重合反応終了後、さらに1時間熟成し、その後イソ
プロピルアルコールを減圧で溜去しながら水を加えて置
換し、32%水酸化ナトリム160gで中和してポリマ
ー水溶液を得た。得られたポリマーを大量のメタノール
で沈殿精製、乾燥を行い最終的にポリマーを粉末として
得た。
【0015】実施例5 実施例2においてアクリル酸150gの代りに、アクリ
ル酸135gおよびアクリルアミドターシャリーブチル
スルホン酸ナトリウム50%水溶液30gの混合液を用
い、32%水酸化ナトリム130gで中和した以外は同
様にしてポリマー粉末を得た。
【0016】実施例6 実施例3において、アクリル酸150gの代りにアクリ
ル酸135gおよび40%アクリルアミド水溶液37.5
gの混合液を用い、32%水酸化ナトリム130gで中和
した以外は同様にしてポリマー粉末を得た。
【0017】実施例7 実施例1と同様の反応容器にエチルアルコール150g
を仕込み、70℃まで昇温した。次に、攪拌しながらア
クリル酸135g、メタアクリル酸15g、2−ナフタレ
ンチオールの10%エチルアルコール溶液20gを4時
間かけて滴下して重合を開始し、また過硫酸ナトリウム
30%水溶液15gを重合開始後30分後から3.5時間
かけて滴下した。重合反応終了後、さらに1時間熟成
し、その後エチルアルコールを減圧で溜去しながら水を
加えて置換し、32%水酸化ナトリム160gで中和し
てポリマー水溶液を得た。得られたポリマーを大量のメ
タノールで沈殿精製、乾燥を行い最終的にポリマーを粉
末として得た。
【0018】比較例1 実施例1において、4-ヒドロキシチオフェノールを用い
なかった以外は、実施例1と同様にしてポリマー粉末を
得た。
【0019】以上の水溶性ポリマーの重合条件を表1に
示す。尚、分子量は水系ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーによるポリアクリル酸Na換算で求めた重量
平均分子量(MW)である。
【0020】
【表1】
【0021】○水溶性ポリマーの特性評価 それぞれの特性は以下の方法で測定した。 ○蛍光強度測定 一般的な工業用水(愛知用水)を用い、ポリマー純分に
対してそれぞれ0.1、1、10ppm水溶液を調製し、そ
れを用いて蛍光分析を行った。さらに、0.5、5ppm水
溶液を調製し、上記の水溶液から検量線を作成したもの
からそれぞれ濃度を計算した。装置は、日本分光(株)製
分光蛍光光度計(FP−750DS型)を用いて測定を
行った。測定に要する時間は1サンプルについて約1分
で簡易に迅速に測定できた。それぞれのポリマーに対す
る励起波長、蛍光波長、各濃度での蛍光強度値を表2に
示し、0.5、5ppm水溶液の蛍光強度及び計算濃度を表
3に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】○炭酸カルシウムスケール抑制能試験 ガラス瓶に蒸留水、ポリマー水溶液、塩化カルシウム溶
液、炭酸水素ナトリウム溶液を加え、系のpHを1規定
水酸化ナトリウムもしくは1規定塩酸で8.5に調整
し、加温放置後、水溶液をろ過し、得られたろ液のCa
濃度をJIS K 0101に従って、EDTA滴定によ
り求めた。また、下式により炭酸カルシウムスケール抑
制率として計算した。
【0025】
【式1】炭酸カルシウム抑制率(%)=(C−A)/
(B−A)×100 A:ポリマー無添加における試験後ろ液中のカルシウム
濃度 B:試験前液中のカルシウム濃度 C:試験後ろ液中のカルシウム濃度
【0026】炭酸カルシウムスケール抑制率が高いポリ
マーほど水処理剤として優れたスケール抑制能を示す。
詳細の条件は以下に示す通りである。 容器:200mlガラス瓶 水:蒸留水 ポリマー水溶液:1000ppm水溶液1.5g 塩化カルシウム2水塩:1.78%水溶系10g 炭酸水素ナトリウム:3%水溶液10g 加温時間:70℃×3時間 ろ過:0.1μmメンブランフィルター 測定結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】○泥水分散性試験 ベントナイト(「クニゲルV1」、クニミネ工業社製)
70g/リットル、分散剤(各ポリマー)1.5g/リッ
トルを含む泥水溶液に普通ポルトランドセメント15g
/リットルを加えてミキサーで5分攪拌後の泥水溶液
(25℃)の粘度をファンネル粘度計を用いて測定し
た。低いファンネル粘度の値を示す方が、分散性に優れ
ている。ファンネル粘度測定結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】○無機粒子の分散試験 100mlビーカーに無機粒子を水およびポリマー水溶液
に添加し、スターラーにて撹拌する。その後メスシリン
ダーにて放置後、上澄み10mlを静かに採取して、分光
光度計にて吸光度を測定する。その値をもって無機粒子
の分散能とした。値の大きいものほど優れた分散性を示
す。詳細の条件は以下に示す通りである。 無機粒子:アマゾンクレー(「アマゾン88」ノンプレデ
ィスパース品:三菱商事(株))1g 水:蒸留水100g ポリマー水溶液:0.5%水溶液1ml 撹拌:30mmスターラーチップにて500r.p.mで10
分撹拌 容器:100mlメスシリンダー 静置:18時間、25℃ 分光光度計:10mmセル、λ=380nm 測定結果を表6に示す。
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】以上の結果から、本発明のポリマーは、
従来のラジカル重合により簡易に短時間で製造できるも
のであり、得られたポリマーの水中濃度は蛍光分析によ
り正確に測定誤差も少なく、迅速に測定が可能であっ
て、且つ優れたスケール抑制率および分散性を示すもの
である。従って、本発明のポリマーは、スケール防止剤
や腐食抑制剤などの水処理剤の成分として、また分散剤
の原料として有用なものであり、本発明のポリマーを用
いることにより、水中へのポリマー添加量をコントロー
ルして、最適なポリマー効果域での使用を可能とし、エ
ネルギーや資源の省力化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた水溶性蛍光ポリマーの1
HNMR測定チャートである。
【図2】 実施例1で得られた水溶性蛍光ポリマーのI
R測定チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/64 G01N 21/64 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA17 CA03 DA02 EA01 GA07 GB18 GB21 JA01 KA05 LA01 NA11 4D077 AA05 AB20 AC05 AC10 BA02 BA07 BA13 BA20 CA02 CA03 CA15 DD09X DD10X DD17X DD17Z DD19X DD19Z DD25Z DE02X DE04X DE04Z DE08X DE08Z DE10X DE10Z DE12X DE16X DE28X DE28Z DE29X DE29Z 4J011 AA05 NA25 NB05 PA45 PB40 PC04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオール基および共役二重結合を有する
    環状アリール化合物または複素環式化合物に起因する置
    換基を有することを特徴とする水溶性蛍光ポリマー。
  2. 【請求項2】 置換基が2−ナフタレンチオール基、4
    −ヒドロキシフェニルチオール基、サリチル酸チオール
    基またはサリチル酸塩チオール基であることを特徴とす
    る請求項1記載の水溶性蛍光ポリマー。
  3. 【請求項3】チオール基および共役二重結合を有する環
    状アリール化合物または複素環式化合物を、ポリマー合
    成の重合反応時にモノマーに添加することを特徴とする
    水溶性蛍光ポリマーの製造方法。
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