JP2001079050A - 高次脳機能障害リハビリテーション装置 - Google Patents

高次脳機能障害リハビリテーション装置

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JP2001079050A
JP2001079050A JP26154899A JP26154899A JP2001079050A JP 2001079050 A JP2001079050 A JP 2001079050A JP 26154899 A JP26154899 A JP 26154899A JP 26154899 A JP26154899 A JP 26154899A JP 2001079050 A JP2001079050 A JP 2001079050A
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rehabilitation
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teaching
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JP26154899A
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English (en)
Inventor
Takaaki Nishi
隆暁 西
Hiroyuki Yoshida
裕之 吉田
Masabumi Yoshizawa
正文 吉澤
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Japan Science and Technology Agency
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常の生活場面に即したリハビリテーション
を効率的にできる高次脳機能障害のリハビリテーション
装置を提供する。 【解決手段】 仮想世界制御手段104では、入力手段
101の出力に基づいて、仮想世界が表示されると共
に、上記仮想世界に基づいて課題データが患者へ提示さ
れ、上記課題データに対する反応が上記患者より得られ
ると、上記患者の反応の正否判定が行われる。この正否
結果に基づいて患者認識状態判別手段105にて作成さ
れた患者認識状態データと、患者データ記憶手段107
からの患者データに基づいて、教示手段108では、教
示データが患者の無視領域外に提示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高次脳機能障害を
持つ患者に対するリハビリテーション装置、特にバーチ
ャルリアリティを利用した半側空間無視障害及びADL
(Abilityof Daily Living、日
常生活能力)のリハビリテーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明によるリハビリテーション及び診
断の対象となる高次脳機能障害について説明する。高次
脳機能障害とは、脳卒中や脳溢血による脳の損傷を原因
として引き起こされる認知、認識能力の低下を意味し、
損傷部位や程度によって様々な症状が発生する。この高
次脳機能障害の症状の1つに半側空間無視障害があり、
この障害が発生した患者は身体を中心とした空間の右半
分あるいは左半分に対する認識能力が低下し、その結果
として視野の左半分あるいは右半分を無視するようにな
る。
【0003】「高次脳機能障害のリハビリテーション
(医歯薬出版、江藤文夫編)」によると、上記半側空間
無視障害は、視野の左右いづれか半分を無視するだけで
はなく、注視しているものの左右いずれか半分をさらに
無視するという、無視の入れ子が発生する。
【0004】また、「リハビリテーションの理論と実際
(ミネルヴァ書房、上田敏著)」によると、上記半側空
間無視障害のリハビリテーションとしては、患者に対す
る無視の教示、意図的な無視空間への注視努力、視線移
動訓練、運動覚・言語記憶などの補助的利用が望ましい
とされている。
【0005】また、「半側無視患者におけるADLの問
題点(総合リハビリテーションVol.22No.2、
重野幸次)」によると、高次脳機能障害を持つ患者は、
特定の条件下において行なったリハビリテーションの成
果を一般化し、日常生活の場面に活かすことにが困難で
あり、それゆえ個々の生活場面において問題となる動作
を発見する毎に、その都度それを指摘して適切な動作を
行なうよう矯正していくことが重要であるとされてい
る。
【0006】また、リハビリテーションを実施する上
で、上記半側空間無視障害が最もやっかいな阻害因子で
あり、ADLに及ぼす影響も大きいとされている。
【0007】従来、高次脳機能障害を持つ患者に対する
リハビリテーション装置としては、仮想世界におけるウ
ォークスルーを行うリハビリテーション装置である特開
平8−280762号公報(従来技術1)や半側空間無
視障害に対するリハビリテーション装置である特開平5
−300908号公報(従来技術2)が開示されてい
る。
【0008】図28は、上記従来技術1のリハビリテー
ション装置2800の基本構成を説明するためのブロッ
ク図である。リハビリテーション装置2800は、仮想
世界に対する患者の人体駆動の変位を検出し、それを入
力データとして出力する入力手段2801と、患者へ提
示する仮想世界のモデルデータを保存する仮想世界デー
タ記憶手段2802と、上記仮想世界データ記憶手段2
802から仮想世界のモデルデータを読込み、上記入力
手段2801からの入力データに応じて仮想世界を提示
する仮想世界制御手段2803と、を備えるものであ
る。
【0009】次に動作について説明する。まず、仮想世
界データ記憶手段2802には、仮想世界のモデルデー
タとして公園や街並みなどが保存されており、仮想世界
制御手段2803では、上記仮想世界データ記憶手段2
802より仮想世界のモデルデータが読み込まれ、仮想
世界が患者へ提示される。
【0010】上記患者は、上記仮想世界制御手段280
3より提示された仮想世界に対し、入力手段2801で
あるハンドルやペダルあるいはジョイスティックなどを
通して仮想世界に対する動作を行い、当該動作に応じて
仮想世界制御手段2803は、患者へ提示する仮想世界
を変化させる。
【0011】また図29は、上記従来技術2のリハビリ
テーション装置2900の基本構成を示すブロック図で
ある。リハビリテーション装置2900は、課題に対し
て行われる患者の反応を検出し、それを入力データとし
て出力する入力手段2901と、患者に提示する課題デ
ータを保存する課題データ記憶手段2902と、上記課
題データ記憶手段2902から課題データを読込み、患
者に対し課題を提示し、さらに入力手段2901からの
入力データにより患者の課題への反応に対する正否判定
を行う課題制御手段2903と、を備えるものである。
なお、上記入力手段2901には、ボード上に発光スイ
ッチが格子状に配置されたものが用いられ、上記課題デ
ータ記憶手段2902には、上記発光スイッチを発光さ
せる順番が保持されている。
【0012】次に動作について説明する。まず、課題制
御手段2903では、上記課題データ記憶手段2902
より発光スイッチの発光順番が読み込まれ、当該順番に
応じてボード上の発光スイッチを発光させる。
【0013】患者は、入力手段2901であるボード上
に配置された各発光スイッチのうち発光したものを選択
して押し、上記課題制御手段2903では、発光したス
イッチが正しく押されたか否かの正否判定が行われる。
また、発光スイッチ毎の成績から半側空間無視の評価が
行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】個々の日常の生活場面
において問題となる動作を発見し、適切な動作への矯正
を行うためには、特定の目的を実行するための動作を複
数の段階に分割し、どの段階に問題があるかを把握する
必要がある。
【0015】例えば、散歩中に自動販売機から飲み物を
購入するという一連の動作において、自動販売機に気が
付くか否か、自動販売機から飲み物の銘柄を選択できる
か否か、コイン投入口を見つけそこにお金を投入できる
か否か、目的の銘柄の飲み物を買うためのボタンを押す
ことができるか否か、という各段階について判断を行う
ことにより、上記一連の動作におけるどの段階に問題が
あるかを把握でき、実行に問題のある段階に対応した矯
正を行うことが可能となる。
【0016】また、特定の条件下におけるリハビリテー
ションの成果の一般化が困難であることから、自動販売
機での飲み物購入以外にも、上記他の日常生活を営む上
で必要とされる動作を1つ1つ実行可能であるか否かを
確認し、実行できない場合には、問題となる段階を発見
し、当該問題に対し適切な矯正を行うことにより、患者
に自らの障害を認識させ、代償機能の獲得を含めたリハ
ビリテーションを行う必要がある。
【0017】上記従来技術1では、日常の生活場面の再
現に仮想世界を用いて再現することができるが、仮想世
界に対する動作に問題が発生した場合に対し、患者に矯
正を行うことはできない。
【0018】また上記従来技術2では、患者に対し課題
に対する動作が間違いであることを示すことはできるも
のの、適切な動作を行うための矯正を行うことはできな
い。また、患者には、形式化された課題が提示されるの
で、個々の生活場面において問題点となる動作の発見や
訓練を行なうことができない。従って、上記従来技術
1、2とも、十分なリハビリテーション効果を得るため
には、医師や療法士による適切な介助が必要であった。
【0019】また、上記従来技術2における半側空間無
視の評価は、特定の範囲を注目した場合に発生する無視
の症状を評価するものである。しかしながら半側空間無
視は、特定の範囲内における、さらに一点を注目した場
合、注目した点を中心としてさらに無視が発生するとい
う無視の入れ子が存在するが、この無視の入れ子を考慮
した症状の評価はなされていない。さらに、無視の症状
の評価をボード平面で行っているために、奥行き方向に
発生する無視の評価は困難であった。
【0020】上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、日
常生活を営む上で必要とされる様々な動作を、リハビリ
テーションを行う患者に実行させることのできる環境を
提供することにより、特定の状況下でのリハビリテーシ
ョンの成果を一般化する必要なく、上記患者に日常生活
を営む能力を獲得させることが可能な高次脳機能障害リ
ハビリテーション装置を提供することを目的とする。ま
た、日常生活を営む上で問題となる動作に対する問題点
を発見し、当該問題点の発生原因に応じて適切な矯正指
導を教示として患者へ提示することにより、リハビリテ
ーションの実行時における医師や療法士の介助の負荷を
軽減することが可能な高次脳機能障害リハビリテーショ
ン装置を提供することを目的とする。また、患者の半側
空間無視障害により無視が発生する領域以外に教示を出
力することにより、教示を確実に患者へ提示することが
可能な高次脳機能障害リハビリテーション装置を提供す
ることを目的とする。また、リハビリテーションの成績
を評価し、当該成績に応じて患者へ提示するリハビリテ
ーションの課題の難易度を変更することにより、患者の
障害の度合いに応じたリハビリテーションを行うことが
可能な高次脳機能障害リハビリテーション装置を提供す
ることを目的とする。また、リハビリテーション中の患
者の注視点を検出し、リハビリテーションの課題を奥行
き方向を含めたものとすることにより、半側空間無視障
害の評価を無視の入れ子や奥行き方向を含めて行うこと
が可能な高次脳機能障害リハビリテーション装置を提供
することを目的とする。また、仮想世界内において行っ
たリハビリテーションの様子をリハビリテーション後に
再生し、患者へ自らのリハビリテーション中における動
作を客観的に提示することにより、患者に自らの動作に
おける問題点を自覚させることが可能な高次脳機能障害
リハビリテーション装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明に係る高次脳機能障害リハ
ビリテーション装置は、患者からの入力を受け付ける入
力手段と、仮想世界のモデルデータを保持する仮想世界
データ記憶手段と、リハビリテーションの課題データを
保持する課題データ記憶手段と、 上記入力手段の出力
に基づいて、上記仮想データ記憶手段より上記仮想世界
のモデルデータを読み出して表示すると共に、上記課題
データ記憶手段より上記課題データを読み出して提示
し、上記課題データに対する上記患者からの入力の正否
判定を行う仮想世界制御手段と、上記仮想世界制御手段
の正否判定が否である場合、上記課題データに対する上
記患者の反応の誤りの状態を判断し、患者認識状態デー
タを作成する患者認識状態判断手段と、上記患者認識状
態データに応じて所定の教示データを対応させた教示デ
ータテーブルを保持する教示データ記憶手段と、上記患
者認識状態判断手段より入力される上記患者認識状態デ
ータに基づいて、上記教示データテーブルを検索して対
応する教示データを読み出し、上記患者に上記教示デー
タを提示する教示手段と、を備えたことを特徴とするも
のである。
【0022】また請求項2に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1記載の高次
脳機能障害リハビリテーション装置において、上記患者
の視野の中で、半側空間無視障害により無視が発生する
無視領域を患者データとして保持する患者データ記憶手
段を備え、上記教示手段は、上記教示データを上記無視
領域以外に提示することを特徴とするものである。
【0023】また請求項3に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1または2記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者認識状態判別手段からの患者認識状態データよ
り、上記リハビリテーションに対する上記患者の成績を
評価する患者評価手段と、上記患者の成績の評価結果に
基づいて、上記課題データの難易度を変更する課題難易
度変更手段と、を備え、上記患者データ記憶手段は、上
記患者の成績の評価結果を上記患者データに含めて保持
することを特徴とするものである。
【0024】また請求項4に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1記載の高次
脳機能障害リハビリテーション装置において、上記患者
が、上記仮想世界の表示画面上において注目している注
視点を検出する注視点検出手段を備え、上記患者認識状
態判断手段は、上記仮想世界制御手段からの上記患者状
態データと、上記注視点検出手段からの上記注視点に基
づいて、上記患者認識状態データを作成するものであ
り、上記教示手段は、上記患者認識状態判別手段からの
上記患者認識状態データに基づいて、上記注視点の位置
に上記教示データを提示することを特徴とするものであ
る。
【0025】また請求項5に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1記載の高次
脳機能障害リハビリテーション装置において、上記リハ
ビリテーション中の上記患者からの入力の履歴を、上記
リハビリテーション開始時からの経過時間に対応させて
保持する入力履歴記憶手段と、上記リハビリテーション
を再生する際に、上記仮想世界を表示する画面における
上記患者の視点を、上記仮想世界を主観視させた上記仮
想世界の中における視点とするか、上記仮想世界を客観
視させた上記仮想世界の外からの視点とするか、を決定
すると共に、上記入力履歴記憶手段より上記患者からの
入力の履歴を取り出し、上記仮想世界制御手段へ出力す
るリハビリテーション再生手段と、を備えたことを特徴
とするものである。
【0026】また請求項6に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1または4記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データに対する、上記患者からの反応が不適
切であったミス回数を求め、上記患者認識状態データ
を、上記ミス回数を含めて作成することを特徴とするも
のである。
【0027】請求項7に記載の発明に係る高次脳機能障
害リハビリテーション装置は、請求項1または4記載の
高次脳機能障害リハビリテーション装置において、上記
患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーションの上
記課題データにおける適切な入力位置と、上記患者から
の入力位置との位置差分を求め、上記患者認識状態デー
タを、上記位置差分を含めて作成することを特徴とする
ものである。
【0028】また請求項8に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1または4記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データに対して、上記患者からの入力により
指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上記患
者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成する
ことを特徴とするものである。
【0029】また請求項9に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置は、請求項1または4記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データが提示されてから、上記課題データに
対して、上記患者からの入力が行われるまでの所要時間
を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間を含
めて作成することを特徴とするものである。
【0030】また請求項10に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項1または3
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記リハビリテーションの上記課題データが、上記
仮想世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上
記入力手段により追跡させる、追跡課題である場合、上
記患者評価手段は、上記移動する物体の提示総数に対す
る上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別と移動
方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力として
評価するものであることを特徴とするものである。
【0031】また請求項11に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項1または3
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記リハビリテーションの上記課題データが、上記
仮想世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患者
に上記入力手段により上記仮想世界の移動経路上に配置
された障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課
題である場合、上記患者評価手段は、上記障害物の出現
回数に対する上記患者の分身の上記障害物への接触回数
を求め、これを障害物回避能力として評価するものであ
ることを特徴とするものである。
【0032】また請求項12に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項1または3
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
表示画面上における提示位置と、上記提示位置別の上記
課題データに対する上記患者の反応の正否とにより、上
記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評価する
ことを特徴とするものである。
【0033】また請求項13に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項1または3
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
表示画面上における提示位置を含んだ領域における、上
記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記
患者の上記物体を提示した領域における無視領域を評価
することを特徴とするものである。
【0034】また請求項14に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項1または3
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、仮想空間におけ
る提示位置と、上記提示位置別の上記課題データに対す
る上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視空間
を評価することを特徴とするものである。
【0035】また請求項15に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項2記載の高
次脳機能障害リハビリテーション装置において、上記患
者データ記憶手段は、上記患者の視力度数を上記患者デ
ータを含めて保持するものであり、上記教示手段は、上
記視力度数に応じて所定のフォントサイズを対応させた
フォントサイズテーブルを保持し、上記フォントサイズ
テーブルより上記患者の視力度数に基づいて上記フォン
トサイズを抽出し、抽出したフォントサイズで、上記教
示データを提示することを特徴とするものである。
【0036】また請求項16に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項15記載の
高次脳機能障害リハビリテーション装置において、上記
教示手段は、上記患者の視力度数に応じて、上記教示デ
ータの提示方法を画像とするか音声とするかを決定し、
決定した提示方法に応じて教示データを提示することを
特徴とするものである。
【0037】また請求項17に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置は、請求項2記載の高
次脳機能障害リハビリテーション装置において、上記患
者データ記憶手段は、患者の色覚異常の有無及び程度を
上記患者データに含めて保持するものであり、上記教示
手段は、上記患者の色覚異常の有無及び程度に応じて、
所定の配色を対応させた配色テーブルを保持し、上記患
者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上記配色テー
ブルより対応する配色を抽出し、上記教示データの提示
を抽出された配色にて行うことを特徴とするものであ
る。
【0038】また請求項18に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、患者からの入力を
受け付ける入力ステップと、仮想世界のモデルデータを
保持する仮想世界データ記憶ステップと、リハビリテー
ションの課題データを保持する課題データ記憶ステップ
と、上記患者からの入力に基づいて、上記仮想データ記
憶ステップより上記仮想世界のモデルデータを読み出し
て表示すると共に、上記課題データ記憶ステップより上
記課題データを読み出して提示し、上記課題データに対
する上記患者からの入力の正否判定を行う仮想世界制御
ステップと、上記仮想世界制御ステップでの正否判定が
否である場合、上記課題データに対する上記患者の反応
の誤りの状態を判断し、患者認識状態データを作成する
患者認識状態判断ステップと、上記患者認識状態データ
に応じて所定の教示データを対応させた教示データテー
ブルを保持する教示データ記憶ステップと、上記患者認
識状態判断ステップからの上記患者認識状態データに基
づいて、上記教示データテーブルより上記教示データを
読み出し、上記患者に上記教示データを提示する教示ス
テップと、を備えたことを特徴とするものである。
【0039】また請求項19に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
患者の視野の中で、半側空間無視障害により無視が発生
する無視領域を患者データとして保持する患者データ記
憶ステップを備え、上記教示ステップは、上記教示デー
タを上記無視領域以外に提示することを特徴とするもの
である。
【0040】また請求項20に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
19記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者認識状態判別ステップからの患者認識状
態データより、上記リハビリテーションに対する上記患
者の成績を評価する患者評価ステップと、上記患者の成
績の評価結果に基づいて、上記課題データの難易度を変
更する課題難易度変更ステップと、を備え、上記患者デ
ータ記憶ステップは、上記患者の成績の評価結果を上記
患者データに含めて保持することを特徴とするものであ
る。
【0041】また請求項21に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
患者が、上記仮想世界の表示画面上において注目してい
る注視点を検出する注視点検出ステップを備え、上記患
者認識状態判断ステップは、上記仮想世界制御ステップ
からの上記患者状態データと、上記注視点検出ステップ
からの上記注視点に基づいて、上記患者認識状態データ
を作成するものであり、上記教示ステップは、上記患者
認識状態判別ステップからの上記患者認識状態データに
基づいて、上記注視点の位置に上記教示データを提示す
ることを特徴とするものである。
【0042】また請求項22に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
リハビリテーション中の上記患者からの入力の履歴を、
上記リハビリテーション開始時からの経過時間に対応さ
せて保持する入力履歴記憶ステップと、上記リハビリテ
ーションを再生する際に、上記仮想世界を表示する画面
における上記患者の視点を、上記仮想世界を主観視させ
た上記仮想世界の中における視点とするか、上記仮想世
界を客観視させた上記仮想世界の外からの視点とする
か、を決定すると共に、上記入力履歴記憶ステップより
上記患者からの入力の履歴を取り出し、上記仮想世界制
御ステップへ出力するリハビリテーション再生ステップ
と、を備えたことを特徴とするものである。
【0043】また請求項23に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリ
テーションの上記課題データに対する、上記患者からの
反応が不適切であったミス回数を求め、上記患者認識状
態データを、上記ミス回数を含めて作成することを特徴
とするものである。
【0044】また請求項24に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリ
テーションの上記課題データにおける適切な入力位置
と、上記患者からの入力位置との位置差分を求め、上記
患者認識状態データを、上記位置差分を含めて作成する
ことを特徴とするものである。
【0045】また請求項25に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリ
テーションの上記課題データに対して、上記患者からの
入力により指示された仮想世界の中の物体タイプを特定
し、上記患者認識状態データを、上記物体タイプを含め
て作成することを特徴とするものである。
【0046】また請求項26に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリ
テーションの上記課題データが提示されてから、上記課
題データに対して、上記患者からの入力が行われるまで
の所要時間を求め、上記患者認識状態データを、上記所
要時間を含めて作成することを特徴とするものである。
【0047】また請求項27に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記リハビリテーションの上記課題データが、上
記仮想世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に
上記入力ステップにより追跡させる、追跡課題である場
合、上記患者評価ステップは、上記移動する物体の提示
総数に対する上記患者からの入力の正当回数を、移動速
度別と移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識
能力として評価するものであることを特徴とするもので
ある。
【0048】また請求項28に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記リハビリテーションの上記課題データが、上
記仮想世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患
者に上記入力ステップにより上記仮想世界の移動経路上
に配置された障害物を回避して目的地まで移動させる、
移動課題である場合、上記患者評価ステップは、上記障
害物の出現回数に対する上記患者の分身の上記障害物へ
の接触回数を求め、これを障害物回避能力として評価す
るものであることを特徴とするものである。
【0049】また請求項29に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者評価ステップは、上記リハビリテーショ
ンの上記課題データとして提示された物体の、上記仮想
世界の表示画面上における提示位置と、上記提示位置別
の上記課題データに対する上記患者の反応の正否とによ
り、上記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評
価することを特徴とするものである。
【0050】また請求項30に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者評価ステップは、上記リハビリテーショ
ンの上記課題データとして提示された物体の、上記仮想
世界の表示画面上における提示位置を含んだ領域におけ
る、上記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求
め、上記患者の上記物体を提示した領域における無視領
域を評価することを特徴とするものである。
【0051】また請求項31に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項18または
20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法にお
いて、上記患者評価ステップは、上記リハビリテーショ
ンの上記課題データとして提示された物体の、仮想空間
における提示位置と、上記提示位置別の上記課題データ
に対する上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無
視空間を評価することを特徴とするものである。
【0052】また請求項32に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項19記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
患者データ記憶ステップは、上記患者の視力度数を上記
患者データに含めて保持するものであり、上記教示ステ
ップは、上記視力度数に応じて所定のフォントサイズを
対応させたフォントサイズテーブルを保持し、上記フォ
ントサイズテーブルより上記患者の視力度数に基づいて
上記フォントサイズを抽出し、抽出したフォントサイズ
で、上記教示データを提示することを特徴とするもので
ある。
【0053】また請求項33に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項32記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
教示ステップは、上記患者の視力度数に応じて、上記教
示データの提示方法を画像とするか音声とするかを決定
し、決定した提示方法に応じて教示データを提示するこ
とを特徴とするものである。
【0054】また請求項34に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法は、請求項19記載の
高次脳機能障害リハビリテーション方法において、上記
患者データ記憶ステップは、患者の色覚異常の有無及び
程度を上記患者データに含めて保持するものであり、上
記教示ステップは、上記患者の色覚異常の有無及び程度
に応じて、所定の配色を対応させた配色テーブルを保持
し、上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上
記配色テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示デ
ータの提示を抽出された配色にて行うことを特徴とする
ものである。
【0055】また請求項35に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、患
者からの入力を受け付ける入力ステップと、仮想世界の
モデルデータを保持する仮想世界データ記憶ステップ
と、リハビリテーションの課題データを保持する課題デ
ータ記憶ステップと、上記患者からの入力に基づいて、
上記仮想データ記憶ステップより上記仮想世界のモデル
データを読み出して表示すると共に、上記課題データ記
憶ステップより上記課題データを読み出して提示し、上
記課題データに対する上記患者からの入力の正否判定を
行う仮想世界制御ステップと、上記仮想世界制御ステッ
プでの正否判定が否である場合、上記課題データに対す
る上記患者の反応の誤りの状態を判断し、患者認識状態
データを作成する患者認識状態判断ステップと、上記患
者認識状態データに応じて所定の教示データを対応させ
た教示データテーブルを保持する教示データ記憶ステッ
プと、上記患者認識状態判断ステップからの上記患者認
識状態データに基づいて、上記教示データテーブルより
上記教示データを読み出し、上記患者に上記教示データ
を提示する教示ステップと、を備えた高次脳機能障害リ
ハビリテーションプログラムを記録したことを特徴とす
るものである。
【0056】また請求項36に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記患者の視野の
中で、半側空間無視障害により無視が発生する無視領域
を患者データとして保持する患者データ記憶ステップを
備え、上記教示ステップは、上記教示データを上記無視
領域以外に提示することを特徴とするものである。
【0057】また請求項37に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または36記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者認識状態判別ステップからの患者認識状態データよ
り、上記リハビリテーションに対する上記患者の成績を
評価する患者評価ステップと、上記患者の成績の評価結
果に基づいて、上記課題データの難易度を変更する課題
難易度変更ステップと、を備え、上記患者データ記憶ス
テップは、上記患者の成績の評価結果を上記患者データ
に含めて保持することを特徴とするものである。
【0058】また請求項38に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記患者が、上記
仮想世界の表示画面上において注目している注視点を検
出する注視点検出ステップを備え、上記患者認識状態判
断ステップは、上記仮想世界制御ステップからの上記患
者状態データと、上記注視点検出ステップからの上記注
視点に基づいて、上記患者認識状態データを作成するも
のであり、上記教示ステップは、上記患者認識状態判別
ステップからの上記患者認識状態データに基づいて、上
記注視点の位置に上記教示データを提示することを特徴
とするものである。
【0059】また請求項39に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記リハビリテー
ション中の上記患者からの入力の履歴を、上記リハビリ
テーション開始時からの経過時間に対応させて保持する
入力履歴記憶ステップと、上記リハビリテーションを再
生する際に、上記仮想世界を表示する画面における上記
患者の視点を、上記仮想世界を主観視させた上記仮想世
界の中における視点とするか、上記仮想世界を客観視さ
せた上記仮想世界の外からの視点とするか、を決定する
と共に、上記入力履歴記憶ステップより上記患者からの
入力の履歴を取り出し、上記仮想世界制御ステップへ出
力するリハビリテーション再生ステップと、を備えたこ
とを特徴とするものである。
【0060】また請求項40に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または38記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーションの
上記課題データに対する、上記患者からの反応が不適切
であったミス回数を求め、上記患者認識状態データを、
上記ミス回数を含めて作成することを特徴とするもので
ある。
【0061】また請求項41に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または38記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションを記録した記録媒体において、上記患者認識状態
判断ステップは、上記リハビリテーションの上記課題デ
ータにおける適切な入力位置と、上記患者からの入力位
置との位置差分を求め、上記患者認識状態データを、上
記位置差分を含めて作成することを特徴とするものであ
る。
【0062】また請求項42に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または38記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーションの
上記課題データに対して、上記患者からの入力により指
示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上記患者
認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成するこ
とを特徴とするものである。
【0063】また請求項43に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または38記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーションの
上記課題データが提示されてから、上記課題データに対
して、上記患者からの入力が行われるまでの所要時間を
求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間を含め
て作成することを特徴とするものである。
【0064】また請求項44に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または37記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記リ
ハビリテーションの上記課題データが、上記仮想世界の
表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入力ステ
ップにより追跡させる、追跡課題である場合、上記患者
評価ステップは、上記移動する物体の提示総数に対する
上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別と移動方
向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力として評
価するものであることを特徴とするものである。
【0065】また請求項45に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または37記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記リ
ハビリテーションの上記課題データが、上記仮想世界の
中に設定された上記患者の分身を、上記患者に上記入力
ステップにより上記仮想世界の移動経路上に配置された
障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課題であ
る場合、上記患者評価ステップは、上記障害物の出現回
数に対する上記患者の分身の上記障害物への接触回数を
求め、これを障害物回避能力として評価するものである
ことを特徴とするものである。
【0066】また請求項46に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または37記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者評価ステップは、上記リハビリテーションの上記課題
データとして提示された物体の、上記仮想世界の表示画
面上における提示位置と、上記提示位置別の上記課題デ
ータに対する上記患者の反応の正否とにより、上記患者
の上記無視領域を評価することを特徴とするものであ
る。
【0067】また請求項47に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または37記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者評価ステップは、上記リハビリテーションの上記課題
データとして提示された物体の、上記仮想世界の表示画
面上における提示位置を含んだ領域における、上記患者
からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記患者の
上記物体を提示した領域における無視領域を評価するこ
とを特徴とするものである。
【0068】また請求項48に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項35または37記載の高次脳機能障害リハビリテー
ションプログラムを記録した記録媒体において、上記患
者評価ステップは、上記リハビリテーションの上記課題
データとして提示された物体の、仮想空間における提示
位置と、上記提示位置別の上記課題データに対する上記
患者の反応の正否とにより、無視空間を評価することを
特徴とするものである。
【0069】また請求項49に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項36記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記患者データ記
憶ステップは、上記患者の視力度数を上記患者データに
含めて保持するものであり、上記教示ステップは、上記
視力度数に応じて所定のフォントサイズを対応させたフ
ォントサイズテーブルを保持し、上記フォントサイズテ
ーブルより上記患者の視力度数に基づいて上記フォント
サイズを抽出し、抽出したフォントサイズで、上記教示
データを提示することを特徴とするものである。
【0070】また請求項50に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項49記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記教示ステップ
は、上記患者の視力度数に応じて、上記教示データの提
示方法を画像とするか音声とするかを決定し、決定した
提示方法に応じて教示データを提示することを特徴とす
るものである。
【0071】また請求項51に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体は、請
求項36記載の高次脳機能障害リハビリテーションプロ
グラムを記録した記録媒体において、上記患者データ記
憶ステップは、患者の色覚異常の有無及び程度を上記患
者データに含めて保持するものであり、上記教示ステッ
プは、上記患者の色覚異常の有無及び程度に応じて、所
定の配色が対応させられている配色テーブルを保持し、
上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上記配
色テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示データ
の提示を抽出された配色にて行うことを特徴とするもの
である。
【0072】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、実施の
形態1における高次脳機能障害リハビリテーション装置
100の構成を説明するためのブロック図である。本実
施の形態1による高次脳機能障害リハビリテーション装
置100は、リハビリテーションにおける患者の一連の
動作を、複数の段階に分割し、分割したそれぞれの段階
で設定された課題に対する患者の動作の正否判定を行
い、課題を達成できなかった段階では、上記課題を達成
できるように、達成できなかった原因に応じて適切な矯
正指導を教示として患者に提示するように構成されたも
のである。
【0073】具体的に、高次脳機能障害リハビリテーシ
ョン装置100は、仮想世界及び課題に対する患者から
の反応を受け付ける入力手段101と、仮想世界のモデ
ルデータを保持する仮想世界データ記憶手段102と、
リハビリテーションの課題データを保持する課題データ
記憶手段103と、患者に対し仮想世界を提示すると共
に課題を提示し、提示した課題に対する患者からの入力
の正否判定を行う仮想世界制御手段104と、上記仮想
世界制御手段104の正否判定が否であった場合、上記
課題に対する患者の認識状態を判断し患者認識状態デー
タaを作成する患者認識状態判断手段105と、上記患
者認識状態データaに対応して所定の教示データが対応
されている教示データテーブルaを保持する教示データ
記憶手段106と、視力と、色覚、及び半側無視障害に
よる二次元平面上での無視に対応する無視領域データ
を、患者データaとして保持する患者データ記憶手段1
07と、上記患者認識状態判断手段105からの患者認
識状態データaに基づいて教示データ記憶手段106に
保持された上記教示データテーブルaを検索して対応す
る教示データを読み出し、上記患者データ記憶手段10
7からの患者データaに基づいた提示方法で読み出した
上記教示データを提示する教示手段108と、を備え、
上記教示データを、半側空間無視障害により無視が発生
する無視領域外に提示するよう構成されたものである。
また、上記教示データは、上記患者の視力に基づいたフ
ォントサイズで提示され、上記患者の視力によっては、
上記患者が画面上に提示された教示を認識できない場合
は、音声による教示が行われるように構成されている。
また上記高次脳機能障害リハビリテーション装置100
では、上記患者が色覚に異常がある場合は、教示の配色
を変更して教示が提示されるように構成されている。
【0074】また上記仮想世界データ記憶手段102に
保持されている仮想世界のモデルデータとは、患者が日
常生活において実際に起こり得る環境をモデルデータと
したものであり、例えば、患者に自宅付近の街並みや自
動販売機、缶ジュース等がモデルデータとして保持され
ている。
【0075】また、上記課題データ記憶手段103に
は、日常生活において実際に起こり得る状況を再現し、
課題として患者に提示するためのデータが保持されてお
り、上記課題データには、仮想世界の表示画面上に提示
された複数の物体の中から特定の物体を、患者に入力手
段101を用いて選択させる選択課題(図16(a)参
照)と、仮想世界の中に設定された患者の分身(アバタ
ー)を、患者に入力手段101を用いて上記仮想世界の
移動経路上に配置された障害物を回避して目的地まで移
動させる移動課題(図19(a)参照)と、上記仮想世界
の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入力手
段101を用いて追跡させる追跡課題(図17(a)参
照)の3つの課題タイプが存在する。また図5に、本実
施の形態1における課題データの構成例が示されてい
る。
【0076】図5において、上記課題データ記憶手段1
03に保持されている課題データは、上記課題データ記
憶手段103に保持される課題を一意に区別する課題識
別子と、該当課題が、選択課題か、追跡課題または移動
課題のいずれであるかを示す課題タイプと、仮想世界に
おける特定領域が設定されている開始条件と、課題を終
了するための条件を示す終了条件と、患者に提示する課
題の説明(問題文)が設定されている開始アナウンス
と、課題を開始する時の仮想世界中における視点位置を
示す開始位置と、上記選択課題で複数提示された物体の
うちの正解である物体の位置を示す正解位置と、上記追
跡課題で追跡を行なう物体の移動する速度を示す移動速
度と、上記追跡課題で追跡を行なう物体の移動する方向
を示す移動方向と、上記移動課題で配置される障害物の
位置を示す障害物配置位置と、により構成されている。
ここで、上記開始条件は、患者が仮想世界をウォークス
ルーし、設定された上記特定領域に進入すると、上記課
題が開始されるものである。また、上記終了条件には、
上記課題タイプに合わせて上記終了条件がそれぞれ設定
されており、上記課題タイプが選択課題の場合、正解で
ある物体を指定した、もしくはある一定回数不正解を繰
り返した、が設定されており、また上記課題タイプが追
跡課題であるときは、移動する物体を捕捉した、もしく
はある一定回数不正解を繰り返した、が設定されてお
り、また上記課題タイプが移動課題であるときは、目的
地に到着した、もしくはある一定時間が経過した、が設
定されており、患者が与えられた上記終了条件を満たす
と、上記課題が終了されるものである。
【0077】具体的に、図5に示す課題データは、以下
のように課題として患者に提示される。患者が、自宅近
所を再現した仮想世界をウォークスルーしている際に、
自動販売機に近づき、開始条件に設定されている範囲内
に進入すると、開始アナウンスに設定されている「烏龍
茶を買いましょう」というパネルが患者へ提示される。
そして、開始位置に設定されている自動販売機の正面
に、視点位置が自動的に移動し、患者が、終了条件に設
定されている条件である、烏龍茶を正しく買う、もしく
は8回以上間違うと当該課題は終了する、というもので
ある。
【0078】また、上記仮想世界制御手段103では上
述したように、仮想世界の中で、日常生活の中において
も実際に起こり得るような状況として患者に与えられた
課題を、上記仮想世界の中における視点で判断させるた
めに、仮想世界における患者の分身を、アバターとして
配置している。そして上記アバターは、患者により入力
手段101で指示される位置及び向きに応じて、上記仮
想世界における上記アバターの位置及び向きを更新させ
るように構成され、上記仮想世界制御手段103は、上
記課題を、上記入力手段101からの出力に基づいて更
新させた上記アバターの位置及び向きから、上記仮想世
界におけるモデルデータとの衝突判定、及び課題の開始
判定を、患者に行わせるように構成されている。これに
より、患者に提示された仮想世界が、自宅近所の街並み
である場合に、患者はアバターを用いて上記街並みをウ
ォークスルーし、例えば自宅近所を障害物に衝突せずに
安全に散歩できるか否かの課題が与えられると、患者は
上記仮想世界の中におけるアバターの視点から上記課題
を判断することとなる。
【0079】また、上記仮想世界制御手段104では、
患者が提示された課題データを、正しく判断したか否か
の判定が行われるが、この判定は、例えば、自動販売機
から烏龍茶を買う課題が患者に与えられたとすると、患
者が、仮想世界の表示画面の座標から画面上に表示され
た烏龍茶のモデルデータを指示することができたか、否
かを判定することによって、患者が烏龍茶を買えたか、
否かの判定が行われるものである。
【0080】また、患者認識状態判断手段105では、
上記仮想世界制御手段104より入力された課題の正否
判定の結果と、当該仮想世界の状態として、アバターの
位置と向き、及び提示されている仮想世界のモデルデー
タと、当該課題データとして、実行中の課題の識別子及
び課題タイプと、当該入力データとして、タッチパネル
にて患者が指示した座標と、に基づいて、上記課題に対
する患者の反応の誤りの状態を判断し、患者認識状態デ
ータaを作成するように構成されている。
【0081】また図6は、上記患者認識状態判断手段1
05にて作成される上記患者認識状態データaの構成例
を説明するための図である。上記患者認識状態データa
は、実行中の課題の識別子を示す実行課題識別子と、実
行中の課題の課題タイプを示す課題タイプと、選択課題
あるいは追跡課題に対して患者が誤って反応した回数を
示すミス回数と、選択課題あるいは追跡課題に対して患
者が誤って反応した物体のタイプを示す物体タイプと、
選択課題あるいは追跡課題に対して患者が誤って反応し
た表示画面の座標から当該課題にて正解と設定された物
体の表示画面の座標までの位置の差分、または移動課題
にてアバターの現在地から目的地までの位置の差分を示
す位置差分と、課題の開始アナウンスあるいは教示が患
者へ提示されてから患者が反応を行なうまでに要した時
間を示す所用時間と、により構成されている。
【0082】また、図6における患者認識データaの示
す患者の状態は、以下の通りである。患者が、提示され
た識別子1の選択課題に連続して4回誤って反応し、4
回目は、ボタンを押すべきところを、誤って缶を押して
しまい、本来押すべきボタンの位置から間違えて押した
缶までの位置は、座標値にして(8、3)ずれている。
さらに入力が要求されてから実際に入力を行うまでに1
2秒間かかっている。
【0083】また図8は、教示データ記憶手段106に
保持されている教示データの教示データテーブルaの構
成例を説明するための図である。教示データテーブルa
は、教示データ記憶手段106に保持される教示を識別
するための教示識別子と、様々な患者認識状態データa
に対応するよう要素毎に多様なデータを有する教示内容
選択要素と、患者に正しい反応を行わせるための教示内
容と、を含み、教示内容選択要素には、実行課題識別子
と、課題タイプ、ミス回数、物体タイプ、位置差分、及
び所用時間の各要素が含まれている。
【0084】つまり、教示データテーブルaは、上記教
示内容選択要素の中を検索し、上記患者認識状態データ
aに対応するデータを検出すると、提示すべき教示内容
が見つかるように構成されている。
【0085】また、上記教示内容は、言葉として患者へ
提示する教示テキストと、例えば矢印の提示や物体の点
滅などの仮想世界の状態として患者へ提示する教示イメ
ージとにより構成されている。
【0086】図8に示す教示データテーブルaは、例え
ば、教示識別子4の教示データを参照すると、実行中の
課題が識別子3となっており、当該課題に4回誤って反
応し、4回目はボタンを押すべきところを缶を押すとい
う誤りをしたために、「ボタンを押して下さい」という
教示内容が提示されることを示している。
【0087】また図9は、患者データ記憶手段107に
格納される患者データaのデータ構造の例を説明するた
めの図である。患者データaは、患者の視力の度数を示
す視力と、患者の色覚の状態を示す色覚と、表示画面上
の二次元平面上において、半側空間無視障害により発生
する無視の領域を示す無視領域と、を含んでいる。図9
に示す患者データaの例では、患者の視力の度数は左右
ともに0.8であり、色覚は正常であり、また無視領域
は、患者が表示画面に正対して表示画面に中央に注目し
た状態において、表示画面を縦8×横11に分割したメ
ッシュの黒色の領域であることを示している。
【0088】また、上記教示手段108は、上記教示デ
ータ記憶手段106からの教示データを、上記患者デー
タaに基づいた提示方法で、教示の提示が行われるよう
に構成されている。例えば、患者の無視領域以外に教示
が提示されるように、また、患者の視力に合わせた文字
サイズで教示されるように、また、患者の色覚に合わせ
た配色で教示が提示されるように構成されている。図1
1は、上記教示手段108により提示される教示の提示
例を示す図であり、図11(a)は、上記教示手段10
8により提示方法の変更が行われなかった場合の教示内
容の提示画面例であり、図11(b)〜(d)は、上記
教示手段108により、各々文字サイズ、提示範囲、配
色に変更が行われた場合の教示内容の提示画面例を示し
たものである。
【0089】次に動作について説明する。患者は、入力
手段101を通して、仮想世界のウォークスルーや、仮
想世界における物体の指定を行なう。
【0090】仮想世界制御手段104では、入力手段1
01からの出力に基づき、仮想世界データ記憶手段10
2に蓄積された仮想世界データの中から該当する仮想世
界が取り出され、取り出された仮想世界が患者に対して
提示されると共に、課題データ記憶手段103に蓄積さ
れた課題データの中から上記仮想世界に応じて課題デー
タが取り出され、取り出された課題データが患者に対し
て提示される。また、上記仮想世界制御手段104で
は、患者からの上記提示した課題に対する入力の正否が
判定され、上記正否の判定結果と、上記仮想世界の状態
と、上記課題データ、及び患者からの入力データが、患
者認識状態判断手段105へ出力される。
【0091】患者認識状態判断手段105では、上記仮
想世界制御手段104の出力より、上記課題に対する患
者の認識状態が求められ、求められた結果は、患者認識
状態データaとして教示手段108へ出力される。
【0092】教示手段108では、上記患者認識状態判
断手段105からの上記患者認識状態データに基づき、
教示データ記憶手段106より教示内容が、また患者デ
ータ記憶手段107より患者データaが、それぞれ取り
出され、上記患者データaに基づいた提示方法で、上記
教示内容が患者に対し教示される。
【0093】次に、上記患者認識状態判別手段105に
おける処理手順について図7を用いて説明する。図7
は、上記患者認識状態判別手段105における処理手順
を示すフローチャート図である。
【0094】患者認識状態判別手段105ではS701
において、上記仮想世界制御手段104より実行中の課
題の識別子及び課題タイプが、患者認識状態データaの
実行課題識別子及び課題タイプにそれぞれ書き込まれ
る。S702では、入力された上記実行中の課題の課題
タイプの判定が行われ、選択課題あるいは追跡課題であ
ればS703へ、移動課題であればS708へ処理が進
められる。S703では、ミス回数を記憶する変数Mi
ssCntの値が1インクリメントされ、S704へ処
理が進められる。
【0095】次に、S704では、患者認識状態がミス
回数に応じて判別される。例えば定数Miss1、定数
Miss2を用いて、患者の認識状態が、システムが判
別不可能な状態と、患者が課題を認識できてはいないこ
とは判断できるものの、その認識ミスが軽度か重度かを
判断不可能な状態と、患者が課題を認識できていないこ
とと、その認識ミスが重度であることが判断できた状態
と、に分類される。
【0096】上記S704では、具体的に上記定数Mi
ss1,及び定数Miss2を用いて、以下のように処
理が行われる。変数MissCntと定数Miss1及
び定数Miss2を比較し、変数MissCntが定数
Miss1以下であればS705へ、変数MissCn
tが定数Miss1より大きく定数Miss2より小さ
ければS706へ、変数MissCntが定数Miss
2以上であればS707へ、処理が進められる。但し、
ここでは常に変数Miss1<Miss2であるものと
する。
【0097】S705では、上記変数MissCntの
値が、患者認識状態データaのミス回数に書き込まれ、
処理を終了する。S706では、仮想世界制御手段10
4からの仮想世界の状態と入力データから、患者が指示
した画面上の座標に表示されている物体のタイプが求め
られ、求められた物体のタイプと上記変数MissCn
tの値が、患者認識状態データaの物体タイプとミス回
数にそれぞれ書き込まれ、処理を終了する。S707で
は、上記仮想世界制御手段104からの仮想世界の状態
と入力データを用いて、患者が指示した画面上の座標か
ら本来選択あるいは捕捉を求められている物体の画面上
の座標までの差分が求められ、求められた差分と変数M
issCntの値が、患者認識状態データaの位置差分
とミス回数にそれぞれ書き込まれ、処理を終了する。
【0098】またS708では、患者認識状態が、課題
の解決までに要した時間に応じて判別される。例えば、
定数T1を用いて、患者の認識状態が、システムが判別
不可能な状態と、患者が課題を認識できていない状態と
に判断できた状態に分類される。
【0099】具体的にS708では以下のような処理が
行われる。課題が開始あるいは教示が提示された時点か
ら、患者からの入力が行なわれるまでの時間が検出さ
れ、検出された時間が変数Tに書き込まれ、S709へ
処理が進められる。
【0100】S709では、上記変数Tと上記定数T1
との比較が行われ、上記変数Tが上記定数T1以下であ
ればS710へ、上記変数Tが上記定数T1よりも大き
ければS711へ処理が進められる。S710では、上
記変数Tの値が患者認識状態データaの所用時間に書き
込まれ、処理を終了する。またS711では、上記仮想
世界制御手段104からの仮想世界の状態を用いて、ア
バターの現在位置から目的地までの差分が求められ、求
められた差分と上記変数Tの値が、患者認識状態データ
aの位置差分と所用時間にそれぞれ書き込まれ、処理を
終了する。
【0101】このように、患者認識状態判別手段105
では、実行課題毎に、課題タイプと、患者のミス回数、
患者が誤って反応した物体のタイプ、正解位置までの位
置差分、及び課題の解決までに要した所要時間、がそれ
ぞれ求められ、患者認識状態データaが作成される。
【0102】次に上記教示手段108における処理手順
について、図10を用いて説明する。図10は、上記教
示手段108における処理手順を示すフローチャート図
である。教示手段108では、まずS1001にて、上
記患者認識状態判別手段105からの患者認識状態デー
タaに応じて、教示データ記憶手段106から当該患者
へ提示する教示内容が読み込まれる。次に、S1002
では、患者データ記憶手段107から無視領域を読み込
み、教示を当該患者の無視領域以外に提示できる最大範
囲と、その範囲内で提示できる最大文字サイズが求めら
れ、変数CSLに書き込まれる。次に、S1003で
は、上記S1002で決定した文字サイズを患者の視力
で認識できるかを判断するために、患者データ記憶手段
107から読み込んだ患者の左右の視力度数を、それぞ
れ変数Sr、Slに書き込み、上記変数Sr、Slによ
り、当該視力度数にて認識できる最小文字サイズが求め
られ、変数CSSに書き込まれる。さらに上記変数CS
Sと上記変数CSLの比較が行われ、上記変数CSSが
上記変数CSLより大きければS1005へ、上記変数
CSSが上記変数CSL以下ならばS1004へ処理が
進められる。なお、上記認識できる最小文字サイズは、
上記視力度数との対応表に基づき決定されるものであ
る。
【0103】またS1004では、色覚に問題のある患
者に対しては、教示内容の配色に変更が行われ、教示内
容が出力される。具体的には、患者データ記憶手段10
7より患者の色覚が読み込まれ、読み込まれた色覚に対
し、当該患者の色覚が正常であるか否かの判定が行われ
る。このとき、判定の結果が正常でない場合は、教示内
容の配色に変更が行われ、教示内容が出力される。また
S1005では、画面上の教示を認識できない当該患者
のために、教示内容が音声として出力される。
【0104】つまり、教示手段108では、患者の無視
領域以外で患者の視力に合わせた文字サイズで提示され
るように、また、患者の色覚に異常がある場合は、教示
の配色を変更して提示されるように、また、患者が画面
上の教示を識別できない場合は、音声による教示が行わ
れるように、上記患者認識状態判別手段105からの患
者認識状態データaに基づき教示データ記憶手段106
より取り出した教示データを、患者データ記憶手段10
7からの患者データaに応じた提示方法で提示される。
【0105】このように、本実施の形態1における高次
脳機能障害リハビリテーション装置100では、特定の
目的を実行するための一連の動作は、複数の段階に分割
されており、分割された各段階で、それぞれ設定された
課題が達成できたかどうかの判断が行われるので、上記
一連の動作におけるどの段階に問題があるのか把握する
ことができると共に、その問題のあった段階に対応した
矯正を行うことができる。
【0106】また高次脳機能障害リハビリテーション装
置100では、設定された課題に対する患者の認識状態
を1つの課題につき、ミス回数,反応した物体のタイ
プ,位置差分,所要時間の項目別にそれぞれ求めるの
で、上記問題のあった段階の、その問題の発生原因を把
握することができる。
【0107】また、高次脳機能障害リハビリテーション
装置100では、上記問題のあった段階で、その問題の
発生原因に応じて適切な矯正指導を教示として患者へ提
示するので、リハビリテーション実行時における医師や
療法士の介助の負荷を軽減させることができる。
【0108】また、高次脳機能障害リハビリテーション
装置100では、患者の無視の症状を評価し、教示を提
示する場合は、患者の無視領域以外に教示を提示するの
で、患者に教示を確実に提示することができる。
【0109】また、高次脳機能障害リハビリテーション
装置100は、患者の視力に合わせた文字サイズで教示
を提示するので、患者に教示を確実に提示することがで
きる。
【0110】また、高次脳機能障害リハビリテーション
装置100では、患者の色覚が正常であるか、否かの判
定が行われ、色覚に問題のある患者へは、教示の配色を
変更して提示するので、色覚に問題の患者へも教示を確
実に提示することができる。
【0111】また、高次脳機能障害リハビリテーション
装置100では、画面上の教示を認識できない患者へ
は、音声による教示が行われるので、患者が画面上の教
示を認識できない場合でも、教示を確実に伝えることが
できる。
【0112】さらに図26は、本実施の形態1における
高次脳機能障害リハビリテーション装置100のハード
ウェア1000の構成を説明するためのブロック図であ
る。実施の形態1における高次脳機能障害リハビリテー
ション装置100のハードウェア1000は、患者から
画面上の位置情報を受け付けるタッチパネル2601
と、患者から仮想世界中における移動方向及び移動量を
受け付けるジョイスチック(マウス)2602と、プロ
グラムやデータを保存しておくハードディスクなどの補
助記憶装置2604と、補助記憶装置2604からプロ
グラムやデータを読み込んで一時的に保持したり、上記
タッチパネル2601や上記ジョイスティック2602
から読み込んだデータを一時的に保持する主記憶装置2
603と、主記憶装置2603に保持されているプログ
ラムを構成する個々の命令によって、データに対して四
則演算や論理演算などの処理を施したり、コンピュータ
全体の動作を制御する中央処理装置2605と、映像を
表示するディスプレイ2606と、音声を出力するスピ
ーカー2607と、上記各装置2601〜2607を接
続し、上記各装置2601〜2607からのデータやプ
ログラムを伝送するバス2608と、を備え、上記中央
処理装置2605からの制御により各装置間のデータや
プログラムが、上記バス2608を介して送受信される
ように構成されている。
【0113】次に動作について説明する。患者からタッ
チパネル2601、またはジョイスティック2602に
よりハードウェア1000に入力データが入力される。
【0114】ハードウェア1000では、入力データが
入力されると、主記憶装置2603に、上記入力データ
が一時的に記憶されると共に、上記入力データに応じた
プログラムが補助記憶装置2604より取り出され、取
り出されたプログラムも主記憶装置2603に一時的に
記憶される。上記主記憶装置2603に記憶されている
入力データとプログラムとが中央処理装置2605へ出
力されると、中央処理装置2605では、入力されたプ
ログラムに基づいて、入力データに対し演算処理が施さ
れ、この演算結果に基づいて、ディスプレイ2606で
は映像が表示されると共に、スピーカー2607からは
音声が出力される。
【0115】(実施の形態2)図2は、実施の形態2に
おける高次脳機能障害リハビリテーション装置200の
構成を説明するためのブロック図である。本実施の形態
2における高次脳機能障害リハビリテーション装置20
0は、実施の形態1における高次脳機能障害リハビリテ
ーション装置100と比較して、リハビリテーションに
対する患者の成績(患者の視覚による認識能力)を評価
する患者評価手段209を新たに備えると共に、実施の
形態1における教示手段108に代えて、教示データを
患者データbに基づいた提示方法で提示すると共に、教
示データの識別子と提示方法とを上記患者評価手段20
9へ出力する教示手段208と、実施の形態1における
患者認識状態判別手段105に代えて、仮想世界制御手
段からの出力に基づき作成した患者認識状態データを上
記教示手段308へ出力すると共に上記患者評価手段2
09へ出力する患者認識状態判別手段205と、を備え
るものである。
【0116】また、本発明の高次脳機能障害リハビリテ
ーション装置200は、実施の形態1における患者デー
タ記憶手段107に代えて、視力と,色覚,及び無視領
域データとを含んだ患者データaに、新たに上記患者評
価手段209からの評価結果(患者の視覚による認識能
力)を加えた患者データbを保持する患者データ記憶手
段207を備えると共に、上記患者データbに含まれる
上記患者の視覚による認識能力に応じて課題データ記憶
手段103に保持されている課題データの難易度を変更
する課題難易度変更手段210を新たに備えたものであ
る。
【0117】このように、本発明の高次脳機能障害リハ
ビリテーション装置200は、患者の視覚による認識能
力に応じた難易度へ当該課題を変更し、患者へ無視が発
生する領域以外に上記課題を提示することにより、当該
患者の能力に適したリハビリテーションを提供するよう
に構成されている。ここで、上記患者の視覚による認識
能力には、表示画面上を移動する物体を認識する移動物
体認識能力と、障害物を回避する障害物回避能力が含ま
れており、本発明の高次脳機能障害リハビリテーション
装置200では、上記移動物体認識能力または上記障害
物回避能力に基づいて、物体の移動速度を変更する、ま
たは、障害物の配置位置を変更することによって上記課
題の難易度の変更が行われるものとなっている。
【0118】実施の形態2における高次脳機能障害リハ
ビリテーション装置200のその他の構成は、実施の形
態1における高次脳機能障害リハビリテーション装置1
00と同一である。
【0119】また図12は、本実施の形態2における患
者データbのデータ構造を説明するための図である。患
者データbは、実施の形態1における患者データaと比
較して、表示画面に提示された仮想世界空間において、
半側空間無視障害により発生する無視の空間と、表示画
面内を移動する物体への認識能力を示す移動物体認識能
力と、仮想世界のウォークスルーにおいて障害物を回避
する能力を示す障害物回避能力と、を新たに含むもので
ある。また、図において、視力、色覚、無視領域は、本
発明の実施の形態1で説明した患者データの視力、色
覚、無視領域と同一である。なお、本実施の形態2にお
ける患者データbでは、上記移動物体認識能力を、物体
の移動速度別の正しい反応数/提示数と教示回数及び、
物体の移動方向別の正しい反応数/提示数と教示回数に
より求めるものとする。また、上記障害物回避能力を、
アバターと障害物との衝突回数/障害物の出現回数によ
り求めるものとする。
【0120】また図12における患者データbの例は、
以下のことを示している。患者の視力は左右とも0.8
であり、色覚は正常である。また、患者が表示画面に正
対して表示画面に中央に注目した状態において、表示画
面を縦8×横11に分割したメッシュで黒色の領域が無
視領域、表示画面に提示された仮想空間を縦3×横4×
奥行き3に分割した空間のうち黒色の空間が無視空間で
ある。また、表示画面において速度v1、v2、v3で
移動する物体が各4回ずつ提示され、それに対して正し
く捕捉できた回数が各々0回、3回、4回で、その時患
者へ提示した教示の回数が各々、12回、2回、0回で
ある。また、表示画面において上下左右各々に移動する
物体が各3回ずつ提示され、それに対して正しく捕捉で
きた回数が、各々3回、3回、2回、0回で、その時患
者へ提示した教示の回数が各々、0回、1回、4回、1
2回である。また、表示画面において提示された仮想世
界を移動中に、障害物がアバターの進行方向に対して左
側、正面、右側に各5個ずつ配置され、それに対し、衝
突した回数が各々5回、3回、1回である。
【0121】次に動作について説明する。患者は、入力
手段101を通して、仮想世界のウォークスルーや、仮
想世界における物体の指定を行なう。
【0122】仮想世界制御手段104では、入力手段1
01からの出力に基づき、仮想世界データ記憶手段10
2に保持された仮想世界データの中から該当する仮想世
界が取り出され、取り出された仮想世界が患者に対して
提示されると共に、課題データ記憶手段103に保持さ
れた課題データの中から上記仮想世界に応じて課題デー
タが取り出され、取り出された課題データが患者に対し
て提示される。また、上記仮想世界制御手段104で
は、患者からの上記提示した課題に対する入力の正否が
判定され、上記正否の判定結果と、上記仮想世界の状態
と、上記課題データ、及び患者からの入力データが、患
者認識状態判断手段205へ出力される。
【0123】患者認識状態判断手段205では、上記仮
想世界の出力より、上記課題に対する患者の認識状態が
求められ、求められた結果は、患者認識状態データaと
して教示手段208へ出力されると共に、患者評価手段
209へ出力される。
【0124】教示手段208では、上記患者認識状態判
断手段205からの上記患者認識状態データに基づき、
教示データ記憶手段106より教示内容が、また患者デ
ータ記憶手段207より患者データが、それぞれ取り出
され、上記患者データに基づいた提示方法で、上記教示
内容が患者に対し提示されると共に、患者に提示された
教示内容の識別子と教示の提示方法は、患者評価手段2
09へ出力される。
【0125】また、患者評価手段209では、上記患者
認識状態判断手段205からの患者認識状態データaに
基づいて、患者の視覚による認識能力が評価され、この
評価結果は、患者データ記憶手段207へ出力される。
【0126】また患者データ記憶手段207では、蓄積
されている視力と,色覚,及び無視領域データの他に、
上記患者評価手段209からの患者の視覚による認識能
力の評価結果が加えられ、これが患者データbとして蓄
積される。
【0127】また課題難易度変更手段210では、上記
患者データ記憶手段207より患者データbが読み出さ
れ、読み出された患者データbに基づいて、上記課題デ
ータ記憶手段103に蓄積されている課題データの変更
が行われる。
【0128】次に、上記患者評価手段209における処
理手順について、図13を用いて説明する。図13は、
上記患者評価手段209における処理手順を示すフロー
チャート図である。
【0129】まずS1301では、患者が仮想世界をウ
ォークスルーする場合、患者認識状態判別手段205の
出力に基づき、障害物が出現する度に障害物の出現回数
が更新されて、障害物回避能力に書き込まれる。このと
き、障害物とアバターが衝突している場合は、出現回数
に加え衝突箇所別に衝突回数も同時に更新され、障害物
回避能力に書き込まれる。
【0130】次に、S1302では、患者が、課題タイ
プが追跡課題である課題を実行した場合、物体の移動速
度別の提示回数と移動方向別の提示回数とが更新され移
動物体認識能力に書き込まれる。このとき、当該課題に
対し患者が正しい反応を行なった場合には、提示回数に
加え、正しい反応数も同時に更新され、移動物体認識能
力に書き込まれる。また、教示手段208の出力に基づ
き、当該課題において教示を行った場合には、物体の移
動速度別と移動方向別の教示回数が更新され、移動物体
認識能力に書き込まれる。
【0131】次に、S1303では、患者が、課題タイ
プが選択課題、あるいは追跡課題である課題を実行した
場合、当該課題で提示した物体の表示画面上の位置とそ
れに対する患者の反応の正否から、表示画面を分割した
単位領域毎に患者データの無視領域が更新される。
【0132】次に、S1304では、患者データの無視
領域を、体軸の半側に無視が起こるだけではなく、注視
している視空間の半側にも起こる無視をも評価するため
に、患者が選択課題を実行した場合、当該課題で提示し
た物体の表示画面上の位置とそれに対する患者の反応の
正否から、表示画面において選択すべき物体が表示され
た範囲における無視領域が求められ、求められた無視領
域と患者データの無視領域から、新たな無視領域が求め
られ、これが患者データbの無視領域に書き込まれる。
【0133】次に、S1305では、奥行き方向を考慮
した無視の評価を行うために表示画面に提示されている
仮想世界が単位空間毎に分割され、実行した選択課題及
び追跡課題にて提示した物体と、それに対する患者の反
応の成否に基づき、単位空間毎に無視評価が行われ、こ
の評価結果が患者データbの無視空間に書き込まれる。
【0134】このように患者評価手段209では、患者
の視覚による認識能力は、仮想世界の中を進むときに、
患者(アバター)の進行を妨げるように配置される障害
物を回避して進行する障害物回避能力と、仮想世界の中
で移動する物体を、移動速度と移動方向に合わせて正し
く認識する移動物体認識能力と、表面画面上における患
者の無視領域と、体軸の半側に起こる無視と注視してい
る視空間の半側に起こる無視(無視の入れ子)とを考慮
した無視領域と、奥行き方向を考慮した無視空間と、に
より評価され、この評価結果は患者データ記憶手段20
7の患者データbに書き込まれる。
【0135】また図14は、上記無視の入れ子を考慮し
た評価の具体例を示した図であり、図14(a)は従来
の無視領域を、図14(b)は選択課題における選択物
体の提示範囲を患者の注目範囲として切り出した例、図
14(c)は、当該範囲内において発生する無視領域を
示す。
【0136】次に、上記課題難易度変更手段210の動
作について、図15を用いて説明する。図15は、上記
課題難易度変更手段210における処理手順を示したフ
ローチャート図である。課題難易度変更手段210で
は、課題タイプ別に、上記移動物体認識能力または上記
障害物回避能力に応じて、患者の無視の入れ子や無視空
間を考慮して、患者の無視の領域外で課題の難易度の変
更が行なわれる。
【0137】まずS1501では、課題データ記憶手段
103及び患者データ記憶手段207から課題データ及
び患者データがそれぞれ読み込まれる。S1502で
は、課題データの課題タイプが判定され、選択課題であ
ればS1503へ、追跡課題であればS1504へ、移
動課題であればS1507へ処理が進められる。
【0138】またS1503では、無視領域に応じて、
選択課題の正解位置を変更するために、正解位置が無視
領域内に表示される場合には、正解である物体が無視領
域外に表示されるよう課題データの正解位置が設定さ
れ、S1506へ処理が進められる。
【0139】またS1504では、移動物体認識能力に
応じて、移動課題の移動方向を変更するために、移動物
体認識能力における全移動方向において、提示回数と正
解反応回数が等しくかつ、教示回数が0回である移動方
向及び、正解反応回数が0回である移動方向が存在する
かが判定され、存在する場合は、課題データの移動方向
が上述の移動方向以外に設定され、S1505へ処理が
進められる。次に、S1505では、移動物体認識能力
に応じて、移動課題の移動速度を変更するために、移動
物体認識能力における全移動速度において、提示回数と
正解反応回数が等しくかつ、教示回数が0回の移動速度
及び、正解反応数が0回である移動速度が存在するかが
判定され、存在する場合は課題データの移動速度が上述
の移動速度以外に設定され、S1508へ処理が進めら
れる。またS1506では、無視空間に応じて、選択課
題及び追跡課題の表示画面における提示範囲を変更する
ために、選択課題及び移動課題で提示する物体が無視空
間内に表示される場合には、提示する物体が無視空間外
に表示されるよう課題データの開始位置が設定され、S
1508へ処理が進められる。
【0140】またS1507では、障害物回避能力に応
じて、仮想世界における障害物の配置位置を変更するた
めに、障害物回避能力におけるアバター進行方向に対す
る右側、中央、左側各々において、提示回数と衝突回数
が等しいもの及び、提示回数が1回以上かつ衝突回数が
0回であるものが存在するかが判定され、存在する場合
は、上述の障害物の配置位置以外に障害物の配置位置を
設定し、S1508へ処理が進められる。
【0141】またS1508では、全課題データに対
し、上記S1502〜S1507までの処理が行なわれ
たか、否かを判定し、全課題データに対し処理が行われ
ていると処理を終了し、処理が行われていない場合はS
1501に処理が進められる。
【0142】このように、課題難易度変更手段210で
は、課題データの課題タイプが判別されると、課題タイ
プが選択課題のときは、物体の位置が、患者の無視領域
外で変更され、追跡課題のときは、移動する物体の方向
や速度が、患者の移動物体認識能力に応じて患者の無視
空間外で変更され、移動課題のときは、アバターの進行
方向を妨げるように配置される障害物が、患者の障害物
回避能力に応じて患者の無視空間外で変更される。
【0143】図16(a)は、自動販売機からお茶を購
入する課題のデフォルトの提示画面例であり、図16
(b)は、患者データにおける無視領域を示したもので
ある。また図16(c)は、課題難易度変更手段210
により、自動販売機からのお茶の購入課題において、デ
フォルトの提示画面では無視領域に提示されていたお茶
が、無視領域外に提示するよう変更された例である。
【0144】また図17(a)は、部屋の中を移動する
亀を捕獲する課題のデフォルトの提示画面例であり、亀
が秒速5cmで部屋を移動している様子を示している。
また図17(b)は、患者データにおける移動速度認識
能力を示したものである。これから患者は秒速5cmで
移動する物体に対する認識率は0/4であることが分か
る。図17(c)は、課題難易度変更手段210によ
り、部屋の中を移動する亀を捕獲する課題において、デ
フォルトでは、秒速5cmで移動していた亀が、秒速1
cmで移動するように変更された例である。
【0145】また図18(a)は、自動販売機からお茶
を購入する課題のデフォルトの提示画面例であり、図1
8(b)は、患者データにおける無視空間を示したもの
であり、図18(c)は、課題難易度変更手段210に
より、自動販売機からのお茶の購入課題において、デフ
ォルトの提示画面では無視空間に提示されていた自動販
売機が、無視空間以外に提示するよう変更された例であ
る。
【0146】また図19(a)は、移動課題における移
動経路上のデフォルトの障害物配置の提示画面例であ
る。また図19(b)は、患者データにおける障害物回
避能力を示したものである。これから患者は、進行方向
に対し右側に障害物が配置された時の障害物との接触率
が5/5であることが分かる。また図19(c)は、課
題難易度変更手段210により、移動課題における移動
経路上の障害物がデフォルトでは進行方向に対し右側に
1つ配置されていたものが、進行方向に対し右側には障
害物を配置しないよう変更された例である。
【0147】なお、本実施の形態2における高次脳機能
障害リハビリテーション装置200のハードウェアの構
成は、実施の形態1におけるハードウェア1000と同
一である。
【0148】このように、本実施の形態2における高次
脳機能障害リハビリテーション装置200では、進行を
妨げるように配置される障害物を回避して進む障害物回
避能力と、表示画面上を移動する物体を認識する移動物
体認識能力をそれぞれ評価し、上記障害物回避能力また
は上記移動物体認識能力に基づいて、障害物の配置位
置、または移動物体の速度を変更することにより、課題
の難易度を変更させるので、患者の障害の度合いに応じ
たリハビリテーションを行うことができる。
【0149】また本実施の形態2における高次脳機能障
害リハビリテーション装置200では、無視の入れ子を
考慮した患者の無視の症状と、患者の奥行方向に発生す
る無視の症状とをそれぞれ評価し、上記課題を、その難
易度を変更して提示する際に、患者の半側空間無視障害
により無視が発生する領域以外に課題を提示するので、
患者が確実に上記課題を認識することができる。
【0150】(実施の形態3)図3は、本実施の形態3
における高次脳機能障害リハビリテーション装置300
の構成を説明するためのブロック図である。本実施の形
態3における高次脳機能障害リハビリテーション装置3
00は、実施の形態1における高次脳機能障害リハビリ
テーション装置100と比較して、患者の注視点を検出
する注視点検出手段311を新たに備えるとともに、実
施の形態1における患者認識状態判別手段105に代え
て、仮想世界制御手段104からの患者状態データと上
記注視点検出手段311からの上記注視点に基づいて患
者認識状態データbを作成する患者認識状態判別手段3
05を備えるものである。また高次脳機能障害リハビリ
テーション装置300は、実施の形態1における教示デ
ータ記憶手段106に代えて、注視点データを含んだ教
示データテーブルbを保持する教示データ記憶手段30
6と、実施の形態1における教示手段108に代えて、
上記患者認識状態判別手段305からの患者認識状態デ
ータbに基づいて、上記教示データ記憶手段306より
教示データを読み出し、上記注視点の位置に教示を提示
する教示手段308を備えるものである。
【0151】つまり、高次脳機能障害リハビリテーショ
ン装置300は、リハビリテーション中に、患者が仮想
世界提示画面において注目している座標(注視点)を検
出し、患者が誤った反応をした場合、患者への教示を患
者の注視点の方へ提示するように構成されている。
【0152】また図20は、本実施の形態3における患
者認識状態データbのデータ構造を示す図である。図に
おいて、実行課題識別子、課題タイプ、ミス回数、物体
タイプ、位置差分、所用時間は、実施の形態1における
患者認識状態データaと同一である。また注視点は、患
者がリハビリテーション中に仮想世界提示画面において
注目している座標を示すものである。
【0153】また図20に示す患者認識状態データbに
おける患者の状態は、患者は提示された識別子1の選択
課題に4回誤って反応し、4回目は、ボタンを押すべき
ところ缶を押すという誤りをし、その時に表示画面上の
(XDis、YDis)を注視しているということを示
している。
【0154】また図22は、教示データ記憶手段306
に保持されている教示データの教示データテーブルbの
構成例を示す図である。本実施の形態3における教示デ
ータテーブルbは、実施の形態1における教示テーブル
(図8参照)と比較して、患者が誤った反応を行った時
に、教示データを、患者が表示画面上で注目している所
で提示するために、患者が誤った反応を行った時点にお
ける患者の注視点データを含んだものとなっている。そ
の他は、実施の形態1における教示データテーブルaと
同一である。
【0155】次に動作について説明する。患者から入力
手段101より物体の指定が行われる。仮想世界制御手
段104では、入力手段101からの出力に基づき、仮
想世界データ記憶手段102より仮想世界が取り出さ
れ、取り出された仮想世界が患者に対して提示されると
共に、課題データ記憶手段103に蓄積された課題デー
タの中から上記仮想世界に応じて課題データが取り出さ
れ、取り出された課題データが患者に対して提示され
る。また、上記仮想世界制御手段104では、患者から
の上記提示した課題に対する入力の正否が判定され、上
記正否の判定結果と、上記仮想世界の状態と、上記課題
データ、及び患者からの入力データが、患者認識状態判
断手段105へ出力される。
【0156】注視点検出手段311では、患者の仮想世
界提示画面において注視している座標が検出され、検出
された座標は注視点データとして患者認識状態判別手段
305へ出力される。
【0157】患者認識状態判断手段305では、上記仮
想世界制御手段104の出力と上記注視点検出手段31
1の出力より、提示した上記課題に対する患者の認識状
態が求められ、求められた結果は、患者認識状態データ
bとして教示手段308へ出力される。
【0158】教示手段308では、上記患者認識状態判
断手段305からの上記患者認識状態データbに基づ
き、教示データ記憶手段306より教示内容が、また患
者データ記憶手段107より患者データaが、それぞれ
取り出され、患者への教示は、上記患者データに基づい
た提示方法で、上記患者認識状態データbに含まれる注
視点の方へ教示の重心位置をずらして提示される。
【0159】次に上記患者認識状態判別手段308にお
ける処理手順について、図21を用いて説明する。図2
1は、上記患者認識状態判別手段308における処理手
順を示したフローチャート図である。
【0160】S2101〜S2111では、それぞれ実
施の形態1の患者状態認識判別手段108における処理
手順S701〜S711と同一の処理が行われる。但
し、S2105、S2106、S2107、S211
0、S2111では処理をそのまま終了せずに、それぞ
れS2112へ処理が進められる点のみが異なる。S2
112では、注視点検出手段312からの注視点データ
から、誤った入力を行った時点の患者の注視点の座標が
求められ、求められた注視点の座標は、上記患者認識状
態データbの注視点に書き込まれ、処理を終了する。
【0161】次に上記教示手段308における処理手順
について、図23を用いて説明する。図23は、上記教
示手段308における処理手順を示したフローチャート
図である。
【0162】S2301〜S2305では、それぞれ実
施の形態1における教示手段108の処理手順のS10
01〜S1005と同一の処理が行われる。またS23
06では、教示内容の提示範囲の表示画面における重心
位置が、患者データaの注視点と同一に変更され、処理
を終了する。
【0163】このように、本実施の形態3における高次
能リハビリテーション装置300では、リハビリテーシ
ョン中に、患者が仮想世界提示画面において注目してい
る座標(注視点)を検出し、患者が誤った反応をした場
合、患者への教示は、患者の注視点の方へ教示の提示範
囲の重心位置をずらして提示するので、患者へ確実に教
示を認識させることができる。また、リハビリテーショ
ン中の患者の注視点を検出し、リハビリテーションの課
題を、奥行きを含めたものとすることによって、半側空
間無視障害の評価を、無視の入れ子や奥行き方向を含め
て行うことができる。
【0164】また図27は、本実施の形態3における高
次脳機能障害リハビリテーション装置300のハードウ
ェア3000の構成を示す図である。本実施の形態3に
おける高次脳機能障害リハビリテーション装置300の
ハードウェア3000は、実施の形態1におけるハード
ウェア1000と比較して、患者の画面上の注視点を検
出するアイマークレコーダー2709を新たに備えたも
のである。具体的に上記アイマークレコーダーとして
は、例えば、竹井機器工業(株)のアイマークレコーダ
ーやISCAN社のISCANシステムなどがある。
【0165】次に動作について説明する。ハードウェア
3000では、リハビリテーション中の患者からのタッ
チパネル2601またはジョイスティック2602によ
る入力データを受け付け、入力データは、主記憶装置2
603に一時的に格納される。このとき、アイマイクレ
コーダー2709では、リハビリテーション中の、患者
が仮想世界提示画面において注目している座標が検出さ
れ、上記入力データと共に注視点データとして、主記憶
装置2603に一時的に記憶される。また、主記憶装置
2603では、入力された上記入力データと注視点デー
タに基づいて、上記補助記憶装置2604より該当する
プログラムが取り出され、取り出されたプログラムも一
時的に、この主記憶装置2603に格納される。中央処
理装置2605では、上記主記憶装置2603より入力
データと、注視点データと、プログラムとが入力される
と、入力されたプログラムに基づいて、上記入力データ
及び注視点データに対し演算処理が施される。この演算
結果に基づいて、ディスプレイ2606では映像が表示
され、スピーカー2607からは音声が出力される。
【0166】(実施の形態4)図4は、本実施の形態4
における高次脳機能障害リハビリテーション装置400
の構成を説明するための図である。本実施の形態4にお
ける高次脳機能障害リハビリテーション装置400は、
リハビリテーションを行うと共に、患者が行ったリハビ
リテーションの再生が行われるように構成されたもので
ある。
【0167】具体的に、本実施の形態4における高次脳
機能障害リハビリテーション装置400は、実施の形態
1における高次脳機能障害リハビリテーション装置10
0と比較して、リハビリテーション中の患者からの入力
の履歴を、上記リハビリテーション開始時からの経過時
間に対応させて入力の履歴データとして保持する入力履
歴記憶手段412と、リハビリテーション再生時の上記
仮想世界を表示する画面に対する患者の視点を、上記仮
想世界を主観視させた上記仮想世界の中における視点と
するか、上記仮想世界を客観視させた上記仮想世界の外
からの視点とするか、を決定すると共に、上記入力手段
履歴記憶手段より患者からの入力の履歴データを取り出
し出力するリハビリテーション再生手段413と、を新
たに備えるものである。また、高次脳機能障害リハビリ
テーション装置400は、実施の形態1における仮想世
界制御手段104に代えて、上記仮想世界制御手段10
4と同一の動作を行う他に、上記リハビリテーション再
生手段413からの視点位置に基づいて、上記入力履歴
データのアバターの位置及び向きを変更し、上記視点位
置より患者へ仮想世界の提示(リハビリテーションの再
生)を行う仮想世界制御手段404を備えるものであ
る。
【0168】本実施の形態4における高次脳機能障害リ
ハビリテーション装置400のその他の構成は、実施の
形態1における高次脳機能障害リハビリテーション装置
100と同一である。
【0169】また図24は、上記入力履歴記憶手段41
2にて作成される入力履歴データの構成を示す図であ
る。図に示すように、入力履歴データは、患者による入
力手段101からの入力データを患者入力データとし、
これをリハビリテーションの開始時からの経過時間に対
応させて構成されている。
【0170】図24における入力履歴データの例では、
リハビリテーションを開始してから、t7秒経過後に、
患者が、表示画面の座標(Dis7,Dis7)を指示
したことを示している。
【0171】次に動作について説明する。本実施の形態
4では、患者が行ったリハビリテーションを再生する動
作について説明する。なお、高次脳機能障害リハビリテ
ーション装置400によるリハビリテーションの動作
は、実施の形態1における高次脳機能障害リハビリテー
ション装置100によるものと同一である。
【0172】まず、実施の形態1における高次脳機能障
害リハビリテーション装置100と同一の動作で、本発
明の高次脳機能障害リハビリテーション装置400によ
り一連のリハビリテーションが行われる。
【0173】入力履歴記憶手段412では、上記リハビ
リテーション中の患者からの入力データと上記リハビリ
テーション開始からの経過時刻とを組とした入力履歴デ
ータが保存される。
【0174】リハビリテーション再生手段413では、
リハビリテーション再生時の視点位置が指定され、指定
された視点位置は仮想世界制御手段404へ出力される
と共に、上記入力履歴記憶手段412より入力履歴デー
タが取り出され、リハビリテーション開始からの経過時
間に応じて入力データが仮想世界制御手段104へ出力
される。
【0175】仮想世界制御手段404では、上記リハビ
リテーション再生装置413の出力に基づいて、入力さ
れた視点位置から、アバターの位置や向きは変更されて
患者へ仮想世界の提示(リハビリテーションの再生)が
行われる。
【0176】このように、本発明の高次脳機能障害リハ
ビリテーション装置400では、患者のリハビリテーシ
ョン中の患者からの入力データが、上記リハビリテーシ
ョン開始時点からの経過時間に対応させて保持され、上
記リハビリテーションを再生する際の患者の視点位置を
決定し、決定した視点位置に基づいてアバターの位置や
向きを変更すると、上記リハビリテーションの再生が行
われる。
【0177】次に、上記リハビリテーション再生手段4
13における処理手順について、図25を用いて説明す
る。図25は、上記リハビリテーション再生手段413
における処理手順を示したフローチャート図である。
【0178】リハビリテーション再生手段413では、
まずS2501にて、再生時の視点を、リハビリテーシ
ョン実行時と同一の仮想世界の中におけるアバターの視
点とするか、上記仮想世界の中におけるアバターを上記
仮想世界の外から客観視させた第3者視点とするかが決
定される。次に、S2502では、上記入力履歴記憶手
段412より入力履歴データが読み出される。次に、S
2503では、読み出された上記入力履歴データから経
過時間に応じて、患者入力データが仮想世界制御手段4
04へ出力される。
【0179】このように、本実施の形態4における高次
脳機能障害リハビリテーション装置400では、仮想世
界において行ったリハビリテーションの様子をリハビリ
テーション後に再生し、患者へ自らのリハビリテーショ
ン中における動作を客観的に提示するので、患者に、自
らの動作における問題点を自覚させることができる。
【0180】なお、本実施の形態4における高次脳機能
障害リハビリテーション装置400のハードウェアの構
成は、実施の形態1におけるハードウェア1000と同
一である。
【0181】また、本発明の実施の形態2、実施の形態
3、実施の形態4を各々組み合わせることも可能であ
る。実施の形態4と組み合わせる場合には課題データ記
憶手段及び患者データ記憶手段は、初期状態のデータを
保存したまま、各データの更新を行うことにより、リハ
ビリテーションの再生を行うことができる。また、本実
施の形態では、患者への教示データの提示に映像と音声
を用いたが、これ以外にも、例えば、フォースフィード
バックシステムを用いた皮膚感覚への刺激や駆動装置に
より傾斜面を変更可能とした椅子を用いた体性感覚への
刺激や化学物質を揮発させることによる芳香システムを
用いた嗅覚への刺激を教示データとして患者へ提示する
ことも可能である。
【0182】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明に係
る高次脳機能障害リハビリテーション装置によれば、患
者からの入力を受け付ける入力手段と、仮想世界のモデ
ルデータを保持する仮想世界データ記憶手段と、リハビ
リテーションの課題データを保持する課題データ記憶手
段と、上記入力手段の出力に基づいて、上記仮想データ
記憶手段より上記仮想世界のモデルデータを読み出して
表示すると共に、上記課題データ記憶手段より上記課題
データを読み出して提示し、上記課題データに対する上
記患者からの入力の正否判定を行う仮想世界制御手段
と、上記仮想世界制御手段の正否判定が否である場合、
上記課題データに対する上記患者の反応の誤りの状態を
判断し、患者認識状態データを作成する患者認識状態判
断手段と、上記患者認識状態データに応じて所定の教示
データを対応させた教示データテーブルを保持する教示
データ記憶手段と、上記患者認識状態判断手段より入力
される上記患者認識状態データに基づいて、上記教示デ
ータテーブルを検索して対応する教示データを読み出
し、上記患者に上記教示データを提示する教示手段と、
を備えたことを特徴とするものとしたので、患者のリハ
ビリテーションにおける一連の動作のうち、どの段階に
問題があるのかを把握することができると共に、問題の
あった段階で、その発生原因に応じて適切な矯正指導を
教示として患者へ提示することができるという効果を有
する。
【0183】また請求項2に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1記載
の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、上
記患者の視野の中で、半側空間無視障害により無視が発
生する無視領域を患者データとして保持する患者データ
記憶手段を備え、上記教示手段は、上記教示データを上
記無視領域以外に提示することを特徴とするものとした
ので、患者へ教示を確実に提示することができるという
効果を有する。
【0184】また請求項3に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1また
は2記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置にお
いて、上記患者認識状態判別手段からの患者認識状態デ
ータより、上記リハビリテーションに対する上記患者の
成績を評価する患者評価手段と、上記患者の成績の評価
手段に基づいて、上記課題データの難易度を変更する課
題難易度変更手段と、を備え、上記患者データ記憶手段
は、上記患者の成績の評価結果を上記患者データに含め
て保持することを特徴とするものとしたので、患者の上
記リハビリテーションに対する成績に応じて、提示する
上記リハビリテーションの課題の難易度を変更すること
ができ、患者の障害の度合いに応じたリハビリテーショ
ンを行うことができるという効果を有する。
【0185】また請求項4に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1記載
の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、上
記患者が、上記仮想世界の表示画面上において注目して
いる注視点を検出する注視点検出手段を備え、上記患者
認識状態判断手段は、上記仮想世界制御手段からの上記
患者状態データと、上記注視点検出手段からの上記注視
点に基づいて、上記患者認識状態データを作成するもの
であり、上記教示手段は、上記患者認識状態判別手段か
らの上記患者認識状態データに基づいて、上記注視点の
位置に上記教示データを提示することを特徴とするもの
としたので、患者の視線の先に上記教示データを提示す
ることができ、患者へ確実に教示データを提示すること
ができるという効果を有する。
【0186】また請求項5に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1記載
の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、上
記リハビリテーション中の上記患者からの入力の履歴
を、上記リハビリテーション開始時からの経過時間に対
応させて保持する入力履歴記憶手段と、上記リハビリテ
ーションを再生する際に、上記仮想世界を表示する画面
における上記患者の視点を、上記仮想世界を主観視させ
た上記仮想世界の中における視点とするか、上記仮想世
界を客観視させた上記仮想世界の外からの視点とする
か、を決定すると共に、上記入力履歴記憶手段より上記
患者からの入力の履歴を取り出し、上記仮想世界制御手
段へ出力するリハビリテーション再生手段と、を備えた
ことを特徴とするものとしたので、患者が上記仮想世界
において行ったリハビリテーションの様子をリハビリテ
ーション後に再生し、患者へ自らのリハビリテーション
中における動作を客観的に提示することができ、患者
に、自らの動作における問題点を自覚させることができ
るという効果を有する。
【0187】また請求項6に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1また
は4記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置にお
いて、上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテー
ションの上記課題データに対する、上記患者からの反応
が不適切であったミス回数を求め、上記患者認識状態デ
ータを、上記ミス回数を含めて作成することを特徴とす
るものとしたので、上記課題に対して患者が誤って反応
したときの患者の認識状態を把握することができるとい
う効果を有する。
【0188】また請求項7に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1また
は4記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置にお
いて、上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテー
ションの上記課題データにおける適切な入力位置と、上
記患者からの入力位置との位置差分を求め、上記患者認
識状態データを、上記位置差分を含めて作成することを
特徴とするものとしたので、上記課題に対して患者が誤
って反応したときの患者の認識状態を把握することがで
きるという効果を有する。
【0189】また請求項8に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1また
は4記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置にお
いて、上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテー
ションの上記課題データに対して、上記患者からの入力
により指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、
上記患者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作
成することを特徴とするものとしたので、上記課題に対
して患者が誤って反応したときの患者の認識状態を把握
することができるという効果を有する。
【0190】また請求項9に記載の発明に係る高次脳機
能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1また
は4記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置にお
いて、上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテー
ションの上記課題データが提示されてから、上記課題デ
ータに対して、上記患者からの入力が行われるまでの所
要時間を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時
間を含めて作成することを特徴とするものとしたので、
上記課題に対して患者が誤って反応したときの患者の認
識状態を把握することができるという効果を有する。
【0191】また請求項10に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1ま
たは3記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置に
おいて、上記リハビリテーションの上記課題データが、
上記仮想世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者
に上記入力手段により追跡させる、追跡課題である場
合、上記患者評価手段は、上記移動する物体の提示総数
に対する上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別
と移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力
として評価するものであることを特徴とするものとした
ので、移動する物体に対する患者の視覚による認識能力
を評価することができるという効果を有する。
【0192】また請求項11に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1ま
たは3記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置に
おいて、上記リハビリテーションの上記課題データが、
上記仮想世界の中に設定された上記患者の分身を、上記
患者に上記入力手段により上記仮想世界の移動経路上に
配置された障害物を回避して目的地まで移動させる、移
動課題である場合、上記患者評価手段は、上記障害物の
出現回数に対する上記患者の分身の上記障害物への接触
回数を求め、これを障害物回避能力として評価するもの
であることを特徴とするものとしたので、障害物に対す
る患者の視覚による認識能力を評価することができると
いう効果を有する。
【0193】また請求項12に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1ま
たは3記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置に
おいて、上記患者評価手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データとして提示された物体の、上記仮想世
界の表示画面上における提示位置と、上記提示位置別の
上記課題データに対する上記患者の反応の正否とによ
り、上記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評
価することを特徴とするものとしたので、患者の無視の
症状を評価することができ、患者の視覚による認識能力
を評価することができるという効果を有する。
【0194】また請求項13に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1ま
たは3記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置に
おいて、上記患者評価手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データとして提示された物体の、上記仮想世
界の表示画面上における提示位置を含んだ領域におけ
る、上記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求
め、上記患者の上記物体を提示した領域における無視領
域を評価することを特徴とするものとしたので、無視の
入れ子を考慮した患者の無視の症状を評価することがで
き、患者の視覚による認識能力を評価することができる
という効果を有する。
【0195】また請求項14に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項1ま
たは3記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置に
おいて、上記患者評価手段は、上記リハビリテーション
の上記課題データとして提示された物体の、仮想空間に
おける提示位置と、上記提示位置別の上記課題データに
対する上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視
空間を評価することを特徴とするものとしたので、患者
の奥行方向に発生する無視を評価することができ、患者
の視覚による認識能力を評価することができるという効
果を有する。
【0196】また請求項15に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項2記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者データ記憶手段は、上記患者の視力度数を上記
患者データを含めて保持するものであり、上記教示手段
は、上記視力度数に応じて所定のフォントサイズを対応
させたフォントサイズテーブルを保持し、上記フォント
サイズテーブルより上記患者の視力度数に基づいて上記
フォントサイズを抽出し、抽出したフォントサイズで、
上記教示データを提示することを特徴とするものとした
ので、患者の視力に合わせた文字サイズで教示を提示す
ることができ、患者に教示を確実に提示することができ
るという効果を有する。
【0197】また請求項16に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項15
記載の高次脳機能障害リハビリテーション装置におい
て、上記教示手段は、上記患者の視力度数に応じて、上
記教示データの提示方法を画像とするか音声とするかを
決定し、決定した提示方法に応じて教示データを提示す
ることを特徴とするものとしたので、患者が画面上の教
示を認識できない視力の場合は、音声による教示が行わ
れ、患者に教示を確実に伝えることができるという効果
を有する。
【0198】また請求項17に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション装置によれば、請求項2記
載の高次脳機能障害リハビリテーション装置において、
上記患者データ記憶手段は、患者の色覚異常の有無及び
程度を上記患者データに含めて保持するものであり、上
記教示手段は、上記患者の色覚異常の有無及び程度に応
じて、所定の配色を対応させた配色テーブルを保持し、
上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上記配
色テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示データ
の提示を抽出された配色にて行うことを特徴とするもの
としたので、色覚に問題のある患者へも教示を確実に提
示することができるという効果を有する。
【0199】また請求項18に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、患者からの
入力を受け付ける入力ステップと、仮想世界のモデルデ
ータを保持する仮想世界データ記憶ステップと、リハビ
リテーションの課題データを保持する課題データ記憶ス
テップと、上記患者からの入力に基づいて、上記仮想デ
ータ記憶ステップより上記仮想世界のモデルデータを読
み出して表示すると共に、上記課題データ記憶ステップ
より上記課題データを読み出して提示し、上記課題デー
タに対する上記患者からの入力の正否判定を行う仮想世
界制御ステップと、上記仮想世界制御ステップでの正否
判定が否である場合、上記課題データに対する上記患者
の反応の誤りの状態を判断し、患者認識状態データを作
成する患者認識状態判断ステップと、上記患者認識状態
データに応じて所定の教示データを対応させた教示デー
タテーブルを保持する教示データ記憶ステップと、上記
患者認識状態判断ステップからの上記患者認識状態デー
タに基づいて、上記教示データテーブルより上記教示デ
ータを読み出し、上記患者に上記教示データを提示する
教示ステップと、を備えたことを特徴とするものとした
ので、患者のリハビリテーションにおける一連の動作の
うち、どの段階に問題があるのかを把握することができ
ると共に、問題のあった段階で、その発生原因に応じて
適切な矯正指導を教示として患者へ提示することができ
るという効果を有する。
【0200】また請求項19に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記患者の視野の中で、半側空間無視障害により無
視が発生する無視領域を患者データとして保持する患者
データ記憶ステップを備え、上記教示ステップは、上記
教示データを上記無視領域以外に提示することを特徴と
するものとしたので、患者へ教示を確実に提示すること
ができるという効果を有する。
【0201】また請求項20に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または19記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者認識状態判別ステップからの患者
認識状態データより、上記リハビリテーションに対する
上記患者の成績を評価する患者評価ステップと、上記患
者の成績の評価結果に基づいて、上記課題データの難易
度を変更する課題難易度変更ステップと、を備え、上記
患者データ記憶ステップは、上記患者の成績の評価結果
を上記患者データに含めて保持することを特徴とするも
のとしたので、患者の上記リハビリテーションに対する
成績に応じて、提示する上記リハビリテーションの課題
の難易度を変更することができ、患者の障害の度合いに
応じたリハビリテーションを行うことができるという効
果を有する。
【0202】また請求項21に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記患者が、上記仮想世界の表示画面上において注
目している注視点を検出する注視点検出ステップを備
え、上記患者認識状態判断ステップは、上記仮想世界制
御ステップからの上記患者状態データと、上記注視点検
出ステップからの上記注視点に基づいて、上記患者認識
状態データを作成するものであり、上記教示ステップ
は、上記患者認識状態判別ステップからの上記患者認識
状態データに基づいて、上記注視点の位置に上記教示デ
ータを提示することを特徴とするものとしたので、患者
の視線の先に上記教示データを提示することができ、患
者へ確実に教示データを提示することができるという効
果を有する。
【0203】また請求項22に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記リハビリテーション中の上記患者からの入力の
履歴を、上記リハビリテーション開始時からの経過時間
に対応させて保持する入力履歴記憶ステップと、上記リ
ハビリテーションを再生する際に、上記仮想世界を表示
する画面における上記患者の視点を、上記仮想世界を主
観視させた上記仮想世界の中における視点とするか、上
記仮想世界を客観視させた上記仮想世界の外からの視点
とするか、を決定すると共に、上記入力履歴記憶ステッ
プより上記患者からの入力の履歴を取り出し、上記仮想
世界制御ステップへ出力するリハビリテーション再生ス
テップと、を備えたことを特徴とするものとしたので、
患者が上記仮想世界において行ったリハビリテーション
の様子をリハビリテーション後に再生し、患者へ自らの
リハビリテーション中における動作を客観的に提示する
ことができ、患者に、自らの動作における問題点を自覚
させることができるという効果を有する。
【0204】また請求項23に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者認識状態判断ステップは、上記リ
ハビリテーションの上記課題データに対する、上記患者
からの反応が不適切であったミス回数を求め、上記患者
認識状態データを、上記ミス回数を含めて作成すること
を特徴とするものとしたので、上記課題に対して患者が
誤って反応したときの患者の認識状態を把握することが
できるという効果を有する。
【0205】また請求項24に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者認識状態判断ステップは、上記リ
ハビリテーションの上記課題データにおける適切な入力
位置と、上記患者からの入力位置との位置差分を求め、
上記患者認識状態データを、上記位置差分を含めて作成
することを特徴とするものとしたので、上記課題に対し
て患者が誤って反応したときの患者の認識状態を把握す
ることができるという効果を有する。
【0206】また請求項25に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者認識状態判断ステップは、上記リ
ハビリテーションの上記課題データに対して、上記患者
からの入力により指示された仮想世界の中の物体タイプ
を特定し、上記患者認識状態データを、上記物体タイプ
を含めて作成することを特徴とするものとしたので、上
記課題に対して患者が誤って反応したときの患者の認識
状態を把握することができるという効果を有する。
【0207】また請求項26に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または21記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者認識状態判断ステップは、上記リ
ハビリテーションの上記課題データが提示されてから、
上記課題データに対して、上記患者からの入力が行われ
るまでの所要時間を求め、上記患者認識状態データを、
上記所要時間を含めて作成することを特徴とするものと
したので、上記課題に対して患者が誤って反応したとき
の患者の認識状態を把握することができるという効果を
有する。
【0208】また請求項27に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記リハビリテーションの上記課題データ
が、上記仮想世界の表示画面上で移動する物体を、上記
患者に上記入力ステップにより追跡させる、追跡課題で
ある場合、上記患者評価ステップは、上記移動する物体
の提示総数に対する上記患者からの入力の正当回数を、
移動速度別と移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物
体認識能力として評価するものであることを特徴とする
ものとしたので、移動する物体に対する患者の視覚によ
る認識能力を評価することができるという効果を有す
る。
【0209】また請求項28に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記リハビリテーションの上記課題データ
が、上記仮想世界の中に設定された上記患者の分身を、
上記患者に上記入力手段により上記仮想世界の移動経路
上に配置された障害物を回避して目的地まで移動させ
る、移動課題である場合、上記患者評価手段は、上記障
害物の出現回数に対する上記患者の分身の上記障害物へ
の接触回数を求め、これを障害物回避能力として評価す
るものであることを特徴とするものとしたので、障害物
に対する患者の視覚による認識能力を評価することがで
きるという効果を有する。
【0210】また請求項29に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者評価ステップは、上記リハビリテ
ーションの上記課題データとして提示された物体の、上
記仮想世界の表示画面上における提示位置と、上記提示
位置別の上記課題データに対する上記患者の反応の正否
とにより、上記患者の視野の中で無視が発生する無視領
域を評価することを特徴とするものとしたので、患者の
無視の症状を評価することができ、患者の視覚による認
識能力を評価することができるという効果を有する。
【0211】また請求項30に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者評価ステップは、上記リハビリテ
ーションの上記課題データとして提示された物体の、上
記仮想世界の表示画面上における提示位置を含んだ領域
における、上記患者からの反応の正否を上記提示位置別
に求め、上記患者の上記物体を提示した領域における無
視領域を評価することを特徴とするものとしたので、無
視の入れ子を考慮した患者の無視の症状を評価すること
ができ、患者の視覚による認識能力を評価することがで
きるという効果を有する。
【0212】また請求項31に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項18
または20記載の高次脳機能障害リハビリテーション方
法において、上記患者評価ステップは、上記リハビリテ
ーションの上記課題データとして提示された物体の、仮
想空間における提示位置と、上記提示位置別の上記課題
データに対する上記患者の反応の正否とにより、上記患
者の無視空間を評価することを特徴とするものとしたの
で、患者の奥行方向に発生する無視の評価を行うことが
でき、患者の視覚による認識能力を評価することができ
るという効果を有する。
【0213】また請求項32に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項19
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記患者データ記憶ステップは、上記患者の視力度
数を上記患者データとして保持するものであり、上記教
示ステップは、上記視力度数に応じて所定のフォントサ
イズを対応させたフォントサイズテーブルを保持し、上
記フォントサイズテーブルより上記患者の視力度数に基
づいて上記フォントサイズを抽出し、抽出したフォント
サイズで、上記教示データを提示することを特徴とする
ものとしたので、患者の視力に合わせた文字サイズで教
示を提示することができ、患者へ教示を確実に提示させ
ることができるという効果を有する。
【0214】また請求項33に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項32
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記教示ステップは、上記患者の視力度数に応じ
て、上記教示データの提示方法を画像とするか音声とす
るかを決定し、決定した提示方法に応じて教示データを
提示することを特徴とするものとしたので、患者が表示
画面上の教示を認識できない視力の場合は、音声による
教示が行われ、患者へ教示を確実に伝えることができる
という効果を有する。
【0215】また請求項34に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーション方法によれば、請求項19
記載の高次脳機能障害リハビリテーション方法におい
て、上記患者データ記憶ステップは、患者の色覚異常の
有無及び程度を上記患者データに含めて保持するもので
あり、上記教示ステップは、上記患者の色覚異常の有無
及び程度に応じて、所定の配色を対応させた配色テーブ
ルを保持し、上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づ
いて、上記配色テーブルより対応する配色を抽出し、上
記教示データの提示を抽出された配色にて行うことを特
徴とするものとしたので、色覚に問題のある患者へは、
教示の配色を変更して提示するので、患者へ教示を確実
に提示することができるという効果を有する。
【0216】また請求項35に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、患者からの入力を受け付ける入力ステップと、仮想
世界のモデルデータを保持する仮想世界データ記憶ステ
ップと、リハビリテーションの課題データを保持する課
題データ記憶ステップと、上記患者からの入力に基づい
て、上記仮想データ記憶ステップより上記仮想世界のモ
デルデータを読み出して表示すると共に、上記課題デー
タ記憶ステップより上記課題データを読み出して提示
し、上記課題データに対する上記患者からの入力の正否
判定を行う仮想世界制御ステップと、上記仮想世界制御
ステップでの正否判定が否である場合、上記課題データ
に対する上記患者の反応の誤りの状態を判断し、患者認
識状態データを作成する患者認識状態判断ステップと、
上記患者認識状態データに応じて所定の教示データを対
応させた教示データテーブルを保持する教示データ記憶
ステップと、上記患者認識状態判断ステップからの上記
患者認識状態データに基づいて、上記教示データテーブ
ルより上記教示データを読み出し、上記患者に上記教示
データを提示する教示ステップと、を備えた高次脳機能
障害リハビリテーションプログラムを記録したことを特
徴とするものとしたので、患者のリハビリテーションに
おける一連の動作のうち、どの段階に問題があるのかを
把握することができると共に、問題のあった段階で、そ
の発生原因に応じて適切な矯正指導を教示として患者へ
提示することができるという効果を有する。
【0217】また請求項36に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記患者の
視野の中で、半側空間無視障害により無視が発生する無
視領域を患者データとして保持する患者データ記憶ステ
ップを備え、上記教示ステップは、上記教示データを上
記無視領域以外に提示することを特徴とするものとした
ので、患者へ教示を確実に提示することができるという
効果を有する。
【0218】また請求項37に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または36記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者認識状態判別ステップからの患者認識状態デー
タより、上記リハビリテーションに対する上記患者の成
績を評価する患者評価ステップと、上記患者の成績の評
価結果に基づいて、上記課題データの難易度を変更する
課題難易度変更ステップと、を備え、上記患者データ記
憶ステップは、上記無視領域の他に上記患者の成績の評
価結果を上記患者データに含めて保持することを特徴と
するものとしたので、患者の上記リハビリテーションに
対する成績に応じて、提示する上記リハビリテーション
の課題の難易度を変更することができ、患者の障害の度
合いに応じたリハビリテーションを行うことができると
いう効果を有する。
【0219】また請求項38に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記患者
が、上記仮想世界の表示画面上において注目している注
視点を検出する注視点検出ステップを備え、上記患者認
識状態判断ステップは、上記仮想世界制御ステップから
の上記患者状態データと、上記注視点検出ステップから
の上記注視点に基づいて、上記患者認識状態データを作
成するものであり、上記教示ステップは、上記患者認識
状態判別ステップからの上記患者認識状態データに基づ
いて、上記注視点の位置に上記教示データを提示するこ
とを特徴とするものとしたので、患者の視線の先に上記
教示データを提示することができ、患者へ確実に教示デ
ータを提示することができるという効果を有する。
【0220】また請求項39に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記リハビ
リテーション中の上記患者からの入力の履歴を、上記リ
ハビリテーション開始時からの経過時間に対応させて保
持する入力履歴記憶ステップと、上記リハビリテーショ
ンを再生する際に、上記仮想世界を表示する画面におけ
る上記患者の視点を、上記仮想世界を主観視させた上記
仮想世界の中における視点とするか、上記仮想世界を客
観視させた上記仮想世界の外からの視点とするか、を決
定すると共に、上記入力履歴記憶ステップより上記患者
からの入力の履歴を取り出し、上記仮想世界制御ステッ
プへ出力するリハビリテーション再生ステップと、を備
えたことを特徴とするものとしたので、患者が上記仮想
世界において行ったリハビリテーションの様子をリハビ
リテーション後に再生し、患者へ自らのリハビリテーシ
ョン中における動作を客観的に提示することができ、患
者に、自らの動作における問題点を自覚させることがで
きるという効果を有する。
【0221】また請求項40に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または38記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
ョンの上記課題データに対する、上記患者からの反応が
不適切であったミス回数を求め、上記患者認識状態デー
タを、上記ミス回数を含めて作成することを特徴とする
ものとしたので、上記課題に対して患者が誤って反応し
たときの患者の認識状態を把握することができるという
効果を有する。
【0222】また請求項41に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または38記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションを記録した記録媒体において、上記患者認
識状態判断ステップは、上記リハビリテーションの上記
課題データにおける適切な入力位置と、上記患者からの
入力位置との位置差分を求め、上記患者認識状態データ
を、上記位置差分を含めて作成することを特徴とするも
のとしたので、上記課題に対して患者が誤って反応した
ときの患者の認識状態を把握することができるという効
果を有する。
【0223】また請求項42に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または38記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
ョンの上記課題データに対して、上記患者からの入力に
より指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上
記患者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成
することを特徴とするものとしたので、上記課題に対し
て患者が誤って反応したときの患者の認識状態を把握す
ることができるという効果を有する。
【0224】また請求項43に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または38記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
ョンの上記課題データが提示されてから、上記課題デー
タに対して、上記患者からの入力が行われるまでの所要
時間を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間
を含めて作成することを特徴とするものとしたので、上
記課題に対して患者が誤って反応したときの患者の認識
状態を把握することができるという効果を有する。
【0225】また請求項44に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または37記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入
力ステップにより追跡させる、追跡課題である場合、上
記患者評価ステップは、上記移動する物体の提示総数に
対する上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別と
移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力と
して評価するものであることを特徴とするものとしたの
で、移動する物体に対する患者の視覚による認識能力を
評価することができるという効果を有する。
【0226】また請求項45に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または37記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患者に上
記入力ステップにより上記仮想世界の移動経路上に配置
された障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課
題である場合、上記患者評価ステップは、上記障害物の
出現回数に対する上記患者の分身の上記障害物への接触
回数を求め、これを障害物回避能力として評価するもの
であることを特徴とするものとしたので、障害物に対す
る患者の視覚による認識能力を評価することができると
いう効果を有する。
【0227】また請求項46に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または37記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
表示画面上における提示位置と、上記提示位置別の上記
課題データに対する上記患者の反応の正否とにより、上
記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評価する
ことを特徴とするものとしたので、患者の無視の症状を
評価することができ、患者の視覚による認識能力を評価
することができるという効果を有する。
【0228】また請求項47に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または37記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
表示画面上における提示位置を含んだ領域における、上
記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記
患者の上記物体を提示した領域における無視領域を評価
することを特徴とするものとしたので、無視の入れ子を
考慮した患者の無視の症状を評価することができ、患者
の視覚による認識能力を評価することができるという効
果を有する。
【0229】また請求項48に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項35または37記載の高次脳機能障害リハビ
リテーションプログラムを記録した記録媒体において、
上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
記課題データとして提示された物体の、仮想空間におけ
る提示位置と、上記提示位置別の上記課題データに対す
る上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視空間
を評価することを特徴とするものとしたので、患者の奥
行方向に発生する無視を評価することができ、患者の視
覚による認識能力を評価することができるという効果を
有する。
【0230】また請求項49に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項36記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記患者デ
ータ記憶ステップは、上記患者の視力度数を上記患者デ
ータとして保持するものであり、上記教示ステップは、
上記視力度数に応じて所定のフォントサイズを対応させ
たフォントサイズテーブルを保持し、上記フォントサイ
ズテーブルより上記患者の視力度数に基づいて上記フォ
ントサイズを抽出し、抽出したフォントサイズで、上記
教示データを提示することを特徴とするものとしたの
で、患者の視力に合わせた文字サイズで教示を提示する
ことができ、患者に教示を確実に提示することができる
という効果を有する。
【0231】また請求項50に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項49記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記教示ス
テップは、上記患者の視力度数に応じて、上記教示デー
タの提示方法を画像とするか音声とするかを決定し、決
定した提示方法に応じて教示データを提示することを特
徴とするものとしたので、患者が画面上の教示を認識で
きない視力の場合は、音声による教示が行われ、患者に
教示を確実に伝えることができるという効果を有する。
【0232】また請求項51に記載の発明に係る高次脳
機能障害リハビリテーションを記録した記録媒体によれ
ば、請求項36記載の高次脳機能障害リハビリテーショ
ンプログラムを記録した記録媒体において、上記患者デ
ータ記憶ステップは、患者の色覚異常の有無及び程度を
上記患者データに含めて保持するものであり、上記教示
ステップは、上記患者の色覚異常の有無及び程度に応じ
て、所定の配色を対応させた配色テーブルを保持し、上
記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上記配色
テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示データの
提示を抽出された配色にて行うことを特徴とするものと
したので、色覚に問題のある患者へも教示を確実に提示
することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1による高次脳機能障害リハビリ
テーション装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態2による高次脳機能障害リハビリ
テーション装置200の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態3による高次脳機能障害リハビリ
テーション装置300の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態4による高次脳機能障害リハビリ
テーション装置400の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態1による課題データの構成例を示
す図である。
【図6】本実施の形態1による患者認識状態データaの
構成例を示す図である。
【図7】本実施の形態1による患者認識状態判別手段1
05の処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】本実施の形態1による教示データテーブルaの
構成例を示す図である。
【図9】本実施の形態1による患者データaの構成例を
示す図である。
【図10】本実施の形態1による教示手段108の処理
手順を示すフローチャート図である。
【図11】本実施の形態1による教示手段108の教示
データの提示例を示す図である。
【図12】本実施の形態2による患者データbの構成例
を示す図である。
【図13】本実施の形態2による患者評価手段209の
処理手順を示すフローチャート図である。
【図14】本実施の形態2による無視の入れ子を考慮し
た無視の評価例を示す図である。
【図15】本実施の形態2による課題難易度変更手段2
10の処理手順を示すフローチャート図である。
【図16】本実施の形態2による無視領域と課題提示の
変更例を示す図である。
【図17】本実施の形態2による移動物体認識能力と課
題提示の変更例を示す図である。
【図18】本実施の形態2による患者の無視空間と課題
提示の変更例を示す図である。
【図19】本実施の形態2による障害物回避能力と課題
提示の変更例を示す図である。
【図20】本実施の形態3による患者認識状態データb
の構成例を示す図である。
【図21】本実施の形態3による患者認識状態判別手段
305の処理手順を示すフローチャート図である。
【図22】本実施の形態3による教示データテーブルb
の構成例を示す図である。
【図23】本実施の形態3による教示手段308の処理
手順を示すフローチャート図である。
【図24】本実施の形態4による入力履歴記憶手段41
2にて作成される入力履歴データの構成例を示す図であ
る。
【図25】本実施の形態4によるリハビリテーション再
生手段413の処理手順を示すフローチャート図であ
る。
【図26】本実施の形態1によるハードウェア1000
の構成を示す図である。
【図27】本実施の形態3によるハードウェア3000
の構成を示す図である。
【図28】従来例1によるリハビリテーション装置28
00の構成を示す図である。
【図29】従来例2によるリハビリテーション装置29
00の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 入力手段 102 仮想世界データ記憶手段 103 課題データ記憶手段 104,404 仮想世界制御手段 105,205,305 患者認識状態判別手段 106,306 教示データ記憶手段 107 患者データ記憶手段 108,208,308 教示手段 207 患者データ記憶手段 209 患者評価手段 210 課題難易度変更手段 311 注視点検出手段 412 入力履歴記憶手段 413 リハビリテーション再生手段 2601 タッチパネル 2602 ジョイスティック 2603 主記憶装置 2604 補助記憶装置 2605 中央処理装置 2606 ディスプレイ 2607 スピーカー 2608 バス 2709 アイマークレコーダー 2801 入力手段 2802 仮想世界データ記憶手段 2803 仮想世界制御手段 2901 入力手段 2902 課題データ記憶手段 2903 課題制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 裕之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉澤 正文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者からの入力を受け付ける入力手段
    と、 仮想世界のモデルデータを保持する仮想世界データ記憶
    手段と、 リハビリテーションの課題データを保持する課題データ
    記憶手段と、 上記入力手段の出力に基づいて、上記仮想データ記憶手
    段より上記仮想世界のモデルデータを読み出して表示す
    ると共に、上記課題データ記憶手段より上記課題データ
    を読み出して提示し、上記課題データに対する上記患者
    からの入力の正否判定を行う仮想世界制御手段と、 上記仮想世界制御手段の正否判定が否である場合、上記
    課題データに対する上記患者の反応の誤りの状態を判断
    し、患者認識状態データを作成する患者認識状態判断手
    段と、 上記患者認識状態データに応じて所定の教示データを対
    応させた教示データテーブルを保持する教示データ記憶
    手段と、 上記患者認識状態判断手段より入力される上記患者認識
    状態データに基づいて、上記教示データテーブルを検索
    して対応する教示データを読み出し、上記患者に上記教
    示データを提示する教示手段と、 を備えたことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテー
    ション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高次脳機能障害リハビリ
    テーション装置において、 上記患者の視野の中で、半側空間無視障害により無視が
    発生する無視領域を患者データとして保持する患者デー
    タ記憶手段を備え、 上記教示手段は、上記教示データを上記無視領域以外に
    提示する、ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテ
    ーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の高次脳機能障害
    リハビリテーション装置において、 上記患者認識状態判別手段からの患者認識状態データよ
    り、上記リハビリテーションに対する上記患者の成績を
    評価する患者評価手段と、 上記患者の成績の評価結果に基づいて、上記課題データ
    の難易度を変更する課題難易度変更手段と、を備え、 上記患者データ記憶手段は、上記患者の成績の評価結果
    を上記患者データに含めて保持するものである、 ことを特徴とする高次能機能障害リハビリテーション装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の高次脳機能障害リハビリ
    テーション装置において、 上記患者が、上記仮想世界の表示画面上において注目し
    ている注視点を検出する注視点検出手段を備え、 上記患者認識状態判断手段は、上記仮想世界制御手段か
    らの上記患者状態データと、上記注視点検出手段からの
    上記注視点に基づいて、上記患者認識状態データを作成
    するものであり、 上記教示手段は、上記患者認識状態判別手段からの上記
    患者認識状態データに基づいて、上記注視点の位置に上
    記教示データを提示するものである、ことを特徴とする
    高次脳機能障害リハビリテーション装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の高次脳機能障害リハビリ
    テーション装置において、 上記リハビリテーション中の上記患者からの入力の履歴
    を、上記リハビリテーション開始時からの経過時間に対
    応させて保持する入力履歴記憶手段と、 上記リハビリテーションを再生する際に、上記仮想世界
    を表示する画面における上記患者の視点を、上記仮想世
    界を主観視させた上記仮想世界の中における視点とする
    か、上記仮想世界を客観視させた上記仮想世界の外から
    の視点とするか、を決定すると共に、上記入力履歴記憶
    手段より上記患者からの入力の履歴を取り出し、上記仮
    想世界制御手段へ出力するリハビリテーション再生手段
    と、 を備えたことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテー
    ション装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または4記載の高次脳機能障害
    リハビリテーション装置において、 上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
    の上記課題データに対する、上記患者からの反応が不適
    切であったミス回数を求め、上記患者認識状態データ
    を、上記ミス回数を含めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1または4記載の高次脳機能障害
    リハビリテーション装置において、 上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
    の上記課題データにおける適切な入力位置と、上記患者
    からの入力位置との位置差分を求め、上記患者認識状態
    データを、上記位置差分を含めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1または4記載の高次脳機能障害
    リハビリテーション装置において、 上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
    の上記課題データに対して、上記患者からの入力により
    指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上記患
    者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成する
    ものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1または4記載の高次脳機能障害
    リハビリテーション装置において、 上記患者認識状態判断手段は、上記リハビリテーション
    の上記課題データが提示されてから、上記課題データに
    対して、上記患者からの入力が行われるまでの所要時間
    を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間を含
    めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1または3記載の高次脳機能障
    害リハビリテーション装置において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入
    力手段により追跡させる、追跡課題である場合、 上記患者評価手段は、上記移動する物体の提示総数に対
    する上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別と移
    動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力とし
    て評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1または3記載の高次脳機能障
    害リハビリテーション装置において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患者に上
    記入力手段により上記仮想世界の移動経路上に配置され
    た障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課題で
    ある場合、 上記患者評価手段は、上記障害物の出現回数に対する上
    記患者の分身の上記障害物への接触回数を求め、これを
    障害物回避能力として評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1または3記載の高次脳機能障
    害リハビリテーション装置において、 上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上記課
    題データとして提示された物体の、上記仮想世界の表示
    画面上における提示位置と、上記提示位置別の上記課題
    データに対する上記患者の反応の正否とにより、上記患
    者の視野の中で無視が発生する無視領域を評価するもの
    である、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1または3記載の高次脳機能障
    害リハビリテーション装置において、 上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上記課
    題データとして提示された物体の、上記仮想世界の表示
    画面上における提示位置を含んだ領域における、上記患
    者からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記患者
    の上記物体を提示した領域における無視領域を評価する
    ものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項1または3記載の高次脳機能障
    害リハビリテーション装置において、 上記患者評価手段は、上記リハビリテーションの上記課
    題データとして提示された物体の、仮想空間における提
    示位置と、上記提示位置別の上記課題データに対する上
    記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視空間を評
    価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項2記載の高次脳機能障害リハビ
    リテーション装置において、 上記患者データ記憶手段は、上記患者の視力度数を上記
    患者データに含めて保持するものであり、 上記教示手段は、上記視力度数に応じて所定のフォント
    サイズを対応させたフォントサイズテーブルを保持し、
    上記フォントサイズテーブルより上記患者の視力度数に
    基づいて上記フォントサイズを抽出し、抽出したフォン
    トサイズで、上記教示データを提示するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション装置において、 上記教示手段は、上記患者の視力度数に応じて、上記教
    示データの提示方法を画像とするか音声とするかを決定
    し、決定した提示方法に応じて教示データを提示するも
    のである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項2記載の高次脳機能障害リハビ
    リテーション装置において、 上記患者データ記憶手段は、患者の色覚異常の有無及び
    程度を上記患者データに含めて保持するものであり、 上記教示手段は、複数の患者の色覚異常の有無及び程度
    に応じて、所定の配色を対応させた配色テーブルを保持
    し、上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、上
    記配色テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示デ
    ータの提示を抽出された配色にて行うものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション装
    置。
  18. 【請求項18】 患者からの入力を受け付ける入力ステ
    ップと、 仮想世界のモデルデータを保持する仮想世界データ記憶
    ステップと、 リハビリテーションの課題データを保持する課題データ
    記憶ステップと、 上記患者からの入力に基づいて、上記仮想データ記憶ス
    テップより上記仮想世界のモデルデータを読み出して表
    示すると共に、上記課題データ記憶ステップより上記課
    題データを読み出して提示し、上記課題データに対する
    上記患者からの入力の正否判定を行う仮想世界制御ステ
    ップと、 上記仮想世界制御ステップでの正否判定が否である場
    合、上記課題データに対する上記患者の反応の誤りの状
    態を判断し、患者認識状態データを作成する患者認識状
    態判断ステップと、 上記患者認識状態データに応じて所定の教示データを対
    応させた教示データテーブルを保持する教示データ記憶
    ステップと、 上記患者認識状態判断ステップからの上記患者認識状態
    データに基づいて、上記教示データテーブルより上記教
    示データを読み出し、上記患者に上記教示データを提示
    する教示ステップと、 を備えたことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテー
    ション方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記患者の視野の中で、半側空間無視障害により無視が
    発生する無視領域を患者データとして保持する患者デー
    タ記憶ステップを備え、 上記教示ステップは、上記教示データを上記無視領域以
    外に提示する、ことを特徴とする高次脳機能障害リハビ
    リテーション方法。
  20. 【請求項20】 請求項18または19記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者認識状態判別ステップからの患者認識状態デー
    タより、上記リハビリテーションに対する上記患者の成
    績を評価する患者評価ステップと、 上記患者の成績の評価結果に基づいて上記課題データの
    難易度を変更する課題難易度変更ステップと、を備え、 上記患者データ記憶ステップは、上記無視領域の他に上
    記患者の成績の評価結果を上記患者データに含めて保持
    するものである、 ことを特徴とする高次能機能障害リハビリテーション方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記患者が、上記仮想世界の表示画面上において注目し
    ている注視点を検出する注視点検出ステップを備え、 上記患者認識状態判断ステップは、上記仮想世界制御ス
    テップからの上記患者状態データと、上記注視点検出ス
    テップからの上記注視点に基づいて、上記患者認識状態
    データを作成するものであり、 上記教示ステップは、上記患者認識状態判別ステップか
    らの上記患者認識状態データに基づいて、上記注視点の
    位置に上記教示データを提示するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項18記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記リハビリテーション中の上記患者からの入力の履歴
    を、上記リハビリテーション開始時からの経過時間に対
    応させて保持する入力履歴記憶ステップと、 上記リハビリテーションを再生する際に、上記仮想世界
    を表示する画面における上記患者の視点を、上記仮想世
    界を主観視させた上記仮想世界の中における視点とする
    か、上記仮想世界を客観視させた上記仮想世界の外から
    の視点とするか、を決定すると共に、上記入力履歴記憶
    ステップより上記患者からの入力の履歴を取り出し、上
    記仮想世界制御ステップへ出力するリハビリテーション
    再生ステップと、 を備えたことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテー
    ション方法。
  23. 【請求項23】 請求項18または21記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データに対する、上記患者からの反応が
    不適切であったミス回数を求め、上記患者認識状態デー
    タを、上記ミス回数を含めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項18または21記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データにおける適切な入力位置と、上記
    患者からの入力位置との位置差分を求め、上記患者認識
    状態データを、上記位置差分を含めて作成するものであ
    る、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項18または21記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データに対して、上記患者からの入力に
    より指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上
    記患者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成
    するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項18または21記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データが提示されてから、上記課題デー
    タに対して、上記患者からの入力が行われるまでの所要
    時間を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間
    を含めて作成するものであることを特徴とする高次脳機
    能障害リハビリテーション方法。
  27. 【請求項27】 請求項18または20記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入
    力ステップにより追跡させる、追跡課題である場合、 上記患者評価ステップは、上記移動する物体の提示総数
    に対する上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別
    と移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力
    として評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  28. 【請求項28】 請求項18または20記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患者に上
    記入力ステップにより上記仮想世界の移動経路上に配置
    された障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課
    題である場合、 上記患者評価ステップは、上記障害物の出現回数に対す
    る上記患者の分身の上記障害物への接触回数を求め、こ
    れを障害物回避能力として評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  29. 【請求項29】 請求項18または20記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
    表示画面上における提示位置と、上記提示位置別の上記
    課題データに対する上記患者の反応の正否とにより、上
    記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評価する
    ものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  30. 【請求項30】 請求項18または20記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
    表示画面上における提示位置を含んだ領域における、上
    記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記
    患者の上記物体を提示した領域における無視領域を評価
    するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  31. 【請求項31】 請求項18または20記載の高次脳機
    能障害リハビリテーション方法において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、仮想空間におけ
    る提示位置と、上記提示位置別の上記課題データに対す
    る上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視空間
    を評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  32. 【請求項32】 請求項19記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記患者データ記憶ステップは、上記患者の視力度数を
    上記患者データに含めて保持するものであり、 上記教示ステップは、上記視力度数に応じて所定のフォ
    ントサイズを対応させたフォントサイズテーブルを保持
    し、上記フォントサイズテーブルより上記患者の視力度
    数に基づいて上記フォントサイズを抽出し、抽出したフ
    ォントサイズで、上記教示データを提示するものであ
    る、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  33. 【請求項33】 請求項32記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記教示ステップは、上記患者の視力度数に応じて、上
    記教示データの提示方法を画像とするか音声とするかを
    決定し、決定した提示方法に応じて教示データを提示す
    るものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  34. 【請求項34】 請求項19記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーション方法において、 上記患者データ記憶ステップは、患者の色覚異常の有無
    及び程度を上記患者データに含めて保持するものであ
    り、 上記教示ステップは、上記患者の色覚異常の有無及び程
    度に応じて、所定の配色を対応させた配色テーブルを保
    持し、上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づいて、
    上記配色テーブルより対応する配色を抽出し、上記教示
    データの提示を抽出された配色にて行うものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーション方
    法。
  35. 【請求項35】 患者からの入力を受け付ける入力ステ
    ップと、 仮想世界のモデルデータを保持する仮想世界データ記憶
    ステップと、 リハビリテーションの課題データを保持する課題データ
    記憶ステップと、 上記患者からの入力に基づいて、上記仮想データ記憶ス
    テップより上記仮想世界のモデルデータを読み出して表
    示すると共に、上記課題データ記憶ステップより上記課
    題データを読み出して提示し、上記課題データに対する
    上記患者からの入力の正否判定を行う仮想世界制御ステ
    ップと、 上記仮想世界制御ステップでの正否判定が否である場
    合、上記課題データに対する上記患者の反応の誤りの状
    態を判断し、患者認識状態データを作成する患者認識状
    態判断ステップと、 上記患者認識状態データに応じて所定の教示データを対
    応させた教示データテーブルを保持する教示データ記憶
    ステップと、 上記患者認識状態判断ステップからの上記患者認識状態
    データに基づいて、上記教示データテーブルより上記教
    示データを読み出し、上記患者に上記教示データを提示
    する教示ステップと、 を備えた高次脳機能障害リハビリテーションプログラム
    を記録したことを特徴とする記録媒体。
  36. 【請求項36】 請求項35記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記患者の視野の中で、半側空間無視障害により無視が
    発生する無視領域を患者データとして保持する患者デー
    タ記憶ステップを備え、 上記教示ステップは、上記教示データを上記無視領域以
    外に提示する、ことを特徴とする高次脳機能障害リハビ
    リテーションプログラムを記録した記録媒体。
  37. 【請求項37】 請求項35または36記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者認識状態判別ステップからの患者認識状態デー
    タより、上記リハビリテーションに対する上記患者の成
    績を評価する患者評価ステップと、 上記患者の成績の評価結果に基づいて上記課題データの
    難易度を変更する課題難易度変更ステップと、を備え、 上記患者データ記憶ステップは、上記無視領域の他に上
    記患者の成績の評価結果を上記患者データに含めて保持
    するものである、 ことを特徴とする高次能機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  38. 【請求項38】 請求項35記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記患者が、上記仮想世界の表示画面上において注目し
    ている注視点を検出する注視点検出ステップを備え、 上記患者認識状態判断ステップは、上記仮想世界制御ス
    テップからの上記患者状態データと、上記注視点検出ス
    テップからの上記注視点に基づいて、上記患者認識状態
    データを作成するものであり、 上記教示ステップは、上記患者認識状態判別ステップか
    らの上記患者認識状態データに基づいて、上記注視点の
    位置に上記教示データを提示するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  39. 【請求項39】 請求項35記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記リハビリテーション中の上記患者からの入力の履歴
    を、上記リハビリテーション開始時からの経過時間に対
    応させて保持する入力履歴記憶ステップと、 上記リハビリテーションを再生する際に、上記仮想世界
    を表示する画面における上記患者の視点を、上記仮想世
    界を主観視させた上記仮想世界の中における視点とする
    か、上記仮想世界を客観視させた上記仮想世界の外から
    の視点とするか、を決定すると共に、上記入力履歴記憶
    ステップより上記患者からの入力の履歴を取り出し、上
    記仮想世界制御ステップへ出力するリハビリテーション
    再生ステップと、 を備えたことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテー
    ションプログラムを記録した記録媒体。
  40. 【請求項40】 請求項35または38記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データに対する、上記患者からの反応が
    不適切であったミス回数を求め、上記患者認識状態デー
    タを、上記ミス回数を含めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  41. 【請求項41】 請求項35または38記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションを記録した記録媒体におい
    て、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データにおける適切な入力位置と、上記
    患者からの入力位置との位置差分を求め、上記患者認識
    状態データを、上記位置差分を含めて作成するものであ
    る、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  42. 【請求項42】 請求項35または38記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データに対して、上記患者からの入力に
    より指示された仮想世界の中の物体タイプを特定し、上
    記患者認識状態データを、上記物体タイプを含めて作成
    するものであることを特徴とする高次脳機能障害リハビ
    リテーションプログラムを記録した記録媒体。
  43. 【請求項43】 請求項35または38記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者認識状態判断ステップは、上記リハビリテーシ
    ョンの上記課題データが提示されてから、上記課題デー
    タに対して、上記患者からの入力が行われるまでの所要
    時間を求め、上記患者認識状態データを、上記所要時間
    を含めて作成するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  44. 【請求項44】 請求項35または37記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の表示画面上で移動する物体を、上記患者に上記入
    力ステップにより追跡させる、追跡課題である場合、 上記患者評価ステップは、上記移動する物体の提示総数
    に対する上記患者からの入力の正当回数を、移動速度別
    と移動方向別にそれぞれ求め、これを移動物体認識能力
    として評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  45. 【請求項45】 請求項35または37記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記リハビリテーションの上記課題データが、上記仮想
    世界の中に設定された上記患者の分身を、上記患者に上
    記入力ステップにより上記仮想世界の移動経路上に配置
    された障害物を回避して目的地まで移動させる、移動課
    題である場合、 上記患者評価ステップは、上記障害物の出現回数に対す
    る上記患者の分身の上記障害物への接触回数を求め、こ
    れを障害物回避能力として評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  46. 【請求項46】 請求項35または37記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
    表示画面上における提示位置と、上記提示位置別の上記
    課題データに対する上記患者の反応の正否とにより、上
    記患者の視野の中で無視が発生する無視領域を評価する
    ものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  47. 【請求項47】 請求項35または37記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、上記仮想世界の
    表示画面上における提示位置を含んだ領域における、上
    記患者からの反応の正否を上記提示位置別に求め、上記
    患者の上記物体を提示した領域における無視領域を評価
    するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  48. 【請求項48】 請求項35または37記載の高次脳機
    能障害リハビリテーションプログラムを記録した記録媒
    体において、 上記患者評価ステップは、上記リハビリテーションの上
    記課題データとして提示された物体の、仮想空間におけ
    る提示位置と、上記提示位置別の上記課題データに対す
    る上記患者の反応の正否とにより、上記患者の無視空間
    を評価するものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  49. 【請求項49】 請求項36記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記患者データ記憶ステップは、上記患者の視力度数を
    上記患者データに含めて保持するものであり、 上記教示ステップは、上記視力度数に応じて所定のフォ
    ントサイズを対応させたフォントサイズテーブルを保持
    し、上記フォントサイズテーブルより上記患者の視力度
    数に基づいて上記フォントサイズを抽出し、抽出したフ
    ォントサイズで、上記教示データを提示するものであ
    る、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  50. 【請求項50】 請求項49記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記教示ステップは、上記患者の視力度数に応じて、上
    記教示データの提示方法を画像とするか音声とするかを
    決定し、決定した提示方法に応じて教示データを提示す
    るものである、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
  51. 【請求項51】 請求項36記載の高次脳機能障害リハ
    ビリテーションプログラムを記録した記録媒体におい
    て、 上記患者データ記憶ステップは、患者の色覚異常の有無
    及び程度を上記患者データに含めて保持するものであ
    り、 上記教示ステップは、複数の患者の色覚異常の有無及び
    程度に応じて、所定の配色を対応させた配色テーブルを
    保持し、上記患者の色覚異常の有無及び程度に基づい
    て、上記配色テーブルより対応する配色を抽出し、上記
    教示データの提示を抽出された配色にて行うものであ
    る、 ことを特徴とする高次脳機能障害リハビリテーションプ
    ログラムを記録した記録媒体。
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