JP2001078567A - 菌床保持装置および栽培室 - Google Patents

菌床保持装置および栽培室

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JP2001078567A
JP2001078567A JP26313299A JP26313299A JP2001078567A JP 2001078567 A JP2001078567 A JP 2001078567A JP 26313299 A JP26313299 A JP 26313299A JP 26313299 A JP26313299 A JP 26313299A JP 2001078567 A JP2001078567 A JP 2001078567A
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Takasuke Kasai
隆輔 笠井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 菌床間の空気の流通が良く、単位面積当りに
セットできる菌床の数を多くすることができる菌床保持
装置を提供する。 【解決手段】 菌床保持装置は栽培室内に敷設されたレ
ール上を走行可能なベース2上とこのベース2上に立設
されたフレーム4〜6と、このフレームに取付けられた
菌床保持具3とからなり、菌床保持具はフレームに取付
けられた基部と基部から略水平かつ放射条に配設された
複数のアーム1からなる。菌床は、アームの先端に設け
られた針状の菌床固定部材に差込むことにより固定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シイタケ等のキノ
コの栽培のための菌床保持装置および栽培室に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シイタケ等の食用キノコは、ほだ
木に種駒を打って栽培していたが、この作業は重労働で
あるため、近年では、オガ屑等を成形した菌床に種菌
し、培養し、これを栽培室に設けた多段の棚に並べ、温
度、湿度等を管理しながら、キノコを発生させ、収穫す
る方法が一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シイタ
ケ等のキノコの栽培において、菌床に種菌して培養した
後、多段棚に並べて発生させる場合、空気の流通が棚板
に遮られて十分に行われない場合があった。従って、上
段の棚と下段の棚とで温度等の条件に差が出たり、発生
段階で生じるCO2が十分に排除されないという問題が
あった。そのような不均一な温度条件やCO2の存在
は、キノコの病害を引き起こし、良質なキノコの生産率
を著しく下げることになる。また、このような問題を避
けるべく、棚間のスペースを広くとると、単位面積あた
りの収穫率が下がるという問題もある。
【0004】また、発生段階においては、通常、栽培室
の天井に設けたスプリンクラー等の散水手段により散水
を行っているが、多段棚にキノコを載せている場合、棚
板に遮られて下段の棚まで散水が行き渡らない、棚板に
付着した水が部分的に滴り落ちる等の問題があった。こ
のような状況は、菌床の載置位置によって過乾燥となる
菌床が生じたり、水分過多の状態の菌床が生じるという
問題がある。過乾燥の菌床においては、キノコの発生及
び生育に支障を来すため、個別に注水する必要がある。
これは一時に数多くの菌床を管理する作業者には非常に
手間がかかる作業である。
【0005】また、菌床が水分過多の状態に長期間放置
されると、カビの発生等、病害の問題が生じる。しか
も、数多くの菌床を管理しなければならない場合は、個
々の菌床の過乾燥や、水分過多を見過ごす可能性が高
い。
【0006】このような菌床の載置位置による条件の差
を緩和するために、上段の棚の菌床と下段の棚の菌床を
入れ替えるいわゆる天地替えという作業が行われてい
る。しかし、この作業は多大な労力を要する。
【0007】また、多段棚を用いる従来のキノコの発生
方法においては、例えば幅3760mm×奥行き850
mm×高さ1850mmの多段棚の各棚板の奥行き方向
に4列、幅方向に16列で並べ、多段棚間には、約70
cm程度のスペースを設け、このスペースに作業者が立
ち、1個1個の菌床について生育状況のチェック、天地
変え、収穫等の作業を行っているが、作業者の立ち位置
側の最前列にある菌床はともかく、奥にある菌床はチェ
ックしにくく、また、収穫などの作業も行いにくいとい
う問題もあった。
【0008】さらに、発生を終えた菌床は回収し、肥料
などに用いられているが、従来の多段棚にあっては、1
個1個回収していかなければならず、全て回収するには
多大な労力を要していた。
【0009】また、キノコの収穫は、十分に生育し、し
かも傘が開ききっていない状態で行うのが最も好まし
く、その状態で収穫されたキノコと、傘が開ききってか
ら収穫されたキノコとでは、商品価値が著しく異なる。
従来の多段棚を使用したキノコの栽培においては、一つ
一つ菌床を取り上げ、回しながら、個々のキノコが収穫
時期にあるか否かチェックして収穫しているが、この作
業は非常に手間がかかり、また、適正な収穫時期を見逃
す危険性も高い。
【0010】以上説明したように、多段棚に培養後の菌
床を載置して発生させる従来のキノコの栽培方法は、ほ
だ木を用いる方法に比べれば、少ない労力且つ低コスト
で栽培できるものの、さらなる労力の低減、収穫される
キノコの品質の向上等、解決すべき課題は多い。
【0011】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上記
課題を解決することを目的とするものであり、下記に列
挙する菌床保持装置および栽培室を提供する。 1.ベースに立設されたフレームと該フレームに取り付
けられた菌床保持具とを含み、該菌床保持具が、該フレ
ームに取り付けられた基部と、該基部から略水平且つ放
射状に配設された複数のアームと、各アームの自由端に
設けられた菌床固定部材からなることを特徴とする菌床
保持装置。 2.前記菌床保持具が前記フレームに対して回動自在で
あることを特徴とする1記載の菌床保持装置。 3.前記菌床固定部材が、菌床の底面に差し込むことに
より菌床を固定し得る針状体または円錐体であることを
特徴とする1または2記載の菌床保持装置。 4.前記フレームが、ベースに立設された2以上の垂直
支持棒と、該支持棒に取り付けられた複数段の枠体を含
むことを特徴とする1〜3のいずれか1に記載の菌床保
持装置。 5.前記フレームが、水平に配設された配管を含み、前
記菌床保持具が該配管に取り付けられ、前記基部、前記
アーム及び前記菌床固定部材が中空であり、前記配管か
ら前記菌床固定部材の先端の開口まで通じる通路が形成
されていることを特徴とする1〜4のいずれか1に記載
の菌床保持装置。 6.床面に敷設されたレールと前記レール上を走行する
複数の菌床を保持する菌床保持ユニットとを備え、前記
レール上に作業用の所定の空隙を残して多数の前記菌床
保持ユニットを配置してなる栽培室であって、前記菌床
保持ユニットとして1〜5のいずれか1に記載の菌床保
持装置を用いたことを特徴とする栽培室。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0013】図1は、本発明の菌床保持装置を示す模式
図である。
【0014】図1に示すように、本発明の菌床保持装置
1は、ベース2に立設されたフレーム(4〜6)に、菌
床保持具3を取り付けてなる。
【0015】該フレームは、ベース2に立設された4本
の垂直支持棒4と、該支持棒に4段取り付けられた矩形
の枠体5と、該枠体5の幅方向に一定間隔で設けられた
3本の水平支持棒6と、該枠体5の長手方向に設けられ
た2本の水平配管7からなる。各段の水平配管は端部で
垂直配管8に各々連結している。垂直配管8の最下端に
は、流体の流通可能且つ着脱自在に外部配管に連結する
ための連結具9が設けられている。図1においては、菌
床保持具3、水平配管7及び水平支持棒6は最上段の枠
体にのみ図示し、2段目以下の枠体においては省略され
ているが、2段目以下の枠体にも、同様に菌床保持具
3、水平配管7及び水平支持棒6が設けられている。
【0016】なお、垂直支持棒及び水平支持棒の数は限
定されない。また、枠体の段数も限定されず、各段に菌
床を取り付けることができ、栽培するキノコの生育に支
障を生じず、且つできるだけ多い段数となるように設け
るのが好ましい。さらに、配管の数も特に限定されず、
枠体の大きさ及び菌床保持具の大きさにより適宜決定さ
れる。即ち、各配管に菌床保持具を取り付けた時に、隣
り合う菌床保持具の回動が妨げられず、菌床間に十分な
空間が確認される間隔で枠体に設け得る数とする。ま
た、本実施例においては、菌床保持装置1に奥行き方向
に2列、幅方向に4列で、枠体1個あたり16個の菌床
保持具3を取り付けているが、この配置及び数も特に限
定されず、キノコの生育に最適であり、且つ単位面積当
たり最大の菌床数が達成され得るように、適宜決定され
る。
【0017】ベース2には、菌床保持装置1を床面に沿
って容易に移動させるための手段として、後述する栽培
室内に敷設されたレールに係合する車輪10が設けられ
ている。
【0018】かかる構成とすることにより、一つの菌床
保持装置上の菌床のチェックまたは作業を行った後、こ
れをレールに沿って移動させ、順次送りながら、各菌床
保持装置の作業を行っていくことが可能になる。従っ
て、各菌床保持装置間に常に作業用の空間を開けておく
必要はない。また、本発明のように、菌床を棚の上では
なく、空中で保持する場合、空気の流通が妨げられるこ
とがないため、従来必要であった、空気流通のための菌
床保持装置間の空間も必要なくなるため、作業していな
い間は、菌床保持装置間に空間を設ける必要がない。
【0019】図2は本発明の菌床保持装置の菌床保持具
の縦断面を示す概略図であり、図3は、該菌床保持具の
概略斜視図である。
【0020】該図に示すように、上記菌床保持具3は、
着脱可能且つ回動可能であり、内部に流体を流通させ得
る一対の連結具14,15により配管7に取り付けられ
ている。即ち、連結具の一方14が菌床保持具3の基部
11の下端に取り付けられ、他方15が配管7に取り付
けられ、これらの着脱及び回動により菌床保持具3の着
脱及び回動を可能ならしめている。
【0021】このように、菌床支持具3を回動可能とす
ることにより、4本のアーム先端の菌床固定部材13に
保持された菌床30を1方向からチェックし、また収穫
することが可能になる。
【0022】連結具14の上部には、基部11として適
度な柔軟性及び強度を有する管が垂設され、これが四方
に水平方向に分岐して4本の管状アーム12を構成して
いる。なお、アームの数は特に限定されず、例えば3〜
8本であり得る。各アーム12の自由端には、注射針状
の菌床固定部材13が設けられ、配管から注射針先端の
開口に通じる通路が形成されている。
【0023】このような構成とすることにより、水、栄
養剤、暖気、冷気等を必要に応じて配管7を通して菌床
に直接送り込むことが可能になる。
【0024】基部11を形成する管の柔軟性、強度及び
長さは、菌床をアーム先端の菌床固定部材に設置した時
に、菌床を支えることができ、且つ、各菌床の重さの不
均衡が生じた時にある程度撓み得る程度とするのが好ま
しい。
【0025】このような構成とすることにより、個々の
菌床の異常乾燥、発育不良等、菌床の重さに影響を及ぼ
す不都合が生じた場合、連結具上方の管状基部11が、
重い菌床の方向に撓み、極端な重量変化を起こしている
菌床が一目でわかる。
【0026】しかしながら、かかる構成は任意であり、
上記連結具の直上からアームが分岐していてもよい。
【0027】アーム12は、分岐後、水平方向に一定長
さ延びた後、下方に傾斜して延び、先端部で上方に屈曲
している。下方への傾斜角度は、特に限定されず、例え
ば1〜45度である。このように、アーム12を下方へ
傾斜させると、菌床設置高さを節約できると共に、菌床
取り付け時の強度の点でも好ましい。
【0028】アーム12の長さは、菌床取り付け時に菌
床間に菌床の発生に十分な間隔が存在し、キノコ発育に
適する環境を提供することができ、且つ単位面積当たり
数多くの菌床を保持しうる長さである。例えば、菌床の
半径の2〜5倍である。上方に延びたアーム12の先端
には、菌床固定部材13が取り付けられている。
【0029】菌床固定部材13は、アーム先端から上方
に延びる中空針状の部材である。しかしながら、菌床固
定部材13は、菌床を空中に保持でき、好ましくは流体
を菌体内に放出できる限り、いかなる形状であってもよ
く、例えば、図4に示すように、略円錐形状をなすノズ
ル16であってもよい。該ノズル16の先端部は、図5
に示されるように区画され、先端部周縁下方から先端に
向かって細くなる孔17が4個形成されている。
【0030】次に、栽培室について説明する。
【0031】図6は、本発明の菌床保持装置を使用して
キノコを栽培するための栽培室を示す概略断面図であ
る。また、図7は、該栽培室の室内の配置を示す模式図
である。
【0032】図6に示すように、本発明の菌床保持装置
を設置する栽培室18は、好ましくは下記の構成を有す
る。床には、本発明の菌床保持装置をユニットとして多
数のユニットを支持し且つ走行させるレール24が敷設
されている。屋根は、略切妻型であり、上部、好ましく
はその稜部に開口19を有する。側壁の下方に吸気用窓
(吸気口)20が設けられている。これにより、吸気口
20から稜部開口19へ向かう空気の対流が生じ得る
が、所望により稜部に設けた換気扇(図示せず)を用い
て栽培室内の空気を排気し、吸気口から稜部開口へのよ
り強い対流を生じさせる。この時、稜部開口を、設置地
域及び栽培時期において風下となる率の高い方向に向け
ることにより、換気扇を使用しない場合でも、対流が生
じやすいようにするのが好ましい。
【0033】吸気口は、側壁の下から1/2の高さより
低い位置、好ましくは1/3より低い位置、より好まし
くは1/4より低い位置に設けられている。
【0034】吸気口の数及び間隔は、栽培室の広さ等に
より異なり、栽培室の下方の空気を満遍なく上昇させ得
るよりに決定される。例えば、吸気口は、1〜10m間
隔で設けられる。
【0035】このような構成とすると、栽培室下方から
上方への空気の流れが、栽培室全体にわたって満遍なく
生じ、キノコの発生段階で生じたCO2が栽培室下方に
たまることがない。従って、従来問題となっていたCO
2によるキノコの奇形の発生等の弊害を防止することが
できる。また、室内全体で均一な気流が生じるため、空
気の淀みにより生じうる病害等を効果的に防止すること
ができ、しかも従来のように局部的に過乾燥を生じるこ
ともない。
【0036】従来法では、何種類かのハウス仕様はある
ものの、いずれもハウス表面より裏面方向に、即ち、長
手/水平方向に換気の流れを作っており、ハウス内の上
部及び下部に温湿度の層を作り易く、又吸排気部に接す
る栽培棚の菌床に、深刻な影響を与えていたが、上記構
成の栽培室ではそのような問題がない。
【0037】側壁の下部には一定間隔で複数の温風吹き
出し口21が設けられており、暖房装置(図示せず)か
らの温風を、栽培室内に導く。温風吹き出し口21は、
側壁の下から1/2の高さより低い位置、好ましくは1
/3より低い位置、より好ましくは1/4より低い位置
に設けられている。
【0038】かかる位置に設けると、暖気が室内を上昇
するため、室内全体をより速く目的温度にすることがで
きる。
【0039】側壁の上部には一定間隔で複数の冷風吹き
出し口22が設けられており、冷房装置(図示せず)か
らの冷風を、栽培室内に導く。冷風吹き出し口22は、
側壁の上から1/2の高さより高い位置、好ましくは1
/3より高い位置、より好ましくは1/4より高い位置
に設けられている。かかる位置に設けると、冷気が室内
を下降するため、室内全体をより速く目的温度にするこ
とができる。
【0040】天井面には菌床に散水を行うためのスプリ
ンクラー(図示せず)が一定間隔で設けられている。
【0041】床面には、菌床保持装置を移動させるため
のレール24が長手方向に二組敷設されている。
【0042】尚、栽培室には採光のために耐候性の材料
からなる透明窓25が設けられていることが好ましく、
更に最適な露光量を調整するための開閉可能な遮光シー
トが設けられることが好ましい。
【0043】次に、本発明の菌床保持装置1の使用形態
を説明する。なお、本使用形態においては、シイタケを
栽培する場合について説明するが、本発明の菌床保持装
置は、シイタケ栽培のためのものに限定されず、栽培可
能なあらゆるキノコの栽培に用いることができる。
【0044】図7に示すように、栽培室内のレール24
上に図1の菌床保持装置を34個設置する。図中、23
は作業用の領域を確保するためのサービスヤードであ
る。また、栽培室側部の矢印は冷暖房の吹き出し口を示
す。各菌床保持装置の菌床保持具の菌床固定部材に、菌
床を刺し、固定する。この時、培養工程と同じ配向で菌
床をセットするのが好ましい。これにより、例えば38
4×34個(従来の1.5倍)の菌床を栽培室内で保持
することができる。菌床保持装置1の設置数は上記に限
定されない。好ましくは、各レールに菌床保持装置1個
分のスペースを残して菌床保持装置をできるだけ多く詰
めて設置するのが好ましい。
【0045】栽培中は、暖房装置26及び冷房装置27
を用いて、栽培室内をシイタケの発生及び生育に適した
温度に調節する。また、必要に応じてスプリンクラーか
ら散水し、菌床の湿り気をキノコの発生に適した状態に
保つ。
【0046】この栽培室においては、戸外の風により、
稜部に設けた風下方向に開口する窓から外へと向かう気
流が生じ、さらにこれが栽培室吸気口から稜部開口へ、
即ち、栽培室側壁部下方から上方への空気の流れを生じ
させるため、キノコの発生に害となるCO2等が栽培室
下部に溜まりにくいが、戸外で風がない場合や、風向き
が通常と異なる場合は、稜部の窓に設けた換気扇を駆動
することにより、栽培室内に常に下方から上方への気流
を生じさせる。
【0047】キノコの生育状況及び収穫時期のチェック
は、各菌床保持装置の片側または間に立ち、必要に応じ
て、菌床保持具及び菌床自体を回動させながら行う。一
つの菌床保持装置の菌床のチェックが全て終わったら、
菌床保持装置1をレール23に沿って移動させ、次の菌
床保持装置の菌床をチェックする。例えば、菌床保持装
置1aのサービスヤード側に立ち、そのサービスヤード
側の菌床保持具にセットされた菌床についての作業が完
了したら、菌床保持装置1aをBの方向に移動させる。
次に、これにより生じた菌床保持装置1aと1bの間の
空間に立ち、菌床保持装置1aの反対側の菌床保持具に
セットされた菌床及び菌床保持装置1bのサービスヤー
ド側の菌床保持具にセットされた菌床の作業を行う。こ
のように、菌床保持装置を一方向に順送りしていくこと
により、栽培室内の全ての菌床をチェックすることがで
きる。特定の菌床保持装置の菌床が過乾燥した場合に
は、垂直配管8の連結具9に水道等の水供給手段に連結
した水供給管を連結し、水を送り、菌床を加湿する。
【0048】キノコは、一番高い商品価値の出る時期に
至ったものから収穫していく。
【0049】このように、発生と収穫を数サイクル繰り
返して行くと、菌床が消耗し発生が起こりにくくなるこ
とがある。
【0050】この場合、垂直配管8の連結具9に水道等
の水供給手段に連結した水供給管を連結し、水を送った
り、栄養剤供給手段に連結した栄養剤供給管を連結し、
栄養剤を送ることにより、発生を促す。
【0051】さらに、菌床保持装置のフレームを叩き、
振動を与えることによりキノコの発生を促すこともでき
る。この場合、本発明のフレームに菌床保持具を取り付
けた構成の菌床保持具は、振動を与えた際の減衰が少な
いため、菌床に効果的に振動を送ることができる。
【0052】キノコの発生が完了した後、菌床保持装置
の垂直配管に水供給官を連結し、高圧で水を供給する
と、菌床固定手段の先端開口から噴出する水の勢いで、
菌床が床面に落ちる。これにより、使用済みの菌床を一
時に回収することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の菌床保持装置によると、従来の
多段棚に比べて菌床間の空気の流通が良くなるため、単
位面積当たりにセットできる菌床の数を多くすることが
できる。従って、栽培室の単位面積当たりの生産量が大
幅に増加する。
【0054】また、空気の流通が良いため、病害などを
最小限に抑えることができる。
【0055】また、本発明の菌床保持装置は、菌床をア
ームにより空中で保持するものであるため、棚板のよう
な障害物がなく、菌床の位置による環境の違いが少な
く、散水効率も高い。
【0056】また、棚からの滴りなどにより部分的に湿
度過多となる可能性が低いため、天地替えのような面倒
な作業を行うことなく、品質の良好なキノコを栽培する
ことができる。
【0057】また、本発明において、回動自在の菌床支
持具を用いた場合には、発生状況のチェック、収穫等の
チェックがさらに容易になり、結果として、質の高いキ
ノコを少ない労力で、低コストで生産することが可能に
なる。
【0058】このように、本発明の菌床保持装置によ
り、単位面積当たりの生産量が増加し、また、発育状況
のチェック、収穫等の作業が容易になることにより、不
良品の発生率が低くなると共に、商品価値の高いキノコ
をより多く収穫することができるようになるため、一定
規模の栽培において、従来に比べて著しく高い利益を得
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の菌床保持装置を示す概略斜
視図である。
【図2】図1の菌床保持装置の菌床保持具を示す概略縦
断面図である。
【図3】図1の菌床保持装置の菌床保持具を概略斜視図
である。
【図4】本発明の他の実施例の菌床保持装置の菌床固定
部材を示す側面図である。
【図5】図4の菌床固定部材のA−A拡大断面図であ
る。
【図6】本発明の菌床保持装置を設置する栽培室におけ
る空気の流れを示す説明図である。
【図7】図6の栽培室の配置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 菌床保持装置 3 菌床保持具 7 配管 11 基部 12 アーム 13 菌床固定部材 30 菌床

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースに立設されたフレームと該フレーム
    に取り付けられた菌床保持具とを含み、該菌床保持具
    が、該フレームに取り付けられた基部と、該基部から略
    水平且つ放射状に配設された複数のアームと、各アーム
    の自由端に設けられた菌床固定部材からなることを特徴
    とする菌床保持装置。
  2. 【請求項2】前記菌床保持具が前記フレームに対して回
    動自在であることを特徴とする請求項1記載の菌床保持
    装置。
  3. 【請求項3】前記菌床固定部材が、菌床の底面に差し込
    むことにより菌床を固定し得る針状体または円錐体であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の菌床保持装
    置。
  4. 【請求項4】前記フレームが、ベースに立設された2以
    上の垂直支持棒と、該支持棒に取り付けられた複数段の
    枠体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    に記載の菌床保持装置。
  5. 【請求項5】前記フレームが、水平に配設された配管を
    含み、前記菌床保持具が該配管に取り付けられ、前記基
    部、前記アーム及び前記菌床固定部材が中空であり、前
    記配管から前記菌床固定部材の先端の開口まで通じる通
    路が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1に記載の菌床保持装置。
  6. 【請求項6】床面に敷設されたレールと前記レール上を
    走行する複数の菌床を保持する菌床保持ユニットとを備
    え、前記レール上に作業用の所定の空隙を残して多数の
    前記菌床保持ユニットを配置してなる栽培室であって、
    前記菌床保持ユニットとして請求項1〜5のいずれか1
    に記載の菌床保持装置を用いたことを特徴とする栽培
    室。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102422778A (zh) * 2011-10-10 2012-04-25 山西澳坤量子农业科技有限公司 食用菌栽培用出菇架
KR20200143761A (ko) * 2019-06-17 2020-12-28 김사무엘 표고버섯 재배장치
CN112772271A (zh) * 2019-11-11 2021-05-11 苏州荣世吉自动化设备有限公司 一种食用菌培育方法
WO2023074666A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 国立研究開発法人森林研究・整備機構 振動を用いたキノコ類の栽培技術

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