JP2001078387A - 流体軸受モータ - Google Patents

流体軸受モータ

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JP2001078387A
JP2001078387A JP25098899A JP25098899A JP2001078387A JP 2001078387 A JP2001078387 A JP 2001078387A JP 25098899 A JP25098899 A JP 25098899A JP 25098899 A JP25098899 A JP 25098899A JP 2001078387 A JP2001078387 A JP 2001078387A
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JP
Japan
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thrust
base
thrust flange
rotor
shaft
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JP25098899A
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English (en)
Inventor
Shigeo Obata
茂雄 小幡
Kaoru Matsuoka
薫 松岡
Masafumi Omura
雅史 尾村
Hiroshi Inoue
洋 井上
Hiromichi Inomata
拓道 猪又
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラストフランジなどスラスト軸受部部品の
精度が悪くても、起動停止時や回転中の衝撃でスラスト
部での金属摩耗や軸受寿命を損なわない流体軸受モータ
を提供することを目的とする。 【解決手段】 軸回転型においては、ハブ4をベース2
6の平面26bとスラストフランジ21との間の隙間を
小さくする方向に付勢するように、ベース26に取り付
けられた電機子鉄心12の中心とハブ4に取り付けられ
た磁石11の中心とをずらして構成し、付勢力は回転側
の合計重量よりも大きく設定し、モータの停止時にはス
ラストフランジ21はベース26上の平面26bに当接
し、回転するに伴い、スラストフランジ21とベース2
6との間に塗布したオイルは動圧を発生しベース26に
対して浮上して非接触で回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置、フロッピー
(登録商標)ディスク装置などに使用されて、ディスク
状記録媒体を載置してこれに記録または再生するディス
ク状記録媒体を回転駆動する流体軸受モータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上記のディスク状媒体装置は、こ
れを搭載する機器の小型化軽量化に伴い、特にディスク
状媒体装置の薄型化と大容量化とコストダウンが強く要
望されている。図15,図16はハードディスク装置に
おける従来の流体軸受モータを示す。
【0003】図15の流体軸受モータは軸回転型で、モ
ータを機器に固定する回転軸支承部であるベース26に
は、固定子巻線用鉄心12が固着されている。この固定
子巻線用鉄心12には電機子コイル13が複数相にわた
って巻回されている。ベース26には所定の微小空隙を
介してシャフト20が回転自在に支承されている。この
シャフト20とベース26との間の微小空隙にはオイル
(図示せず)が封止されている。
【0004】シャフト20が挿入されるベース26のラ
ジアル軸受部孔26aの内周部には、動圧発生用溝(図
示せず)が複数本設けられている。また、シャフト20
の下端にはスラストフランジ21がねじ25によって固
着してある。このスラストフランジ21の両面には動圧
発生用溝(図示せず)が複数本設けられている。そして
ベース26の下側開放端はスラストプレート22によっ
て閉鎖されている。ここでベース26とスラストフラン
ジ21の上側平面部との間、およびスラストフランジ2
1とスラストプレート22との間にもオイルが塗布して
ある。
【0005】なお、ここではスラストフランジ21が対
向するベース26の面を平面26bと定義する。またス
ラストプレート22が固着されるベース26の面を平面
26cと定義する。平面26bと平面26cの段差H1
は、スラストフランジ21の厚みH2に対して数μm〜
数10μmだけ大きく設定してある。また、シャフト2
0にはカップ形状のハブ4が圧入されている。このハブ
4には磁気ディスク(図示せず)が固定される。ハブ4
の内周にはバックヨーク10を介して回転磁石11が前
記の固定子巻線用鉄心12と対向するように固着してあ
る。
【0006】このように構成された従来の流体軸受モー
タについて、その動作を説明する。複数相よりなる電機
子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順次通
電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左手の
法則に従うトルクが発生する。これにより、回転磁石1
1,バックヨーク10、ハブ4よりなる一体的回転構造
物は回転を開始する。
【0007】ここでシャフト20とベース26との間に
封止したオイル、スラストフランジ21とベース26と
の間に塗布したオイル、及びスラストフランジ21とス
ラストプレート22との間に塗布したオイルは、前記一
体的回転構造物が回転するに伴い、図示しないそれぞれ
の動圧発生用溝にて動圧を発生し、一体的回転構造物を
ベース26に対して浮上させる。これによって、前記一
体的回転構造物はベース26に対して非接触で回転する
ことが可能になる。
【0008】図16は従来のハードディスク装置におけ
るスピンドルモータの第2の構成を示す。図16の流体
軸受モータは軸固定型で、モータを機器に固定する回転
軸支承部であるベース26には、固定子巻線用鉄心12
が固着されている。この固定子巻線用鉄心12には電機
子コイル13が複数相にわたって巻回されている。また
ベース26にはシャフト20が圧入固定されている。こ
のシャフト20には所定の微小空隙を介して回転軸受部
材であるハブ4が回転自在に支承されている。シャフト
20とハブ4との間の微小空隙にはオイル(図示せず)
が封止されている。
【0009】更にハブ4のラジアル軸受部孔4aの内周
部には、動圧発生用溝(図示せず)が複数本設けられて
いる。シャフト20の上端にはスラストフランジ21が
ねじ25によって固着してある。このスラストフランジ
21の両面には動圧発生用溝(図示せず)が複数本設け
られている。そしてハブ4の上側開放端はスラストプレ
ート22によって閉鎖されている。ここでハブ4とスラ
ストフランジ21の上側平面部との間および、スラスト
フランジ21とスラストプレート22との間にもオイル
が塗布してある。
【0010】なお、ここではスラストフランジ21が対
向するハブ4の面を平面4bと定義する。またスラスト
プレート22が固着されるハブ4の面を平面4cと定義
する。平面4bと平面4cの段差H1は、スラストフラ
ンジ21の厚みH2に対して数μm〜数10μmだけ大
きく設定してある。また、ハブ4には磁気ディスク(図
示せず)が固定される。ハブ4の内周にはバックヨーク
10を介して回転磁石11が前記の固定子巻線用鉄心1
2と対向するように固着してある。
【0011】以上のように構成された従来の流体軸受モ
ータについて、その動作を説明する。複数相よりなる電
機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順次
通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左手
の法則に従うトルクが発生する。これにより、回転磁石
11,バックヨーク10、ハブ4よりなる一体的回転構
造物は回転を開始する。
【0012】ここでシャフト20とハブ4との間に封止
したオイル、スラストフランジ21とハブ4との間に塗
布したオイル、及びスラストフランジ21とスラストプ
レート22との間に塗布したオイルは、前記一体的回転
構造物が回転するに伴い、図示しないそれぞれの動圧発
生用溝にて動圧を発生し、一体的回転構造物をシャフト
20、スラストフランジ21に対して浮上させる。これ
によって、前記一体的回転構造物はシャフト20、スラ
ストフランジ21に対して非接触で回転することが可能
になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の流体
軸受モータでは、動圧は前記一体的回転構造物の回転速
度にほぼ比例した値を得るので、起動停止時などに回転
数が低下したときにはラジアル軸受部及びスラスト軸受
部で金属接触しやすくなる。この金属接触は軸受部の摩
耗につながるため、可能な限りさけることが信頼性確保
の上では重要になる。そのためには、金属接触部の表面
粗さの低減、軸受部の形状精度の向上が必要になる。こ
こでいう形状精度は、 (1)ベース26(ハブ4)のラジアル軸受部孔26a
(平面4a)の真円度、直径、円筒度。
【0014】(2)ベース26(ハブ4)のスラストフ
ランジ21に対向する平面26b(平面4b)の平面
度、垂直度。 (3)ベース26(ハブ4)のスラストプレート22を
固着する平面26c(平面4c)の平面度、垂直度、段
差H1。 (4)シャフト20の直径、真円度、円筒度。
【0015】(5)シャフト20下端面の垂直度、平面
度。 (6)スラストフランジ21の厚みH2、平行度、平面
度。 (7)スラストプレート22の平行度。 などが挙げられる。これらは1μm以下の精度を確保し
ないと、軸受性能を満足することができない。
【0016】ここで、上記(1)〜(3)のベース2
6、ハブ4にまつわる精度はNC制御方式の旋盤を用い
ることで比較的容易に確保できる。また(4)(5)の
シャフト20まつわる精度もセンタレス研削盤などの加
工により確保できる。しかし、(6)(7)のスラスト
フランジ21、スラストプレート22にまつわるもの
は、これらが平面研削盤を用いて加工されるために、す
べての項目の精度を同時に確保することは極めて困難と
なる。とりわけ、スラストフランジ21の平行度と厚み
H2は精度が確保しにくい。
【0017】その結果、ラジアル軸受部の加工精度は比
較容易に確保できるものの、スラスト軸受部の加工精度
をすべて同時に満足することは極めて困難になり、起動
停止時には、特にスラストフランジ21とスラストプレ
ート22との間で金属接触する時間が長くなり、それだ
け製品の寿命を損なうことになる。また、加工精度を満
足できたとしても歩留まりが低下しやすく、コストアッ
プや生産性低下を招く。
【0018】また、ベース26の段差H1とスラストフ
ランジ21の厚みH2の差を数μm〜数10μmに設定
してあるが、この理由は次の2つである。 (a)スラストフランジ21と、スラストプレート22
及びベース26(ハブ4)間のそれぞれのスラスト浮上
力を同時に発生すること。 (b)このモータを搭載した機器を使用中(モータの回
転中)に縦方向の強い加振力が印加されたとき、ベース
26に対して一体的回転構造物が上下に大きく移動する
と機器の性能を著しく劣化する場合があるために、これ
を防止すること。
【0019】ここで、ベース26(ハブ4)の平面26
b(平面4b)に対向するスラストフランジ21は、シ
ャフト20の垂直度、スラストフランジ21の平面度が
比較的容易に確保されるため、回転中に加振力が加わっ
て互いに一瞬金属接触状態になっても、面接触状態に近
いので面圧が大きくならないので、平面26bにおいて
大きな摩耗はない。
【0020】一方、スラストフランジ21の平行度が悪
いと、回転中に加振力が加わって一瞬の金属接触状態に
なった時に、その相対周速度が大きい外周部がスラスト
フランジ22と線接触状態になり、極めて大きな面圧を
発生することになり、摩耗を生ずる。ここで摩耗が生ず
ると、スラストフランジ21とスラストプレート22と
の間のスラスト軸受が性能を発揮できなくなり、浮上特
性が劣化することで常時の金属接触を生ずることにな
る。このような事態に陥ると、寿命を著しく短縮するこ
とにつながってしまう。
【0021】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、スラストフランジ21の
平行度、厚み精度が10μm程度と悪くても軸受性能を
満足することができることで金属接触を防止することが
でき、コストダウンを図りつつ十分な信頼性を確保する
ことができる軸回転型の流体軸受モータを提供すること
を目的とする。
【0022】またこの発明は、上記のような問題点を解
決するためになされたものであり、強い加振力が印加さ
れたときに、スラストフランジ21の精度が悪く金属接
触が生じても、スラスト軸受部の信頼性劣化につながら
ない軸受を具備した軸回転型の流体軸受モータを提供す
ることを目的とする。またこの発明は、上記のような問
題点を解決するためになされたものであり、スラストフ
ランジ21の平行度、厚み精度が10μm程度と悪くて
も軸受性能を満足することができることで金属接触を防
止することができ、コストダウンを図りつつ十分な信頼
性を確保することができる軸固定型の流体軸受モータを
提供することを目的とする。
【0023】またこの発明は、上記のような問題点を解
決するためになされたものであり、強い加振力が印加さ
れたときに、スラストフランジ21の精度が悪く金属接
触が生じても、スラスト軸受部の信頼性劣化につながら
ない軸受を具備した軸固定型の流体軸受モータを提供す
ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の流体軸受モータ
は、回転停止状態で、軸回転型流体軸受モータにおいて
は回転子をベースの平面とスラストフランジとの間の隙
間を小さくする方向に磁気的に付勢し、軸固定型流体軸
受モータにおいては回転子を回転子の平面とスラストフ
ランジとの間の隙間を小さくする方向に磁気的に付勢す
る付勢力発生手段を備えたことを特徴とする。
【0025】この構成によると、スラストフランジの平
行度、厚み精度が10μm程度と悪くても軸受性能を満
足することができるので金属接触を防止することがで
き、コストダウンを図りつつ十分な信頼性を確保するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】請求項1記載の流体軸受モータ
は、ベースに形成されたラジアル軸受部に挿通したシャ
フトの一端側に前記ベースの側に取り付けられた電機子
鉄心と対向するように磁石を搭載した回転子を取り付
け、シャフトの他端側に前記ベースの平面と対向するス
ラストフランジが取り付けられ、前記ラジアル軸受部と
シャフトとの隙間および前記ベースの平面とスラストフ
ランジとの隙間にオイルを封止し、前記電機子鉄心から
発生すると対向する前記磁石との作用でトルクを発生す
る軸回転型流体軸受モータにおいて、前記回転子をベー
スの平面とスラストフランジとの間の前記隙間を小さく
する方向に磁気的に付勢する付勢力発生手段を備え、前
記付勢力発生手段により発生する付勢力は、少なくとも
前記回転子と前記シャフト及び前記スラストフランジの
合計重量よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0027】請求項2記載の流体軸受モータは、請求項
1において、スラストフランジに対向するようにベース
の側にスラスト規制板が取り付けられ、スラストフラン
ジまたは前記スラスト規制板の少なくともいずれか一方
に他方に向かって突出した凸部を形成したことを特徴と
する。請求項3記載の流体軸受モータは、基端部がベー
スに植立したシャフトを回転子のラジアル軸受部に挿通
し、前記回転子に前記ベースの側に取り付けられた電機
子鉄心と対向するように磁石を搭載し、シャフトの先端
側に前記回転子の平面と対向するスラストフランジが取
り付け、前記ラジアル軸受部とシャフトとの隙間および
前記回転子の平面とスラストフランジとの隙間にオイル
を封止し、前記電機子鉄心から発生すると対向する前記
磁石との作用でトルクを発生する軸固定型流体軸受モー
タにおいて、前記回転子を回転子の平面とスラストフラ
ンジとの間の前記隙間を小さくする方向に磁気的に付勢
する付勢力発生手段を備え、前記付勢力発生手段により
発生する付勢力は、少なくとも前記回転子の側の重量よ
りも大きく設定したことを特徴とする。
【0028】請求項4記載の流体軸受モータは、請求項
3において、スラストフランジに対向するように回転子
の側にスラスト規制板が取り付けられ、スラストフラン
ジまたは前記スラスト規制板の少なくともいずれか一方
に他方に向かって突出した凸部を形成したことを特徴と
する。請求項5記載の流体軸受モータは、請求項1〜請
求項4の何れかにおいて、付勢力発生手段を、ベースに
取り付けられた電機子鉄心の中心と回転子に取り付けら
れた磁石の中心とをずらして構成したことを特徴とす
る。
【0029】請求項6記載の流体軸受モータは、請求項
1〜請求項4の何れかにおいて、付勢力発生手段を、ベ
ースに取り付けられた電機子鉄心の側に回転子に取り付
けられた磁石に吸い付く吸着体を取り付けて構成したこ
とを特徴とする。請求項7記載の流体軸受モータは、請
求項1〜請求項4の何れかにおいて、付勢力発生手段
を、ベースに取り付けられた電機子鉄心の中心と回転子
に取り付けられた磁石の中心とをずらして配置すると共
に、ベースに取り付けられた電機子鉄心の側に回転子に
取り付けられた磁石に吸い付く吸着体を取り付けて構成
したことを特徴とする。
【0030】請求項8記載の流体軸受モータは、請求項
2または請求項4において、凸部を、回転子の回転の中
心軸近傍に配設したことを特徴とする。以下、本発明の
各実施の形態を図1〜図14に基づいて説明する。な
お、以下の説明では、従来例との比較を容易なものとす
るために、ハードディスク装置を例示して説明する。
【0031】〔実施の形態1〕図1と図2は本発明の
〔実施の形態1〕を示す。図1は軸回転型の流体軸受モ
ータで、モータを機器に固定する回転軸支承部であるベ
ース26には、固定子巻線用鉄心12が固着されてい
る。この固定子巻線用鉄心12には電機子コイル13が
複数相にわたって巻回されている。
【0032】ベース26には、所定の微小空隙を介して
シャフト20が回転自在に支承されている。このシャフ
ト20とベース26との間の微小空隙にはオイル(図示
せず)が封止されている。シャフト20が挿入されるベ
ース26のラジアル軸受部孔26aの内周部には、動圧
発生用溝(図示せず)が複数本設けられている。シャフ
ト20の下端には、スラストフランジ21がねじ25に
よって固着してある。このスラストフランジ21の上面
には、動圧発生用溝(図示せず)が複数本設けられてい
る。ベース26とスラストフランジ21の上側平面部と
の間にもオイルが塗布してある。
【0033】なお、ここではスラストフランジ21が対
向するベース26側の面を平面26bと定義する。この
平面26bに接する円筒面は撥油剤塗布部29であり、
フッ素系有機化合物を揮発性溶剤に溶解させた撥油剤を
塗布し、その後に乾燥させることによりオイルがモータ
よりにじみ出さないようにしている。また、シャフト2
0にはカップ形状のハブ4が圧入されている。このハブ
4には磁気ディスク(図示せず)が固定される。ハブ4
の内周にはバックヨーク10を介して回転磁石11が固
着してある。
【0034】電機子コイル13の外周には、付勢力発生
手段としてのリング形状の吸引リング23が固着してあ
り、吸引リング23と回転磁石11との間にはスラスト
方向吸引力が発生する。このスラスト方向吸引力は、回
転磁石11,バックヨーク10、ハブ4及び磁気ディス
クなどを含んでなる一体的回転構造物の重量よりも大き
な値になるように吸引リング23の位置と形状を設定し
ている。
【0035】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより一体的回
転構造物は回転を開始する。モータの停止時には、吸引
リング23と回転磁石11との間で発生するスラスト方
向磁気吸引力により、前記一体的回転構造物は上方〔矢
印A方向〕に吸着されるので、スラストフランジ21は
ベース26上の平面26bに当接している。
【0036】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とベース26との間に封止したオイ
ル、スラストフランジ21とベース26との間に塗布し
たオイルは、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動
圧を発生し、一体的回転構造物をベース26に対して浮
上させる。これによって、前記一体的回転構造物はベー
ス26に対して非接触で回転することが可能になる。
【0037】ここで、従来例においてはスラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
ができる。
【0038】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが
可能になる。また、吸引リング23と回転磁石11との
間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の重
量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータが
停止した状態で平面26bとスラストフランジ21との
間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にすること
が可能になる。このように設定すると、モータの起動停
止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うことが
可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図るこ
とが可能になる。
【0039】なお、吸引リング23は円筒形状とした
が、図2に示すように平板状リング形状としてもよい。 〔実施の形態2〕図3は本発明の〔実施の形態2〕を示
す。図3は軸回転型の流体軸受モータで、この実施の形
態における付勢力発生手段は、回転磁石11と固定子巻
線用鉄心12の高さ方向中心位置を互いにずらすことで
構成している。
【0040】ここでは、回転磁石11は固定子巻線用鉄
心12の中心よりもΔHだけ下側に位置している。ここ
でスラスト吸引力は一体的回転構造物の重量以上になる
ようにΔHを設定してある。また、オイル漏れ防止のた
めに、ベース26にはスラストカバー30を接着固定し
ている。ここでスラストフランジ21の厚みH2に対し
て、ベース26とスラストカバー30との間の隙間H1
は0.1〜0.2mm程度大きくしてあり、スラストカ
バー30とスラストフランジ21とが互いに接触するこ
とはない。
【0041】なお、このスラストカバー30は、比較的
緩やかな加工精度でも許容されるため、成形樹脂部品な
どの低コストの部品を用いることができる。それ以外の
各部は〔実施の形態1〕と同様であるので、それらの重
複した説明は省略する。このように構成したため、複数
相よりなる電機子コイル13に回転磁石11の回転位相
に応じて順次通電を行うと、回転磁石11との間でフレ
ミングの左手の法則に従うトルクが発生する。これによ
り一体的回転構造物は回転を開始する。
【0042】モータの停止時には、固定子巻線用鉄心1
2と回転磁石11との間で発生するスラスト方向磁気吸
引力により、前記一体的回転構造物は上方〔矢印A方
向〕に吸着されるので、スラストフランジ21はベース
26上の平面26bに当接している。ここで前記一体的
回転構造物が回転するに伴い、シャフト20とベース2
6との間に封止したオイル、スラストフランジ21とベ
ース26との間に塗布したオイルは、図示しないそれぞ
れの動圧発生用溝にて動圧を発生し、一体的回転構造物
をベース26に対して浮上させる。これによって、前記
一体的回転構造物はベース26に対して非接触で回転す
ることが可能になる。
【0043】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0044】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能/信頼性を得ることが
可能になる。また、固定子巻線用鉄心12と回転磁石1
1との間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造
物の重量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モ
ータが停止した状態で平面26bとスラストフランジ2
1との間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にす
ることが可能になる。このように設定すると、モータの
起動停止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行う
ことが可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を
図ることが可能になる。
【0045】〔実施の形態3〕図4は本発明の〔実施の
形態3〕を示す。図4は軸回転型の流体軸受モータで、
この実施の形態における付勢力発生手段は、〔実施の形
態2〕と同じように回転磁石11と固定子巻線用鉄心1
2の高さ方向中心位置を互いにずらすことで構成してい
る。すなわち、回転磁石11は固定子巻線用鉄心12よ
りもΔHだけ下側に位置する。ここでスラスト吸引力は
一体的回転構造物の重量以上になるようにΔHを設定し
てある。
【0046】さらに、この〔実施の形態3〕ではスラス
トフランジ21の回転中心軸近傍にリング状の凸部27
を設けている点が〔実施の形態2〕とは異なっている。
そしてこのスラストフランジ21に対向してスラスト規
制板28を配設してある。ここで図のH1,H2の関係
はH1−H2=0.05〜0.3mm程度になるように
設定している。この凸部27の形成は研削盤などを用い
ても良いし、H2なる厚みを有する平板材料からエッチ
ングなどによって形成しても良い。それ以外の各部は
〔実施の形態2〕と同様であるので、それらの重複した
説明は省略する。
【0047】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより一体的回
転構造物は回転を開始する。モータの停止時には、固定
子巻線用鉄心12と回転磁石11との間で発生するスラ
スト方向磁気吸引力により、前記一体的回転構造物は上
方〔矢印A方向〕に吸着されるので、スラストフランジ
21がベース26上の平面26bに当接している。
【0048】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とベース26との間に封止したオイ
ル、スラストフランジ21とベース26との間に塗布し
たオイルは、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動
圧を発生し、一体的回転構造物をベース26に対して浮
上させる。これによって、前記一体的回転構造物はベー
ス26に対して非接触で回転することが可能になる。
【0049】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0050】モータの回転中に強い加振力が印加された
場合は、一体的回転構造物は一瞬図の下側方向に移動し
て、その結果、スラストフランジ21上に設けた凸部2
7がスラスト規制板28に当接する。そして加振力が解
除されたときには再びスラスト吸引力によって一体的回
転構造物は図の上方向位置に復帰する。ここで前記凸部
27は回転中心軸近傍に設けてあるので、相対周速度が
低いので、例えスラスト規制板28と接触しても大きな
金属摩耗を発生することはない。また、仮に金属摩耗が
発生しても、スラスト軸受部に直接摩耗粉が入り込む確
率は低いので、軸受寿命に悪影響を及ぼさない。
【0051】また、従来例においては、スラストフラン
ジ21に対向するスラストプレート22はスラスト軸受
を構成する必要があるために、平面度が1μm程度にな
るように加工する必要があったが、本実施の形態におい
てスラストフランジ21に対向するスラスト規制板28
は単に一体的回転構造物のスラスト方向への移動を規制
するための部材にすぎないので、10μm程度の平面度
を確保すればよいので、低コストな部品を用いることが
可能になる。
【0052】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能/信頼性を得ることが
可能になる。また、固定子巻線用鉄心12と回転磁石1
1との間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造
物の重量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モ
ータが停止した状態で平面26bとスラストフランジ2
1との間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にす
ることが可能になる。このように設定すると、モータの
起動停止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行う
ことが可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を
図ることが可能になる。
【0053】〔実施の形態4〕図5は本発明の〔実施の
形態4〕を示す。図5は軸回転型の流体軸受モータで、
モータを機器に固定する回転軸支承部であるベース26
には、エッチングなどの工法によって形成され複数相か
らなる電機子コイル13が固着されている。ベース26
には所定の微小空隙を介してシャフト20が回転自在に
支承されている。
【0054】このシャフト20とベース26との間の微
小空隙にはオイル(図示せず)が封止されている。シャ
フト20が挿入されるベース26のラジアル軸受部孔2
6aの内周部には、動圧発生用溝(図示せず)が複数本
設けられている。シャフト20の下端にはスラストフラ
ンジ21がねじ25によって固着してある。このスラス
トフランジ21の上面には動圧発生用溝(図示せず)が
複数本設けられている。ここでベース26とスラストフ
ランジ21の上側平面部との間にもオイルが塗布してあ
る。
【0055】また、〔実施の形態2〕と同様に、スラス
トフランジ21に対向してスラストカバー30をベース
26に固着して、オイル漏れを防止している。シャフト
20にはカップ形状のハブ4が圧入されている。このハ
ブ4には磁気ディスク(図示せず)が固定される。ハブ
4の内周にはバックヨーク10を介して回転磁石11が
固着してある。
【0056】ハブ4には、磁気回路を閉じるためのサブ
ロータ24が固着されており、これによって磁気漏洩を
防止すると同時に電機子コイル13に鎖交する磁束を強
めている。電機子コイル13の上には付勢力発生手段と
してのリング形状の吸引リング23が固着してある。こ
こで吸引リング23と回転磁石11との間にはスラスト
方向吸引力が発生する。このスラスト方向吸引力は、回
転磁石11,バックヨーク10,サブロータ24,ハブ
4及び磁気ディスクなどを含んでなる一体的回転構造物
の重量よりも大きな値になるように吸引リング23の位
置と形状を設定している。
【0057】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより一体的回
転構造物は回転を開始する。モータの停止時には、吸引
リング23と回転磁石11との間で発生するスラスト方
向磁気吸引力により、前記一体的回転構造物は上方〔矢
印A方向〕に吸着されるので、スラストフランジ21が
ベース26上の平面26bに当接している。
【0058】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とベース26との間に封止したオイ
ル、スラストフランジ21とベース26との間に塗布し
たオイルは、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動
圧を発生し、一体的回転構造物をベース26に対して浮
上させる。これによって、前記一体的回転構造物はベー
ス26に対して非接触で回転することが可能になる。
【0059】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0060】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能/信頼性を得ることが
可能になる。また、吸引リング23と回転磁石11との
間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の重
量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータが
停止した状態で平面26bとスラストフランジ21との
間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にすること
が可能になる。このように設定すると、モータの起動停
止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うことが
可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図るこ
とが可能になる。
【0061】〔実施の形態5〕図6は本発明の〔実施の
形態5〕を示す。図6は軸回転型の流体軸受モータで、
スラストフランジ21の回転中心軸近傍にはピボット状
の凸部27を設けている。そしてこのスラストフランジ
21に対向してスラスト規制板28を配設してある点だ
けが、〔実施の形態4〕とは異なっている。
【0062】ここで図のH1,H2の関係はH1−H2
=0.05〜0.3mm程度になるように設定してい
る。この凸部27の外周部にはスラッジ溜まり部31が
形成してある。この凸部27及びスラッジ溜まり部31
の形成は、研削盤などを用いても良いし、またH2なる
厚みを有する平板材料からエッチングなどによって形成
しても良い。
【0063】この〔実施の形態5〕のスラストフランジ
21には、ねじ部25aが一体に形成されており、ねじ
部25aをシャフト20に螺合させてスラストフランジ
21がシャフト20に固着されている。それ以外の各部
は〔実施の形態4〕と同様であるので、それらの重複し
た説明は省略する。このように構成したため、複数相よ
りなる電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応
じて順次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミン
グの左手の法則に従うトルクが発生する。これにより一
体的回転構造物は回転を開始する。
【0064】モータの停止時には、固定子巻線用鉄心1
2と回転磁石11との間で発生するスラスト方向磁気吸
引力により、前記一体的回転構造物は上方〔矢印A方
向〕に吸着されるので、スラストフランジ21がベース
26上の平面26bに当接している。ここで前記一体的
回転構造物が回転するに伴い、シャフト20とベース2
6との間に封止したオイル、スラストフランジ21とベ
ース26との間に塗布したオイルは、図示しないそれぞ
れの動圧発生用溝にて動圧を発生し、一体的回転構造物
をベース26に対して浮上させる。これによって、前記
一体的回転構造物はベース26に対して非接触で回転す
ることが可能になる。
【0065】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0066】また、モータの回転中に強い加振力が印加
された場合は、一体的回転構造物は一瞬図の下側方向に
移動して、その結果スラストフランジ21上に設けた凸
部27がスラスト規制板28に当接する。そして加振力
が解除されたときには再びスラスト吸引力によって一体
的回転構造物は図の上方向位置に復帰する。ここで前記
凸部27は回転中心軸近傍に設けてあるので、相対周速
度が低いのでたとえスラスト規制板28と接触しても、
大きな金属摩耗を発生することはない。また仮に金属摩
耗が発生しても、スラストフランジ21上に設けたスラ
ッジ溜まり部31によって摩耗粉をトラップするので、
スラスト軸受部に直接摩耗粉が入り込む確率はより低く
なるので、軸受寿命に悪影響を及ぼさない。
【0067】また、従来例においては、スラストフラン
ジ21に対向するスラストプレート22はスラスト軸受
を構成する必要があるために、平面度が1μm程度にな
るように加工する必要があったが、本実施の形態におい
てスラストフランジ21に対向するスラスト規制板28
は単に一体的回転構造物のスラスト方向への移動を規制
するための部材にすぎないので、10μm程度の平面度
を確保すればよいので、低コストな部品を用いることが
可能になる。従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが
可能になる。
【0068】また、吸引リング23と回転磁石11との
間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の重
量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータが
停止した状態で平面26bとスラストフランジ21との
間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にすること
が可能になる。このように設定すると、モータの起動停
止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うことが
可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図るこ
とが可能になる。
【0069】〔実施の形態6〕図7は本発明の〔実施の
形態6〕を示す。図7は軸回転型の流体軸受モータで、
スラストフランジ21に対向するスラスト規制板28の
回転中心軸近傍にはピボット状の凸部27を設けてい
る。なお、この凸部27の形成は研削盤などを用いても
良いし、またポリイミドなど摺動性の良い耐熱樹脂材料
などを用いても良い。
【0070】スラストフランジ21にはねじ部25aが
一体に形成されており、ねじ部25aをシャフト20に
螺合させてスラストフランジ21がシャフト20に固着
されている。スラスト方向への付勢力発生手段として、
磁性材料製のステータ基板32が電機子コイル13の上
方に配設してある。このステータ基板32は回転磁石1
1からの漏洩磁束をシールドし、かつ電機子コイル13
に鎖交する磁束量を強める役割を有する。
【0071】ここで発生するスラスト吸引力は、一体的
回転構造物の重量以上になるように設定している。それ
以外の各部は〔実施の形態4〕と同様であるので、それ
らの重複した説明は省略する。このように構成したた
め、複数相よりなる電機子コイル13に回転磁石11の
回転位相に応じて順次通電を行うと、回転磁石11との
間でフレミングの左手の法則に従うトルクが発生する。
これにより一体的回転構造物は回転を開始する。
【0072】モータの停止時には、ステータ基板32と
回転磁石11との間で発生するスラスト方向磁気吸引力
により、前記一体的回転構造物は上方〔矢印A方向〕に
吸着されるので、スラストフランジ21がベース26上
の平面26bに当接している。ここで前記一体的回転構
造物が回転するに伴い、シャフト20とベース26との
間に封止したオイル、スラストフランジ21とベース2
6との間に塗布したオイルは、図示しないそれぞれの動
圧発生用溝にて動圧を発生し、一体的回転構造物をベー
ス26に対して浮上させる。これによって、前記一体的
回転構造物はベース26に対して非接触で回転すること
が可能になる。
【0073】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にベース26の平面26bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0074】また、モータの回転中に強い加振力が印加
された場合は、一体的回転構造物は一瞬だけ下側方向に
移動して、その結果スラスト規制板28上に設けた凸部
27がスラストフランジ21に当接する。そして加振力
が解除されたときには再びスラスト吸引力によって一体
的回転構造物は図の上方向位置に復帰する。ここで前記
凸部27は回転中心軸近傍に設けてあり、その結果、相
対周速度が低いので、例えスラスト規制板28と接触し
ても大きな金属摩耗を発生することはない。またスラス
ト軸受部に直接に摩耗粉が入り込む確率は低いので、軸
受寿命に悪影響を及ぼさない。
【0075】また、従来例においてはスラストフランジ
21に対向するスラストプレート22はスラスト軸受を
構成する必要があるために、平面度が1μm程度になる
ように加工する必要があったが、本実施の形態において
スラストフランジ21に対向するスラスト規制板28
は、単に一体的回転構造物のスラスト方向への移動を規
制するための部材にすぎないので、10μm程度の平面
度を確保すればよいので、低コストな部品を用いること
が可能になる。従って、従来例の様な構成部品の高精度
化は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ること
が可能になる。
【0076】なお、ステータ基板32と回転磁石11と
の間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の
重量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータ
が停止した状態で平面26bとスラストフランジ21と
の間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にするこ
とが可能になる。このように設定すると、モータの起動
停止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うこと
が可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図る
ことが可能になる。
【0077】〔実施の形態7〕図8〜図10は本発明の
〔実施の形態7〕を示す。図8は軸固定型の流体軸受モ
ータで、モータを機器に固定するベース26には、固定
子巻線用鉄心12が固着されている。この固定子巻線用
鉄心12には電機子コイル13が複数相にわたって巻回
されている。ベース26にはシャフト20が圧入固定さ
れている。
【0078】このシャフト20には所定の微小空隙を介
して回転軸受部材であるハブ4が回転自在に支承されて
いる。このシャフト20とハブ4との間の微小空隙には
オイル(図示せず)が封止されている。ハブ4のラジア
ル軸受部孔4aの内周部には、動圧発生用溝(図示せ
ず)が複数本設けられている。シャフト20の上端には
スラストフランジ21がねじ25によって固着してあ
る。このスラストフランジ21の下面には動圧発生用溝
(図示せず)が複数本設けられている。ここでハブ4と
スラストフランジ21の下側平面部との間にもオイルが
塗布してある。そしてハブ4の上側開放端の内周円筒面
には、撥油剤塗布部29を設けて、オイル漏れを防止し
ている。
【0079】ハブ4には磁気ディスク(図示せず)が固
定される。またハブ4の内周にはバックヨーク10を介
して回転磁石11が固着してある。ここで電機子コイル
13の外周には、第1の付勢力発生手段としてのリング
形状の吸引リング23が固着してあり、吸引リング23
と回転磁石11との間で第1のスラスト吸引力を発生す
る。
【0080】さらに、回転磁石11と固定子巻線用鉄心
12の高さ方向中心位置を互いにずらすことで第2の付
勢力発生手段を構成している。ここでは、回転磁石11
は固定子巻線用鉄心12よりもΔHだけ下側に位置して
第2のスラスト吸引力を発生する。ここで第1,第2の
スラスト吸引力は一体的回転構造物の重量以上になるよ
うにΔHを設定してある。
【0081】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより、回転磁
石11,バックヨーク10,ハブ4よりなる一体的回転
構造物は回転を開始する。モータの停止時には、吸引リ
ング23、固定子巻線用鉄心12と回転磁石11との間
で発生するスラスト方向磁気吸引力により、前記一体的
回転構造物は上方に吸着されるので、ハブ4上の平面4
bがスラストフランジ21の下面に当接している。
【0082】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とハブ4との間に封止したオイル、
スラストフランジ21とハブ4との間に塗布したオイル
は、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動圧を発生
し、一体的回転構造物をシャフト20,スラストフラン
ジ21に対して浮上させる。これによって、前記一体的
回転構造物は非接触で回転することが可能になる。
【0083】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にハブ4の平面4bと面接触することが可能である。従
って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速やかに
行われるので、金属摩耗を最小限に抑制することが可能
になる。
【0084】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが
可能になる。また吸引リング23および固定子巻線用鉄
心12と回転磁石11との間で発生するスラスト吸引力
を、一体的回転構造物の重量の1倍強〜2倍弱になるよ
うに設定すると、モータが停止した状態で平面4bとス
ラストフランジ21との間での接触力は一体的回転構造
物の重量以下にすることが可能になる。このように設定
すると、モータの起動停止時にはスラスト方向への浮上
がより迅速に行うことが可能になり、金属摩耗をより低
減し、長寿命化を図ることが可能になる。
【0085】なお、図8においては吸引リング23は円
筒形状としたが、図9に示すように平板状リング形状と
してもよい。また図10に示すように回転磁石11と固
定子巻線用鉄心12の高さ方向中心位置を互いにずらす
ことのみでスラスト吸引力を発生する構成としても良
い。また図9と図10に示すように、ハブ4の上側開放
端はスラストカバー30によってオイル漏れを防止する
構成であっても良い。
【0086】〔実施の形態8〕図11は本発明の〔実施
の形態8〕を示す。図11は軸固定型の流体軸受モータ
で、この実施の形態における付勢力発生手段は、回転磁
石11と固定子巻線用鉄心12の高さ方向中心位置を互
いにずらすことで構成している。
【0087】すなわち、回転磁石11は固定子巻線用鉄
心12よりもΔHだけ下側に位置する。ここでスラスト
吸引力は一体的回転構造物の重量以上になるようにΔH
を設定してある。スラストフランジ21の回転中心軸近
傍にはリング状の凸部27を設けている。そしてこのス
ラストフランジ21に対向してスラスト規制板28を配
設してある。ここで図のH1,H2の関係はH1−H2
=0.05〜0.3mm程度になるように設定してい
る。この凸部27の形成は研削盤などを用いても良い
し、またH2なる厚みを有する平板材料からエッチング
などによって形成しても良い。それ以外の各部は〔実施
の形態7〕と同様であるので、それらの重複した説明は
省略する。
【0088】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより一体的回
転構造物は回転を開始する。モータの停止時には、固定
子巻線用鉄心12と回転磁石11との間で発生するスラ
スト方向磁気吸引力により、前記一体的回転構造物は上
方に吸着されるので、ハブ4上の平面4bがスラストフ
ランジ21の下面に当接している。
【0089】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とハブ4との間に封止したオイル、
スラストフランジ21とハブ4との間に塗布したオイル
は、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動圧を発生
し、一体的回転構造物を浮上させ非接触で回転させるこ
とが可能になる。ここで従来例においては、スラストフ
ランジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕
上げる必要があったが、本実施の形態におけるスラスト
フランジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停
止時にベース26の平面26bと面接触することが可能
である。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上
が速やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制する
ことが可能になる。
【0090】またモータの回転中に強い加振力が印加さ
れた場合は、一体的回転構造物は一瞬図の下側方向に移
動して、その結果スラストフランジ21上に設けた凸部
27がスラスト規制板28に当接する。そして加振力が
解除されたときには再びスラスト吸引力によって一体的
回転構造物は図の上方向位置に復帰する。ここで前記凸
部27は回転中心軸近傍に設けてあり、相対周速度が低
いので例えスラスト規制板28と接触しても、大きな金
属摩耗を発生することはない。また仮に金属摩耗が発生
しても、スラスト軸受部に直接に摩耗粉が入り込む確率
は低いので、軸受寿命に悪影響を及ぼさない。
【0091】また従来例においては、スラストフランジ
21に対向するスラストプレート22はスラスト軸受を
構成する必要があるために、平面度が1μm程度になる
ように加工する必要があったが、本実施の形態において
スラストフランジ21に対向するスラスト規制板28は
単に一体的回転構造物のスラスト方向への移動を規制す
るための部材にすぎないので、10μm程度の平面度を
確保すればよいので、低コストな部品を用いることが可
能になる。
【0092】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが
可能になる。また固定子巻線用鉄心12と回転磁石11
との間で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物
の重量の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モー
タが停止した状態で平面4bとスラストフランジ21と
の間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にするこ
とが可能になる。このように設定すると、モータの起動
停止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うこと
が可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図る
ことが可能になる。
【0093】〔実施の形態9〕図12は本発明の〔実施
の形態9〕を示す。図12は軸固定型の流体軸受モータ
で、モータを機器に固定するベース26には、エッチン
グなどの工法によって形成され複数相からなる電機子コ
イル13が固着されている。ベース26にはシャフト2
0が圧入固着してある。このシャフト20には所定の微
小空隙を介して回転軸受部材であるハブ4が回転自在に
支承されている。
【0094】このシャフト20とハブ4との間の微小空
隙にはオイル(図示せず)が封止されている。更にハブ
4のラジアル軸受部孔4aの内周部には、動圧発生用溝
(図示せず)が複数本設けられている。シャフト20の
下端にはスラストフランジ21がねじ25によって固着
してある。このスラストフランジ21の下面には動圧発
生用溝(図示せず)が複数本設けられている。ここでハ
ブ4とスラストフランジ21の下側平面部との間にもオ
イルが塗布してある。そしてハブ4の上側開放端の内周
円筒面には、スラスト規制板28を設けて、オイル漏れ
を防止している。
【0095】ハブ4には磁気ディスク(図示せず)が固
定される。ハブ4の内周にはバックヨーク10を介して
回転磁石11が固着してある。ここで電機子コイル13
の上面には、付勢力発生手段としてのリング形状の吸引
リング23が固着してあり、吸引リング23と回転磁石
11との間でスラスト吸引力を発生する。ここでスラス
ト吸引力は一体的回転構造物の重量以上になるように設
定してある。
【0096】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより回転磁石
11,バックヨーク10,ハブ4よりなる一体的回転構
造物は回転を開始する。モータの停止時には、吸引リン
グ23と回転磁石11との間で発生するスラスト方向磁
気吸引力により、前記一体的回転構造物は図面の上方に
吸着されるので、ハブ4上の平面4bがスラストフラン
ジ21の下面に当接している。
【0097】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とハブ4との間に封止したオイル、
スラストフランジ21とハブ4との間に塗布したオイル
は、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動圧を発生
し、一体的回転構造物を浮上させ非接触で回転すること
が可能になる。ここで従来例においては、スラストフラ
ンジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上
げる必要があったが、本実施の形態におけるスラストフ
ランジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止
時にハブ4上の平面4bと面接触することが可能であ
る。従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速
やかに行われるので、金属摩耗を最小限に抑制すること
が可能になる。
【0098】従って、従来例の様な構成部品の高精度化
は不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが
可能になる。また吸引リング23と回転磁石11との間
で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の重量
の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータが停
止した状態で平面4bとスラストフランジ21との間で
の接触力は一体的回転構造物の重量以下にすることが可
能になる。このように設定すると、モータの起動停止時
にはスラスト方向への浮上がより迅速に行うことが可能
になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を図ることが
可能になる。
【0099】〔実施の形態10〕図13と図14は本発
明の〔実施の形態10〕を示す。図13は軸固定型の流
体軸受モータで、スラストフランジ21の回転中心軸近
傍にはピボット状の凸部27を設けている。そしてこの
スラストフランジ21に対向してスラスト規制板28を
配設してある。
【0100】ここで図のH1,H2の関係はH1−H2
=0.05〜0.3mm程度になるように設定してい
る。この凸部27の形成は研削盤などを用いても良い
し、またH2なる厚みを有する平板材料からエッチング
などによって形成しても良い。ここでスラストフランジ
21には、ねじ部25aが一体に形成されており、ねじ
部25aをシャフト20に螺合させてスラストフランジ
21がシャフト20に固着されている。それ以外の各部
は〔実施の形態9〕と同様であるので、それらの重複し
た説明は省略する。
【0101】このように構成したため、複数相よりなる
電機子コイル13に回転磁石11の回転位相に応じて順
次通電を行うと、回転磁石11との間でフレミングの左
手の法則に従うトルクが発生する。これにより一体的回
転構造物は回転を開始する。モータの停止時には、固定
子巻線用鉄心12と回転磁石11との間で発生するスラ
スト方向磁気吸引力により、前記一体的回転構造物は上
方に吸着されるので、ハブ4上の平面4bがスラストフ
ランジ21の下面に当接している。
【0102】ここで前記一体的回転構造物が回転するに
伴い、シャフト20とベース26との間に封止したオイ
ル、スラストフランジ21とハブ4との間に塗布したオ
イルは、図示しないそれぞれの動圧発生用溝にて動圧を
発生し、一体的回転構造物をベース26に対して浮上さ
せる。これによって、前記一体的回転構造物はベース2
6に対して非接触で回転することが可能になる。
【0103】ここで従来例においては、スラストフラン
ジ21は平面度、平行度、厚みを同時に高精度に仕上げ
る必要があったが、本実施の形態におけるスラストフラ
ンジ21は、平面度だけを1μm程度確保すれば停止時
にハブ4上の平面4bと面接触することが可能である。
従って、起動停止時にオイルの動圧による浮上が速やか
に行われるので、金属摩耗を最小限に抑制することが可
能になる。
【0104】またモータの回転中に強い加振力が印加さ
れた場合は、一体的回転構造物は一瞬図の下側方向に移
動して、その結果スラストフランジ21上に設けた凸部
27がスラスト規制板28に当接する。そして加振力が
解除されたときには再びスラスト吸引力によって一体的
回転構造物は図の上方向位置に復帰する。ここで前記凸
部27は回転中心軸近傍に設けてあり相対周速度が低い
ので例えスラスト規制板28と接触しても、大きな金属
摩耗を発生することはない。また仮に金属摩耗が発生し
ても、スラスト軸受部に直接に摩耗粉が入り込む確率は
低いので、軸受寿命に悪影響を及ぼさない。
【0105】また従来例においては、スラストフランジ
21に対向するスラストプレート22はスラスト軸受を
構成する必要があるために、平面度が1μm程度になる
ように加工する必要があったが、本実施の形態において
スラストフランジ21に対向するスラスト規制板28は
単に一体的回転構造物のスラスト方向への移動を規制す
るための部材にすぎないので、10μm程度の平面度を
確保すればよいので、低コストな部品を用いることが可
能になる。従って、従来例の様な構成部品の高精度化は
不要でありながら、必要な性能と信頼性を得ることが可
能になる。
【0106】また吸引リング23と回転磁石11との間
で発生するスラスト吸引力を、一体的回転構造物の重量
の1倍強〜2倍弱になるように設定すると、モータが停
止した状態でハブ4上の平面4bとスラストフランジ2
1との間での接触力は一体的回転構造物の重量以下にす
ることが可能になる。このように設定すると、モータの
起動停止時にはスラスト方向への浮上がより迅速に行う
ことが可能になり、金属摩耗をより低減し、長寿命化を
図ることが可能になる。
【0107】なお、本実施の形態において凸部27はス
ラストフランジ21の上面に設けたが、図14に示すよ
うに、スラスト規制板28の下面に設けても良い。な
お、上述の各実施の形態を適宜組み合わせて流体軸受モ
ータを構成しても良い。具体的な例としては、凸起27
はスラストフランジ21とスラスト規制板28のうちの
スラストフランジ21の側に設けたが、スラスト規制板
28の側でシャフト20の中心軸近傍に配設したり、ス
ラストフランジ21とスラスト規制板28の両側で何れ
もシャフト20の中心軸近傍に配設して構成することが
できる。
【0108】また上述の各実施の形態はハードディスク
を例に取って説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、たとえばビデオテープレコーダの回転ヘッ
ドドラム、光磁気ディスク記録再生装置のスピンドルモ
ータ、コンプレッサ装置用モータ、換気扇など、広範囲
にわたって適用可能であることは言うまでもない。
【0109】
【発明の効果】以上のように本発明の流体軸受モータ
は、軸回転型流体軸受モータにおいて、回転子をベース
の平面とスラストフランジとの間の前記隙間を小さくす
る方向に磁気的に付勢する付勢力発生手段を備え、付勢
力発生手段により発生する付勢力は、少なくとも前記回
転子と前記シャフト及び前記スラストフランジの合計重
量よりも大きく設定し、軸固定型流体軸受モータにおい
て、回転子を回転子の平面とスラストフランジとの間の
前記隙間を小さくする方向に磁気的に付勢する付勢力発
生手段を備え、付勢力発生手段により発生する付勢力
は、少なくとも前記回転子の側の重量よりも大きく設定
したため、スラストフランジの平行度、厚み精度が10
μm程度と悪くても軸受性能を満足することができるの
で金属接触を防止することができ、コストダウンを図り
つつ十分な信頼性を確保することができる。
【0110】また、本発明の流体軸受モータは、軸回転
型流体軸受モータにおいて、スラストフランジに対向す
るようにベースの側にスラスト規制板が取り付けられ、
スラストフランジまたはスラスト規制板の少なくともい
ずれか一方に他方に向かって突出した凸部を形成し、軸
固定型流体軸受モータにおいて、スラストフランジに対
向するように回転子の側にスラスト規制板が取り付けら
れ、スラストフランジまたは前記スラスト規制板の少な
くともいずれか一方に他方に向かって突出した凸部を形
成したため、強い加振力が印加されたときに、スラスト
フランジの精度が悪く金属接触が生じても、スラスト軸
受部の信頼性劣化につながらない流体軸受モータを実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図2】同実施の形態の別の流体軸受モータの断面図
【図3】本発明の実施の形態2の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図4】本発明の実施の形態3の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図5】本発明の実施の形態4の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図6】本発明の実施の形態5の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図7】本発明の実施の形態6の軸回転型流体軸受モー
タの断面図
【図8】本発明の実施の形態7の軸固定型流体軸受モー
タの断面図
【図9】同実施の形態の別の流体軸受モータの断面図
【図10】同実施の形態の別の流体軸受モータの断面図
【図11】本発明の実施の形態8の軸固定型流体軸受モ
ータの断面図
【図12】本発明の実施の形態9の軸固定型流体軸受モ
ータの断面図
【図13】本発明の実施の形態10の軸固定型流体軸受
モータの断面図
【図14】本発明の実施の形態10の軸固定型流体軸受
モータの別の例の断面図
【図15】従来の軸回転型流体軸受モータの断面図
【図16】従来の軸固定型流体軸受モータの断面図
【符号の説明】
4 ハブ 10 バックヨーク 11 回転磁石 12 固定子巻線用鉄心 13 電機子コイル 20 シャフト 21 スラストフランジ 22 スラストプレート 23 吸引リング 24 サブロータ 25、25a ねじ 26 ベース 27 凸部 28 スラスト規制板 29 撥油剤塗布部 30 スラストカバー 31 スラッジ溜まり部 32 ステータ基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾村 雅史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井上 洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 猪又 拓道 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA04 BA02 BA08 CA02 5D109 BA16 BA17 BA20 BA26 BB01 BB12 BB18 BB21 BB22 BB27 5H607 AA04 BB01 BB09 BB14 BB25 CC01 CC05 DD03 FF12 GG01 GG03 GG09 GG12 GG15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースに形成されたラジアル軸受部に挿通
    したシャフトの一端側に前記ベースの側に取り付けられ
    た電機子鉄心と対向するように磁石を搭載した回転子を
    取り付け、シャフトの他端側に前記ベースの平面と対向
    するスラストフランジが取り付けられ、前記ラジアル軸
    受部とシャフトとの隙間および前記ベースの平面とスラ
    ストフランジとの隙間にオイルを封止し、前記電機子鉄
    心から発生すると対向する前記磁石との作用でトルクを
    発生する軸回転型流体軸受モータにおいて、 前記回転子をベースの平面とスラストフランジとの間の
    前記隙間を小さくする方向に磁気的に付勢する付勢力発
    生手段を備え、 前記付勢力発生手段により発生する付勢力は、少なくと
    も前記回転子と前記シャフト及び前記スラストフランジ
    の合計重量よりも大きく設定した流体軸受モータ。
  2. 【請求項2】スラストフランジに対向するようにベース
    の側にスラスト規制板が取り付けられ、スラストフラン
    ジまたは前記スラスト規制板の少なくともいずれか一方
    に他方に向かって突出した凸部を形成した請求項1記載
    の流体軸受モータ。
  3. 【請求項3】基端部がベースに植立したシャフトを回転
    子のラジアル軸受部に挿通し、前記回転子に前記ベース
    の側に取り付けられた電機子鉄心と対向するように磁石
    を搭載し、シャフトの先端側に前記回転子の平面と対向
    するスラストフランジが取り付け、前記ラジアル軸受部
    とシャフトとの隙間および前記回転子の平面とスラスト
    フランジとの隙間にオイルを封止し、前記電機子鉄心か
    ら発生すると対向する前記磁石との作用でトルクを発生
    する軸固定型流体軸受モータにおいて、 前記回転子を回転子の平面とスラストフランジとの間の
    前記隙間を小さくする方向に磁気的に付勢する付勢力発
    生手段を備え、前記付勢力発生手段により発生する付勢
    力は、少なくとも前記回転子の側の重量よりも大きく設
    定した流体軸受モータ。
  4. 【請求項4】スラストフランジに対向するように回転子
    の側にスラスト規制板が取り付けられ、スラストフラン
    ジまたは前記スラスト規制板の少なくともいずれか一方
    に他方に向かって突出した凸部を形成した請求項3記載
    の流体軸受モータ。
  5. 【請求項5】付勢力発生手段を、ベースに取り付けられ
    た電機子鉄心の中心と回転子に取り付けられた磁石の中
    心とをずらして構成した請求項1〜請求項4の何れかに
    記載の流体軸受モータ。
  6. 【請求項6】付勢力発生手段を、ベースに取り付けられ
    た電機子鉄心の側に回転子に取り付けられた磁石に吸い
    付く吸着体を取り付けて構成した請求項1〜請求項4の
    何れかに記載の流体軸受モータ。
  7. 【請求項7】付勢力発生手段を、ベースに取り付けられ
    た電機子鉄心の中心と回転子に取り付けられた磁石の中
    心とをずらして配置すると共に、ベースに取り付けられ
    た電機子鉄心の側に回転子に取り付けられた磁石に吸い
    付く吸着体を取り付けて構成した請求項1〜請求項4の
    何れかに記載の流体軸受モータ。
  8. 【請求項8】凸部を、回転子の回転の中心軸近傍に配設
    した請求項2または請求項4に記載の流体軸受モータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7908739B2 (en) 2006-05-24 2011-03-22 Nidec Corporation Motor assembly and method of manufacturing thereof
KR101240742B1 (ko) * 2011-09-22 2013-03-11 삼성전기주식회사 베어링 어셈블리 및 이를 포함하는 모터

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US7908739B2 (en) 2006-05-24 2011-03-22 Nidec Corporation Motor assembly and method of manufacturing thereof
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