JP2001077346A - 単電子トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

単電子トランジスタおよびその製造方法

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JP2001077346A
JP2001077346A JP25289499A JP25289499A JP2001077346A JP 2001077346 A JP2001077346 A JP 2001077346A JP 25289499 A JP25289499 A JP 25289499A JP 25289499 A JP25289499 A JP 25289499A JP 2001077346 A JP2001077346 A JP 2001077346A
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semiconductor
region
electron transistor
drain electrode
island
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JP25289499A
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Kimitaka Ono
公隆 大野
Atsuhisa Inoue
敦央 井上
Kazushi Fujioka
一志 藤岡
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温で動作可能でかつ特性ばらつきの小さい
単電子トランジスタおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 SOI基板の表面を相対湿度20%以下
の雰囲気中で走査型プローブ顕微鏡探針と試料間に電圧
を印加した状態で走査することにより表面の酸化層を形
成させる。そして、その酸化層11表面の性質が未走査
領域10に比して異なることを利用して、有機分子を含
む溶液中に浸漬し、選択的に未走査領域10上に有機単
分子層8を形成する。その後、上記有機単分子層8をレ
ジストとして選択エッチング処理を施すことによって、
酸化シリコン層3上にソース電極4,ゲート電極5,ドレ
イン電極6および整列したナノメートルサイズのシリコ
ン島7Aを同時に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単電子トンネル
現象を利用した単電子トランジスタおよびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】21世紀はいつでもどこでも好みの情報
を世界規模で交換できるモバイル機器が期待され、これ
に搭載されるエレクトロニクス技術は高機能で高速かつ
記憶容量が大容量であることは勿論、その一方でモバイ
ル機器は電源や重量に関する問題から開放されなければ
ならない。その鍵となるULSI技術は、主として微細
加工技術の進歩により集積度の向上が図られ、同時に動
作速度の向上と消費電力,コスト,重量および体積の低減
を果たしてきた。しかしながら、集積度がT(テラ)ビッ
ト(1テラ=1012)級となると、現在のトランジスタの
ように、電子数の確率的制御を動作原理とする素子で
は、この領域に到達することは困難であり、個々の電子
を確実に輸送,貯蔵できる新たな原理に基づく素子が望
まれてきている。その有力候補としてクーロンブロッケ
ード効果を利用した単電子トランジスタが考えられてい
る。
【0003】従来、単電子トランジスタとしては、金属
系と半導体系の2つに大きく分けられ、金属系の場合
は、次の(1)〜(4)ものがある。 (1) FultonとDolanによる「2重シャドウ蒸着法により
作製した例(Phys. Rev. Lett. 59(1),1987 p.109)」 (2) Chenらの「高分解電子ビーム露光装置によるチャ
ンネル長25nm,幅約40nmのギャップを作製した
例(Appl. Phys. Lett. 66(24),12 June 1995 p.338
3)」 (3) Kleinらによる「ナノメータサイズのソース電極,
ドレイン電極間ギャップ内にコロイド粒子を配置して、
MTJ(Multiple Tunnel Junction)を形成した例(Appl.
Phys. Lett. 68(18), 29 April 1996 p.2574)」 (4) Langheinrichらによる「AuPdのナノワイヤ上の
ごく近接した2点に不連続部を設けて、トレンチのエッ
ジで自然に破断させることでAuPdの島を形成するステ
ップクラック法を用いて形成した例(Jpn. Appl. Phys.
34(Pt1,12B)1995 p.6956)」
【0004】一方、半導体系(特にシリコン系)の単電子
トランジスタの場合は、次の(5),(6)のものがある。 (5) Aliらによって提案された「SOI(Semiconductor
on Insulator)基板を用いたSi単結晶の島によるクー
ロンブロッケード素子(Appl.Phys.Lett.64(16),Apr
il 1994 p.2119)」 (6) 矢野らによって開発された「多結晶シリコンナノ
粒子細線による単一電子メモリ(IEEE TRANSACTIONS ON
ELECTRON DEVICES,41(9)September 1994 p.1628)」
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)〜(6)の単電子トランジスタのいずれにおいても、従
来のリソグラフィーを用いており、 (a) UVリソグラフィー(Ultraviolet Light Lithogra
phy)では、紫外線の波長の150nm程度しか分解能が
望めない。 (b) FIB(Focused Ion Beam)では、収束させる技術
が未熟である。 (c) EBリソグラフィー(Electron Beam Lithography)
では、電子線のビーム径自体は1nm程度まで絞ること
は可能であるが、用いるレジスト膜厚が1μm程度と厚
く、オージェ電子や電子の非弾性散乱等入射電子によっ
て発生する副次的な相互作用の結果、感光領域が広が
る。 等の理由から、加工線幅が0.1μm以下にできないた
めに、クーロンブロッケードが発現する温度が低くな
り、動作温度が低くなって室温で動作しないという欠点
がある。また、たとえ数10nm程度の構造の作製が実
現(J. Vac. Sci. Technol. B16(6),Nov/Dec 1998 p.38
04)できたとしても、再現性が乏しいという問題があ
る。
【0006】また、上記(3)の金属コロイド粒子をトン
ネル接合として利用した単電子トランジスタの場合、粒
径の揃ったナノメータサイズの金属コロイド粒子をトン
ネル接合に用いるので、室温動作が期待されるが、これ
らのコロイド粒子がソース電極とドレイン電極との間に
無秩序に配置されるので、ソース電極とドレイン電極と
の間のコロイド島の数およびトンネル障壁の大きさは全
くの偶然に頼る他はなく、トランジスタ特性のばらつき
が大きくなり、実用的でない。
【0007】さらに、Si多結晶の場合は、室温動作が
可能であるが、粒界を介したグレイン間の電子のトンネ
リングを利用するため、島の大きさやトンネル障壁の大
きさを正確に制御できず、トランジスタ毎の特性がばら
つくという問題があり、実用的ではない。
【0008】そこで、この発明の目的は、室温動作が可
能な特性ばらつきの小さい単電子トランジスタおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の単電子トランジスタは、ソース電極とド
レイン電極とを結ぶ線上に所定の間隔をあけて整列する
ように上記ソース電極と上記ドレイン電極との間に形成
され、クーロンブロッケードを発現可能な複数の半導体
の島を有することを特徴としている。
【0010】上記構成の単電子トランジスタによれば、
上記ソース電極とドレイン電極とを結ぶ線上に所定の間
隔をあけて整列するように形成された複数の半導体の島
を、クーロンブロッケードを発現可能な量子サイズにす
ることによって、各半導体の島が電子閉じ込め領域とな
り、ソース電極と半導体の島との間、ドレイン電極と半
導体の島との間、および、隣接する半導体の島の間がト
ンネル障壁となる。上記各半導体の島に1個の電子が夫
々蓄積され、クーロンブロッケードが発現すると、ソー
ス電極とドレイン電極との間に電圧が印加されていて
も、別の電子が入ってくるのを阻止する。そして、上記
各半導体の島にゲート電極から電界が印加されて、トン
ネル抵抗を量子抵抗以下にすると、クーロンブロッケー
ド効果が敗れて、ソース電極とドレイン電極との間に電
圧が印加された条件では、ソース電極とドレイン電極と
の間に各半導体の島を介して電流が流れる。したがっ
て、半導体の島の大きさとトンネル障壁の大きさをナノ
メートル精度で精密に制御することによって、室温動作
が可能な特性ばらつきの小さい単電子トランジスタを実
現できる。さらに、半導体の島が1つでなく複数(2つ
以上)並べた場合、トランジスタ全体がコンデンサと抵
抗が直列に接続された等価回路とみなせるので、素子全
体の抵抗はトンネル抵抗が島の数が1つ増える毎に加算
され室温動作には不利であるが、逆に素子全体の静電容
量は減少することになる。一方、デバイスを作製する上
では、トンネル抵抗を小さくするよりもむしろ島のサイ
ズを小さくする方が技術的に困難であり、ソース電極と
ドレイン電極の間に島を複数個並べることで、室温での
トランジスタ動作が島の大きさがあまり小さく無くても
可能となり、作製プロセス上有利である。
【0011】また、一実施形態の単電子トランジスタ
は、上記ソース電極,ドレイン電極および上記半導体の
島の夫々の表面を被覆する有機単分子層を有することを
特徴とする。
【0012】上記実施形態の単電子トランジスタによれ
ば、上記半導体の島の表面を被覆する有機単分子層上
に、例えば金属膜を蒸着することにより絶縁性の高い有
機単分子層を介してゲート電極を容易に形成できる。
【0013】また、一実施形態の単電子トランジスタ
は、上記ソース電極と上記半導体の島との間、上記ドレ
イン電極と上記半導体の島との間、および、隣接する上
記半導体の島の間を分離する下地絶縁層を有することを
特徴とする。
【0014】上記実施形態の単電子トランジスタによれ
ば、ソース電極と半導体の島との間、ドレイン電極と半
導体の島との間、および、隣接する半導体の島の間を分
離する下地絶縁層が良好なトンネル障壁となる。
【0015】また、一実施形態の単電子トランジスタ
は、上記ソース電極近傍の上記半導体の島と上記ソース
電極とを接続し、上記ドレイン電極近傍の上記半導体の
島と上記ドレイン電極とを接続し、隣接する上記半導体
の島同士を接続する半導体狭窄層を有し、上記半導体狭
窄層の幅が上記半導体の島の大きさよりも小さいことを
特徴とする。
【0016】上記実施形態の単電子トランジスタによれ
ば、上記ソース電極近傍の半導体の島とソース電極とを
接続し、上記ドレイン電極近傍の半導体の島とドレイン
電極とを接続し、隣接する上記半導体の島同士を接続す
る半導体狭窄層の幅が、電子閉じ込め領域である半導体
の島の大きさよりも小さいので、良好なトンネル障壁と
なる。
【0017】また、一実施形態の単電子トランジスタ
は、上記ソース電極と上記半導体の島との間、上記ドレ
イン電極と上記半導体の島との間、および、隣接する上
記半導体の島の間を分離する酸化層を有することを特徴
とする。
【0018】上記実施形態の単電子トランジスタによれ
ば、上記ソース電極と半導体の島との間、ドレイン電極
と半導体の島との間、および、隣接する半導体の島の間
を分離する下地絶縁層が良好なトンネル障壁となる。
【0019】また、一実施形態の単電子トランジスタ
は、上記半導体の島は、直径1〜30nmの円形の島の
静電容量に相当する静電容量を有する大きさであること
を特徴とする。
【0020】通常、シリコン等の半導体の場合、室温で
クーロンブロッケード効果が得られる円形の島の直径は
10nm以下と言われ、島の静電容量が大きくなるほど
クーロンブロッケードが発現する温度が低くなる。そこ
で、上記実施形態の単電子トランジスタによれば、半導
体のドーピング量等により変化する島の静電容量を考慮
して、半導体の島を直径1〜30nmの円形の島の静電
容量に相当する静電容量を有する大きさに設定すること
により、クーロンブロッケードが確実に発現可能とな
る。
【0021】また、この発明の単電子トランジスタの製
造方法は、上記単電子トランジスタを製造する単電子ト
ランジスタの製造方法であって、相対湿度20%以下の
雰囲気中で、かつ、表面に半導体層が形成された基板と
微小プローブとの間に所定電圧を印加した状態で、上記
微小プローブにより上記半導体層表面の所定のパターン
の領域を走査して、ソース電極,ドレイン電極およびチ
ャネル領域となるべき領域以外の上記半導体層表面の領
域を酸化する工程と、上記半導体表面が酸化された上記
基板を有機分子を含む溶液中に浸漬することにより、上
記ソース電極,ドレイン電極およびチャネル領域となる
べき上記半導体層表面の未走査領域に選択的に上記有機
分子を吸着させる工程とを有することを特徴としてい
る。
【0022】上記単電子トランジスタの製造方法によれ
ば、相対湿度20%以下の雰囲気中で、かつ、表面に半
導体層が形成された基板(例えばSOI基板)と微小プロ
ーブとの間に所定電圧を印加した状態で、微小プローブ
により半導体層表面の所定のパターンの領域を走査し
て、ソース電極,ドレイン電極およびチャネル領域とな
るべき領域(サイド・ゲート構造の場合はゲート電極と
なるべき領域を含む)以外の半導体層表面の領域を電界
支援酸化する。次に、上記半導体表面が酸化された基板
を有機分子を含む溶液中に浸漬することにより、ソース
電極,ドレイン電極およびチャネル領域となるべき半導
体層表面の未走査領域(サイド・ゲート構造の場合はゲ
ート電極となるべき領域を含む)に選択的に有機分子を
吸着させる。例えば、半導体層が単結晶シリコン層の場
合、クロロシリル基またはアルコキシシリル基を少なく
とも1つ有する有機分子を含む溶液中に基板を浸漬する
だけで、単結晶シリコン層表面の未走査領域であって水
酸基が存在する特定領域のみに有機分子のクロロシリル
基またはアルコキシシリル基が選択的に化学吸着する。
そうして、ソース電極,ドレイン電極およびチャネル領
域(サイド・ゲート構造の場合はゲート電極を含む)上に
有機単分子膜が形成される。上記有機単分子膜をレジス
トとして用いて、ソース電極,ドレイン電極およびチャ
ネル領域(サイド・ゲート構造の場合はゲート電極を含
む)以外の半導体層の領域をエッチングにより除去する
ことが可能となる。このように、上記単電子トランジス
タの製造方法では、ソース電極,ドレイン電極およびト
ンネル接合を有するチャネル領域(サイド・ゲート構造
の場合はゲート電極を含む)が一度に効率がよく形成さ
れ、同一面内に2次元的に配列された層厚が数nm程度
の有機単分子層をレジストとして使用するため、加工の
切れが大変優れている。また、レジストパターニングに
AFM等の微小プローブによるナノリソグラフィー技術
を用いていることによって、従来のリソグラフィーに比
べて極めて高い分解能と精度で表面加工を行うことがで
きる。したがって、半導体の島とトンネル障壁の大きさ
をナノメートル精度で精密に制御でき、室温で動作可能
な特性ばらつきが小さい単電子トランジスタを製造でき
る。なお、サイド・ゲート構造の単電子トランジスタの
場合、ソース電極,ドレイン電極等とゲート電極を同時
に形成する。
【0023】また、一実施形態の単電子トランジスタの
製造方法は、上記半導体層表面の未走査領域に選択的に
上記有機分子を吸着させる工程の後、上記有機分子の吸
着領域以外の上記半導体層の領域を化学エッチングによ
り除去する工程を有することを特徴とする。
【0024】上記実施形態の単電子トランジスタの製造
方法によれば、湿式化学反応や気相化学反応によるエッ
チング装置を用いて、上記有機分子の吸着領域以外の上
記半導体層の領域を容易に除去できる。
【0025】また、この発明の単電子トランジスタの製
造方法は、上記単電子トランジスタを製造する単電子ト
ランジスタの製造方法であって、相対湿度20%以下の
雰囲気中で、かつ、表面に半導体層が形成された基板と
微小プローブとの間に所定電圧を印加した状態で、上記
微小プローブにより上記半導体層表面の所定のパターン
の領域を走査して、ソース電極,ドレイン電極および線
状のチャネル領域となるべき領域以外の上記半導体層表
面の領域を酸化する工程と、上記半導体表面が酸化され
た上記基板を有機分子を含む溶液中に浸漬することによ
り、上記ソース電極,ドレイン電極および線状のチャネ
ル領域となるべき上記半導体層表面の未走査領域に選択
的に上記有機分子を吸着させる工程と、上記半導体層表
面の未走査領域に選択的に上記有機分子を吸着させた
後、上記有機分子の吸着領域以外の上記半導体層の領域
を化学エッチングにより除去する工程と、上記有機分子
の吸着領域以外の上記半導体層の領域を化学エッチング
により除去する工程の後、上記基板と上記微小プローブ
との間に定電圧を印加した状態で、上記線状のチャネル
領域を上記微小プローブにより走査して、上記線状のチ
ャネル領域の3以上の部分を所定の間隔をあけて酸化す
る工程とを有することを特徴としている。
【0026】上記単電子トランジスタの製造方法によれ
ば、相対湿度20%以下の雰囲気中で、かつ、表面に半
導体層が形成された基板(例えばSOI基板)と微小プロ
ーブとの間に所定電圧を印加した状態で、微小プローブ
により半導体層表面の所定のパターンの領域を走査し
て、ソース電極,ドレイン電極および線状のチャネル領
域となるべき領域(サイド・ゲート構造の場合はゲート
電極となるべき領域を含む)以外の半導体層表面の領域
を電界支援酸化する。次に、上記半導体表面が酸化され
た基板を有機分子を含む溶液中に浸漬することにより、
ソース電極,ドレイン電極および線状のチャネル領域と
なるべき半導体層表面の未走査領域(サイド・ゲート構
造の場合はゲート電極となるべき領域を含む)に選択的
に有機分子を吸着させる。例えば、半導体層が単結晶シ
リコン層の場合、クロロシリル基またはアルコキシシリ
ル基を少なくとも1つ有する有機分子を含む溶液中に基
板を浸漬するだけで、単結晶シリコン層表面の未走査領
域であって水酸基が存在する特定領域のみに有機分子の
クロロシリル基またはアルコキシシリル基が選択的に化
学吸着する。そうして、ソース電極,ドレイン電極およ
び線状のチャネル領域(サイド・ゲート構造の場合はゲ
ート電極を含む)上に有機単分子膜が形成される。上記
有機単分子膜をレジストとして用いて、ソース電極,ド
レイン電極および線状のチャネル領域(サイド・ゲート
構造の場合はゲート電極を含む)以外の半導体層の領域
を化学エッチングにより除去する。そして、上記基板と
微小プローブとの間に定電圧を印加した状態で、上記線
状のチャネル領域を微小プローブにより走査して、線状
のチャネル領域の3以上の部分を所定の間隔をあけて酸
化して、トンネル障壁を形成すると共に、そのトンネル
障壁で分離された複数の半導体の島を形成する。このよ
うに、上記単電子トランジスタの製造方法では、ソース
電極,ドレイン電極およびトンネル接合を有するチャネ
ル領域(サイド・ゲート構造の場合はゲート電極を含む)
が一度に効率がよく形成され、同一面内に2次元的に配
列された層厚が数nm程度の有機単分子層をレジストと
して使用するため、加工の切れが大変優れている。ま
た、レジストパターニングにAFM等の微小プローブに
よるナノリソグラフィー技術を用いていることによっ
て、従来のリソグラフィーに比べて極めて高い分解能と
精度で表面加工を行うことができる。したがって、半導
体の島とトンネル障壁の大きさをナノメートル精度で精
密に制御でき、室温で動作可能な特性ばらつきが小さい
単電子トランジスタを製造できる。
【0027】
【発明の実施の形態】まず、この発明の単電子トランジ
スタの実施の形態を図を用いて説明する前に、単電子ト
ランジスタの製造方法について先に述べる。
【0028】始めに、レジストパターニングとして走査
型プローブ顕微鏡の探針とSOI基板との間に電界を印
加した状態で探針により走査することにより、局所的
(数nmの線幅で)に表面を酸化させて、SOI基板表面
の性質を部分的に変成させる。この探針とSOI基板と
の間に電界を印加した状態で探針を走査するとき、雰囲
気を低湿度にする。この低湿度の雰囲気とは、探針およ
びSOI基板を取り巻く雰囲気の相対湿度が0〜20%
以下であることを意味しており、好ましくは0〜10%
であり、具体的には窒素ガス,六フッ化硫黄ガス,アルゴ
ンガスおよびキセノンガス等の比較的反応性が低い気体
が用いられるが、上記相対湿度範囲であれば特にガスの
種類は問わない。また、上記パターニング形状は、通
常、走査型プローブ顕微鏡に装備されたパターンジェネ
レータに予めプログラミングされ、ソース電極,ゲート
電極,ドレイン電極および電子の量子閉じ込め可能な島
を形成させる領域以外の領域の表面の走査が行われる。
【0029】上記探針とSOI基板間の電界支援酸化に
よるパターニングの後、そのパターニングされたSOI
基板を、クロロシリル基またはアルコキシシリル基を少
なくとも1つ有する有機分子が含まれた溶液中に浸漬す
る。この溶液は、通常ヘキサデカンと四塩化炭素との比
が7:3の溶媒を用い、上記有機分子濃度を1mM〜1
M程度とする溶液を用いるが、有機分子濃度は1mMが
好ましい。また、溶媒は他にテトラヒドロフランやシク
ロヘキサン等の有機溶媒も利用されるが、含有水分が少
ない溶液であれば種類は問わない。
【0030】上記有機分子にある特定の化学種(水酸基)
と結合し得る官能基(SiCl3や(CH2OH)3)をくっつ
けることで、SOI基板を有機分子を含む溶液中に浸漬
するだけで、水酸基が存在する基板上の特定領域のみに
有機分子が選択的に化学吸着する。例えば、有機分子と
してトリクロロステアリルシラン[CH3(CH2)17Si
Cl3]を用いた場合の反応式は、 CH3(CH2)17SiCl3+3OH- → 3HCl+CH3
(CH2)17SiO- 3 となる。したがって、水酸基のない表面は、有機分子が
吸着しないことになると共に、この有機分子のように長
鎖の飽和炭化水素を用いると、ファンデルワールス(Van
del Waals)力や有機分子同士の立体障害により分子が
密に並んだ有機単分子膜となる(この有機単分子膜を自
己組織化単分子膜という)。したがって、数nm厚の単
分子膜でありながら、有機分子が密に並んだ構造をして
いるため、酸やアルカリに強いレジストとしての役割を
果たすことができる。
【0031】次に、クロロホルム等の有機溶媒でSOI
基板表面に過剰に吸着した上記有機分子を除去する。そ
うすると、探針とSOI基板との間の電界印加によって
酸化層が形成されなかった表面領域に、上記の有機分子
が表面の水酸基と脱塩酸反応(または脱水反応)により選
択吸着し、有機単分子層レジストを形成する。次に、有
機単分子層レジストの形成後、湿式化学反応による選択
エッチング装置または気相化学反応エッチング装置によ
り有機単分子層レジストで被覆されていないシリコン層
を完全に除去することにより、ソース電極,ゲート電極,
ドレイン電極および整列したシリコン島を、同時に下地
の酸化シリコン層を介して孤立化させることが可能とな
る。
【0032】上記湿式化学反応による選択エッチング装
置を用いたエッチングでは、アンモニウム系水溶液によ
るエッチングが通常用いられるが、水酸化カリウム,水
酸化ナトリウム等の他のアルカリ系の溶液でも良いし、
エッチング速度を促進させるために過酸化水素を添加し
ても良い。また、酸性溶液としては、フッ化アンモニウ
ムと過酸化水素の混合溶液等が用いられる。しかし、有
機単分子層レジストが剥離せずにシリコンをエッチング
可能な溶液であれば、いずれの溶液を用いても良い。
【0033】また、上記気相化学反応によるエッチング
装置を用いたエッチングとしては、RIE(Reactive Io
n Etching:反応性イオンエッチング)法が使用される。
この場合のガスの種類としては、六フッ化硫黄と酸素の
混合ガスのプラズマを通常使用する。なお、エッチング
ガスとしては、その他に塩素ガス等が用いられるが、有
機単分子層レジストに損傷を与えずにシリコンを選択的
にエッチングできれば、いずれのガスを用いても構わな
い。
【0034】次に、この発明の単電子トランジスタおよ
びその製造方法を図示の実施の形態により具体的に説明
する。
【0035】(第1実施形態)図1はこの発明の実施の一
形態の単電子トランジスタの模式的に示す構造図であ
る。この単電子トランジスタは、図1に示すように、単
結晶シリコン基板2上に形成された酸化シリコン層3上
に、所定の間隔をあけて単結晶シリコンでソース電極4
とドレイン電極6とを形成している。上記ソース電極4
とドレイン電極6とを結ぶ直線上に所定の間隔をあけて
整列するように4つのシリコン島7Aを形成すると共
に、ソース電極4とシリコン島7Aとを接続し、ドレイ
ン電極6とシリコン島7Aとを接続し、隣接するシリコ
ン島7Aの間を接続するトンネル接合部としてのシリコ
ン狭窄領域7Bを形成している。上記シリコン島7Aと
シリコン狭窄領域7Bでチャネル領域7を形成してい
る。そして、上記酸化シリコン層3上に、チャネル領域
7に略平行に所定の間隔をあけてゲート電極5を形成し
ている。また、上記ソース電極4,ゲート電極5,ドレイ
ン電極6およびチャネル領域7のシリコン島7Aは、互
いに下地の酸化シリコン層3で電気的に隔離されてい
る。そして、上記ソース電極4,ゲート電極5,ドレイン
電極6,シリコン島7Aおよびシリコン狭窄領域7B上
に有機単分子層8を形成している。なお、図1では、図
を見やすくするためにシリコン狭窄領域7B上の有機単
分子層を省略している。
【0036】上記構成の単電子トランジスタによれば、
ソース電極4とドレイン電極6とを結ぶ直線上に所定の
間隔をあけて整列するように形成された4つのシリコン
の島7Aを、クーロンブロッケードを発現可能な量子サ
イズにすることによって、各シリコンの島7Aが電子閉
じ込め領域となり、ソース電極4とシリコンの島7Aと
の間、ドレイン電極6とシリコンの島7Aとの間、およ
び、隣接するシリコンの島7Aの間のシリコン狭窄領域
7Bがトンネル障壁となる。上記各シリコンの島7Aに
1個の電子が夫々蓄積され、クーロンブロッケードが発
現すると、ソース電極4とドレイン電極6との間に電圧
が印加されていても、別の電子が入ってくるのを阻止す
る。そして、上記各シリコンの島7Aにゲート電極4か
ら電界が印加されて、トンネル抵抗を量子抵抗以下にす
ると、クーロンブロッケード効果が敗れて、ソース電極
4とドレイン電極6との間に電圧が印加された条件で
は、ソース電極4とドレイン電極6との間に各シリコン
の島7Aを介して電流が流れる。
【0037】したがって、上記シリコンの島7Aの大き
さとトンネル障壁(シリコン狭窄領域7B)の大きさをナ
ノメートル精度で精密に制御することによって、室温動
作が可能な特性ばらつきの小さい単電子トランジスタを
実現することができる。
【0038】図2(a)〜(c)は上記単電子トランジスタの
製造方法を説明するための工程図を示している。
【0039】以下、上記単電子トランジスタの製造方法
を図2に従って詳細に説明する。なお、基板は、単結晶
シリコン基板2上に酸化シリコン層3,表面シリコン層
9が形成されたSOI基板を用いる。このSOI基板の
形成方法は、MeV程度の高エネルギー酸素をイオン注
入した後に高温でアニールすることにより酸化シリコン
層をシリコン中に埋め込んで形成するSIMOX(シリ
コン・インプランティド・オキシゲン)プロセスを用い
る方法や、酸化表面を挟む形でウエハ接合を行い、Si
層を研磨により薄くして埋め込み酸化シリコン層を形成
する方法が主流であり、このようなSOI基板はSOITEC
社やSiBOND社等から購入可能である。上記SOI基板の
表面シリコン層は、トンネル電子を閉じ込めるために導
電性の高いものを用いる必要がある。
【0040】上記SOI基板の表面シリコン層9を熱酸
化およびフッ酸エッチング工程により、約5〜30nm
程度まで薄層化する。この表面シリコン層の薄層化の最
終工程として、フッ化アンモニウムによりSOI基板表
面を平坦化する。
【0041】次に、上記表面シリコン層9が薄層化され
たSOI基板を密閉容器(図示せず)に入れ、密閉容器内
の走査型プローブ顕微鏡である原子間力顕微鏡(Atomic
Force Microscope: AFM)をセットする。そして、密
閉容器内に窒素ガスを所定時間還流させて、密閉容器内
の相対湿度を約1%とする。
【0042】次に、SOI基板に対して原子間力顕微鏡
(以下、AFMという)探針12を負の電位に保った状態
で、予めプログラミングされたパターンに従ってAFM
探針12を走査し、表面シリコン層9に酸化層11を形
成する(図2(a)に示す)。このとき、上記表面シリコン
層9の酸化層11以外の領域は自然酸化され、未走査領
域10となる。上記AFM探針12の電圧は−5〜−1
3Vが用いられるが、−10V程度が好ましい。また、
AFM探針12を走査する速度は、0.1〜10μm/
secが用いられるが、7.5μm/secがより好ましい。
【0043】次に、SOI基板を、窒素ガスで置換され
た雰囲気中で調製した四塩化炭素とヘキサデカンの比が
3:7の割合の混合溶媒の1mMトリクロロステアリル
シラン[CH3(CH2)17SiC3]溶液中に浸漬し、約1
0分保持する。その後、SOI基板をクロロホルムでリ
ンスして乾燥させる。そして、膜厚2nmの均一な厚さ
の有機単分子層8のパターンが形成されていることをA
FM観察より確認した(図2(b)に示す)。
【0044】次に、上記SOI基板を、図2(c)に示す
ように、NH4F/H22/H2Oが10:3:100の割
合の溶液に約5分間浸漬して、有機単分子層8のパター
ンをレジストとしてエッチングした後、エッチングされ
たSOI基板を純水で洗浄し、窒素ガスブローで乾燥す
る。
【0045】このようにしてSOI基板表面に形成され
た単電子トランジスタをAFM観察により調べた結果、
ソース電極4,ゲート電極5およびドレイン電極6が形
成され、そのソース電極4とドレイン電極6との間に、
ソース電極4とドレイン電極6とを結ぶ直線上に所定の
間隔をあけて整列する大きさ(最大幅)が10nmの4個
のシリコン島7Aが形成されていることが分かる。さら
に、隣接するシリコン島7A同士をシリコン狭窄領域7
B(幅が5nm程度)で接続すると共に、ソース電極4近
傍のシリコン島7Aとソース電極4とをシリコン狭窄領
域7B(幅が5nm程度)で接続する一方、ドレイン電極
6近傍のシリコン島7Aとドレイン電極6とを幅がシリ
コン狭窄領域7B(幅が5nm程度)で接続していること
が分かる。
【0046】上記単電子トランジスタの製造方法では、
ソース電極4,ゲート電極5,ドレイン電極6およびシリ
コントンネル接合を有するチャネル領域7が一度に形成
され、大変効率がよく、同一面内に2次元的に配列され
た層厚が数nm程度の有機単分子層8をレジストとして
使用するため、加工の切れが大変優れている。また、レ
ジストパターニングにAFMによるナノリソグラフィー
技術を用いているため、従来のビームによるリソグラフ
ィーに比べて極めて高い分解能と精度で表面加工を行う
ことができる。
【0047】(第2実施形態)図3(a)〜(c)はこの発明の
第2実施形態の単電子トランジスタの製造方法を説明す
るための工程図を示している。この単電子トランジスタ
は、チャネル領域を除いて第1実施形態の単電子トラン
ジスタと同一の構成をしている。
【0048】この第2実施形態の単電子トランジスタ
は、図3(b)まで第1実施形態で示された製造方法と同
一の方法で単電子トランジスタを作製する。ただし、ソ
ース電極24とドレイン電極26との間のチャネル領域
は第1実施形態の単電子トランジスタとは異なる。
【0049】図3(a)に示すように、第1実施形態の図
2(a)〜(c)と同様の方法によって、ソース電極,ドレイ
ン電極,ゲート電極および20nmの幅を有する直線状
のチャネル領域となるべき領域30以外の領域を酸化し
て、表面シリコン層29に酸化層31を形成する。そし
て、図3(b)に示すように、ソース電極24,ゲート電極
25,ドレイン電極26およびシリコンロッド33とが
形成されたトランジスタ構造をSOI基板に作製した
後、有機単分子層(図示せず)がついたまま、上記SOI
基板を再びAFM装置にセットし、AFM探針−SOI
基板間に10V(探針負バイアス)電界を印加した状態
で、ソース電極24とドレイン電極26との間にまたが
るシリコンロッド33に対して略直角方向にAFM探針
を走査することにより、図3(c)に示すように、シリコ
ンロッド33の4つの部分を所定の間隔(約10nm)をあ
けて電界支援酸化させて、トンネル接合部としての4つ
の酸化シリコントンネル障壁34を形成する。
【0050】そして、この単電子トランジスタのシリコ
ンロッド33をAFM観察により詳細に調べた結果、隣
接する酸化シリコントンネル障壁34の間に3つのシリ
コン島35が夫々形成されており、トンネル接合(酸化
シリコントンネル障壁34)が存在する単電子トランジ
スタ構造が実現していることが分かった。
【0051】この第2実施形態の単電子トランジスタお
よびその製造方法は、第1実施形態の単電子トランジス
タおよびその製造方法と同様の効果を有している。
【0052】上記第1,第2実施形態の単電子トランジ
スタの製造方法を用いて、いくつものパラメータを変化
させたトランジスタ構造を作製して、そのトランジスタ
特性を調べることにより、これまで余り明らかにされて
いなかった弾性・非弾性コトンネリングによるデバイス
特性の影響、オフセット電荷の起源、ショット雑音の定
量的な評価等の物理現象の解明にも役立つものと考えら
れる。
【0053】上記第1,第2実施形態では、半導体とし
てシリコンの島を有する単電子トランジスタについて説
明したが、半導体はシリコンに限らず、GaAs等の他の
半導体でもよいのは勿論である。例えば、GaAs系の場
合、SOI基板の代わりに、MOCVD(有機金属気相
成長)法、MBE(分子線エピタキシャル)法等のエピタ
キシャル成長によりGaAs/AlGaAs/GaAs(sub.)
という構造を形成して、AlGaAsを絶縁層として用い
る。
【0054】また、上記第1,第2実施形態では、単電
子トランジスタの構造は、ソース電極4,ドレイン電極
6と同一面内に形成されたゲート電極を形成したサイド
・ゲート構造としたが、シリコン島の上に有機単分子膜
を介してゲート電極を形成したトランジスタ構造でもよ
い。この場合、ゲート電極のサイズが小さいため、ゲー
ト電極形成には、FIB(Focused Ion Beam)や走査型プ
ローブ顕微鏡を用いれば良い。
【0055】また、上記第1,第2実施形態では、有機
分子としてトリクロロステアリルシランを用いたが、例
えばHS(CH3)17SiCl3の有機分子を用いれば、シリ
コン表面にSiCl3基が吸着するので、単分子膜の表面
はHS基が並んで表面に現れ、このHS基が金等の貴金
属と選択的に化学吸着することを利用して、貴金属イオ
ンを含む溶液中に基板を浸漬することによって、シリコ
ン表面のみに貴金属膜を形成することができる。したが
って、有機分子の他端にいろいろな機能性を有する官能
基を選ぶことによって、様々なデバイスに応用すること
が可能となる。
【0056】また、上第1実施形態では、シリコン狭窄
領域7Bにより、ソース電極4とシリコン島7Aとを接
続し、ドレイン電極6とシリコン島7Aとを接続し、隣
接するシリコン島7Aの間を接続したが、シリコン狭窄
領域はなくともよく、下地絶縁層や第2実施形態の酸化
シリコントンネル障壁等を用いて電子が流れ難くなる領
域が、ソース電極とシリコン島との間、ドレイン電極と
シリコン島との間、および、隣接するシリコン島の間に
あればよい。
【0057】さらに、上記第1,第2実施形態では、シ
リコン島7A,35をソース電極4とドレイン電極6と
の間に直線上に整列するように形成したが、半導体の島
は直線上に整列するものに限らず、ソース電極とドレイ
ン電極とを結ぶ線上に所定の間隔をあけて整列するよう
にソース電極とドレイン電極との間に形成され、クーロ
ンブロッケードを発現可能な複数の半導体の島であれば
よい。
【0058】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の単
電子トランジスタによれば、室温で動作可能でかつ特性
ばらつきの小さい単電子トランジスタおよびその製造方
法を提供でき、冷却装置を用いることなく、超小型電子
機器に搭載できるスイッチング素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態の単電子トラ
ンジスタの模式図である。
【図2】 図2(a)〜(c)は上記単電子トランジスタの製
造過程を示す図である。
【図3】 図3(a)〜(c)はこの発明の第2実施形態の単
電子トランジスタの製造過程を示す図である。
【符号の説明】
2…単結晶シリコン基板、 3…酸化シリコン層、 4…ソース電極、 5…ゲート電極、 6…ドレイン電極、 7…チャネル領域、 7A…シリコン島、 7B…狭窄領域、 8…有機単分子層、 9…表面シリコン層、 10…未走査領域、 11…酸化層、 12…AFM探針、 33…シリコンロッド、 34…酸化シリコントンネル障壁、 35…シリコン島。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 一志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA27 CA05 CA20 HA17 LA30 5F110 BB13 BB20 DD05 DD13 DD24 EE42 FF02 GG02 GG04 GG29 GG42

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース電極とドレイン電極とを結ぶ線上
    に所定の間隔をあけて整列するように上記ソース電極と
    上記ドレイン電極との間に形成され、クーロンブロッケ
    ードを発現可能な複数の半導体の島を有することを特徴
    とする単電子トランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の単電子トランジスタに
    おいて、 上記ソース電極,ドレイン電極および上記半導体の島の
    夫々の表面を被覆する有機単分子層を有することを特徴
    とする単電子トランジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の単電子トラン
    ジスタにおいて、 上記ソース電極と上記半導体の島との間、上記ドレイン
    電極と上記半導体の島との間、および、隣接する上記半
    導体の島の間を分離する下地絶縁層を有することを特徴
    とする単電子トランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の単電子トラン
    ジスタにおいて、 上記ソース電極近傍の上記半導体の島と上記ソース電極
    とを接続し、上記ドレイン電極近傍の上記半導体の島と
    上記ドレイン電極とを接続し、隣接する上記半導体の島
    同士を接続する半導体狭窄層を有し、 上記半導体狭窄層の幅が上記半導体の島の大きさよりも
    小さいことを特徴とする単電子トランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の単電子トラン
    ジスタにおいて、 上記ソース電極と上記半導体の島との間、上記ドレイン
    電極と上記半導体の島との間、および、隣接する上記半
    導体の島の間を分離する酸化層を有することを特徴とす
    る単電子トランジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の
    単電子トランジスタにおいて、 上記半導体の島は、直径1〜30nmの円形の島の静電
    容量に相当する静電容量を有する大きさであることを特
    徴とする単電子トランジスタ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つの単電子
    トランジスタを製造する単電子トランジスタの製造方法
    であって、 相対湿度20%以下の雰囲気中で、かつ、表面に半導体
    層が形成された基板と微小プローブとの間に所定電圧を
    印加した状態で、上記微小プローブにより上記半導体層
    表面の所定のパターンの領域を走査して、ソース電極,
    ドレイン電極およびチャネル領域となるべき領域以外の
    上記半導体層表面の領域を酸化する工程と、 上記半導体表面が酸化された上記基板を有機分子を含む
    溶液中に浸漬することにより、上記ソース電極,ドレイ
    ン電極およびチャネル領域となるべき上記半導体層表面
    の未走査領域に選択的に上記有機分子を吸着させる工程
    とを有することを特徴とする単電子トランジスタの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の単電子トランジスタの
    製造方法において、 上記半導体層表面の未走査領域に選択的に上記有機分子
    を吸着させる工程の後、上記有機分子の吸着領域以外の
    上記半導体層の領域を化学エッチングにより除去する工
    程を有することを特徴とする単電子トランジスタの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項5の単電子トランジスタを製造す
    る単電子トランジスタの製造方法であって、 相対湿度20%以下の雰囲気中で、かつ、表面に半導体
    層が形成された基板と微小プローブとの間に所定電圧を
    印加した状態で、上記微小プローブにより上記半導体層
    表面の所定のパターンの領域を走査して、ソース電極,
    ドレイン電極および線状のチャネル領域となるべき領域
    以外の上記半導体層表面の領域を酸化する工程と、 上記半導体表面が酸化された上記基板を有機分子を含む
    溶液中に浸漬することにより、上記ソース電極,ドレイ
    ン電極および線状のチャネル領域となるべき上記半導体
    層表面の未走査領域に選択的に上記有機分子を吸着させ
    る工程と、 上記半導体層表面の未走査領域に選択的に上記有機分子
    を吸着させた後、上記有機分子の吸着領域以外の上記半
    導体層の領域を化学エッチングにより除去する工程と、 上記有機分子の吸着領域以外の上記半導体層の領域を化
    学エッチングにより除去する工程の後、上記基板と上記
    微小プローブとの間に定電圧を印加した状態で、上記線
    状のチャネル領域を上記微小プローブにより走査して、
    上記線状のチャネル領域の3以上の部分を所定の間隔を
    あけて酸化する工程とを有することを特徴とする単電子
    トランジスタの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7244499B2 (en) 2003-01-10 2007-07-17 Sanyo Electric Co., Ltd. Bonded structure including a carbon nanotube
JP2014175658A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Sk Innovation Co Ltd 均一なパターン配列のナノ粒子を有する単電子トランジスタ及びその製造方法
WO2017206660A1 (zh) * 2016-05-31 2017-12-07 京东方科技集团股份有限公司 薄膜晶体管、阵列基板、显示面板及显示装置

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