JP2001066302A - 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法 - Google Patents

細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法

Info

Publication number
JP2001066302A
JP2001066302A JP2000187086A JP2000187086A JP2001066302A JP 2001066302 A JP2001066302 A JP 2001066302A JP 2000187086 A JP2000187086 A JP 2000187086A JP 2000187086 A JP2000187086 A JP 2000187086A JP 2001066302 A JP2001066302 A JP 2001066302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
presenilin
endoplasmic reticulum
cell death
ire1
activation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000187086A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Imaizumi
和則 今泉
Taiichi Katayama
泰一 片山
Naoya Sato
直也 佐藤
Masaya Toyama
正彌 遠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2000187086A priority Critical patent/JP2001066302A/ja
Publication of JP2001066302A publication Critical patent/JP2001066302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞死を抑制する薬物の同定方法およびスク
リーニング方法を提供する。また、神経変性疾患(アル
ツハイマー病など)における神経細胞死を抑制するため
の医薬組成物を提供する。 【解決手段】 小胞体ストレスセンサー分子の活性化ま
たは機能に対する被験物質の増強作用を検定することを
特徴とする、細胞死(特に神経細胞死)の抑制薬の同定
方法またはスクリーニング方法。該方法により同定また
はスクリーニングされた細胞死の抑制薬。該抑制薬を有
効成分とする、神経変性疾患(アルツハイマー病など)
における神経細胞死抑制のための医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞死〔特に、神
経細胞の細胞死(以下、神経細胞死という)〕の抑制薬
の同定またはスクリーニング方法に関する。また、神経
変性疾患(アルツハイマー病など)における神経細胞死
の抑制のための医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病(Alzheime
r’s Disease:AD)は、重篤で進行性の痴
呆症状を呈する代表的な神経変性疾患である。アルツハ
イマー病には、家族性のもの(Familial Al
zheimer’s Disease:FAD)と孤発
性のもの(Sporadic Alzheimer’s
Disease)がある。
【0003】アルツハイマー病の主要な原因遺伝子とし
ては、これまでに第21染色体上のアミロイド前駆体蛋
白質(Amyloid Precursor Prot
ein)遺伝子、第14染色体上のプレセニリン−1
(Presenilin−1)遺伝子、および第1染色
体上のプレセニリン−2(Presenilin−2)
遺伝子が知られており、疾患と強く連関する変異が報告
されている。
【0004】プレセニリン−1遺伝子の変異は、特に家
族性のアルツハイマー病との関係が重要とされており、
例えば、246番目のアラニン残基がグルタミン酸残基
に置き換わった変異、146番目のメチオニン残基がロ
イシン残基に置き換わった変異およびエキソン9(エキ
ソン10と称されることもある)が欠損したスプライシ
ング変種等が知られている(Sherringtonら、Nature、
第375巻、第754−760頁、1995年;Haasら、Neuron、第1
8巻、第687−690頁、1997年;Perez-Turら、Neurorepor
t、第7巻、第297−301頁、1995年)。
【0005】また、プレセニリン−2遺伝子について
も、数種の変異が知られていた(Levy-Lahadら、Scienc
e、第269巻、第973−977頁、1995年;Rogaevら、Natur
e、第376巻、第775−778頁、1995年)が、この他、最
近、本発明者らの研究グループは、特に孤発性のアルツ
ハイマー病に特異的な変異として、エキソン5が欠損し
たスプライシング変種の出現を見出している(Satoら、
Journal of Neurochemistry、第72巻、第2498−2505
頁、1999年;WO99/60122号公報)。
【0006】しかし、このような研究にもかかわらず、
プレセニリン遺伝子の変異からアルツハイマー病の発症
までの詳細なメカニズムは明らかではなかった。
【0007】一方、細胞の小胞体におけるストレス応答
について、以下のようなことが知られている。すなわ
ち、細胞に種々の小胞体ストレスが加わって、正しく折
り畳まれていない(フォールディングしていない)蛋白
質(Unfolded Protein:UP)が細胞
内で増加すると、小胞体膜に存在するIre1(酵母で
はIre1pとも称する)(Tirasophonら、Genes & De
velopment、第12巻、第1812−1824頁、1998年)などの
小胞体ストレスセンサー分子がこれを感知し、このシグ
ナルが伝達されて、最終的には、UPを正しくフォール
ディングさせる機能を持ったGRP78(BiPとも称
される)などのシャペロン分子の発現誘導が起こる(Si
drauskiら、Trends in Cell Biology 、第8巻、第245−
249頁、1998年)。
【0008】この過程では、小胞体ストレスセンサー分
子Ire1がUPを感知すると同時に、Ire1二分子
の会合と相互リン酸化を伴う活性化が起こる。引き続い
て、転写調節因子が発現誘導または活性化され、これが
GRP78などのシャペロン遺伝子上流域に存在する転
写調節領域(Unfolded Protein Re
sponse Element;UPRE)に結合し
て、その遺伝子発現を誘導するとされている。
【0009】このようなストレス応答のメカニズムにつ
いては、酵母での研究が進んでいる。Ire1により発
現誘導または活性化される転写調節因子として、例えば
酵母のHac1と呼ばれる因子が同定されている(Cox
ら、Cell、第87巻、第391−404頁、1996年)。またIr
e1の活性化(リン酸化)を調節する役割を有するプロ
テインホスファターゼ(Ptc2p)が同定されている
(Welihindaら、Molecular and Cellular Biology、第1
8巻、第1967−1977頁、1998年)。
【0010】アルツハイマー病などにおけるプレセニリ
ンの変異とストレス応答の関係として、例えば、プレセ
ニリン遺伝子の変異を有する細胞は各種のストレスに対
し脆弱になるという現象が知られていた(Guoら、Journ
al of Neuroscience、第17巻、第4212−4222頁、1997
年)。しかしながら、その詳細なメカニズムについては
一切知られておらず、また小胞体ストレスセンサー分子
とプレセニリンとの関係についても何ら知られていなか
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、細胞
死(特に神経細胞死)を抑制する薬物およびその同定方
法およびスクリーニング方法を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、神経変性疾患(アルツハイマー病
など)における神経細胞死の抑制薬およびその同定方法
およびスクリーニング方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、プレセニリンと小胞体ストレスセンサー分子
(Ire1)は小胞体膜上で相互作用していること、ま
た、アルツハイマー病に連関するプレセニリン変異体
は、小胞体ストレスセンサー分子(Ire1)の活性化
および機能を弱めることにより分子シャペロン(GRP
78など)の発現誘導を抑えるという重要な知見を得
た。これらの知見から、小胞体ストレスセンサー分子の
活性化または機能を増強する薬物は、細胞(特にプレセ
ニリンの変異によって脆弱化した神経細胞)の細胞死の
抑制薬となることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0013】すなわち、本発明は、小胞体ストレスセン
サー分子の活性化または機能に対する被験物質の増強作
用を検定することを特徴とする細胞死(特に、神経細胞
死)の抑制薬の同定方法またはスクリーニング方法であ
る。また、前記方法により同定またはスクリーニングさ
れた細胞死の抑制薬である。また、前記の細胞死の抑制
薬を有効成分として含有してなる、神経変性疾患(アル
ツハイマー病など)における神経細胞死抑制のための医
薬組成物である。
【0014】ここで、細胞死の抑制薬とは、細胞死を抑
制するために使用される薬剤(化合物など)を意味す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、小胞体ストレス
センサー分子の活性化または機能に対する被験物質(化
合物など)の増強作用を検定することに特徴がある。す
なわち、本発明の細胞死の抑制薬の同定方法またはスク
リーニング方法は、小胞体ストレスセンサー分子を発現
している細胞を被験物質と接触せしめ、小胞体ストレス
センサー分子の活性化または機能を検定し、該活性化ま
たは機能に対する増強作用を指標として被験物質の特徴
付けまたは選別を行うことを、1つの特徴とする。
【0016】本発明によれば、細胞死(特に、神経細胞
死)を伴う種々の疾患における細胞死の抑制薬を同定ま
たはスクリーニングすることができる。なお、前記細胞
死を伴う種々の疾患は、細胞死(特に、神経細胞死)に
より引き起こされる疾患を含む。
【0017】このような疾患としては、例えば、神経変
性疾患が挙げられる。神経変性疾患としては、例えば、
(家族性または孤発性)アルツハイマー病(アルツハイ
マー型老年性痴呆)、虚血性脳障害(脳虚血)、パーキ
ンソン病、筋萎縮性側索硬化症、びまん性レビー小体病
等が挙げられる。本発明の方法は、これらのうち、プレ
セニリン(プレセニリン−1またはプレセニリン−2)
の変異に起因した神経細胞死を伴う神経変性疾患に好適
に適用され、特にアルツハイマー病のために好適に適用
される。本発明の方法は、ヒトの疾病に対して適用され
るほか、サル、イヌ、ラット、マウスなどの哺乳動物の
疾病や疾病モデル動物に対しても適用される。
【0018】本発明において、小胞体ストレスセンサー
分子とは、小胞体膜に存在して、UP(Unfolded Prote
in;正しくフォールディングされていない蛋白質)の存
在を感知してその情報を伝達する機能を有するものであ
る。このような小胞体ストレスセンサー分子としては、
例えば、Ire1〔Ire1α(Ire1pとも称す
る)、Ire1β等〕が挙げられ、また、ATF6が挙
げられる。
【0019】小胞体ストレスセンサー分子は、いずれの
種由来のものであってもよく、例えば、ヒト、ラット、
イヌ、サル、モルモットなどの哺乳動物由来のものが挙
げられる。これらのうち、ヒトの治療薬の研究開発に利
用する上ではヒト由来のものを用いることが望ましい。
【0020】Ire1については、ヒト、マウスおよび
酵母のcDNA配列およびアミノ酸配列が既に報告され
ている〔ヒトIre1α(ヒトIre1pとも称する)
/Tirasophonら、Genes & Deve
lopment、第12巻、第1812−1824頁、
1998年;Genbank・EMBL登録番号 AF
059198〕(マウスIre1β/Wangら、EMBO Jou
rnal、第17巻、第5708−5717頁、1998年;Genban
k・EMBL登録番号 AF071777)(酵母Ir
e1p/Nikawaら、Molecular Mic
robiology、第6巻、第1441−1446
頁、1992年;Genbank・EMBL登録番号
Z11701)。
【0021】これらの配列情報をもとに、同種または異
種由来のIre1遺伝子の相同遺伝子およびその遺伝子
産物を取得することができる。
【0022】Ire1の構造や機能について以下のよう
なことが知られている。
【0023】すなわち、Ire1〔Ire1α(Ire
1pとも称する)〕は、N末端側にセンサー領域があ
り、この領域は小胞体内腔に位置する。また、C末端側
にはセリン/スレオニンキナーゼ領域とRNase領域
があり、これら領域は細胞質側に位置する(Tirasophon
ら、1998年)。Ire1は定常状態ではモノマーとして
存在するが、UPが小胞体内腔に蓄積すると、ダイマー
を形成して自己リン酸化により活性化する(Tirasophon
ら、1998年)。その後、Ire1αのRNaseドメイ
ンが、転写因子Hac1をスプライスアウトさせ活性型
HAC1が作られる。活性型HAC1は小胞体分子シャ
ペロン群の転写調節領域に直接結合してそれらの遺伝子
発現を促進する(Tirasophonら、1998年)。
【0024】発明者らは、小胞体ストレスセンサー分子
Ire1は、同じく小胞体膜上に存在するプレセニリン
と相互作用していること;また、Ire1は、ある種の
変異型プレセニリンとの結合により、その活性化および
ストレスセンサーとしての機能が減弱して、細胞は小胞
体ストレスに対して脆弱化することを見出した。
【0025】このようにIre1の活性化および機能を
減弱せしめ、細胞を小胞体ストレスに対して脆弱化させ
る変異型プレセニリンとしては、例えばアルツハイマー
病に連関する変異として報告されている以下のようなも
のが挙げられる。 (i)野生型プレセニリン−1の第246番目のアラニ
ン残基がグルタミン酸残基に置換された変異型プレセニ
リン−1(A246E)(Sherringtonら、Nature、第3
75巻、第754-760頁、1995年) (ii)野生型プレセニリン−1の第146番目のメチ
オニン残基がロイシン残基に置換された変異型プレセニ
リン−1(M146L)(Sherringtonら、Nature、第3
75巻、第754-760頁、1995年) (iii)野生型プレセニリン−1遺伝子のエキソン9
に相当する領域が欠損した変異型プレセニリン−1(△
E9)(Perez-Turら、Neuroreport、第7巻、第297−30
1頁、1995年) (iv)野生型プレセニリン−2遺伝子のエキソン5に
相当する領域が欠損した変異型プレセニリン−2(dE
X5)(Satoら、Journal of Neurochemistry 、第72
巻、第2498−2505頁、1999年;WO99/60122号
公報)。
【0026】本発明の方法は、具体的には、以下のよう
に実施することができる。すなわち、小胞体ストレスセ
ンサー分子(Ire1、ATF6等)を発現している細
胞を、被験物質の存在下および非存在下に培養し、小胞
体センサー分子(Ire1、ATF6等)の活性化また
は機能を測定・比較する。被験物質の存在によって、小
胞体センサー分子(Ire1等、ATF6)の活性化ま
たは機能が増強する場合には、該被験物質はその増強作
用を介して細胞死を抑制する作用を発揮する可能性が高
いものと判定される。
【0027】細胞としては、哺乳動物(ヒト、サル等)
由来の細胞を好適に用いることができる。特に、神経変
性疾患に罹患した個体に由来する細胞や、該疾患の疾患
モデル動物に由来する細胞などを好適に使用できる。中
枢神経系細胞(神経細胞およびグリア細胞など)が好適
であるが、そのほか、神経系細胞への分化誘導が可能な
未分化細胞なども使用できる。細胞は、動物組織から分
離した初代培養細胞であってもよく、癌化もしくは不死
化した株化細胞であってもよい。このような株化細胞と
しては、例えば、ヒト神経芽細胞腫SK−N−SH細胞
(ATCC HTB−11)、同IMR−32細胞(A
TCC CCL−127)、ラット褐色細胞腫PC−1
2(ATCC CRL−1721)、ヒト胎児腎臓由来
HEK293T細胞などが挙げられる。
【0028】なお、細胞における小胞体ストレスセンサ
ー分子の発現の有無は、該小胞体ストレスセンサー分子
に対する抗体を用い、ウエスタンブロッティング、他の
慣用の免疫測定方法などを行うことにより確認すること
ができる。かかる抗体は、慣用の方法により得ることが
できる。
【0029】細胞は、変異型のプレセニリンを発現する
ように遺伝子操作されたものであってもよい。あるいは
また、小胞体ストレスセンサー分子(Ire1、ATF
6等)を過剰発現(overexpress)するように遺伝子操
作されたものであってもよい。
【0030】このような細胞は、例えば変異型のプレセ
ニリンをコードするDNAを適切なプロモータの下流に
接続した構成を含む発現ベクター および/または 小
胞体ストレスセンサー分子(Ire1、ATF6等)を
コードするDNAを適切なプロモータの下流に接続した
構成を含む発現ベクターを、宿主細胞中にトランスフェ
クトすることなどにより得られる。
【0031】さらに、用いる細胞におけるコドン使用頻
度に基づき、変異型のプレセニリンまたは小胞体ストレ
スセンサー分子をコードするDNAの塩基配列を遺伝子
縮重を介して異なる塩基配列に改変してもよい。
【0032】なお、小胞体ストレスセンサー分子をコー
ドするDNAは、該小胞体ストレスセンサー分子の本来
の機能を有するものであれば、変異(置換、欠失、挿入
または付加)を有するDNAであってもよい。かかるD
NAは、天然由来のDNAであって、小胞体ストレスセ
ンサー分子の本来の機能を有するDNA;または人為的
に変異を導入されたDNAであって、小胞体ストレスセ
ンサー分子の本来の機能を有するDNAのいずれであっ
てもよい。人為的に変異を導入されたDNAは、慣用の
部位特異的変異導入法により、対象となるDNAに変異
を導入し、ついで小胞体ストレスセンサー分子の本来の
機能を評価することにより選別できる。ここで、部位特
異的変異導入方法は、例えば、「モレキュラークローニ
ング・ア・ラボラトリー・マニュアル第2版(Mole
cular Cloning ALaboratory
Manual 2nd eds.)」(Sambro
ok, J., Fritsch, E.F.およびM
aniatis, T.著、Cold Spring
Harbor Laboratory Pressより
1989年に発刊)、Marksらの文献(Proc.
Natl。Acad.Sci.USA、第81巻、第5662
-5666頁、1984年)などに従って実施できる。
【0033】また、小胞体ストレスセンサー分子をコー
ドするDNAは、該小胞体ストレスセンサー分子本来の
機能を有するものであれば、公知の塩基配列を有するD
NAの相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズしうるDNAであってもよい。前記「ストリンジェ
ントな条件」は、例えば前記「モレキュラークローニン
グ・ア・ラボラトリー・マニュアル第2版」などに記載
されている。
【0034】ここで、小胞体ストレスセンサー分子の本
来の機能は、用いる分子により異なるが、例えば、後述
の測定方法などのように測定することができる。
【0035】小胞体ストレスセンサー分子を活性化する
ために、小胞体ストレスを負荷した条件下で細胞を培養
してもよい。小胞体ストレスを負荷する場合、例えば、
カルシウムイオノフォア(A23187);糖鎖付加阻
害作用を有するチュニカマイシン;タプシガーギン;ま
たは2−デオキシグルコースなどを添加した培地中で細
胞を培養すればよい。あるいは、アミロイドベータ蛋白
質(Aβ)(もしくは同等の作用を有するその部分ペプ
チド;Aβ1-40、Aβ25-35など)を添加して培養する
ことにより、よりアルツハイマー病の病態を反映した系
となる。
【0036】Ire1は、小胞体ストレスなどによって
生じたUP(Unfolded Protein)を感知すると同時に二
分子が会合し、自身の有するプロテインキナーゼ活性に
よって会合している分子同士が相互にリン酸化される。
こうしてIre1のリン酸化レベルが上昇することによ
り活性化が起こり、下流へとシグナルが伝達される。従
って、Ire1の活性化または機能に対する作用は、例
えば、このリン酸化のレベルを指標にして測定すること
ができる。
【0037】Ire1のリン酸化レベルの測定は、例え
ば以下のように実施される。Ire1を発現している細
胞を、標識リン(32Pなど)の存在下に培養した後、細
胞抽出液を得る。抽出液から、免疫沈降法や電気泳動、
あるいはこれらの組み合わせなどによりIre1を含む
画分を分離し、Ire1への標識リンの取り込みをオー
トラジオグラフィーなどにより測定する。
【0038】この場合、細胞として、例えばIre1の
発現ベクターをトランスフェクトして、Ire1を過剰
発現するように遺伝子操作した細胞を用いることによ
り、検出感度を高めることができる。
【0039】また、Ire1は、これに作用する脱リン
酸化酵素(プロテインホスファターゼ)と、自身の有す
るプロテインキナーゼ活性とのバランスによって、その
リン酸化レベル(すなわち活性化レベル)が調節されて
いることが知られている。
【0040】従って、Ire1の活性化を増強する作用
を検定するとき、例えば、Ire1の脱リン酸化酵素に
対する阻害作用を指標として検定することもできる。す
なわち、被験物質が、Ire1を脱リン酸化する酵素を
阻害するか否かを検定すればよい。
【0041】Ire1に作用する脱リン酸化酵素として
は、酵母で、セリン/スレオニンプロテインホスファタ
ーゼ活性を有するPtc2pが同定されている(Welihi
ndaら、Molecular and Cellular Biology、第18巻、第1
967−1977頁、1998年)ので、これを用いて阻害作用を
測定してもよいが、哺乳動物(より好ましくはヒト)由
来のPtc2pを用いて阻害作用を検定することがより
望ましい。
【0042】小胞体ストレスセンサー分子がATF6で
ある場合、かかるATF6の機能または活性化の測定方
法は、抗ATF抗体を用いたウエスタンブロットなどを
行なって、全長のATF6(約90kDa)から派生す
る約50kDaの断片(ATFのN末端断片)の有無を
検出することにより実施できる。
【0043】前記のような検定方法により、ストレスセ
ンサー分子の活性化に対する増強作用が認められた場
合、該被験物質について、例えば、小胞体ストレスによ
って惹起される細胞死に対してこれを抑制する効果があ
ることを確認すればよい。詳細には、例えば、変異型プ
レセニリンを発現させた細胞などを用い、小胞体ストレ
ス負荷によって生じる細胞死が抑制されることを確認す
ればよい。
【0044】細胞死は、例えば、細胞傷害の度合や生細
胞数の減少などを指標として評価することができる。ま
た、顕微鏡などにより、細胞の変形、萎縮、変性などを
観察し、評価してもよい。細胞傷害の度合を指標とする
場合、具体的には例えば、一定時間細胞を培養後、培地
中に漏出したLDH(乳酸脱水素酵素;lactate dehydr
ogenase)などの活性を測定し、評価することができ
る。生細胞数を指標とする場合は、例えば、トリパンブ
ルーなどを用いた色素排除試験などにより評価すること
ができる。
【0045】本発明の方法において、小胞体ストレスセ
ンサー分子、プレセニリン(野生型または変異型)、も
しくはこれらを含む融合蛋白質などを遺伝子操作により
発現増強させる場合、既知の配列情報と通常の遺伝子組
換え技術を用いて実施できる。
【0046】小胞体ストレスセンサー分子(Ire1、
ATF6等)およびプレセニリン(野生型または変異
型)のアミノ酸配列およびcDNA配列は既知であるの
で、それらの遺伝子やcDNAは、既知配列情報をもと
に設計した合成プライマーやプローブを用い、適当なD
NAライブラリからPCR(polymerase chain reactio
n)、RT−PCR(reverse transcriptase-polymeras
e chain reaction)、コロニーハイブリダイゼーション
もしくはプラークハイブリダイゼーションなど(あるい
はこれらの組合せ)により単離できる。これを適当なベ
クターに組み込んで発現ベクターを構築できる。なお、
前記技術は、例えば、前記「モレキュラークローニング
・ア・ラボラトリー・マニュアル第2版(Molecu
lar Cloning A Laboratory
Manual 2nd eds.)」などに基づき、実
施できる。
【0047】ベクターとしては、例えば、宿主細胞中で
機能するプロモータ(例えば、サイトメガロウイルス
(CMV)プロモーター、SV40プロモーターなど)
を含む哺乳動物細胞用のベクター(レトロウイルス系ベ
クター、セムリキフォレストウイルスベクター、パピロ
ーマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、
SV40系ベクター等)を使用できる。
【0048】本発明の方法により同定またはスクリーニ
ングされた細胞死抑制薬(以下、本発明の細胞死抑制
薬)(すなわち小胞体ストレスセンサー分子の活性化増
強作用を有することにより特徴付けまたは選別された化
合物など)の薬理作用の評価は、例えば、下記のように
して実施できる。前記同定方法またはスクリーニング方
法により、小胞体ストレスセンサー分子の活性化または
機能を増強する作用が見出された被験物質(化合物な
ど)について、その存在下または非存在下に、変異型プ
レセニリン−1または変異型プレセニリン−2を発現さ
せた細胞を培養して、前記と同様にして小胞体ストレス
負荷時に起こる細胞死を比較検討する。なお、細胞死は
前述のように評価することができる。
【0049】これにより、被験物質が、プレセニリン変
異に起因して脆弱化した細胞の細胞死を抑制する作用を
有する場合、被験物質が所望の効果を有することの指標
となる。
【0050】さらに、選別または特徴付けされた被験物
質(化合物など)について、神経変性疾患などの疾患モ
デル実験動物を用いて、その効果を確認することができ
る。かかる疾患モデル実験動物としては、アルツハイマ
ー病疾患モデル動物である、変異型プレセニリン−1ト
ランスジェニックマウス(Duffら、Nature、第383巻、
第710−713頁、1996年)、変異型プレセニリン−1ノッ
クインマウス(Guoら、Nature Med.、第5巻、第101−10
6頁、1999年;Nakanoら、Eur.J.Neurosci.、第11巻、第
2577−2581頁、1999年)、及び変異型APP(amyloid
precursor protein)トランスジェニックマウス(Hsiao
ら、Science、第274巻、第99−102頁、1996年)などが
挙げられる。例えば、変異型プレセニリン−1ノックイ
ンマウスでは、カイニン酸(kinate)の投与により海馬
神経細胞の細胞死が増強されることが知られているの
で、このモデルを使って被験薬の神経細胞死抑制効果を
イン・ビボで評価することができる。また、前記したア
ルツハイマー病疾患モデル動物は、いずれもAβの産生
が亢進していることが知られているので、このAβ産生
に対する抑制効果を効果の評価指標として用いてもよ
い。
【0051】疾患モデル実験動物としては、前記の他、
脳虚血モデルである、一過性前脳虚血モデル(Tsuda
ら、J.Neurosci.、第17巻、第6678−6684頁、1997
年)、中大脳動脈永久閉塞モデル(Tamuraら、J.Cereb.
Blood Flow Metab.、第1巻、第53−60頁、1981年)な
どが挙げられる。
【0052】投与対象の個体(ヒト、哺乳動物など)に
おける薬理評価は、例えば、記憶障害のスコア法を用い
てM.M.S.(minimental state)などにより痴呆症状の改
善を評価することができる。また、画像診断(MRI、
CT、PETなど)により、脳萎縮の進行度合い(進行
抑制)を評価指標として用いてもよい。
【0053】本発明の細胞死抑制薬は、前記神経変性疾
患における神経細胞死に対し有効性が期待される。従っ
て、本発明により、神経変性疾患における神経細胞死の
抑制のための医薬組成物が提供される。
【0054】本発明の細胞死抑制薬を個体に投与する場
合や、医薬組成物とする場合、所望の投与形態に応じ
て、種々の助剤をさらに含有してもよい。また、剤型と
しては、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤の如き固形製
剤、溶液、懸濁液、乳液の如き液体製剤などが挙げられ
る。投与方法は、経口的であっても非経口的であっても
よい。投与量は、疾患の特性、患者の年齢、体重などに
より適宜調整することができるが、通常0.01〜10
0mg/kgとするのが望ましい。投与形態としては、
剤型に応じて経口、動脈注射、静脈注射、筋肉注射、対
象組織に対する局所注射などにより投与することができ
る。
【0055】以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもの
ではない。
【0056】なお、下記実施例において、各操作は特に
明示がない限り、「モレキュラークローニング・ア・ラ
ボラトリー・マニュアル第2版(Molecular
Cloning A Laboratory Manu
al 2nd eds.)」(Sambrook,
J., Fritsch, E.F.およびMania
tis, T. 著、Cold Spring Har
bor Laboratory Pressより198
9年に発刊)に記載の方法により行うか、または、市販
の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従っ
て使用した。
【0057】
【実施例】実施例1 プレセニリンと小胞体ストレスセ
ンサーIre1の相互作用 野生型プレセニリンまたは変異型プレセニリンととも
に、小胞体ストレスセンサー分子Ire1(Ire1
α)を過剰発現させた細胞を用い、以下のように免疫沈
降法にて、細胞内におけるIre1とプレセニリンの相
互作用を検出した。 (1)発現ベクターとトランスフェクション まず、野生型プレセニリン−1または変異型プレセニリ
ン−1の発現ベクターを、単独で、あるいはヒトIre
1〔ヒトIre1α(ヒトIre1pとも称する)〕の
発現ベクターとともに、ヒト胎児腎臓由来のHEK29
3T細胞(Human embryonic kidney 293 transformed c
ell)(Imaizumiら、Journal of Biological Chemistr
y、第19巻、第7975−7981頁、1999年)
に、トランスフェクションし、各産物を一過性に過剰発
現させた。また、コントロールとして、前記発現ベクタ
ーのいずれかにかえてベクターのみ(Mock)をトラ
ンスフェクションした。
【0058】ヒトIre1〔ヒトIre1α(ヒトIr
e1pとも称する)〕の発現ベクターは、Ire1のc
DNAを文献(Tirasophonら、Genes
&Development、第12巻、第1812−1
824頁、1998年、Genbank・EMBL登録
番号 AF059198)記載の方法に準じて取得した
後ベクターに接続して構築したものを用いた。
【0059】野生型プレセニリン−1(野生型PS1、
PS1Wとも称する)の発現ベクターは、ヒトプレセニ
リン−1の全長cDNA(Genbank/EMBL Accession No.
L42110;Sherringtonら、Nature、第
375巻、第754−760頁、1995年)をベクタ
ープラスミドpCDNA3(Invitrogen社製)中(サイ
トメガロウィルスプロモータの下流)に組み込んだ発現
ベクターを用いた。
【0060】また、変異型プレセニリン−1(変異型P
S1)の発現ベクターとしては、以下の3種をコードす
る変異cDNAを、PCR法、部位特異的変異導入法な
どの遺伝子操作技術を利用して取得した後、前記と同様
のベクタープラスミドに組み込んだものを用いた。 (i)野生型プレセニリン−1遺伝子のエキソン9に相
当する領域が欠損した変異型プレセニリン−1(△E
9) (ii)野生型プレセニリン−1の第246番目のアラ
ニン残基がグルタミン酸に置換された変異型プレセニリ
ン−1(A246E)。
【0061】ヒトIre1の発現ベクターは、フラッグ
抗原のタグとヒトIre1蛋白質との融合蛋白質をコー
ドするcDNAをベクタープラスミドpCDNA3(I
nvitrogen社製)に組み込まれたものを用い
た。この発現ベクターにより、フラッグ抗原のタグがC
末端側に付加された形態でヒトIre1が発現する。
【0062】トランスフェクションは、リポフェクトア
ミン試薬(Life Technologies社製)を用い、リポフェ
クション法により行った。トランスフェクション時に
は、細胞数約1x107個に対して、発現ベクター約1
0μgを用いた。。
【0063】(2)免疫沈降および免疫組織染色 トランスフェクションから約24時間後に細胞を回収
し、細胞溶解緩衝液(NP-40 lysis buffer)(組成:1%
NP-40、10mM Tris-HCl(pH7.8)、150mM NaCl、1mM EDT
A、1mM PMSF、10μg/ml aprotinin)を用いて可溶化し
た。
【0064】これに抗フラッグ抗体(または抗プレセニ
リン−1抗体)を加え、4℃で約1時間反応させた後、
さらにプロテインGアガロース(recombinant proteinG
agaraose、GIBCO社製)を加えてさらに4℃にて
約1時間インキュベートし免疫沈降させた。免疫沈降し
た画分(アガロースビーズ)を分取し、これを前記と同
様の緩衝液で洗浄した後、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(5−20%グラジエント)に供した。泳
動後、抗プレセニリン−1抗体(または抗フラッグ抗
体)を用いて、ウェスタンブロッティングを行った。
【0065】抗プレセニリン−1抗体としては、プレセ
ニリン−1のN末端14アミノ酸残基に相当する合成ペ
プチドを抗原として用いて調製したウサギ抗血清から、
抗体精製用キット(商品名 ProtOn Kit1、Multiple Pep
tide Systems社製)を用いて抗原としたペプチドに対し
てアフィニティ精製したものを用いた。また、抗フラッ
グ抗体としては、市販のM2モノクローナル抗体(商品
名、Eastman Kodak社製)を用いた。
【0066】免疫沈降とウェスタンブロッティングの結
果(図1)、抗PS1抗体による免疫沈降(図1上段)
では、PS1(野生型、変異型A246Eまたは△E
9)をIre1と共に過剰発現させた場合のみ、その免
疫沈降物中にIre1が検出できた。また、抗フラッグ
抗体による免疫沈降(図1下段)でも、PS1をIre
1と共に過剰発現させた場合のみその免疫沈降物中にP
S1が検出ができた。この結果から、PS1は野生型、
変異型(A246Eまたは△E9)のいずれもIre1
と細胞内で相互作用していることがわかった。
【0067】また、前記と同様トランスフェクションを
行い、24時間後の細胞を回収し、野生型PS1および
Ire1の細胞内の局在を免疫組織染色(蛍光抗体法)
により調べた。その結果、野生型PS1は小胞体とゴル
ジ体に、またIre1も核膜周辺に陽性反応が検出でき
たことから、両者が小胞体膜上にともに局在しているこ
とが確認された。
【0068】以上のことから、細胞中で、プレセニリン
−1は小胞体膜上のIre1と生理的条件下で相互作用
していると考えられた。。
【0069】実施例2 Ire1の活性化(Ire1の
リン酸化レベル)の検出 (1)変異型プレセニリン−1によるIre1の活性化
抑制 野生型または変異型プレセニリンとともに、小胞体スト
レスセンサー分子Ire1(Ire1α(Ire1pと
も称する))を過剰発現させた細胞を用い、Ire1の
活性化の状態を以下のように測定した。
【0070】野生型プレセニリン−1、変異型プレセニ
リン−1およびヒトIre1の発現ベクターとしては、
前記実施例1と同様のものを用いた。
【0071】まず、HEK293T細胞を、6穴プレー
ト中で培養した後、これに野生型プレセニリン−1また
は変異型プレセニリン−1の発現ベクター(0.5μg
/ウエル)を、ヒトIre1の発現ベクター(0.2μ
g/ウエル)およびリポフェクトアミン(3μl/ウエ
ル)とともに加えて、トランスフェクションを行い、各
産物を一過性に過剰発現させた。またコントロールとし
て、プレセニリンの発現ベクターにかえてベクターのみ
(Mock)をトランスフェクションした。
【0072】トランスフェクションの約24時間後、32
リン(32P)を、100μCi/ウエル添加してラベリ
ングした。2時間インキュベートした後、培養上清を捨
てペレットを生理的リン酸緩衝溶液(phosphate-buffer
ed saline)で洗浄した後、1mlの細胞溶解用緩衝液
で細胞を可溶化させた。
【0073】次いで、抗フラッグ抗体でIre1を含む
画分を免疫沈降させた後、これを、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルを乾燥し
た後、ウェスタンブロッティングを行い、オートラジオ
グラフィーでラベルを検出した。
【0074】その結果、図2に示したように、Ire1
とともに野生型PS1を過剰発現させた細胞、およびコ
ントロール細胞(PS発現ベクターにかえて空のベクタ
ーをトランスフェクトした細胞)では、いずれもIre
1が高レベルにリン酸化された状態であった。これに対
して、Ire1とともに変異型PS1(A246Eまた
は△E9)を過剰発現させた細胞では、そのリン酸化状
態は明らかに低いレベルであり、リン酸化が極度に抑制
されていることがわかった。
【0075】なお、別途行ったウエスタンブロッテイン
グの結果から、発現ベクターのトランスフェクトによっ
て発現しているIre1およびPSの量は各サンプルに
おいて、ほぼ同等であることが確認された。
【0076】以上のことから、アルツハイマー病患者に
特徴的なプレセニリン遺伝子変異(例えばA246E、
△E9など)によって、Ire1の活性化が抑制される
と考えられた。。
【0077】(2)Ire1の活性化に対する被験物質
の作用検定 前項(1)と同様の系を用い、Ire1の活性化(リン
酸化レベルの上昇)に対する被験物質の作用を検定する
ことができる。
【0078】すなわち、Ire1とともにプレセリニン
−1(野生型または変異型)を過剰発現した細胞を得、
これを被験物質の存在下または非存在下、小胞体ストレ
ス負荷条件(もしくは通常の条件)のもと標識リンを添
加して細胞を培養し、Ire1のリン酸化レベル(標識
リンの取り込み量)を測定する。次いで、被験物質の存
在により、Ire1の活性化(リン酸化レベルの上昇)
が増強するかどうか、変異型PS1の発現によって抑制
されるIre1の活性化が回復するかどうかを、比較し
作用を判定する。これにより、Ire1の活性化を増強
する物質を得ることができる。。
【0079】実施例3 プレセニリン変異による分子シ
ャペロンGRP78発現誘導抑制 (1)GRP78の発現誘導に対する変異型プレセニリ
ン−1の影響 野生型または変異型プレセニリン−1を発現させた細胞
を用い、小胞体ストレス負荷条件下におけるシャペロン
分子GRP78の発現誘導を以下のようにして検出し
た。
【0080】まず、ヒト神経芽細胞腫(Neuroblastoma,
Human)SK―N−SH細胞(ATCC HTB−1
1)に、野生型または変異型プレセニリン−1の発現ベ
クターを、単独でトランスフェクションし、外来遺伝子
の各産物を構成的に発現する細胞を取得した。プレセニ
リン−1(野生型および変異型)の発現ベクターは、前
記実施例1と同様のものを用いた。またコントロールと
して、ベクターのみ(Mock)をトランスフェクショ
ンした細胞を得た。
【0081】上記の細胞に、チュニカマイシン(Tm:
Tunicamycin)(3μg/ml)を添加してさらに6時
間培養した。培養後の細胞を回収、これらからトータル
RNAを調製した。ついで、これらRNAサンプルにつ
いて、ヒトGRP78のcDNA断片(Genbank
/EMBL登録番号 M19645の配列をもとにPC
Rにて調製したもの)をプローブとして、ノーザンブロ
ッティングを行い、GRP78mRNAを検出した。ま
た、コントロールとして、β−アクチンmRNAを同サ
ンプルで検出した。
【0082】その結果、図3に示した通り、変異型PS
1(A246Eまたは△E9)を発現させた細胞では、
野生型PS1を発現させた細胞と比較して、GRP78
mRNAの発現レベルが低くなっていることがわかっ
た。一方、β−アクチンの発現レベルはいずれの細胞で
も差は見られなかった。これらのことから、GRP78
mRNAの発現誘導は、変異型プレセニリンによって抑
制されると考えられた。
【0083】また、この結果と前記実施例2の結果(I
re1活性化に対する変異型PS1の影響)から、変異
型PS1によってIre1の活性化が抑制され、Ire
1からの情報伝達経路の下流に位置する転写因子群の下
方調節を介して、分子シャペロンGRP78の発現誘導
に対する抑制が起こるものと考えられる。。
【0084】(2)GRP78mRNA発現誘導に対す
る変異型プレセニリン−2の影響 プレセニリン−2の野生型または変異型を発現させた場
合について、小胞体ストレス負荷条件下におけるシャペ
ロン分子GRP78の発現誘導を前項(1)に準じて検
出した。
【0085】まず、SK−N−SH細胞に、野生型プレ
セニリン−2または変異型プレセニリン−2の発現ベク
ターを、単独であるいはヒトIre1の発現ベクターと
ともにトランスフェクションし、外来遺伝子の各産物を
構成的に発現する細胞を取得した。
【0086】野生型プレセニリン−2(野生型PS2、
PS2Wとも称する)の発現ベクターは、ヒトプレセニ
リン−2の全長cDNA(Genbank/EMBL Accession No.
NM 000447、Levy−Lahadら、Scienc
e、第269巻、第970−973頁、1995年)
を、ベクタープラスミドpcDNA3(Invitrogen社
製)中(サイトメガロウィルス プロモータの下流)に
組み込んだ発現ベクターを用いた。
【0087】また、変異型プレセニリン−2(変異型P
S2)の発現ベクターとしては、野生型プレセニリン−
2遺伝子のエキソン5に相当する領域が欠損した変異型
プレセニリン−2(dEX5)をコードするcDNA
を、ベクタープラスミドpcDNA3に組み込んだ発現
ベクターを用いた。ヒトIre1の発現ベクターとして
は、前記実施例1と同様のものを用いた。またコントロ
ール(Mock)として、ベクターのみをトランスフェ
クションした。
【0088】これら細胞を培養する際、小胞体ストレス
薬剤として、カルシウムイオノフォア(A23187)
(終濃度0.5〜1μM)またはチュニカマイシン(T
m:Tunicamycin)(終濃度0.5〜1μg/ml)を
添加して6時間刺激した。また対照として、小胞体スト
レス薬剤無添加の条件で培養した。
【0089】培養後の細胞からトータルRNAを調製
し、以下前記(1)項と同様にしてノーザンブロッティ
ングを行ってGRP78mRNAを検出し、デンシトメ
ーターにてバンドの濃度を計測した。
【0090】その結果、図4に示した通り、いずれの小
胞体ストレス負荷時でも、変異型PS2(dEX5)を
発現させた細胞では、野生型PS2を発現させた細胞と
比較して、GRP78mRNAの発現レベルが明らかに
低くなっていた。また、小胞体ストレスを負荷しない定
常状態でも、変異型PS2(dEX5)の構成的発現に
よってGRP78mRNAの発現レベル低下が認められ
た。これらのことから、GRP78の発現誘導抑制は、
プレセニリン−1のみならず、プレセニリン−2の変異
によっても起こると考えられた。。
【0091】実施例4 プレセニリンの変異による細胞
脆弱化 野生型または変異型プレセニリン−1を発現させた細胞
を用い、以下のようにして、小胞体ストレス負荷に対す
る感受性を調べた。
【0092】まず、野生型PS1(PSW)または変異
型PS1(A246E)の発現ベクター(前記実施例1
と同様の発現ベクター)を、SK−N−SH細胞にトラ
ンスフェクションし、外来遺伝子の各産物を構成的に発
現する細胞を取得した。
【0093】各細胞を、6穴プレートで90%コンフル
エントな状態まで培養した後、小胞体ストレス薬剤を添
加した無血清培地に培地交換し、さらに20時間培養し
て小胞体ストレスを負荷した。小胞体ストレス薬剤とし
ては、カルシウムイオノフォア(A23187)(終濃
度3μM)またはチュニカマイシン(Tm:Tunicamyci
n)(終濃度0.5μg/ml)を添加した。培養後、
培地中に漏出したLDH活性を指標に、細胞傷害度(L
DH漏出量)を測定した。
【0094】その結果、図5に示したように、野生型P
S1を発現させた細胞と比較して、変異型PS1(A2
46E)を発現させた細胞では、小胞体ストレス薬剤負
荷による細胞傷害度(LDH漏出量)が高く、小胞体ス
トレス負荷に対してより高い感受性を示した。また、プ
レセニリン−2についても同様の実験を行った場合、や
はり野生型と比べて変異型PS2(dEX5)を発現さ
せた細胞で、小胞体ストレス負荷に対するより高い感受
性が認められた。
【0095】これらのことから、プレセニリン−1およ
びプレセニリン−2のいずれの場合でもその変異型蛋白
質によって、小胞体ストレスに対する細胞の脆弱化が起
こることがわかった。。
【0096】(2)細胞死に対する被験物質の抑制作用
の検定 実施例2の(2)に従って、Ire1の活性化を増強す
る作用が見出された被験物質について、その存在下また
は非存在下で変異型PS(1または2)を発現させた細
胞を培養して、前記と同様にして小胞体ストレス負荷時
に起こる細胞傷害を比較検討する。
【0097】これにより、被験物質が、プレセニリン変
異に起因して脆弱化した細胞の細胞死を抑制する作用を
有することを確認する。。
【0098】実施例5 小胞体ストレスセンサー分子として、最近、ATF6が
同定され、そのcDNA及びアミノ酸配列が報告されて
いる(Yoshidaら、J.Biol.Chem.、第273巻、第33741-33
749頁、1998年)。また、ATF6について、以下のよ
うなことが報告されている。すなわち、ATF6は、I
I型の膜貫通糖蛋白質でC末端側から小胞体内腔に向い
ている。
【0099】また、ATF6は、小胞体膜近傍で切断さ
れて活性化する。切断で生じたN末端断片(転写調節に
重要なベーシックロイシンジッパー(bZIP)領域を
含む約50kDaの切断断片)は核に移行し、この断片
が、ERSE(endoplasmicreticulum stress response
element)と呼ばれる転写調節領域に結合して、シャペ
ロン分子の遺伝子転写を促進させる(Hazeら、Mol.Bio
l.Cell、第10巻、第3787-3799頁、1999年)。
【0100】発明者らは、ATF6に対する変異型プレ
セニリンの及ぼす影響について調べた。すなわち、変異
プレセニリン−1ノックインマウス(ホモ型)(Nak
anoら、Eur.J.Neurosci.、第11巻、
第2577‐2581頁、1999年)及び野生型マウスの各々から
線維芽細胞を取得し、これら細胞を用いて以下のの実験
を行った。
【0101】まず、野生型マウス由来及び変異型プレセ
ニリン−1ノックインマウス(ホモ型)由来の線維芽細
胞の各々の培養液にチュニカマイシンを添加して小胞体
ストレスを負荷した。チュニカマイシン添加後、経時的
に細胞を回収して細胞抽出液を調製した。これら細胞抽
出液について、抗ATF6抗体を用いるウエスタンブロ
ッティングを行い、ATF6を検出した。
【0102】その結果、全長のATF6(約90kDa)
と、ATF6のN末端断片(約50kDa)が検出され
たが、変異型プレセニリン−1ノックインマウス(ホモ
型)由来細胞においては、野生型マウス由来細胞に比
べ、N末端断片の産生時期が遅くなっていた。
【0103】また、前記と同様に、細胞をチュニカマイ
シンで処理した後、抗ATF6抗体を用いて免疫染色を
行った。その結果、野生型マウス由来細胞において、A
TF6のN末端断片は、小胞体ストレス負荷後の約2時
間目から核に移行し始めたのが観察された。一方、変異
型プレセニリン−1ノックインマウス(ホモ型)由来の
細胞では、ATF6のN末端断片の核移行は、小胞体ス
トレス負荷後2時間目では全く観察されず、負荷後4時
間目頃から徐々に核移行が始まったのが観察された。
【0104】上記の通り、変異型プレセニリンは、AT
F6の小胞体膜近傍での切断と切断断片の核移行を抑制
することがわかった。変異型プレセニリンは、Ire1
の機能障害のみならず、ATF6の機能障害も引き起こ
すことが明らかとなった。
【0105】
【発明の効果】本発明の方法によれば、細胞死(特に、
神経細胞死)を抑制する薬物を、的確に効率よく同定お
よびスクリーニングすることができる。また、本発明の
方法によりスクリーニングまたは同定された薬物は、神
経変性疾患(特にアルツハイマー病など、プレセニリン
の変異に起因する神経細胞死を伴う疾患)における神経
細胞死の抑制のために有用である。本発明の方法により
見出された薬物あるいは同定された薬物は、作用点が明
らかとなっているので医薬品としての開発に有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プレセニリン−1(野生型または変異型)お
よびIre1を一過性に過剰発現させた細胞から得た免
疫沈降画分のウエスタンブロッティングの結果(プレセ
ニリン−1とIre1との相互作用)を示した図。上段
は、抗フラッグ抗体による免疫沈降画分を抗プレセニリ
ン−1抗体によりブロッティングした結果、下段は、抗
プレセニリン−1抗体による免疫沈降画分を抗フラッグ
抗体によりブロッティングした結果を各々示す。また、
図上部には導入した発現ベクターの種類を示しており、
「W」は野生型PS1を、「246」は変異型PS1
(A246E)を、「△E9」変異型PS1(△E9)
を、「Mock」はベクターのみを各々表す。
【図2】 プレセニリン−1(野生型または変異型)お
よびIre1を一過性に過剰発現させた細胞の小胞体ス
トレス負荷下における、Ire1のリン酸化レベルを検
出したオートラジオグラフィーの結果を示した図。図上
部には導入した発現ベクターの種類を示しており、「P
SW」は野生型PS1を、「A246E」は変異型PS
1(A246E)を、「△E9」変異型PS1(△E
9)を、「Mock」はベクターのみを各々表す。
【図3】 プレセニリン−1(野生型または変異型)を
発現させた細胞におけるGRP78mRNAの発現量
(変異型PS1による発現誘導抑制)を表わすノーザン
ブロッティングの結果を示した図。図上部には導入した
発現ベクターの種類を示しており、「PS1W」は野生
型PS1を、「A246E」は変異型PS1(A246
E)を、「△E9」は変異型PS1(△E9)を、「M
ock」はベクターのみを各々表す。
【図4】 プレセニリン−2(野生型または変異型)を
発現させた細胞におけるGRP78mRNAの発現量
(変異型PS2による発現誘導抑制)を示した図。図下
部には導入した発現ベクターの種類を示しており、「P
S2Wild」は野生型PS2を、「PS2dEX5」
は変異型PS2(dEX5)、「Mock」はベクター
のみを各々表す。また、「A23187」はカルシウム
イオノフォア(数値は添加濃度(μM))を添加培養し
た細胞、「TM」はチュニカマイシン(数値は添加濃度
(μg/ml))を添加培養した細胞、「contro
l」は小胞体ストレス薬剤を無添加で培養した細胞を各
々表す。
【図5】 プレセニリン−1(野生型または変異型)を
発現させた細胞に小胞体ストレスを負荷した際の細胞傷
害度(LDH漏出量)を示した図。図中、下部には導入
した発現ベクターの種類を示しており、「PSW#8」
および「PSW#24」は野生型PS1の発現ベクター
を導入した細胞を、「A246E#16」および「A2
46E#17」は、変異型PS1(A246E)の発現
ベクターを導入した細胞を各々表す。また、「A231
87」はカルシウムイオノフォアを添加培養した細胞、
「Tunicamycin」はチュニカマイシンを添加
培養した細胞を各々表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/42 C12Q 1/42 G01N 33/15 G01N 33/15 Z // C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 佐藤 直也 大阪府吹田市南金田2丁目4番10−804号 (72)発明者 遠山 正彌 大阪府豊中市新千里北町2丁目9番3号

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小胞体ストレスセンサー分子の活性化ま
    たは機能に対する被験物質の増強作用を検定することを
    特徴とする、細胞死の抑制薬の同定方法またはスクリー
    ニング方法。
  2. 【請求項2】 細胞死が神経細胞死である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 細胞死が、プレセニリン−1またはプレ
    セニリン−2の変異に起因して脆弱化した細胞の細胞死
    である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 細胞死の抑制薬が神経変性疾患における
    神経細胞死の抑制薬である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 細胞死の抑制薬がアルツハイマー病にお
    ける神経細胞死の抑制薬である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 小胞体ストレスセンサー分子を発現して
    いる細胞を被験物質と接触せしめ、小胞体ストレスセン
    サー分子の活性化または機能を検定し、該活性化または
    機能に対する増強作用を指標として被験物質の特徴付け
    または選別を行う、請求項1〜5のいずれか1項記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 小胞体ストレスセンサー分子の活性化ま
    たは機能に対する被験物質の増強作用が、プレセニリン
    −1またはプレセリニン−2の変異に起因して減弱した
    小胞体ストレスセンサー分子の活性化または機能を回復
    せしめる作用である、請求項1〜6のいずれか1項記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 小胞体ストレスセンサー分子が、Ire
    1及びATF6から選択される分子である、請求項1〜
    7のいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 小胞体ストレスセンサー分子がIre1
    である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 Ire1のリン酸化レベルの上昇を指
    標として、Ire1の活性化または機能に対する増強作
    用を検定する工程を含む、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 Ire1を脱リン酸化する酵素に対す
    る阻害作用を指標として、Ire1の活性化または機能
    に対する増強作用を検定する工程を含む、請求項9記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    方法により同定またはスクリーニングされた細胞死の抑
    制薬。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の細胞死の抑制薬を有
    効成分として含有してなる、神経変性疾患における神経
    細胞死の抑制のための医薬組成物。
  14. 【請求項14】 神経変性疾患がアルツハイマー病であ
    る請求項13記載の医薬組成物。
JP2000187086A 1999-06-25 2000-06-22 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法 Pending JP2001066302A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000187086A JP2001066302A (ja) 1999-06-25 2000-06-22 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17927799 1999-06-25
JP11-179277 1999-06-25
JP2000187086A JP2001066302A (ja) 1999-06-25 2000-06-22 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001066302A true JP2001066302A (ja) 2001-03-16

Family

ID=26499186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000187086A Pending JP2001066302A (ja) 1999-06-25 2000-06-22 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001066302A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012108394A1 (ja) * 2011-02-07 2012-08-16 国立大学法人徳島大学 糖尿病発症に係る小胞体ストレスに関与する物質のスクリーニング方法
JP2017060532A (ja) * 2002-12-20 2017-03-30 セレラ コーポレーション 心筋梗塞に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017060532A (ja) * 2002-12-20 2017-03-30 セレラ コーポレーション 心筋梗塞に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用
WO2012108394A1 (ja) * 2011-02-07 2012-08-16 国立大学法人徳島大学 糖尿病発症に係る小胞体ストレスに関与する物質のスクリーニング方法
US9085791B2 (en) 2011-02-07 2015-07-21 The University Of Tokushima Method for screening substance relating to endoplasmic reticulum stress participating in onset of diabetes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hasegawa et al. Promotion of mitochondrial biogenesis by necdin protects neurons against mitochondrial insults
Hishiya et al. A novel ubiquitin‐binding protein ZNF216 functioning in muscle atrophy
US8771965B2 (en) Methods and compositions involving nucleotide repeat disorders
Tong et al. Netrin stimulates tyrosine phosphorylation of the UNC-5 family of netrin receptors and induces Shp2 binding to the RCM cytodomain
Ganesh et al. The carbohydrate-binding domain of Lafora disease protein targets Lafora polyglucosan bodies
WO2010111587A1 (en) Modulators of tdp-43 mediated toxicity
Maj et al. Novel insights into the distribution and functional aspects of the calcium binding protein secretagogin from studies on rat brain and primary neuronal cell culture
US7235383B2 (en) Alzheimer's related proteins and methods of use
US20140186294A1 (en) Phagocytic activity as a marker of synucleinopathic disease
WO2004093790A2 (en) Yeast ectopically expressing abnormally processed proteins and uses therefor
US20090136482A1 (en) Drug target protein and target gene, and screening method
EP2965091B1 (en) Assay and method for identifying compounds to treat tauopathies
Kim et al. Drosophila homolog of APP-BP1 (dAPP-BP1) interacts antagonistically with APPL during Drosophila development
JP2001066302A (ja) 細胞死抑制薬の同定方法およびスクリーニング方法
Zhang et al. Interaction of Mint2 with TrkA is involved in regulation of nerve growth factor-induced neurite outgrowth
Hong et al. Phosphoproteome study reveals Hsp27 as a novel signaling molecule involved in GDNF-induced neurite outgrowth
JP6624468B2 (ja) Tdp−43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法
WO2001001132A1 (fr) Procede d'identification de medicament inhibant la mort des cellules et procede de criblage a cet effet
US7829670B2 (en) Proteins having effects of controlling cell migration and cell death
KR101338885B1 (ko) Mgc4504의 용도
Sekine et al. Amino-terminal proteolytic fragment of the axon growth inhibitor Nogo-A (Rtn4A) is upregulated by injury and promotes axon regeneration
US20040157225A1 (en) Diagnostic and therapeutic use of a nuclear restricted protein for alzheimer's disease and related neurodegenerative disorders
WO2004033688A1 (ja) Cap結合蛋白質
JP2009046459A (ja) Adnf受容体
Clarkson et al. β-III spectrin mutation L253P associated with