JP2001062239A - 気体の洗浄装置及び気体の洗浄方法 - Google Patents
気体の洗浄装置及び気体の洗浄方法Info
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- JP2001062239A JP2001062239A JP27731499A JP27731499A JP2001062239A JP 2001062239 A JP2001062239 A JP 2001062239A JP 27731499 A JP27731499 A JP 27731499A JP 27731499 A JP27731499 A JP 27731499A JP 2001062239 A JP2001062239 A JP 2001062239A
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- Gas Separation By Absorption (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】小容量、低騒音、低エネルギー消費量、低用水
量を特徴とする簡単な構造の装置、方法及び薬剤で、悪
臭気体、有害ガス、有害エアロゾルを含む空気や燃料ガ
スなど汚染気体を、効率的に洗浄・除去できるシステム
を提供する。 【構成】ステンレス鋼など耐食性の網を、少なくも2枚
以上積層して茸型に成型した気体分散装置(1)を、底
面の中央部にある気体流入口(7)の金具に嵌合した装
置に、洗浄液を気体分散装置の上面から30cm以内、
好ましくは10cm程度まで注入し汚染空気を気体分散
装置内に送入すると、微細な泡を発生するため気液接触
率が向上し、多種類の洗浄剤を使用した場合高度の洗浄
効率が得られる。ここで、洗浄剤に多種類の空気汚染物
と反応して液体の内部で発泡する、洗浄剤として、特に
アルカリ金属の炭酸塩及び/重炭酸塩を加えた過酸化水
素や過硫酸塩を使用すると、除去が困難な有機硫黄化合
物臭などに対する高度の洗浄効果が得られる。
量を特徴とする簡単な構造の装置、方法及び薬剤で、悪
臭気体、有害ガス、有害エアロゾルを含む空気や燃料ガ
スなど汚染気体を、効率的に洗浄・除去できるシステム
を提供する。 【構成】ステンレス鋼など耐食性の網を、少なくも2枚
以上積層して茸型に成型した気体分散装置(1)を、底
面の中央部にある気体流入口(7)の金具に嵌合した装
置に、洗浄液を気体分散装置の上面から30cm以内、
好ましくは10cm程度まで注入し汚染空気を気体分散
装置内に送入すると、微細な泡を発生するため気液接触
率が向上し、多種類の洗浄剤を使用した場合高度の洗浄
効率が得られる。ここで、洗浄剤に多種類の空気汚染物
と反応して液体の内部で発泡する、洗浄剤として、特に
アルカリ金属の炭酸塩及び/重炭酸塩を加えた過酸化水
素や過硫酸塩を使用すると、除去が困難な有機硫黄化合
物臭などに対する高度の洗浄効果が得られる。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭、有害気体、及び
有害エアロゾル類など気体中の汚染物の水性洗浄による
除去に利用される。これら汚染物は、粒径が0,3nm
から数100μmの範囲の範囲にあり、有害エアロゾル
類には、フューム、ミスト、スモッグ、油煙、浮遊粉塵
類、ビールス、有害微生物とその胞子などが含まれる。
本発明の装置と方法は、小規模から大規模の多くの固定
及び移動発生源に対して利用される。典型的な利用例
は、容量50〜数千リットルの業務用や産業用の微生物
を利用する生ゴミや汚泥などの減量機が排出する強い悪
臭の消臭装置と消臭方法である。本発明の装置と方法の
利用される場所は、種々の空気汚染物を排出するレスト
ラン、ホテル、遊戯店、スパーマーケット、デパート、
スポーツクラブ、生鮮食品倉庫や加工場、化学工場、汚
泥処理施設、種々の生産・加工工場、医療施設、介護施
設などの多くの事業所や荷客船などが挙げられる。また
本発明は、硫化水素やメチルメルカプタンなど酸性の硫
黄化合物を含有する燃料ガス、いわゆるサワーガスか
ら、これら硫黄化合物を除去・精製し、いわゆるスイー
トガスとする場合に適した装置と方法を提供する。
有害エアロゾル類など気体中の汚染物の水性洗浄による
除去に利用される。これら汚染物は、粒径が0,3nm
から数100μmの範囲の範囲にあり、有害エアロゾル
類には、フューム、ミスト、スモッグ、油煙、浮遊粉塵
類、ビールス、有害微生物とその胞子などが含まれる。
本発明の装置と方法は、小規模から大規模の多くの固定
及び移動発生源に対して利用される。典型的な利用例
は、容量50〜数千リットルの業務用や産業用の微生物
を利用する生ゴミや汚泥などの減量機が排出する強い悪
臭の消臭装置と消臭方法である。本発明の装置と方法の
利用される場所は、種々の空気汚染物を排出するレスト
ラン、ホテル、遊戯店、スパーマーケット、デパート、
スポーツクラブ、生鮮食品倉庫や加工場、化学工場、汚
泥処理施設、種々の生産・加工工場、医療施設、介護施
設などの多くの事業所や荷客船などが挙げられる。また
本発明は、硫化水素やメチルメルカプタンなど酸性の硫
黄化合物を含有する燃料ガス、いわゆるサワーガスか
ら、これら硫黄化合物を除去・精製し、いわゆるスイー
トガスとする場合に適した装置と方法を提供する。
【従来の技術】気体,特に空気を清浄化する方法として
バグフィルター法、電気集塵法、直接燃焼法、蓄熱燃焼
法、触媒燃焼法、微生物分解法、酸化チタン触媒に光線
を照射する方法、粒状活性炭層の通過/接触法などが広
く実施されている。洗浄塔(スクラバー)法は、下記
イ)〜オ)のような多種類の装置が実用化されている。
これらは、気液接触方法により気体分散型と液分散型と
に分類され、本発明は前者の気泡塔法に属する。これら
従来法では、たとえ洗浄液に適当なものを使用した場合
でも、気液接触率が低いことと、洗浄液自体の選定が極
めて不適当であったため高度の洗浄が得られなかった。 〈気体分散型の洗浄塔〉 a)気泡塔:ガス分散装置から、薬液中に汚染気体を分
散・接気させる装置。 b)気泡攪拌槽:気泡塔内の攪拌装置で、接気効率の向
上を狙った装置。 c)段塔:装置内の水平な段上に薬液を流し、上段に取
り付けた気泡発生装置で泡層を形成させ、薬液流下管に
より順次下部の4段以上の水平な液流管に流して汚染気
体と接気させる装置。 d)多孔板塔:気泡発生装置の代わりに多孔板を用いる
段塔型の変形装置。 e)漏れ棚塔:薬液流下管の代わりに多孔板の孔から薬
液を流す多孔板塔型の変形装置。 〈液膜式薬液分散型の洗浄塔〉 f)充填塔:空の塔内に、ラッシヒリング、レッシング
リング、テラレット、ネットリング、トリカルパッキン
グなど種々の形状のプラスチック充填材を入れ、薬液を
塔の上部から分散流下させ、汚染気体を塔の底面から向
流又は、塔の上部から併流させて接触させる装置。 g)流動式吸収塔:上記ヘ)のプラスチック球が、塔の
底面からの向流汚染気体により流動化し、薬液を塔上面
から噴霧し接触させる装置。 h)十字流式接触塔:網面に液を伝わらせて流下し、こ
の液面を汚染気体が交差するように接触させる装置。 〈液滴式薬液分散型の洗浄塔〉 i)サイクロンスクラバー:薬液を塔の中央から放射状
に噴霧し、汚染気体は塔底から流し接触させる装置。 j)ベンチュリースクラバー:汚染気体を絞り管中に高
速で流し、液をその管中に同時に流し、併流で接触させ
る装置。 k)ジェットスクラバー:薬液を絞り管中に高速で噴射
し、汚染気体を吸収しながら接触させる装置。 l)回転板式吸収塔:高速回転する円板に薬液を噴霧・
接触させ、粒径が1μm以下の超微粒ミストを発生させ
て、汚染気体と接触させる装置。 m)カスケード式吸収塔:薬液槽から塔の上部の棚状の
容器に薬液を満たし、順次、底部までの多段で同形の容
器に薬液を流し、薬液槽に戻すよう循環させて、液面で
塔の底から流す汚染気体と接触させる装置。 n)溜水式乱型吸収塔:薬液を溜め、この液面に汚染気
体が乱流状で接触させる装置。 o)粒状活性炭層への通過/接触法:この方式には、種
々の化学品を展着した活性炭が広く使用されている。
バグフィルター法、電気集塵法、直接燃焼法、蓄熱燃焼
法、触媒燃焼法、微生物分解法、酸化チタン触媒に光線
を照射する方法、粒状活性炭層の通過/接触法などが広
く実施されている。洗浄塔(スクラバー)法は、下記
イ)〜オ)のような多種類の装置が実用化されている。
これらは、気液接触方法により気体分散型と液分散型と
に分類され、本発明は前者の気泡塔法に属する。これら
従来法では、たとえ洗浄液に適当なものを使用した場合
でも、気液接触率が低いことと、洗浄液自体の選定が極
めて不適当であったため高度の洗浄が得られなかった。 〈気体分散型の洗浄塔〉 a)気泡塔:ガス分散装置から、薬液中に汚染気体を分
散・接気させる装置。 b)気泡攪拌槽:気泡塔内の攪拌装置で、接気効率の向
上を狙った装置。 c)段塔:装置内の水平な段上に薬液を流し、上段に取
り付けた気泡発生装置で泡層を形成させ、薬液流下管に
より順次下部の4段以上の水平な液流管に流して汚染気
体と接気させる装置。 d)多孔板塔:気泡発生装置の代わりに多孔板を用いる
段塔型の変形装置。 e)漏れ棚塔:薬液流下管の代わりに多孔板の孔から薬
液を流す多孔板塔型の変形装置。 〈液膜式薬液分散型の洗浄塔〉 f)充填塔:空の塔内に、ラッシヒリング、レッシング
リング、テラレット、ネットリング、トリカルパッキン
グなど種々の形状のプラスチック充填材を入れ、薬液を
塔の上部から分散流下させ、汚染気体を塔の底面から向
流又は、塔の上部から併流させて接触させる装置。 g)流動式吸収塔:上記ヘ)のプラスチック球が、塔の
底面からの向流汚染気体により流動化し、薬液を塔上面
から噴霧し接触させる装置。 h)十字流式接触塔:網面に液を伝わらせて流下し、こ
の液面を汚染気体が交差するように接触させる装置。 〈液滴式薬液分散型の洗浄塔〉 i)サイクロンスクラバー:薬液を塔の中央から放射状
に噴霧し、汚染気体は塔底から流し接触させる装置。 j)ベンチュリースクラバー:汚染気体を絞り管中に高
速で流し、液をその管中に同時に流し、併流で接触させ
る装置。 k)ジェットスクラバー:薬液を絞り管中に高速で噴射
し、汚染気体を吸収しながら接触させる装置。 l)回転板式吸収塔:高速回転する円板に薬液を噴霧・
接触させ、粒径が1μm以下の超微粒ミストを発生させ
て、汚染気体と接触させる装置。 m)カスケード式吸収塔:薬液槽から塔の上部の棚状の
容器に薬液を満たし、順次、底部までの多段で同形の容
器に薬液を流し、薬液槽に戻すよう循環させて、液面で
塔の底から流す汚染気体と接触させる装置。 n)溜水式乱型吸収塔:薬液を溜め、この液面に汚染気
体が乱流状で接触させる装置。 o)粒状活性炭層への通過/接触法:この方式には、種
々の化学品を展着した活性炭が広く使用されている。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の洗浄塔方式の内、最も簡単な機構の気泡塔型装置が有
する下記の課題を解決しようとする。 1.簡単な構造の気体分散装置を通過させることより、
洗浄する気体を微細な泡状で薬液に接触させることによ
り、圧力損失が少なく、気液接触率と化学反応率が従来
の洗浄塔よりも格段に大で、運転中低騒音で、しかも小
容量の洗浄塔と、非常に少量の洗浄液で、大量の気体を
洗浄できる装置と方法を提供しようとする。 2.粒径範囲が約0.3nmから1.5nm程度の気体
から、数100μmのエアロゾルまでの広範囲の汚染物
をまとめて洗浄し除去しようとする。 3.2台以上の装置を直列に連結して、気体の洗浄容量
を向上し、装置の保守点検時にも、少なく共1ユニット
の運転を継続できるようにし、必要により1台ごとに別
の薬液を使用して、化学的性質の異なる複数の汚染物の
洗浄を容易に行えるようにしようとする。またいずれも
場合も2ユニット以上の装置を積み上げて多段化し、限
られた空間で大容量の気体の洗浄ができるようにする。 4.気体の分散装置への強制的通過による洗浄液の発泡
と、発泡性洗浄剤と気体汚染物との化学的発泡を併用し
て、気液接触率を著しく向上しようとする。 5.装置やコンクリートを腐食させるハロゲン化物やこ
の過酸化物を使用せず、気体の汚染物を効率的に除去し
ようとする。 6.装置を簡略化し、用水と使用電力を節減し、低騒音
で高能率の気体の洗浄法を提供しようとする。 7.洗浄する気体汚染物の濃度が非常に高い場合でも、
洗浄液の廃液の量が非常に少なくてすむので、これを環
境に放流する前の化学処理や微生物分解処理を簡単に行
えるようにしようとする。
の洗浄塔方式の内、最も簡単な機構の気泡塔型装置が有
する下記の課題を解決しようとする。 1.簡単な構造の気体分散装置を通過させることより、
洗浄する気体を微細な泡状で薬液に接触させることによ
り、圧力損失が少なく、気液接触率と化学反応率が従来
の洗浄塔よりも格段に大で、運転中低騒音で、しかも小
容量の洗浄塔と、非常に少量の洗浄液で、大量の気体を
洗浄できる装置と方法を提供しようとする。 2.粒径範囲が約0.3nmから1.5nm程度の気体
から、数100μmのエアロゾルまでの広範囲の汚染物
をまとめて洗浄し除去しようとする。 3.2台以上の装置を直列に連結して、気体の洗浄容量
を向上し、装置の保守点検時にも、少なく共1ユニット
の運転を継続できるようにし、必要により1台ごとに別
の薬液を使用して、化学的性質の異なる複数の汚染物の
洗浄を容易に行えるようにしようとする。またいずれも
場合も2ユニット以上の装置を積み上げて多段化し、限
られた空間で大容量の気体の洗浄ができるようにする。 4.気体の分散装置への強制的通過による洗浄液の発泡
と、発泡性洗浄剤と気体汚染物との化学的発泡を併用し
て、気液接触率を著しく向上しようとする。 5.装置やコンクリートを腐食させるハロゲン化物やこ
の過酸化物を使用せず、気体の汚染物を効率的に除去し
ようとする。 6.装置を簡略化し、用水と使用電力を節減し、低騒音
で高能率の気体の洗浄法を提供しようとする。 7.洗浄する気体汚染物の濃度が非常に高い場合でも、
洗浄液の廃液の量が非常に少なくてすむので、これを環
境に放流する前の化学処理や微生物分解処理を簡単に行
えるようにしようとする。
【課題を解決するための手段】本発明は、[1]2〜1
5枚/cmの割合で積層した網を立体的に成型して気体
分散装置とし、これを洗浄槽の底面に貫通している気体
流入口に嵌合し、運転時に吸気口から吸引した気体が気
体分散装置を経由して、気体分散装置の上から高さ30
cm以下に保たれた洗浄液中を微細な泡状で通過するこ
とができ、更に洗浄液の液面までの間に1枚以上の網を
設置したものであることを特徴とする気体の洗浄装置で
あること、[2]気体分散装置が耐食性の金網からな
り、茸状又は円板状に成型されていることを特徴とする
1項の気体の洗浄装置であること、[3][1]項又は
[2]項の気体の洗浄装置で、(1)洗浄するか、
(2)第一段の洗浄を行なってから、[1]項又は
[2]項の気体の洗浄装置で、第一段の洗浄で使用した
洗浄液又は他の洗浄液で第二段の洗浄を行うか、(3)
引き続き第三段以降の洗浄のいずれかを行うことを特徴
とする気体の洗浄方法であること、[4](1)アルカ
リ金属の炭酸塩、重炭酸塩の1種以上、又は(2)アル
ミニウムの硫酸塩、ミョウバン類の1種類以上のいずれ
かを必須成分とし、これに、(3)過硫酸塩、過炭酸塩
の1種類以上、過酸化水素、(4)重亜硫酸塩、亜硫酸
塩の各群から選ばれる1種類以上を任意成分とし、更に
(5)静菌剤を任意成分として含む水溶液を洗浄液とし
て使用し、[1]項又は[2]項の気体の洗浄装置を使
用し、[3]項の方法により洗浄することを特徴とする
気体の洗浄方法であることにより達成される。
5枚/cmの割合で積層した網を立体的に成型して気体
分散装置とし、これを洗浄槽の底面に貫通している気体
流入口に嵌合し、運転時に吸気口から吸引した気体が気
体分散装置を経由して、気体分散装置の上から高さ30
cm以下に保たれた洗浄液中を微細な泡状で通過するこ
とができ、更に洗浄液の液面までの間に1枚以上の網を
設置したものであることを特徴とする気体の洗浄装置で
あること、[2]気体分散装置が耐食性の金網からな
り、茸状又は円板状に成型されていることを特徴とする
1項の気体の洗浄装置であること、[3][1]項又は
[2]項の気体の洗浄装置で、(1)洗浄するか、
(2)第一段の洗浄を行なってから、[1]項又は
[2]項の気体の洗浄装置で、第一段の洗浄で使用した
洗浄液又は他の洗浄液で第二段の洗浄を行うか、(3)
引き続き第三段以降の洗浄のいずれかを行うことを特徴
とする気体の洗浄方法であること、[4](1)アルカ
リ金属の炭酸塩、重炭酸塩の1種以上、又は(2)アル
ミニウムの硫酸塩、ミョウバン類の1種類以上のいずれ
かを必須成分とし、これに、(3)過硫酸塩、過炭酸塩
の1種類以上、過酸化水素、(4)重亜硫酸塩、亜硫酸
塩の各群から選ばれる1種類以上を任意成分とし、更に
(5)静菌剤を任意成分として含む水溶液を洗浄液とし
て使用し、[1]項又は[2]項の気体の洗浄装置を使
用し、[3]項の方法により洗浄することを特徴とする
気体の洗浄方法であることにより達成される。
【作用】1.本発明の装置の機構と運転方法
【図1】において、送風ファン6により吸気口5に汚染
気体を吸引し、装置の底面中央に貫通している円筒状金
属製の気体流入口7に嵌合している、耐蝕性で多層の網
を立体状に成型した気体分散装置1から洗浄液面9ま
で、強制的に通過させて洗浄液中に通し、気体の再分散
用網を通過させる。この網は2層以上使用するとより微
細な気泡を生じ気液接触率が向上するが、3のみの1層
でもよい。更に液面より上のデミスト用網4を通過した
気体は、排気口10から環境に排出される。平均洗浄液
面9は、オーバーフロードレイン13の取り付け位置と
通気速度による液面の上下によって決まる。運転開始前
は、洗浄液がまず気体流入管18内に浸入するため液面
が下がるが、本発明の装置は、洗浄液の液面の高さが3
0cm以下、通常は10cm以下に設定されるため、小
容量の送気でも全量を容易に装置内に押し上げることが
できる。このような方法では、起動が容易でインバータ
ーを必要とせず、定常運転に入った後は排水口14を開
いても薬液が排出しないことが確認できる。 2.本発明の装置の材質と実施形態 気体分散装置の網の材質は、気泡の微細さを決めるの
で、成型加工し易く、剛性が高く使用中に変形しない耐
食性のものの使用が必要である。好ましい網の材料の例
は、ステンレスSUS316、316L、NSUS30
4、ハステロイ、モネル・インコネル・ニッケルなどで
あるが、内部に炭素繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
ステル繊維などの網を気体分散装置の内部に積層するこ
とも可能であり、内部にステンレスウールを充填しても
よい。気体分散装置の網積層枚数は、2〜15枚/cm
の範囲とし、気体を通過させる時に微細な泡が均一に発
生するように成型する必要がある。また装置本体や洗浄
液溶解槽の材質は、耐食性がすぐれているポリプロピレ
ンや各種のステンレス鋼などが適している。また装置の
管や排水口のバルブの材質は、硬質ポリ塩化ビニールが
適している。網は30メッシュ前後のものを重ね、異な
る角度で5〜10枚/cmをプレスを用いて成型したも
のが、気体を微細な泡状にするのに有効である。 3.洗浄剤の選定と使用方法 下記の洗浄剤は、気体の汚染度に応じ濃度が0.1〜5
%で、常温の水溶液を使いると好結果が得られるが、こ
れら以外の洗浄剤も使用することができる。 (イ)塩基性の汚染物用の洗浄剤 アンモニアやトリメチルアミンなど、塩基性汚染物を洗
浄する場合は、例えばクエン酸が硫酸が適していられる
が、硫酸アルミニウンム、アルミニウムミョウバン、そ
の他ミョウバン類を使用すると酸性悪臭も除去できる。
生ゴミや汚泥類から発生する悪臭は、場合により1%程
度の炭酸ガスが含有するので、これが酸性洗浄液に溶解
せず、泡状で通過するので気液接触率を向上する。 (ロ)煙草臭・線香臭・焼肉臭などの複雑な混合臭用の
洗浄剤 例えば分子量2.0×107(極限粘度法)のアクリル
酸、アクリルアミド、及びジメチルアミノメチルアクリ
ルアミドの三元共重合体を5〜10ppm含む水溶液を
使用し、本発明の装置で洗浄することにより、煙草臭な
ど低濃度でも不快感が強く複雑な組成の煙草臭などを効
率的に除去できる。 (ハ)酸性空気汚染物用の洗浄剤 低級脂肪酸、硫酸ミスト、亜硫酸ガス、窒素の酸化物を
含む気体を洗浄するには、アルカリ金属の炭酸塩及び/
又は重炭酸塩の使用が適している。気体と液体との化学
反応は両者の界面で行われるが、本発明では網の多層成
型物の気体分散装置に汚染気体を微細な泡状で強制的に
通過させるが、本発明では、更に洗浄剤にアルカリ金属
の炭酸塩及び/又は重炭酸塩に対して、上記の酸性の気
体汚染物と接触・反応させて微細な泡状の炭酸ガスを液
中に発生させるので、より高度の洗浄率を得ることがで
きる。界面活性剤を配合した洗浄液は、液の表面でのみ
発泡が発生し、泡の装置外へのオーバーフローなどの障
害を生じる。生ゴミから発生する低級脂肪酸臭の中和消
臭には、pHが8〜12.5の範囲になるようアルカリ
金属の炭酸塩と重炭酸塩の水溶液を使用する。 (ニ)還元性気体汚染物用の洗浄剤 アルカリ金属の炭酸塩及び/又は重炭酸塩にアルカリ金
属に亜硫酸塩及び/又は重亜硫酸塩を併用した洗浄液を
使用すると、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−バレルア
ルデヒド、イソ−バレルアルデヒドなどの気体汚染物を
付加物として除去することができる。この場合pHが
7.5〜13.0に調節すると反応率が高くなる。また
pH値が十分に高いとカニツアロ反応により、これらア
ルデヒドを酸とアルコールに分解させ、悪臭の程度を著
しく緩和することができる。 (ホ)有機硫黄化合物用の洗浄剤 し尿汚泥処理施設などから排出される、硫化水素、メチ
ルメルカプタン、その他チオール類、硫化メチルなどの
気体汚染物は、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は重炭酸
塩にアルカリ金属の過炭酸塩、アルカリ金属の過硫酸
塩、過酸化水素などの1種以上を使用すると効率的に除
去することができる。また燃料ガスが硫化水素など酸性
成分を含有するサワーガスの場合も、この方法による洗
浄・除去でスイートガスにすることができる。 (ヘ)多種類の混合汚染物用の洗浄剤 上記(イ)と(ホ)のように反応性の異なる汚染物を含
む気体の洗浄には、例えば図2のように2台の本発明の
装置を直列に連結し、第一段の装置には、稀硫酸を洗浄
液に配合して、アンモニアやトリメチルアミンのような
塩基性の汚染物を中和し、第二段の装置には、重炭酸ナ
トリウムと過硫酸ナトリウムとを使用して、酸性と還元
性の悪臭を中和・酸化することにより高度の洗浄ができ
る。 (ト)洗浄液の腐敗による微生物災害の防止法 本発明の気体の洗浄装置を連続して長時間運転すると、
洗浄液の腐敗により、排気口から増殖した病原性微生物
を排出し、微生物災害を起こす可能性があるので、上記
洗浄剤と反応性がなく水不溶性の分散型の抗菌剤の併用
が望ましい。このような抗菌剤の例は、2,4,5,
6,−テトラクロロイソフタロニトリル、2,3,5,
6,−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジ
ン、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、N,N′−ジメチル−N−フェニール−N−(フロ
ロヂクロロメチルチオ)スルファミド、メチル(ベンジ
ミダゾール−2−イル)カルバマーメートを混合物80
%を、20%の水に混練・分散した製剤(以下制菌剤分
散液と称する)で、これを洗浄液に対し0.01%添加
する。これら以外にも多くの制菌剤を挙げることができ
る。これら静菌剤は、高濃度の1種類の物質を使用する
よりも、菌が常に強化しつつある耐性を考慮して5種類
以上の静菌剤を含む製剤を使用することが望ましい。 4.本発明の装置を2台以上の連結して使用する汚染気
体の洗浄法 2台の本発明の装置を直列的に連結して、汚染気体を洗
浄する方法の例を2図に示した。ここでは、単にバルブ
21〜25をそれぞれ通気と遮断とにそれぞれ切り替え
るだけで下記のような使用目的に適した運転が可能とな
る。 気体の洗浄装置の使用目的 バルブ番号:21 22 23 24 25 a)装置を2台で汚染気体を洗浄 通気 遮断 遮断 通気 通気 (洗浄液は同じ処方と別の処方の場合がある) b)保守・点検のため下の1台のみを運転 通気 通気 遮断 通気 遮断 c)保守・点検のため上の1台のみを運転 遮断 遮断 通気 遮断 通気 ここで、本発明の装置の洗浄液の高さが30cm以下、
通常は15cm以下でよいので、送風ファン6のみで、
2台又は3台の気体洗浄装置の運転が十分可能である
が、各洗浄装置ごとに送風ファンを取り付けば、万一の
故障時にも運転が継続できる。
気体を吸引し、装置の底面中央に貫通している円筒状金
属製の気体流入口7に嵌合している、耐蝕性で多層の網
を立体状に成型した気体分散装置1から洗浄液面9ま
で、強制的に通過させて洗浄液中に通し、気体の再分散
用網を通過させる。この網は2層以上使用するとより微
細な気泡を生じ気液接触率が向上するが、3のみの1層
でもよい。更に液面より上のデミスト用網4を通過した
気体は、排気口10から環境に排出される。平均洗浄液
面9は、オーバーフロードレイン13の取り付け位置と
通気速度による液面の上下によって決まる。運転開始前
は、洗浄液がまず気体流入管18内に浸入するため液面
が下がるが、本発明の装置は、洗浄液の液面の高さが3
0cm以下、通常は10cm以下に設定されるため、小
容量の送気でも全量を容易に装置内に押し上げることが
できる。このような方法では、起動が容易でインバータ
ーを必要とせず、定常運転に入った後は排水口14を開
いても薬液が排出しないことが確認できる。 2.本発明の装置の材質と実施形態 気体分散装置の網の材質は、気泡の微細さを決めるの
で、成型加工し易く、剛性が高く使用中に変形しない耐
食性のものの使用が必要である。好ましい網の材料の例
は、ステンレスSUS316、316L、NSUS30
4、ハステロイ、モネル・インコネル・ニッケルなどで
あるが、内部に炭素繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
ステル繊維などの網を気体分散装置の内部に積層するこ
とも可能であり、内部にステンレスウールを充填しても
よい。気体分散装置の網積層枚数は、2〜15枚/cm
の範囲とし、気体を通過させる時に微細な泡が均一に発
生するように成型する必要がある。また装置本体や洗浄
液溶解槽の材質は、耐食性がすぐれているポリプロピレ
ンや各種のステンレス鋼などが適している。また装置の
管や排水口のバルブの材質は、硬質ポリ塩化ビニールが
適している。網は30メッシュ前後のものを重ね、異な
る角度で5〜10枚/cmをプレスを用いて成型したも
のが、気体を微細な泡状にするのに有効である。 3.洗浄剤の選定と使用方法 下記の洗浄剤は、気体の汚染度に応じ濃度が0.1〜5
%で、常温の水溶液を使いると好結果が得られるが、こ
れら以外の洗浄剤も使用することができる。 (イ)塩基性の汚染物用の洗浄剤 アンモニアやトリメチルアミンなど、塩基性汚染物を洗
浄する場合は、例えばクエン酸が硫酸が適していられる
が、硫酸アルミニウンム、アルミニウムミョウバン、そ
の他ミョウバン類を使用すると酸性悪臭も除去できる。
生ゴミや汚泥類から発生する悪臭は、場合により1%程
度の炭酸ガスが含有するので、これが酸性洗浄液に溶解
せず、泡状で通過するので気液接触率を向上する。 (ロ)煙草臭・線香臭・焼肉臭などの複雑な混合臭用の
洗浄剤 例えば分子量2.0×107(極限粘度法)のアクリル
酸、アクリルアミド、及びジメチルアミノメチルアクリ
ルアミドの三元共重合体を5〜10ppm含む水溶液を
使用し、本発明の装置で洗浄することにより、煙草臭な
ど低濃度でも不快感が強く複雑な組成の煙草臭などを効
率的に除去できる。 (ハ)酸性空気汚染物用の洗浄剤 低級脂肪酸、硫酸ミスト、亜硫酸ガス、窒素の酸化物を
含む気体を洗浄するには、アルカリ金属の炭酸塩及び/
又は重炭酸塩の使用が適している。気体と液体との化学
反応は両者の界面で行われるが、本発明では網の多層成
型物の気体分散装置に汚染気体を微細な泡状で強制的に
通過させるが、本発明では、更に洗浄剤にアルカリ金属
の炭酸塩及び/又は重炭酸塩に対して、上記の酸性の気
体汚染物と接触・反応させて微細な泡状の炭酸ガスを液
中に発生させるので、より高度の洗浄率を得ることがで
きる。界面活性剤を配合した洗浄液は、液の表面でのみ
発泡が発生し、泡の装置外へのオーバーフローなどの障
害を生じる。生ゴミから発生する低級脂肪酸臭の中和消
臭には、pHが8〜12.5の範囲になるようアルカリ
金属の炭酸塩と重炭酸塩の水溶液を使用する。 (ニ)還元性気体汚染物用の洗浄剤 アルカリ金属の炭酸塩及び/又は重炭酸塩にアルカリ金
属に亜硫酸塩及び/又は重亜硫酸塩を併用した洗浄液を
使用すると、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−バレルア
ルデヒド、イソ−バレルアルデヒドなどの気体汚染物を
付加物として除去することができる。この場合pHが
7.5〜13.0に調節すると反応率が高くなる。また
pH値が十分に高いとカニツアロ反応により、これらア
ルデヒドを酸とアルコールに分解させ、悪臭の程度を著
しく緩和することができる。 (ホ)有機硫黄化合物用の洗浄剤 し尿汚泥処理施設などから排出される、硫化水素、メチ
ルメルカプタン、その他チオール類、硫化メチルなどの
気体汚染物は、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は重炭酸
塩にアルカリ金属の過炭酸塩、アルカリ金属の過硫酸
塩、過酸化水素などの1種以上を使用すると効率的に除
去することができる。また燃料ガスが硫化水素など酸性
成分を含有するサワーガスの場合も、この方法による洗
浄・除去でスイートガスにすることができる。 (ヘ)多種類の混合汚染物用の洗浄剤 上記(イ)と(ホ)のように反応性の異なる汚染物を含
む気体の洗浄には、例えば図2のように2台の本発明の
装置を直列に連結し、第一段の装置には、稀硫酸を洗浄
液に配合して、アンモニアやトリメチルアミンのような
塩基性の汚染物を中和し、第二段の装置には、重炭酸ナ
トリウムと過硫酸ナトリウムとを使用して、酸性と還元
性の悪臭を中和・酸化することにより高度の洗浄ができ
る。 (ト)洗浄液の腐敗による微生物災害の防止法 本発明の気体の洗浄装置を連続して長時間運転すると、
洗浄液の腐敗により、排気口から増殖した病原性微生物
を排出し、微生物災害を起こす可能性があるので、上記
洗浄剤と反応性がなく水不溶性の分散型の抗菌剤の併用
が望ましい。このような抗菌剤の例は、2,4,5,
6,−テトラクロロイソフタロニトリル、2,3,5,
6,−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジ
ン、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、N,N′−ジメチル−N−フェニール−N−(フロ
ロヂクロロメチルチオ)スルファミド、メチル(ベンジ
ミダゾール−2−イル)カルバマーメートを混合物80
%を、20%の水に混練・分散した製剤(以下制菌剤分
散液と称する)で、これを洗浄液に対し0.01%添加
する。これら以外にも多くの制菌剤を挙げることができ
る。これら静菌剤は、高濃度の1種類の物質を使用する
よりも、菌が常に強化しつつある耐性を考慮して5種類
以上の静菌剤を含む製剤を使用することが望ましい。 4.本発明の装置を2台以上の連結して使用する汚染気
体の洗浄法 2台の本発明の装置を直列的に連結して、汚染気体を洗
浄する方法の例を2図に示した。ここでは、単にバルブ
21〜25をそれぞれ通気と遮断とにそれぞれ切り替え
るだけで下記のような使用目的に適した運転が可能とな
る。 気体の洗浄装置の使用目的 バルブ番号:21 22 23 24 25 a)装置を2台で汚染気体を洗浄 通気 遮断 遮断 通気 通気 (洗浄液は同じ処方と別の処方の場合がある) b)保守・点検のため下の1台のみを運転 通気 通気 遮断 通気 遮断 c)保守・点検のため上の1台のみを運転 遮断 遮断 通気 遮断 通気 ここで、本発明の装置の洗浄液の高さが30cm以下、
通常は15cm以下でよいので、送風ファン6のみで、
2台又は3台の気体洗浄装置の運転が十分可能である
が、各洗浄装置ごとに送風ファンを取り付けば、万一の
故障時にも運転が継続できる。
【実施例】本発明の典型的な実施例を図1を参照して説
明する。洗浄装置本体の材質は、厚さ10mmの透明な
アクリル樹脂板で研究用に試作されたものである。装置
の洗浄室は、底面と高さ(h)が、500mm×500
mm×400mm(h)の箱型で、底面の中心に直径5
0mmの気体流入管18にSUS304製の気体流入口
7が嵌合されており、ここに、SUS304製の30メ
ッシュの網6枚を1枚ごとに網目を45度ずらして重ね
プレスで茸型に成型した、直径300mmの気体分散装
置1が嵌合されている。洗浄液溶解槽11内に重炭酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウムを各10g/kg、過硫酸ナ
トリウムを10g/kgの割合で水道水で溶解したpH
9.66(25℃)の水溶液36kgを装置内に洗浄液
供給ポンプ12により送入した。次いで、ふたの開口部
にゴム栓を嵌合し、2本のガラス管を貫通し、それぞれ
にバルブ付きのシリコン管をつないだ容量10リットル
のデシケーターに、濃度がそれぞれ98%のプロピオン
酸、ノルマル−吉草酸、酪酸、プロピルアルデヒド、1
5%のイソ吉草酸ナトリウム水溶液硫化水素のエチルア
ルコール飽和溶液各50gづつを内に入れた。このデシ
ケーターに貫通しているガラス管につないだシリコン管
の1本は、デシケーター内部から容量15リットル/秒
の割合で、吸引ポンプで混合悪臭を吸引し吸気口5内に
入れ、送風ファン6による気流と共に洗浄装置内に流入
するようにした。また他の1本のガラス管につないだシ
リコン管のバルブは、デシケーター内の悪臭を常圧で吸
引するため開いたままとした。送風ファン6を駆動し
て、風速を10.0±0.2m/秒に調節してから、直
径150mmの吸気管で新鮮な空気を吸気し、直径50
mmの気体流入管18から気体流入口7と気体分散装置
1を経由して装置内に送気した。この時気体流入管18
内に浸入していた液が押し出され、数秒以内に全量が装
置内に移動し、装置内の液面の高さが15cmまで上昇
して定常運転に入った。悪臭サンプル採取位置19で
の、ガス検知管法による酢酸換算での低級脂肪酸濃度は
9.7ppmで、洗浄気体サンプル採取位置20では検
出しなかった。また硫化水素も同じ分析で、それぞれ1
ppmと0ppmであった。またこれら気体サンプル採
取位置での環境庁法による嗅覚試験では、臭気濃度がそ
れぞれ3300(臭気指数:35)と3(臭気指数:
5)で、いずれも優れた洗浄効率が得られていることを
示した。この条件で運転を継続すると、約4.5kg/
時間程度の割合で洗浄液から水分が蒸発したので、水道
水を滴下し、洗浄液の水位を15cmに保ったが、薬液
は補給せずに連続8時間運転した後、同様に気体サンプ
ルを採取し、同じガス分析と嗅覚試験を行ったが、洗浄
効果の低下は見られなかった。その後別に調整した上記
処方の洗浄液を、5kg/時間の割合で間欠的に洗浄装
置に注入し、同量の液をオーバーフロードレイン13か
ら排出した。この排出した液は全く臭気が無く通気中の
悪臭が効率的に洗浄されていることを示したが、通気時
間と共に処理液のpHが低下するので、このpH値を測
定して7.0この好ましくは7.5に低下する点を洗浄
液の効果の終点としてもよいと判断された。この洗浄室
内では、大きな泡の発生や突沸がなく、低騒音で、通気
中絶えず微細な泡の発生が目視され、送風ファン用の1
/2馬力の電動機の著しい発熱を生じなかった。
明する。洗浄装置本体の材質は、厚さ10mmの透明な
アクリル樹脂板で研究用に試作されたものである。装置
の洗浄室は、底面と高さ(h)が、500mm×500
mm×400mm(h)の箱型で、底面の中心に直径5
0mmの気体流入管18にSUS304製の気体流入口
7が嵌合されており、ここに、SUS304製の30メ
ッシュの網6枚を1枚ごとに網目を45度ずらして重ね
プレスで茸型に成型した、直径300mmの気体分散装
置1が嵌合されている。洗浄液溶解槽11内に重炭酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウムを各10g/kg、過硫酸ナ
トリウムを10g/kgの割合で水道水で溶解したpH
9.66(25℃)の水溶液36kgを装置内に洗浄液
供給ポンプ12により送入した。次いで、ふたの開口部
にゴム栓を嵌合し、2本のガラス管を貫通し、それぞれ
にバルブ付きのシリコン管をつないだ容量10リットル
のデシケーターに、濃度がそれぞれ98%のプロピオン
酸、ノルマル−吉草酸、酪酸、プロピルアルデヒド、1
5%のイソ吉草酸ナトリウム水溶液硫化水素のエチルア
ルコール飽和溶液各50gづつを内に入れた。このデシ
ケーターに貫通しているガラス管につないだシリコン管
の1本は、デシケーター内部から容量15リットル/秒
の割合で、吸引ポンプで混合悪臭を吸引し吸気口5内に
入れ、送風ファン6による気流と共に洗浄装置内に流入
するようにした。また他の1本のガラス管につないだシ
リコン管のバルブは、デシケーター内の悪臭を常圧で吸
引するため開いたままとした。送風ファン6を駆動し
て、風速を10.0±0.2m/秒に調節してから、直
径150mmの吸気管で新鮮な空気を吸気し、直径50
mmの気体流入管18から気体流入口7と気体分散装置
1を経由して装置内に送気した。この時気体流入管18
内に浸入していた液が押し出され、数秒以内に全量が装
置内に移動し、装置内の液面の高さが15cmまで上昇
して定常運転に入った。悪臭サンプル採取位置19で
の、ガス検知管法による酢酸換算での低級脂肪酸濃度は
9.7ppmで、洗浄気体サンプル採取位置20では検
出しなかった。また硫化水素も同じ分析で、それぞれ1
ppmと0ppmであった。またこれら気体サンプル採
取位置での環境庁法による嗅覚試験では、臭気濃度がそ
れぞれ3300(臭気指数:35)と3(臭気指数:
5)で、いずれも優れた洗浄効率が得られていることを
示した。この条件で運転を継続すると、約4.5kg/
時間程度の割合で洗浄液から水分が蒸発したので、水道
水を滴下し、洗浄液の水位を15cmに保ったが、薬液
は補給せずに連続8時間運転した後、同様に気体サンプ
ルを採取し、同じガス分析と嗅覚試験を行ったが、洗浄
効果の低下は見られなかった。その後別に調整した上記
処方の洗浄液を、5kg/時間の割合で間欠的に洗浄装
置に注入し、同量の液をオーバーフロードレイン13か
ら排出した。この排出した液は全く臭気が無く通気中の
悪臭が効率的に洗浄されていることを示したが、通気時
間と共に処理液のpHが低下するので、このpH値を測
定して7.0この好ましくは7.5に低下する点を洗浄
液の効果の終点としてもよいと判断された。この洗浄室
内では、大きな泡の発生や突沸がなく、低騒音で、通気
中絶えず微細な泡の発生が目視され、送風ファン用の1
/2馬力の電動機の著しい発熱を生じなかった。
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次のような効果を示す。 1.気液接触率が優れているが、経済性や高騒音発生が
欠点であるベンチュリースクラバーやジェットスクラバ
ーと、他のほとんどの洗浄塔式装置の共通の欠点である
低気液接触率による洗浄効率の不足が改善できる。 2.汚染気体を簡単な構造の気体分散装置に通過させ、
微細な泡状にして薬液に接触させるので、圧力損失が少
なく、気液接触率が高く、装置が小型で、運転中は低騒
音で、低消費エネルギーで、非常に少量の洗浄液で、大
量の気体を効率的に洗浄することができる。 3.悪臭気体、有害気体、有害エアロゾルがまとめて気
体から除去できる。 4.2台以上の装置を連結して、夏期など汚染物の濃度
の増加時にも気体の洗浄容量を随時向上できる。また装
置の保守点検時にも、少なく共1台の運転を継続するこ
とができる。また必要により1台ごとに別の薬液を使用
して、化学的性質の異なる汚染物の洗浄除去を容易に行
うことができる。 5.2台以上の装置を積み上げて多段化し、限られた空
間で圧力損失が最大15%以下で、大容量の気体の洗浄
を行うことができる。 6.気体の分散装置への強制的通過による洗浄液の発泡
に、発泡性洗浄剤の使用で、洗浄液内部に微細な発泡を
起こさせ、気液接触率を著しく向上できる。 7.洗浄液の廃液量を少なくし、環境への放流前の処理
を容易にできる。 8.装置やコンクリートを腐食させるハロゲン化物やこ
の過酸化物を使用せず、代替品である別の過酸化物で、
同等以上の洗浄効果を得ることができる。
ているので、次のような効果を示す。 1.気液接触率が優れているが、経済性や高騒音発生が
欠点であるベンチュリースクラバーやジェットスクラバ
ーと、他のほとんどの洗浄塔式装置の共通の欠点である
低気液接触率による洗浄効率の不足が改善できる。 2.汚染気体を簡単な構造の気体分散装置に通過させ、
微細な泡状にして薬液に接触させるので、圧力損失が少
なく、気液接触率が高く、装置が小型で、運転中は低騒
音で、低消費エネルギーで、非常に少量の洗浄液で、大
量の気体を効率的に洗浄することができる。 3.悪臭気体、有害気体、有害エアロゾルがまとめて気
体から除去できる。 4.2台以上の装置を連結して、夏期など汚染物の濃度
の増加時にも気体の洗浄容量を随時向上できる。また装
置の保守点検時にも、少なく共1台の運転を継続するこ
とができる。また必要により1台ごとに別の薬液を使用
して、化学的性質の異なる汚染物の洗浄除去を容易に行
うことができる。 5.2台以上の装置を積み上げて多段化し、限られた空
間で圧力損失が最大15%以下で、大容量の気体の洗浄
を行うことができる。 6.気体の分散装置への強制的通過による洗浄液の発泡
に、発泡性洗浄剤の使用で、洗浄液内部に微細な発泡を
起こさせ、気液接触率を著しく向上できる。 7.洗浄液の廃液量を少なくし、環境への放流前の処理
を容易にできる。 8.装置やコンクリートを腐食させるハロゲン化物やこ
の過酸化物を使用せず、代替品である別の過酸化物で、
同等以上の洗浄効果を得ることができる。
【図1】1台の洗浄装置の構成とこの気体と薬液の接触
方式を示す図
方式を示す図
【図2】2台の洗浄装置を直列に連結して気体の洗浄を
行う方式を示す図
行う方式を示す図
1.気体分散装置(耐食性の網を積層し茸型に成型した
もの) 2.気体再分散用網A(耐食性の網) 3.気体再分散用網B(耐食性の網) 4.デミスト用網(耐食性の網) 5.吸気口 6.送風ファン(1/2馬力の電動機と直結) 7.気体流入口(耐食性材料の円筒型のもの) 8.洗浄装置底面(装置内面は全て耐食性) 9.平均洗浄液面(運転中の液面) 10.26.排気口(図では省略されているが排気管に
10と26が接続) 11.洗浄液溶解槽と供給管(耐食性) 12.洗浄液供給ポンプ(耐食性) 13.洗浄液のオーバーフロードレイン 14.と15.排水口 16.と17.ユニット固定用リブ 18.気体流入管 19.汚染気体サンプル採取位置(臭気濃度測定用) 20.洗浄気体サンプル採取位置(臭気濃度測定用) 21.22.23.24.25.バルブ(気流の通気と
遮断用)
もの) 2.気体再分散用網A(耐食性の網) 3.気体再分散用網B(耐食性の網) 4.デミスト用網(耐食性の網) 5.吸気口 6.送風ファン(1/2馬力の電動機と直結) 7.気体流入口(耐食性材料の円筒型のもの) 8.洗浄装置底面(装置内面は全て耐食性) 9.平均洗浄液面(運転中の液面) 10.26.排気口(図では省略されているが排気管に
10と26が接続) 11.洗浄液溶解槽と供給管(耐食性) 12.洗浄液供給ポンプ(耐食性) 13.洗浄液のオーバーフロードレイン 14.と15.排水口 16.と17.ユニット固定用リブ 18.気体流入管 19.汚染気体サンプル採取位置(臭気濃度測定用) 20.洗浄気体サンプル採取位置(臭気濃度測定用) 21.22.23.24.25.バルブ(気流の通気と
遮断用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/77 ZAB Fターム(参考) 4D002 AA03 AB02 BA02 CA06 CA13 DA01 DA08 DA14 DA16 DA70 GA01 GB20 4D020 AA04 AA09 BA01 BA06 BA09 BA11 BB03 CB02 CC02 CC04 CC07 CC13 CC30 CD01 DA03 DB15
Claims (4)
- 【請求項1】2〜15枚/cmの割合で積層した網を立
体的に成型し、気体分散装置とし、これを洗浄槽の底面
に貫通している気体流入口に嵌合し、運転時に吸気口か
ら吸引した気体が気体分散装置を経由して、気体分散装
置の上から高さ30cm以下に保たれた洗浄液中を微細
な泡状で通過することができ、更に洗浄液の液面までの
間に1枚以上の網を設置したものであることを特徴とす
る気体の洗浄装置。 - 【請求項2】気体分散装置が耐食性の金網からなり、茸
状又は円板状に成型されていることを特徴とする請求項
1記載の気体の洗浄装置。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の気体の洗浄装
置で、(1)洗浄するか、(2)第一段の洗浄を行なっ
てから、請求項1又は2記載の洗浄装置で第一段の洗浄
で使用した洗浄液又は他の洗浄液で第二段の洗浄を行う
か、(3)引き続き第三段以降の洗浄のいずれかを行う
ことを特徴とする気体の洗浄方法。 - 【請求項4】 (1)アルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩
の1種以上、又は(2 )アルミニウムの硫酸塩、ミョ
ウバン類の1種類以上のいずれかを必須成分とし、これ
に、(3)過硫酸塩、過炭酸塩の1種類以上、過酸化水
素、(4)重亜硫酸塩、亜硫酸塩の各群から選ばれる1
種類以上を任意成分とし、更に(5)静菌剤を任意成分
として含む水溶液を洗浄液として使用し、請求項1及び
2記載の洗浄装置を使用し、請求項3の方法により洗浄
することを特徴とする汚染気体の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27731499A JP2001062239A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 気体の洗浄装置及び気体の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27731499A JP2001062239A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 気体の洗浄装置及び気体の洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001062239A true JP2001062239A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17581821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27731499A Pending JP2001062239A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 気体の洗浄装置及び気体の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001062239A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101561297B1 (ko) * | 2013-12-09 | 2015-10-16 | 창성엔지니어링 주식회사 | 수처리 시설의 거품 제거장치 |
WO2024065014A1 (en) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | Wasabi Innovations Ltd. | Method and device for purification of gas |
-
1999
- 1999-08-24 JP JP27731499A patent/JP2001062239A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101561297B1 (ko) * | 2013-12-09 | 2015-10-16 | 창성엔지니어링 주식회사 | 수처리 시설의 거품 제거장치 |
WO2024065014A1 (en) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | Wasabi Innovations Ltd. | Method and device for purification of gas |
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