JP2001061970A - 脈管内カバードステント - Google Patents

脈管内カバードステント

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JP2001061970A
JP2001061970A JP24108299A JP24108299A JP2001061970A JP 2001061970 A JP2001061970 A JP 2001061970A JP 24108299 A JP24108299 A JP 24108299A JP 24108299 A JP24108299 A JP 24108299A JP 2001061970 A JP2001061970 A JP 2001061970A
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stent
intravascular
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covered stent
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Hitoshi Ozasa
均 小笹
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内膜肥厚を抑制してステント内腔の狭窄率を
低減化し、肥厚しても内腔は同心円状になり、十分な血
流量と血流が乱されない状態が維持され、ステント埋め
込み後の再狭窄率を低減化させる脈管内カバードステン
トを提供するものである。 【解決手段】 骨格を有する医療用脈管内ステント1に
おいて、該脈管内ステント骨格2に不織布形態のカバー
3を設け、カバー3の不織布繊維の隙間を充填材4で埋
めたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再狭窄抑制効果を
有する脈管内カバードステントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、狭心症や心筋梗塞などの治療
における冠状動脈の狭窄部に対する経皮経管的冠状動脈
形成術(PTCA)等や、大腿動脈や頚動脈の狭窄病変の治
療における同狭窄部に対する経皮経管的血管形成術(PT
A)等により処置した後に高率に発生する再狭窄を防止
し、または、これらの処置では良好な拡張が得られない
病変形態に応用する為、金属製の脈管内ステントを永久
的に冠動脈やその他の脈管内に植え込み、血流を確保す
る治療が行われている。脈管内ステントは、一般的には
金属線からなるメッシュ状、コイル状等の縮径可能な管
状構造を有し、縮径状態でカテーテルにより脈管内に挿
入され、狭窄部において脈管内腔を機械的に支持するよ
う拡径され留置されるものである。しかしながら、その
ような脈管内ステントの留置によっても、ステントを構
成する金属線の隙間から管腔組織が増殖、肥厚すること
により再狭窄が生じることが報告されている。
【0003】この問題を解決する為に、例えば特開平7
−24072号に開示されているように、ステントに四
弗化エチレン樹脂多孔質体膜からなる被覆層を設けた
り、特開平9−173468号に開示されているよう
に、ステントの内側と外側にそれぞれ、細胞の通過を許
容する孔が存在しない状態の被覆層と繊維が不規則に絡
み合った状態の被覆層を設けることで、ステント内腔へ
の組織の増殖・肥厚を抑制しようという試みがなされて
いる。しかし、これらの被覆層では、内膜の足場がない
為、パンヌスによる急性閉塞の問題や、さらに四弗化エ
チレン樹脂多孔質体膜においては伸縮性に乏しいこと
で、シワになり易く、デリバリーする為に縮径した状態
のプロファイルを標的留置部位の脈管径に合わせること
が難しい等の問題があった。また、特開平9−2855
50号においては、ステントに繊維が不規則に絡み合っ
た状態の被覆層を設けることによりステント内腔への組
織の増殖を抑制するステントが提案されているが、その
ような構造ではステント拡張後の繊維間の間隙を細胞の
通過を許容しないまでに小さくすることができず、細胞
のステント内腔への浸潤を十分に抑えられないので、ス
テント内腔への組織増殖を長期に渡って抑制することが
困難であるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的と
するところは、再狭窄抑制効果を長期に渡って持続しう
る脈管内カバードステントを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、骨格を有する医療用脈管内ステントにおいて、該脈
管内ステント骨格に不織布形態のカバーを設け、該カバ
ーの不織布繊維の隙間を充填材で埋めた脈管内カバード
ステントである。
【0006】また、前記カバーが、前記脈管内カバード
ステント骨格の外面側及び/または内面側を覆っている
ことが好ましい。
【0007】また、前記カバーの少なくとも一部に、血
液適合性および組織適合性を有する生体適合性の物質を
付加することが好ましい。
【0008】更にまた、前記カバーの少なくとも一部に
付加した前記生体適合性の物質は、フィブリンあるいは
2-メトキシエチルアクリレートであることが好ましい。
【0009】また、前記カバーの少なくとも一部に付加
したフィブリンがプラスミンで処理されていることが好
ましい。
【0010】また、前記カバーの不織布繊維の隙間を埋
める充填材は、前記カバーの不織布繊維と同一の材質で
あることが好ましい。
【0011】また、前記不織布形態のカバーがポリオレ
フィン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリエーテル、シリコーン樹脂の内の単一物
あるいは共重合体や混合物の複合物からなる高分子から
なることが好ましい。
【0012】また、前記不織布形態のカバーの隙間を埋
める充填材は、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、シリ
コーン樹脂の内の単一物あるいは共重合体や混合物の複
合物からなる高分子およびガラスや金属の無機物質およ
びこれらの高分子と無機物質の混合物からなることが好
ましい。
【0013】また、前記金属からなるステント骨格が、
ステンレス、タンタル、金、白金、パラジウム、チタ
ン、ニッケル-チタン合金、ジルコニウム、ニオブ、白
金−イリジウム合金、コバルト−クロム合金、コバルト
−クロム−モリブデン合金、チタン−アルミニウム−バ
ナジウム合金の内の単一物あるいは合金の内の少なくと
も一種以上から構成されることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の脈管内カバードス
テントについて図面を参照してより詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施形態である脈管内
カバードステントの構成を示す斜視図である。図2は本
発明の脈管内カバードステントの構成を示す概略断面図
である。図3、図4は、本発明に係る脈管内カバードス
テントのステント骨格の全体的な構造の一例を示す図で
ある。
【0016】図1に示される脈管内カバードステント1
は、ステント骨格部2とその骨格部を被覆するカバー3
とカバーの隙間を埋め込んだ充填材4とからなってい
る。
【0017】脈管内カバードステント1のステント本体
の骨格部2は、ステンレス鋼から形成されており、骨格
部を被覆するカバー3は、ポリオレンフィン性の不織布
カバーで形成され、ステント2の外側面と内側面にカバ
ーが配置されている。そして、さらに不織布と同じ充填
材4で隙間を埋めたものから形成されている。
【0018】不織布カバーは、少なくとも片側面を被覆
していることが好ましく、より好ましくは外側面及び内
側面の両面を被覆していることが好ましい。
【0019】図2は本発明の脈管内カバードステントの
構成を示す概略断面図であり、この断面図のように不織
布繊維のカバー3の隙間を充填材4で埋め込み処理して
いる。
【0020】不織布カバーは、ステント骨格にメルトブ
ローン法で製造、被覆した。
【0021】次に、不織布カバーの隙間を埋める方法
は、充填材4を溶剤に溶解させて、その溶液中にカバー
を浸漬させたり、溶液をカバーにスプレーした後、溶剤
を揮発させることにより行った。
【0022】具体的には、隙間を埋める充填材4をキシ
レンに溶解させた溶液に、不織布形態のカバーを付けた
カバードステントを浸漬させた後、キシレンを蒸発させ
ることにより行った。
【0023】隙間を埋める充填材は、実体顕微鏡下で、
主にカバーの外側表面に配置していることを確認した。
【0024】隙間を埋めたカバー部位は、カバーの表面
と内部の両方、カバー表面のみ、カバー内部のみのいず
れでもよく、カバー表面はカバードステントの内腔側と
外側の両方、あるいはそのどちらか一方だけでもよい。
【0025】不織布繊維の隙間を埋める部位は、カバー
表面全体の隙間全てを埋め込むことが好ましいが、好ま
しくは70〜80%以上の隙間を埋めることが好まし
い。これにより、隙間を通過してくる細胞の浸潤量を低
減化することが可能である。
【0026】このとき、カバー表面は不織布形態の凹凸
が保持されているので、表面に形成する再生組織とカバ
ー表面との密着性が高く、再生組織のカバー表面からの
剥離を防止することが可能である。
【0027】これにより、不織布カバーの特徴である柔
軟性や固定力といった特徴を残しながら、細胞の増殖を
抑制することが可能である。
【0028】ここで、図3、図4に示した、本発明に係
る脈管内カバードステントのステント骨格部の全体的な
構造の一例を説明する。
【0029】図3は管状に形成されたステントの正面
図、図4は図3のステントの軸方向に沿って切断して展
開した展開図である。図3および図4に示すステント2
では、その中心軸を取り囲むように、それぞれほぼ菱形
状で中央部が開口した複数(この列では5個)の構成要
素21(21a,21b,21c,21d,21e)が
配列され、各構成要素21の側部が接続部22によって
接続された環状ユニット23を構成している。各構成要
素21は軸方向の寸法が円周方向の寸法よりも長くなっ
ている。なお、構成要素21の形状は、菱形状に限ら
ず、ほぼ楕円状または菱形状以外の多角形状でもよい。
そして、すべての構成要素21はステント2の中心軸か
らほぼ等距離となるように配置され、5個の構成要素2
1で環状をなすように湾曲している。ステント2の軸方
向には複数(この例では8個)の環状ユニット23a,
23b,23c,23d,23e,23f,23g,2
3hが配列され、互いに隣り合う環状ユニット23は接
続部22どうしを連結する連結部24により1個所で連
結され、全体で円筒体をなしている。連結部24はステ
ント本体2の中心軸に対して若干斜めに(この例では約
12゜)傾斜して延びており、各連結部24はステント
本体2の円周方向に沿って螺旋状に配置されている。
【0030】なお、ステント本体2の両端部の環状ユニ
ット23(23a,23h)を構成する構成要素21
は、端部において十分な拡張力を得るとともに、血管内
壁およびバルーンに与える損傷を少なくするために、端
部がほぼ半楕円状となっている。
【0031】ステント本体2は、生体内へ挿入するのに
適した直径を有し、円筒体の内部から外方に広がる力が
与えられたときに伸長する。このステント2では、1つ
の環状ユニット22に含まれる隣接する2つの構成要素
21の間に形成されるほぼV字状または台形状の空間
に、隣接する環状ユニット23の構成要素21の端部が
侵入している。このようにステント2の円周方向に沿っ
て構成要素21の端部が重なった状態になっているた
め、所定の長さのステント本体2の軸方向に沿って多く
の環状ユニット23を配置することができる。従って、
ステント本体2を拡張させたときに、個々の構成要素2
1のステント本体2の軸方向に沿う長さが短くなって
も、ステント本体2の側面における隙間の増加が少な
く、より確実に血管の狭窄部を拡張でき、かつその状態
を良好に維持できる。また、連結部24がステント本体
2の円周方向に沿って螺旋状に配置されており、連続し
て直線をなすように延びていないので、1つの環状ユニ
ット23が血管に追従するように変化したときの負荷が
隣り合わない環状ユニット23にまで伝達されるのを抑
制でき、個々の環状ユニット23を独立して拡張させる
ことができる。
【0032】ステント本体2の非拡張時の直径は1.2
〜1.8mm程度が好適であり、特に1.3〜1.6m
mがより好ましい。1つの構成要素21の軸方向長は
1.5〜4.0mm程度が好適であり、特に2.0mm
〜3.0mmがより好ましい。互いに隣り合う環状ユニ
ット23の構成要素21どうしが軸方向に沿って重なり
合う部分の長さは0.5〜1mmが好適である。それぞ
れ互いに隣り合う環状ユニット23に含まれる、互いに
隣り合う構成要素21どうしの中心間の距離は、1.3
〜2.5mmが好適である。連結部24はステント本体
20の中心軸に対して0゜〜30゜程度傾斜しているこ
とが好ましく、特に5゜〜30゜程度傾斜していること
が好ましく、特に5゜〜25゜傾斜していることがより
好ましい。連結部24の長さは1.4〜2.7mmが好
適である。環状ユニット23の数は6〜10が好適であ
る。
【0033】ステント本体2の中央部の環状ユニット2
3を構成する構成要素21の肉厚は、0.05〜0.1
2mm程度、特に0.06〜0.10mmが好適であ
る。ステント2の両端ユニット23を構成する構成要素
21の肉厚は、中央部の環状ユニット23を構成する構
成要素21の肉厚の3/5〜4/5程度、具体的には
0.05〜0.07mm程度が好適である。
【0034】図3および図4に示すような形状のステン
ト本体は、例えばステンレス鋼からなるパイプをレーザ
加工などの方法により加工することにより製造すること
ができる。加工により最終的な形状を有するステントを
得た後、焼きなましをすることが好ましい。焼きなまし
を行うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性
が向上し、屈曲した血管内での留置性が良好になる。こ
の結果、ステントを拡張した後に拡張前の形状に復元し
ようとする力、特に屈曲した血管部位で拡張した後に直
線状の形状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した血
管内壁に与える物理的刺激が減少するとともに、再狭窄
の要因を減少させることができる。焼きなましは、ステ
ント表面に酸化被膜が形成されないように、不活性ガス
(例えばアルゴンガス)雰囲気下において行い、900
〜1200℃に加熱した後、ゆっくりと冷却することが
好ましい。ステント骨格形状に加工した後、造影性をよ
り向上させるため金やプラチナなどの貴金属のメッキを
施してもよい。
【0035】ここでは、ステント本体をバルーン拡張型
ステントで説明したが、本発明はこれに限られるもので
はなく、自己拡張型ステント等にも適用可能である。
【0036】ここで、上記のように作製した脈管内カバ
ードステントをウサギに埋め込んだ実施例と比較例を以
下に示す。
【0037】(実施例1)図5は、このようにして作製
した本発明の脈管内カバードステント1をウサギの腹部
大動脈内に埋め込んだ部位を示す説明図である。
【0038】実施例1は、図1、図2に示すように、ス
テント本体骨格部2とその骨格部を内外面で被覆するカ
バー3とカバーの不織布繊維の隙間を埋めた充填材4と
から構成されている。
【0039】脈管内カバードステント1の本体の骨格部
2は、ステンレス鋼からなっており、骨格部2を被覆す
るカバー3は、ポリオレンフィン性の不織布カバーから
形成され、さらに不織布と同じ材質の充填材4で埋め込
んだものから構成されている。
【0040】この作製された脈管内カバードステント1
のカバー3部分を実体顕微鏡下で確認し、不織布繊維の
隙間が充填され、隙間がほぼないことを確認した。
【0041】まず、この脈管内カバードステント1をデ
リバリーカテーテル6の先端の折り畳まれたバルーン7
の上に縮径してマウントし、直径3.0mmに拡張し
た。その時のカバーのシワ付き性と伸展性は、カバーの
隙間を充填材で埋めなかったもの、つまり不織布繊維の
みのカバーと大差がないことを確認した。
【0042】つづいて、脈管内カバードステント1をバ
ルーン7の上にマウントしたデリバリーカテーテル6を
ウサギ8の頚動脈9から挿入し、X線透視下でカテーテ
ル6を血管内に導入し、カテーテル6の先端が腹部大動
脈50に達したところでカテーテル6のバルーン拡張ル
ーメンに造影剤を注入してバルーンを10atmの圧力
で直径3.0mmに拡張し、同時にバルーンにマウント
した脈管内カバードステントを拡張した。バルーンを1
分間拡張した後、収縮させ、拡張状態を保持した脈管内
カバードステント1を血管内に留置したままデリバリー
カテーテル6だけを血管内から抜去し、局所を縫合し
た。
【0043】脈管内カバードステントの体内埋め込み5
週間後に剖検し、体内埋め込み部が開存していることを
確認した。体内埋め込み部を摘出し、病理組織学的評価
を行った結果、血管内腔へ細胞は浸潤していたが、肥厚
はステント内腔にほぼ均等な厚さで起きており、ステン
ト内腔の形状は同心円状に保たれていた。また、肥厚し
た組織はどの部位においても隙間を充填材で埋めた不織
布の隙間に入り込み、カバーに密着している状態が観察
された。また、血流側のカバー内腔面への付着血栓は少
ないことが認められた。
【0044】(実施例2)図6は、本発明の実施例2に
係わる脈管内カバードステント10の構成を示す概略断
面図である。図7は実施例2で脈管内カバードステント
10をウサギの頚動脈内52に埋め込んだ部位を示す説
明図である。
【0045】図6に示す脈管内カバードステント10
は、ステント本体骨格部2とその骨格部を内外面で被覆
するカバー3とカバーの不織布繊維の隙間を埋めた充填
材4とカバー3にコートしたプラスミン処理フィブリン
のコート層5とから構成されている。
【0046】脈管内カバードステント10の本体の骨格
部2は、ステンレス鋼からなっており、骨格部2を被覆
するカバー3は、ポリオレンフィン性の不織布カバーか
ら形成され、さらに不織布と同じ材質の充填材4で埋め
込んだものからなっている。これらの構成は実施例1と
同様であり、相違点はカバー3にプラスミン処理フィブ
リンのコート層5を付加した点である。
【0047】また、カバーの隙間の埋め込み方法は実施
例1と同様にして行った。充填材は、図6に示すように
実体顕微鏡下で、主にカバーの外側表面に配置している
ことを確認し、隙間がほぼないことを確認した。
【0048】実施例1と同様に、まず作製した脈管内カ
バードステント10をデリバリーカテーテル6のバルー
ン7の上にマウントして直径3.0mmに拡張した。そ
の時のカバー3のシワ付き性と伸展性が、カバーに充填
材で埋めなかったもの、つまり不織布繊維のみのカバー
と大差がないことを確認した。
【0049】脈管内カバードステント10は、デリバリ
ーカテーテル6の先端の折り畳まれたバルーン7の上に
縮径されてマウントされており、カテーテル6をウサギ
8の大腿動脈51から挿入し、X線透視下でカテーテル
6を血管内に導入し、カテーテル先端が右頚動脈52に
達したところでカテーテル6のバルーン拡張ルーメンに
造影剤を注入してバルーンを10atmの圧力で直径
3.0mmに拡張し、同時にバルーン7にマウントした
脈管内カバードステントも拡張した。バルーン7を1分
間拡張した後、収縮させ、拡張状態を保持した脈管内カ
バードステント10を血管内に留置したままデリバリー
カテーテル6だけを血管内から抜去し、局所を縫合し
た。
【0050】脈管内カバードステント10の体内埋め込
み5週間後に剖検し、体内埋め込み部が開存しているこ
とを確認した。体内埋め込み部を摘出し、病理組織学的
評価を行った結果、血管内腔へ細胞は浸潤していたが、
肥厚はステント内腔にほぼ均等な厚さで起きてステント
内腔の形状は同心円状になっていた。また、肥厚した組
織はどの部位においても充填材で埋め込んだ不織布の隙
間に入り込み、カバーに密着している状態が観察され
た。血流側のカバー内腔面への付着血栓も少ないことが
認められた。また、この実施例2では、フィブリン処理
コートされていることにより、実施例1よりも血栓の付
着が少なく、より抗血栓性が高まることが観察された。
【0051】これにより、不織布の特性である脈管内カ
バードステントの配置固定はしっかりと維持しながら、
脈管内腔への内膜肥厚を抑えて、脈管内腔の狭小化の低
減および偏心化を抑制することが確認された。
【0052】(比較例)実施例1で示した脈管内カバー
ドステントの構成からカバーの不織布繊維の隙間を充填
材で埋め込まないもの、つまりは不織布繊維のみのカバ
ードステントを作製し、実施例1と同様にウサギ8の腹
部大動脈50内に留置した。この比較例についても埋込
前に実体顕微鏡下でカバー部分を観察した。こちらは、
不織布繊維の間に隙間が点在していることが確認され
た。
【0053】カバーの隙間を埋めていない脈管内カバー
ドステントも、上記同様、体内埋め込み5週間後に剖検
し、埋め込み部が開存していることを確認した。埋め込
み部を摘出し、病理組織学的評価を行った結果、血管内
腔へ細胞は浸潤し、肥厚した組織はどの部位においても
不織布の隙間に入り込み、カバーに密着していたが、肥
厚は隙間を埋めたカバーの脈管内カバードステントより
も多く、カバードステント内腔に不均一な厚さで起きて
いることが観察された。
【0054】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の骨格を有す
る医療用脈管内ステントにおいて、該脈管内ステント骨
格に不織布形態のカバーを設け、該カバーの不織布繊維
の隙間を充填材で埋めた脈管内にカバードステントを留
置することにより、血管内膜が肥厚してくるときに、ス
テント骨格に設けた隙間を充填材で埋めたカバーが肥厚
の主要素である平滑筋細胞および線維芽細胞の増殖によ
る血管内腔への浸潤を物理的に押さえて、全体的な肥厚
の増大を抑制し、また、局部的な肥厚の増大も抑制す
る。この現象が起きると脈管内カバードステント留置部
の内腔の狭小化が抑制され十分な血流量が得られる。
【0055】また、内腔の形状も偏心円状にならず同心
円状になる為、内腔を通過する血流が乱されない状態が
維持される。
【0056】さらに、カバーに生体適合性の物質が付加
されると、脈管内カバードステント留置部の内腔では血
液がカバーと接触することにより生じる血栓を少なくす
ることができるので、血栓閉塞を抑制することができ
る。また、脈管内カバードステント留置部のカバーと血
管壁との接触部では、血管組織細胞がカバーと接触する
ことにより生じる炎症反応を小さくすることができるの
で、貪食細胞を過度に集合させることがなく、カバー下
の血管壁の再構築を早期に達成させて、平滑筋細胞およ
び線維芽細胞の過度の増殖を抑制して、脈管内カバード
ステントのカバー部に加わる圧力を小さくすることがで
きる。
【0057】また、カバー表面は不織布形態の凹凸が保
持されているので表面に形成する再生組織とカバー表面
との密着性が高く、再生組織のカバー表面から剥離を防
止することができる。
【0058】これらの構成により、不織布の特徴を活か
しながら、内膜肥厚を抑制する脈管内カバードステント
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す脈管内カバ
ードステントの構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の脈管内カバードステントの構
成を示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の脈管内カバードステントのス
テント骨格部を構成する管状に形成されたステントの正
面図である。
【図4】図4は、図3のステントの軸方向に沿って切断
した展開図を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1に係わる脈管内カバ
ードステントをウサギの腹部大動脈内に埋め込んだ部位
を示す説明図である。
【図6】図6は、本発明の実施例2に係わる脈管内カバ
ードステントの構成を示す概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例2で脈管内カバードス
テントをウサギの頸動脈内に埋め込んだ部位を示す説明
図である。
【符号の説明】
1、10:脈管内カバードステント 2:ステント本体骨格部 3:カバー 4:充填材 5:プラスミン処理フィブリンコート層 6:デリバリーカテーテル 7:バルーン 8:ウサギ 9:頚動脈 50:腹部大動脈 51:大腿動脈 52:右頚動脈

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨格を有する医療用脈管内ステントにお
    いて、該脈管内ステント骨格に不織布形態のカバーを設
    け、該カバーの不織布繊維の隙間を充填材で埋めたこと
    を特徴とする脈管内カバードステント。
  2. 【請求項2】 前記カバーが、前記脈管内ステント骨格
    の外面側及び/または内面側を被覆していることを特徴
    とする請求項1に記載の脈管内カバードステント。
  3. 【請求項3】 前記カバーの少なくとも一部に生体適合
    性の物質を付加したことを特徴とする請求項1または2
    に記載の脈管内カバードステント。
  4. 【請求項4】 前記カバーの不織布繊維の隙間を埋める
    充填材は、カバーの不織布繊維と同一の材質であること
    を特徴とする請求項1乃至3記載の脈管内カバードステ
    ント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009072172A1 (ja) * 2007-12-03 2009-06-11 Goodman Co., Ltd. ステント及びその製造方法
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