JP2001058956A - 自己免疫疾患予防・治療剤 - Google Patents

自己免疫疾患予防・治療剤

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JP2001058956A
JP2001058956A JP11232965A JP23296599A JP2001058956A JP 2001058956 A JP2001058956 A JP 2001058956A JP 11232965 A JP11232965 A JP 11232965A JP 23296599 A JP23296599 A JP 23296599A JP 2001058956 A JP2001058956 A JP 2001058956A
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autoimmune disease
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preventing
immunoglobulin
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Tadao Okamoto
忠雄 岡元
Nariyasu Kagota
成靖 籠田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 抗CD19抗体を有効成分として含有す
る自己免疫疾患予防・治療剤。 【効果】 抗CD19抗体は、T細胞が関与するあるい
は自己抗体を産生するB細胞が関与する自己免疫疾患、
特に好ましくは自己反応性T細胞が関与する自己免疫疾
患の予防および治療に対して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗CD19抗体の
新規医薬用途に関する。即ち、本発明は新規な自己免疫
疾患予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】CD19は、B細胞に特異的に発現する
分子量約95000の膜蛋白質の一種であり、抗原依存
的、非依存的にB細胞の反応を制御するB細胞のシグナ
ル伝達分子として重要であると考えられている。CD1
9はB細胞における抗体遺伝子再構成の早期から発現さ
れ、ヒトではB細胞の分化に伴って徐々に増加するが、
マウスでは成熟B細胞に分化した時点で段階的に数倍に
増加する。そして、CD19は形質細胞に分化すると消
失する。また、骨髄中では未成熟B細胞のクローン除去
に関与するシグナルを、CD19が増強する可能性が示
唆されており、一方、末梢成熟B細胞においてはB細胞
受容体からのシグナルを、CD19が増強する可能性が
示唆されている。
【0003】抗CD19抗体とは、このB細胞の反応性
制御分子であるCD19に対する抗体の総称である。既
にモノクローナル抗体が報告されており、市販品もあ
る。
【0004】抗CD19抗体がB細胞の活性化に関与す
ること、その誘導体が白血病、B細胞リンパ種に対して
有用であることが知られている〔ジャーナル・オブ・イ
ムノロジー,138巻9号,2793〜2799頁(1
987年)、WO93−36360公開公報等を参
照〕。
【0005】一方、通常の免疫グロブリン(多数の健常
人から採取、分離することができ、特定の抗体の存在を
必要としない。主としてIgGクラスの免疫グロブリ
ン)や、ある種の抗体(例えばCD4キメラ抗体等)等
が自己免疫疾患に適用できることが報告されている〔特
開平9−77684号公報、特表平6−509708号
公報等を参照〕。しかし、抗CD19抗体と自己免疫疾
患との関係については何ら報告はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
の自己免疫疾患予防・治療剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために、さらに研究を進めた結果、抗CD19
抗体が自己免疫疾患の予防および治療に有用であること
を見出して、本発明を完成した。即ち、本発明は、抗C
D19抗体を有効成分とする自己免疫疾患予防・治療剤
である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明において有効成分として含められる
抗CD19抗体は、CD19に対する抗体、すなわちC
D19を抗原として認識できるものであればその由来等
は特に限定されず、ポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体のいずれでもよく、好ましくは由来等は投与対象
に応じて適宜選択される。ポリクローナル抗体としては
抗血清、特異抗体等が例示される。
【0009】抗血清は、CD19で免疫した動物の血清
(抗血清)を回収することにより調製することができ
る。特異抗体は、当該抗血清をさらに精製することによ
り調製することができる。さらに本発明においては抗血
清中に含まれるポリクローナル抗体を高力価免疫グロブ
リン製剤として製することもできる。本発明において高
力価免疫グロブリン製剤とは、特に抗CD19抗体の含
有量を高めたものであって、例えば、出発原料として抗
CD19抗体陽性の血漿を用いて、当該血漿を濃縮する
ことによって調製することができる。
【0010】本発明においてはモノクローナル抗体もま
た好適に含められる。モノクローナル抗体は、CD19
で免疫した動物の脾細胞とミエローマ細胞のような増殖
性細胞とを細胞融合して調製したハイブリドーマ、当該
脾細胞をEBウイルス等で形質転換して得られた形質転
換体、あるいは抗CD19抗体遺伝子を導入して得られ
る当該抗CD19抗体産生細胞を培養することにより得
ることができる。
【0011】また、抗CD19モノクローナル抗体は商
業的に入手可能であり本発明で好適に使用され得る。例
えば、ヒト由来のものとして、H1B19クローン、B
43クローン(いずれもIgG1タイプ。ファーミンジ
ェン社)、BU12クローン(IgG1タイプ。アンセ
ル社)等が挙げられる。
【0012】抗CD19抗体としてはキメラ抗体、ヒト
化抗体あるいはヒト抗体なども例示される。キメラ抗体
とはヒト由来以外の動物のモノクローナル抗体の可変領
域とヒト由来抗体の定常領域とを組み合わせることによ
り調製することができる。具体的にはマウス等のげっ歯
類由来のモノクローナル抗体の可変領域をヒト由来抗体
の定常領域に組み込んだものが挙げられる。ヒト化抗体
は、当該キメラ抗体のうち、可変領域の一部のアミノ酸
配列のみを置換したものであり、ヒトが許容できるよう
に、すなわち新たな抗原性を起こさないように工夫して
ある。具体的には抗原結合部位の遺伝子配列だけをヒト
抗体遺伝子に移植して得られる抗体が挙げられる。ヒト
抗体は、ヒトの抗体産生に関与する染色体を例えばマウ
スに導入することによって得られる特殊なトランスジェ
ニック動物を用いて産生させたものである。これらは遺
伝子工学的手法により調製することができる。
【0013】抗CD19抗体(ポリクローナル抗体なら
びにモノクローナル抗体)を調製する際に免疫源として
使用されるCD19は、ヒトCD19、霊長類由来のC
D19、マウス由来のCD19等が挙げられるが、好ま
しくはヒトCD19が用いられる。より具体的には、ヒ
トCD19遺伝子(GenBank ヒトM28170)に基づいてヒ
トCD19蛋白質を調製する。
【0014】免疫する動物としては、ポリクローナル抗
体あるいはモノクローナル抗体を作成するために通常当
分野で用いられる各種動物が好適に使用される。
【0015】本発明の自己免疫疾患予防・治療剤に含め
られる抗CD19抗体は、抗補体作用(補体結合性)の
原因となる免疫グロブリン凝集体を除去しておくことが
好ましい(特に抗CD19抗体の出発原料が血漿由来で
ある場合には望ましい処置である)。
【0016】除去方法としては、ポリエチレングリコー
ル処理、pH4処理、イオン交換樹脂処理等〔これらの
処理により非化学修飾型の免疫グロブリン(抗CD19
抗体)が得られる〕;アルキル化、スルホ化等の処理
〔これらの処理により化学修飾型の免疫グロブリン(抗
CD19抗体)が得られる〕;プラスミン、ペプシン、
トリプシン等を用いた酵素処理等が挙げられるが、中で
も非化学修飾型免疫グロブリンが得られるポリエチレン
グリコール処理、pH4処理、イオン交換樹脂処理等の
処理が好ましい。
【0017】本発明において非化学修飾型の免疫グロブ
リンとは、生体内の抗体の分子構造により近い状態で、
従って免疫グロブリンのフラグメントであるFab、F
(ab’)2、Fc等を含まないものである。化学修飾
型の免疫グロブリンとしては、開裂させた抗体分子のS
−S結合にアルキル基が導入されたもの(アルキル化)
や開裂させた抗体分子のS−S結合にスルホ基(−SO
3 -)が導入されたもの(スルホ化)等が挙げられる。非
化学修飾型の免疫グロブリンは、好ましくは、(1)抗
体価の低下がなく、同時に抗体スペクトルの低下もな
い、(2)抗補体作用(補体結合性)が日本国生物学的
製剤基準で安全と見なされる20単位(CH50値)よ
りも十分に低い、といった特徴を有する。
【0018】このような非化学修飾型の免疫グロブリン
は、自然状態のもので、いかなる方法で得たものであっ
てもよい。混在する可能性のある、ショックの原因とな
る免疫グロブリン凝集体は、酸性処理や界面活性剤処理
等により除去することができる。製造上の複雑さや収量
の低下を問題としないならば、非イオン系界面活性剤を
用いてショックの原因となる免疫グロブリン凝集体を除
去する方法がより好ましい。このような処理によって得
られた免疫グロブリンは上述の非化学修飾型の免疫グロ
ブリンの諸性状を満たすものである。
【0019】より具体的には当該非化学修飾型の免疫グ
ロブリンは公知の手法により調製することができる。例
えば、エタノール分画、ポリエチレングリコール分画
(特開昭53−47515号公報)、ポリエチレングリ
コールとヒドロキシエチルスターチの組み合わせによる
分画(特開昭51−91321号公報)、酸処理(特開
昭57−32228号公報)、陰イオン交換体処理(特
表昭59−501546号公報、特開昭60−4233
6号公報)、加熱処理後のポリエチレングリコール分画
(特開昭63−183539号公報)、液状製剤化(特
開昭58−43914号公報、特開昭63−19727
4号公報)、多孔性膜処理(特開平10−265406
号公報)、コロイド珪酸処理(特開平10−26540
7号公報)、ポリエチレングリコール分画上清を酸性p
Hで濃縮処理(特開平11−199511号公報)等に
記載の方法が例示される。
【0020】ウイルス不活化のため、本発明の自己免疫
疾患予防・治療剤は、特に有効成分として含める抗CD
19抗体がヒトまたは動物の血液由来である場合には、
その調製の工程のいずれかの段階で、当該抗体に加熱処
理を施すことが好ましい。例えば、液状加熱方法として
は、安定化剤として高濃度の糖または糖アルコールを用
いる方法(特開昭61−191622号公報)、安定化
剤として高濃度のソルビトールを用い、低イオン強度、
酸性pHで行う方法(特開昭63−146832号公
報)等が例示される。また、乾燥加熱方法としては、安
定化剤としてアルブミン、グリシン、ポリエチレングリ
コール、塩化ナトリウム、マンニトール等を用いる方法
(特開昭61−78730号公報)、安定化剤として二
糖類、糖アルコールを用いる方法(特開昭62−228
024号公報、特開昭63−283933号公報)、安
定化剤としてアルブミンと二糖類または糖アルコールを
併用する方法(特開昭62−289523号公報等)が
例示される。
【0021】本発明の製剤は、経口的又は非経口的に投
与される。投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤等の経口形態、溶液、乳剤、懸濁剤等の
液状の注射剤等の非経口投与形態が例示される。
【0022】前記投与形態の製剤は、有効成分である抗
CD19抗体に必要に応じて適宜の通常医薬品に用いら
れる薬理的に許容される担体、賦形剤、希釈剤や安定化
剤等の製薬上必要な添加剤を配合し、常套手段で製剤化
することにより製造できる。固体製剤とする場合は、添
加剤、たとえば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、D−マ
ンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン
類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペ
クチン類、トランガム類、アラビアゴム類、ゼラチン
類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、リン酸カル
シウム、ソルビトール、グリシン、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グ
リセリン、ポリエチレングリコール、炭酸水素ナトリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が用いられ
る。さらに、錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠
剤、たとえば糖衣錠、腸溶性コーティング錠、フィルム
コーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることがで
きる。液体製剤とする場合、添加剤としては、グルコー
ス等の単糖類、サッカロース、マルトース等の二糖類、
マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール、塩化ナ
トリウム等の中性塩、グリシン等のアミノ酸、アルブミ
ン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン共重合体(プルロニック)、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(トゥイーン)
等の非イオン系界面活性剤等が例示される。
【0023】注射剤とする場合は、無菌の水溶液、たと
えば生理食塩水、等張液、油性液、たとえばゴマ油、大
豆油が用いられる。また、必要により適当な懸濁化剤、
たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、非イ
オン性界面活性剤、溶解補助剤、たとえば安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。
【0024】注射剤の投与形態である本発明を製剤化す
るにあたり、除菌濾過等の無菌化工程を経ることが更に
望ましい。
【0025】本発明の注射用製剤は、液状製剤の場合は
そのままで、あるいは適当な溶媒(例えば注射用蒸留
水、生理食塩水、ブドウ糖液等)で希釈し、乾燥製剤の
場合は適当な溶媒(例えば注射用蒸留水等)に溶解し
て、静脈内、筋肉内、胸腔内、皮下、皮内等に投与され
得る。
【0026】本発明製剤の投与経路は、通常注射であ
り、特に静脈内投与が好ましい。本発明製剤の投与量
は、体重1kg当たり免疫グロブリンとして0.1〜1
00mg/日程度を、1〜数日間程度連日静脈内投与す
ることが標準的であるが、症状、性別、体重等に応じて
投与量を増減すればよい。
【0027】本発明において有効成分として含められる
抗CD19抗体は、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、
多発性硬化症(MS)、脳脊髄炎、慢性関節リウマチ、
多発性筋炎・皮膚筋炎、慢性炎症性脱髄性多発性神経根
炎(CIDP)、インスリン依存性糖尿病、特発性血小
板減少性紫斑病(ITP)、全身性エリテマトーデス
(SLE)、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、川
崎病、習慣性流産等の自己免疫疾患の予防および治療に
有用である。特に、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、
多発性硬化症(MS)、脳脊髄炎、慢性関節リウマチ、
多発性筋炎・皮膚筋炎、慢性炎症性脱髄性多発性神経根
炎(CIDP)等の自己反応性T細胞が関与すると考え
られている自己免疫疾患の予防および治療に有用であ
る。
【0028】また、本発明の自己免疫疾患予防・治療剤
は、中枢神経系の自己免疫疾患、特に脳脊髄炎に有用で
ある。
【0029】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例及
び実験例を挙げるが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
【0030】製剤例1 抗CD19抗体(ヒト由来)を生理食塩水または0.6
%塩化ナトリウム、2%マンニトールおよび1%アルブ
ミンを添加した0.02M酢酸緩衝液に5%濃度となる
ように溶解し、除菌濾過後に凍結乾燥し、静注用製剤を
得る。
【0031】製剤例2 抗CD19抗体(ヒト由来)を注射用水で5%濃度とな
るように溶解し、酢酸ナトリウムでpHを約5.5に調
整し、ソルビトールを5%となるように添加する。得ら
れる溶液(伝導度約1mmho、8℃での換算時)を除
菌濾過し、静注用液状製剤を得る。
【0032】製造例3 CD19を用いたELISA法により、ヒト血漿から抗
CD19抗体陽性血漿を選別した。当該血漿から冷エタ
ノール法により得たコーン画分II+III 100gに注
射用水1Lを加え、さらにこの溶液100mL当たりソ
ルビトール50gを添加し、pH5.5に調整した後、
60℃で10時間加熱処理した。その後、pH5.5に
調整した後、冷注射用水にて当該溶液を3倍に希釈し、
pH5.5の条件下でポリエチレングリコール(平均分
子量4,000)を終濃度が8w/v%となるように添
加し、2℃で遠心分離し上清を得た。この上清をpH4
に調整した後、分画分子量10万の限外濾過膜(ペリコ
ン2バイオマックス、ミリポア社製)を用いて注射用水
に対して溶液の濃縮を行なった。pH5〜7に調整した
当該溶液を注射用水で平衡化したDEAE−セファデッ
クスを添加(溶液50mL当たり2mL)し、0〜4℃
の条件下で約1時間接触処理し、処理後に濾過すること
によりDEAE−セファデックスを除去して濾過液(免
疫グロブリン含有溶液)を回収した。
【0033】この免疫グロブリン含有溶液を注射用水で
5w/v%に調整し、酢酸ナトリウムでこの溶液のpH
を5.0〜6.0に調整し、さらにソルビトールを終濃
度が5w/v%となるように添加した。この水溶液の伝
導度は約1mmhoであった。
【0034】当該溶液を、細孔性/低Al性フィルター
(ゼータプラスLA90、キュノ社製)および無水シリ
カを担持したフィルター(ゼータプラス・デリピド、キ
ュノ社製)に通して非吸着画分を回収した。さらに、孔
径0.2μmのメンブランフィルターによる滅菌濾過を
行ない、多孔性中空糸モジュール(平均孔径35±2n
m、膜面積0.001〜1.0m2、中空糸内径330
±30μm、膜厚35±3.5μm、150層以上の多
重層構造を有する、原料は銅アンモニア法再生セルロー
ス、商品名はプラノバ35、旭化成社製)を用いて、濾
過圧力0.2kgf/cm2で1〜5時間の膜濾過処理
(空気圧を用いたデッドエンド濾過法による)を行なっ
た。冷却後に再度滅菌濾過を行ない、静注用製剤を調製
した。
【0035】実験例 実験的自己免疫性脳脊髄炎(experimental autoimmune
encephalomyelitis;EAE)は自己反応性T細胞により誘
発されることが証明されており、代表的な自己免疫疾患
のモデルである(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イ
ムノロジー,11号,195〜199頁(1981
年)、セル,78号,399〜408頁(1994
年)。この自己免疫疾患モデルを用いて、本発明の効果
を調べた。
【0036】(1)マウスを用いて実験的自己免疫性脳
脊髄炎(EAE)モデルを次のように作成した。8〜1
5週齢の(PL/J×SJL/J)F1雌性マウスを、
合成ペプチド(ミエリン塩基性蛋白質のアミノ酸配列の
1番目から11番目に相当するペプチドであるMBPA
c1−11;ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノ
ロジー(上述))400μgとアジュバンド・コンプリ
ートH37RA 400μgで免疫し、当日および2日
目に百日咳毒素200ngを静注することによりEAE
を誘発した。
【0037】(2)抗体の投与 抗マウスCD19抗体(ラットモノクローナル抗体、サ
ザン・バイオテクノロジー・アソシエート社製)を、E
AEを誘発したマウス(上記(1))に1日あたり20
0μg/1匹となるように当日から5日間連続して静脈
内投与した。
【0038】(3)効果の判定 EAEの重症度は、以下の6段階のスコアーで評価し
た。 0:正常 1:尾の緊張低下 2:軽い歩行異常 3:明確な後肢脱力 4:後肢対麻痺 5:瀕死または死亡 抗CD19抗体の効果は、重症度スコアー(平均値)の
推移で判定した。実験開始15日目と20日目の結果を
表1に示す。なお、15日目は対照群(抗体未投与群)
において最も重症値を示した日である。
【0039】
【表1】
【0040】B細胞に特異的なモノクローナル抗体であ
る抗マウスCD19抗体が、EAEに対して抑制効果を
発揮することを示すことができた。CD19分子はB細
胞の反応性制御分子(B cell response regulator)とし
て位置づけられており、抗CD19抗体はB細胞の活性
化状態を修飾することにより、自己反応性T細胞が関与
する自己免疫疾患の発生を抑制したことが初めて示され
た。すなわち、抗CD19抗体は新規な作用機作を有す
る自己免疫疾患の予防・治療薬であることが判明した。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、抗CD19抗体は、T
細胞が関与するあるいは自己抗体を産生するB細胞が関
与する自己免疫疾患、特に好ましくは自己反応性T細胞
が関与する自己免疫疾患の予防および治療に対して有用
である。故に抗CD19抗体を有効成分として含有する
本発明製剤は、優れた自己免疫疾患の予防・治療薬を臨
床の場に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/04 A61P 19/04 25/28 25/28 29/00 101 29/00 101 37/00 37/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗CD19抗体を有効成分として含有す
    る自己免疫疾患予防・治療剤。
  2. 【請求項2】 自己免疫疾患が自己反応性T細胞が関与
    する自己免疫疾患である請求項1記載の予防・治療剤。
  3. 【請求項3】 自己免疫疾患が、乾癬、クローン病、潰
    瘍性大腸炎、多発性硬化症、脳脊髄炎、慢性関節リウマ
    チ、多発性筋炎・皮膚筋炎または慢性炎症性脱髄性多発
    性神経根炎である請求項1記載の予防・治療剤。
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