JP2001056061A - 弁体の材質を炭素材料としたボールバルブ - Google Patents

弁体の材質を炭素材料としたボールバルブ

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JP2001056061A
JP2001056061A JP23179999A JP23179999A JP2001056061A JP 2001056061 A JP2001056061 A JP 2001056061A JP 23179999 A JP23179999 A JP 23179999A JP 23179999 A JP23179999 A JP 23179999A JP 2001056061 A JP2001056061 A JP 2001056061A
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valve body
carbon
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Tsutomu Saito
勉 斎藤
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Nippon Carbon Co Ltd
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TVS KK
Nippon Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回動弁のボール弁において弁体に炭素材料、弁
座を金属とすることにより、低温度から高温度領域まで
使用可能なボール弁構造を提供する。 【解決手段】本発明は、弁体に特定の不浸透性炭素材料
を用い、弁体にかかる圧縮応力を炭素材料の高い圧縮強
度を利用し、引っ張り応力のかかる弁座を金属とするこ
とで広い範囲の温度領域や耐化学薬品性に優れたボール
弁構造とするものである。 更に詳しくは、炭素材料の
潤滑性能と耐食性を加味し金属との長所のうち、耐摩耗
性、機械的強度、不浸透性にすぐれている金属材料を適
宜選択することに依り、耐化学薬品性や低温から高温に
亘る広い範囲で使用可能なボール弁構造を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の目的】本発明の目的は、自動弁の代表的な弁種
である、ボールバルブに従来から使用されている弁体及
び弁座の組み合せ(弁体−金属、弁座−炭素)では、満
足した結果が得られなかったが、逆に弁体を炭素材料と
し、弁座を金属材料にすることにより、ボールバルブの
諸条件を満足させたボール弁を提供することにある。更
に詳しくは、弁体に要求される諸要件及び性能或は加工
性については、弁体に炭素材料を用い弁座に金属材料を
用いることにより、バルブとしての作用効果を発揮させ
本発明の目的を達成しようとするものである。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低圧から高圧、低温か
ら高温、耐腐蝕性にすぐれた広い範囲で使用する可能な
ボール弁(回動弁の1種)に関するものである。
【0002】更に詳しくは、本発明は回動弁の中で代表
されるボール弁の弁体(ボール)に炭素材料を弁座(シ
ート)に金属材料を用いた事を特徴とし、従来の弁体を
金属材料、弁座に炭素材料を用いたものと全く逆の構成
としたボール弁に関するものである。
【0003】
【従来の技術の問題点】回動弁の代表的なボール弁は、
従来から弁座の開発が盛んに行なわれており、ゴム、高
分子材料、エンジニアリングプラスチック、炭素材料、
金属材料と各種の材料及び新規な形状のものが提案され
て来た。
【0004】しかし、弁座の材質及び構造が複雑な形状
や新素材を用いても摺動する弁体(ボール)に付いての
研究はあまりなされていないのが実情である。
【0005】現在まで、ボール弁の弁体が金属以外で製
造されているのは、低圧常温で腐蝕性流体に使用され
る、PVC(ポリ塩化ビニール)やPTFE樹脂であ
り、比較的高温で耐え得るものとしては、アルミナ系の
セラミックスなどが弁体として提案されている。
【0006】PVCやPTFEは軟かく温度的に無理が
あり、高強度、高温用としては、アルミナ系セラミック
スだけである。
【0007】しかし、アルミナ系セラミックスは、使い
勝手が悪く、加工性も非常に悪い。また、セラミックス
の最大の欠陥は使用温度を急激に昇温させたり、また反
対に降下させたりと急激な温度変化を伴うと熱伝導率の
悪さから、亀裂が入ったり、破損し易くなる。
【0008】そのため使用時に徐々に昇温したり降下し
たり暖気などして、急激な温度変化を避けなければなら
ない。この様な使い方はバルブとして致命的な欠陥とな
る。
【0009】
【問題を解決するための手段】従来のボール弁は、使用
中の摩耗や損傷を弁座に負わせ、弁座を交換する事に依
り、弁の性能を復帰させる事が望まれ、弁体を交換部品
とする考えはなかった。
【0010】弁座に軟質のいわゆるソフト弁座を使用し
ている場合は弁体を交換するよりも、弁座を交換した方
が簡便で経済的負担も少ない。しかし、ソフト弁座の使
用が出来ない高温や耐蝕性流体に使用する場合、弁座2
個と弁体の価格差はほとんど無い。
【0011】また、金属弁座を使用すると弁体に傷をつ
け易く弁座だけを交換しても、弁体も機械加工や盛金、
或は硬化処理などをしなければならず、弁座だけの交換
で本バルブの性能を復帰させる事は、ほとんど不可能で
ある。
【0012】そのため、弁座に金属材料を用い弁体に炭
素材料を使用することにより、弁座を傷付ける事も無
く、或は、傷付いても最小限に押えることが出来るので
弁体を新規に交換する方が望ましい。
【0013】弁体の加工は、金属では小口径の場合は、
角材や丸棒より、機械加工を行い表面に硬質Crやステ
ライトなどの硬化盛金をしたり、フォーニングマシン等
で円球などの加工をし、尚かつ真円度の精度を上げる超
精密仕上げが要求される。
【0014】表面に硬質Crやステライトなどの硬化処
理を行うと材質が硬く、精度を上げる加工は難しくな
る。
【0015】大口径の弁体を金属材料で製造するのに
は、鋳造し、機械加工後鋳物欠陥部分をグラインダーで
削り修正のための溶接をする。其の後は、前述の如き製
造で製作されるが特に真球加工が大変であり、最終的に
は機械での加工は、精度を出すのに限界があり、熟練技
術者による手作業に頼らざるを得ない。
【0016】一方弁体の炭素材料は、カーボン原料を必
要に応じて一部を黒鉛としたものにバインダーを添加混
練し、成形は静水圧成形法(ハイドロスタティックラバ
ープレス法)又はモールド成形法で成形し、高温度焼成
又は半黒鉛質とした炭素材料が好ましい。
【0017】炭素材料の不浸透化処理は充填材を高分子
材料(フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フ
ッ素系樹脂)として加熱処理し、必要に応じて焼成炭化
処理したもの。
【0018】金属を溶融含浸させたもの。
【0019】SiO2、Al23,TiC、B4C、Si
Cなどセラミックスを充填させたもの。
【0020】無機バインダー(リン酸アルミ ホウ酸)
を含浸し加熱処理させたものが適宜選択できる。
【0021】フォーニングマシン等で球面加工を行うが
炭素材料を機械加工しやすい硬度品で行うので、超精密
加工が金属材料に比べ数段容易に加工できる。
【0022】最終寸法に出来るだけ近い寸法で加工後、
硬化処理や耐酸化処理のために炭素材料の微細な空隙に
オートクレーブを用いて樹脂、金属或はSiCなどのセ
ラミックを含浸し、最後は僅かの最終研磨加工で済むた
め、大量に生産すれば、量産効果のため、経済的であ
り、弁体をある程度消耗部品とした方が得策である。
【0023】弁体を炭素材料、弁座を金属材料にしたの
は、弁体及び弁座に剛性の同材質を使用した場合、摺動
回転によりいわゆる共摺り状態が起き易く好ましくな
い。
【0024】高温で使用する場合は、例えば従来から多
く用いられている、弁座に炭素材料、弁体に金属材料に
した場合、両者の熱膨張係数の違いから面圧が異常に高
くなり、操作不能になる可能性がある。
【0025】ボール弁の弁体は荷重が加わる方向が単一
方向だけでなく、球全体に加わるため、静水圧成形法
(ラバープレス成形法)で方向性のない等方性炭素材を
弁体とするのは理想的な材料選択となる。
【0026】一般に炭素材料の機械的な強度は、圧縮強
度を基準とすると、曲げ強さは約1/2、引張り強さは
約1/4である。
【0027】弁体に圧縮応力がかかり弁座には引張り応
力がかかるので、本願の弁体材質を炭素材料とし、弁座
を金属とする組合わせは炭素材料にとって望ましい方法
を提供する。
【0028】弁体に好適に使用される炭素材料は、以下
の製法により得られる。
【0029】石油ピッチコークス、石炭ピッチコーク
ス、カーボンブラック、天然黒鉛又は人造黒鉛などの粒
径149μm以下好ましくは105μm以下の単独又は
混合微粉末に、結合材として石炭ピッチやその他の有機
バインダーを添加し、ミキサーで混捏し、粉砕機で再粉
砕して炭素微粉末成形原料を得る。
【0030】炭素微粉末成形原料を型込め成形するか又
はラバープレスによって成形する。
【0031】成形は最終形状の球形にする方法と、大型
の加工素材を得る方法のいずれも可能であるが次工程以
下の得率により適宜選択される。
【0032】本発明の炭素材料は成形後の焼成炭化処理
が重要な工程である。最終熱処理温度は1000〜22
00℃とする。
【0033】この温度範囲を越えると機械的な強度が低
下し、耐摩耗性を損なう。炭素材料は焼成炭化処理時に
結合材として添加したバインダーが熱分解し一部ガスと
して揮発消失する。
【0034】そのため炭素材料はガスが抜けた開気孔を
持ち、その気孔率は8〜30%である。このままでは流
体が透過するので、シール材料とし使うために気孔に金
属、セラミックス又は樹脂材料を充填し不浸透性炭素材
を得る。
【0035】本発明に於いて炭素材又は炭素材料は炭素
質(非晶質)、黒鉛質(結晶質)の両材質の材料を包含
するものとする。
【0036】摺動性のうち潤滑性に主眼を置く場合は黒
鉛質に、耐摩耗性に主眼を置く時は炭素質を選択する。
【0037】炭素材料の開気孔の充填は溶融含浸法で行
われる。即ち炭素材料を減圧下に置き溶融含浸材に浸漬
し加圧含浸させる。
【0038】溶融含浸は含浸材が金属であれば融点以上
の温度条件を必要とし、高分子樹脂材料であれば溶媒と
希釈混合した溶液と含浸樹脂の硬化条件を必要とする。
【0039】含浸材料はフェノール、フラン、エポキ
シ、フッ素等の高分子樹脂材料、アルミ合金、銅合金、
ニッケル合金等の金属材料、アルミナ、コロイダルシリ
カ(SiO2)、TiC、B4C、SiC等のセラミック
ス材料、リン酸アルミ、ホウ酸等の無機バインダーが適
宜選択できる。
【0040】複合材に用いる金属は、融点が200〜1
300℃のものが好ましくアルミ又はアルミ合金、銅又
はニッケル合金が耐熱度の観点から望ましい。
【0041】但しバルブ使用温度が400℃以下であれ
ば錫或いは錫合金でも差し支えない。
【0042】金属と炭素材との複合化に当たっては、炭
素材との濡れの良い金属であることが重要である。
【0043】アルミ又はアルミ合金の場合アルミ自体が
炭素材と良く濡れる金属であるからどのようなアルミ合
金でも実用に供せられる。
【0044】銅又はニッケルの場合炭素材との濡れが悪
いのでSn,Zn,Si,P等との合金での形で用い更
に炭素材との濡れを改善するために、金属又は合金に対
し0.5〜25wt%のTi又はZnを添加すると良
い。
【0045】特に金属含浸の際には炭素材の十分な乾燥
と減圧脱気例えば真空度15mmHg以下であることが必要
である。
【0046】無機バインダーであるリン酸アルミ、ホウ
酸又はコロイダルシリカ(SiO2)含浸の場合は、含
浸後100〜200℃で水分を蒸発させ、ついで500
〜1300℃で脱水硬化させる。
【0047】この処理により水分が離脱して理論上空孔
は残るが、3回以上の繰り返し含浸処理によって実用上
十分な不浸透性がえられる。
【0048】含浸処理は弁体の形状に成形焼成した炭素
材、成形焼成後弁体の形状に粗加工した炭素材又は成形
焼成した炭素材料に行う方法がある。
【0049】製造工程からは成形焼成後弁体の形状に粗
加工した炭素材に含浸する方法が良い結果を得ている。
【0050】
【発明の効果】本発明のボール弁は前述のように弁体を
炭素材料とし、弁座を金属材料とする構成する事によ
り、ボール弁としての諸条件を満足させ両材料の短所を
補い長所のみを相乗的に発揮させたものである。
【0051】この弁体及び弁座を組み込んだボール弁は
使用条件や用途に応じて材料の組み合わせを適宜選択す
ることにより低温から高温、低圧から高圧と広い領域で
使用可能となる。
【0052】
【実施例】以下に実施例1〜5及び比較例1〜3により
本発明を詳細に説明する。
【0053】第1図に示した呼び径2インチ(50A)
のボール弁の弁体として第1表に示した製法材質のもの
を用意した。
【0054】石炭ピッチコークスを粉砕して粒径40μ
m以下の微粉とした。
【0055】この微粉100部に対し43部のバインダ
ーピッチをミキサーで加熱混捏し、室温まで冷却後これ
を再粉砕して粒径149μm以下の炭素微粉末成形原料
とした。
【0056】炭素微粉末成形原料を金型に入れ一軸加圧
成型機又は静水圧成形(ラバープレス成形)で成形圧力
50〜800kg/cm2で成形した。
【0057】この時形状を弁体の形状とすることも多数
個とれる大型の角柱又は円柱形状とすることもいずれも
可能である。
【0058】成型品を徐々に昇温加熱し1000℃以下
で炭化焼成する。
【0059】このままでは炭素材料の気孔率が大きいの
でピッチタール等を含浸し炭化焼成する炭素基材の緻密
化工程を適宜加える。
【0060】最後に1000〜2200℃で熱処理した
炭素材料を得た。
【0061】炭素材料を弁体の形状に粗加工し、空孔充
填材の含浸を行い機械加工し、その後弁体の真球度を得
るためにフォーニングマシンで0.01〜0.005ま
で精度を仕上げて球面形状の弁体を得た。
【0062】炭素材料の空孔充填材に金属を用いる場合
は融点が200〜1300℃であることが好ましく、ア
ルミ、アルミ合金、銅、銅合金又はニッケル合金が耐熱
性の観点から望ましい。
【0063】但し使用温度が400℃以下であればSb
或いはSb合金でも差し支えない。
【0064】ここで炭素材料の空孔充填材について樹脂
を用いる場合は300℃以下、SiC等のセラミックス
又はリン酸アルミを用いる場合は500℃以下が使用可
能である。
【0065】実施例1の弁座材質は鉄にCrとNiを加
えたオーステナイト系ステンレス鋼は標準組成がCr1
8%、Ni12%、Mo2.5%であり、18−12鋼
と呼ばれ耐食性、耐酸性が非常に大きく常温においては
大抵の酸やアルカリに溶けない不銹鋼のJIS−G−4
303 SUS−316の鋼材を用いた。
【0066】実施例2の弁座材質は、JIS−G−43
03 SUS−304オーステナイト系ステンレス鋼
棒でステンレス鋼としては一般に普及している18−8
鋼と呼ばれ鉄にCr18%、Ni8%添加の鋼材であ
る。
【0067】実施例3の弁座材質は、チタン鋼棒JIS
−H−4650 4種TB−550H相当の市販の丸棒
を用いた。
【0068】チタン鋼は比重が小さくかつ機械強度が優
れており、500℃程度まではその特性が常温と殆ど変
わらず保持し耐食性にも優れている。
【0069】実施例4の弁座材質は、ニッケル−銅合金
(70%Ni−30%)のJIS−H−4553 NC
UBの市販の丸棒を用いた。
【0070】一般にモネルメタルとして有名なニッケル
−銅合金鋼でチタン鋼同様に高温度でも機械的強度を保
ち、海水、中性塩類の溶液、アルカリ溶液、有機酸など
多くの化学薬品に対して耐食性がある。
【0071】実施例5の弁座材質は、高ニッケル合金鋼
(70%Ni−30%)のハステロイCの市販の丸棒を
用いた。
【0072】本発明で製造したボール弁は広い温度領域
用バルブとして動作、安全性を確認しており、その代表
的な試験内容及び結果は以下の通りである。
【0073】1. 帯電防止 実施例では弁体及び弁座共に電気の良導体のため、静電
気は弁体及び弁座に帯電することなく、そのままで優れ
た帯電防止機構を備えたことになり、帯電防止に気を配
る必要が全くない。
【0074】実施例1〜5、比較例1〜2はいずれも合
格であった。但し比較例3は弁体及び弁座の材質が高分
子樹脂材料であるため、繰り返しの開閉操作により弁
座、弁体に静電気が帯電し問題があった。
【0075】2. 水圧試験 弁座の水漏れ試験として、18kg/cm2、21kg/cm2、5
3kg/cm2、105kg/cm2、155kg/cm2の各圧力で試験
した。
【0076】弁の内部に上記の各圧力に相当する水圧を
加え、一端を解放して水を排除した後に、上記の各試験
圧力を加圧して、5分間保持し、弁座と弁体との摺動面
及び弁箱との接合部とのガスケット面からの漏洩や滲み
の有無を検査した。
【0077】其の結果、実施例1〜5、比較例1〜2共
にいずれも合格であった。但し比較例3は53kg/cm2
圧力までの試験とした。
【0078】3.気密試験 弁の一端にブラインドフランジを取り付け、他端より2
kg/cm2、6kg/cm2、10kg/cm2、16kg/cm2、20kg/c
m2の各試験圧力の空気圧を加えた後、弁を閉止し、弁内
部(液溜り部)に空気圧を内封して、二次側のブライン
ドフランジを開放して石鹸水に依り、弁座と弁体との摺
動面及び弁座背面からの漏れの有無を検査した。
【0079】其の結果、実施例1〜5、比較例1〜3共
に総て合格であった。
【0080】4. 蒸気試験 蒸気として、6kg/cm2(164℃)、10kg/cm2(18
3℃)、15kg/cm2(200℃)、20kg/cm2(214
℃)の飽和蒸気、過熱蒸気(Super Heat)10kg/cm2
300℃、350℃の温度領域で弁全体がほぼ等温にな
るまで段階的に昇温し、上記、各温度に於て弁の開閉操
作を繰り返し行い、弁座と弁体との摺動面及び背面から
の漏洩を鏡(Mirror)により検査した。
【0081】実施例1〜5はすべて全数合格であった。
また検査後、改め開閉操作試験も行ったが、弁棒、弁
座、弁体などに焼き付きやカジリ付きは、一切認められ
ずスムーズに作動操作ができた。
【0082】20kg/cm2(214℃)では比較例1〜2
共に検査で漏洩があった。部材を点検した処、比較例1
は急激な温度上昇のためにアルミナセラミックスの弁体
に多数の亀裂が認められた。
【0083】比較例2は弁体がPTFE樹脂のため高温
度時に弁体が熱変形していた。
【0084】比較例3の弁については、最初から蒸気試
験を除外した。
【0085】4. ファイヤーセーフ試験 通常の回動弁では、弁座、グランドパッキン、ガスケッ
トなどのシール材にPTFE樹脂やゴムなどの非金属材
料が多く使用されている。
【0086】そのため、弁が火災などの緊急事態が発生
した場合、上記シール材が焼損して外部への漏洩や弁座
漏れ或いは稼動の不良を起こすなどして火災を著しく増
大させたり、弁の操作に支障を来すなど、ソフト弁座で
あるが故にウィークポイントにならないことを目的とす
る。
【0087】このファイヤーセーフ試験に際しては、実
施例及び比較例共に弁座以外のシール部分の耐熱性を保
証するために弁箱1と弁箱蓋2との接合部ガスケット
6、グランドパッキング14などには日本カーボン株式
会社の商品名「ニカフィルム」膨張黒鉛材料を成形して
使用した。
【0088】上記の構造及び材質のボール弁に付いて、
実施例及び比較例の各弁座を組込んで以下の試験を行っ
た。
【0089】ボール弁の一次側に水を満たし、内部に空
気が残っていないことを確認後、3.5kg/cm2の水圧を
加える。
【0090】反対の2次側のブラインドフランジを取り
外した状態で、プロパンガスバーナー2基を用いて、7
60℃〜980℃の火炎で30分間または弁の表面が5
95℃の温度に達した後、更に10分間燃焼を続け、火
災を想定した状態にした。
【0091】バーナーを消火後、弁が100℃またはそ
れ以下に自然冷却されたのちに次の順序で試験を行っ
た。
【0092】1) 弁の開閉操作を数回繰返して行い、
操作性の確認を行った。 2) 弁を閉止した状態で2次側に3.5kg/cm2水圧を
かけ弁座の漏れを確認した。 3) 弁内部に水圧10kg/cm2及び空気圧6kg/cm2の圧
力をかけ弁座の漏れを確認した。
【0093】実施例1〜5は上記の過酷な条件での試験
にも拘らず合格であった。
【0094】比較例1〜2は、漏洩が激しかった。弁を
分解点検した結果、比較例1は弁体に多数の亀裂が入っ
ていた。
【0095】比較例2は弁体がPTFE樹脂のため一部
が昇華して弁体としての役目を果たしていなかった。
【0096】比較例3のボール弁は、耐熱性の問題から
ファイヤー試験を除外した。
【0097】5.低温試験 弁の内部を液体窒素ガスに置換した後ボール弁を冷媒中
(−55℃)に浸漬け空気圧6kg/cm2の圧力をかける。
【0098】内部封入された空気、弁箱、弁体ともに冷
却され温度が安定するまでの時間保持した後に、弁の繰
り返し開閉操作をして作動試験を行った。
【0099】作動試験後温度を安定するために更に20
分間冷媒中に置き、上流側から空気圧6kg/cm2の圧力を
かけ5分間保持し、下流側の弁座からの漏洩を検査し
た。
【0100】その結果比較例2及び3は弁座及び弁体が
PTFE樹脂やPVC樹脂のため収縮し漏洩が認められ
た。
【0101】実施例1〜5、比較例1の弁は合格であっ
た。
【0102】第1図は、本発明のボール弁の断面を示す
一例。
【0103】第2図は弁体の弁棒接合部を補強材で強化
した態様を例示する部分拡大断面図。
【0104】表1は本発明の実施例と比較例を示す。
【0105】図1は本発明ボールバルブの構成の一例を
示す断面図である。図2は炭素材料製の弁体構成の一例
を示す断面図である。
【図面の簡単な説明】 【符号の説明】
1……弁箱、2……弁箱蓋、3……炭素材料製の弁体、
4……金属材料製の弁座、5……金属材料製の弁座、6
……弁座クッション、7……弁座クッション、8……イ
ンナーリング、9……インナーリング、10……弁棒、
11……ステムベアリング、12……スラストベアリン
グ、13……ガスケット、14……グランドパッキン、
15……パッキン押え、16……パッキン押え輪、17
……ボルトナット、18……停止板、19……レバーハ
ンドル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月24日(1999.11.
24)
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月1日(2000.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】図1に本発明の一例ボールバルブの構成断
面を示す。図2に炭素材料製の弁体構成断面の一例を示
す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ボールバルブの構成の一例を示す断面図
である。
【図2】炭素材料製の弁体構成の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1……弁箱 2……弁箱蓋 3……炭素材料製の弁体 4……金属材料製の弁座 5……金属材料製の弁座 6……弁座クッション 7……弁座クッション 8……インナーリング 9……インナーリング 10……弁棒 11……ステムベアリング 12……スラストベアリング 13……ガスケット 14……グランドパッキン 15……パッキン押え 16……パッキン押え輪 17……ボルトナット 18……停止板 19……レバーハンドル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールバルブ内に着脱可能にした弁体の材
    質を炭素材料とし、弁座を金属材料としたことを特徴と
    するボールバルブ。
  2. 【請求項2】弁体に用いる炭素材料はラバープレス成形
    又はモールド成形によって得られる等方性又は緻密な組
    織を有する高強度不浸透性であることを特徴とする請求
    項1のボールバルブ。
  3. 【請求項3】弁体の不浸透化処理に使用する充填材を (1) 高分子材料(フェノール樹脂、フラン樹脂、エ
    ポキシ樹脂、フッ素系樹脂)として加熱処理し、必要に
    応じて焼成炭化処理したもの。 (2) 金属を溶融含浸させたもの。 (3) SiO2、Al23,TiC、B4C、SiCな
    どセラミックスを充填させたもの。 (4) 無機バインダー(リン酸アルミ ホウ酸)を含
    浸し加熱処理させたもの
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103075536A (zh) * 2013-01-28 2013-05-01 江苏盐电阀门有限公司 低温球阀及其控制系统

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