JP2001052635A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管およびその製造方法

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JP2001052635A
JP2001052635A JP11223679A JP22367999A JP2001052635A JP 2001052635 A JP2001052635 A JP 2001052635A JP 11223679 A JP11223679 A JP 11223679A JP 22367999 A JP22367999 A JP 22367999A JP 2001052635 A JP2001052635 A JP 2001052635A
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cathode ray
cooling liquid
stopper
sealing member
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English (en)
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Yuichi Ushizaka
雄一 牛坂
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異物の鋏込みにより冷却液が漏れにくい構造の
陰極線管と、その製造方法を提供する。 【解決手段】陰極線管本体に取り付けられ、電子銃から
の電子ビームにより加熱した前パネルを冷却する冷却液
が内部空間内に充填された冷却液保持体10を有し、こ
の冷却液保持体10に設けられた冷却液の注入口14
に、冷却液の液漏れを防止する封止部材42を介して止
め具40が挿入されている。止め具40は、封止部材4
2と機械的に結合し一体化した状態で注入口14に挿入
されている。この封止部材42は、内部空間と外部との
隙間を塞ぐ封止凸部42aのほかに、平坦部42bおよ
びフリンジ部42cを有することから結合面積が大き
く、また、フリンジ部42cにより止め具の角部を矜持
する構造としたことにより、結合の機械的強度が高めら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン上に映
像を投影するプロジェクタ装置などに使用される陰極線
管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタ装置は、内蔵の陰極線管の
パネル面に映し出される映像を投影レンズにより拡大し
て装置前面のスクリーンに投影する。陰極線管は、R,
G,Bごとに3個用いられ、その投影像はスクリーン上
で重ねられてカラー画像表示される。この投影型陰極線
管は、プロジェクタ装置内で画面が何倍にも拡大される
ことから、スクリーン上で必要な明るさを確保するため
に、たとえば3倍程度、直視型に比べて高い輝度が要求
される。したがって、投影型陰極線管のパネル面は、高
輝度用の電子銃から強い電子ビームが照射されて高温に
なり、いわゆる焼き付けを起こしてパネル面の光学特性
および装置の耐久性の低下を招きやすい。
【0003】そこで、投影型陰極線管では、通常、その
陰極線管本体の前パネルを冷却する機構を具備する。す
なわち、陰極線管本体の前パネルに臨む内部空間を形成
するように前パネルを覆う枠体(冷却液保持体)を設
け、その内部空間に冷却液を充填させている。冷却液と
して、前パネルのガラスと同じ屈折率を有するエチレン
グリコール系の液体が用いられる。この冷却液は、電子
銃により前パネルが加熱されると液の粘性が変化し、ま
た温度差が生じる。この粘性および温度の変化により冷
却液は自然対流を起こし、前パネルの温度を均一化する
とともに、たとえばアルミ・ダイカスト法により形成し
た冷却液保持体に熱を伝える媒体として機能し、冷却液
保持体をヒートシンクとして放熱が行われる。
【0004】このような投影型陰極線管の製造では、陰
極線管本体に冷却機構を取り付けるに際し、まず、陰極
線管本体と冷却液保持体を、間にパッキン(Oリングな
どの封止部材)を介在させて突き合わせた後に板バネで
押さえつけて密着させるメカシール法、あるいは、たと
えばシリコン樹脂系の接着剤を用いるシリコンシール法
により固定する。つぎに、陰極線管本体の前パネルによ
って一方側面が閉じられた冷却液保持体の内部空間に、
冷却液を充填する。具体的には、冷却液保持体の側面に
予め開口し、内部空間に連通する注入口から冷却液を注
入する。注入の際は、注入口を上にして冷却液を注入口
付近まで満たし、パッキンを介して止め具で注入口を蓋
する。
【0005】図6は、止め具としてネジを、パッキンと
してOリングを用いた場合の斜視図、図7は、止め具で
塞いだ冷却液保持体の注入口付近の要部断面図である。
また、図8は、図7に示すOリング付近の拡大図であ
る。止め具としてのネジ100は、外周にネジが切られ
たネジ棒101と、ネジ棒101の一端に一体として形
成されたネジ頭102とを有する。Oリング110は、
図6に示すようにしてネジ棒101に通された状態で、
注入口120にねじ込まれる。図7において細部は省略
しているが、注入口120の内面には、ネジ棒101と
合うサイズ,ピッチのネジが切られている。ネジ頭10
2をもってネジ棒101を回転させることにより、ネジ
100が注入口120内を次第に内部に移動し、その
後、Oリング110が、ネジ頭102のネジ棒101周
囲の平坦面と、注入口120周囲の冷却液保持体の外面
との間に挟まれる。さらに、ネジを若干回すと、Oリン
グ110がある程度押しつぶされて隙間を均一に塞ぐた
め、冷却液保持体の内部空間が外部と遮断される。これ
により、冷却液保持体内の内部空間に冷却液が密封され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の投影型陰極線管では、冷却液保持体への冷却液の
封止を、ネジなどの止め具とは別体の封止部材(たとえ
ば、Oリング)を用いていたことから、ネジ挿入の際に
異物を挟んで液漏れが発生する可能性が高いという課題
があった。
【0007】つまり、図8に示すように、接触面でいう
と、Oリング110とネジ頭102の平坦面との間、お
よび、Oリング110と冷却液保持体130の外面との
間の何れにおいても異物を挟み込む可能性がある。Oリ
ング110とネジ頭102の平坦面との間に異物を挟ん
だ場合、図の液漏れ経路Aを通って冷却液が外部に漏れ
出す。Oリング110と冷却液保持体130の外面との
間に異物を挟んだ場合、図の液漏れ経路Bを通って冷却
液が外部に漏れ出す。液漏れは、使用時に陰極線管本体
の前パネルが加熱され冷却液に圧力がかかって初めて発
生する可能性が高い。このため、異物の挟み込みは、出
荷後にユーザーの使用中に冷却液が漏れだすという市場
不良の要因となる。したがって、プロジェクタ装置の設
計段階で極力液漏れしにくい構造とすることが強く望ま
れる。
【0008】本発明の目的は、冷却液が漏れにくい構造
の投影型陰極線管と、その製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る陰極線管
は、陰極線管本体と、当該陰極線管本体に取り付けら
れ、電子銃からの電子ビームにより加熱した陰極線管本
体の前パネルを冷却する冷却液が内部空間内に充填され
た冷却液保持体とを有し、当該冷却液保持体に設けられ
た冷却液の注入口に、上記冷却液の液漏れを防止する封
止部材を介して止め具が挿入されている陰極線管であっ
て、上記止め具は、上記封止部材と機械的に結合した状
態で上記注入口に挿入されている。好適に、上記止め具
と上記封止部材は、一体に成形されている。
【0010】好適に、上記封止部材は、上記冷却液の注
入口の周囲で上記冷却液保持体の外面に押し当てられ、
上記内部空間と外部との隙間を塞ぐ封止凸部と、当該封
止凸部の占有面積より大きい上記止め具との結合面とを
有する。さらに、好適に、上記接合面は、上記止め具の
角部を含む範囲に及んでいる。
【0011】具体的に、たとえば、上記止め具は、上記
冷却液の注入口に形成されたネジ孔にねじ込まれたネジ
棒と、ネジ棒の一端に一体として形成され、ネジ棒周囲
の平坦面に上記封止部材が機械的に結合しているネジ頭
とを有する。また、たとえば、上記封止部材は、上記止
め具と機械的に結合した平坦面を有し、上記冷却液の注
入口の周囲で上記冷却液保持体の外面に押し当てられる
封止凸部の断面が半円状の樹脂製リングからなる。好適
に、上記樹脂製リングは、その外周に上記止め具の角部
を覆うフリンジ部を有する。
【0012】このような構成の陰極線管では、止め具に
封止部材が機械的に結合され、あるいは、一体に形成さ
れている。このため、冷却液保持体の内部空間に冷却液
を入れて、この液を密封したい場合、封止部材付の止め
具を持って冷却液保持体の冷却液の注入口に挿入する際
に、封止部材が止め具から脱落しない。止め具がネジ棒
とネジ頭を一体として形成されたものである場合、ネジ
頭を回すにつれてネジ棒が深く入り、ついには封止部材
の封止凸部が冷却液保持体の外面に当接する。ネジ頭を
更に回すと、封止凸部が押しつぶされて隙間を均一に塞
ぐ。以後、冷却液保持体を横に倒しても、この注入口か
ら冷却液が漏れることはない。このように、本発明の陰
極線管では、止め具を注入口に押し込んだときに、封止
部材との間に異物を挟み込む可能性がある封止部材の接
触面は封止凸部の表面1か所のみである。
【0013】本発明に係る陰極線管の製造方法は、陰極
線管本体と、当該陰極線管本体に取り付けられ、電子銃
からの電子ビームにより加熱した陰極線管本体の前パネ
ル面を冷却する冷却液が内部空間内に充填された冷却液
保持体とを有し、当該冷却液保持体に設けられた冷却液
の注入口に、上記冷却液の液漏れを防止する封止部材を
介して止め具が挿入されている陰極線管の製造方法であ
って、上記止め具および上記封止部材を、同一の金型に
異なる箇所の注入口から異なる材料を注入して一体とし
て同時に成形する。
【0014】この止め具および封止部材の形成方法は、
いわゆる2色成形と称され、一回の金型成形で止め具お
よび封止部材が同時に形成され、両者の機械的な結合
が、この2色成形時に達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
投影型陰極線管の要部断面図である。この投影型陰極線
管1は、大別すると、陰極線管本体2と、陰極線管本体
2の前面側に取り付けられ、カプラと称される冷却液保
持体10とからなる。
【0016】陰極線管本体2は、ファンネルと称される
ラッパ状のガラス管2a、前パネルと称されるガラス板
2bおよびネック管(不図示)などの複数のガラス部品
を溶着して組み立てられたものである。とくに図示しな
いが、図示部分より更に右側に設けられたネック管には
電子銃が装着されている。また、前パネル2bの内側に
は電子ビームの照射により発色する蛍光体が配列され、
その後方のファンネル内に磁気シールドやアノード電極
などが配置されている。陰極線管本体2の内部は真空に
て保持されている。
【0017】カプラ10は、たとえばアルミ・ダイカス
トにより製造され、全体でほぼ四角枠状の形状を有し内
部は中空に形成されている型成形部品である。カプラ1
0の前方面の中央に、広く略四角状に前方開口部11を
有する。一方、カプラ10の後方側は、周囲の枠部より
一段窪むように形成された陰極線管本体の取り付け部1
2を有する。この取り付け部12の底面は、周縁の取り
付けエッジ部12aを残して中央が広く開口した後方開
口部12bを有する。後方開口部12bは、上記前方開
口部11より一回り小さい略四角形状を有する。
【0018】カプラ10の取り付け部12には、陰極線
管本体2が前パネル2b側から装着されている。前パネ
ル2b側の周縁部が、たとえばシリコン樹脂からなる接
着剤を介して取り付けエッジ部12aに固着される。こ
の接着剤は、紫外線照射などにより硬化して、前パネル
2bと取り付けエッジ部12aとを完全に密着させる。
これにより、カプラ10の後方開口部12bが、陰極線
管本体2の前パネル2bによって密封される。
【0019】一方、カプラ10の前方開口部11は、ガ
ラス板20で塞がれ、ガラス板20の周縁部が取り付け
金具21でカプラ10に押しつけられている。ガラス板
20とカプラ10の外面との間には、とくに図示しない
が、たとえば耐熱樹脂からなるOリングなどがパッキン
として介在する。これにより、カプラ10の前方開口部
11が、ガラス板20によって密封される。
【0020】このようにして表裏面側が完全密封される
ことによりできたカプラ10の内部空間に、冷却液が充
填されている。冷却液として、たとえばエチレングリコ
ールとグリセリンの混合液が用いられる。この混合液
は、使用時に電子銃からの高輝度の電子ビームによって
前パネル2bが加熱されると液の粘性が変化し、また温
度差が生じる。この粘性および温度の変化により冷却液
は自然対流を起こし、前パネル面の温度を均一化すると
ともに、カプラ10全体に熱を伝える媒体として機能す
る。これにより、アルミ・ダイカスト製品であるカプラ
10をヒートシンクとして、放熱が行われる。なお、冷
却液を通して映像が外部に投影されることから、冷却液
の屈折率をガラスの屈折率とほぼ同じにして、界面反射
による輝度低下を招くことがないように冷却液の材料が
選定される。
【0021】カプラ10の肉厚な側壁に、ベロフラムと
称される圧力調整弁30が設けられている。ベロフラム
30は、カプラ10の側壁孔13を塞ぐように保護カバ
ー31とともにビス留めされている。ベロフラム30
は、たとえば、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロ
ピレンゴムとシリコンとの配合材、またはブチルゴムか
らなる容易に形状変形可能な膜でできている。ベロフラ
ム30は、冷却液充填時の状態から液温度に応じて変化
する冷却液の体積変化を吸収して、カプラ10の外側に
膨らんだり内側にへこんだりする。これにより、冷却液
の体積変化にかかわらず、その圧力がほぼ一定に保た
れ、冷却液の熱膨張による液漏れや冷却液保持部品の破
損が有効に防止される。なお、保護カバー31は、製造
時などにベロフラム30に傷がついたり穴が開かないよ
うに保護するために設けてある。また、保護カバー30
はリークチェック用の孔31aを有し、製造後におい
て、この孔31aを利用してベロフラム30自体あるい
はビス留め部分の気密性が調べられる。
【0022】本例の冷却液保持体(カプラ10)におい
て、上記ベロフラム30と反対側の側壁には、冷却液の
注入口14が設けられ、注入口14内に止め具としての
ネジ40が装着されている。
【0023】図2は、このネジ止めされた注入口付近を
拡大した要部断面図である。また、図3は、ネジの要部
断面図である。なお、これらの図において、ネジの溝な
どの細部は図示が省略されている。カプラ10の側壁を
貫通した注入口14の内面に、雌ねじが形成されてい
る。また、注入口14周囲のカプラ10の外面に、ネジ
40のネジ頭40bが落ち込む凹部15が形成されてい
る。
【0024】ネジ40は、雄ねじが周面に切られたネジ
棒40aと、ネジ棒40aの一端に一体として形成され
たネジ頭40bとを有する。ネジ棒40a周囲のネジ頭
40bの平坦面に、本発明における封止部材として断面
が半円状のリング41が、ネジ頭40と機械的に結合し
た状態で設けられている。機械的な結合は、たとえば樹
脂接着でもよいが、本例では両者が一体に形成されるこ
とで達成されている。
【0025】ネジ40とリング41との一体成形法とし
ては、いわゆる2色成形法が好適である。2色成形法で
は、ネジ40成形用の金型に、ネジ成形材の注入口のほ
かにリング成形材の注入口を新たに設け、この金型を用
いた1回の型成形工程において、2種類の材料を異なる
注入口から適量注入する。2色成形法では、材料の注入
以外に特に手間がかからず、ネジと封止部材(Oリング
など)を別々に製造するよりむしろ製造コストを低減で
きる利点がある。
【0026】投影型陰極線管1の組み立て過程では、冷
却液をカプラ10内に満杯に充填した後、この封止部材
付きのネジ40を注入口14に挿入する。雄ねじと雌ね
じを係合させた状態でネジ頭40bを回すと、ネジ棒4
0bが注入口14内部に深く移動し、リング41が注入
口14周囲のカプラ10の外面に当接する。さらにネジ
を回すと、図2の構造例ではリング41の当接部分より
更に一段高い面にネジ頭40bの縁部が当接し、これ以
上ネジを回せなくなる。この段差15aの高さはリング
41の大きさ(厚み)に応じて最適値が定められ、この
ネジが最も深くまで移動したときに、リング41が十分
に液漏れを防止でき、かつ程よく押しつぶされた状態と
なる。したがって、本例の構造では過度にネジを回し過
ぎることがない。
【0027】図4および図5は封止部材の変形例を示す
ものであり、図4にネジ止めされた注入口付近を拡大し
た要部断面を、図5にネジの要部断面をそれぞれ示す。
この変形例に係る封止部材(リング42)は、冷却液保
持体(カプラ10)の外面に押し当てられる封止凸部4
2aと、封止凸部42aの外側の平坦部42bと、平坦
部42bの更に外側でネジ頭40bの角部を覆うフリン
ジ部42cとからなる。このリング42は、封止凸部4
2aのほかに、平坦部42bとフリンジ部42cを有す
ることから、リング42とネジ頭40bとの結合面積が
大きく、それだけ結合強度が高められている。また、と
くにフリンジ部42cによりネジ頭40bの角部を矜持
することから更に高い結合強度が得られている。
【0028】ネジ頭40bを回していくと、封止凸部4
2aの表面がカプラ10の外面に当接し、ある程度押し
つぶされて隙間が無くなり、これによりカプラ10の内
部空間が外部と遮断され、冷却液が封止される。なお、
図4では省略したが、カプラ10の外面に平坦部42b
に接触して、これ以上ネジが回らないようにする段差を
設けてもよい。
【0029】図1に示す構造例では、冷却液保持体(カ
プラ10)の前方開口部11をガラス板20で塞いだ
が、この開口部を投影レンズ群の第1レンズで塞いでも
よい。この第1レンズは、通常、内側に半球状に窪む凹
レンズであることから、この場合のカプラの内部空間は
図示のものより広く形成される。また、図1ではいわゆ
るシリコンシール法によりカプラ10と陰極線管本体2
を固着したが、メカシール法を用いることもできる。
【0030】本実施形態に係る投影型陰極線管1では、
陰極線管本体2の前パネル側に装着され、内部に冷却液
を保持する冷却液保持体(カプラ10)において、その
液注入口に挿入された止め具(ネジ40)に封止部材4
1または42が一体として形成されている。このため、
カプラ10の内部空間に冷却液を入れて、この液密封用
の止め具としてネジ40を持ってカプラ10の冷却液の
注入口14に挿入するときに、封止部材としてのリング
41または42がネジ40から脱落しない。したがっ
て、作業がやりやすいという利点がある。また、ネジ4
0にリング41または42が一体化されているため、ネ
ジ40の挿入の際にカプラ10の外面に当接する箇所
は、リングの断面が半円状の部分の表面のみ1箇所であ
る。したがって、従来のOリングのようにネジと別体に
形成されていた封止部材に比べ、封止部材と冷却液保持
体との間に異物を挟み込みにくい構造であり、このため
殆ど液漏れしないという利点がある。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る投影型陰極線管では、封止
部材が止め具に予め機械的に結合されていることから、
止め具を注入口に挿入していったときに封止部材が新た
に接触する面は、冷却液保持体の外面と接触する(封止
凸部の)表面のみである。したがって、封止部材が止め
具と別体であった従来の構造と比較して、異物を挟み込
む可能性がある箇所が低減されており、そのぶん、冷却
液が漏れる可能性が低い。また、封止部材が止め具に予
め機械的に結合されていることにより、当該投影型陰極
線管の組み立てにおいて冷却液を封入する際に、止め具
から封止部材が脱落しないので、作業性が向上する。
【0032】本発明に係る投影型陰極線管の製造方法で
は、止め具の成形工程で同時に封止部材の成形も行われ
ることから、止め具と封止部材との機械的結合を実現す
るための特別な工程を必要としない。したがって、基本
的に製造コストは増大せず、むしろ止め具と封止部材を
別々に製造するよりも製造コストを低く抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る投影型陰極線管の要部
断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る図1の投影型陰極線管
において、ネジ止めされた注入口付近を拡大した要部断
面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るネジの要部断面図であ
る。
【図4】本発明の実施形態において封止部材の変形例を
示すものであり、ネジ止めされた注入口付近を拡大した
要部断面図である。
【図5】本発明の実施形態において封止部材の変形例を
示すネジの要部断面図である。
【図6】従来の投影型陰極線管に用いられていた、止め
具としてのネジおよびパッキンとしてOリングの斜視図
である。
【図7】従来の投影型陰極線管において、止め具で塞い
だ冷却液保持体の注入口付近の要部断面図である。
【図8】従来の投影型陰極線管を示す図7のOリング付
近の拡大図である。
【符号の説明】
1…投影型陰極線管、2…陰極線管本体、2a…ファン
ネル、2b…前パネル、10…カプラ(冷却液保持
体)、11…前方開口部、12…陰極線管本体の取り付
け部、12a…取り付けエッジ部、12b…後方開口
部、13…側壁孔、14…冷却液の注入口、15…凹
部、15a…段差、20…ガラス板、21…取り付け金
具、30…ベロフラム(圧力調整弁)、31…保護カバ
ー、31a…リークチェック用の孔、40…ネジ(止め
具)、40a…ネジ棒、40b…ネジ頭、41,42…
リング(封止部材)、42a…封止凸部、42b…平坦
部、42c…フリンジ部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管本体と、当該陰極線管本体に取り
    付けられ、電子銃からの電子ビームにより加熱した陰極
    線管本体の前パネルを冷却する冷却液が内部空間内に充
    填された冷却液保持体とを有し、当該冷却液保持体に設
    けられた冷却液の注入口に、上記冷却液の液漏れを防止
    する封止部材を介して止め具が挿入されている陰極線管
    であって、 上記止め具は、上記封止部材と機械的に結合した状態で
    上記注入口に挿入されている陰極線管。
  2. 【請求項2】上記止め具と上記封止部材は、一体に成形
    されている請求項1に記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】上記封止部材は、上記冷却液の注入口の周
    囲で上記冷却液保持体の外面に押し当てられ、上記内部
    空間と外部との隙間を塞ぐ封止凸部と、 当該封止凸部の占有面積より大きい上記止め具との結合
    面とを有する請求項1に記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】上記結合面は、上記止め具の角部を含む範
    囲に及んでいる請求項3に記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】上記止め具は、上記冷却液の注入口に形成
    されたネジ孔にねじ込まれたネジ棒と、 ネジ棒の一端に一体として形成され、ネジ棒周囲の平坦
    面に上記封止部材が機械的に結合しているネジ頭とを有
    する請求項1に記載の陰極線管。
  6. 【請求項6】上記封止部材は、上記止め具と機械的に結
    合した平坦面を有し、上記冷却液の注入口の周囲で上記
    冷却液保持体の外面に押し当てられる封止凸部の断面が
    半円状の樹脂製リングである請求項1に記載の陰極線
    管。
  7. 【請求項7】上記樹脂製リングは、その外周に上記止め
    具の角部を覆うフリンジ部を有する請求項6に記載の陰
    極線管。
  8. 【請求項8】陰極線管本体と、当該陰極線管本体に取り
    付けられ、電子銃からの電子ビームにより加熱した陰極
    線管本体の前パネルを冷却する冷却液が内部空間内に充
    填された冷却液保持体とを有し、当該冷却液保持体に設
    けられた冷却液の注入口に、上記冷却液の液漏れを防止
    する封止部材を介して止め具が挿入されている陰極線管
    の製造方法であって、 上記止め具および上記封止部材を、同一の金型に異なる
    箇所の注入口から異なる材料を注入して一体として同時
    に成形する陰極線管の製造方法。
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