JP2001048082A - 摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法 - Google Patents
摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水中へ気体を送出するための設備コストを低
く抑えることができ、推進機関の設計を適切に行うこと
のできる摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法を提供
する。 【解決手段】 過給機２の低圧箇所に抽出口１９を設
け、抽出口１９から抽出した気体を水中へ送出する。
く抑えることができ、推進機関の設計を適切に行うこと
のできる摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法を提供
する。 【解決手段】 過給機２の低圧箇所に抽出口１９を設
け、抽出口１９から抽出した気体を水中へ送出する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中へ気体を送出
することにより、航行状態にある船体の船体外板上に気
泡を介在させて船体と水との摩擦抵抗を低減させる摩擦
抵抗低減船に関する。
することにより、航行状態にある船体の船体外板上に気
泡を介在させて船体と水との摩擦抵抗を低減させる摩擦
抵抗低減船に関する。
【０００２】
【従来の技術】特開昭５０−８３９９２号、特開昭５３
−１３６２８９号、特開昭６０−１３９５８６号、特開
昭６１−７１２９０号、実開昭６１−３９６９１号、及
び実開昭６１−１２８１８５号公報等に、摩擦抵抗低減
船に係わる技術が開示されている。この摩擦抵抗低減船
は、航行状態において船体表面（船体外板）から空気等
の気体を水中に送出して船体外板上に多数の気泡（マイ
クロバブル）を介在させ、このマイクロバブルの介在に
よって船体と水との間に作用する摩擦抵抗を低減させ
て、少ない動力コストで航行することを目的とするもの
である。
−１３６２８９号、特開昭６０−１３９５８６号、特開
昭６１−７１２９０号、実開昭６１−３９６９１号、及
び実開昭６１−１２８１８５号公報等に、摩擦抵抗低減
船に係わる技術が開示されている。この摩擦抵抗低減船
は、航行状態において船体表面（船体外板）から空気等
の気体を水中に送出して船体外板上に多数の気泡（マイ
クロバブル）を介在させ、このマイクロバブルの介在に
よって船体と水との間に作用する摩擦抵抗を低減させ
て、少ない動力コストで航行することを目的とするもの
である。
【０００３】本出願人は、このような摩擦抵抗低減船に
係わる技術として、例えば船首近傍から水中に気体（例
えば空気）を送出して船体外板上にマイクロバブルを介
在させる技術を提案している。この技術は、船首近傍か
ら気体を送出することによって生じたマイクロバブルを
船体外板上の水の流線に沿って拡散させ、船体をマイク
ロバブルで覆うことを意図したものである。
係わる技術として、例えば船首近傍から水中に気体（例
えば空気）を送出して船体外板上にマイクロバブルを介
在させる技術を提案している。この技術は、船首近傍か
ら気体を送出することによって生じたマイクロバブルを
船体外板上の水の流線に沿って拡散させ、船体をマイク
ロバブルで覆うことを意図したものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来より、
マイクロバブルによる摩擦抵抗の低減効果を有効に利用
することを目的として、水中への気体送出に係わる様々
な技術が提案されている。こうした技術では、水中へ気
体を送出するための手段として、例えばブロアなどの気
体供給装置が多く採用されている。マイクロバブルによ
る摩擦抵抗の低減効果を動力コストの低減に効果的に結
び付けるには、気体送出に要する動力をできるだけ少な
くするとともに、気体送出用の設備コストをできるだけ
抑制する必要がある。ところが、例えば気体供給装置を
用いた構成の場合、装置そのものに費用コストが生じる
とともに、装置の占有スペースを確保するための建造お
よび設備コストが大きくなりやすい。また、船体の推進
機関の設計にあたっては、本来、摩擦抵抗の低減効果を
十分に考慮して推進機関の仕様を定める必要があるもの
の、従来、マイクロバブルによる摩擦抵抗の低減効果と
推進機関の仕様との相関関係を正確に捉えることが難し
く、適切な推進機関の仕様を定めにくいという課題があ
った。
マイクロバブルによる摩擦抵抗の低減効果を有効に利用
することを目的として、水中への気体送出に係わる様々
な技術が提案されている。こうした技術では、水中へ気
体を送出するための手段として、例えばブロアなどの気
体供給装置が多く採用されている。マイクロバブルによ
る摩擦抵抗の低減効果を動力コストの低減に効果的に結
び付けるには、気体送出に要する動力をできるだけ少な
くするとともに、気体送出用の設備コストをできるだけ
抑制する必要がある。ところが、例えば気体供給装置を
用いた構成の場合、装置そのものに費用コストが生じる
とともに、装置の占有スペースを確保するための建造お
よび設備コストが大きくなりやすい。また、船体の推進
機関の設計にあたっては、本来、摩擦抵抗の低減効果を
十分に考慮して推進機関の仕様を定める必要があるもの
の、従来、マイクロバブルによる摩擦抵抗の低減効果と
推進機関の仕様との相関関係を正確に捉えることが難し
く、適切な推進機関の仕様を定めにくいという課題があ
った。
【０００５】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、水中へ気体を送出するための設備コストを
低く抑えることができ、推進機関の設計を適切に行うこ
とのできる摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法を提
供することを目的とする。
ものであり、水中へ気体を送出するための設備コストを
低く抑えることができ、推進機関の設計を適切に行うこ
とのできる摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法を提
供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１に係る発明は、水中へ気体を送出すること
により、航行中の船体外板上に気泡を介在させ、船体と
水との摩擦抵抗を低減させる摩擦抵抗低減船において、
主機からの排出ガスを利用して主機への気体を圧縮する
過給機と、水中へ送出する気体を過給機から抽出するた
めに、過給機の低圧箇所に設けられる抽出口とを備える
技術が採用される。また、請求項２に係る発明は、請求
項１の摩擦抵抗低減船において、過給機が、所定の圧力
に気体を圧縮する第１の圧縮部と、第１の圧縮部で圧縮
された気体をさらに圧縮して主機へ気体を供給する第２
の圧縮部とを有し、第１の圧縮部に抽出口が設けられる
技術が採用される。請求項３に係る発明は、船体と水と
の摩擦抵抗を低減させるために、水中へ気体を送出して
航行中の船体外板上に気泡を介在させる摩擦抵抗低減船
の気体送出方法であって、主機からの排気ガスを利用し
て過給機で気体の圧力を上昇させ、圧力の上昇した気体
を過給機から主機へ供給しながら、主機へ供給する気体
よりも低圧の気体を過給機から抽出して水中に送出する
技術が採用される。これらの発明に係る摩擦抵抗低減船
では、過給機の低圧箇所に設けられた抽出口から気体を
抽出し、その気体を水中に送出するので、水中への気体
の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する必要が
ない。しかも、過給機の低圧箇所から気体を抽出するの
で、過給機から抽出した気体の圧力を水中への送出に適
した圧力にまで下げるための設備も不要となる。
め、請求項１に係る発明は、水中へ気体を送出すること
により、航行中の船体外板上に気泡を介在させ、船体と
水との摩擦抵抗を低減させる摩擦抵抗低減船において、
主機からの排出ガスを利用して主機への気体を圧縮する
過給機と、水中へ送出する気体を過給機から抽出するた
めに、過給機の低圧箇所に設けられる抽出口とを備える
技術が採用される。また、請求項２に係る発明は、請求
項１の摩擦抵抗低減船において、過給機が、所定の圧力
に気体を圧縮する第１の圧縮部と、第１の圧縮部で圧縮
された気体をさらに圧縮して主機へ気体を供給する第２
の圧縮部とを有し、第１の圧縮部に抽出口が設けられる
技術が採用される。請求項３に係る発明は、船体と水と
の摩擦抵抗を低減させるために、水中へ気体を送出して
航行中の船体外板上に気泡を介在させる摩擦抵抗低減船
の気体送出方法であって、主機からの排気ガスを利用し
て過給機で気体の圧力を上昇させ、圧力の上昇した気体
を過給機から主機へ供給しながら、主機へ供給する気体
よりも低圧の気体を過給機から抽出して水中に送出する
技術が採用される。これらの発明に係る摩擦抵抗低減船
では、過給機の低圧箇所に設けられた抽出口から気体を
抽出し、その気体を水中に送出するので、水中への気体
の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する必要が
ない。しかも、過給機の低圧箇所から気体を抽出するの
で、過給機から抽出した気体の圧力を水中への送出に適
した圧力にまで下げるための設備も不要となる。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる摩擦抵抗低
減船の一実施形態について図面を参照して説明する。図
１は、本実施形態に係る摩擦抵抗低減船の推進機関の要
部構成を示しており、この摩擦抵抗低減船では、主機１
（メインエンジン）にディーゼル機関が採用され、この
主機１に対して過給機２（ターボ・チャージャー）から
過給が行われるようになっている。すなわち、主機１か
らの排気ガスのエネルギーを利用して過給機２のタービ
ン翼を回転させ、その回転力を利用して主機１のシリン
ダ内に吸入される供給ガスの圧力（密度）を高めるよう
に構成されている。また、本実施形態では、過給機２が
低圧圧縮部３（第１の圧縮部）と高圧圧縮部４（第２の
圧縮部）とを備えており、低圧圧縮部３から圧縮された
気体（ここでは空気）の一部を抽出し、この抽出した気
体を船首５ａ近傍の船底５ｂに設けられた気体送出部６
から水中へ送出するように構成されている。そして、水
中へ送出された気体からマイクロバブルが生じ、このマ
イクロバブルが水の流れに乗って船体外板５上を覆うよ
うになり、船体外板５上のマイクロバブルの介在によっ
て船体と水との摩擦抵抗が低減されるようになってい
る。
減船の一実施形態について図面を参照して説明する。図
１は、本実施形態に係る摩擦抵抗低減船の推進機関の要
部構成を示しており、この摩擦抵抗低減船では、主機１
（メインエンジン）にディーゼル機関が採用され、この
主機１に対して過給機２（ターボ・チャージャー）から
過給が行われるようになっている。すなわち、主機１か
らの排気ガスのエネルギーを利用して過給機２のタービ
ン翼を回転させ、その回転力を利用して主機１のシリン
ダ内に吸入される供給ガスの圧力（密度）を高めるよう
に構成されている。また、本実施形態では、過給機２が
低圧圧縮部３（第１の圧縮部）と高圧圧縮部４（第２の
圧縮部）とを備えており、低圧圧縮部３から圧縮された
気体（ここでは空気）の一部を抽出し、この抽出した気
体を船首５ａ近傍の船底５ｂに設けられた気体送出部６
から水中へ送出するように構成されている。そして、水
中へ送出された気体からマイクロバブルが生じ、このマ
イクロバブルが水の流れに乗って船体外板５上を覆うよ
うになり、船体外板５上のマイクロバブルの介在によっ
て船体と水との摩擦抵抗が低減されるようになってい
る。
【０００８】図２は、主機１および過給機２の構成例を
示している。この構成では、主機１の複数のシリンダ１
０から排出された排気ガスが、各シリンダ１０共通のマ
ニホールド１１に貯えられて定圧化された後、過給機２
に入り、ノズル１２を通ってタービン翼１３を回転さ
せ、排出部１４へ流れるようになっている。タービン翼
１３の回転力は、回転シャフト１５を介して低圧圧縮部
３および高圧圧縮部４に伝えられ、低圧翼１６および高
圧翼１７を回転させる。なお、低圧翼１６および高圧翼
１７は、同一の回転数で回転するように一つの軸に直結
される場合と、異なる回転数で回転させることを目的と
して、それぞれがタービン翼を備える別々の軸に直結さ
れる場合とがある。
示している。この構成では、主機１の複数のシリンダ１
０から排出された排気ガスが、各シリンダ１０共通のマ
ニホールド１１に貯えられて定圧化された後、過給機２
に入り、ノズル１２を通ってタービン翼１３を回転さ
せ、排出部１４へ流れるようになっている。タービン翼
１３の回転力は、回転シャフト１５を介して低圧圧縮部
３および高圧圧縮部４に伝えられ、低圧翼１６および高
圧翼１７を回転させる。なお、低圧翼１６および高圧翼
１７は、同一の回転数で回転するように一つの軸に直結
される場合と、異なる回転数で回転させることを目的と
して、それぞれがタービン翼を備える別々の軸に直結さ
れる場合とがある。
【０００９】低圧圧縮部３では、低圧翼１６の回転によ
ってフィルタ１８を通って流れ込んだ気体を圧縮し、高
圧圧縮部４に送り出すとともに、その気体の一部を、水
中への送出用の気体として、抽出口１９から供給配管２
０を介して気体送出部６へ供給するように構成されてい
る。摩擦抵抗低減船では、主機１へ供給される気体の圧
力に比べ、気体の送出に要する圧力は低い場合が多い。
低圧翼１６は、気体を水中への気体の送出に必要な所定
の圧力まで上昇させるように、翼数や形状といったもの
が設計されている。また、供給配管２０には流量調節用
のバルブ２１が設けられており、低圧圧縮部３からの気
体の抽出量が所定の値となるように、図示しない制御装
置によって制御されるようになっている。
ってフィルタ１８を通って流れ込んだ気体を圧縮し、高
圧圧縮部４に送り出すとともに、その気体の一部を、水
中への送出用の気体として、抽出口１９から供給配管２
０を介して気体送出部６へ供給するように構成されてい
る。摩擦抵抗低減船では、主機１へ供給される気体の圧
力に比べ、気体の送出に要する圧力は低い場合が多い。
低圧翼１６は、気体を水中への気体の送出に必要な所定
の圧力まで上昇させるように、翼数や形状といったもの
が設計されている。また、供給配管２０には流量調節用
のバルブ２１が設けられており、低圧圧縮部３からの気
体の抽出量が所定の値となるように、図示しない制御装
置によって制御されるようになっている。
【００１０】高圧圧縮部４は、低圧圧縮部３で圧縮され
た気体を高圧翼１７の回転でさらに圧縮して主機１へ供
給するものである。また、高圧圧縮部４で所定の圧力ま
で圧縮され主機１へ送られた気体は、配管２２内を通っ
て冷却器２３で冷却された後、スカベンジングボックス
２４へ送り込まれ、供給口２５からシリンダ１０内へ供
給されるようになっている。配管２２途中に設けられて
いる補助ブロア２６は、スカベンジングボックス２４内
の圧力を調節するためのものである。
た気体を高圧翼１７の回転でさらに圧縮して主機１へ供
給するものである。また、高圧圧縮部４で所定の圧力ま
で圧縮され主機１へ送られた気体は、配管２２内を通っ
て冷却器２３で冷却された後、スカベンジングボックス
２４へ送り込まれ、供給口２５からシリンダ１０内へ供
給されるようになっている。配管２２途中に設けられて
いる補助ブロア２６は、スカベンジングボックス２４内
の圧力を調節するためのものである。
【００１１】図３に示すように、本実施形態の摩擦抵抗
低減船では、主機（Ｍ／Ｃ）からの排気ガスを利用して
過給機（Ｔ／Ｃ）で気体の圧力を上昇させ、圧力の上昇
した気体を高圧圧縮部４から主機へ供給しながら、主機
へ供給する気体よりも低圧の気体を低圧圧縮部３から抽
出して水中に送出し、この水中に生じるマイクロバブル
ＭＢによって船体の摩擦抵抗を低減させる。主機（Ｍ／
Ｅ）および過給機（Ｔ／Ｃ）の選定にあたっては、本出
願人らのこれまでの研究により明らかにされた水中への
気体の送出量とそれによる摩擦抵抗の低減量との関係を
示す解析表現が利用されている。すなわち、この解析表
現に基づいて、主機への燃料の供給量と過給機からの気
体の抽出量とを変化させた場合の馬力の変化が求めら
れ、その結果から標準航行速度（船速Ｖｓ）に対して燃
料の供給量が少なくなる最適な主機および過給機が選定
される。なお、船速ＶｓはＧＰＳ（Global Positioning
System）による対地速度が用いられる。そして、水中
への気体送出に必要な気体の圧力や過給機からの気体の
最適な抽出量が求められ、これに基づいて主機および過
給機の詳細仕様が設計される。このように、本実施形態
では、主機および過給機を主体とする推進機関の仕様が
気泡による摩擦抵抗の低減効果と直接的に結びつけて検
討されるので、摩擦抵抗の低減に効果的な推進機関の設
計を適切に行うことができる。
低減船では、主機（Ｍ／Ｃ）からの排気ガスを利用して
過給機（Ｔ／Ｃ）で気体の圧力を上昇させ、圧力の上昇
した気体を高圧圧縮部４から主機へ供給しながら、主機
へ供給する気体よりも低圧の気体を低圧圧縮部３から抽
出して水中に送出し、この水中に生じるマイクロバブル
ＭＢによって船体の摩擦抵抗を低減させる。主機（Ｍ／
Ｅ）および過給機（Ｔ／Ｃ）の選定にあたっては、本出
願人らのこれまでの研究により明らかにされた水中への
気体の送出量とそれによる摩擦抵抗の低減量との関係を
示す解析表現が利用されている。すなわち、この解析表
現に基づいて、主機への燃料の供給量と過給機からの気
体の抽出量とを変化させた場合の馬力の変化が求めら
れ、その結果から標準航行速度（船速Ｖｓ）に対して燃
料の供給量が少なくなる最適な主機および過給機が選定
される。なお、船速ＶｓはＧＰＳ（Global Positioning
System）による対地速度が用いられる。そして、水中
への気体送出に必要な気体の圧力や過給機からの気体の
最適な抽出量が求められ、これに基づいて主機および過
給機の詳細仕様が設計される。このように、本実施形態
では、主機および過給機を主体とする推進機関の仕様が
気泡による摩擦抵抗の低減効果と直接的に結びつけて検
討されるので、摩擦抵抗の低減に効果的な推進機関の設
計を適切に行うことができる。
【００１２】このように、本実施形態の摩擦抵抗低減船
によれば、過給機２の低圧圧縮部３に設けられた抽出口
１９から気体を抽出し、その気体を水中に送出するの
で、水中への気体の送出用にブロアなどの気体供給装置
を設置する必要がなく、船体の設備コストを低く抑える
ことができる。また、主機１へ供給する気体用の高圧圧
縮部４とは別に、水中への気体送出用に低圧圧縮部３が
設けられているので、水中への気体送出に適した所定の
圧力に気体の圧力を上昇させるといったことを容易にし
かも確実に行うことができる。
によれば、過給機２の低圧圧縮部３に設けられた抽出口
１９から気体を抽出し、その気体を水中に送出するの
で、水中への気体の送出用にブロアなどの気体供給装置
を設置する必要がなく、船体の設備コストを低く抑える
ことができる。また、主機１へ供給する気体用の高圧圧
縮部４とは別に、水中への気体送出用に低圧圧縮部３が
設けられているので、水中への気体送出に適した所定の
圧力に気体の圧力を上昇させるといったことを容易にし
かも確実に行うことができる。
【００１３】なお、上述した実施形態において示した各
構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発
明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づ
き種々変更可能である。また、上述した実施形態では、
標準航行速度に対して主機への供給燃料が少なくなるよ
うに推進機関の仕様を定めているが、例えば護衛艦のよ
うに、標準的な航行速度を定めることが難しい場合は、
戦闘用の高速速度、あるいは巡回速度など、動力コスト
の低減を図る基準となる速度領域が予め定められ、それ
に基づいて推進機関の仕様が定められる。
構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発
明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づ
き種々変更可能である。また、上述した実施形態では、
標準航行速度に対して主機への供給燃料が少なくなるよ
うに推進機関の仕様を定めているが、例えば護衛艦のよ
うに、標準的な航行速度を定めることが難しい場合は、
戦闘用の高速速度、あるいは巡回速度など、動力コスト
の低減を図る基準となる速度領域が予め定められ、それ
に基づいて推進機関の仕様が定められる。
【００１４】図４は、本発明に係る摩擦抵抗低減船の他
の実施形態における推進機関の一例を示している。前述
した実施形態が低圧圧縮部と高圧圧縮部との２つの圧縮
部を有していたのに対し、本実施形態では、１つの圧縮
部３０のみを有する過給機３１が採用されている。そし
て、この圧縮部３０の比較的低圧な箇所、例えば、翼３
２の上流近傍に抽出口３３が設けられ、ここから抽出さ
れた気体が水中へ送出されるように構成されている。本
実施形態では、水中への気体の送出量が比較的少ない船
体に適しており、抽出口３３を追加して設けることで従
来用いられている過給機を容易に転用することができ
る。
の実施形態における推進機関の一例を示している。前述
した実施形態が低圧圧縮部と高圧圧縮部との２つの圧縮
部を有していたのに対し、本実施形態では、１つの圧縮
部３０のみを有する過給機３１が採用されている。そし
て、この圧縮部３０の比較的低圧な箇所、例えば、翼３
２の上流近傍に抽出口３３が設けられ、ここから抽出さ
れた気体が水中へ送出されるように構成されている。本
実施形態では、水中への気体の送出量が比較的少ない船
体に適しており、抽出口３３を追加して設けることで従
来用いられている過給機を容易に転用することができ
る。
【００１５】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
以下の効果を得ることができる。請求項１に係る摩擦抵
抗低減船は、過給機の低圧箇所に設けられた抽出口から
気体を抽出し、その気体を水中に送出するので、水中へ
の気体の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する
必要がなく、船体の設備コストを低く抑えることができ
る。しかも、過給機の低圧箇所から気体を抽出するの
で、過給機から抽出した気体の圧力を水中への送出に適
した圧力にまで下げるための設備が不要となり、さらに
コストを低減できる。また、この摩擦抵抗低減船では、
過給機から抽出した気体によって水中に気泡を発生さ
せ、その気泡で船体の摩擦抵抗を低減させるので、主機
および過給機を主体とする推進機関の仕様が気泡による
摩擦抵抗の低減効果と直接的に結びつくことになり、推
進機関の設計を適切に行うことができる。
以下の効果を得ることができる。請求項１に係る摩擦抵
抗低減船は、過給機の低圧箇所に設けられた抽出口から
気体を抽出し、その気体を水中に送出するので、水中へ
の気体の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する
必要がなく、船体の設備コストを低く抑えることができ
る。しかも、過給機の低圧箇所から気体を抽出するの
で、過給機から抽出した気体の圧力を水中への送出に適
した圧力にまで下げるための設備が不要となり、さらに
コストを低減できる。また、この摩擦抵抗低減船では、
過給機から抽出した気体によって水中に気泡を発生さ
せ、その気泡で船体の摩擦抵抗を低減させるので、主機
および過給機を主体とする推進機関の仕様が気泡による
摩擦抵抗の低減効果と直接的に結びつくことになり、推
進機関の設計を適切に行うことができる。
【００１６】請求項２に係る摩擦抵抗低減船では、主機
への気体の供給用に気体を圧縮する第２の圧縮部とは別
に、水中への気体の送出用に気体を圧縮する第１の圧縮
部を有しているので、適切な圧力で水中へ気体を送出す
るといったことを容易に実現することができる。
への気体の供給用に気体を圧縮する第２の圧縮部とは別
に、水中への気体の送出用に気体を圧縮する第１の圧縮
部を有しているので、適切な圧力で水中へ気体を送出す
るといったことを容易に実現することができる。
【００１７】請求項３に係る摩擦抵抗低減船の気体送出
方法では、過給機で圧縮された気体を抽出し、その気体
を水中に送出するので、請求項１と同様に、水中への気
体の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する必要
がなく、船体の設備コストを低く抑えることができる。
方法では、過給機で圧縮された気体を抽出し、その気体
を水中に送出するので、請求項１と同様に、水中への気
体の送出用にブロアなどの気体供給装置を設置する必要
がなく、船体の設備コストを低く抑えることができる。
【図１】 本発明に係る摩擦抵抗低減船の一実施形態を
示す構成図である。
示す構成図である。
【図２】 図１の推進機関を示す構成図である。
【図３】 本実施形態におけるエネルギーの相関関係を
表す説明図である。
表す説明図である。
【図４】 本発明の他の実施形態における推進機関を示
す構成図である。
す構成図である。
１ 主機 ２、３１ 過給機 ３ 低圧圧縮部（第１の圧縮部） ４ 高圧圧縮部（第２の圧縮部） ６ 気体送出部 ５ 船体外板 １９ 抽出口 ３０ 圧縮部 ３３ 抽出口
Claims (3)
- 【請求項１】 水中へ気体を送出することにより、航行
中の船体外板上に気泡を介在させ、船体と水との摩擦抵
抗を低減させる摩擦抵抗低減船であって、 主機からの排出ガスを利用して該主機への気体を圧縮す
る過給機と、 前記水中へ送出する気体を前記過給機から抽出するため
に、該過給機の低圧箇所に設けられる抽出口とを備える
ことを特徴とする摩擦抵抗低減船。 - 【請求項２】 前記過給機は、所定の圧力に気体を圧縮
する第１の圧縮部と、該第１の圧縮部で圧縮された気体
をさらに圧縮して前記主機へ該気体を供給する第２の圧
縮部とを有し、 前記抽出口は、前記第１の圧縮部に設けられることを特
徴とする請求項１記載の摩擦抵抗低減船。 - 【請求項３】 船体と水との摩擦抵抗を低減させるため
に、水中へ気体を送出して航行中の船体外板上に気泡を
介在させる摩擦抵抗低減船の気体送出方法であって、 主機からの排気ガスを利用して過給機で気体の圧力を上
昇させ、圧力の上昇した該気体を該過給機から主機へ供
給しながら、主機へ供給する気体よりも低圧の気体を該
過給機から抽出して水中に送出することを特徴とする摩
擦抵抗低減船の気体送出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11220566A JP2001048082A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11220566A JP2001048082A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001048082A true JP2001048082A (ja) | 2001-02-20 |
Family
ID=16753008
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11220566A Pending JP2001048082A (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 摩擦抵抗低減船およびその気体送出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001048082A (ja) |
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