JP2001047841A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP2001047841A
JP2001047841A JP11224922A JP22492299A JP2001047841A JP 2001047841 A JP2001047841 A JP 2001047841A JP 11224922 A JP11224922 A JP 11224922A JP 22492299 A JP22492299 A JP 22492299A JP 2001047841 A JP2001047841 A JP 2001047841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
heat exchanger
integral gain
distribution position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11224922A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Yamashita
豊 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP11224922A priority Critical patent/JP2001047841A/ja
Publication of JP2001047841A publication Critical patent/JP2001047841A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の振分位置記憶マップを必要とすること
なく、快適な空調制御を実施することのできる車両用空
調装置を提供すること。 【解決手段】 エアコンスイッチ36の状態によってエ
バポレータ8が作動しているか否かを判定する。エバポ
レータ8が作動してその温度が所定範囲内にある場合に
は、この温度範囲に対応して最適化された振分位置記憶
マップを選択し、従来と同様の第一の積分ゲインに基づ
いて目標吹出温度を演算し、エアミックスダンパ17の
振分位置を特定する。また、エバポレータ8が停止して
いる場合には、限られた数の振分位置記憶マップの中か
らエバポレータ8の現在温度に最も近い条件を備えた振
分位置記憶マップを選択し、値の大きな第二の積分ゲイ
ンに基づいて目標吹出温度を演算することにより、最適
化されていない振分位置記憶マップを利用することによ
って生じる制御遅れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置の
改良、特に、冷却用熱交換器をOFF状態として空調を
行う場合の空調の快適性の向上とエアミックスダンパの
移動位置を決める振分位置記憶マップのメモリ容量の節
約に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置は、一般に、ヒータコア
等の加熱用熱交換器とエバポレータ等の冷却用熱交換器
とを備えており、これらの熱交換器に送風する空気の割
合をエアミックスダンパによって振り分けることで車内
に送出する空気の温度を調整するように構成されてい
る。
【0003】しかし、一口に送風する空気の割合を振り
分けるといっても、ヒータコアの温度はエンジン冷却水
の水温の違いによって様々に変動し、また、エバポレー
タの温度も、外部環境の温度やエバポレータが作動して
いるか否か等によって著しく変動するので、仮に、ヒー
タコアに振り分ける空気の割合とエバポレータに振り分
ける空気の割合を一定の値に保持したとしても、これら
の空気を再度合流させて混ぜ合わせたときに常に同じ温
度の空気が得られるといった保証はない。
【0004】例えば、エバポレータの温度が高くなれ
ば、ヒータコアに振り分ける空気の割合とエバポレータ
に振り分ける空気の割合が一定であっても最終的に得ら
れる混合空気の温度は相対的に高くなり、また、ヒータ
コアの温度が下がれば、ヒータコアに振り分ける空気の
割合とエバポレータに振り分ける空気の割合が一定であ
っても最終的に得られる混合空気の温度は相対的に低く
なる等の問題が生じる。
【0005】従って、目的とする温度の混合空気を得る
ためには、少なくとも、ヒータコアの温度とエバポレー
タの温度とを考慮して、例えば、エバポレータの温度が
高い場合にはエバポレータに対する空気の振分割合を増
して十分な冷却力を確保し、また、ヒータコアの温度が
下がった場合にはヒータコアに対する空気の振分割合を
増して十分な加熱力を確保するといったように、空気の
振分割合を調整する必要がある。
【0006】このため、この種の車両用空調装置におい
ては、ヒータコアの温度とエバポレータの温度との関係
に対応して混合空気の温度、即ち、目標吹出温度とその
目標吹出温度を達成するために必要とされるエアミック
スダンパの振分位置を記憶した振分位置記憶マップを備
えることが必須の要件となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6は振分位置記憶マ
ップの一例を示す概念図である。この振分位置記憶マッ
プは、ヒータコアの温度とエバポレータの温度が一定で
あるという前提の下で、エアミックスダンパの振分位置
(揺動位置)とこの振分位置に対応して得られる目標吹
出温度との関係を示すものである。しかし、実際には、
ヒータコアの温度やエバポレータの温度に或る程度の相
違があっても同じ振分位置記憶マップを利用することが
可能であるため、この振分位置記憶マップは、例えば、
ヒータコアの温度とエバポレータの温度を10℃〜20
℃程度の温度幅で刻んで、幾つかの温度帯毎に設ければ
済む。
【0008】従って、仮に、ヒータコアの温度が70℃
〜100℃の範囲で変動し、エバポレータの温度が0℃
〜10℃の範囲で変動するものとし、エバポレータおよ
びヒータコア共に10℃の温度幅で刻んで振分位置記憶
マップを設けるとすると、(ヒータコアの温度帯の数)
×(エバポレータの温度帯の数)=〔(100℃−70
℃)/10℃〕×〔(10℃−0℃)/10℃〕=3×
1で、3種類の振分位置記憶マップが必要となる。
【0009】実際に、エバポレータが作動している状況
下では、エバポレータの温度が概ね0℃〜10℃の範囲
内に保たれるので、フット用空気吹出口,ベンチレート
用空気吹出口,デフロスト用空気吹出口等の空気吹出口
の種類の違いによって目標吹出温度に差異が生じること
を考慮しなければ、前述した振分位置記憶マップの種類
は3種類程度に抑えることが可能である。
【0010】しかし、一旦エバポレータの作動を停止さ
せると、エバポレータの温度は外部環境の影響を受け
て、例えば、−20℃〜40℃といった具合に極めて著
しく変動する可能性がある。この場合、前記と同様に、
ヒータコアの温度が70℃〜100℃の範囲で変動し、
エバポレータおよびヒータコア共に10℃の温度幅で刻
んで振分位置記憶マップを設けるとすると、(ヒータコ
アの温度帯の数)×(エバポレータの温度帯の数)=
〔(100℃−70℃)/10℃〕×〔(40℃−(−
20℃))/10℃〕=3×6で18種類、つまり、前
記の6倍の振分位置記憶マップが必要となり、振分位置
記憶マップを保存するために必要とされるメモリの容量
が著しく増大するといった問題が生じる。
【0011】メモリの容量を節約することを目的として
エバポレータの温度幅の刻みを大きくし、例えば、20
℃の刻みとするなら、(ヒータコアの温度帯の数)×
(エバポレータの温度帯の数)=〔(100℃−70
℃)/10℃〕×〔(40℃−(−20℃))/20
℃〕=3×3で9種類の振分位置記憶マップで済ませる
ことが可能であるが、エバポレータの温度幅の刻みを大
きくした分だけ温度制御が粗雑となり、快適性が損なわ
れるといった弊害が生じる。
【0012】以上、簡単な実例をあげて従来技術の問題
点を指摘したが、フット用空気吹出口,ベンチレート用
空気吹出口,デフロスト用空気吹出口等の複数種の空気
吹出口を備えた車両用空調装置の場合には、更に、エバ
ポレータやヒータコアの温度の他にも選択された空気吹
出口の種類が目標吹出温度に影響を与えるため、エバポ
レータとヒータコアの温度帯に加え、更に、空気吹出口
との組み合わせをも考慮して振分位置記憶マップを設け
る必要が生じ、全体としての振分位置記憶マップの数が
著しく増え、これらのマップを保存するために必要とさ
れるメモリの容量が極端に増大するといった問題が生じ
る。
【0013】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、冷却用熱交換器の作動を停止させた状
態であっても、多数の振分位置記憶マップを必要とする
ことなく、快適な空調制御を実施することのできる車両
用空調装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、空調ダクト内
に送風機と加熱用熱交換器および冷却用熱交換器とエア
ミックスダンパとを備え、送風機で送風される空気をエ
アミックスダンパによって加熱用熱交換器と冷却用熱交
換器とに振り分け、その一方を加熱すると共に他方を冷
却し、これらの空気を再び合流させて混合することで空
気の温度を調整し、この空調ダクトに設けられた空気吹
出口を介して車内に送出する空調機構と、少なくとも、
温度検出手段により検出された現在車内温度と予め設定
された目標車内温度との間の温度偏差と、この温度偏差
に乗じる積分ゲイン変数とに基づいて、空気吹出口から
送出すべき空気の目標吹出温度を算出する目標吹出温度
演算手段と、冷却用熱交換器の温度帯と加熱用熱交換器
の温度帯との関係に対応して、目標吹出温度とこの目標
吹出温度を達成するために必要とされるエアミックスダ
ンパの振分位置との関係を記憶した複数の振分位置記憶
マップと、冷却用熱交換器の現在温度と加熱用熱交換器
の現在温度との関係に基づいて複数の振分位置記憶マッ
プの中からこの関係に対応する振分位置記憶マップを選
択する変換マップ選択手段と、目標吹出温度演算手段に
より算出された目標吹出温度と変換マップ選択手段によ
り選択された振分位置記憶マップの情報とに基づいてエ
アミックスダンパの振分位置を求め、この振分位置に向
けてエアミックスダンパを移動させるエアミックスダン
パ開度演算手段とを備えた車両用空調装置であって、冷
却用熱交換器が作動状態にあるのか停止状態にあるのか
を検出するON/OFF状態検出手段と、冷却用熱交換
器が作動しているときに使用される第一の積分ゲインと
該第一の積分ゲインよりも値の大きな第二の積分ゲイン
とを記憶したゲイン記憶手段と、ON/OFF状態検出
手段が冷却用熱交換器の作動状態を検出しているときに
は前記積分ゲイン変数に第一の積分ゲインを設定する一
方、ON/OFF状態検出手段が冷却用熱交換器の停止
状態を検出しているときには前記積分ゲイン変数に第二
の積分ゲインを設定する積分ゲイン設定手段とを備えた
ことを特徴とする構成を有する。
【0015】この構成によれば、ゲイン記憶手段には、
冷却用熱交換器が作動して冷却用熱交換器の温度が略一
定の状態に保たれているときに使用される第一の積分ゲ
インと、冷却用熱交換器が停止してその温度のバラツキ
が激しくなったときに使用される値の大きな第二の積分
ゲインとが記憶される。そして、ON/OFF状態検出
手段は、冷却用熱交換器が作動状態にあるのか停止状態
にあるのかを検出し、冷却用熱交換器が作動していれ
ば、積分ゲイン設定手段が積分ゲイン変数に第一の積分
ゲインを設定し、また、冷却用熱交換器が停止していれ
ば、積分ゲイン設定手段は積分ゲイン変数に第二の積分
ゲインを設定する。また、目標吹出温度演算手段は、温
度検出手段により検出された現在車内温度と予め設定さ
れた目標車内温度との間の温度偏差、および、前述のよ
うにして設定された積分ゲイン変数とに基づいて、空気
吹出口から送出すべき空気の目標吹出温度を算出する。
従って、現在車内温度と予め設定された目標車内温度と
の間の温度偏差が同じ場合であっても、目標吹出温度と
現在吹出温度との間の温度の差は、冷却用熱交換器が作
動している場合に比べ、冷却用熱交換器が停止している
場合、つまり、値の大きな第二の積分ゲインが選択され
ている場合の方が大きくなる。より具体的には、現在車
内温度が目標車内温度よりも低い状況下においては、冷
却用熱交換器が作動している場合に比べて冷却用熱交換
器が停止している場合の方が積分ゲインが大きい為より
早く目標吹出温度の値が高くなり、また、現在車内温度
が予め設定された目標車内温度よりも高い状況下におい
ては、冷却用熱交換器が作動している場合に比べて冷却
用熱交換器が停止している場合の方が積分ゲインが大き
い為より早く目標吹出温度の値が低くなるということで
ある。この目標吹出温度は、振分位置記憶マップと共
に、エアミックスダンパの振分位置に影響を与える要因
の一つである。つまり、エアミックスダンパ開度演算手
段は、目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出
温度と変換マップ選択手段により選択された振分位置記
憶マップの情報とに基づいてエアミックスダンパの振分
位置を求め、この振分位置に向けてエアミックスダンパ
を移動させる。そして、前述した通り、積分ゲイン設定
手段により設定された積分ゲイン変数の影響によって、
冷却用熱交換器が停止している場合においては冷却用熱
交換器が作動している場合に比べて目標吹出温度と現在
吹出温度との間の温度の差が増大するので、現在車内温
度が予め設定された目標車内温度よりも低い状況下で
は、冷却用熱交換器が作動している場合に比べて積分ゲ
インが大きい為より早く更に高い目標吹出温度によって
加熱が行われる一方、現在車内温度が予め設定された目
標車内温度よりも高い状況下では、冷却用熱交換器が作
動している場合に比べて積分ゲインが大きい為より早く
更に低い目標吹出温度によって冷却が行われることにな
る。これは、冷却用熱交換器が停止した状態で環境温度
等の影響を受けて温度が変動し、その時点で選択されて
いる振分位置記憶マップが必ずしも該時点の冷却用熱交
換器の温度と対応しなくなった場合であっても、現在車
内温度と目標車内温度との間の温度偏差に乗じる積分ゲ
イン変数の値を増大させることにより、現在車内温度を
早急に目標車内温度に一致させて現在車内温度を適正化
することが可能であるといったことを意味するものであ
る。そこで、本発明においては、冷却用熱交換器が停止
して冷却用熱交換器の温度が激しく変動するような可能
性がある場合であっても、冷却用熱交換器の温度変動の
範囲に対応させて多数の振分位置記憶マップを予め配備
しておくといったことはせず、最低限度の数の振分位置
記憶マップのみを設けるものとし、振分位置記憶マップ
が冷却用熱交換器の温度と対応しなくなった場合に生じ
る不都合に関しては、現在車内温度と目標車内温度との
間の温度偏差に乗じる積分ゲイン変数の値を増大させる
ことによって対処するようにした。これにより、振分位
置記憶マップの数が減り、振分位置記憶マップの保存に
必要とされるメモリの容量が節約されると共に、冷却用
熱交換器が停止した場合における車内の温度制御も適正
化される。また、フット用空気吹出口,ベンチレート用
空気吹出口,デフロスト用空気吹出口等の複数種の空気
吹出口を備えた構成においては、算出された目標吹出温
度に基づいて空気吹出口を選択するための吹出モード演
算手段を設け、これらの空気吹出口の中から空気を送出
するのに適した空気吹出口を選択するようにする。この
ような構成を適用すると、空気を送出する空気吹出口の
種別の違いによって目標吹出温度を達成するために必要
とされるエアミックスダンパの振分位置に相違が生じる
場合があるので、冷却用熱交換器の温度帯と加熱用熱交
換器の温度帯との関係に加え、更に、選択されている空
気吹出口の種別を考慮して、目標吹出温度と目標吹出温
度を達成するためのエアミックスダンパの振分位置を振
分位置記憶マップに記憶させるようにする。これに対応
して、変換マップ選択手段も、冷却用熱交換器の現在温
度と選択中の空気吹出口の種別および加熱用熱交換器の
現在温度との関係に基づいて最適の振分位置記憶マップ
を選択するように構成する。
【0016】更に、目標吹出温度演算手段に関しては、
現在車内温度と予め設定された目標車内温度との間の温
度偏差に加え、外気温や日射量を考慮して目標吹出温度
を算出するように構成することも可能である。
【0017】また、前記複数の振分位置記憶マップは、
少なくとも、作動状態にあるときの冷却用熱交換器の温
度帯に対応して最適化された振分位置記憶マップと、停
止状態にあるときの前記冷却用熱交換器が取り得る温度
範囲を分割して温度帯を設定した幾つかの振分位置記憶
マップとによって構成することが望ましい。冷却用熱交
換器が作動状態であるときにはその温度が安定するの
で、その温度帯に対応して最適化された振分位置記憶マ
ップと通常の積分ゲイン変数の値、つまり、第一の積分
ゲインの値に基づいて最適の温度制御を実施することが
できるからであり、また、冷却用熱交換器が停止状態に
あってその温度が大幅に変動するときには、そのときの
冷却用熱交換器の温度を含む温度帯の振分位置記憶マッ
プと値の大きな第二の積分ゲインの値とに基づいて好適
な温度制御を実施することができるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について詳細に説明する。図1は本発明を適用
した一実施形態の車両用空調装置1の空調機構(機械要
素の部分)を簡略化して示す模式図、また、図2はその
制御部を簡略化して示すブロック図である。
【0019】図1に示すコンプレッサ2は、電磁クラッ
チ3の通電時にエンジン4の動力で駆動される。コンデ
ンサ5はコンプレッサ2によって圧縮された高温のガス
状の冷媒を冷却して液化し、レシーバ6、膨張弁7、冷
却用熱交換器としてのエバポレータ8、そして再びコン
プレッサ2の順に冷気が循環する。
【0020】エバポレータ8の始動および停止は電磁ク
ラッチ3のON/OFF制御によって達成され、電磁ク
ラッチ3がONである間はコンプレッサ2が作動して前
述のサイクルでエバポレータ8が冷却され、概ね、その
温度が0℃〜10℃の範囲に保持される。また、電磁ク
ラッチ3がOFFにされるとコンプレッサ2は停止し、
エバポレータ8が非作動状態となって、その温度は、環
境温度等の影響を受けて最大で−20℃〜40℃程度の
範囲まで変化する可能性がある。
【0021】空調ダクト9の上流部には、外部からの空
気を取り入れるための外気取入れ口10と車両内の循環
空気を取り入れるための内気取入れ口11とが設けら
れ、内外気切替ダンパアクチュエータ12(図2参照)
によって揺動される内外気切替ダンパ13の回転位置に
応じて、外気または内気、もしくは、その混合気が空調
ダクト9内に取り入れられるようになっている。
【0022】そして、空調ダクト9内に取り入れられた
空気は、ブロワモータ14(図2参照)およびブロワフ
ァン15で構成される送風機によって下流側に送られ、
更に、エバポレータ8が配備された位置を通り、エアミ
ックスダンパアクチュエータ16(図2参照)で揺動さ
れるエアミックスダンパ17により、加熱用熱交換器を
構成するヒータコア18の側とバイパス通路19とに分
流されて熱量を調整された後、再び合流して混合され、
最終的に、デフロストダンパ20,ベンチレートダンパ
21,フットダンパ22により空気の出先を規制され
て、デフロスト用空気吹出口23,ベンチレート用空気
吹出口24,フット用空気吹出口25のいずれか、また
は、ベンチレート用空気吹出口24とフット用空気吹出
口25とに分流されて、車内に送出される。
【0023】各ダンパ20,21,22は単一のモード
ダンパアクチュエータ26(図2参照)によって連動し
て駆動され、デフロスト用空気吹出口23のみを開放す
るデフロストモード、ベンチレート用空気吹出口24の
みを開放するベンチレートモード、フット用空気吹出口
25のみを開放するフットモード、ベンチレート用空気
吹出口24とフット用空気吹出口25を共に開くバイレ
ベルモード、および、デフロスト用空気吹出口23とフ
ット用空気吹出口25を共に開くデフロスト/フットモ
ードの各吹出モードが実現されるようになっている。
【0024】デフロストモードはウインドシールドの曇
り除去のために選択されるモードである。また、ベンチ
レートモードは単純な換気または冷房を併用した冷風の
送気に利用され、夏季等において顔や胸に冷風を送る際
に重宝する。フットモードは専ら暖房時に足元から暖気
を送るために使用され、デフロスト/フットモードは暖
房とウインドシールドの曇り止めを並行して行う場合に
利用されるのが一般的である。
【0025】本実施形態においては、デフロスト用空気
吹出口23はインストルメントパネルの上面に、ベンチ
レート用空気吹出口24はインストルメントパネルの前
面に、また、フット用空気吹出口25はインストルメン
トパネルの下方に位置する。
【0026】図2に示されるように、ブロワファン15
を駆動するブロワモータ14は駆動回路27を介してコ
ントローラ28によりON/OFFと回転速度を制御さ
れる。
【0027】エアミックスダンパ17を揺動させるエア
ミックスダンパアクチュエータ16は駆動回路29を介
してコントローラ28により回転位置を制御され、ま
た、開度センサ30はエアミックスダンパアクチュエー
タ16の回転位置を検出し、エアミックスダンパ17の
開度としてコントローラ28にフィードバックする。
【0028】同様に、デフロストダンパ20,ベンチレ
ートダンパ21およびフットダンパ22を駆動するモー
ドダンパアクチュエータ26は、駆動回路31を介して
コントローラ28により回転位置を制御され、また、開
度センサ32は、モードダンパアクチュエータ26の回
転位置を検出してコントローラ28にフィードバックす
る。
【0029】また、内外気切替ダンパ13を揺動させる
内外気切替ダンパアクチュエータ12は駆動回路33を
介してコントローラ28により回転位置を制御される。
【0030】そして、図2に示されるように、車内温度
設定手段となる設定温度スイッチ34は目標車内温度の
設定に、また、オートスイッチ35は自動空調モードの
設定に用いられる。エアコンスイッチ36はコンプレッ
サ2を停止させる空調モードのオン・オフ設定に用いら
れ、ファンスイッチ37は操作の度にブロワファン15
の回転速度を段階的かつ循環的に切り換える。
【0031】また、吹出口スイッチ38は、押される度
にモードダンパアクチュエータ26を作動させ、デフロ
ストダンパ20,ベンチレートダンパ21,フットダン
パ22の各位置を、ベンチレートモード、バイレベルモ
ード、フットモード、デフロスト/フットモード、デフ
ロストモード、そして、再びベンチレートモードの順に
切り換える。デフロストスイッチ39は、ウインドシー
ルドの曇りを除去する熱線のON/OFF切り替えに用
いられる。内気循環スイッチ40は、内気循環による空
調を選択するとき、即ち、手動で内外気切替ダンパ13
の揺動位置を切り替えるときに用いられる。オフスイッ
チ41は、空調制御を停止するときに用いられる。
【0032】そして、外気温センサ42は外気温度を検
出し、インストルメントパネル上に配備された温度検出
手段としての内気温センサ43は、車内の温度を検出す
る。日射センサ44は日射量を検出するフォトダイオー
ドであり、運転席側のデフグリル近傍に取り付けられて
いる。エバポレータ温センサ45はエバポレータ8の温
度、より厳密には、エバポレータ8を通過した直後の空
気の温度を検出する。水温センサ46はエンジン4の冷
却水温度、つまり、ヒータコア18の温度を検出する。
表示装置47は、操作されたスイッチに関するスイッチ
情報等を表示する。
【0033】コントロ−ラ28の主要部はマイクロプロ
セッサ(以下、単にCPUという)48によって構成さ
れ、該CPU48には、空調制御のためのプログラムを
記憶したROM49や演算データの一時記憶のためのR
AM50および不揮発性メモリ51等が接続されてい
る。
【0034】図3はCPU48によって実現される処理
機能を簡略化して示す機能ブロック図であり、目標吹出
温度演算手段52,吹出モード演算手段53,変換マッ
プ選択手段54,エアミックスダンパ開度演算手段55
の各機能はROM49に保存された制御プログラムによ
って達成される。
【0035】つまり、目標吹出温度演算手段52として
のCPU48は、設定温度スイッチ34で設定された目
標車内温度Tsetと内気温センサ43で検出された現在
車内温度Tin、および、設定温度係数Ksetと内気温偏
差比例係数Kin、ならびに、積分ゲイン変数Iinと外気
温センサ42で検出された外気温度Tout、および、日
射センサ44で検出された日射量Qsunと日射量係数Ks
un、および、積分定数Cに基づいて、現在車内温度Tin
と目標車内温度Tsetとの間の温度偏差を解消するため
に車内に送出するのに適した空気の温度、つまり、目標
吹出温度Toの値を、図4のステップa5に示される演
算式に基づいて算出する。この点に関しては従来と同様
である。
【0036】また、吹出モード演算手段53としてのC
PU48は、前述のようにして算出された目標吹出温度
Toの値に応じ、例えば、ベンチレートモード、バイレ
ベルモード,フットモード等といった具合に、自動空調
モードにおける吹出モードを自動的に選択し、駆動回路
31を介してモードダンパアクチュエータ26を駆動制
御することにより、選択した吹出モードが達成される位
置にデフロストダンパ20,ベンチレートダンパ21,
フットダンパ22の各揺動位置を変化させる。この点に
関しても従来と同様である。
【0037】そして、変換マップ選択手段54としての
CPU48は、エバポレータ温センサ45によって検出
されたエバポレータ8の温度と水温センサ46によって
検出されたヒータコア18の温度、および、吹出モード
演算手段53で選択された吹出モードの組み合わせに加
え、更に、エアコンスイッチ36のON/OFFに対応
して、複数の振分位置記憶マップの中から最適の振分位
置記憶マップを選択する。
【0038】不揮発性メモリ51は振分位置記憶マップ
を保存するための手段であり、エバポレータ8の温度帯
とヒータコア18の温度帯および空気吹出口のモードの
組み合わせに対応して、予め、最低限度必要とされる数
の振分位置記憶マップを保存している。
【0039】つまり、本実施形態においては、エバポレ
ータ8の温度を0℃〜10℃の温度帯(作動状態にある
エバポレータ8に対応する温度帯)と、10℃以下の温
度帯(停止状態にあるエバポレータ8が取り得る温度帯
の一つ)と、10℃〜20℃の温度帯(停止状態にある
エバポレータ8が取り得る温度帯の一つ)、および、2
0℃以上の温度帯(停止状態にあるエバポレータ8が取
り得る温度帯の一つ)の4つの温度帯に分ける一方、ヒ
ータコア18の温度は70℃以下の温度帯と70℃〜9
0℃の温度帯および90℃以上温度帯の3つの温度帯に
分け、更に、空気吹出口のモードに関しては、ベンチレ
ートモードとバイレベルモード、および、その他のモー
ド(デフロストモード,フットモード,デフロスト/フ
ットモード)の3つの区分に分割している。
【0040】従って、必要となる振分位置記憶マップの
数は4×3×3、即ち、36種である。図6に振分位置
記憶マップの代表的な一例を示すが、目標吹出温度とエ
アミックスダンパ17の振分位置との関係を示す直線
(曲線でもよい)の傾き等は、各振分位置記憶マップ毎
に相違する。それは、従来の技術の項でも述べた通り、
必要とする目標吹出温度を得るためには、ヒータコア1
8の温度とエバポレータ8の温度とを考慮する必要があ
るためであり、更に、本実施形態においては、空気吹出
口の吹出モードの種別も考慮する必要があるからであ
る。
【0041】そして、エアミックスダンパ開度演算手段
55としてのCPU48は、最終的に、目標吹出温度演
算手段52によって求められた目標吹出温度と変換マッ
プ選択手段54によって選択された振分位置記憶マップ
の情報とに基づいて、この振分位置記憶マップ上で前記
目標吹出温度に対応するエアミックスダンパ17の振分
位置を求め、駆動回路29を介してエアミックスダンパ
アクチュエータ16を駆動制御することにより、エアミ
ックスダンパ17の揺動位置を移動させる。つまり、そ
の時点におけるヒータコア18およびエバポレータ8の
温度や吹出モードの違いを吸収し、目標吹出温度演算手
段52によって求められた目標吹出温度が達成される位
置に、エアミックスダンパ17の揺動位置を移動させる
のである。
【0042】図4は、目標吹出温度演算手段52の機能
を達成するためにCPU48が実施する目標吹出温度演
算処理の概略を示すフローチャートであり、この処理
は、数十ミリsec.単位の所定の処理周期毎にCPU48
によって繰り返し実行される。
【0043】目標吹出温度演算処理を開始したCPU4
8は、まず、設定温度スイッチ34で設定された目標車
内温度Tsetと内気温センサ43で検出された現在車内
温度Tin、および、外気温センサ42で検出された外気
温度Toutと日射センサ44で検出された日射量Qsunの
各データを読み込んで一時記憶する(ステップa1)。
次いで、ON/OFF状態検出手段としてのCPU48
は、エアコンスイッチ36がONとなっているか否か、
即ち、コンプレッサ2が作動して冷却用熱交換器である
エバポレータ8が稼動しているか否かを判別する(ステ
ップa2)。
【0044】そして、エバポレータ8が稼動していれ
ば、積分ゲイン設定手段としてのCPU48は、エバポ
レータ8が稼動している状態、つまり、その温度が0℃
〜10℃以下であるときに適した第一の積分ゲインAの
値を積分ゲイン変数Iinにセットし(ステップa3)、
また、エバポレータ8が稼動していなければ、第一の積
分ゲインAよりも値の大きな第二の積分ゲインBの値を
積分ゲイン変数Iinにセットする(ステップa4)。
【0045】第一の積分ゲインAは、従来の車両用空調
装置において積分ゲイン変数Iinとして固定的に用いら
れていた値、つまり、エバポレータ8の温度の刻みを比
較的狭い温度帯として設定して最適化された振分位置記
憶マップを利用する場合に適した積分ゲインの値であ
り、また、第二の積分ゲインBはそれよりも相対的に大
きな値である。いずれの値も、ゲイン記憶手段としての
不揮発性メモリ51もしくはROM49に予め保存され
ている。
【0046】次いで、CPU48は、ステップa1の処
理で読み込まれた目標車内温度Tset,現在車内温度Ti
n,外気温度Tout,日射量Qsunの各データと、ステッ
プa3またはステップa4の処理でセットされた積分ゲ
イン変数Iinの値、および、予めプログラム上にパラメ
ータとして記憶されている設定温度係数Kset,内気温
偏差比例係数Kin,日射量係数Ksun,積分定数Cの各
値に基づいて、目標吹出温度Toの値を算出する(ステ
ップa5)。
【0047】また、図5は変換マップ選択手段54の機
能を達成するためにCPU48が実施する変換マップ選
択処理の概略を示すフローチャートである。この処理
は、実際には、図4に示した目標吹出温度演算処理に続
けて同じタスク内で実行されるが、図3の機能ブロック
図との対応関係から、前述の目標吹出温度演算処理とは
分けて記述している。
【0048】変換マップ選択処理を開始したCPU48
は、まず、エアコンスイッチ36がONとなっているか
否か、つまり、コンプレッサ2が作動して冷却用熱交換
器であるエバポレータ8が稼動しているか否かを判別す
る(ステップb1)。
【0049】そして、冷却用熱交換器であるエバポレー
タ8が稼動している場合には、その温度が必然的に0℃
〜10℃の範囲内にあるはずなので、CPU48は、0
℃〜10℃に対応する温度帯を示す値(例えば、1)を
エバポレータ用温度帯記憶レジスタaに無条件にセット
する(ステップb2)。
【0050】次いで、CPU48は、吹出モード演算手
段53で求められた吹出モードに対応する値(例えば、
ベンチレートモード=1,バイレベルモード=2,その
他=3)を吹出モード記憶レジスタbにセットし(ステ
ップb3)、更に、水温センサ46で検出されたヒータ
コア18の温度に対応する値(例えば、70℃以下=
1,70℃〜90℃=2,90℃以上=3)をヒータコ
ア用温度帯記憶レジスタcにセットして(ステップb
4)、これらの3次元配列(a,b,c)の値に対応す
る振分位置記憶マップを不揮発性メモリ51から選択す
る(ステップb5)。
【0051】前述した通り、この実施形態においては4
×3×3=36種類、つまり、(1,1,1)〜(4,
3,3)までの振分位置記憶マップが予め準備されてい
るが、冷却用熱交換器であるエバポレータ8が稼動して
その温度が0℃〜10℃の範囲内に安定している状況下
で実際に使用される振分位置記憶マップの数は、そのう
ち、aの値が1となる9種、つまり、エバポレータ8の
温度が0℃〜10℃であるときの条件に最適化して作成
された(1,1,1)〜(1,3,3)までの振分位置
記憶マップのみである。
【0052】このように、エバポレータ8が稼動してそ
の温度が0℃〜10℃の範囲内に安定している状況下で
は、目標吹出温度演算手段52が第一の積分ゲインA、
つまり、従来と同様の積分ゲインを用いて目標吹出温度
の演算処理を行い、また、エアミックスダンパ開度演算
手段55は、エバポレータ8の温度が0℃〜10℃であ
るときの状態に最適化して作成された(1,1,1)〜
(1,3,3)までの振分位置記憶マップのうち、吹出
モード(b)とヒータコア18の現在温度(c)との組
み合わせに対応して選択された振分位置記憶マップ
(1,b,c)を使用してエアミックスダンパ17の振
分位置を求めるので、車内の温度制御に関わる特性は従
来と全く同様である。
【0053】一方、ステップb1の判別処理によりエバ
ポレータ8が停止していると判定された場合には、エバ
ポレータ8の温度は自明ではないので、CPU48は、
エバポレータ温センサ45を介してエバポレータ8の現
在温度を読み込み、その温度に対応する値(例えば、1
0℃以下=2,10℃〜20℃=3,20℃以上=4)
をエバポレータ用温度帯記憶レジスタaにセットする
(ステップb6)。
【0054】次いで、CPU48は、前記と同様に、吹
出モード演算手段53で求められた吹出モードに対応す
る値を吹出モード記憶レジスタbにセットし(ステップ
b3)、更に、水温センサ46で検出されたヒータコア
18の温度に対応する値をヒータコア用温度帯記憶レジ
スタcにセットして(ステップb4)、これらの3次元
配列(a,b,c)の値に対応する振分位置記憶マップ
を不揮発性メモリ51から選択する(ステップb5)。
【0055】このように、エバポレータ8が停止してい
る状況下では、エバポレータ8の温度が環境温度等の影
響を受けて、−20℃〜40℃といった具合に著しく変
動する可能性があり、一方、温度帯に対応して設けられ
た振分位置記憶マップの数には限りがあるので、例え
ば、エバポレータ8の温度が20℃であっても40℃で
あっても同じ振分位置記憶マップが選択されるといった
結果が生じる。
【0056】しかし、エバポレータ8が停止している場
合には、目標吹出温度演算手段52が第二の積分ゲイン
B、つまり、従来使用されていた積分ゲインに比べて値
の大きな積分ゲインを用いて目標吹出温度の演算処理を
行うので、現在車内温度Tinと予め設定された目標車内
温度Tsetとの間の温度偏差(Tset−Tin)の値が同じ
場合であっても、目標吹出温度Toと現在吹出温度との
間の温度の差は、エバポレータ8が作動している場合に
比べて大きな値として算出される場合がある。つまり、
現在車内温度Tinが目標車内温度Tsetよりも低い状況
下においては、エバポレータ8が作動している場合に比
べて積分ゲインが大きい為より早く目標吹出温度Toの
値が高くなり、また、現在車内温度Tinが予め設定され
た目標車内温度Toよりも高い状況下においては、エバ
ポレータ8が作動している場合に比べて積分ゲインが大
きい為より早く目標吹出温度Toの値が低くなるという
ことである。
【0057】このようにして、目標吹出温度Toと現在
吹出温度との間の温度の差が大きめになるように目標吹
出温度Toの値を算出し、見掛け上、強力な加熱または
冷却を実施することにより、例えば、エバポレータ8の
温度が20℃であることを前提として最適化された振分
位置記憶マップ、つまり、ヒータコア18とエバポレー
タ8との間の温度差が相対的に大きいことを前提として
作成された振分位置記憶マップを、例えば、エバポレー
タ8の実際の温度が40℃となった環境下、要するに、
ヒータコア18とエバポレータ8との間の温度差が相対
的に小さくなっている環境下でそのまま使用しても、温
度制御上の遅れを最小限にとどめることができ、エバポ
レータ8の温度が20℃であることを前提として最適化
された振分位置記憶マップをエバポレータ8の温度が2
0℃であるときに使用した場合と概ね同等な快適な温度
制御を実施することが可能となる。
【0058】従って、エバポレータ8の温度帯を、例え
ば、10℃刻みといった狭い範囲で設定して温度帯毎の
振分位置記憶マップを多数保存しておくといった必要は
なく、振分位置記憶マップを保存するためのメモリの容
量を大幅に軽減することができる。
【0059】例えば、停止状態にあるエバポレータ8の
温度が−20℃〜40℃の範囲で変動するものと仮定
し、その他の条件、つまり、ヒータコア18の温度帯の
割り振りと空気吹出口の種別数を前記と同様にしてエバ
ポレータ8の温度に対応させて10℃刻みで振分位置記
憶マップを設けたとすると、必要とされる振分位置記憶
マップの数は、(ヒータコアの温度帯の数)×(エバポ
レータの温度帯の数)×(空気吹出口の種別数)=4×
6×3で72となるので、この実施形態においては、振
分位置記憶マップを記憶するためのメモリの容量が1/
2に節約されることになる。
【0060】また、振分位置記憶マップの数が少なくて
済む結果、振分位置記憶マップの選択の切り替え回数も
減少し、エアミックスダンパ17が比較的長い時間に亘
り同じ振分位置記憶マップに従って移動位置を制御され
るようになるので、マップの選択切り替え時に生じるバ
タつきが減少して騒音が軽減化されると共に、エアミッ
クスダンパ17およびエアミックスダンパアクチュエー
タ16の耐久性も向上するといったメリットがある。
【0061】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置は、冷却用熱交
換器が停止してその温度が大幅に変動するような状況下
では、現在車内温度と予め設定された目標車内温度との
間の温度偏差に乗じる積分ゲイン変数の値を増大させる
ことによってエアミックスダンパの振分位置を調整して
適切な温度制御を維持するようにしている。従って、冷
却用熱交換器の温度が大幅に変動するような場合であっ
ても、冷却用熱交換器が取り得る温度の幅を細かく刻ん
で各温度帯毎に振分位置記憶マップを最適化して配備す
るといった必要はなく、少数の振分位置記憶マップで快
適な空調制御を実施することができ、振分位置記憶マッ
プを保存するためのメモリ容量も節約される。
【0062】また、振分位置記憶マップの数が少なくて
済む結果、振分位置記憶マップの選択の切り替え回数が
減少し、エアミックスダンパが比較的長い時間に亘り同
じ振分位置記憶マップに従って移動位置を制御されるよ
うになるので、マップの選択切り替え時に生じるエアミ
ックスダンパのバタつきが減少して騒音が軽減化される
と共に、エアミックスダンパの耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の車両用空調装置
の構造を簡略化して示す模式図である。
【図2】同実施形態の車両用空調装置の制御部を簡略化
して示す機能ブロック図である。
【図3】制御部に配備されたCPUの処理機能を簡略化
して示す機能ブロック図である。
【図4】CPUによって実施される目標吹出温度演算処
理の概略を示すフローチャートである。
【図5】CPUによって実施される変換マップ選択処理
の概略を示すフローチャートである。
【図6】振分位置記憶マップの一例を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 コンプレッサ 3 電磁クラッチ 4 エンジン 5 コンデンサ 6 レシーバ 7 膨張弁 8 エバポレータ(冷却用熱交換器) 9 空調ダクト 10 外気取入れ口 11 内気取入れ口 12 内外気切替ダンパアクチュエータ 13 内外気切替ダンパ 14 ブロワモータ(送風機の一部) 15 ブロワファン(送風機の一部) 16 エアミックスダンパアクチュエータ 17 エアミックスダンパ 18 ヒータコア(加熱用熱交換器) 19 バイパス通路 20 デフロストダンパ 21 ベンチレートダンパ 22 フットダンパ 23 デフロスト用空気吹出口 24 ベンチレート用空気吹出口 25 フット用空気吹出口 26 モードダンパアクチュエータ 27 駆動回路 28 コントローラ 29 駆動回路 30 開度センサ 31 駆動回路 32 開度センサ 33 駆動回路 34 設定温度スイッチ 35 オートスイッチ 36 エアコンスイッチ 37 ファンスイッチ 38 吹出口スイッチ 39 デフロストスイッチ 40 内気循環スイッチ 41 オフスイッチ 42 外気温センサ 43 内気温センサ(温度検出手段) 44 日射センサ 45 エバポレータ温センサ 46 水温センサ 47 表示装置 48 CPU(ON/OFF状態検出手段,積分ゲイン
設定手段) 49 ROM 50 RAM 51 不揮発性メモリ(ゲイン記憶手段,振分位置記憶
マップを記憶する手段) 52 目標吹出温度演算手段 53 吹出モード演算手段 54 変換マップ選択手段 55 エアミックスダンパ開度演算手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調ダクト内に送風機と加熱用熱交換器
    および冷却用熱交換器とエアミックスダンパとを備え、
    前記送風機で送風される空気を前記エアミックスダンパ
    によって前記加熱用熱交換器と前記冷却用熱交換器とに
    振り分け、その一方を加熱すると共に他方を冷却し、こ
    れらの空気を再び合流させて混合することで空気の温度
    を調整し、この空調ダクトに設けられた空気吹出口を介
    して車内に送出する空調機構と、 少なくとも、温度検出手段により検出された現在車内温
    度と予め設定された目標車内温度との間の温度偏差と、
    この温度偏差に乗じる積分ゲイン変数とに基づいて、前
    記空気吹出口から送出すべき空気の目標吹出温度を算出
    する目標吹出温度演算手段と、 前記冷却用熱交換器の温度帯と前記加熱用熱交換器の温
    度帯との関係に対応して、目標吹出温度とこの目標吹出
    温度を達成するために必要とされる前記エアミックスダ
    ンパの振分位置との関係を記憶した複数の振分位置記憶
    マップと、 前記冷却用熱交換器の現在温度と前記加熱用熱交換器の
    現在温度との関係に基づいて前記複数の振分位置記憶マ
    ップの中からこの関係に対応する振分位置記憶マップを
    選択する変換マップ選択手段と、 前記目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出温
    度と前記変換マップ選択手段により選択された振分位置
    記憶マップの情報とに基づいて前記エアミックスダンパ
    の振分位置を求め、この振分位置に向けて前記エアミッ
    クスダンパを移動させるエアミックスダンパ開度演算手
    段とを備えた車両用空調装置であって、 前記冷却用熱交換器が作動状態にあるのか停止状態にあ
    るのかを検出するON/OFF状態検出手段と、 前記冷却用熱交換器が作動しているときに使用される第
    一の積分ゲインと該第一の積分ゲインよりも値の大きな
    第二の積分ゲインとを記憶したゲイン記憶手段と、 前記ON/OFF状態検出手段が前記冷却用熱交換器の
    作動状態を検出しているときには前記積分ゲイン変数に
    前記第一の積分ゲインを設定する一方、前記ON/OF
    F状態検出手段が前記冷却用熱交換器の停止状態を検出
    しているときには前記積分ゲイン変数に前記第二の積分
    ゲインを設定する積分ゲイン設定手段とを備えたことを
    特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 空調ダクト内に送風機と加熱用熱交換器
    および冷却用熱交換器とエアミックスダンパとを備え、
    前記送風機で送風される空気を前記エアミックスダンパ
    によって前記加熱用熱交換器と前記冷却用熱交換器とに
    振り分け、その一方を加熱すると共に他方を冷却し、こ
    れらの空気を再び合流させて混合することで空気の温度
    を調整し、この空調ダクトに設けられた複数種の空気吹
    出口の中から選択的に開かれた空気吹出口を介して車内
    に送出する空調機構と、 少なくとも、温度検出手段により検出された現在車内温
    度と予め設定された目標車内温度との間の温度偏差と、
    この温度偏差に乗じる積分ゲイン変数とに基づいて、前
    記空気吹出口から送出すべき空気の目標吹出温度を算出
    する目標吹出温度演算手段と、 前記目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出温
    度に基づいて前記空調ダクトの複数種の空気吹出口の中
    から空気を送出すべき空気吹出口を選択し、選択した空
    気吹出口を開く吹出モード演算手段と、 前記冷却用熱交換器の温度帯と前記空気吹出口の種別お
    よび前記加熱用熱交換器の温度帯との関係に対応して、
    目標吹出温度とこの目標吹出温度を達成するために必要
    とされる前記エアミックスダンパの振分位置との関係を
    記憶した複数の振分位置記憶マップと、 前記冷却用熱交換器の現在温度と前記吹出モード演算手
    段によって選択された空気吹出口の種別および前記加熱
    用熱交換器の現在温度との関係に基づいて前記複数の振
    分位置記憶マップの中からこの関係に対応する振分位置
    記憶マップを選択する変換マップ選択手段と、 前記目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出温
    度と前記変換マップ選択手段により選択された振分位置
    記憶マップの情報とに基づいて前記エアミックスダンパ
    の振分位置を求め、この振分位置に向けて前記エアミッ
    クスダンパを移動させるエアミックスダンパ開度演算手
    段とを備えた車両用空調装置であって、 前記冷却用熱交換器が作動状態にあるのか停止状態にあ
    るのかを検出するON/OFF状態検出手段と、 前記冷却用熱交換器が作動しているときに使用される第
    一の積分ゲインと該第一の積分ゲインよりも値の大きな
    第二の積分ゲインとを記憶したゲイン記憶手段と、 前記ON/OFF状態検出手段が前記冷却用熱交換器の
    作動状態を検出しているときには前記積分ゲイン変数に
    前記第一の積分ゲインを設定する一方、前記ON/OF
    F状態検出手段が前記冷却用熱交換器の停止状態を検出
    しているときには前記積分ゲイン変数に前記第二の積分
    ゲインを設定する積分ゲイン設定手段とを備えたことを
    特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 空調ダクト内に送風機と加熱用熱交換器
    および冷却用熱交換器とエアミックスダンパとを備え、
    前記送風機で送風される空気を前記エアミックスダンパ
    によって前記加熱用熱交換器と前記冷却用熱交換器とに
    振り分け、その一方を加熱すると共に他方を冷却し、こ
    れらの空気を再び合流させて混合することで空気の温度
    を調整し、この空調ダクトに設けられた複数種の空気吹
    出口の中から選択的に開かれた空気吹出口を介して車内
    に送出する空調機構と、 温度検出手段により検出された現在車内温度と予め設定
    された目標車内温度との間の温度偏差と、この温度偏差
    に乗じる積分ゲイン変数、および、外気温と日射量とに
    基づいて、前記空気吹出口から送出すべき空気の目標吹
    出温度を算出する目標吹出温度演算手段と、 前記目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出温
    度に基づいて前記空調ダクトの複数種の空気吹出口の中
    から空気を送出すべき空気吹出口を選択し、選択した空
    気吹出口を開く吹出モード演算手段と、 前記冷却用熱交換器の温度帯と前記空気吹出口の種別お
    よび前記加熱用熱交換器の温度帯との関係に対応して、
    目標吹出温度とこの目標吹出温度を達成するために必要
    とされる前記エアミックスダンパの振分位置との関係を
    記憶した複数の振分位置記憶マップと、 前記冷却用熱交換器の現在温度と前記吹出モード演算手
    段によって選択された空気吹出口の種別および前記加熱
    用熱交換器の現在温度との関係に基づいて前記複数の振
    分位置記憶マップの中からこの関係に対応する振分位置
    記憶マップを選択する変換マップ選択手段と、 前記目標吹出温度演算手段により算出された目標吹出温
    度と前記変換マップ選択手段により選択された振分位置
    記憶マップの情報とに基づいて前記エアミックスダンパ
    の振分位置を求め、この振分位置に向けて前記エアミッ
    クスダンパを移動させるエアミックスダンパ開度演算手
    段とを備えた車両用空調装置であって、 前記冷却用熱交換器が作動状態にあるのか停止状態にあ
    るのかを検出するON/OFF状態検出手段と、 前記冷却用熱交換器が作動しているときに使用される第
    一の積分ゲインと該第一の積分ゲインよりも値の大きな
    第二の積分ゲインとを記憶したゲイン記憶手段と、 前記ON/OFF状態検出手段が前記冷却用熱交換器の
    作動状態を検出しているときには前記積分ゲイン変数に
    前記第一の積分ゲインを設定する一方、前記ON/OF
    F状態検出手段が前記冷却用熱交換器の停止状態を検出
    しているときには前記積分ゲイン変数に前記第二の積分
    ゲインを設定する積分ゲイン設定手段とを備えたことを
    特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の振分位置記憶マップは、少な
    くとも、作動状態にあるときの前記冷却用熱交換器の温
    度帯に対応して最適化された振分位置記憶マップと、停
    止状態にあるときの前記冷却用熱交換器が取り得る温度
    範囲を分割して温度帯を設定した幾つかの振分位置記憶
    マップとによって構成されていることを特徴とする請求
    項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の車
    両用空調装置。
JP11224922A 1999-08-09 1999-08-09 車両用空調装置 Withdrawn JP2001047841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224922A JP2001047841A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224922A JP2001047841A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001047841A true JP2001047841A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16821282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11224922A Withdrawn JP2001047841A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001047841A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012126330A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Calsonic Kansei Corp 車両用空調制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012126330A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Calsonic Kansei Corp 車両用空調制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11458810B2 (en) Air-conditioning device for vehicle
US9796242B2 (en) Air conditioner for vehicle
US6898946B2 (en) Vehicle air-conditioning system
EP1145883B1 (en) Humidity control method for a variable capacity vehicle climate control system
JP2007308133A (ja) 車両用空調装置
US5375427A (en) Air conditioner for vehicle
US20020121557A1 (en) Vehicle air conditioner with front air passage and rear air passage
JPH0840056A (ja) 空調装置
JP4496971B2 (ja) 車両用空調装置
JP2001047841A (ja) 車両用空調装置
JPH11334340A (ja) 車両用空調装置
JP2021181276A (ja) 車両用空調装置
JP5526675B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0629052Y2 (ja) 車両用空調装置
JP5310323B2 (ja) 車両用空調装置の制御方法
JP3399284B2 (ja) 車両用空調装置
JP2011012939A (ja) 車両用空調装置の制御方法
JP4699646B2 (ja) 車両用空調装置
JP2001260626A (ja) 自動車用空調装置
JP2001039142A (ja) 車両用空調装置
JP2525696B2 (ja) 自動車用空調装置の換気調節装置
JP2000219023A (ja) 車両用空調装置
JP2661288B2 (ja) 車両用空調装置
JPH1178483A (ja) 車両用空気調和装置
JP2002211226A (ja) 自動車用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061107