JP2001047477A - 射出成形機の金型取付装置 - Google Patents

射出成形機の金型取付装置

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JP2001047477A
JP2001047477A JP11226646A JP22664699A JP2001047477A JP 2001047477 A JP2001047477 A JP 2001047477A JP 11226646 A JP11226646 A JP 11226646A JP 22664699 A JP22664699 A JP 22664699A JP 2001047477 A JP2001047477 A JP 2001047477A
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mold
face plate
fixed
centering
fine adjustment
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Misao Fujikawa
川 操 藤
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Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動金型が固定金型に対して僅かに芯ずれし
ても、可動金型の位置を精密に調整して、正確、かつ、
容易に調芯できる金型取付装置を提供する。 【解決手段】 可動金型12を取り付ける金型取付装置
は、3枚の調心面板310、320、330をそれぞれ
含む微調整機構31、32、33より構成され、調心面
板310,320が微調整機構31,32の中で直交2
軸方向にそれぞれ独立に微調整移動可能に、かつ、調心
面板330が微調整機構33の中で中心軸回りに微調整
回動可能に設けられる。可動金型12の固定金型11に
対する芯ずれ修正は、3枚の調心面板310,320,
330を上記それぞれの方向に微調整してから固定する
ことによって、精密、かつ、容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取り付けられた可
動金型を固定金型に対して調芯するために、該可動金型
位置を微調整することができる射出成形機の金型取付装
置に関し、特に可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に
一致させるとともにその軸回りの回動角度をも調整する
ため、該中心軸に直交する2次元平面上の直交する2方
向と回転方向それぞれに調心面板を微少調整して固定す
るようにした射出成形機の金型取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の型締装置は、固定金型を取
り付ける固定プラテンと、可動金型を取り付ける可動プ
ラテンとを少なくとも備え、可動プラテンを固定プラテ
ンに対して進退、すなわち開閉させて金型の型開閉や型
締めを行っている。そして、閉じた可動金型と固定金型
の間に形成されるキャビティに射出装置から樹脂材料を
充填して、成形品を成形する。
【0003】成形運転が開始されると、成形サイクル毎
に高温に溶融された樹脂材料が金型に注入されて金型温
度が上昇する。このため、金型に冷却水を循環させる等
温度調整をして金型自身を冷却するとともに、金型とプ
ラテンとの間に断熱板を入れて、金型自身やプラテンの
温度の安定化を図ることが通常行われている。しかしな
がら、プラテンや金型の温度は、金型取付時の状態と成
形運転中の状態とで異なり、時間の経過に伴い両者の温
度が変化するので、互いの中心がずれてくる。この芯ず
れは熱変位量の差異によるものであるが、プラテンや金
型の構造や材料の違いにより、また、周囲の温度が変化
することにより影響を受ける。このように、型締装置で
は、使用している間にプラテンや金型の中心位置がわず
かに芯ずれしてくることが多い。
【0004】この金型のわずかな芯ずれを修正するた
め、通常、金型位置決め手段が金型内に設けられてい
る。この金型位置決め手段は、例えば、ガイドピンが可
動金型側に植設され、ガイドブッシュが固定金型に挿嵌
されているものや、テーパ状の案内凸部と凹部とが設け
られているものである。このような金型位置決め手段が
互いに挿嵌して位置決めすることによって、金型がその
中心を一致させて閉まるようになっている。しかしなが
ら、金型がプラテンに強固に固定されている状態で芯ず
れを上述のように修正しながら成形運転を続けると、例
えばガイドピンとガイドブッシュとの組み合わせでは、
ガイドピンがガイドブッシュに常に片当たりして、ガイ
ドピンとガイドブッシュとが早期に摩耗する。その結
果、可動金型と固定金型との金型位置決め装置が甘くな
って両金型の中心が芯ずれし、成形品の対向する2面の
中心が芯ずれする。これは、精密な成形品、例えば、精
緻に成形されるべき微細コネクタや精密なレンズの品質
を著しく損ねる原因になる。
【0005】そこで、実公平5−19145号公報に
は、可動金型中心が可動プラテンの中心を基準として熱
膨張するように、型締装置の金型設置面に凸部を、金型
に凹部を設けるとともに、凸部と凹部とがそれぞれ金型
の中心に合致して交差するようにした金型位置決め装置
が提案されている。これによれば、確かに金型がプラテ
ンの中心を基準に熱膨張するので、可動プラテンと可動
金型との間に芯ずれが発生しない。また、特開平3−2
30914号公報には、可動金型が可動プラテンの中心
を基準として熱膨張するようにした、同様な目的の金型
位置合わせ機構が提案されている。
【0006】また、特開平1−204708号公報によ
り、1つのキャビティブロックがもう1つのキャビティ
ブロックを基準として調心され、かつ、芯狂いが修正さ
れて調心されるときにその位置近傍で相対変位可能であ
るようにしたモールド成形金型が提案されている。この
モールド成形金型は、キャビティブロックがばねを内蔵
したセットボルトによってキャビティブロックベースに
所望の押圧力で押しつけられ、この押圧力による面摩擦
力によってキャビティブロックがキャビティブロックベ
ースに移動可能に固定されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述前者
の構成では、金型の中心がプラテンの中心に移動不能に
位置決めされているので、可動プラテンが固定プラテン
に対して芯ずれしたときに可動金型と固定金型との芯ず
れも同じ量だけ発生し、金型位置決め装置に無理な力が
かかる。このプラテンの芯ずれは、横形型締装置でしば
しば発生する。これは、横形型締装置においては、機台
に対する固定プラテンと可動プラテンの取付構造が異な
るので、機台を基準とした熱膨張量がそれぞれ異なるた
めである。また、ロータリー式の竪形型締装置でも、ロ
ータリー軸を中心に旋回するプラテン側がその軸を基準
として一方向に熱膨張するから、同様な芯ずれが発生す
る。それで、特にこのような型締装置では、ガイドピン
とガイドブッシュとが上述したように摩耗して、これに
起因する金型の芯ずれが避けられないという問題があっ
た。
【0008】また、上述後者の構成は、竪形型締装置に
おいて採用されるべきもので、横形型締装置においては
採用し難いものであった。横形型締装置では、型開閉中
にキャビティブロックがキャビティブロックベースに対
して自重によって位置ずれしないように、キャビティブ
ロックとキャビティブロックベースとの間の面摩擦力が
キャビティブロックの重量以上になるように、セットボ
ルトを締め付けなければならない。加えて、キャビティ
ブロックが芯ずれした場合に、この芯ずれを元の位置に
復元しようとする復元手段がない。このため、セットボ
ルトの締め付け力を余裕を見て大きくして、面摩擦力を
キャビティブロックの自重以上にせざるを得ない。その
結果、一方のキャビティブロックが他方のキャビティブ
ロックに位置決めされて移動するときには、この面摩擦
力より大きな力が必要となり、この力が位置決め部材に
作用して位置決め部材に無理な力がかかるのである。
【0009】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、可動金型が固定される可動プラテンの調心面板を中
心軸に直交する平面上で直交する2方向にそれぞれ微調
整可能に構成して固定金型の中心軸と可動金型の中心軸
を一致させ、さらに中心軸を中心にして回転方向にも微
調整可能とすることにより、可動金型と固定金型の中心
軸の位置決めすなわち調芯を高精度に効率よく行うこと
のできる射出成形機の金型取付装置を提供することを目
的としている。また、中心軸に直交する平面上の2方向
と回転方向のそれぞれの微少移動を表示する表示装置を
設けることにより、煩雑な位置決め作業を定量的に確認
しながら迅速に行うことが可能な射出成形機の金型取付
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、請求項1に係る射出成形機の金型取付装置は、可
動金型が取り付けられる調心面板を備えて該可動金型の
中心軸を固定金型の中心軸に一致させる射出成形機の金
型取付装置において、前記調心面板を、前記中心軸に直
交する平面上の直交2方向に微調整移動可能にかつ固定
可能にするとともに前記中心軸の回りに微少回動可能に
かつ固定可能にすることにより、前記中心軸位置と該中
心軸回りの角度位置とをそれぞれ微調整可能にかつ固定
可能にして、前記調心面板位置を微調整して固定するこ
とによって前記可動金型を固定金型に微調整調芯し固定
することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係る射出成形機の金型取
付装置は、可動金型が取り付けられる調心面板を備えて
該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる射
出成形機の金型取付装置において、前記調心面板を前記
中心軸に直交する平面上の直交2方向にそれぞれ微調整
可能かつ固定可能にするとともに中心軸の回りに微少回
動可能かつ固定可能にして、さらに加えて前記直交2方
向のそれぞれの方向への微調整移動位置および前記前記
中心軸の回りの微少回動位置をそれぞれ表示する位置表
示装置を備えることにより、前記中心軸位置と該中心軸
回りの角度位置とをそれぞれ微調整可能、表示可能、か
つ固定可能にして、前記調心面板を定量的に微調整して
固定することによって前記可動金型を固定金型に定量的
に調芯し固定することを特徴とする。
【0012】また、請求項3に係る射出成形機の金型取
付装置は、可動金型が取り付けられる調心面板を備えて
該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる射
出成形機の金型取付装置において、前記調心面板を、前
記中心軸に直交する平面上の直交2方向のそれぞれに微
調整移動可能かつ固定可能な2方向調心面板と、前記中
心軸回りに回動する方向に微少回動可能かつ固定可能な
回転方向調心面板とにより構成することによって、前記
中心軸位置と該中心軸回りの角度位置とをそれぞれ微調
整可能かつ固定可能にして、前記調心面板を微調整して
固定することによって前記可動金型を固定金型に微調整
調芯して固定することを特徴とする。
【0013】また、請求項4に係る射出成形機の金型取
付装置は、可動金型が取り付けられる調心面板を備えて
該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる射
出成形機の金型取付装置において、前記調心面板を、前
記中心軸に直交する平面上の直交2方向のうちの一方の
方向である第1の方向に微調整移動可能かつ固定可能な
第1の調心面板と、前記直交2方向のうちの他の方向で
ある第2の方向に微調整移動かつ固定可能な第2の調心
面板と、前記中心軸の回りに回動する第3の方向に微少
回動可能かつ固定可能な第3の調心面板とにより構成す
ることにより、前記中心軸位置と該中心軸回りの角度位
置とをそれぞれ微調整可能かつ固定可能にして、前記調
心面板を微調整して固定することにより前記可動金型を
固定金型に微調整調芯して固定すること特徴とする。
【0014】また、請求項5に係る射出成形機の金型取
付装置は、請求項4に記載の金型取付装置において、前
記第1の方向にのみ前記第1の調心面板を微調整移動可
能に案内する案内装置と第1の方向に対してのみ位置決
めする調心装置とにより前記第1の調心面板が前記可動
プラテン上で保持され、前記第2の方向にのみ前記第2
の調心面板を微調整移動可能に案内する案内装置と第2
の方向に対してのみ位置決めする調心装置とにより前記
第2の調心面板が前記第1の調心面板上で保持され、前
記第3の方向にのみ前記第3の調心面板を微調整回動可
能に支持する軸部材と前記中心軸回りの角度位置を位置
決めする回転方向調心装置とにより前記第3の調心面板
が前記第2の調心面板上で微調整回動可能に保持される
ことを特徴とする。
【0015】また、請求項6に係る射出成形機の金型取
付装置は、請求項3ないし請求項5の何れかに記載の金
型取付装置において、前記調心面板の前記直交2方向の
それぞれの微調整移動位置および前記中心軸回りの微少
回動角度位置がそれぞれの方向に配置した位置表示装置
により定量的に表示可能であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る射出成形機の
金型取付装置の好適な実施形態について添付図面を参照
しながら詳細に説明する。本発明の金型取付装置は、可
動金型を取り付ける調心面板を、可動プラテン上で金型
中心軸に対して直交する平面上の直交2方向と回動方向
に微調整可能に、かつこの微調整した位置で固定手段に
よって固定可能なものにして、あらかじめ金型の位置決
め装置によって中心軸が一致している固定金型と可動金
型との一組を型締装置に固定した後であっても、その中
心軸を再度微調整調芯して固定できるようにするもので
ある。
【0017】図1ないし図9を用いて本発明の第1実施
形態に係る射出成形機の金型取付装置を説明する。この
第1実施形態では、金型取付装置が、横形の型締装置に
搭載された例が示されている。図1は第1ないし第3調
心面板を有する金型取付装置と金型とが型締装置に取り
付けられている状態を一部断面にして示す側面図、図2
は図1を図中右側A−A線より見た第1微調整機構の正
面図、図3は第1ないし第3調心面板を仮止め固定する
仮止めボルト4の締め付け状態を示す断面図である。図
4は調心面板をガイド部材に対して微調整可能に押圧す
るばね付きの押しボルトの取付状態を示す断面図、図5
は同じく調心面板位置を微調整位置決めする押しボルト
の取付状態を示す断面図である。図6は図1を図中B−
B線右側より見た第2微調整機構の正面図、図7は可動
金型を取り付ける第3の調心面板を図1の図中右側より
見た正面図、図8は第1ないし第3の調心面板の固定用
ロックボルトの締め付け状態を示す断面図、図9は位置
表示装置の詳細断面図である。
【0018】型締装置は、図1のように固定プラテン1
と可動プラテン2とを備え、可動プラテン2がタイバー
3に案内されて図示省略した型締装置によって固定プラ
テン1に対して開閉し、締め付けられるようになってい
る。金型10は、成形品によっていろいろな構成のもの
が使用されるが、もっとも単純な2プレート、すなわち
固定金型11と可動金型12とを有するものが例示され
ている。固定金型11は、ロケートリング15を有する
固定金型取付板13に取り付けられ、可動金型12は、
図示省略した可動金型取付板に取り付けられ、これらが
取付板によってプラテン2に取り付けられる。金型位置
決め手段20は、ガイドピン21とガイドブッシュ22
とで構成され、これによって固定金型11と可動金型1
2とが芯出しされる。型閉じされた可動金型12と固定
金型11との間には、図示されないキャビティが形成さ
れており、このキャビティに溶融樹脂が図示省略した射
出装置からスプールブッシュ16を経て、充填される。
そして冷却された成形品が型開き後に、図示されないエ
ジェクタによって突き出される。
【0019】可動プラテン2と可動金型12との間に
は、3枚の調心面板を含む第1ないし第3の微調整機構
30が設けられている。本発明の第1実施形態に係る金
型取付装置は、この微調整機構30からなるものであ
る。この微調整機構30は、可動プラテン2側より第
1、第2、第3微調整機構31,32,33を積層した
構成となっており、第1微調整機構31は第1の方向と
しての水平方向の微調整を行い、第2微調整機構32は
第2の方向としての垂直方向の微調整を行い、第3微調
整機構33は第3の方向としての回転方向の微調整を行
うことにより可動金型を調心可能にしている。
【0020】なお、この実施形態においては、第1の方
向として水平方向の微調整を行い、第2の方向として垂
直方向の微調整を行うものとして説明するが、第1の方
向が垂直方向で、第2の方向が水平方向であっても、何
の問題もなく調心面板の微調整を行うことができる。ま
た、この実施形態では、横形型締装置に適用される微調
整機構について説明したが、後述する第3実施形態に係
る金型取付装置のように竪形型締装置であっても適用可
能である。竪形型締装置の場合、第1および第2の方向
は鉛直方向の中心軸に直交する水平面上の互いに直交す
る任意の2方向であれば良い。
【0021】第1微調整機構31は、図2に示すよう
に、水平方向の微調整を可能とするものであり、第1の
調心面板310と、その両側に配置される保持部材31
2,313と、第1の方向の案内装置としてのキー31
4,315と、同じく第1の方向の第1調心装置40,
第2調心装置50,位置表示装置60と備えている。第
1の調心面板310は4隅が切り欠かれた板材で、タイ
バー3の存在する領域を除いてできるだけ可動プラテン
2の全面を覆うように形成されている。この調心面板3
10には、仮止めの際に図3に示した仮止め用の六角穴
付きショルダボルト4を挿通する孔31aが、可動金型
12(2点鎖線で図示)の取付後はこれに覆われてしま
うことが多い範囲に4箇所設けられている。また、調心
面板310の金型取付範囲を外れた箇所には後述する図
8により説明する調心面板を固定する固定手段としての
ロックボルト6が挿通される4つの孔31bが穿設され
ている。これらの穴は、ここに挿通されるボルト6と隙
間0.5mm程度を有して、調心面板が移動可能になっ
ている。さらに、第1の調心面板310の略々中央に
は、エジェクタロッドが進退する孔311が形成されて
いる。符号317は後述する第2微調整機構のガイド部
材322および323を固定する4つの取付ボルトのた
めの雌ねじ孔である。
【0022】調心面板310の保持部材312および3
13に対する位置の微調整について説明する。保持部材
313と調心面板310の間には第1調心装置40が設
けられ、保持部材312と調心面板310の間には第2
調心装置50が設けられ、また何れかの保持部材には位
置表示装置60が設けられている。図2に示された第1
実施形態においては、左側の保持部材312側に表示装
置60が設けられている。第1の微調整機構31におけ
る第1の調心面板310と両側のガイド部材312およ
び313とのそれぞれの間隙は、調芯されたときに0.
5mm程度になるように設定されている。
【0023】第1調心装置40は、図4に示すように、
可動プラテン2に固定された保持部材313の側端部か
ら調心面板310方向にねじ込まれた押しボルト41
と、ロックナット43と、座板45と、圧縮ばね46と
により構成されており、この押しボルト41は、六角ま
たは六角穴付きの頭部41aと、ねじ切りされた軸部4
1bとからなり、軸部41bの先は、保持部材313に
形成された座繰り穴44内に挿通されている。この座繰
り穴44内には、座板45と圧縮ばね46とが設けら
れ、押しボルト41の頭部41aを回して回転調整する
ことにより座板45の位置が調整されて、座板45と調
心面板310の端面との間に挟まれた圧縮ばね46によ
り、調心面板310は常に保持部材312方向に付勢さ
れる。
【0024】図5に示すように、第2調心装置50は、
図1の可動プラテン2に固定された保持部材312にね
じ込まれて貫通する押しボルト51とロックナット53
とにより構成されており、この押しボルト51は、押し
ボルト41と同様に、軸部51bの先端が調心面板31
0の端面を保持部材313方向に押し付けて位置決めす
る。なお、第1および第2調心装置40および50は、
水平方向の調心微調整を行っている本第1実施形態にお
いては、左右それぞれ逆に配置されても何ら問題はな
い。
【0025】この水平方向の調心微調整は、まず押しボ
ルト51のねじ込み量を調整して、ガイド部材312と
調心面板310との隙間を所定の隙間、例えば0.5m
mにした後、押しボルト41のねじ込み量を調整して圧
縮ばねの付勢力を調整することによって行われる。ボル
ト41、51のねじ込み量が調整された後ロックナット
43,53が締め付けられる。一旦、調芯が完了する
と、その後の調心面板320の微調整位置決めは、押し
ボルト51を回転調整するだけで済む。こうして調心面
板310の位置が微調整調芯されたときに位置表示装置
60の目盛り等が0になるように調整されるが、位置表
示装置60の詳細な構成については図9を用いて後述す
る。
【0026】次に、直交2軸方向のもう一方の方向、す
なわち、第2の方向、本第1実施形態においては垂直方
向の調心微調整を行うための第2微調整機構32の構成
について図6を用いて説明する。図6の第2微調整機構
32の背後側には上述した第1微調整機構31が設けら
れ、手前側には後述する図7の第3微調整機構33が設
けられる。第2微調整機構32は、第1微調整機構31
を時計回りに90度回転させたような構成となってい
る。この第2微調整機構32は、微調整移動可能な第2
調心面板320と、調心面板320の上下に固定される
保持部材322,323と、第2方向の案内装置である
キー324,325と、第1調心装置40と、第2調心
装置50と、位置表示装置60とを備えている。
【0027】第2調心面板320は、第1調心面板31
0と同様の板状体で、その中心には第1微調整機構31
の調心面板310の中心に穿設されていた孔311に対
応する孔321が穿設されている。この孔321には筒
状軸部材326が挿嵌され、後に詳述する第3微調整機
構33の第3の調心面板330の厚みに略等しい長さだ
け手前側に突き出している。そして、その内径は孔31
1の直径に略一致している。調心面板320には、仮止
めボルト4が挿通される孔32aが、第1調心面板31
0の孔31aの位置に一致する位置に4箇所設けられて
いる。同様に、調心面板320には第1調心面板310
の孔31bの位置に一致する位置にロックボルト6が挿
通される4つの孔32bが穿設されている。これらの孔
も第1調心面板310の孔と同様に、ここに挿通される
ボルトとの隙間0.5mm程度を有しており、調心面板
の移動が可能になっている。符号327は後述する回転
方向調心装置70を固定するための4つの取付ボルト用
の雌ねじ孔である。
【0028】第2微調整機構32の調心面板320と保
持部材322および323との間には、第1微調整機構
31と同様に、調心面板320が調芯されたときそれぞ
れ0.5mm程度になる隙間が設けられている。調心面
板320と両保持部材322および323のそれぞれの
間には、図3のキー314および315と同様の構成を
有するキー324および325よりなる案内装置が設け
られている。上側の保持部材322には、図4に示され
たばね付きの押しボルトよりなる第1調心装置40が設
けられている。また、下側の保持部材323には、図5
に示された押しボルトよりなる第2調心装置50が設け
られている。これら第1および第2調心装置40および
50の構成については、図3ないし図5の第1微調整機
構31で説明した構成と同様であるので、重複説明は避
けるが、特に横型型締装置に適用する場合、垂直方向の
微調整を行う第2微調整機構32においては、調心面板
320の荷重が下方側に働くので、第1調心装置40を
上側の保持部材322に取付け、荷重が加わる下側の保
持部材323には、ばねのない第2調心装置50を取り
付ける。このように構成することによって、下側の押し
ボルト51を回転調整するだけで、調心面板320の位
置を微調整して位置決めできる。
【0029】最後に、回転方向の調心微調整を行う第3
微調整機構33について、図7を用いて説明する。図7
に示すように、第3微調整機構33は、第3の調心面板
330と、調整部材72,73と、第1調心装置40、
第2調心装置50と、位置表示装置手段60とを備えて
いる。第3調心面板330は、可動金型を取り付けるた
めの面板で、可動金型12が取り付くように、タイバー
と干渉する部分を除きできるだけ大きな寸法に形成され
た板状体で、金型取付用の雌ねじ穴337が所定の間隔
で設けられている。また、第3調心面板330の中心に
は、第2調心面板320の孔321と等しい径で連通す
る孔331が穿設されており、第3調心面板330が第
2調心面板320の筒状軸部材326に装着されること
によって第3調心面板330が第2調心面板320の中
心軸回りに回動する。
【0030】この調心面板330の一側面には、突出部
334が設けられており、この突出部334の上下に
は、上記中心軸回りの回転角度を微調整する回転方向調
心装置70が取り付けられている。なお、回転方向調心
装置70については後述する。また、調心面板330の
中心孔331を取り囲む4隅には、座繰り孔33aが、
第2調心面板320の孔32aの位置と一致する位置に
4つ設けられており、この座繰り孔33aに仮止め用の
六角穴付きショルダボルト4が挿入される。
【0031】このショルダボルト4は、図3に示すよう
に、ねじ加工のない所定の長さの軸部を有し、各調心面
板310,320,330が積層されて可動プラテンに
取り付けられるときこれらを相対移動可能に取り付ける
ものである。すなわちショルダボルト4の可動プラテン
2から突き出された軸部の長さが一定であるから、ばね
座金5が所定の締め代で締め付けられて、各調心面板3
10,320,330が所定圧力で押圧される。これに
より、各調心面板が所定の力で相対移動できるようにな
る。そして、既に説明したように、3枚の調心面板31
0,320,330には仮止めボルト4のボルト径に対
して充分大きい孔径のボルト孔31a,32a,33a
が穿設されているので、仮止めボルト4が挿入されてい
ても3枚の調心面板310,320,330が可動プラ
テン2に対してそれぞれの方向に移動が許容される。ま
た、仮止めボルト4の頭は、第3調心面板330の座繰
り孔33aに挿入された後に、可動金型12により表面
側が覆われてしまうが、座繰り孔33aに収容される。
【0032】調心面板330の金型12が取り付けられ
る範囲を外れる部分には、微調整が終了した時点で3枚
の調心面板310、320,330を固定するためのロ
ックボルト6用の孔33bが、第2調心面板320の孔
32bの位置に一致する位置に4ヶ所に穿設されてい
る。ロックボルト6は、図8に示すようなリーマボルト
が好ましい。該ロックボルト6を座金7およびそれぞれ
の調心面板の孔31b,32b,33bに挿通させて可
動プラテン2のねじ孔に螺合させることにより、3枚の
調心面板を可動プラテン2に固定する。これら孔も挿通
されるボルトとの隙間が0.5mm程度になっているの
で、微調整移動の際に挿通されるボルトと干渉しないよ
うになっている。
【0033】回転方向調心装置70は、第3微調整機構
33における第3の調心面板330の側壁より突出した
突出部334と、この突出部334の上下両側に、調芯
されたときに0.5mm程度になる間隙を有して対向し
て設けられる2つの調整部材72,73と、回転方向微
調整位置決め用の第1調心装置40および第2調心装置
50とからなる。2つの調整部材72,73は、第2調
心面板320に取付ボルト74によって固定される。上
側の調整部材72には、図4を用いて説明したばね付き
押しボルトよりなる第1調心装置40と同様なものが取
り付けられ、下側の調整部材73には、図5を用いて説
明した押しボルトよりなる第2調心装置50と同様なも
のが取り付けられている。
【0034】第3調心面板330の回転方向の調心微調
整を行うときには、予め第1調心装置40の押しボルト
を弛めておき、第2調心装置50の押しボルト51のね
じ込み量を調整することにより調心面板330の突出部
334を上下に移動して、突出部334とブロック部材
73との隙間を0.5mmに調整する。次に、第1調心
装置40の押しボルト4をねじ込んでばねによる付勢力
を調整する。例えば、第2調心装置50の押しボルト5
1の頭部51aを右に回転させると軸部51bは上に進
み、第3調心面板330は、中心を回転自在に止めてい
る筒状軸部材323を回転中心として時計回りに微回動
する。逆に、押しボルト頭部51を左回転させると軸部
52の先端は下に下がり、第1調心装置40の押しボル
トのばねにより付勢されて突出部334が下方に押され
て突出部334は筒状軸部材326を回転中心として反
時計回りに微回動する。このようにして回転方向の調芯
が行われた後、ロックナット43、53を締め付けるこ
とによって第3調心面板330の角度位置が固定され
る。
【0035】第1ないし第3調心面板310,320,
330の微調整量は、図1,図2,図6および図7に示
すような位置表示装置60を設けておくことにより、定
量的に、かつより高精度に調整することが可能となる。
この位置表示装置60は、図9に示すように、各調心面
板の微調整する方向に平行に、それぞれ設けられる同一
構成のものであり、図9でその代表例として第1微調整
機構31に設けられた位置表示装置60を示している。
この位置表示装置60は、例えばダイヤルゲージ61等
の測長器が好適である。可動プラテン2側に固定するブ
ラケットとして用いられる横方向保持部材312に、ダ
イヤルゲージ61の測定子63が調心面板31の端面に
当接するように配置され、第1調心面板310の可動プ
ラテン2に対する位置が表示部に表示されるようになっ
ている。
【0036】ダイヤルゲージ61は、最小目盛りが1ま
たは2μm程度、最大目盛りが±0.5mm程度のもの
が好適である。そして、上記調心面板310,320と
各保持部材312,322との隙間、あるいは第3調心
面板330の突出部334と調整部材72との隙間が例
示のように0.5mmに調整されるときに、ダイヤルゲ
ージ61はその目盛りが0を示すように調整され、セッ
トボルト64によって固定される。したがって、微調整
代は±0.5mmとなる。この範囲を超える隙間の位置
に上記調心面板がある場合には、当然その位置が計測さ
れないが、本発明の目的とするところは、精密な金型位
置の調整にあるから±0.5mmの測定ができれば充分
である。なお、上記調心面板を保持部材の間に最初にセ
ットするときに組み立てが容易になるように、上記の隙
間0.5mmを最大1mm程度の隙間にすることもでき
るが、このときには、上記隙間1mmとなる位置で目盛
りが0を示すように調整され、その位置を基準に±0.
5mm程度の範囲の位置が計測されればよい。また、位
置表示装置60が本型締装置に備えられていない場合に
は、手持ちのダイヤルゲージを可動プラテン2に取り付
けて、第1ないし第3の調心面板310,320,33
0あるいは可動金型12の位置を確認する。
【0037】次に、上述した構成の金型取付装置の取付
け調整手順について説明する。第1調心面板310は、
最初に可動プラテン2に固定された横方向保持部材31
2,313とキー314,315とによって可動プラテ
ン2上で支持される。第2調心面板320は、先に第1
調心面板310に固定されている縦方向ガイド部材32
2,323とキー324,325とによって第1調心面
板310上で支持される。さらに、第3調心面板330
は、その突出部334が予め第2調心面板320に固定
されている調整部材72または73の間に位置した状態
で、筒状軸部材326に中心位置に挿入され、第2調心
面板320上に支持され、仮止めボルト4によってこれ
らの面板が固定プラテン2に仮止めされる。次に、3枚
の調心面板310〜330は、それぞれの位置表示装置
60の指示目盛りが0を示した状態になるように、すな
わち各調心面板がガイド部材や調整部材との隙間が0.
5mmになるように、各調心装置の押しボルト51によ
ってそれらの位置が微調整されて調芯がなされ、この状
態でロックボルト6によって固定される。
【0038】このようにして、3枚の調心面板がそれぞ
れの方向に芯出しされて可動プラテン2に組み込まれた
ときに、これらの中心がプラテン中心と一致するよう
に、金型取付装置の各構成部材の形状や寸法は、あらか
じめ所定の公差内に収まるように形成されている。
【0039】上記手順について補足すると、位置表示装
置60については、各調心面板が芯出しされたときに、
ダイヤルゲージ61の表示が0となるように、予めゲー
ジの取付位置が治具により次のように調整されている。
具体的には、図9に示すように、位置表示装置60の測
定子63の先端と治具の当たり面との間隔が、前記所定
の間隔(0.5mm)になっているときにゲージが0を
表示する位置で、ゲージの取付部(ステム)をセットボ
ルト64により固定する。このステムに段差部があれ
ば、ステムが保持部材や調整部材の取付孔に挿入された
ときにカラースペーサ(短管)等を介装して位置決めさ
れるようにして、上記治具なしで位置決めされるように
しても良い。上記準備は1度行えば2回目は通常不要で
ある。
【0040】また、縦方向調心面板320の保持部材3
22,323は、横方向の第1調心面板310に、ま
た、回転方向調心面板330の調整部材72,73は、
縦方向調心面板320に、予め治具によって位置調整さ
れた状態で取付ボルトによって取り付けておくものとす
る。
【0041】こうして金型取付装置の芯出しが終了す
る。次に、この金型取付装置に、1組の金型10が取り
付けられる手順を説明する。金型10は、あらかじめ固
定金型11と可動金型12とが閉じられた状態で仮に固
定され、金型位置決め装置20によって両者の芯が合わ
されている。そこで、閉じられた固定金型11側のロケ
ートリング15を固定プラテン1のロケートリング穴に
合わせて金型10をプラテンに対して芯出しして固定金
型を固定プラテンに取り付ける。次に、この状態で型閉
じして、可動金型12側をその位置で第3調心面板33
0に取り付け、可動金型12と固定金型11の固定を解
除する。
【0042】次に、成形開始後の芯出し微調整について
説明する。以上のように調芯した後に実際の成形を行
い、金型10やプラテン1,2等の温度が一応安定した
時点で成形品をサンプリングする。そして成形品の芯ず
れ状態を検査する。このとき、修正されるべき芯ずれ量
が中心軸に直交する平面上の直交2方向と、中心軸回り
の回転方向のそれぞれについて求められる。その結果、
上記3方向の少なくとも1方向に数μmの芯ずれがある
場合には、微調整機構30の固定用ロックボルト6を弛
め、該当する方向の芯ずれ方向に押しボルト51の押し
込み量を微調整する。このとき、ダイヤルゲージ61の
目盛りを見ながら調整量を確認する。他の2方向につい
ても必要があれば同様な調整を行う。
【0043】このようにして、本発明に係る射出成形機
の金型取付装置によれば、金型の芯出しを直交2軸方
向、回転方向それぞれにおいて独立に調整できるととも
に、μmの微小な単位で定量的に正確に微調整すること
ができる。連続成形運転を開始してから後にも、所定の
ショット数毎に成型品を検査し、微調整の必要があれば
押しボルト51で同様に微調整を容易にしかも正確に行
うことができる。
【0044】特に、3枚の調心面板からなるそれぞれ3
方向に独立に調心する3層の微調整機構においては、そ
れぞれの微調整機構が1方向のみのものであるから、そ
の移動の直進性や、直交する2方向の直角度が正確であ
ることはもちろんのこと、製作や調整も簡単であるとい
う特有の効果を奏する。
【0045】次に、本発明の第2実施形態に係る射出成
形機の金型取付装置について図10ないし図12を参照
しながら説明する。第2実施形態に係る金型取付装置
は、図1に示す第1実施形態に係る金型取付装置におけ
る第1および第2の取付面板310,320を1枚のX
Y方向調心面板350より構成し、この調心面板350
に第1および第2微調整機構を取付けて、中心軸に直交
する平面上の直交する2方向の調芯の微調整をそれぞれ
行えるようにしたものである。
【0046】図10において、第2実施形態に係る金型
取付装置は、可動プラテン2に取り付けられたXY方向
微調整機構35と、このXY方向微調整機構35に取り
付けられた回転方向微調整機構33とよりなる微調整機
構34を備えている。図10において、図1と同一符号
を付したものは同一若しくは相当する構成要素を示すも
のとして重複説明を省略する。
【0047】図11は、第2実施形態におけるXY方向
微調整機構35および調心面板350の詳細な構成を示
す正面図であり、調心面板350の両側にはXY方向調
心面板350をX方向に微調整位置決めするX方向微調
整機構35Aが設けられている。このX方向微調整機構
35Aは、図3に示す微調整機構31に相当するもの
で、調心面板350の両側に保持部材312,313相
当部材を有している。XY方向調心面板350の上下に
は調心面板350をY方向に微調整するY方向微調整機
構35Bが設けられている。Y方向微調整機構35Bは
図6に示される微調整機構32に相当している。
【0048】ただし、1枚の面板によりXY2方向の調
心微調整を行うために、上下の保持部材322,323
相当部材の両側に固定部材351〜354が設けられ、
上の固定部材351,352と保持部材322との間に
はX方向への調心面板350の移動を許容し他の方向へ
の移動を規制する案内装置としてのガイドピン355が
それぞれ設けられている。また、下側の固定部材35
3,354と保持部材323との間にもX方向のガイド
ピン356がそれぞれ設けられている。したがって、保
持部材312,313相当部材には、キー314,31
5が不要である。それぞれの方向の調心を行う第1,第
2の調心装置40,50、並びに調心面板350のX方
向およびY方向の位置を表示する位置表示装置60の構
成は第1実施形態と同様であるので、同一符号を付し重
複説明を省略する。
【0049】図12に示す回転方向調心面板330の構
成および動作は、図7に示した第1実施形態における第
3の調心面板330と略々同一である。回転方向微調整
機構70の調心装置50のボルト51の頭部51aを回
転調整することにより筒状軸部材326を回転中心とし
て回転方向の微調整を行うことができる。以上のように
して、調心面板を2枚としてもXY方向の調心微調整と
回転方向の調心微調整とを行うことができる。
【0050】本発明は、調心面板が前記直交2方向と回
転方向を含む3つの方向で微調成可能に構成することが
できれば、調心面板の枚数が第1実施形態の金型取付装
置のように3枚である必要はなく、第2実施形態のよう
に2枚であっても本発明を実施できることを明らかにし
ている。また、この変形例としては、調心面板は回転方
向の1枚とすることもできる。
【0051】この変形例の場合、プラテンそのものに、
前記直交2方向の微調整可能な第1および第2微調整機
構を直接取り付けて、1枚の調心面板に回転方向の微調
整機構のみを取り付けるように構成しても、本発明の所
期の目的は達成することができる。また、この変形例と
しては、前記直交2方向のうち第1の方向の微調整を行
う第1の微調整機構を可動プラテン12に設け、第2方
向の微調整を行う第2微調整機構を第1の調心面板に設
け、回転方向の調芯の微調整を行う回転方向微調整機構
を第2の調心面板に設けるようにしても良い。このよう
な変形例は、図1を参照すれば容易に推察できる構成で
あるので、図示説明は省略する。
【0052】上記第1,第2実施形態およびその変形例
に係る金型取付装置は、横形型締装置に取り付ける金型
取付装置についての例であったが、本発明はこれにも限
定されず、竪形型締装置に取り付ける金型取付装置につ
いても本発明を適用することができる。この第3実施形
態に係る金型取付装置は図13に示されており、具体的
には図1に示す第1ないし第3微調整機構31,32,
33が取り付けられた第1ないし第3調心面板310,
320,330を、図1を紙面上で90度左回転させた
形状とすれば、第3実施形態に係る金型取付装置とな
る。したがって、この第3実施形態に係る金型取付装置
は、金型の中心軸は鉛直方向に延在しており、これに直
交する平面は水平面ということになる。したがって、こ
の仮想の水平面上の直交する任意の2方向が第1および
第2の方向であり、第3の方向は前記金型の中心軸を回
転中心とした水平面上の回転方向ということになる。
【0053】このような第3実施形態に係る金型取付装
置によれば、調心面板がプラテン上に載置されるので、
仮止めボルト4を省略することもできる。また、第2の
微調整機構32の説明にもあるように、ばね無しの第2
の調心装置50を必ず下側に配置する必要がないので、
ボルト51を操作のし易い方向に自由に配置できるとい
う特有の効果を有している。
【0054】このようにして、本発明に係る射出成形機
の金型取付装置によれば、金型の芯出しを、直交2軸方
向、回転方向それぞれにおいて独立に調整できるととも
に、μmの微小な単位で定量的に正確に微調整すること
ができる。連続成形運転を開始してから後にも、所定の
ショット回数毎に成形品を検査し、微調整の必要があれ
ば押しボルト51で同様に微調整を行うことができる。
この場合でも、微調整を正確にかつ容易に行うことがで
きる。このうようにして、本発明に係る射出成形機の金
型取付装置によれば、金型の芯出し量をμmの微小な単
位で正確に微調整することができる。
【0055】以上説明した金型取付装置は、竪形型締装
置においてもそのまま採用できる。また、第1、第2の
微調整機構の案内装置は、キーによるものを紹介した
が、これに限定する必要がない。キーに代わってピン状
の部材を調心面板に用意して、これが案内されるように
しても良い。また、保持部材に対して、その長手方向に
直角な方向に案内するのではなく平行方向に調心面板を
案内するように配置し、調心装置がその移動方向に対向
して別途配置されるようにしても良い。このように、本
発明は同一の技術思想に基づく種々の実施形態が提案可
能である。
【0056】
【発明の効果】以上の本発明の金型取付装置によれば、
可動金型を取り付ける金型取付装置を3方向それぞれに
微調整が可能な微調整機構として構成したので、可動金
型を固定金型に合わせてそれぞれの方向に微調整芯出し
することができ、精密な成形が求められる成形品の形状
精度に応じてその芯出し作業を迅速に、かつ的確に行う
ことができる。
【0057】また、調心用の微調整機構を第1ないし第
3の3枚の調心面板により独立に調整可能に構成してい
るので、直交2軸方向および回転方向の3方向それぞれ
について、より確実にかつ個別に微調整を行うことがで
き、精密成形において困難な課題であった微細な不特定
方向への芯出し修正作業をより合理的に、かつ、精緻に
進めることができる。また、微調整された金型を長時間
に使用する場合に熱変形等の影響による狂いが生じて
も、その狂いが発生した方向を特定して修正することが
できるので、芯出し作業を迅速に、かつ正確に修正する
ことができる。
【0058】また、微調整機構を構成する第1ないし第
3調心面板のそれぞれに微調整量を測定して表示する位
置表示装置を設けるようにしたので、勘や経験のみに頼
ることなく定量的な修正代に基づいて該当する方向の微
調整を行うことができ、作業の容易性と結果の正確性を
確保することができるという優れた効果を奏する。
【0059】また、特に横形型締装置のための金型取付
装置では、金型取付装置の垂直方向の微調整機構が上側
にばねを有する第1調心装置を、下側にばねを有しない
第2調心装置を組み込んでいるので、下側に設けられた
第2調心装置の押しボルトを進退させるだけで、これが
調心面板の自重を直接支承しながら微調整を行い、鉛直
方向の位置の微調整を容易かつ簡便に行うことができ
る。また、水平方向および鉛直方向についても第2調心
装置の押しボルトを進退させるだけで、調心面板の微調
整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における第1ないし第3調心面板
を有する金型取付装置と金型とが型締装置に取り付けら
れている状態を一部断面にして示す側面図。
【図2】図1を図中右側A−A線より見た第1調心面板
の正面図。
【図3】第1〜第3調心面板を固定するロックボルトの
締付け状態を示す断面図。
【図4】ガイド部材を調心面板に微調整可能に取り付け
るばね付きの押しボルトの取付状態を示す断面図。
【図5】微調整用の押しボルトの取付状態を示す断面
図。
【図6】図1を図中右側B−B線より見た第2調心面板
の正面図。
【図7】可動金型仮止め前の第3の調心面板を図1の図
中右側より見た正面図。
【図8】可動金型の取付けにより隠れてしまう仮止めボ
ルトの締め付け状態を示す断面図。
【図9】位置表示装置位置表示手段の取付状態を示す詳
細断面図。
【図10】第2実施形態に係る射出成形機の金型取付装
置の一部断面側面図。
【図11】第2実施形態のXY方向調心面板の詳細構成
を示す正面図。
【図12】第2実施形態の回転方向調心面板を示す正面
図。
【図13】第3実施形態に係る竪形型締め装置の構成を
示す一部断面側面図。
【符号の説明】
2 可動プラテン 10 金型 11 固定金型 12 可動金型 20 金型位置決め手段 30 金型取付装置(微調整機構) 31 第1微調整機構 310 第1の調心面板 32 第2微調整機構 320 第2の調心面板 33 第3微調整機構 330 第3の調心面板(回転方向調心面板) 34 微調整機構 35 XY方向微調整機構 350 XY方向調心面板 40 第1調心装置(ばね付き押しボルト) 50 第2調心装置(押しボルト) 60 位置表示装置 70 回転方向調心装置 72,73 調整部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動金型が取り付けられる調心面板を備え
    て該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる
    射出成形機の金型取付装置において、 前記調心面板を、前記中心軸に直交する平面上の直交2
    方向に微調整移動可能にかつ固定可能にするとともに前
    記中心軸の回りに微少回動可能にかつ固定可能にするこ
    とにより、前記中心軸位置と該中心軸回りの角度位置と
    をそれぞれ微調整可能にかつ固定可能にして、前記調心
    面板位置を微調整して固定することによって前記可動金
    型を固定金型に微調整調芯し固定することを特徴とする
    射出成形機の金型取付装置。
  2. 【請求項2】可動金型が取り付けられる調心面板を備え
    て該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる
    射出成形機の金型取付装置において、 前記調心面板を前記中心軸に直交する平面上の直交2方
    向にそれぞれ微調整可能かつ固定可能にするとともに中
    心軸の回りに微少回動可能かつ固定可能にし、さらに加
    えて前記直交2方向のそれぞれの方向への微調整移動位
    置および前記前記中心軸の回りの微少回動位置をそれぞ
    れ表示する位置表示装置を備えることにより、前記中心
    軸位置と該中心軸回りの角度位置とをそれぞれ微調整可
    能、表示可能、かつ固定可能にして、前記調心面板を定
    量的に微調整して固定することによって前記可動金型を
    固定金型に定量的に調芯し固定することを特徴とする射
    出成形機の金型取付装置。
  3. 【請求項3】可動金型が取り付けられる調心面板を備え
    て該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる
    射出成形機の金型取付装置において、 前記調心面板を、前記中心軸に直交する平面上の直交2
    方向のそれぞれに微調整移動可能かつ固定可能な2方向
    調心面板と、前記中心軸回りに回動する方向に微少回動
    可能かつ固定可能な回転方向調心面板とにより構成する
    ことによって、前記中心軸位置と該中心軸回りの角度位
    置とをそれぞれ微調整可能かつ固定可能にして、前記調
    心面板を微調整して固定することによって前記可動金型
    を固定金型に微調整調芯して固定することを特徴とする
    射出成形機の金型取付装置。
  4. 【請求項4】可動金型が取り付けられる調心面板を備え
    て該可動金型の中心軸を固定金型の中心軸に一致させる
    射出成形機の金型取付装置において、 前記調心面板を、前記中心軸に直交する平面上の直交2
    方向のうちの一方の方向である第1の方向に微調整移動
    可能かつ固定可能な第1の調心面板と、前記直交2方向
    のうちの他の方向である第2の方向に微調整移動かつ固
    定可能な第2の調心面板と、前記中心軸の回りに回動す
    る第3の方向に微少回動可能かつ固定可能な第3の調心
    面板とにより構成することによって、前記中心軸位置と
    該中心軸回りの角度位置とをそれぞれ微調整可能かつ固
    定可能にして、前記調心面板を微調整して固定すること
    により前記可動金型を固定金型に微調整調芯して固定す
    ること特徴とする射出成形機の金型取付装置。
  5. 【請求項5】前記第1の方向にのみ前記第1の調心面板
    を微調整移動可能に案内する案内装置と第1の方向に対
    してのみ位置決めする調心装置とにより前記第1の調心
    面板が前記可動プラテン上で保持され、前記第2の方向
    にのみ前記第2の調心面板を微調整移動可能に案内する
    案内装置と第2の方向に対してのみ位置決めする調心装
    置とにより前記第2の調心面板が前記第1の調心面板上
    で保持され、前記第3の方向にのみ前記第3の調心面板
    を微調整回動可能に支持する軸部材と前記中心軸回りの
    角度位置を位置決めする回転方向調心装置とにより前記
    第3の調心面板が前記第2の調心面板上で微調整回動可
    能に保持されることを特徴とする請求項4に記載の射出
    成形機の金型取付装置。
  6. 【請求項6】前記調心面板の前記直交2方向のそれぞれ
    の微調整移動位置および前記中心軸回りの微少回動角度
    位置がそれぞれの方向に配置した位置表示装置により定
    量的に表示可能であることを特徴とする請求項3ないし
    請求項5の何れかに記載の射出成形機の金型取付装置。
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