JP2001046492A - 医療用チューブ - Google Patents

医療用チューブ

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JP2001046492A
JP2001046492A JP11225861A JP22586199A JP2001046492A JP 2001046492 A JP2001046492 A JP 2001046492A JP 11225861 A JP11225861 A JP 11225861A JP 22586199 A JP22586199 A JP 22586199A JP 2001046492 A JP2001046492 A JP 2001046492A
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tube
kink resistance
loss tangent
catheter
sufficient
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Ryuichi Urakawa
隆一 浦川
Toru Kawashima
徹 川島
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐キンク性を有しかつ挿入時に十分にコ
シが強い医療用チューブを提供する。 【解決手段】縦振動での動的粘弾性測定において、25
℃における貯蔵弾性率が1.0〜1.5GPaかつ損失
正接が0.10以上であり、37℃における貯蔵弾性率
が0.50〜0.80GPaかつ損失正接が0.10以
上である高分子材料からなる医療用チューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用チューブ、
特に留置カテーテルに関する。詳しくは、動物、特に人
の体内への輸液・薬液の注入や輸血、血液の採取および
血行動態のモニターなどの目的で血管内に挿入し留置し
て使用される留置カテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】輸液や輸血等に用いられる留置カテーテ
ルは、血管に留置可能なプラスチック等で形成されたチ
ューブであり、これを体内に挿入し留置した状態で輸液
バッグ等の輸液や薬液が収納された容器から延出したチ
ューブを接続したりして使用するものである。
【0003】主たる目的である輸液・薬液の注入を果た
すためには、カテーテルが体内に留置された部分及び体
外に露出した部分の流路の確保が重要であることから、
優れた耐キンク性がカテーテルに求められている。さら
に挿入時の操作性と、挿入時および留置後の血管壁や組
織への損傷を避けるためにはカテーテルは適切な弾性率
を有していることが望ましい。したがって、適切な弾性
率を有するカテーテルとしては挿入時は十分な剛性があ
り、留置後には柔軟化することが望ましい。しかしなが
ら、カテーテルは留置後に柔軟になりすぎる場合、カテ
ーテルのコシが無くなり閉塞してしまう恐れがあるの
で、流路を確保するためには柔らかくなりすぎず適切な
弾性率を維持し、チューブが閉塞しないことが望まれて
いる。
【0004】例えば、従来の留置カテーテルでは、カテ
ーテルの材質としてポリテトラフルオロエチレン,エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂
が主に用いられている。フッ素樹脂製カテーテルは、挿
入時は硬くてコシが強いため操作性に優れており血管確
保を行いやすいという利点があった。しかしながら、こ
れらのフッ素樹脂製カテーテルは血管留置後十分に柔軟
とはならない。またその留置中での剛性のために血管壁
を損傷する可能性があるばかりでなく、耐キンク性が十
分でないためカテーテルがキンクし輸液流路の確保に支
障をきたす恐れがある。
【0005】また、特開平6−210003にはカテー
テルのハブとの接合部に可撓性部を設けることによって
耐キンク性が良いカテーテルが開示されているが、これ
はカテーテル自体が耐キンク性を発現するものではな
く、カテーテルの基端部のみに可撓性部分が設けられて
いるに過ぎない。従ってカテーテル挿入に対する操作性
や体内に留置された後に患者が感じる違和感については
考慮されていない。
【0006】さらに、チューブがキンクした後の回復率
について特開平6−23034に開示されているが、チ
ューブがキンクに至るまでの抵抗性については触れられ
ておらず不十分なものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、体内へのカ
テーテルの挿入時、留置時において優れた耐キンク性を
有し、かつ挿入時の十分な剛性と、体内留置後の十分な
柔軟性を併せ持ち、留置操作に支障なく、血管や組織へ
の損傷のない医療用チューブを提供しようとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】留置カテーテルにおける
性能としては、挿入時の良好な耐キンク性と操作性を兼
ね備え、さらに留置後の十分な流路の確保や血管または
組織の損傷を抑えるために、挿入時から留置時において
カテーテルの弾性率が適度に変化し、かつそれぞれの状
態において耐キンク性を兼ね備えていることが要求され
る。
【0009】本発明者らは、この目的に対し鋭意研究の
結果、以下の(1)〜(2)によって耐キンク性を兼ね
備えたチューブ得られることを発見し、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち本発明は、 (1)縦振動での動的粘弾性測定において、25℃にお
ける貯蔵弾性率が1.0〜1.5GPaかつ損失正接が
0.10以上であり、37℃における貯蔵弾性率が0.
50〜0.80GPaかつ損失正接が0.10以上であ
る高分子材料からなる医療用チューブ。
【0011】(2)25℃乾燥状態及び37℃湿潤状態
での耐キンク性が10mm以上である(1)に記載の医
療用チューブ。
【0012】により達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の医療用チューブは、縦振
動での動的粘弾性測定において、25℃における貯蔵弾
性率が1.0〜1.5GPaかつ損失正接が0.10以
上であることを特徴とする。
【0014】すなわち、チューブの実使用温度域である
挿入時25℃(室温)での貯蔵弾性率は挿入時のチュー
ブの剛性を決定し、挿入時のチューブのコシを与えるも
のであり、チューブの操作性を大きく左右する。損失正
接の値は挿入操作時にチューブに加わる外力によって起
こるキンクに対する耐性を、また留置中においてチュー
ブが体外に露出している部分での患者が動くこと等によ
って生ずる外力によって起こるチューブのキンクに対す
る耐性を表す。
【0015】本発明の医療用チューブの貯蔵弾性率は
1.0〜1.5GPaであるのが好ましい。この範囲で
あれば挿入時に十分な剛性が得られ挿入操作が容易とな
る。しかし貯蔵弾性率が1.0GPa以下ではチューブ
は柔らかすぎコシがないため、挿入操作が困難となる。
また、貯蔵弾性率が1.5GPa以上ではチューブは硬
すぎ、挿入操作によって血管壁や組織に損傷を与える可
能性がある。
【0016】一方、本発明の医療用チューブの25℃に
おける損失正接は0.10以上が好ましい。0.10以
上であれば十分な耐キンク性を示す。しかし損失正接が
0.10未満であれば、チューブは外力によって降伏し
キンクを引き起こしやすく、挿入に支障を生じたり、流
路を閉塞したりする場合がある。
【0017】さらに、損失正接が0.40以上となると
材料によっては貯蔵弾性率が1.0GPa以下と小さく
なり、本発明が目的とするチューブとしては柔らかすぎ
る場合がある。その場合は、挿入時の剛性を引き出すた
めに、損失正接を0.10〜0.40、好ましくは0.
10〜0.30とするとよい。
【0018】本発明の医療用チューブは、さらに縦振動
での動的粘弾性測定において、37℃における貯蔵弾性
率が0.50〜0.80GPaかつ損失正接が0.10
以上であることを特徴とする。
【0019】すなわち、チューブの実使用温度域である
留置時37℃での貯蔵弾性率は留置中のチューブの適切
な柔軟性の範囲を表し、留置時の十分な流路の確保のた
めのチューブの形状維持の程度を決定する。損失正接は
体内留置時において患者が動くこと等によって生ずる外
力による屈曲や閉塞といったチューブの変形に対する耐
性を表す、即ちチューブにかかる外力による変形に対す
るねばりの程度を表している。前記の規定された範囲は
留置時に必要な範囲を示している。
【0020】本発明の医療用チューブの37℃における
貯蔵弾性率は0.50〜0.80GPaであるのが好ま
しい。この範囲であれば留置時に十分な剛性が得られ、
患者が大きな動きをしても流路が維持される。しかし貯
蔵弾性率が0.50Pa以下ではチューブが柔らかす
ぎ、円筒形状を維持することが困難となり組織等によっ
て圧迫され内腔が押しつぶされ十分な流路を維持できな
くなる恐れがある。また、貯蔵弾性率が0.80GPa
以上ではチューブは十分柔軟とならず、留置中に血管壁
や組織に損傷を与える可能性がある。
【0021】一方、本発明の医療用チューブの37℃に
おける損失正接は25℃の場合と同様に0.10以上が
好ましい。0.10以上であれば十分な耐キンク性を示
す。しかし0.10未満であればチューブはキンクを引
き起こしやすく流路を閉塞する場合がある。
【0022】さらに、損失正接が0.40以上となると
材料によっては貯蔵弾性率が0.5GPa以下と小さく
なり、本発明が目的とするチューブとしては柔らかすぎ
る場合がある。その場合は、体内での適切な柔軟性を引
き出すために、損失正接を0.10〜0.40とすると
よい。
【0023】本発明において、血管留置時に体内外で十
分な流路を安定して確保するために、使用される温度
域、25℃乾燥状態及び37℃湿潤状態において、耐キ
ンク性は10mm以上であることが好ましい。10mm
以下ではチューブは十分な耐キンク性を示さず、チュー
ブはキンクしやすいものとなる為、流路を閉塞してしま
い、それによって該チューブの目的たる薬液の注入を妨
げる恐れがある。またチューブのキンク部位が血管壁や
体内組織を圧迫し損傷を引き起こす可能性がある。
【0024】ここで、チューブのキンクはチューブに外
力が加わり、該チューブがそれに降伏して起こる現象
で、この時キンクしたチューブの外側では伸長が、内側
では圧縮が起こっている。高分子材料の動的粘弾性を測
定する方法にはねじり振動によるものがあるが、これで
は耐キンク性について評価できないため、チューブの長
手方向に伸長と圧縮を引き起こして測定する引っ張りで
の、即ち縦振動での動的粘弾性測定により評価するのが
好ましい。以下に本発明における動的粘弾性の測定法及
び耐キンク性評価方法について説明する。
【0025】(動的粘弾性の測定法)本発明におけるチ
ューブの縦振動による動的粘弾性測定は、動的粘弾性測
定装置としてアイティー計測制御社製 DVA−225
を用い、昇温法により、空気中、測定周波数10Hz、
昇温速度5℃/minの条件で行った。
【0026】(耐キンク性評価方法)体内留置時である
37℃での耐キンク性は、体内での外力によって生ずる
変形に対する耐性を再現するように湿潤状態のチューブ
を用いて測定した。25℃での耐キンク性および上述し
た動的粘弾性測定においては、チューブは水に接触する
前の乾燥状態のものを用いることとする。
【0027】耐キンク性は図2に示した圧縮試験機Aを
用いて測定する。圧縮試験機Aは、上部に設けられた上
下方向に一定速度で移動可能な把持具7と、下部に設け
られた固定された把持具7’とを備え、把持具7、7’
間に所定長に切断されたカテーテル6を配置し、軸方向
の圧縮試験を行い、カテーテルに掛かる荷重の変化をチ
ャート上に記録できるよう構成されている。この圧縮試
験機Aにより、サンプル長を25mmとしたカテーテル
6を試験速度50m/minで、室温(25℃乾燥状
態)および37℃温水に10分間浸漬後の湿潤状態(3
7℃湿潤状態)において以下のようにして測定する。
【0028】カテーテルを図2に示すように軸方向に圧
縮していくと、カテーテルに掛かる荷重が変化する。図
3はその荷重変化をチャートに示したものである。カテ
ーテルを軸方向に圧縮すると、カテーテルに掛かる荷重
が瞬時に増加するが、たわみ始めると荷重は低下する
[たわみ始め]。更に圧縮を続けるとカテーテルの内腔が
潰れて閉塞(即ちキンク)が始まり、荷重低下の変化が
大きくなりチャートに変曲点を生じる[キンク開始点]。
カテーテル内腔がほぼ閉塞すると同時に荷重はほぼ一定
となるが、この時にもチャートに変曲点を生じる[キン
ク点]。チャート上で、圧縮試験を開始した時点[始点]
からカテーテル内腔が閉塞する[キンク点]までを判定
し、この間移動した把持具7の移動距離9(mm)で耐
キンク性を表すものとする。
【0029】上述したチューブの押し込み法による耐キ
ンク性の測定では、長手方向の変形に対する耐性だけで
はなくチューブの曲がり強さに対しても評価することが
可能である。即ち、変形するにあたってチューブに加わ
った外力に対するねばりを評価できる。本発明のチュー
ブとして柔らかすぎるものでは、キンクした後チューブ
はもとの形状に回復し流路が確保できるものの、患者が
動くなどによって生ずる外力によって容易に変形しキン
クや閉塞を起こしやすく、薬液の十分な流路を確保でき
ないという問題がある。従って、薬液の十分な流路の確
保をするにあたって、チューブ自体が外力によって生ず
る変形に対する耐性を示すことが重要である。特開平6
−23034に記載されているチューブのキンク後の回
復率の測定では、一度チューブをキンクさせた後のチュ
ーブの復元性を評価するものであり、チューブに外力が
加わり変形するときの耐性については評価できないた
め、チューブの耐キンク性の測定方法は本発明に記載の
押し込み法によるものが好ましい。
【0030】上述のような耐キンク性を有する本発明の
医療用カテーテルに用いられる高分子材料としては、熱
可塑性エラストマーであるポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン系のものが挙げられ
る。好ましい高分子材料としてはポリウレタンである。
【0031】本発明に用いられるポリウレタンは以下の
成分、ポリグリコール、ジイソシアネート、鎖延長剤で
構成される。
【0032】ポリグリコール成分は、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリアジペートジオール、ポリエーテルグ
リコール、ポリカーボネートジオール等を用いることが
できる。また該ポリウレタンに含まれるポリグリコール
成分は複数あってもよく、それぞれが同種である必要は
ない。好ましくは同種ポリグリコール、さらに好ましく
はポリカプロラクトングリコールである。またポリグリ
コールの分子量は500−10000、好ましくは50
0−3000であり、ポリウレタン中に複数の分子量が
異なるポリグリコールが存在してもよい。
【0033】ジイソシアネート成分は、芳香族ジイソシ
アネートたとえば、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、3,3’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トルエンジイソシアネート、または脂
肪族ジイソシアネートたとえばヘキサメチレンジイソシ
アネートおよび脂環式ジイソシアネートたとえばイソホ
ロンジイソシアネート等を用いることができる。好まし
くは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであ
る。
【0034】鎖延長剤は低分子量のジオールであり、た
とえば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等を用い
ることができる。好ましい鎖延長剤は1,4−ブタンジ
オールである。また、エチレンジアミン、ブチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン等を鎖延長剤として使用
し部分的にウレア結合を導入することは自由である。
【0035】上記ポリウレタンの全重量を100%とし
て、前記ポリグリコールの含有量は20〜70重量%が
好ましい。この範囲以外では熱可塑性エラストマーとし
ての性質を損なう恐れがある。さらに好ましいポリグリ
コールのは30〜55重量%である。
【0036】また本発明の医療用チューブは、留置後に
チューブの切断事故が発生した場合、X線検査により位
置確認を可能とするため、ポリウレタン樹脂にX線不透
過物質が混合してなるストライプを有してもよい。スト
ライプを成形するには、ポリウレタン樹脂にX線不透過
物質、例えば硫酸バリウム、タングステン、酸化ビスマ
ス、炭酸ビスマス、金等を混合した樹脂を、X線不透過
物質を混合していないポリウレタン樹脂と同時に押出成
形することによって容易に製造することができる。勿論
X線不透過物質として使用できるのは、上記に限定され
るものではない。ストライプは、一般的な押出成形によ
って容易に成形することができ、押出成形ダイの設計に
よって、所望の形状・数に成形することも可能である。
【0037】
【実施例】本発明の実施例について説明する。以下の実
施例にあげる各ポリウレタンはソフトセグメント成分と
してポリグリコール、ジイソシアナート成分としてMD
I、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを[N
CO]/[OH]=1になるように所定量仕込み、ワン
ショットあるいはプレポリマー法により合成されたもの
である。また上記ポリウレタンを用いたチューブ成形に
は、押出成形等によって作製することができる。本発明
の医療用チューブの内外径は、内径0.4〜2.0m
m、外径0.6〜2.5mm、肉厚が0.1〜0.25
mmである。なお下記実施例に挙げるチューブは、内径
0.66±0.02mm、外径0.86±0.02mm
となるように成形し、諸測定を行った。
【0038】なお、以下の各実施例においては、貯蔵弾
性率は(E’)、損失正接は(tanδ)と表記する。
【0039】(実施例1) 分子量が550であり含有
量が37重量%であるポリカプロラクトンジオールから
なるポリウレタン樹脂と、分子量が2000であり含有
量が42重量%であるポリカプロラクトンジオールとか
らなるポリウレタン樹脂を6:4のブレンド比で溶融ブ
レンドした樹脂と、ストライプ11として分子量が20
00であり含有量が32重量%であるポリカプロラクト
ンジオールからなるポリウレタンに硫酸バリウムを30
重量%となるように混合した樹脂を共押出し、カテーテ
ル6を成形した。
【0040】耐キンク性は、図2に示した圧縮試験機A
を用いて、前述した方法に従い、25℃乾燥状態および
37℃温水に10分間浸漬後の湿潤状態において測定し
た。また動的粘弾性測定を、前述した方法に従い行っ
た。それぞれ表1に示されるように良好な結果が得られ
た。
【0041】(実施例2) 分子量が550であり含有
量が37重量%であるポリカプロラクトンジオールから
なるポリウレタン樹脂と、分子量が2000であり含有
量が42重量%であるポリカプロラクトンジオールとか
らなるポリウレタン樹脂を7:3のブレンド比で溶融ブ
レンドし、カテーテル6を成形した。
【0042】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。それぞれ表1に示されるよ
うに良好な結果が得られた。
【0043】(実施例3) 分子量が3000であり含
有量が32重量%であるポリカプロラクトンジオールか
らなるポリウレタン樹脂から、カテーテル6を押出成形
した。
【0044】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。それぞれ表1に示されるよ
うに良好な結果が得られた。
【0045】(実施例4) 分子量が1000であり含
有量が37重量%であるポリヘキサメチレンカーボネー
トジオールからなるポリウレタン樹脂と、分子量が20
00であり含有量が42重量%であるポリヘキサメチレ
ンカーボネートジオールとからなるポリウレタン樹脂を
6:4のブレンド比で溶融ブレンドし、カテーテル6を
押出成形した。
【0046】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。それぞれ表1に示されるよ
うに良好な結果が得られた。
【0047】(実施例5) 分子量が1000であり含
有量が37重量%であるポリヘキサメチレンカーボネー
トジオールからなるポリウレタン樹脂と、分子量が20
00であり含有量が42重量%であるポリカプロラクト
ンジオールとからなるポリウレタン樹脂を6:4のブレ
ンド比で溶融ブレンドし、カテーテル6を押出成形し
た。
【0048】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。それぞれ表1に示されるよ
うに良好な結果が得られた。
【0049】(実施例6) 分子量が1000であり含
有量が37重量%であるポリカプロラクトンジオールを
からなるポリウレタン樹脂から、カテーテル6を押出成
形した。
【0050】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。それぞれ表1に示されるよ
うに良好な結果が得られた。
【0051】(実施例7) 分子量が650であり含有
量が32重量%であるポリテトラメチレングリコールか
らなるポリウレタン樹脂と、分子量が2000であり含
有量が42重量%であるポリカプロラクトンジオールと
からなるポリウレタン樹脂を7:3のブレンド比で溶融
ブレンドし、カテーテル6を押出成形した。
【0052】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。表1に示されるように良好
な結果が得られた。
【0053】(比較例1) エチレン−テトラフルオロ
エチレン樹脂を用いて、カテーテル6を成形し、留置針
を作製した。
【0054】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。耐キンク性は25℃乾燥状
態において7.0mm、37℃水中10分浸漬後の耐キ
ンク性は6.8mmと低かった。またtanδは25
℃、及び37℃において0.10よりも小さかった。
【0055】(比較例2) ソフトセグメントが分子量
550であるポリカプロラクトンジオールであり含有量
が32重量%であるポリウレタン樹脂を用いて、カテー
テル6を押出成形した。
【0056】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。表1に示されるように、2
5℃におけるE’は2.3GPaと高く、血管壁や組織
を損傷する恐れがあった。またtanδは25℃におい
て0.029、37℃において0.065と低く、その
為25℃乾燥時の耐キンク性は5.1mm、37℃水中
10分浸漬後の耐キンク性は7.9mmと低い値を示し
た。
【0057】(比較例3) ソフトセグメントが分子量
1000であるポリカプロラクトンジオールであり含有
量が32重量%であるポリウレタン樹脂を用いて、カテ
ーテル6を押出成形した。
【0058】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。表1に示されるように、2
5℃におけるE’は1.6GPaと高かった。また37
℃におけるE’は0.99GPaと柔軟にならず、血管
壁や組織を損傷する恐れがあった。また25℃乾燥時の
耐キンク性は7.6mmと低い値を示した。
【0059】(比較例4) ソフトセグメントが分子量
1000であるポリヘキサメチレンカーボネートジオー
ルであり含有量が37重量%であるポリウレタン樹脂を
用いて、カテーテル6を押出成形した。
【0060】耐キンク性、及び動的粘弾性測定は実施例
1と同様の方法で測定した。表1に示されるように、2
5℃におけるE’は2.0GPaと高かった。また37
℃におけるE’は1.3GPaと柔軟にならず、血管壁
や組織を損傷する恐れがあった。また25℃乾燥時の耐
キンク性は5.1mmと低い値を示した。
【0061】以下、上記実施例、比較例の各チューブの
貯蔵弾性率(E’)、損失正接(t
【0062】anδ)およびキンク距離を
【表1】に、また、上記実施例、比較例の各チュー
【0063】ブを構成するポリウレタンのポリグリコー
ル含有量を
【表2】に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の医療用チュー
ブは、25℃における貯蔵弾性率が1.0〜1.5GP
aかつ損失正接が0.10以上とすることにより挿入時
の適度な剛性を有し10mm以上の十分な耐キンク性を
兼ね備えるために、医療従事者の操作性の向上やチュー
ブが体外に露出した部分の十分な薬液の流路の確保がで
き、また、37℃における貯蔵弾性率が0.50〜0.
80GPaかつ損失正接が0.10以上とすることによ
って、適度な柔軟性を有し10mm以上の十分な耐キン
ク性を兼ね備えるために、体内留置中の患者の動作によ
るチューブの閉塞を防止することができ、十分な薬液の
流路の確保や血管や組織への損傷を軽減できることが可
能となった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月14日(2000.1.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の留置針の概略図である。
【図2】図2は、耐キンク性測定に使用する圧縮試験機
Aの概略図である。
【図3】図3は、耐キンク性測定時のチャートを表す。
【符号の説明】 1:留置針 2:内針 3:ハブ 4:内針ハブ 5:フィルターキャップ 6:カテーテル 7:把持具(移動) 7’:把持具(固定) 8:サンプル長 9:把持具移動距離 10:カテーテル本体 11:ストライプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦振動での動的粘弾性測定において、2
    5℃における貯蔵弾性率が1.0〜1.5GPaかつ損
    失正接が0.10以上であり、37℃における貯蔵弾性
    率が0.50〜0.80GPaかつ損失正接が0.10
    以上である高分子材料からなる医療用チューブ。
  2. 【請求項2】 25℃乾燥状態及び37℃湿潤状態にお
    ける耐キンク性が10mm以上である請求項1記載の医
    療用チューブ。
JP11225861A 1999-08-10 1999-08-10 医療用チューブ Pending JP2001046492A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005318949A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Terumo Corp 医療用チューブ
WO2006057370A1 (ja) * 2004-11-26 2006-06-01 Mitsui Chemicals, Inc. 医療用チューブ

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