JP2001046070A - シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター及びその遺伝子 - Google Patents
シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター及びその遺伝子Info
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Abstract
ミノ酸を基質とするトランスポーター及びそれをコード
する遺伝子を提供する。 【解決手段】 特定の2種類のアミノ酸配列のいずれか
らなるか、又は、上記アミノ酸配列において1もしくは
数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ
酸配列からなり、かつ上記とは異った特定の2種類のア
ミノ酸配列のいずれかをを有するタンパク質あるいは1
もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加され
たアミノ酸配列からなるタンパク質と共存したとき、シ
スチン、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸及びその類似物
質を輸送する能力を有するタンパク質。前記タンパク質
をコードする遺伝子。
Description
ミノ酸、中性アミノ酸及びその類似物質の輸送に関与す
る遺伝子と、その遺伝子がコードするポリペプチドに関
する。
腎近位尿細管上皮から再吸収され、体内に補給あるいは
保持されるが、この機能は吸収上皮細胞に存在する膜タ
ンパク質であるアミノ酸トランスポーターによって担わ
れている。特に腎近位尿細管のシスチン、塩基性アミノ
酸及び中性アミノ酸を輸送するアミノ酸輸送系b0,+
は、その遺伝的欠損によって重篤な臨床症状を伴う遺伝
的疾患シスチン尿症を引き起こすため、その分子的実体
の解明が待たれていた。
塩基性アミノ酸輸送系及び酸性アミノ酸輸送系に分類さ
れており、アルファベット又はその組み合わせにより命
名される。一般にNa+依存性輸送系はアルファベット
の大文字で、Na+非依存性輸送系はアルファベットの
小文字で命名される。文字の右肩に付される+は塩基性
アミノ酸系を示し、−は酸性アミノ酸系を示し、無印又
は0は中性アミノ酸系であることを示す。したがって、
前記した係るアミノ酸輸送系b0,+は、bという名の
アミノ酸輸送系であって、Na+非依存性輸送系で(小
文字のアルファベット)、中性アミノ酸及び塩基性アミ
ノ酸(右肩の0及び+)を輸送するものである。アミノ
酸輸送系b0,+は、もともとは、マウス胞胚で始めて
記載され、その後、腎刷子縁膜小胞標本、腎上皮由来細
胞株においてもその機能が存在するとされていた [Pala
cin, et al., Physiol. Rev.,第78巻、969-1054頁、199
8年]。アミノ酸輸送系b0,+の機能は、ナトリウム非
依存的な、すなわちその機能にナトリウムイオンを必要
としないトランスポーターである。また、その輸送形態
はアミノ酸の交換輸送であるとされている。
トランスポーターの活性化因子であると考えられている
膜貫通構造を一回しか持たない二型膜糖タンパク質rB
AT(related to b0,+ amino acid transporter)
のcDNAがクローニングされ、それらをアフリカツメ
ガエル卵母細胞に発現させるとアミノ酸輸送系b0, +
の特性を示すアミノ酸の取り込み活性が出現することが
報告された[Palacin、J. Exp. Biol.、第196巻、123-13
7頁、1994年]。しかし、これはrBATによりアフリカ
ツメガエル卵母細胞の内因性トランスポーターが活性化
されたためであり、腎尿細管のアミノ酸輸送系b0,+
が発現したものではない。
の詳細や、アミノ酸上皮輸送におけるアミノ酸輸送系b
0,+の役割を解析することは困難であり、アミノ酸輸
送系b0,+の機能を担うシスチン、塩基性アミノ酸及
び中性アミノ酸を輸送基質とするトランスポーターの遺
伝子を単離して詳細な機能解析をすることが望まれてい
た。
ものが既にクローニングされており、例えば、塩基性ア
ミノ酸及び中性アミノ酸をともに基質とするトランスポ
ーターとしては、アミノ酸輸送系y+Lに相当する、y
+LAT1およびy+LAT2がクローニングされてい
る[Torrents et al.、J. Biol. Chem. 第273巻、32437-
32445頁、1998年]。しかし、これらは、シスチンは輸送
基質とせず、アミノ酸輸送系b0,+とは基質選択性が
異なっている。塩基性アミノ酸のみを基質とするトラン
スポーターとして、アミノ酸輸送系y +に相当する塩基
性アミノ酸トランスポーター(CAT1〜4)がクロー
ニングされた。しかし、これもアミノ酸輸送系b0,+
とは基質選択性が異なっている。
ポーターとして、輸送系Lに相当する中性アミノ酸トラ
ンスポーターLAT1[Kanai et al., J. Biol. Chem.,
第273巻、23629-23632頁、1998年]、及びLAT2[Seg
awa et al., J. Biol. Chem., 第274巻、19745-19751
頁、1999年]がクローニングされた。また、LAT1及
びLAT2は、補助因子4F2hcと共存することによ
ってのみ機能することが示された。両者はNa+に依存
せず、LAT1はロイシン、イソロイシン、バリン、フ
ェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニ
ン、ヒスチジンなど大型の中性アミノ酸を輸送する交換
輸送活性を示し、LAT2は、大型の中性アミノ酸に加
えグリシン、アラニン、セリン、システイン、スレオニ
ンなどの小型の中性アミノ酸も輸送する広い基質選択性
を有する。しかし、これらもアミノ酸輸送系b0,+と
は基質選択性が異なっている。
びLAT2の類似蛋白質として、中性アミノ酸及び塩基
性アミノ酸を輸送する輸送系y+Lの機能を有する前記
y+LAT1とy+LAT2がクローニングされた[Tor
rents et al., J. Biol. Chem., 第273巻、32437-32445
頁、1998年]。また、y+LAT1とy+LAT2共に
補助因子4F2hcと共存することによってのみ機能す
ることが示された。y +LAT1とy+LAT2は、中
性アミノ酸としてはグルタミン、ロイシン、イソロイシ
ンを主に輸送し、アミノ酸輸送系b0,+とは基質選択
性が異なっている。
て、中性アミノ酸トランスポーターLAT1及びLAT
2の類似蛋白質であるxCTがクローニングされた [Sa
to et al., J. Biol. Chem. 274: 11455-11458, 199
9]。xCTも補助因子4F2hcと共存することによっ
てのみ機能することが示された。しかし、xCTもアミ
ノ酸輸送系b0,+とは基質選択性が異なっている。
酸トランスポーターの活性化因子であると考えられてい
る膜貫通構造を一回しか持たない二型膜糖タンパク質で
ある4F2hcのcDNAがクローニングされており、
それらをアフリカツメガエル卵母細胞に発現させるとア
ミノ酸輸送系y+Lに相当する塩基性アミノ酸及び中性
アミノ酸の取り込みを活性化することが知られている[P
alacin、J. Exp. Biol.、第196巻、123-137頁、1994年]
が、これもアミノ酸輸送系b0,+とは基質選択性が異
なっている。
によって機能するトランスポーターの分子的実体が明か
にされ、類似の構造を持つrBATも特定のトランスポ
ーターと連結し、輸送機能のある分子複合体を形成する
と考えられた。しかし、rBATと連結するトランスポ
ーターの実体は明かにされていなかった。rBATの遺
伝的変異は、I型シスチン尿症を惹起することがすでに
示されている[Palacin、J. Exp. Biol.、第196巻、123-
137頁、1994年]。しかし、非 I型シスチン尿症において
は、rBATに変異が検出されないため、非I型シスチ
ン尿症はrBATと連結するトランスポーターの異常で
ると考えられ、その分子的実体解明が待たれていた。
チン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とし、ア
ミノ酸輸送系b0,+の機能を担い、rBATと連結す
るトランスポーターの遺伝子及びその遺伝子がコードす
るポリペプチドであるアミノ酸トランスポーターを提供
することにある。その他の目的については、以下の記載
より明らかである。
のcDNAの翻訳領域の塩基配列を用いてEST(expr
essed sequence tag ) データベースを検索し、LAT
1と類似の塩基配列を同定した。それに相当するプロー
ブを作製してcDNAライブラリーをスクリーニング
し、新規タンパク質をコードする遺伝子をクローニング
した。さらに、この遺伝子の産物をCOS−7細胞に発
現させて、この遺伝子の産物が機能を発揮するためには
rBATが必須であること、及び発現する機能は、シス
チン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とし、ア
ミノ酸輸送系b0,+に相当することを確認し、本発明
を完成するにいたった。
ーターであって、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性ア
ミノ酸を基質とし、アミノ酸輸送活性化因子rBATに
より活性化されるタンパク質に関し、より詳細には、以
下の(A)及び(B)から選択されるタンパク質に関す
る。 (A)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列からな
るタンパク質。 (B)配列番号1又は3で示されるアミノ酸配列におい
て1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加
されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号5又は6で
示されたアミノ酸配列を有するタンパク質あるいは1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加された
アミノ酸配列からなるタンパク質と共存したとき、シス
チン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とし、ア
ミノ酸輸送系b0,+に相当する輸送能力を有するタン
パク質。 本発明のタンパク質は、天然のものから抽出されるもの
であってもよいが、遺伝子組換え技術により得られる組
換えタンパク質であってもよい。
する新規タンパク質、すなわちシスチン、塩基性アミノ
酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーターBA
T1(b0,+ type amino acid transporter 1)
は、アミノ酸輸送活性化因子rBATと共存することに
より、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を輸
送する(取り込む)能力を有する。また、本発明のシス
チン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするト
ランスポーターBAT1は、生体内においては小腸及び
腎に主に発現している。腎においては、BAT1、rB
ATともに管腔側膜に存在し、尿細管内のシスチン、塩
基性アミノ酸及び中性アミノ酸の再吸収を担当している
と考えられる。
ードする遺伝子に関し、より詳細には、以下の(a)及
び(b)から選択されるDNAからなる遺伝子に関す
る。 (a)配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NA。 (b)配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
かつ配列番号5又は6で示されたアミノ酸配列を有する
タンパク質あるいは1もしくは数個のアミノ酸が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク
質と共存したとき、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性
アミノ酸を基質とし、アミノ酸輸送系b0,+に相当す
る輸送能力を有するタンパク質をコードするDNAに関
する。 本発明の遺伝子はDNAに限定されるものではなく、遺
伝情報を担うものであればDNAでもRNAであっても
よい。
パク質をコードする遺伝子を含有するプラスミド、当該
プラスミドで形質転換された宿主細胞に関する。また、
本発明は、前記した本発明の遺伝子、好ましくは前記し
た(a)又は(b)で示される遺伝子の塩基配列中の連
続する14塩基以上の部分配列もしくはその相補的な配
列を含むヌクレオチドに関し、当該ヌクレオチドは本発
明のタンパク質をコードする遺伝子を検出するためのプ
ローブとして、また、本発明のタンパク質をコードする
遺伝子の発現を変調させるために使用することができ
る。また、本発明は、前記した本発明のタンパク質又は
その断片に対する抗体に関する。
パク質又は当該タンパク質を含有する細胞を用いて、好
ましくは輸送活性化因子rBATを併用する、当該タン
パク質の有するシスチン、塩基性アミノ酸、中性アミノ
酸及びその類似物質を輸送する能力に対する被検物質の
基質としての作用を測定する方法、及び、被検物質の生
体内におけるシスチン、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸
及びその類似物質を輸送する能力に対する体内動態を測
定するための方法に関する。また、本発明は、前記した
方法により、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ
酸を基質とするトランスポーターにより細胞に取り込ま
れ易い又は細胞に取り込まれにくい物質をスクリーニン
グする方法に関する。
ト腎由来のシスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸
を基質とするトランスポーターBAT1(ラットBAT
1)のアミノ酸配列(487アミノ酸)を表わし、配列
番号2はその遺伝子の全長cDNA塩基配列(約1.7
kbp)をその翻訳領域にコードされたタンパク質のア
ミノ酸配列と共に示したものである。後記配列表の配列
番号3は、ヒト腎由来のシスチン、塩基性アミノ酸及び
中性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1
(ヒトBAT1)のアミノ酸配列(487アミノ酸)を
示し、配列番号4はその遺伝子の全長cDNA塩基配列
(約1.7kbp)をその翻訳領域にコードされたタン
パク質のアミノ酸配列と共に示したものである。また、
後記配列表の配列番号5は、ラットの輸送活性化因子r
BATの遺伝子の全長cDNA塩基配列をその翻訳領域
にコードされたタンパク質のアミノ酸配列と共に示した
ものであり、配列番号6は、ヒトの輸送活性化因子rB
ATの遺伝子の全長cDNA塩基配列をその翻訳領域に
コードされたタンパク質のアミノ酸配列と共に示したも
のである。
しくはアミノ酸配列について、既知DNAデータベース
(GenBankおよびEMBL)及びプロテインデータベース(N
BRF及びSWISS-PROT)に含まれるすべての配列に対して
ホモロジー検索を行った結果、一致するものはなく、こ
れらの配列は、新規なものであると考えられる。
又は3で示されたアミノ酸配列を有するもののほか、例
えば配列番号1又は3で示されたアミノ酸配列において
1もしくは数個のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加さ
れたアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。ア
ミノ酸の欠失、置換もしくは付加は、中性アミノ酸輸送
活性が失われない程度であればよく、通常1〜約97
個、好ましくは1〜約48個である。このようなタンパ
ク質は、配列番号1で示されたアミノ酸配列と通常、1
〜80%、好ましくは1〜90%のアミノ酸配列のホモ
ロジーを有する。
2又は4で示された塩基配列を有するもののほか、配列
番号2又は4で示された塩基配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを
含むものが挙げられる。このようにハイブリダイズし得
るDNAは、そのDNAにコードされるタンパク質がシ
スチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とし、
アミノ酸輸送系b0, + に相当する輸送能力を有する
ものであればよい。このようなDNAは配列番号1又は
3で示された塩基配列と通常、70%以上、好ましくは
80%以上の塩基配列のホモロジーを有する。このよう
なDNAとしては、自然界で発見される変異型遺伝子、
人為的に改変した変異型遺伝子、異種生物由来の相同遺
伝子等が含まれる。
下でのハイブリダイゼーションは、通常、ハイブリダイ
ゼーションを、5xSSC又はこれと同等の塩濃度のハ
イブリダイゼーション溶液中、37〜42℃の温度条件
下、約12時間行い、5xSSC又はこれと同等の塩濃
度の溶液などで必要に応じて予備洗浄を行った後、1x
SSC又はこれと同等の塩濃度の溶液中で洗浄を行うこ
とにより実施できる。
性アミノ酸を基質とするトランスポーター遺伝子は、適
当な哺乳動物の組織や細胞を遺伝子源として用いてスク
リーニングを行うことにより単離取得できる。哺乳動物
としては、イヌ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル、ブ
タ、ウサギ、ラット及びマウスなどの非ヒト動物のほ
か、ヒトが挙げられる。
ロジークローニング法などにより好適に実施できる。例
えば、ラットあるいはヒト腎臓を遺伝子源として用い、
これからmRNA(ポリ(A)+RNA)を調製する。
これから cDNA ライブラリーを構築し、EST
(expressed sequence tag)データベースの検索によっ
て得られるLAT1類似配列(例えば、GenBanskTM/EBI
/DDBJ accession No. AA162896) に相当するプローブを
用いて cDNA ライブラリーをスクリーニングする
ことによって BAT1遺伝子のcDNAを含むクロー
ンを得ることができる。得られたcDNAについては、
常法により塩基配列を決定し、翻訳領域を解析して、こ
れにコードされるタンパク質、すなわち、BAT1のア
ミノ酸配列を決定することができる
ミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター
遺伝子のcDNAであること、すなわちはcDNAにコ
ードされた遺伝子産物がシスチン、塩基性アミノ酸及び
中性アミノ酸を基質とするトランスポーターであること
は、例えば次のようにして検証することができる。すな
わち、得られたBAT1cDNAを哺乳動物細胞発現ベ
クターに挿入し、同じく哺乳動物細胞発現ベクターに挿
入したrBATとともにCOS−7細胞に導入して発現
させ、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を細
胞内へ輸送する(取り込む)能力を、前記と同様、シス
チンあるいは適当な塩基性又は中性アミノ酸を基質とす
る取り込み試験(Kanai et al.、J. Clin. Invest. 第9
3巻、397-404貢、1994年)により、細胞内への基質の取
り込みを測定することにより確認できる。また、得られ
たBAT1遺伝子のcDNAから調整した、これに相補
的なRNA(cRNA)を用いて、インビトロ翻訳法[H
edigerら、Biochim. Biophys. Acta、第1064巻、360
頁、1991年]により、BAT1タンパク質を合成し、電
気泳動によりタンパク質のサイズ、糖付加の有無等を検
討することができる。
に報告されている[Wells and Hediger、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. U.S.A.、第89巻、5596-5600頁、1992年]の
で、この配列情報から、PCR法などを用いて、容易に
rBATの遺伝子を得ることが可能である。また、発現
細胞について、同様の取り込み実験を応用して、BAT
1の特性、例えば、BAT1がアミノ酸の交換輸送を行
っているという特性や、BAT1の基質選択性、イオン
依存性などを調べることができる。
て、異なる遺伝子源で作製された適当なcDNAライブ
ラリー又はゲノミックDNAライブラリーをスクリーニ
ングすることにより、異なる組織、異なる生物由来の相
同遺伝子や染色体遺伝子等を単離することができる。ま
た、開示された本発明の遺伝子の塩基配列(配列番号2
又は4に示された塩基配列、もしくはその一部)の情報
に基づいて設計された合成プライマーを用い、通常のP
CR(Polymerase Chain Reaction)法によりcDNA
ライブラリー又はゲノミックDNAライブラリーから遺
伝子を単離することができる。cDNAライブラリー又
はゲノミックDNAライブラリー等のDNAライブラリ
ーは、例えば、「Molecular cloning」[Sambrook, J.,
Fritsh, E.F.及びManitis, T.著、Cold Spring Harbor
Pressより1989に発刊] に記載の方法により調整するこ
とができる。あるいは、市販のライブラリーがある場合
はこれを用いてもよい。
性アミノ酸を基質とするトランスポーター(BAT1)
は、例えば、それをコードするcDNAを用い、遺伝子
組換え技術により生産することができる。例えば、BA
T1 をコードするDNA(cDNA等)を適当な発現
ベクターに組み込み、得られた組換えDNAを適当な宿
主細胞に導入することができる。ポリペプチド生産する
ための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、
細菌、酵母、昆虫細胞及び哺乳類細胞の発現系等が挙げ
られる。このうち、機能タンパクを得るためには、昆虫
細胞及び哺乳類細胞を用いることが好ましい。例えば、
ポリペプチドを哺乳類細胞で発現させる場合には、広い
基質選択性を有する中性アミノ酸トランスポーターBA
T1をコードするDNAを、適当な発現ベクター(例え
ば、アデノウイルス系ベクター、レトロウイルス系ベク
ター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイル
スベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプロモ
ーター(例えば、サイトメガロウイルスプロモーター、
SV40 プロモーター、LTRプロモーター、エロン
ゲーション1a プロモーター等)の下流に挿入して発
現ベクターを構築する。次に、得られた発現ベクターで
適当な動物細胞を形質転換し、形質転換体を適当な培地
で培養することによって、目的とするポリペプチドが生
産される。宿主とする哺乳動物細胞としては、サルCO
S−7細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、又は
ヒトHeLa細胞などの細胞株などが挙げられる。
酸を基質とするトランスポーターBAT1をコードする
DNAとしては、例えば、配列番号2又は4で示される
塩基配列を有するcDNAを用いることができるほか、
前記のcDNA配列に限定されることなく、アミノ酸配
列に対応するDNAを設計し、ポリペプチドをコードす
るDNAとして用いることもできる。この場合、ひとつ
のアミノ酸をコードするコドンは各々1〜6種類知られ
ており、用いるコドンの選択は任意で良いが、例えば発
現に利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発
現効率の高い配列を設計することができる。設計した塩
基配列を持つDNAは、DNAの化学合成、前記cDN
Aの断片化と結合、塩基配列の一部改変等によって取得
できる。人為的な塩基配列の一部改変、変異導入は、所
望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドからなる
プライマーを利用して部位特異的変異導入法(site spe
cific mutagenesis)[Mark, D.F. et al.、Proceedings
of National Academy ofSciences、第81巻、第5662頁
(1984年)] 等によって実施できる。
性アミノ酸を基質とするトランスポーター又はこれと免
疫学的同等性を有するポリペプチドを用いて、その抗体
を取得することができる。抗体は、シスチン、塩基性ア
ミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター
の検出や精製などに利用できる。抗体は、本発明のシス
チン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするト
ランスポーター、その断片、またはその部分配列を有す
る合成ペプチドなどを抗原として用いて製造できる。ポ
リクロナール抗体は、宿主動物(例えば、ラットやウサ
ギ等)に抗原を接種し、免疫血清を回収する、通常の方
法により製造することができ、モノクロナール抗体は、
通常のハイブリドーマ法などの技術により製造できる。
性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1、そ
の遺伝子およびその発現細胞は、BAT1により輸送さ
れるアミノ酸類似薬物(例えば、L−DOPA等)の、
細胞膜通過や、BAT1が存在すると予想される部位
(例えば小腸上皮、腎尿細管上皮など)での透過効率に
ついての、インビトロでの試験に使用できる。また、B
AT1を発現する細胞膜や、BAT1が存在すると予想
される部位(例えば小腸上皮、腎尿細管上皮など)を効
率良く透過する薬物の開発に使用できる。さらに、BA
T1を発現する細胞膜や、BAT1が存在すると予想さ
れる部位(例えば小腸上皮、腎尿細管上皮など)での薬
物間相互作用のインビトロでの試験に使用できる。
性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1、そ
の遺伝子およびその発現細胞は、BAT1により輸送さ
れる毒物(例えば、メチル水銀のシステイン抱合体等)
や外来性異物の、細胞膜通過や、BAT1が存在すると
予想される部位(例えば小腸上皮、腎尿細管上皮など)
での透過効率についての、インビトロでの試験に使用で
きる。また、本発明のシスチン、塩基性アミノ酸及び中
性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1を抑
制することにより、BAT1を発現する細胞膜や、BA
T1が存在すると予想される部位(例えば小腸上皮、腎
尿細管上皮など)の毒物(例えば、メチル水銀のシステ
イン抱合体等)や外来性異物の透過を制限することがで
きる。また、本発明のシスチン、塩基性アミノ酸及び中
性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1、そ
の遺伝子およびその発現細胞は、BAT1により輸送さ
れる毒物(例えば、メチル水銀のシステイン抱合体等)
や外来性異物の、細胞膜通過や、BAT1が存在すると
予想される部位(例えば小腸上皮、腎尿細管上皮など)
の透過を制限する薬物(BAT1の特異的なインヒビタ
ー等)の開発に使用できる。
性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1は、
その遺伝的欠損が非I型シスチン尿症を惹起すると考え
られるため、BAT1cDNAあるいは、ゲノミックD
NAを適当なプロモーターに接続し、遺伝子治療ベクタ
ーを作製することが可能である。ここで言う適当なプロ
モーターとは、腎近位尿細管での発現を可能とするプロ
モーターのことである。
説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもので
はない。なお、下記実施例において、各操作は特に明示
がない限り、「Molecular cloning」[Sambrook, J., Fri
tsh, E.F.及びManitis, T.著、Cold Spring Harbor Pre
ssより1989年に発刊] に記載の方法により行う
か、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販
品の指示書に従って使用した。
中性アミノ酸を基質とするトランスポーターのラット及
びヒトcDNA のクローニング (1)ヒトrBATのcDNAの単離と哺乳類発現細胞
へのサブクローン化 cDNAライブラリーはヒト腎臓由来ポリ(A)+RN
A(クロンテク社から購入)から、cDNA合成用キッ
ト(商品名:Superscript Choice System、ギブコ社
製)を使用して作製し、ファージベクターλZipLo
x(ギブコ社製)の制限酵素EcoRI切断部位に組み
込んだ。ラットrBAT遺伝子(後記配列表の配列番号
5)[Wells and Hediger、Proc. Natl. Acad. Sci. 第8
9巻、5596-5600頁、1992年]の全長配列を32P−dC
TPでラベルしてプローブとして用いて、ヒト腎cDN
Aライブラリーをスクリーニングした。ハイブリダイゼ
ーションは、37℃のハイブリダイゼーション用溶液中
一晩行い、フィルター膜は、37℃で0.1xSSC/
0.1%SDSで洗浄した。ハイブリダイゼーション用
溶液としては、5xSSC、3xデンハード液(Denhar
d's液)0.2%SDS、10%硫酸デキストラン、5
0%ホルムアミド、0.01%Abtiform B
(商品名、シグマ社)(消泡剤)、0.2mg/mlサ
ーモン精子変性DNA、2.5mMピロリン酸ナトリウ
ム、25mM MESを含むpH6.5の緩衝液を用い
た。cDNAを組み込んだλZipLoxファージのc
DNA部分を、プラスミドpZL1に組み込み、さらに
プラスミドpBluescriptII SK−(Stra
tagene社製)へサブクローン化した。
のcDNAを含むクローンについて、塩基配列決定のた
めの合成プライマーを用いてダイターミネーターサイク
ルシーケンシング法(Applied Biosystems社)により、
cDNAの塩基配列を決定した。これにより、クローニ
ングしたcDNAがヒトrBAT遺伝子のものであるこ
とが確認できた。得られたヒトrBATの塩基配列を後
記配列表の配列番号6に示した。ラット及びヒトrBA
TのcDNAを含むプラスミドから、挿入cDNA断片
を切りだし、哺乳類細胞発現ベクター pcDNA3.
1 (インビトロゲン社製)にサブクローン化した。
ミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター
BAT1cDNAの単離と哺乳類発現細胞へのサブクロ
ーン化 LAT1の翻訳領域の塩基配列を用いたEST(expres
sed sequence tag) データベースの検索によって得られ
たLAT1類似配列 GenBanskTM/EBI/DDBJ accession N
o. AA162896 に相当するIMAGE(Integrated and
Molecular Analysis of Genoms and their Expression)
cDNAクローンNo.578502のEcoRI切
断断片を32P−dCTPでラベルしてプローブとして
用いて、ラット及びヒト腎cDNAライブラリーをスク
リーニングした。
したポリ(A)+RNA及びヒト腎由来ポリ(A)+R
NA(クロンテク社から購入)から、cDNA合成用キ
ット(商品名:Superscript Choice System、ギブコ社
製)を使用して作製し、ファージベクターλZipLo
x(ギブコ社製)の制限酵素EcoRI切断部位に組み
込んだ。32P−dCTPでラベルしてプローブによる
ハイブリダイゼーションは、37℃のハイブリダイゼー
ション用溶液中一晩行い、フィルター膜は、37℃で
0.1xSSC/0.1%SDSで洗浄した。ハイブリ
ダイゼーション用溶液としては、5xSSC、3xデン
ハード液(Denhard's液)0.2%SDS、10%硫酸
デキストラン、50%ホルムアミド、0.01%Abt
iformB(商品名、シグマ社)(消泡剤)、0.2
mg/mlサーモン精子変性DNA、2.5mMピロリ
ン酸ナトリウム、25mM MESを含むpH6.5の
緩衝液を用いた。cDNAを組み込んだλZipLox
ファージのcDNA部分を、プラスミドpZL1に組み
込み込んだ。得られたクローンすなわち、ラットBAT
1 あるいはヒトBAT1 のcDNAを含むクローン
について、塩基配列決定のための合成プライマーを用い
てダイターミネーターサイクルシーケンシング法(Appl
ied Biosystems社)により、cDNAの塩基配列を決定
した。これにより、ラット及びヒトBAT1 遺伝子の
塩基配列が得られた。また、cDNAの塩基配列を常法
により解析して、cDNAの翻訳領域とそこにコードさ
れるBAT1のアミノ酸配列を決定した。
及び3にそのアミノ酸配列を、配列番号2及び4にその
塩基配列を示した。ヒト及びラットBAT1の配列の比
較を図1に示した(相互の相同性87%)。BAT1は
ラットLAT1及びLAT2と43%のアミノ酸配列の
相同性を有していた。また、中性および塩基性アミノ酸
輸送系y+Lに相当するヒトトランスポーターy+LA
T1と42%、y+LAT2と44%の相同性を有して
いた。さらに、シスチン/グルタミン酸交換輸送体xC
Tと43%の相同性を有していた。ラットBAT1とヒ
トy+LAT1、ラットLAT1、およびマウスxCT
のアミノ酸配列の比較を図2に示した。
al.、Bioinformatics、第14巻、第378頁(1998年)]に
より、BAT1のアミノ酸配列を解析した結果、図2に
示したように、12個の膜貫通領域(membrane-spannin
g domain)が予想された。また、第2の親水性ループに
チロシンリン酸化部位、N−末端細胞内領域、及び第8
の親水性ループにプロテインキナーゼC依存性のリン酸
化部位と考えられる部位があった。
1遺伝子の発現(ノーザンブロッティングによる解析) BAT1 遺伝子の第1−793番目の塩基に相当する
cDNA断片を制限酵素EcoRIで切り出し、32P
−dCTP でラベルしてプローブとして用いて、ラッ
トの種々の組織及びラット由来の培養腫瘍細胞株C6グ
リオーマ細胞から抽出したRNAに対してノーザンブロ
ッティングを以下のようにして行った。3μgのポリ
(A)+RNAを1%アガロース/ホルムアルデヒドゲ
ルで電気泳動したのち、ニトロセルロースフィルターに
トランスファーした。このフィルターを42℃で、32
P−dCTPでラベルしたBAT1cDNA断片を含ん
だハイブリダイゼーション液で1晩ハイブリダイゼーシ
ョンを行った。フィルターを、65℃にて、0.1%S
DSを含む0.1xSSCで洗浄した。ノーザンブロッ
ティングの結果を図3に示す。小腸及び腎において1.
9kb付近にバンドが検出された。
AT蛋白の発現(免疫組織化学による解析) ラットBAT1の474−487に相当する合成オリゴ
ペプチド[QMLMEVVPPEKDPEC]、及びラ
ットrBATの629−642に相当する合成オリゴペ
プチド[SDVDTHAVSLEKGEC](両者のC
−末端のシステン残基はKLH(keyhole limpet hemoc
yanine) とのコンジュゲーションのために導入)に対す
る特異抗体をアルトマン(Altman)らの方法に準じて作
製した[Altman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.
A. 第81巻、2176-2180頁、1984年]。得られた抗血清
は、抗原ペプチドを用いてアフィニティ精製し免疫組織
化学に用いた。ヒサノ(Hisano)らの方法[Hisano et a
l., Brain Res. 第710巻、299-302頁、1996年]に準じ
て、精製抗BAT1抗体(希釈率1:5,000)及び
精製抗rBAT抗体(希釈率1:5,000)を用い
て、ラット腎連続切片(3μm)を用いた免疫組織化学
を行った。図4に示すように、BAT1及びrBATと
もに腎近位尿細管の管腔側膜に存在することが示され
た。特に近位曲尿細管において、管腔側膜上でBAT1
とrBATが共存することが示された(例えば図4の矢
尻)。
AT蛋白の発現(ウェスタンブロットによる解析) ラット腎膜画分をトレンス(Thorens)らの方法[Thoren
s et al. Cell 第55巻、281-290頁、1988]に従って調
整した。タンパク試料は、5%の2−メルカプトエタノ
ール存在下(還元条件下)あるいは非存在下(非還元条
件下)で100℃で5分間処理後、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲルで電気泳動し、Hybond−P PVD
Vトランスファー膜にブロッティングし、抗BAT1抗
血清(1:4,000)あるいは抗rBAT抗血清
(1:40,000)で処理した。抗BAT1抗血清で
は、図5に示すように、非還元条件下において観察され
る251KDaと125kDaのバンドは還元条件下で
は消失し、41kDaのバンドが出現した。抗rBAT
抗血清では、非還元条件下において観察される231K
Daと125kDaのバンドは還元条件下では消失し、
90kDaのバンドが出現した。これらの結果は、BA
T1とrBATがジスルフィド結合により連結し、ヘテ
ロダイマーを形成することを示唆する。
中性アミノ酸を基質とするトランスポーターのBAT1
の機能的特徴づけ (1)BAT1の輸送活性におけるrBATの役割 ラットBAT1遺伝子を単独でCOS−7細胞に発現さ
せた場合と、ラットBAT1遺伝子とラットrBAT遺
伝子を共に卵母細胞に発現させた場合、ラットBAT1
遺伝子とラット4F2hc遺伝子を共に卵母細胞に発現
させた場合のシスチンの取り込みを比較した。COS−
7細胞浮遊液(800μl、1.25x107細胞/m
l、各10μgのcDNAをサブクローン化したプラス
ミドを含有)を、ジーンパルサー(Bio-Rad社製)に装
着した0.4cmのキュベット内で200V、960μ
Fで処理し、エレクトロポレーションを行った。エレク
トロポレーション後、細胞は24穴プレートで3日間培
養し、14C−シスチン(100μM)の取り込みを測
定した。 取り込み測定は、培養液を取り除き、14C
−シスチンを含むDulbecco’s PBS(Gibc
o 社製)を添加することにより開始し、それを取り除き
氷冷Dulbecco’s PBSにより洗浄すること
により終了した。洗浄後、0.1 N NaOHで溶解
し、液体シンチレーションカウンターにより放射活性を
測定した。
みは、BAT1のみ、rBATのみ、4F2hcのみを
発現させたもの、そしてBAT1と4F2hcの共発現
させたCOS−7細胞では、対照としてcDNAを含ま
ないプラスミドを導入したCOS−7細胞と同レベルで
あった。これに対して、BAT1とrBATを共発現さ
せたCOS−7細胞では、有意なシスチン取り込みが観
察された。これにより、BAT1とrBATが連結する
ことが、機能的にも示された。
COS−7細胞によるシスチン取り込み実験において培
地に添加する塩の影響を調べた。シスチンの取り込み実
験は、ラットBAT1遺伝子とラットrBAT遺伝子を
共に導入したCOS−7細胞を用い、前記実施例2
(1)記載方法に準じて実施した。但し、取り込み用溶
液は、ナトリウムイオンの影響をみる場合は、Dulb
ecco’s PBSにかえて、コリン取り込み溶液
(uptake solution)(塩化ナトリウムを塩化コリンで
置換したもの)を用いた。塩素イオンの影響をみる場合
は、グルコン酸取り込み溶液(uptake solution)(塩
化ナトリウムをグルコン酸ナトリウムに変えたもの)を
用いた。その結果を図7に示す。細胞外のコリンをナト
リウムに変えても、細胞外の塩素イオンをグルコン酸イ
オンに変えても、シスチン取り込みに何ら影響を与えな
かった。このことから、BAT1はナトリウムイオン及
び塩素イオンに非依存的に働くトランスポーターである
ことが示された。
力学試験 シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とす
るトランスポーターBAT1のミカエリス−メンテン動
力学試験を行った。基質シスチンの濃度の違いによるシ
スチン取り込み率の変化を調べることにより、BAT1
のミカエリス−メンテン動力学試験を行った。シスチン
の取り込み実験は、ラットBAT1遺伝子とラットrB
AT遺伝子を共に導入したCOS−7細胞を用い、前記
実施例2(1)記載方法に準じて実施した。その結果、
Km値は305±43.4μM、Vmax値は1970
±380pmol/mg・protein/min(平
均±標準誤差、n=3)であった。
ノ酸においても同様にミカエリス−メンテン動力学試験
を行い、Km値とVmax値を算出した。その結果、K
m値とVmax値は、リジン、アルギニン、オルニチ
ン、ロイシン、フェニルアラニンに対して、それぞれ4
63μM;2,990pmol/mg・protein
/min、203μM;2,570pmol/mg・p
rotein/min、387μM;2,530pmo
l/mg・protein/min、269μM;1,
330pmol/mg・protein/min、19
0μM;1,730pmol/mg・protein/
minであった。
びその類似物質添加による阻害実験) ラットBAT1遺伝子とラットrBAT遺伝子を共に導
入したCOS−7細胞よるシスチンの取り込み実験にお
いて、系への各種アミノ酸及びその類似物質添加の影響
を調べた。シスチンの取り込み実験は、ラットBAT1
遺伝子とラットrBAT遺伝子を共に導入したCOS−
7細胞を用い、前記実施例2(1)記載方法に準じて実
施した。但し、5mMの各種化合物(非標識)の存在下
及び非存在下で、14C−シスチン(50μM)の取り
込みを測定した。その結果を図8に示す。シスチン、塩
基性アミノ酸および中性アミノ酸で、cis−阻害効果
が観察された。アミノ酸輸送系L特異的阻害薬BCH、
アミノ酸輸送系A特異的阻害薬MeAIB、及びD−ア
ミノ酸は、シスチン取り込みを全く阻害しないか、ある
いは弱い阻害効果を示したのみであった。
酸及びその類似物質を基質とする取り込み試験) 各種アミノ酸及びその類似物質を基質として、BAT1
による取り込みを調べた。各種アミノ酸及びその類似物
質の取り込み実験は、ラットBAT1遺伝子とラットr
BAT遺伝子を共に導入したCOS−7細胞を用い、前
記実施例2(1)記載方法に準じて実施した。但し、基
質としては、14C−シスチンに変えて、放射能ラベル
された各種の化合物を用いた。
14C化合物)、L−リジン(14C化合物)、L−ア
ルギニン(14C化合物)、L−オルニチン(14C化
合物)、L−ロイシン(14C化合物)、L−イソロイ
シン(14C化合物)、L−バリン(14C化合物)、
L−フェニルアラニン(14C化合物)、L−チロシン
(14C化合物)、L−トリプトファン(14C化合
物)、L−ヒスチジン(1 4C化合物)、L−メチオニ
ン(14C化合物)、L−グルタミン(14C化合
物)、L−アスパラギン(14C化合物)、L−スレオ
ニン(14C化合物)、L−システイン(14C化合
物)、L−セリン(14C化合物)、L−アラニン(
14C化合物)を基質とした場合に、COS−7細胞へ
の取り込みが認められた。グリシン(14C化合物)に
関しては、極めて低い取り込みが見られた。L−プロリ
ン(14C化合物)、L−グルタミン酸(14C化合
物)、L−アスパラギン酸(14C化合物)に関して
は、有意な取り込みは認められなかった。
T遺伝子を導入したCOS−7細胞、及びヒトBAT1
遺伝子とヒトrBAT遺伝子を共に導入したCOS−7
細胞について、基質としてシスチンを用い、基質の取り
込み実験を実施例2(1)に準じて行った。その結果、
シスチンの取り込みは、ラットと同様、BAT1のみを
導入したCOS−7細胞では、対照としてcDNAを含
まないプラスミドを導入したCOS−7細胞と同レベル
であったが、BAT1とrBATを共に発現させたCO
S−7細胞では大きなシスチンの取り込みが観察され
た。よって、ヒトBAT1もラットBAT1と同様、r
BATと共存することにより始めて機能を発揮すること
が示された。
中性アミノ酸を基質とするトランスポーターBAT1お
よびその遺伝子は、アミノ酸類似化合物、薬物及び毒物
の小腸上皮や腎尿細管上皮からの吸収のインビトロでの
解析など、アミノ酸類似化合物、薬物及び毒物の動態の
分子レベルでの解明、および小腸や腎尿細管での吸収効
率の良いアミノ酸類似化合物、薬物の開発、透過するア
ミノ酸類似化合物、薬物及び毒物の透過を抑制する薬物
の開発に有用と考えられる。さらに、BAT1遺伝子
は、シスチン尿症治療を目的とした遺伝子治療ベクター
の作製に使用し得る。
の比較を示す図。
AT1、およびマウスxCTのアミノ酸配列の比較を示
す図。予想される膜貫通部位を付線で示した。
RNAの発現をノーザンブロッティングにより解析した
結果を示した写真。
写真。抗BAT1抗体(左)と抗rBAT抗体(右)を
用いた。
析の結果を示した写真。抗BAT1抗体(左)と抗rB
AT抗体(右)を用い、非還元条件下(−)及び還元条
件下(+)で行った。
子、あるいはラット4F2hc遺伝子を導入したCOS
−7細胞、及びラットBAT1遺伝子とラットrBAT
遺伝子を共に導入したCOS−7細胞、ラットBAT1
遺伝子とラット4F2hc遺伝子を共に導入したCOS
−7細胞によるシスチン取り込み実験の結果を示す図。
子を導入したCOS−7細胞によるシスチン取り込み実
験において添加する塩の影響を調べた結果を示す図。
伝子を導入したCOS−7細胞によるシスチン取り込み
実験において、系への各種アミノ酸もしくはその類似化
合物添加の影響を調べた結果を示す図。
子を導入したCOS−7細胞による放射能標識アミノ酸
の取り込みを調べた結果を示す図。
Claims (22)
- 【請求項1】 アミノ酸トランスポーターであって、シ
スチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とし、
アミノ酸輸送活性化因子rBATにより活性化されるタ
ンパク質。 - 【請求項2】 組換えタンパク質である請求項1に記載
のタンパク質。 - 【請求項3】 ヒト又はラット由来である請求項1又は
2に記載のタンパク質。 - 【請求項4】 タンパク質が、配列番号1又は3で示さ
れるアミノ酸配列、又は配列番号1又は3で示されるア
ミノ酸配列において1もしくは2個以上のアミノ酸が欠
失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなる請求
項1〜3のいずれかに記載のタンパク質。 - 【請求項5】 臓器、組織、もしくは培養細胞由来であ
る請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパ
ク質をコードする遺伝子。 - 【請求項7】 配列番号2又は4で示される塩基配列、
又は、配列番号2又は4で示される塩基配列からなるD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得
る塩基配列からなる遺伝子である請求項6に記載の遺伝
子。 - 【請求項8】 ヒト又はラット由来である請求項6又は
7に記載の遺伝子。 - 【請求項9】 臓器、組織、もしくは培養細胞由来であ
る請求項8に記載の遺伝子。 - 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の遺伝
子もしくは該遺伝子の中のタンパク質をコードする遺伝
子を含むプラスミド。 - 【請求項11】 プラスミドが、発現プラスミドである
請求項10に記載のプラスミド。 - 【請求項12】 請求項10又は11記載のプラスミド
で形質転換された宿主細胞。 - 【請求項13】 配列番号1又は3で示される塩基配列
の中の連続する14塩基以上の部分配列もしくはその相
補的な配列を含むヌクレオチド。 - 【請求項14】 シスチン、塩基性アミノ酸及び中性ア
ミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードする
遺伝子を検出するためのプローブとして使用するもので
ある請求項13記載のヌクレオチド。 - 【請求項15】 シスチン、塩基性アミノ酸及び中性ア
ミノ酸を輸送する能力を有するタンパク質をコードする
遺伝子の発現を変調させるために使用するものである請
求項14記載のヌクレオチド。 - 【請求項16】 請求項1〜5のいずれかに記載するタ
ンパク質に対する抗体。 - 【請求項17】 請求項1〜5にいずれかに記載のタン
パク質又は当該タンパク質を含有する細胞を用いて、該
タンパク質の有するシスチン、塩基性アミノ酸、中性ア
ミノ酸及びその類似物質を輸送する能力に対する被検物
質の基質としての作用を測定する方法。 - 【請求項18】 請求項1〜5にいずれかに記載のタン
パク質又は当該タンパク質を含有する細胞を用いて、被
検物質の生体内におけるシスチン、塩基性アミノ酸、中
性アミノ酸及びその類似物質を輸送する能力に対する体
内動態を測定するための方法。 - 【請求項19】 輸送活性化因子rBATを併用する請
求項17又は18に記載の方法。 - 【請求項20】 被検物質が薬物又は毒物若しくは外来
性異物である請求項17〜19のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項21】 請求項17〜20のいずれかに記載の
方法により、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ
酸を基質とするトランスポーターにより細胞に取り込ま
れ易い又は細胞に取り込まれにくい物質をスクリーニン
グする方法。 - 【請求項22】 腎尿細管上皮もしくは小腸上皮におけ
るスクリーニングである請求項21に記載の方法。
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