JP2001041996A - 交流回路の故障検出方式 - Google Patents

交流回路の故障検出方式

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JP2001041996A
JP2001041996A JP11217494A JP21749499A JP2001041996A JP 2001041996 A JP2001041996 A JP 2001041996A JP 11217494 A JP11217494 A JP 11217494A JP 21749499 A JP21749499 A JP 21749499A JP 2001041996 A JP2001041996 A JP 2001041996A
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Eiji Iwami
英司 岩見
Akemi Shiokawa
明実 塩川
Yoichi Kunimoto
洋一 国元
Takaaki Tadasawa
孝明 忠澤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直列アークを各種負荷電流から識別できか
つ、これを低コストで実現できる交流回路の故障検出方
式を提供する。 【解決手段】 交流回路において、直列アーク故障等に
より発生する交流電流の零交差ごとに繰り返し発生する
不連続期間の期間の長さを求める期間判定手段と、所定
数の不連続期間の期間の長さを比較して予め定めた所定
の比率になったことに応答して直列アーク故障を示す故
障出力信号を発生するアーク判定手段と、から成ること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内配線等の交流
回路において発生する、ある状況下で電気火災の危険性
を引き出すアーク故障の検出方式に関する。
【0002】
【従来の技術】屋内配線等の交流回路における配線や、
負荷に至る電源ケーブルに、切断・押しつけ等の物理的
力がかかることにより該当箇所の導電路部分にギャッ
プ、素線の損傷・切れ等が生ずると、該当箇所を含む回
路に電圧がかかっている場合には温度、湿度等の外的要
因も加わって該当箇所の導電路部分にアーク(放電)が
発生することがある。さらに、発生したアークの周囲に
着火物があれば、最悪の場合電気火災を引き起こす可能
性がある。このような電気火災を引き起こすアーク特有
の現象を検出して回路遮断器と組み合わせることで、ア
ークエネルギー源となる交流回路の電圧とアーク発生箇
所とを切り放す即ち遮断することにより、電気火災の可
能性を低減しようとする装置の研究がなされている。
【0003】一般に、アーク故障の種類は、アークが通
る経路の観点から、並列アークと直列アークに分けられ
る。並列アークとは、配線や、負荷に至る電源ケーブル
における導電路間の絶縁が、壊れてその線間に発生する
アークをいう。一方、直列アークとは、配線や、負荷に
至る電源ケーブルにおける単一導電路中にできたギャッ
プなどに発生するアークをいう。並列アーク及び直列ア
ークとも放電現象であり、電気火災の原因となりうる。
アークの電流の大きさについては一般に、並列アークで
は線間を短絡するので負荷電流よりも大きく、直列アー
クでは負荷電流以上は流れないために小さい。このた
め、負荷電流以上は流れていない時即ち、負荷を正常に
使用している時が直列アーク故障は発生している状況が
考えられ、これは、通常の過電流遮断器では配線や、負
荷に至る電源ケーブルを当然ながら保護できない。
【0004】上述した直列アークの検出に関する従来例
としては、特開平10-62486号がある。図7(a)
および図7(b)は、従来のアーク検出方式を説明するた
めのものであり、特開平10-62486からの転記載
である。従来例となる特開平10-62486の解決手
段(要点部分)は次のとおりである。
【0005】図76(a)に示す交流回路の電流の二次導
関数を表わす図7(b)に示す二次導関数信号を発生させ
る。この信号に第1のパルスP1と、このパルスの所定
時間経過後に開始される所定持続時間の区間内に第1の
パルスとは反対極性の第2のパルスP2が含まれる場合
さらには、このパルス対Pが所定のタイミングで繰り返
し発生するパターンが感知される場合に限り、直列アー
ク故障を指示する出力信号が発生する。これは、図7
(a)に示す電流波形が零交差毎に不連続部分を発生する
点を直列アーク特有の現象として利用したもので、パル
ス対の時間間隔をもってこの不連続部分の時間間隔と
し、この時間間隔が所定時間区間内に収まる即ち、不連
続部分の時間間隔が一定値以下であることをもって直列
アーク故障と判断するというのが、その意図するところ
である。
【0006】従来例(特開平10-62486)の改善
すべき点は、以下の(1)及び(2)である。 (1)従来の解決手段では性能低下を招く可能性があ
り、これを改善すべきである。ここで、“従来の解決手
段では性能低下を招く可能性がある”理由を説明する。
従来(特開平10-62486)の解決手段の項には次
の記載がある。直列アークの検出方式に関して、「ラン
プの調光装置と、例えばテレビ受像機に用いられるよう
な全波整流器と容量性入力フィルタを用いる電源が発生
する電流波形は、直列アークの波形によく似た波形を発
生することが知られている。この電源が発生させる波形
は、電源投入時における非常に短い時間周期を除き直列
アークよりも“長い”不連続部分をもつものと予想でき
る。従って、互いに反対極性のパルス対が所定のタイミ
ングで繰り返し発生するパターンが感知される場合に限
りアークを示す出力信号を発生させる」という考え方は
すなわち、直列アークとは“短い”不連続部分を有する
もののみを指すことを意味する。“短い”の判定は、上
述したパルス対Pの時間間隔が“所定(時間)区間内に
収まる”かどうかとなる。この解決手段を用いたとする
と、問題となる性能低下を招く可能性があるのは大きく
以下の2点のケースである。尚、いずれのケースも直列
アークとは“短い”不連続部分を有するもののみを指す
としたことが原因と考える。
【0007】ケース1;主としてコンデンサと整流回路
とから構成されるリニアレギュレータ電源や、スイッチ
ング電源を持つような負荷が交流回路に含まれる場合
は、従来の解決手段にも記されているように、直列アー
クの電流波形によく似た電流波形が発生する。すなわ
ち、これらの負荷の波形は、零交差付近で不連続部分を
有する。負荷波形の不連続部分の長さは、負荷の出力に
よって左右されるために、電源投入時を除いたとしても
その長さは必ずしも直列アークの場合よりも長いとは言
いきれない。このため、これらの負荷の出力が大きく、
波形としては不連続部分が短く現れるときに、従来の解
決手段によれば負荷波形を直列アークであると誤って検
出する可能性がある。
【0008】ケース2;直列アークが発生したとき、発
生箇所での電気的な状態はアークによる導電路や導電路
被覆の劣化、さらには温度・湿度等の外的要因も加わる
ために刻々と変化すると考えられる。この変化による電
流波形への影響は、従来の解決手段が言うところの”短
い”不連続部分が繰り返し発生するパターンとなること
は少なく、むしろ”長い”・”短い”がランダム的に起
きる不連続部分が繰り返し発生するパターンとなること
が充分に予想される。このため、直列アークの発生に伴
ってあらわれた波形に、長い場合が比較的多い回数含ま
れた不連続部分が繰り返し発生するパターンの場合に
は、直列アークと判断されないことがあり、これは検出
信頼性の低下を意味する。 (2)主としてコンデンサと整流回路とから構成される
リニアレギュレータ電源やスイッチング電源を持つよう
な負荷が交流回路に含まれる場合に、これらの負荷電流
の出力を変化させるのはまれなことではない。従って、
改善する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来では以下(1)〜(5)の問題がある。 (1)負荷を正常に使用している場合等の、過電流遮断
器で保護できない低電流領域におけるアーク故障(直列
アーク)を検出できない。 (2)主としてコンデンサと整流回路とから構成される
リニアレギュレータ電源やスイッチング電源を持つよう
な負荷が交流回路に含まれる場合、これらの負荷(定
常)電流と、直列アークのアーク電流とを識別(検出)
できない。 (3)電流位相制御を行う調光器等の負荷が交流回路に
含まれる場合、これらの負荷(定常)電流と、直列アー
クのアーク電流とを識別(検出)できない。 (4)主としてコンデンサと整流回路とから構成される
リニアレギュレータ電源やスイッチング電源を持つよう
な負荷が交流回路に含まれる場合に、これらの負荷電流
の出力変化と、直列アークのアーク電流とを識別(検
出)できない。 (5)上記(1)〜(4)までの課題をクリアした直列
アーク検出方式では低コストで実現できない。
【0010】本発明は、上記問題を鑑み成されたもので
あり、その目的とするところは、直列アークを各種負荷
電流から識別できかつ、これを低コストで実現できる交
流回路の故障検出方式を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次に述べる
発見に基づく本発明により解決される。直列アークの検
出原理について、電流波形が零交差毎に不連続部分を発
生する点を(従来例と同様に)直列アーク特有の現象と
して利用したもので、不連続部分の時間間隔が(導電路
や導電路被覆の劣化、さらには温度・湿度等の外的要因
も加わるために刻々と電気的な状態が変化するために)
長くなったり短くなったりランダムな時間間隔を有する
という発見に基づいて、直列アーク故障と判断するとい
うのが本発明の意図するところである。
【0012】上記課題を解決するために、請求項1の発
明は、交流回路において、直列アーク故障等により発生
する交流電流の零交差ごとに繰り返し発生する不連続期
間の期間の長さを求める期間判定手段と、所定数の不連
続期間の期間の長さを比較して所定の比率になったこと
に応答して直列アーク故障を示す故障出力信号を発生す
るアーク判定手段と、からなることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項2の発明においては、請求項1記載
の発明において期間判定手段は、交流電流を一階微分す
る一階微分手段と、交流電流の一階微分値が交流周波数
の半サイクル毎に一定値となる一定期間の長さを検出す
る「一定値期間検出手段」とを、含むことを特徴とする
ものである。
【0014】請求項3の発明においては、請求項1記載
の発明においてアーク判定手段は、所定数の不連続期間
の期間の長さにおいて、期間の長さが最小となる最小不
連続期間と長さが最大となる最大不連続期間との比が所
定の値になったことに応答して故障出力信号を発生する
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項4の発明においては、請求項1記載
の発明においてアーク判定手段は、所定数の不連続期間
の期間の長さにおいて、経過とともに期間の長さが単調
増加または単調減少の傾向にある場合には故障出力信号
の発生を阻止する手段を含むことを特徴とする。このた
め、主としてコンデンサと整流回路とから構成されるリ
ニアレギュレータ電源やスイッチング電源を持つような
負荷が交流回路に含まれる場合に、これらの負荷電流の
出力変化から、直列アークのアーク電流のみを識別(検
出)するという第四の課題を解決できる。
【0016】請求項5の発明においては、請求項2記載
の発明において一定値期間検出手段は、交流電流の一階
微分波形をサンプリング(サンプリング動作により得ら
れる各値をP1,P2・・・Pn-1,Pn,・・・とする)する
「サンプリング手段」と、同一階微分波形の毎サイクル
の中、サンプリング値が負から正に変化する時点をその
開始時点とする正半サイクル期間においては、サンプリ
ング動作の経過に従って成立する条件と操作に関し、現
在値Pn≧前回値Pn-1の条件1が成立すれば現在値
Pnを第1極大値変数に置き換える操作1を行って、以
降のサンプリング動作においても条件1が成立すれば操
作1を継続し、現在値Pn<前回値Pn-1の条件2が
成立した以降は第1極大値変数への置き換え操作1を禁
止状態とし且つ第二極大値変数を使用可能状態とし、再
び現在値Pn≧前回値Pn-1の条件3が成立すればそ
の時点から現在値Pnを第二極大値変数に置き換える操
作2を行って、以降のサンプリング動作においても条件
3が成立すれば操作2を継続し、現在値Pn<前回値P
n-1の条件4が成立した以降は第二極大値変数への置
き換え操作2を禁止状態とし、この後サンプリング値が
正から負に変化することで示される正半サイクル期間の
終了時点をもって正半サイクル期間における第1および
第二極大値変数の各々の最終値を確定し、第1及び第二
極大値変数の各々の最終値に対応するサンプリング時刻
の時刻差を本正半サイクルの微分値が一定となる一定期
間の長さとして求め、また負半サイクルにおける微分値
が一定となる一定期間の長さについては、正半サイクル
の場合とその極性を反転させた同様の方法により、すな
わち条件1〜4の不等号の向きを反転させた各々の条件
1〜4と操作1〜2とによって求める、以上の方法によ
って毎サイクルの正半・負半サイクルの微分値が一定値
となる一定期間の長さを検出する「時間検出手段」と、
からなることを特徴とするものである。
【0017】請求項6の発明においては、請求項5記載
の発明においてアーク判定手段は、正半または負半サイ
クルにおける第1の極大値変数と第2の極大値変数の各
々の最終値を比較して所定の比率になった場合には故障
出力信号の発生を阻止する手段を含むことを特徴とする
ものである。
【0018】請求項7の発明においては、請求項2記載
の発明において一階微分手段は、熱動−電磁式遮断器の
引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部を含む
ことを特徴とするものである。
【0019】請求項8の発明においては、請求項7記載
の発明において一階微分手段は、熱動−電磁式遮断器の
引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部の1部
または全部から取り出される電圧もしくはプランジャー
の巻線部に追加巻線を施した総合巻線から取り出される
電圧を交流電流の一階微分波形とすることを特徴とする
ものである。
【0020】請求項9の発明においては、請求項7記載
の発明において一階微分手段は、熱動−電磁式遮断器の
引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部内を通
過する磁束を共有する別巻線を配置し、別巻線から取り
出される電圧を交流電流の一階微分波形とすることを特
徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係わる交流回路の故障検
出方式の一実施の形態について、図1乃至図6を用い
て、詳細に説明する。
【0022】以下、本発明の実施形態を説明する。図1
は本発明の一実施形態に係る交流回路の故障検出方式の
検出原理を説明する説明図である。図1において、図1
(a)は直列アーク発生時に現れる電流波形であり、図1
(b)は図1(a)の電流波形を一階微分した波形である。
直列アークが発生している期間中は、「零交差毎に現れ
る波形が連続しない」不連続部分の時間間隔が長くなっ
たり短くなったりランダムな時間間隔を有するという発
見の様子(例)は、図1(a)で不連続期間t1〜t6が
すなわち“不連続部分”にあたり、不連続期間t1〜t
6はおのおのその時間幅が異なっているということが、
“時間間隔が長くなったり短くなったりランダムな時間
間隔を有する”にあたる。不連続期間t1〜t6の中で
は時間間隔に関して視覚的には、不連続期間t4が最も
短く、不連続期間t6が最も長いが、直列アークに関す
る(米国UL1699規格に準じた)実験によれば、最
も短いものと、最も長いものとを比べると時間間隔の比
は少なくとも2倍はあるという結果を得ている。この結
果に基づき、電流波形の不連続期間の時間間隔の比がお
おむね2倍を越えた場合に直列アークと判定するという
のが(本発明の)直列アーク検出原理の基礎となる考え
方である。
【0023】本発明において使用する不連続期間の時間
間隔をそれぞれの時間間隔の比を求めるために数値とし
て取り出す前工程として行う、電流波形の不連続期間を
波形的により際だたせるための工程が、一階微分であ
り、不連続期間は一階微分するとその値が原理的に零と
なるので、微分値が零となっている一定期間(=零期
間)が不連続期間に相当する。具体的には、電流波形
(a)及びこれに一階微分を施した(b)において、(a)の
不連続期間t1の一階微分は(b)の零期間t1に相当す
る。t2、t3、・・・、t6についても同様の関係に
ある。
【0024】先に述べた“電流波形の不連続期間の時間
間隔の比が、おおむね2倍を越えた場合に直列アークと
判定する”という検出原理を数値例にて説明する。(電
流(a)の一階微分工程後の波形である (b)の)零期間
の時間幅を測定する(後述の一定値期間検出)手段を用
いて、零期間t1、零期間t2、・・・、零期間t6の
それぞれの時間幅が、任意単位で、0.23、0.17、
0.23、0.15、0.28、0.75が得られたとす
る。零期間t1〜t6の中で、零期間t4(時間幅は
0.)は最短時間幅で、零期間t6(時間幅は0.75)
は最長時間幅である。言いかえれば、不連続期間t4が
最短時間間隔で、不連続期間t6が最長時間間隔であ
る。(時間幅と時間間隔とは同義で使用)この組合せに
おいて、最短時間間隔(0.15)と最長時間間隔(0.
75)の比が、2倍(0.75÷0.15=5倍)を越え
る。そして、2倍を越えたことが判明したこの時点で、
直列アーク発生と判断する。一方、直列アーク発生と判
断しない場合の例としては、電流波形を観測し始めてか
ら不連続期間t1を観測してさらに不連続期間t5を観
測した時点におけるような場合であり、最短時間間隔
(零期間t4の時間幅は0.)と最長時間間隔(零期間
t5の時間幅は0.28)の比が2倍(0.28÷0.=
1.87倍)を越えていないことがその理由である。
【0025】図3は、これまで説明してきた検出原理の
具体的構成をあらわすもので、本発明の交流回路の故障
検出方式の構成をあらわす構成図である。検出原理の流
れを「構成要素」とその機能に区切って簡単に述べる。
電流検出手段3によって検出された電流波形を、一階微
分手段4によって一階微分し、一定値期間検出手段2に
よって一階微分波形の各零期間の時間幅を求め、アーク
判定手段7によって(複数の)零期間の時間幅の中で最
短のものと最長のものとを比較して、略2倍以上あるか
をもって直列アークが発生しているかを判定する。一定
値期間検出手段2の詳細については後述する。
【0026】アーク判定手段7は、不連続期間の時間間
隔が単調増加または単調減少の傾向にある場合には、最
短不連続期間と最長不連続期間の比が略2倍以上あると
いう直列アークの条件に関係なく直列アークであるとい
う故障出力信号の発生をさせない。不連続期間の時間間
隔が単調増加するとは、不連続期間t1≦不連続期間t
2≦不連続期間t3≦不連続期間t4≦・・・の場合で
ある。不連続期間の時間間隔が単調増加するとは、不連
続期間t1≧不連続期間t2≧不連続期間t3≧不連続
期間t4≧・・・の場合である。この単調増加、単調減
少の関係にある不連続期間の群においては、最短不連続
期間と最長不連続期間の比がおおむね2倍以上あっても
直列アーク故障とは見做さない。
【0027】図2は、一階微分波形を入力ソースとし
て、各零期間の時間幅を求める「一定値期間検出手段」
の処理方法を説明する説明図である。図2は直列アーク
が発生している場合の入力ソースである電流波形の一階
微分波形の一部分の例、 図3は零期間の時間幅特に、
正零期間の時間幅を求める処理フローである。説明にあ
たり、図2は、上述した図1(b)のいずれか一部分と考
えてよい。零期間の時間幅の求め方を説明する。一定値
期間検出手段2は、図4で示すように、大きくはサンプ
リング手段5と、時間検出手段6とに分けられる。サン
プリング手段5の機能は一階微分波形をA/D変換し数
値データとして得ることであり、時間検出手段6の機能
はこの数値データから零期間の時間幅を数値で求めるこ
とである。
【0028】図3の、STARTを始めとして処理フロ
ーを下方へ説明してゆく。ステップ1にて、入力ソース
である電流の一階微分波形をサンプリング手段5により
数値データ(図2に示すのは、数値データ各値をP1,
P2・・・Pn-1,Pn,・・・、及び正期間等の期間に関す
る呼び名)を得る。ステップ2にて、 Pn>0なら正
期間、 Pn<0なら負期間と、後の処理が期間の正・
負により異なるために分別する。本処理フロー及びその
説明は、 Pn>0である正期間内にある正零期間の時
間間隔を求めるところを主に記述する。サンプリング手
段によって得られた現在値Pnが単調に増加する間、す
なわちPn≧Pn-1 が成立する間は、A/D変換で得
られた現在値Pnを第1の極大値変数に置き換えること
をその間、サンプリング毎に繰り返す (ステップ3のY
es分岐) 。ステップ4にて(a)の、P1≦P2≦・・
・≦P6が単調に増加する間にあたり、 P6をサンプ
リングした時点で、第1の極大値変数へはP6が入力さ
れる。P7をサンプリングした時点で、現在値Pnが単
調に増加しなくなった(P6>P7)ので、すなわちPn
<Pn-1が成立(ステップ5のYes分岐)したので、
ステップ6にて第1の極大値変数はP6のままとして新
たなサンプリング値Pnの入力を禁止する。サンプリン
グは継続し(ステップ7へ)、P9をサンプリングした時
点で、P8≦P9となって現在値Pnが再び単調増加に
転じ、P13に至るまで単調増加傾向となるこの間は先
のステップ3〜6と同1ステップを再び行う。“同一ス
テップ”とはそれぞれ、ステップ9はステップ3、ステ
ップ10はステップ4、ステップ11はステップ5、ス
テップ12はステップ6、の関係をもって同一の処理を
することを意味する。 P14をサンプリングした時点
で、P8≦P9≦・・・≦P13 かつ P13>P14
が得られ、 ステップ12にて第2の極大値変数はP1
3のままとして新たなサンプリング値Pnの入力を禁止
する。P6が第1の極大値変数に入力された時刻と、P
13が第2の極大値変数に入力された時刻との時刻差
が、正零期間の時間間隔である。以上が、 Pn>0の
期間(=正期間)にある正零期間の時間間隔を求める説
明であり、1方、Pn<0の期間(=負期間)にある負
零期間の時間間隔は、ステップ3、5、9、11の不号
部分を逆転させれば正期間の考え方を適用できる。
【0029】図5は、アーク判定手段7が調光器の負荷
電流を直列アークとして誤検出しない原理を搭載した、
アーク判定手段の検出原理を説明する説明図である。図
5(a)は、調光器の負荷電流である。図5(b)は、図5
(a)に一階微分を施した一階微分波形である。調光器の
負荷電流波形は、位相制御によって、通電開始点が急峻
な傾きで上昇するために、これが一階微分波形図5(b)
上でピークが高く時間幅の狭いパルス的な波形としてあ
らわれる。これにより、第1の極大値変数と第2の極大
値変数の差が拡大する。具体的構成にもよるが、仮に検
出精度が20%とすれば、この第1極大値変数と第二極
大値変数の差が1.2倍程度以上あれば調光器の負荷電
流と見做す。この差が1.2倍程度以上あり調光器の負
荷電流とした場合には、最短不連続期間と最長不連続期
間の比が略2倍以上あっても直列アーク故障とは見做さ
ない。
【0030】図6は、一階微分手段の具体的な回路を示
すためのもので、本発明の故障検出方式の一階微分手段
の回路構成をあらわす構成図である。電流が通る部分と
接続される熱動ー電磁式遮断器の引き外し装置の一部で
あるプランジャーPLを一階微分手段の主構成として用
いる。プランジャーPLは巻線であり、インダクタンス
として使用できるので、図6(b)のようにプランジャ
ーに流れる電流をプランジャーの両端または1部から電
圧として取り出せば、自己インダクタンスの原理にて一
階微分の手段として利用できる。さらに、図6(c)の
ように追加巻線等でインダクタンス分増強し、相互イン
ダクタンスの原理にて一階微分の手段として利用でき
る。
【0031】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3または請求項5記
載の発明によれば、負荷を正常に使用している場合等
の、過電流遮断器で保護できない低電流領域におけるア
ーク故障(直列アーク)を検出することができるととも
に、さらに主としてコンデンサと整流回路とから構成さ
れるリニアレギュレータ電源やスイッチング電源を持つ
ような負荷が交流回路に含まれる場合、これらの負荷
(定常)電流と、直列アークのアーク電流とを識別(検
出)することができるとい言う効果を奏する。
【0032】請求項4記載の発明によれば、主としてコ
ンデンサと整流回路とから構成されるリニアレギュレー
タ電源やスイッチング電源を持つような負荷が交流回路
に含まれる場合に、これらの負荷電流の出力変化から、
直列アークのアーク電流のみを識別(検出)することが
できるとい言う効果を奏する。
【0033】請求項6記載の発明によれば、電流位相制
御を行う調光器等の負荷が交流回路に含まれる場合、こ
れらの負荷(定常)電流と、直列アークのアーク電流と
を識別(検出)することができるとい言う効果を奏す
る。
【0034】請求項7乃至請求項9記載の発明によれ
ば、熱動ー電磁式遮断器に本発明の構成を組み合わせた
いときに電流検出手段及び一階微分手段として遮断器の
構成(プランジャー)を利用することで、新たに電流検
出手段及び一階微分手段としてCT(変流器)やCR微
分回路を準備する必要がないために、直列アーク検出方
式を低コストでできるとい言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明係わる交流回路の故障検出方式の一実施
形態の検出原理を説明する図である。
【図2】上記発明の各零期間の時間幅を求める一定値期
間検出手段の処理方法を説明する図である。
【図3】上記発明の各零期間の時間幅を求める一定値期
間検出手段の処理方法を説明する図である。
【図4】上記発明の交流回路の故障検出方式の構成をあ
らわす構成図である。
【図5】上記発明のアーク判定手段の検出原理を説明す
る説明図である。
【図6】上記発明の故障検出方式の一階微分手段の回路
構成をあらわす構成図である。
【図7】従来の給電装置である。
【符号の説明】
1 期間判定手段 2 一定値期間検出手段 3 電流検出手段 4 一階微分手段 5 サンプリング手段 6 時間検出手段 7 アーク判定手段 P パルス対 P1 第1のパルス P2 第2のパルス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月9日(2000.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】図7(a)に示す交流回路の電流の二次導関
数を表わす図7(b)に示す二次導関数信号を発生させ
る。この信号に第1のパルスP1と、このパルスの所定
時間経過後に開始される所定持続時間の区間内に第1の
パルスとは反対極性の第2のパルスP2が含まれる場合
さらには、このパルス対Pが所定のタイミングで繰り返
し発生するパターンが感知される場合に限り、直列アー
ク故障を指示する出力信号が発生する。これは、図7
(a)に示す電流波形が零交差毎に不連続部分を発生する
点を直列アーク特有の現象として利用したもので、パル
ス対の時間間隔をもってこの不連続部分の時間間隔と
し、この時間間隔が所定時間区間内に収まる即ち、不連
続部分の時間間隔が一定値以下であることをもって直列
アーク故障と判断するというのが、その意図するところ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国元 洋一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 忠澤 孝明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2G015 BA05 CA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流回路において、直列アーク故障等に
    より発生する交流電流の零交差ごとに繰り返し発生する
    不連続期間の期間の長さを求める期間判定手段と、所定
    数の不連続期間の期間の長さを比較して予め定めた所定
    の比率になったことに応答して直列アーク故障を示す故
    障出力信号を発生するアーク判定手段と、から成ること
    を特徴とする交流回路の故障検出方式。
  2. 【請求項2】 前記期間判定手段は、交流電流を一階微
    分する一階微分手段と、交流電流の一階微分値が交流周
    波数の半サイクル毎に一定値となる一定期間の長さを検
    出する一定値期間検出手段とから成ることを特徴とする
    請求項1記載の交流回路の故障検出方式。
  3. 【請求項3】 前記アーク判定手段は、所定数の不連続
    期間の期間の長さにおいて、不連続期間の長さが最小と
    なる最小不連続期間と不連続期間の期間の長さが最大と
    なる最大不連続期間との比が予め定めた所定の値になっ
    たことに応答して直列アーク故障を示す故障出力信号を
    発生することを特徴とする請求項1記載の交流回路の故
    障検出方式。
  4. 【請求項4】 前記アーク判定手段は、所定数の不連続
    期間の期間の長さにおいて、経過とともに不連続期間の
    長さが単調増加または単調減少の傾向にある場合には故
    障出力信号の送出を停止する手段を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の交流回路の故障検出方式。
  5. 【請求項5】 前記一定値期間検出手段は、交流電流の
    一階微分波形をサンプリングするサンプリング手段と、
    交流電流の毎サイクルの正半または負半サイクルの微分
    値が一定値となる一定期間の長さを検出する時間検出手
    段と、からなることを特徴とする請求項2記載の交流回
    路の故障検出方式。
  6. 【請求項6】 前記アーク判定手段は、交流電流の毎サ
    イクルの正半または負半サイクルにおける第1の極大値
    変数と第2の極大値変数の各々の最終値を比較して予め
    定めた所定の比率になった時に故障出力信号の発生を阻
    止する故障出力信号発生阻止手段を含むことを特徴とす
    る請求項5記載の交流回路の故障検出方式。
  7. 【請求項7】 前記一階微分手段は、熱動−電磁式遮断
    器の引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部を
    含むことを特徴とする請求項2記載の交流回路の故障検
    出方式。
  8. 【請求項8】 前記一階微分手段は、熱動−電磁式遮断
    器の引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部の
    一部または全部から取り出される電圧もしくは、プラン
    ジャーの巻線部に追加巻線を施した総合巻線から取り出
    される電圧を交流電流の一階微分波形とすることを特徴
    とする請求項7記載の交流回路の故障検出方式。
  9. 【請求項9】 前記一階微分手段は、熱動−電磁式遮断
    器の引き外し装置の一部であるプランジャーの巻線部内
    を通過する磁束を共有する別巻線を配置し、該別巻線か
    ら取り出される電圧を交流電流の一階微分波形とするこ
    とを特徴とする請求項7記載の交流回路の故障検出方
    式。
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