JP2001041850A - 異方性薄膜の評価方法及び評価装置 - Google Patents

異方性薄膜の評価方法及び評価装置

Info

Publication number
JP2001041850A
JP2001041850A JP21431499A JP21431499A JP2001041850A JP 2001041850 A JP2001041850 A JP 2001041850A JP 21431499 A JP21431499 A JP 21431499A JP 21431499 A JP21431499 A JP 21431499A JP 2001041850 A JP2001041850 A JP 2001041850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
stage
measurement
thin film
incident
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21431499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3498014B2 (ja
Inventor
Satoshi Ito
聡 伊藤
Ichiro Hirozawa
一郎 廣沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP21431499A priority Critical patent/JP3498014B2/ja
Publication of JP2001041850A publication Critical patent/JP2001041850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498014B2 publication Critical patent/JP3498014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子に用いられる液晶配向膜等の異
方性薄膜の分子配向評価法と評価装置を提供する。 【解決手段】 異方性配向膜の分子配向状態を試料から
の反射光の偏光状態を測定することにより評価する方法
において、試料の測定面内回転移動機構の回転ステージ
201と、試料の測定面内方向に互いに直交した方向に
水平移動する機構の平行移動ステージ202・203、
及び試料測定面傾斜の微調整機構の傾き角調整機構20
4、上下に移動して試料の測定面高さを調整できるZ軸
ステージ205をもつ試料ステージを保持することによ
り、被測定試料表面内の高さに異なる部分を有する場合
においても全画素の評価が可能となる。かつ、回転ステ
ージの精度不足による位置ずれを平行移動ステージ20
2・203による微調整により補うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶分子に初期配
向を与える液晶配向膜等、分子配向に異方性がある薄膜
における分子配向状態の評価方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子に用いられる液晶配向膜等
の異方性薄膜の評価法は、可視光線を用いる方法として
は、複数の波長を入射した際に発生する反射光強度の入
射角依存性を測定する方法(特開平5−5699号公
報、特開平4−329333号公報)や、反射光強度の
入射角及び入射方位との依存性から測定する方法(特開
平3−65637号公報)、直線偏光した入射光をレン
ズにより集光した後、S偏光成分のみ及びP偏光成分の
みをもつ入射光を用いて、反射光強度の入射角及び入射
方位依存性を能率的に測定する方法(特開平8−152
30号公報)、試料を面内回転させ反射光の偏光状態に
おける入射方位依存性から配向部の誘電率、膜厚及び主
誘電率座標の方向、無配向部の誘電率と膜厚を決定する
方法(特開平9−218133号公報)等が提案されて
いる。一方、可視光線を用いない方法としては、有機薄
膜の分子配向状態を評価するために直線偏光した赤外線
を用いた赤外線吸収分光による方法が広く行われている
(R. Arafune et al., Appl. Phys. Lett. 71, 2755, 1
997、他)。これらは試料を透過する赤外線の強度の偏
光方位と試料方位の相対的角度に対する変化量を測定す
るものである。つまり赤外線吸収量が分子配向方位によ
って違う二色性を検出して配向方位を評価する手法であ
る。この手法はシリコンや弗化カルシウム(ホタル石:
CaF2 )など赤外線が透過する基板上に作成された膜
に限られる。前者の可視光線を利用する方法は、結晶性
が高い無機物の薄膜においては結晶構造と光学的異方性
の相関が明らかになっているものも多いため、分子配向
と等価な結晶配向に関して定量的な評価が可能である。
特に、特開平9−218133号公報は光学的異方性ば
かりでなく、試料膜厚も決定することが可能である点か
ら有効な手段と考えられる。
【0003】図20は、試料に一定の偏光状態の光を一
定の入射角にて入射した場合に生じる反射光の偏光状態
の入射方位依存性を測定する際に用いられる従来の測定
装置の概略の構成を示すブロック図である。図20にお
いて、101は光源、102は偏光子、103は試料、
104は試料ステージ、105は回転機能を持つ1/4
波長板等からなる位相差板、106は回転機能を持つ検
光子、107は光強度検出器である。109はコンピュ
ータであり、偏光測定装置(光源101、偏光子10
2、位相差板105、検光子106、光強度検出器10
7を指し示す総称とする)、試料ステージを制御し、測
定値の格納と処理を行う。
【0004】110はレンズであり、入射光側のレンズ
な焦点位置における径調整に用いられ、反射光側のレン
ズは光強度検出器に入射する光が平行光線となるように
制御する。111は画像出力装置であり白黒のコントラ
ストの階調により配向度の面内分布を表す。また、偏光
子方位は入射光と反射光とにより定義される散乱面に対
して45°程度の角度に設定され、また検光子106の
偏光方位は偏光子102に対して90°の角度になされ
ている(いわゆる直交ニコル)。
【0005】図21は、図20に示された試料ステージ
104の詳細な構成を示す斜視図である。201は試料
を試料表面に対し面内回転させるための回転ステージ、
202と203は試料表面に対し平行に移動する平行移
動ステージ(202はXステージ、203はYステー
ジ)である。回転ステージ201の回転軸は試料103
表面上の入射光があたる焦点位置を通るように配置され
ている。回転ステージ201の上に設置された2つの平
行移動ステージ202、203は移動方向が回転軸と直
交するように配置され、かつそれぞれの平行移動の方向
が直交している。なお、図21中の矢印は各ステージの
移動方向を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示素子の各画素
は薄膜トランジスタや配線により構成され、それぞれの
画素の縦横の長さは数十μm程度である。これら実際の
液晶表示素子上における液晶配向膜の評価を行う場合に
は、絞りやレンズ等により径を絞った光を用いるととも
に、回転ステージの機械的精度が要求される。例えば、
試料表面においての光の径が10μmである場合には、
回転ステージには回転中心のぶれが1μm以下であるこ
とが要求される。しかしながら、軸精度が1μm以下の
回転ステージを製作することは困難な状況にある。更
に、液晶表示素子の液晶配向膜を測定する場合、画素を
構成するための下地構造が液晶配向膜の下に存在するた
めにガラス基板の裏面と液晶配向膜表面が必ずしも平行
とは限らない。そして、品種によってガラス基板の厚さ
や画素を構成する薄膜の厚さも異なるため、回転ステー
ジと試料を保持するステージと平行移動ステージだけで
は異なる品種の液晶表示素子の液晶配向膜評価をするこ
とができない。また、カラーフィルタ付きの画素の場合
は各カラーフィルタの色ごとに下地の厚さが違う場合が
多いため、同一の基板上においても従来の装置構成では
全画素の評価が困難である。
【0007】本発明の課題は上述した従来技術の問題を
解決することであり、その目的は、液晶配向膜試料等の
異方性薄膜を評価する為、一定の偏光状態の光を一定の
入射角にて入射し、その反射光における偏光状態の入射
方位依存性の面内分布を求める際に、回転ステージの軸
精度が1μm以下の場合と同等の精度に補うことができ
るようにすることである。また、被測定試料表面の高さ
や傾きに異なる部分の有る場合にも、面内全領域の評価
を高精度に行い得るようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、薄膜試料の表面に一定の偏光状態
の単色光を一定の角度から入射した際に発生する反射光
の偏光状態の入射方位依存性を評価する方法であって、
(1)試料が搭載された回転ステージを回転させて試料
に対する光入射方位を所定の方位に設定する過程と、
(2)回転ステージが回転したことに伴う試料表面の平
面方向の位置ずれを補正する過程と、(3)前記単色光
を入射して反射光の偏光状態を測定する過程と、を有す
ることを特徴とする異方性薄膜の評価方法、が提供され
る。そして、好ましくは、前記第(1)の過程の後、前
記第(2)の過程に先立って、若しくは、前記第(2)
の過程の後、前記第(3)の過程に先立って、回転ステ
ージが回転したことに伴う試料表面の高さのずれ、及び
/又は、試料表面の傾きを補正する過程が挿入される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、液
晶配向膜等の異方性薄膜の分子配向状態を評価するため
に用いる評価装置における試料を搭載するステージとし
て、試料表面の法線方向に対し平行移動する機能を持つ
ステージ(Zステージ)、測定点を中心に試料を面内回
転させる機能を持つステージ(回転ステージ)、試料表
面内に平行移動する機能を持つステージ(Xステージと
Yステージ)、及びスイベル(swivel)等により試料面
の入射光に対する傾き角を微調整する機構(傾き角調節
機構)を備えているものが提供される。
【0009】
【作用】試料表面の法線方向に平行移動する機能を持つ
ステージ(Zステージ)とスイベル等により基板の傾き
を調整する機構(傾き角調節機構)の利用により被測定
試料表面の高さや傾きに面内で異なる部分が有る場合に
も高い精度の評価が可能となる。また、反射光の入射方
位依存性を測定する際に回転ステージを用いて試料方位
を変えるが、回転ステージの機械的精度不足によって生
じる測定位置のずれは、試料表面内に平行移動する機能
を持つステージ(XステージとYステージ)の利用によ
り試料を移動させることによって補正できる。さらに、
Zステージと傾き角調節機構とを利用することにより、
回転ステージが回転する都度、高さ及び傾きを補正する
ことが可能になり、より高い精度の測定が可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明の異方性薄
膜の評価装置の概略の構成を示すブロック図である。1
01は単一波長光の光源であり、例えば波長633nm
程度のHe−Neレーザー光源が用いられる。102は
偏光子、103は試料、104は試料ステージ、105
は回転機能を持つ位相差板であり1/4波長板等が用い
られる。106は回転機能を持つ検光子、107はフォ
トマルチプライヤーなどからなる光強度検出器である。
108は試料103の傾きを測定するオートコリメータ
と測定位置近傍を観察する顕微鏡でありCCDカメラに
よって画像情報が取得される。オートコリメータ及び顕
微鏡108の像取り込み部分は試料の測定位置の上方に
設置される。109はコンピュータであり、偏光測定装
置(光源101、偏光子102、位相差板105、検光
子106、光強度検出器107を指し示す総称とす
る)、試料ステージ104、オートコリメータ及び顕微
鏡108を制御し、測定値の格納と処理を行う。110
はレンズ、111は画像出力装置であり白黒等のコント
ラストの階調等により配向度の面内分布を表す。
【0011】また、偏光子102の偏光方位は入射光と
反射光とにより定義される散乱面に対して45°程度の
角度とし、検光子106の偏光方位は偏光子102の偏
光方位に直交するようにする。入射光側の偏光子102
と試料103との間に設けたレンズ110は、焦点位置
におけるビーム径を調整するためのもので例えば径を1
0μm程度となるようにする。また、反射光側は焦点距
離が入射光側とおなじレンズ110を検光子106と光
強度検出器107の間に入れ、検出される光が平行光線
となるようにする。
【0012】図2は、図1に示された試料ステージ10
4の具体的な構成を示す斜視図である。201は回転ス
テージ、202、203は平行移動ステージ(202は
Xステージ、203はYステージ)、204は傾き角調
節機構、205はZステージ、206は試料を保持する
ステージである。回転ステージ201の回転軸は試料1
03表面上の入射光があたる焦点位置を通るように配置
される。回転ステージ201の上に設置された2つの平
行移動ステージ202、203は移動方向が回転軸と直
交するように配置され、それぞれの平行移動の方向は直
交している。さらに平行移動のステージの上にスイベル
等からなる試料表面の傾きを調整する傾き角調節機構2
04が設けられ、直接に試料103が置かれるステージ
206の傾き角を調整する。Zステージ205は、回転
ステージ201の下にとりつけられた回転軸と平行に移
動し、厚さの違う試料に対応して試料表面の高さを最適
化する。なお、図2中の矢印は各ステージの移動方向を
示している。
【0013】なお、動作させたステージ等より上部にあ
るステージ等は動作させたステージ等と一体となって動
くものであり、各ステージの組み合わせとしては、Xス
テージ、Yステージと傾き角調節機構は回転ステージ2
01の上部に配置される必要があり、Zステージの設置
位置には特に制限はない。一例として、試料を保持する
ステージから遠い順に回転ステージ、Zステージ、Xス
テージ、Yステージ、傾き角調節機構といった組み合わ
せができる。回転ステージ201には自作のものを用い
た。平行移動ステージ202、203には市販の品を用
い、駆動は5相のステップモータにより行った。バック
ラッシュ等による位置決め精度の再現性の低下を避ける
ため、位置決め分解能向上のために用いられるレデュー
サ(減速機)を用いることなく、ステップモータの軸に
取り付けられたウオーム軸を直接ステージに固定した。
位置決め分解能1μmを達成するために、ステップモー
タドライバを、10000パルスに1回転程度に設定し
た。
【0014】[回転ステージの位置ずれの測定]回転ス
テージの位置ずれの測定を以下のように行った。先ず、
位置ずれデータ作成用試料を作成する。直径15μm程
度の金薄膜を1辺10mm程度のガラス基板上に45μ
m程度の間隔にて格子状に真空蒸着した。ガラス基板の
裏面には保護膜を作成した。保護膜はアセトン洗浄の
後、ポリアミン酸を塗布し、300℃程度にて60分程
度焼成して得られたポリイミド膜である。この基板を温
度20℃程度の濃度8%の弗化水素水に55秒浸した。
濃度1規定の水酸化ナトリウム水溶液に120分程度浸
漬することにより、弗酸によるガラス面のエッチング反
応を停止させるとともに、基板裏面のポリイミド保護膜
を除去した。その後、40℃程度の純水にて2回洗浄し
た後、アセトンへの30分の浸漬と純水洗浄及び裏面の
布による拭き取りを3回繰り返して裏面のポリイミド膜
を完全に除去した。最後に流水洗浄後に80℃程度窒素
雰囲気のオーブンにより乾燥を行った。以上のようにし
て図3に示すような円形の金薄膜が格子状に蒸着された
板を得た。実際に金薄膜格子が蒸着している範囲は1辺
5mm程度の正方形の範囲であるが図3はその一部分を
模式的に示したものである。図3の301は金蒸着部
分、302は弗酸によるエッチングによりスリガラス状
になった部分である。
【0015】上記のように作成された位置ずれデータ作
成用試料を試料ステージに設置して回転ステージの位置
精度を測定した。オートコリメータによって試料表面の
傾きを測定し傾き角調節機構を動作し調整しようとした
ところ、スリガラスの部分が多く、反射光強度が弱い
上、反射像の周囲の境界があいまいになったため、傾き
調整の精度は他の試料の場合よりも劣っていた。そのた
め位置ずれデータ作成用試料と同じ厚さと形状をもつ光
学研磨されたガラス基板を使用して傾き角を調整し、ス
テージのおよその高さを決定した後、再び位置ずれデー
タ作成用試料を設置し直した。
【0016】続いて、回転ステージの目盛りが示す入射
方位を0°にしておき、平行移動ステージを微調整程度
に移動させながら検出される反射光強度が付近にて最大
になる位置を捜し、そこを座標(0、0)とした。この
時、試料を試料測定部分表面内に平行移動させる機能を
持ち特定方向に移動するステージをXステージ、それと
は表面内にて直交する方向に移動するステージをYステ
ージとし、Xステージの移動する方向をX方向、Yステ
ージの移動する方向をY方向とした。なお、このときの
光の入射角は45°程度に設定したため、試料表面上に
て光は入射方向に14μm程度、それに対し垂直方向に
10μm程度の楕円形になっていると考えられる。この
状態にて回転ステージを10°ずつ回転させ、それぞれ
の入射方位ごとにXステージ及びYステージを移動させ
ることによって検出される反射光強度が最大になる位置
を探した。図4、5に上記の方法にて測定された、回転
ステージのX方位とY方位における位置補正量を示す。
以上のようにして回転ステージ起動時の位置ずれ補正の
ための参照用データが取得された。なお、金を位置ずれ
データ作成用試料を用いたのは光の反射率が高いため、
反射光の観測からスリガラス状になった部分との判別が
付き易い為等による。
【0017】上述のようにして取得できた回転ステージ
精度補正の参照用データは、回転ステージを回転間隔1
0°にて回転させた際の、離散的な入射方位に対するX
ステージ及びYステージの補正量のデータであるため、
データを取得した以外の入射方位についても補正できる
ようにするには、また、コンピュータにて自動位置ずれ
補正を行うプログラムを作成するためには、参照用デー
タを補間することが必要である。回転ステージの光入射
方位をAとする。得られている回転ステージ精度補正の
参照用データのある方位は回転ステージを10°間隔に
て回転させているので、10×I(Iは整数)であり、
X及びY方向の位置ずれをX(I)、Y(I)と定義す
る。任意の入射方位角Aにおいての位置ずれは測定され
た位置ずれを補間して、A/10の整数部分をJとした
ときに、X、Y方向の位置ずれを各々式(1)、式
(2)とすると、 {X(J+1)−X(J)}×(A/10−J)+X(J) (1) {Y(J+1)−Y(J)}×(A/10−J)+Y(J) (2) と表せる。このようにして求めた位置ずれの補間の式に
基づき、XステージとYステージにより各方位ごとに移
動し補正することができる。
【0018】被測定試料は以下のように作成した。25
μmの間隔にて幅10μmのクロム配線が蒸着されたガ
ラス基板(コーニング7059)上に日産化学製ポリイ
ミドPI−Bをスピンコートし、90゜Cにて30分加
熱した後、250゜C程度にて60分加熱した。その後
に直径50mmの布ローラーを用いて、押し込み長0.
1mm、回転速度800rpm、基板移動速度30mm
/sにて2回のラビングを行った。位置ずれ補正の有無
による違いを示す例として、後述する偏光状態の入射方
位依存性を位置ずれ補正せずに測定した結果と、位置ず
れ補正を行って測定した結果を各々図6、図7に示す。
図6には位置ずれのため入射光の一部が配線にかかり、
測定された偏光状態が異常な値になっている方位がある
と考えられる。位置補正を行うと図7のように全方位に
わたって異常値が現れることはなくなる。
【0019】偏光測定に先立って回転ステージの回転中
心と測定位置、及び試料表面の測定位置における法線と
回転ステージの軸が一致するように、Zステージと傾き
角調節機構によって試料位置の調整を行う。試料高さの
最適化は検出器に入る反射光強度を最大化するようにZ
ステージにより調整し、試料傾きの最適化はオートコリ
メータにて傾き状態を測定しながら傾き角調節機構によ
り試料表面が水平になるように傾き調整を行う。偏光の
入射方位依存性測定は、ある入射方位からの反射光の偏
光状態(S偏光成分とP偏光成分の位相差Δ、P偏光成
分のS偏光成分に対する振幅比の逆正接ψ)が決定され
たのち、回転ステージによって試料を回転して、入射方
位を変える。この繰り返しによって試料が1回転を超え
るまで回転させて、反射光の偏光状態の入射方位依存性
を測定する。この際の入射方位変更の間隔は等間隔にと
るのが一般的である。なお、回転ステージを用いて入射
方位を変えるたびに傾き角調節機構による傾き調整とZ
ステージによる高さ調整を行うことが望ましいが、近年
の液晶表示素子用ガラス基板表面の加工精度は相当に高
いため、精度のよい回転ステージを使用し同一位置の測
定であるなら、入射方位を変えるごとに測定試料表面の
高さ方向及び傾き角の調整をする必要のない場合も多
い。また、高さ方向の調整と傾き角の調整は、必要に応
じていずれか一方のみとすることができる。
【0020】前述のようにしてあらかじめ得られた回転
ステージ精度補正の参照用データを補間した式を用い、
位置補正しながら被測定試料の偏光状態の入射方位依存
性、面内方向依存性等を従来から用いられている方法に
より以下のように測定していく。光源から出た光は偏光
子により一定の偏光状態にされ、試料表面に入射する。
試料表面からの反射光の偏光状態は回転機能を持つ検光
子、位相差板を通過することにより変調がかけられ、光
強度検出器にて光の強度が測定される。反射光の偏光状
態を測定するには、回転検光子法、回転位相子法、消光
点法(参照:大塚、日本金属学会会報、20巻7号61
4ページ1981年)などの測定法を用い、ガラス基板
上に作成された液晶配向膜中の分子配向の状態を評価す
るエリプソメトリ(Ellipsometry:偏光解析)を行い、
偏光状態を測定する。
【0021】ある入射方位からの反射光の偏光状態が決
定されたならば、回転ステージによって試料を面内回転
して、入射方位を変える。この繰り返しによって試料が
1回転を超えるまで回転させて、反射光の偏光状態の入
射方位依存性を測定する。この際の入射方位変更の間隔
は等間隔にとるのが一般的である。そして、その際に、
本発明に従って回転ステージの位置補正がなされる。
【0022】更に、反射光の偏光状態の入射方位依存性
から配向膜の分子配向状態を直接反映した配向部分の誘
電率、主誘電率、主座標系の膜表面に対する角度、厚さ
を求め、また、ラビング処理によっても分子配向を生じ
ない非配向部分の屈折率と厚さを求めることにより液晶
配向膜表面の分子配向を評価する。即ち、ラビング処理
によって形成された液晶配向膜は最表面相が異方性のあ
る物質、その下の無配向相を等方的な物質の2層からな
る膜と考える。このような構造の膜表面において光が反
射された際の反射光の偏光状態は異方性層の主誘電率、
主座標系の膜表面に対する角度、厚さと、非配向部分の
屈折率と厚さ、及び基板の屈折率に依存する。この反射
光の偏光状態は4×4行列Berrman法(参照:D.W.Berrm
an, Journal of the Optical Society of America, Vo
l.62-4, 502, 1972)を用いて計算され、測定された反
射光の偏光状態を再現するような最適値を求めるように
非線形最小二乗法等により解析解を求める。
【0023】上記のように試料表面上のある特定の点に
おける偏光状態の入射方位依存性が決定されたならば、
液晶配向膜の状態は測定された反射光の偏光状態(Δ及
びψ)のうち、ψより変化が大きい位相差Δの入射方位
依存性に注目する。入射方位依存性の測定より得られた
Δの最大値Δmaxと最小値Δminの差が透過光測定におけ
る複屈折位相差に対応することはよく知られている。よ
ってΔの最大値と最小値の差を光学的異方性の指標とし
異方性度dDとする。同様にΔの最大値を与える配向方
位が液晶配向膜の光学軸の面内方位成分とほぼ等しいこ
ともよく知られている。よって、その値を配向方位の指
標としΔの最大値を与える配向方位をA0とする。
【0024】なお、配向方位を測定結果から決める際に
は、測定する方位間隔が最小分解能となる。配向方位決
定の精度と分解能を向上させるためには所要の分解能未
満まで測定する方位間隔を小さくする必要があり、測定
時間の増大を伴う。更に、測定時に発生したノイズや試
料表面の汚れのために測定値に乱れが生じることにより
配向方位の決定精度と分解能の劣化が起こる。この測定
値の乱れは配向方位ばかりでなく異方性度の精度にも影
響を与える。一方、4×4行列Berrman法により偏光状
態の入射方位依存性は波数4までのフーリエ級数和にて
近似できることがよく知られているため、フーリエフィ
ルタリングによって偏光状態の入射方位依存性の各方位
間隔についての補間をし、異方性度dD及び配向方位A
0を決定する。
【0025】図8に反射光の偏光状態の入射方位依存性
の測定結果の一例を丸印にて示し、また、再構成をする
波数の上限を4として推定した偏光状態の入射方位依存
性の関数を実線にて示す。図8においては測定値と推定
値がよく一致し、このようなフーリエフィルタリングを
用いた補間が本発明の回転ステージの位置ずれ補正を行
ったことにより有効に作用することが示された。その
後、異方性度dDと配向方位A0の面内分布を測定する
ために、Xステージ、Yステージを用いて測定位置を走
査し、上記と同様の手順にて測定を繰り返す。
【0026】なお、図1において101の光源として6
33nm程度のHe−Neレーザー光源を用いている
が、これに限定されるものではなく単一波長の光線の光
源であればよい。105は位相差板の代りに光弾性素子
を用いて、PEM(Photo Elastic Modulator)法によ
るエリプソメトリを行ってもかまわない。また、位相差
板105及び光弾性素子はエリプソメトリにおいて位相
差Δの特定を行う際のために着脱機能を有するものとす
る。107の光強度検出器にはフォトマルチプライヤー
を用いているが、これに限定されるものではなく光強度
検出機能が備わっているものならばよい。108には試
料103の傾きを測定するためにオートコリメータを用
いているが、これに限定されるものではなく試料103
の傾きを測定する機能が備わっているものならばよい。
レンズ110により焦点位置の径調整をしているが、必
要であればそれを取り除いたり、さらにはスリットを代
用または付加するなどして測定範囲を制限しても構わな
い。
【0027】また、上記において回転ステージを10°
ずつに回転させ、各入射方位の回転ステージ精度補正用
の参照データを得ているが、測定方位間隔はこの角度に
限定されるものではない。なお、配向方位決定の精度と
分解能を向上させるためには所要の分解能未満まで測定
する方位間隔を小さくする必要があるが、小さくし過ぎ
ると時間的な効率が悪化するので注意が必要である。さ
らに上記装置において、コンピュータを用いて、X、
Y、Zステージ制御及び傾き角調節機構制御を自動化す
ることにより測定能率を向上させることができる。か
つ、測定値のフーリエフィルタリングと、異方性度及び
配向方位の決定もあわせてコンピュータによる自動化を
図ることができる。
【0028】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。 [第1の実施例]図9は本発明の第1の実施例を示すフ
ローチャートである。これは、本発明の実施の形態に基
づき、あらかじめ測定し取得した回転ステージ精度補正
用の参照データを用いコンピュータ制御により自動位置
ずれ補正をして、試料表面上のある特定の点における偏
光状態の入射方位依存性を測定するためのプログラムの
フローチャートであり、特に試料の高さと傾きの最適化
を各入射方位について行う場合に係る。測定開始直後
に、測定方位間隔を何度(図中a、a>0)にするかを
決定し入力する。続いて、次のステップにて、試料方位
の初期値としてA=−aが与えられる。次いで、A=a
+Aと試料方位指定がなされる。次に、今回決定された
試料方位Aが360°以上でないか、すなわち被測定点
がすでに1回転してはいないかがチェックされる。1回
転以上していたら測定は終了となり、1回転未満ならば
それに基づき回転ステージが駆動される。なお、回転ス
テージの方位角を示す目盛の初期値を0°としておく。
回転ステージ駆動が行われたら、それに対しあらかじめ
取得しておいたデータに基づいた位置ずれの補間の式か
らX方向、Y方向補正量を導出しXステージ、Yステー
ジを駆動して位置を補正する。続いて、光強度検出器に
おいて反射光強度が最大となるようにZステージを駆動
して試料高さを最適化する。次いで、オートコリメータ
によって試料表面の傾きを観測し傾き角調節機構を用い
て試料傾きを最適化する。なお、試料高さと傾きの最適
化の順序は逆にしてもよい。その後、本発明の実施の形
態に示したエリプソメトリにより偏光状態の測定を行
う。これにより、ある特定の点におけるある入射方位か
らの偏光状態が測定されたので、異なる入射方位からの
測定をするためフローチャート中の“試料方位指定”の
ステップに戻り、上記と同様のプロセスを繰り返すこと
となる。
【0029】[第2の実施例]図10は本発明の第2の
実施例を示すフローチャートである。これは、本発明の
実施の形態に基づき、あらかじめ測定し取得した回転ス
テージ精度補正用の参照データを用いコンピュータ制御
により自動位置ずれ補正をして、試料表面上のある特定
の点における偏光状態の入射方位依存性を測定するため
のプログラムのフローチャートであり、特に試料の高さ
と傾きの最適化を最初の測定方位についてのみ行う場合
に係る。回転ステージ精度のよいものを使用しておりか
つ試料表面の平坦性が良好な場合、最初の測定方位の時
点で試料の高さと傾きの最適化を行えば、他の方位はこ
の操作を省略しても測定精度が保たれる。本実施例はこ
のような場合に有効なプロセスである。また、入射方位
は0°から測定を開始する必要性はなく、この角度は任
意の値を取れるため本実施例は角度Bが最初の方位であ
る場合を示す。測定開始直後に、測定方位間隔(図中
a、a>0)、及び測定開始方位(図中B、B>0)を
何度とするか決定をし入力する。続いて、試料方位の初
期値としてA=−a+Bが与えられる。次に、A=a+
Aと試料方位の指定がなされる。その後、今回決定され
た試料方位Aにより、現測定点での回転が1回転を越え
ているか否かがチェックされる。1回転以上していたら
測定は終了となり、1回転未満ならばそれに基づき回転
ステージ駆動する。なお、回転ステージの方位角を示す
目盛の初期値を0°としておく。回転ステージ駆動が行
われたら、それに対しあらかじめ取得しておいたデータ
に基づく位置ずれの補間の式からX方向、Y方向補正量
を導出しXステージ、Yステージを駆動して位置を補正
する。次に、今回の試料方位は最初の測定方位かどうか
判定し、そうである時のみ、試料高さの最適化と試料傾
きの最適化とを行う。その後、本発明の実施の形態に示
したエリプソメトリにより偏光状態の測定を行う。これ
により、ある特定の点におけるある入射方位からの偏光
状態が測定されたので、異なる入射方位からの測定をす
るためフローチャート中の“試料方位指定”に戻り、同
様のプロセスを繰り返すこととなる。
【0030】[第3の実施例]図11は本発明の第3の
実施例を示すフローチャートである。これは、本発明の
実施の形態に基づき、あらかじめ測定し取得した回転ス
テージ精度補正用の参照データを用いコンピュータ制御
により自動位置ずれ補正をして、試料の面内分布測定を
するためのプログラムのフローチャートであり、特に試
料の高さと傾きの最適化を各入射方位について行う場合
に係る。測定開始直後に、測定方位間隔を何度(図中
a、a>0)にするか及び全測定位置と測定順序を決定
し入力する。その後、今回の測定位置が指定され、Xス
テージとYステージを駆動して指定の測定位置に移動す
る。続いて、試料方位角の初期値として、A=−aが与
えられる。続いて、A=a+Aと試料方位の指定がなさ
れる。次に、今回指定された試料方位Aが360°以上
であるか否かがチェックされる。360°以上であれ
ば、その測定位置における測定値の補間を本発明の実施
の形態に基づきフーリエフィルタリングにより行い、そ
の後全範囲の測定が終了したか否かを判定される。全範
囲の測定が終了していれば処理を終了し、そうでなけれ
ば“測定位置指定”のステップに戻る。試料方位Aが3
60°未満であればそれに基づき回転ステージ駆動す
る。なお、回転ステージの方位角を示す目盛の初期値は
0°としておく。回転ステージ駆動が行われたら、それ
に対しあらかじめ取得しておいたデータに基づいた位置
ずれの補間の式からX方向、Y方向補正量を導出し、X
ステージ、Yステージを駆動して測定位置を補正する。
続いて、試料高さの最適化と試料傾きの最適化を、第1
の実施例の場合と同様に行う。その後、本発明の実施の
形態に示したエリプソメトリにより偏光状態の測定を行
う。これにより、ある特定の点におけるある入射方位か
らの偏光状態が測定されたので、異なる入射方位からの
測定をするためフローチャート中の“試料方位指定”の
ステップに戻り、上記と同様のプロセスを繰り返すこと
になる。
【0031】[第4の実施例]図12は本発明の第4の
実施例を示すフローチャートである。これは、本発明の
実施の形態に基づき、あらかじめ測定し取得した回転ス
テージ精度補正用の参照データを用いコンピュータ制御
により自動位置ずれ補正をして、試料の面内分布測定を
するためのプログラムのフローチャートであり、特に試
料の高さと傾きの最適化を各測定位置について行う場合
に係る。本実施例のフローチャートは第3の実施例にお
いて、回転ステージの精度がある程度以上である場合
に、“試料高さ最適化及び試料傾き最適化”のステップ
を“初期値A=−a”が与えられた直後に移動し、各入
射方位について最適化を行っていたものを各測定位置毎
に変更した例である。その他の点については第3の実施
例と同様である。
【0032】[第5の実施例]図13は本発明の第5の
実施例を示すフローチャートである。これは、本発明の
実施の形態に基づき、あらかじめ測定し取得した回転ス
テージ精度補正用の参照データを用いコンピュータ制御
により自動位置ずれ補正をして、試料の面内分布測定を
するためのプログラムのフローチャートであり、特に試
料の高さと傾きの最適化を測定開始時のみ行う場合に係
る。本実施例のフローチャートは第3の実施例におい
て、回転ステージ精度が保障されている場合に、“試料
高さ最適化及び試料傾き最適化”を“測定方位間隔a入
力、全測定位置と測定順序入力”直後に移動し、各入射
方位について最適化を行っていたものを測定開始時のみ
に変更した例である。各画素の高さが等しくなるように
設計されている電極付き基板に対して測定を行う場合
は、本実施例のように面内分布測定を開始する最初の測
定個所の開始時にのみ試料の高さと傾きの最適化を行え
ば十分な場合が多い。その他の点については第3の実施
例と同様である。図14は、本発明の実施の形態にて測
定したものと同じ試料を、本実施例の方法を用いて測定
し、フーリエフィルタリングによる補間から算出された
異方性度dDの面内分布を示す図である。
【0033】[第6の実施例]上述した本発明の実施の
形態においては、回転ステージの装置精度不足による測
定位置ずれの補正を、あらかじめ測定し取得しておいた
回転ステージ精度補正用の参照データを用いて行ってい
たが、液晶表示素子では、画素電極基板側、カラーフィ
ルタ基板側とも規則的な画素配置パターンを有するため
に、画像処理により測定位置のずれを検出して位置ずれ
を補正することが可能である。図15は、典型的な画素
電極基板の画素の構成を示す平面図である。501は透
明電極部、502は薄膜トランジスタである。試料方位
を反映してこのパターンも向きを変えるため、参照画像
との単純な比較により移動量を決定することはできな
い。そこでパターンの多角形の頂点を互いに結んだ線分
の交点の一つに着目する。この点(以下、参照位置と呼
ぶ)の回転ステージ駆動後における、ステージ精度不足
から生じた位置ずれを検出することにより、測定位置の
位置ずれ補正量を得ることが可能となる。
【0034】例えば顕微鏡を用いCCDカメラによって
その画像情報を取得し、図15のようなパターンを得
る。次にそのパターンの頂点A〜Fに注目し、頂点B、
Dを結ぶ線分と頂点A、Cを結ぶ線分の交点Gを参照位
置としてその移動量に着目する。すなわち回転ステージ
駆動前に、CCDカメラからの情報を画像出力装置にて
写し出し、そこにXY座標を付け加え交点Gの座標を導
出する。回転ステージを駆動させる。CCDカメラ上の
XY座標を原点中心の回転座標変換により、回転ステー
ジの回転角度分変換し仮想的なXY座標を表示させる。
その上に新たにCCDカメラからの情報を画像出力装置
にて写し出し新たに交点Gを導く。これにより仮想的な
XY座標と回転後に得られた交点Gとの座標の位置ずれ
を検出することができる。このずれは測定位置の位置ず
れと同じベクトルを意味している。測定位置補正はこの
ようにして求めた位置ずれのベクトルの符号を逆転させ
た分だけXステージ、Yステージを平行移動して行う。
この位置補正後、確認のために再び画像を取得して交点
Gの位置を導出し、参照位置のずれが許容範囲内であれ
ば、ステージの高さと傾きの最適化を行ったのち偏光状
態の測定を行う。位置補正後も参照位置のずれが許容範
囲より大きい場合には、位置ずれが許容範囲に収まるま
で平行移動ステージによる位置補正を再び行う。さらに
上記においては、コンピュータを用いてCCD画像制
御、顕微鏡制御を自動化することにより測定能率を向上
させることもできる。
【0035】図16は本発明の第6の実施例を示すフロ
ーチャートである。これは、本発明の実施の形態に基づ
くが、回転ステージ精度補正に参照用データを用いずに
上記の画像処理により測定位置のずれを検出してコンピ
ュータ制御により位置ずれ補正を行い、試料の面内分布
測定をするためのプログラムのフローチャートであり、
特に試料の高さと傾きの最適化を各入射方位について行
う場合に係る。本実施例は、第3の実施例における“測
定位置補正”での処理を、液晶配向膜の規則的な画素配
置パターンを利用して画像処理を行い測定位置のずれを
検出して位置ずれ処理を行うように変更した例である。
その他の点については第3の実施例と同様である。
【0036】[第7の実施例]図17は本発明の第7の
実施例を示すフローチャートである。これは、回転ステ
ージ精度補正用の参照データを用いずに、第6の実施例
にて説明した画像処理により取得した位置ずれデータに
基づいてコンピュータ制御により位置ずれ補正を行なっ
て、試料の面内分布測定をするためのプログラムのフロ
ーチャートであり、特に試料の高さと傾きの最適化を各
測定位置について行う場合に係る。本実施例は、回転ス
テージ精度がある程度以上である場合に、第6の実施例
における“試料高さ最適化及び試料傾き最適化”のステ
ップを、“初期値A=−a" が与えられた直後に移動
し、各方位角毎に行っていた最適化を各測定位置毎に行
うように変更した例である。その他の点については第6
の実施例の場合と同様である。
【0037】[第8の実施例]図18は本発明の第8の
実施例を示すフローチャートである。これは、回転ステ
ージ精度補正用の参照データを用いずに、第6の実施例
にて説明した画像処理により取得した位置ずれデータに
基づいてコンピュータ制御により位置ずれ補正を行なっ
て、試料の面内分布測定をするためのプログラムのフロ
ーチャートであり、特に試料の高さと傾きの最適化を面
内分布測定の測定開始時のみ行なう場合に係る。本実施
例は、回転ステージ精度がある程度以上に保障されてい
る場合に、第6の実施例において“位置ずれ修正”後に
行っていた“試料高さ最適化及び試料傾き最適化”のス
テップを“測定方位間隔a入力、全測定位置と測定順序
入力”のステップの直後に移動し、第6の実施例で各入
射方位毎に行っていた高さと傾きの最適化を測定開始時
のみに変更したものである。各画素の高さが等しくなる
ように設計されている電極付き基板に対して測定を行う
場合においては、本実施例のように面内分布測定を開始
する最初の測定個所の開始時にのみ試料の高さと傾きの
最適化を行えば十分な場合が多い。その他の点について
は第6の実施例と同様である。
【0038】図19は、本発明の実施の形態にて測定し
た試料にについて、本実施例の方法を用い、入射角を5
0°、位置ずれの許容量を4μmとし、各画素ごとの配
向方位A0を測定した結果を示す面内分布図である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、回転ス
テージ、平行移動ステージ(Xステージ、Yステー
ジ)、Zステージ及び傾き角調節機構を備えるステージ
を用い、位置補正、高さ補正、傾き補正等を行いつつ、
異方性薄膜の分子配向状態を評価するものであるので、
回転ステージの精度不足によって位置ずれ、高さずれ、
傾きずれなどが発生することがあっても、これらを平行
移動ステージ、Zステージ、傾き調節機構などによって
調節することができ精度の高い測定が可能になる。ま
た、異方性薄膜試料に一定の偏光状態の光を一定の入射
角から入射した際に発生する反射光の偏光状態の入射方
位依存性の面内分布を、被測定表面内の高さや傾きに異
なる部分の有る場合においても測定することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を説明するための評価装
置の概略構成図。
【図2】 本発明の実施の形態を説明するための試料ス
テージの斜視図。
【図3】 回転ステージ精度較正用試料の平面図。
【図4】 回転ステージの位置ずれ測定結果を示すグラ
フ(X方向)。
【図5】 回転ステージの位置ずれ測定結果を示すグラ
フ(Y方向)。
【図6】 位置補正を行わない場合の反射光の位相差の
入射方位依存性を示すグラフ。
【図7】 位置補正を行った場合の反射光の位相差の入
射方位依存性を示すグラフ。
【図8】 反射光の位相差の入射方位依存性の測定結果
と補間値を示すグラフ。
【図9】 本発明の第1の実施例のフローチャート。
【図10】 本発明の第2の実施例のフローチャート。
【図11】 本発明の第3の実施例のフローチャート。
【図12】 本発明の第4の実施例のフローチャート。
【図13】 本発明の第5の実施例のフローチャート。
【図14】 本発明の第5の実施例により得られた異方
性度の面内分布を示す図。
【図15】 本発明の実施例を説明するための、画素電
極基板の画素部分の平面図。
【図16】 本発明の第6の実施例のフローチャート。
【図17】 本発明の第7の実施例のフローチャート。
【図18】 本発明の第8の実施例のフローチャート。
【図19】 本発明の第8の実施例により得られた配向
方位の面内分布を示す図。
【図20】 従来の異方性薄膜評価装置の概略の構成を
示す図。
【図21】 従来の試料ステージの斜視図。
【符号の説明】
101 光源 102 偏光子 103 試料 104 試料ステージ 105 位相差板 106 検光子 107 光強度検出器 108 オートコリメータ及び顕微鏡 109 コンピュータ 110 レンズ 111 画像出力装置 201 回転ステージ 202 平行移動ステージ(Xステージ) 203 平行移動ステージ(Yステージ) 204 傾き角調節機構 205 Zステージ 206 試料を保持するステージ 301 金蒸着部分 302 スリガラス状部分 501 透明電極部 502 薄膜トランジスタ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜試料の表面に一定の偏光状態の単色
    光を一定の角度から入射した際に発生する反射光の偏光
    状態の入射方位依存性を評価する方法であって、 (1)試料が搭載された回転ステージを回転させて試料
    に対する光入射方位を所定の方位に設定する過程と、 (2)回転ステージが回転したことに伴う試料表面の平
    面方向の位置ずれを補正する過程と、 (3)前記単色光を入射して反射光の偏光状態を測定す
    る過程と、を有することを特徴とする異方性薄膜の評価
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第(2)の過程における補正すべき
    位置ずれ量は、位置ずれデータ作成用試料を用いた測定
    結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記
    載の異方性薄膜の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記第(2)の過程における補正すべき
    位置ずれ量は、試料上の特徴のあるパターンの位置を検
    出することによって決定されることを特徴とする請求項
    1記載の異方性薄膜の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記第(1)の過程の後、前記第(2)
    の過程に先立って、若しくは、前記第(2)の過程の
    後、前記第(3)の過程に先立って、回転ステージが回
    転したことに伴う試料表面の高さのずれ、及び/又は、
    試料表面の傾きを補正する過程が挿入されることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の異方性薄膜の評価方
    法。
  5. 【請求項5】 所定の方位間隔をおいて、前記第(1)
    の過程から前記第(3)の過程を順次繰り返し、その位
    置での測定を回転ステージが1回転するまで続けること
    を特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の
    異方性薄膜の評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の測定が終了した後、測定方位
    間の測定値をフーリエ級数により補間することを特徴と
    する異方性薄膜の評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の測定が終了した後、若しく
    は、請求項6の補間が終了した後、測定位置を移動して
    請求項5の測定、若しくは、請求項5の測定と請求項6
    の補間、を再度行い、この過程を繰り返すことにより、
    試料の面内の測定を行うことを特徴とする異方性薄膜の
    評価方法。
  8. 【請求項8】 面内の測定を開始するに当たって1回の
    み、または、測定位置を移動した際に1回のみ、また
    は、回転ステージが回転した都度、試料表面の高さのず
    れ、及び/又は、試料表面の傾きを補正する過程が挿入
    されることを特徴とする請求項7記載の異方性薄膜の評
    価方法。
  9. 【請求項9】 得られた反射光の偏光状態の入射方位依
    存性のうち位相差成分の最大値と最小値の差及び最大値
    を与える方位の面内分布から異方性薄膜を評価する請求
    項7記載の異方性薄膜の評価方法。
  10. 【請求項10】 薄膜試料表面に一定の偏光状態の単色
    光を一定の角度から入射した際に発生する反射光の偏光
    状態を測定して、薄膜試料の異方性を評価する装置であ
    って、試料が搭載されるステージは、入射方位制御用の
    回転ステージ、移動方向が互いに直交する、試料表面に
    平行に移動するXステージとYステージ、試料に入射す
    る光が所定の入射角をもつように調整するための傾き角
    調節機構及び試料表面法線方向に試料を移動させるZス
    テージを備えていることを特徴とする異方性薄膜の評価
    装置。
  11. 【請求項11】 前記XステージとYステージは、ステ
    ップモータの駆動軸に直結されていることを特徴とする
    請求項10記載の異方性薄膜の評価装置。
  12. 【請求項12】 前記試料が搭載されるステージ上に
    は、オートコリメータ及び顕微鏡が配置されていること
    を特徴とする請求項10記載の異方性薄膜の評価装置。
  13. 【請求項13】 前記顕微鏡には撮像機能が備えられて
    いることを特徴とする請求項12記載の異方性薄膜の評
    価装置。
JP21431499A 1999-07-28 1999-07-28 異方性薄膜の評価方法及び評価装置 Expired - Fee Related JP3498014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21431499A JP3498014B2 (ja) 1999-07-28 1999-07-28 異方性薄膜の評価方法及び評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21431499A JP3498014B2 (ja) 1999-07-28 1999-07-28 異方性薄膜の評価方法及び評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001041850A true JP2001041850A (ja) 2001-02-16
JP3498014B2 JP3498014B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=16653709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21431499A Expired - Fee Related JP3498014B2 (ja) 1999-07-28 1999-07-28 異方性薄膜の評価方法及び評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498014B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1892522A2 (de) * 2006-08-25 2008-02-27 Carl Zeiss MicroImaging GmbH Drehvorrichtung für einen optischen Tomographen und optischer Tomograph mit einer Drehvorrichtung
CN105629535A (zh) * 2016-03-22 2016-06-01 深圳市华星光电技术有限公司 贴片检测系统
CN105866589A (zh) * 2016-05-16 2016-08-17 中国电子科技集团公司第四十研究所 一种透射式单元探测器成像及电性参数测试系统
CN109443706A (zh) * 2018-11-23 2019-03-08 惠科股份有限公司 一种显示面板的检测方法和检测设备
CN113465519A (zh) * 2021-07-02 2021-10-01 南通大学 一种用于纳米纤维膜的厚度均匀性检测装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1892522A2 (de) * 2006-08-25 2008-02-27 Carl Zeiss MicroImaging GmbH Drehvorrichtung für einen optischen Tomographen und optischer Tomograph mit einer Drehvorrichtung
EP1892522A3 (de) * 2006-08-25 2008-04-02 Carl Zeiss MicroImaging GmbH Drehvorrichtung für einen optischen Tomographen und optischer Tomograph mit einer Drehvorrichtung
CN105629535A (zh) * 2016-03-22 2016-06-01 深圳市华星光电技术有限公司 贴片检测系统
CN105629535B (zh) * 2016-03-22 2019-01-15 深圳市华星光电技术有限公司 贴片检测系统
CN105866589A (zh) * 2016-05-16 2016-08-17 中国电子科技集团公司第四十研究所 一种透射式单元探测器成像及电性参数测试系统
CN105866589B (zh) * 2016-05-16 2019-06-04 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种透射式单元探测器成像及电性参数测试系统
CN109443706A (zh) * 2018-11-23 2019-03-08 惠科股份有限公司 一种显示面板的检测方法和检测设备
CN113465519A (zh) * 2021-07-02 2021-10-01 南通大学 一种用于纳米纤维膜的厚度均匀性检测装置
CN113465519B (zh) * 2021-07-02 2023-03-07 南通大学 一种用于纳米纤维膜的厚度均匀性检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3498014B2 (ja) 2004-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101254161B1 (ko) 주사 간섭계를 사용해서 표면 구조를 분석하는 방법 및 장치
US6256097B1 (en) Ellipsometer and ellipsometry method
EP0426866B1 (en) Projection/exposure device and projection/exposure method
KR101441876B1 (ko) 광학이방성 패러미터 측정 방법 및 측정 장치
JP5198980B2 (ja) 光学異方性パラメータ測定方法及び測定装置
KR100399206B1 (ko) 이방성 박막 평가 방법 및 평가 장치
KR20150005455A (ko) 광학 이방성 파라미터 측정 장치, 측정 방법 및 측정용 프로그램
TW201520531A (zh) 用以測量光學異向性的屬性之方法與裝置
JP4663529B2 (ja) 光学的異方性パラメータ測定方法及び測定装置
KR0184039B1 (ko) 화질 검사 장치 및 그 화상 합성 방법
KR100767378B1 (ko) 액정공정불량 검사장치 및 검사방법
US5532488A (en) Apparatus and method for evaluating orientation film
JP3498014B2 (ja) 異方性薄膜の評価方法及び評価装置
US20010026365A1 (en) Evaluation of optically anisotropic structure
US7612873B2 (en) Surface form measuring apparatus and stress measuring apparatus and surface form measuring method and stress measuring method
CN109341554A (zh) 一种测量膜厚的装置及方法
CN101246122B (zh) 采用旋转补偿器积分采样的椭偏成像方法和装置
US6665070B1 (en) Alignment of a rotatable polarizer with a sample
US5410409A (en) Search routine for ellipsometers
JP3196841B2 (ja) 異方性薄膜評価方法、評価装置及び記録媒体
CN201177599Y (zh) 采用旋转补偿器积分采样的椭偏成像装置
JP2778935B2 (ja) ネマチック液晶素子の方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法
JPH05280937A (ja) 膜厚測定方法
CN117168321B (zh) 全幅宽光学膜轴向自动量测系统
JP3855080B2 (ja) 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees