JP2001038544A - フランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置 - Google Patents

フランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置

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JP2001038544A
JP2001038544A JP11210663A JP21066399A JP2001038544A JP 2001038544 A JP2001038544 A JP 2001038544A JP 11210663 A JP11210663 A JP 11210663A JP 21066399 A JP21066399 A JP 21066399A JP 2001038544 A JP2001038544 A JP 2001038544A
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caulking
flange
lock nut
clamp
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Koichi Tanizaki
弘一 谷▲ざき▼
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジ付きワークの大小に関わらず、かし
め手段がかしめるロックナットの位置を一定にして、同
じかしめ装置でかしめ処理を可能にするフランジ付きワ
ーク用ロックナットのかしめ装置を提供する。 【解決手段】 クランプ手段30のクランプアーム31
は、基準座39a,39bが上下に段差に形成されたク
ランプ部33を備えている。大型のフランジ付きワーク
90(図右側)は基準座39aと上昇したワーク押さえ
手段40との間に挟まれ、小型のフランジ付きワーク9
1(図左側)は基準座39bと下降した状態のワーク押
さえ手段40との間に挟まれている。いずれのフランジ
付きワーク90,91であっても、かしめ爪13,13
は、ロックナット95に対して同じ高さ位置をしめ、同
じかしめ装置でかしめ処理を施すことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車部品のカ
ップリングのようなフランジ付きワークをねじ部を備え
たドライブピニオンのような取付け部材に締結するため
のロックナットの緩みを防止するために、ロックナット
にかしめ処理をするフランジ付きワーク用ロックナット
のかしめ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のエンジン駆動力を後駆動輪
に伝達するため、図12に示されているようなリヤアク
スル80が用いられている。リヤアクスル80のファイ
ナルギヤは、エンジンからの回転が伝達されるドライブ
シャフトに連結されるドライブピニオン81と、ドライ
ブピニオン81に噛み合うと共にディファレンシャルケ
ース83に連結されるリングギヤ82とから構成されて
いる。ドライブピニオン81はドライブシャフトにカッ
プリング(フランジ付きワーク90)を介して連結され
る。ディファレンシャルケース83は軸受85を介して
ディファレンシャルキャリヤ84に回転自在に支持され
ており、ディファレンシャルケース83はディファレン
シャルギヤ86に回転連結されている。ディファレンシ
ャルギヤ86は、ピニオンギヤ87とピニオンギヤ87
に噛み合うサイドギヤ88とからなり、サイドギヤ88
がリヤアクスルシャフトに連結されている。カップリン
グ(フランジ付きワーク90)は、ドライブピニオン8
1にロックナット95によって固定されるが、ロックナ
ット95が緩むことは車両走行上極めて危険であるの
で、ロックナット95の一部を変形させてドライブピニ
オン81のねじ部96に形成されているかしめ溝97
(図7参照)に係合させるかしめが施されて、ロックナ
ット95のドライブピニオン81に対する緩みが防止さ
れる。
【0003】ロックナット95の一部を強制的に変形さ
せてドライブピニオン81のねじ部96に係合させるか
しめ処理は、従来、図11に示すようなかしめ装置10
0で行われている。かしめ装置100は、バランサによ
り吊り下げられているかしめ装置本体と空圧式又は油圧
式アクチュエータにより構成されたマニュアル操作のか
しめ機である。かしめ装置100においては、カップリ
ングのようなフランジ付きワーク90を、そのフランジ
92をかしめ装置100のフレームの固定された基準座
101に当接させた状態で、フランジ92の斜め下方か
ら、クランプ手段102,102によってフランジ92
を基準座101との間に挟み込むことで、フランジ付き
ワーク90の特に上下方向のかしめ位置が決定される。
各クランプ手段102は、クランプアーム31と、クラ
ンプアーム31を作動させるクランプアクチュエータ3
2とから成る。各クランプアーム31は、かしめ装置1
00の図示しない装置フレームに対してヒンジピン34
で揺動自在に支持されており、クランプアクチュエータ
32が作動してピストンロッド38が進退することで揺
動される。各クランプアクチュエータ32は、ピストン
側がヒンジピン37によって各クランプアーム31の基
端部36に枢着されており、シリンダ側がヒンジピン3
7aによって(基板)に枢着されている。クランプアー
ム31の基端部36がピストンロッド38に枢着されて
おり、クランプアクチュエータ32の作動時に先端部3
5がフランジ92の下面に当接する。
【0004】フランジ付きワーク90がクランプ手段1
02,102によって所定位置に位置決めされた状態で
は、一対のかしめ爪13,13が既にフランジ付きワー
ク90の内部に嵌まり込んでいる。一対のかしめ爪1
3,13は、枢軸12によって互いに揺動可能に連結さ
れたかしめアーム11,11の下アーム部分14,14
に一体的に形成されている。かしめアーム11,11の
上アーム部分15,15間に、かしめ用の油圧アクチュ
エータを配置し、油圧アクチュエータの出力であるピス
トンロッドに取り付けられたカムプレート22をリフト
させることにより、かしめアーム11,11がカムフォ
ロア17,17を介して枢軸12の回りに回動して、か
しめ爪13,13はてこ作用によって大きな力でロック
ナット95をかしめる。かしめ量は、近接スイッチ23
により感知して停止することで決められる。近接スイッ
チ23には、近接感知不良の可能性があるので、メカス
トッパ24が各かしめアーム11に対して設けられてい
る。
【0005】上記のかしめ装置100は、車両のリヤア
クスルの組立ラインに組み込まれているが、車両の種類
によってカップリング(フランジ付きワーク90)の形
状が異なり、組立ラインに形状が異なるカップリングが
流されることにすると、その異なるカップリングに応じ
て仕様の異なるかしめ手段10及びクランプ手段10
2,102を備えたかしめ装置を予め用意しておく必要
があり、組立ラインの複雑化や製造設備のコスト上昇を
招くことになる。また、ドライブピニオン81に形成さ
れているかしめ溝97の位置をかしめ爪13,13の揺
動方向に一致させる必要があるので、オペレータが目視
にてドライブピニオン81の軸線周りでの角度位置をか
しめ位置に合わせており、オペレータの負担になるばか
りでなく、作業効率向上の妨げになると共に、ロックナ
ット緩止め強さのバラツキの原因になることもある。
【0006】一方、一様で安定した行程能力の高いナッ
トのかしめを可能にし、かしめ作業の安全性を確保し、
ロックナットのかしめ位置の位相ずれを防止するため、
ロックナットかしめ装置が提案されている(特開平7−
251227号公報)。このロックナットかしめ装置に
よれば、ロックナットが締着された部材を把持部材によ
って把持した状態において、かしめ機構の一対のかしめ
爪部材の揺動運動によってロックナットに対してかしめ
加工が施され、ロックナットに対するかしめ機構の位置
決めが位置決め機構によって行われ、把持機構及びかし
め機構はシーケンス回路によってエアの給排が制御され
た気圧シリンダによって駆動される。
【0007】上記ロックナットかしめ装置においては、
ロックナットが締着されたカップリングのフランジをク
ランプによって把持し、その状態でかしめ爪を作動させ
てロックナットをかしめ溝内に塑性変形させている。し
かしながら、ワークと装置とは横置きであり、手動操作
にて、位置決めプレートに形成されている突起を軸に形
成されているかしめ溝に係合させている。クランプとか
しめ爪の段階的な作動を行わせるための機構について
は、別の例も挙げられているが、ワークの形状違いに対
処する具体的な対策については開示がない。
【0008】また、別のかしめ装置の例として、特開平
10−211530号公報に開示されているものがあ
る。このかしめ装置は、プロペラシャフトを構成するセ
ンターベアリングシャフトをフランジコンパニオンに接
続するためのワークとしてのナットをかしめるための装
置であり、かしめ部位検出センサとかしめ爪とを同じ支
持部材に支持することにより、装置のガタツキがあって
もかしめ部位検出センサとかしめ爪との相対位置が常に
一定になり、かしめ部位検出センサがワークのかしめ部
位を検出してからかしめ爪をワークにかしめ部位まで移
動させる際の位置ずれを生じ難くしている。かしめ位置
は、ナットをその上面に割出しピンを当接させた状態で
回転し、割出しピンがナットに形成されているかしめ部
位の溝に係合降下することで割り出される。
【0009】また、ロックナットの薄肉部をボルトの先
端に形成されている凹溝内に圧入してロックナットの緩
み止めを行うかしめ装置として、かしめ荷重とかしめス
トロークとによってかしめの良否を管理するものが、特
開平2−99233号公報に開示されている。また、固
定用ナットにかしめられる廻り止めカップのかしめ量を
判定する判定工具であって、廻り止めカップのかしめ量
を固定用ナットに位置決めされた位置決め部材と廻り止
めカップに位置決めされたつめ部材の相対的位置関係と
して、その最低量を設定することにより、固定用ナット
のかしめ量が充分であれば、かしめ量に対応したストロ
ークが得られてリミットスイッチがオン作動し、かしめ
量が不十分であるときにはストローク不足によってリミ
ットスイッチがオン作動しないことにより、かしめ量の
正常、不正常を検出するものが、特開平5−30113
0号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】フランジ付きワークの
機種違いに起因して、かしめ手段に対するロックナット
位置が変化する場合には、クランプ手段やかしめ手段の
作動を全自動化して、各手段が自動的に対応するのが望
ましいが、そのような自動化機構は、複雑であり且つ製
作コストが上昇する。そこで、フランジ付きワークのク
ランプ手段に工夫を施すことにより、フランジ付きワー
クのワークの大小に関係なく、かしめ手段に対するロッ
クナットの位置を一定にすることができれば、同じかし
め装置によってロックナットをかしめることが可能にな
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
課題を解決することであり、フランジ付きワークのワー
クの大小に関係なくロックナットをかしめることを可能
にし、しかも簡単な同じ構造を有し低コストで製作可能
なフランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置を提
供することである。
【0012】この発明は、取付け部材のねじ部にロック
ナットを螺合することにより前記取付け部材に対して締
結されたフランジ付きワークのフランジが当接されるワ
ーク押さえ手段、前記ワーク押さえ手段との間に前記フ
ランジを挟み込むことにより前記フランジ付きワークを
保持するクランプ手段、前記ロックナットが前記ねじ部
に対して緩むのを防止するため、及び前記ワーク押さえ
手段と前記クランプ手段との間に保持された状態の前記
フランジ付きワークを前記取付け部材に対して締結して
いる前記ロックナットの一部を前記ねじ部に形成されて
いる凹部にかしめるかしめ手段を具備し、機種の異なる
前記フランジ付きワークに対する前記かしめ手段による
前記ロックナットのかしめ位置を一定位置に維持するた
め、前記クランプ手段のクランプ部には、前記フランジ
付きワークの機種に応じて前記フランジが選択的に位置
決めされる複数の段状の基準座が形成されていることか
ら成るフランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置
に関する。
【0013】このフランジ付きワーク用ロックナットの
かしめ装置によれば、フランジ付きワークは、クランプ
手段のクランプ部に形成されている複数の段状の基準座
に、その機種に応じてフランジを選択的に位置決めされ
た状態で、ワーク押さえ手段とクランプ手段との間に保
持されるので、かしめ手段がかしめるロックナットの位
置は同じになり、同一のかしめ手段によってロックナッ
トをねじ部に対してかしめることができる。
【0014】前記クランプ手段の前記クランプ部に形成
されている前記基準座は、前記フランジのクランプ状態
において、大型の機種の前記フランジ付きワークに対す
る前記基準座ほど、前記かしめ位置から径方向及び軸方
向に遠い位置に形成されている。即ち、クランプ部に
は、フランジ付きワークの大きさに合わせて、基準座は
階段状という簡単な構造に形成することが可能となる。
【0015】前記ワーク押さえ手段は、前記フランジ付
きワークを前記クランプ手段に向かう方向に進退可能な
押さえプレートと、前記押さえプレートを前記クランプ
手段に向かって付勢する押圧手段とから構成されてい
る。複数の段状の基準座にフランジを選択的に位置決め
されるフランジ付きワークに対応して、押さえプレート
の位置が進退し、その進退位置に応じて押圧手段によっ
てフランジ付きワークをクランプ部と押さえプレートと
の間で挟んだ状態に保持する。
【0016】前記ワーク押さえ手段は装置フレームと前
記フランジとの間に介装され且つ前記フランジ付きワー
クの機種に応じて厚さが設定されているスペーサであ
る。スペーサの厚さは、クランプ部との間でフランジ付
きワークを挟んだときに、かしめ手段がかしめ処理をす
るロックナットに位置が一定になるようにフランジ付き
ワークの機種に応じて設定されている。
【0017】前記ワーク押さえ手段は、シリンダ側が装
置フレームに保持されており、ピストン進出量が前記フ
ランジ付きワークの機種に応じて設定される流体圧アク
チュエータである。
【0018】前記ワーク押さえ手段は、前記かしめ手段
のかしめ作動時に浮き上がるのを防止する浮上がり防止
機構を備えている。かしめ手段がロックナットをかしめ
るときに、ワーク押さえ手段が浮き上がる現象が生じる
ことがあるが、浮上がり防止機構がワーク押さえ手段の
リフトを阻止する。浮上がり防止機構は、機械的なスト
ッパ、或いは圧力変更可能な流体的アクチュエータとす
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明の実施例を説明する。図1はこの発明によるフラ
ンジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置の一例を示
す正面図、図2は図1に示すフランジ付きワーク用ロッ
クナットのかしめ装置の側面図、図3は図1に示すフラ
ンジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置のクランプ
手段とワーク押さえ手段との一例を示す概略図、図4は
大きさの異なる二つのフランジ付きワークに対するクラ
ンプ手段とワーク押さえ手段との動作を説明する説明図
である。
【0020】図1〜図4に示すフランジ付きワーク用ロ
ックナットのかしめ装置において、図11に示す従来の
かしめ装置に用いられているのと同一の構成要素につい
ては、図11に示された符号と同一の符号を付してい
る。図1においては、左半分はクランプ手段が非クラン
プ位置にある状態を、右半分はクランプ手段がクランプ
位置にある状態を示している。図1及び図2を参照する
と、フランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置1
(以下、簡単のために「かしめ装置1」と略す)におい
ては、2枚の同形状の一対の基板2,2が複数の支柱3
で前後方向に一定の距離を置いて平行に連結ボルト4に
よって連結されている。基板2,2及び支柱3は、かし
め装置1の内部にかしめに要する各手段、即ち、かしめ
手段10、クランプ手段30、ワーク押さえ手段40、
及び位置決め手段75等を所定の箇所に収容する装置フ
レームを構成している。
【0021】装置フレームの最上部にはアイボルト5が
ねじ込まれており、かしめ装置1は、一端がアイボルト
5に係止され且つ他端にかしめ装置1の荷重と釣り合わ
されたバランスウエイト(図示せず)が設けられたワイ
ヤによって、フランジ付きワーク90が搬送されてくる
コンベヤ(図示せず)の上方において吊り下げられてい
る。オペレータがかしめ装置1を操作するため、装置フ
レームには、左右両側にそれぞれハンドグリップ6,6
が配設されている。かしめ装置1の荷重はバランスウエ
イトと釣り合っているため、オペレータは、ハンドグリ
ップ6,6を握ることでかしめ装置1を僅かな力で左右
上下及び回転させることができる。
【0022】基板2,2間のスペース7において、中央
下方寄りの位置に枢軸12で回動可能に配設されたかし
め手段10を構成するかしめアーム11,11の下端に
は、フランジ付きワーク90の内部に入り込んでロック
ナット95をかしめるためのかしめ爪13が設けられて
いる。かしめアーム11,11の下アーム部分14,1
4間には、かしめ時にも互いに接触することがなく、後
述する位置決め手段75を配設するためのスペース16
を形成している。各かしめアーム11の上アーム部分1
5,15は、前後方向に二股に分かれており、上端にカ
ムフォロア17が設けられている。かしめ用の油圧アク
チュエータ20が、基板2,2間のスペース7内の上部
中央に且つ両上アーム部分15,15間において、取付
けプレート8(図2参照)を介して基板2,2に支持さ
れて配設されている。油圧アクチュエータ20のピスト
ンロッド21には、上に向かって凸の形状に形成された
カムプレート22が取り付けられており、カムプレート
22は、二股に分かれた上アーム部分15,15の上端
に設けられているカムフォロア17に当接している。上
アーム部分15,15間には、カムフォロア17に対応
した位置において、かしめアーム11,11を非作動位
置に戻すリターンスプリング18,18(図2参照)が
配設されている。
【0023】ピストンロッド21がカムプレート22を
押し上げることにより、かしめアーム11,11が枢軸
12の回りに回動してロックナット95がかしめられ
る。なお、かしめアーム11,11の間に油圧アクチュ
エータを配置し、一方のかしめアーム11に油圧アクチ
ュエータのシリンダ端を枢着し、他方のかしめアーム1
1にピストンロッドに枢着させて、基板2,2から浮動
状態に支持するか、或いは基板2,2に固定支持して、
油圧アクチュエータの伸縮でかしめアーム11,11を
直接作動させてもよい。
【0024】かしめアーム11の回動量を検知するため
の近接スイッチ23が、上アーム部分15に対して基板
2に設けられている。かしめアーム11の回動により、
近接スイッチ23が上アーム部分15を検知すると、油
圧アクチュエータ20の作動を停止させるように油圧制
御回路を構成することができる。近接スイッチ23が設
けられているにもかかわらず、かしめアーム11,11
が所定量を超えて回動することがあると、かしめ量が過
大になったり、かしめ爪13がロックナット95から外
れて破損するおそれがあるので、かしめアーム11の回
動を所定量で強制的に停止させるストッパ24が基板
2,2に設けられている。
【0025】かしめ装置1には、各ハンドクリップ6の
近傍にオペレータがかしめ装置1の操作をするための操
作ボタン26が配設されている。一方の操作ボタン26
の近傍には、かしめ装置1に誤作動を生じたときや、か
しめ手段10、クランプ手段30、ワーク押さえ手段4
0等が異物を挟み込む等の危険な状態になったときにか
しめ装置1を非常停止させるための非常停止ボタン27
が配設されている。また、かしめ装置1の上部には、か
しめ作業が正常に完了した場合に点灯して、その旨を知
らせるランプ28が設けられている。更に、一対のかし
めアームの下アーム部分14,14の間のスペース16
には、かしめ装置1のフランジ付きワーク90に対する
位置決めを行う位置決め手段75(詳細については、後
述する)が配設されている。
【0026】フランジ付きワーク90は、かしめ装置1
において、クランプ手段30とワーク押さえ手段40と
の間に挟まれた状態に保持される。クランプ手段30
は、基板2,2に取り付けられたヒンジピン34に回動
自在に支持され且つ先端部35にクランプ部33を備え
たクランプアーム31,31と、クランプアーム31,
31を揺動させるために基板2,2に設けられたクラン
プアクチュエータ32,32とから構成されている。各
クランプアクチュエータ32は、シリンダの一端が基板
2,2にヒンジピン37aによって回動自在に支持さ
れ、ピストンロッド38の先端がクランプアーム31の
基端部36に枢着されている。各クランプアクチュエー
タ32はエアで作動するアクチュエータであり、クラン
プアクチュエータ32が作動すると、ピストンロッド3
8の先端でクランプアーム31の基端部36を押し下
げ、クランプアーム31をヒンジピン34の回りに回動
させて、先端部35に設けられたクランプ部33を内方
且つ上方に変位させて、フランジ付きワーク90をワー
ク押さえ手段40との間に挟み込んで保持する。かしめ
手段10とクランプ手段30とは、基板2,2間に配設
されており、かしめ爪13、13の作動方向とクランプ
部33の揺動方向は同じ方向に揃えてある。また、かし
め装置1に備わるアクチュエータとしては、かしめ用及
び押さえプレートの戻止め用のアクチュエータは油圧式
アクチュエータであるが、その他のアクチュエータは、
すべてエア式のアクチュエータである。
【0027】図3を参照して、クランプ手段30及びワ
ーク押さえ手段40の一例について説明する。図3に
は、フランジ付きワーク90、クランプ手段30(右側
のみを示し左側を省略する)及びワーク押さえ手段40
のみが取り出して図示されている。図3においては、フ
ランジ付きワーク90のワーク押さえ手段40対する当
接状態が実線で示され、クランプ手段30によるクラン
プ状態が想像線で示されている。クランプ手段30につ
いては、非クランプ位置にある状態が実線で、クランプ
位置にある状態が想像線で示されている。
【0028】クランプ手段30のクランプ部33は、フ
ランジ付きワーク90に向かう側を階段状に形成されて
おり、上方の階段が、この例で適用されるフランジ付き
ワーク90に備わるフランジ92の下面に当接する第1
基準座39aであり、下方の階段が、後述する別の機種
のフランジ付きワークで使用される第2基準座39bで
ある。クランプ部33は、第1基準座39a及び第2基
準座39bの外に、端面39c、第1及び第2基準座3
9a.39bに直交状態に接続される側面39d及び3
9eを備えている。フランジ付きワーク90は、フラン
ジの先端に伸長部93を備えている。
【0029】ワーク押さえ手段40は、詳細については
後述するが、クランプ手段30でワークをクランプした
時にワークが浮き上がるのをワークのフランジ92の上
から押さえ付ける手段である。ワーク押さえ手段40
は、基本的には、押さえプレート41と、押さえプレー
ト41を下方に押圧する押さえばね43を備えている。
押さえプレート41は、押さえばね43によって上方か
ら押さえられつつ装置フレームのガイド壁44に案内さ
れて昇降可能であるが、上限ストッパ45によって上昇
を制限されていると共に下限ストッパ46によって抜け
止めされている。押さえばね43のばね力は、オペレー
タの力では押さえプレート41をばね力に抗して変位さ
せることはできないが、クランプ手段30を作動させる
クランプアクチュエータ32によるクランプ力より小さ
い値に設定されている。押さえプレート41は、クラン
プ部33の基準座39a,39bに対応し且つフランジ
付きワーク90を間に挟み込む階段構造に形成されてい
る。即ち、押さえプレート41は、クランプ部33の端
面39cに対向する第1押さえ面42a、第1押さえ面
42aと平行な第2押さえ面42b、両押さえ面42
a、42bを接続する側面42cを備えている。
【0030】クランプアーム31が非クランプ状態にあ
るときに、オペレータがかしめ装置1を下降させると、
フランジ付きワーク90のフランジ92の伸長部93の
端面が押さえプレート41の第1押さえ面42aに当接
する状態となる。フランジ92が当接状態となっている
押さえプレート41が、実線で示されている。クランプ
部33の側面39dと押さえプレート41の側面42c
との間には、フランジ92の伸長部93が嵌まるのに充
分の隙間が形成されている。押さえばね43のばね力は
オペレータの力よりも大きく設定されているので、かし
め装置1は、かしめ爪13がロックナット95に衝突す
るような異常接近をすることがない。
【0031】クランプ手段30のクランプアクチュエー
タ32が作動されて、クランプアーム31が回動し、ク
ランプ部33の第1基準座39aがフランジ付きワーク
90のフランジ92に当接する。クランプアクチュエー
タ32のピストンロッド38の進出量は、センサ47に
よって検出される。クランプアクチュエータ32の出力
は押さえばね43のばね力より大きいので、クランプア
ーム31は、フランジ92を押さえプレート41の第1
押さえ面42aとクランプ部33の第1基準座39aと
の間で挟んで保持したままフランジ付きワーク90を上
昇させ、押さえプレート41が上限ストッパ45に当接
したときクランプ動作が終了して、フランジ付きワーク
90はクランプ状態(想像線で示す)となる。このとき
の押さえプレート41は、当接を開始した位置から上昇
した想像線で示される位置を占めている。また、クラン
プアーム31はストッパ48に当接するか又はその直前
にある。クランプ状態とされているフランジ付きワーク
90に対して、かしめ爪13,13はロックナット95
のかしめ位置まで降下しており、その後の操作で、かし
め爪13,13がロクナット95にかしめ処理を施すこ
とができる。
【0032】図4を参照して、機種の異なるフランジ付
きワークに対するクランプ作動について説明する。図4
には、主としてフランジ付きワーク90,91、クラン
プ手段30及びワーク押さえ手段40が取り出して示さ
れている。この実施例が適用されるフランジ付きワーク
90,91は、大型機種ほど軸方向長さが長くなると共
にフランジ92,92aの径も大きくなるワークであ
る。図の右側は大型のフランジ付きワーク90に対する
クランプ状態を、図の左側は小型のフランジ付きワーク
91に対するクランプ状態を示している。クランプ手段
30は、クランプ位置及び非クランプ位置にある状態を
それぞれ実線又は想像線で示されている。
【0033】図4の右側に示す大型のフランジ付きワー
ク90がクランプ状態にあるとき、図3に示したよう
に、フランジ付きワーク90に備わるフランジ92は、
クランプ部33に形成されている第1基準座39aに、
下面が当接されて位置決めされており、フランジ92の
伸長部93が押さえプレート41の第1押さえ面42a
に当接している。クランプアーム31はフランジ付きワ
ーク90を押さえプレート41が上限ストッパ45に当
接してそれ以上の回動を制限されており、フランジ92
は、第1基準座39aと上限ストッパ45に当接した押
さえプレート41との間に挟み込まれて保持されてい
る。このとき、両クランプアーム31はストッパ48に
当接、又は当接直前の状態にある。
【0034】小型のフランジ付きワーク91について
は、クランプアーム31がクランプ位置にあるとき、図
4の左側に示されているように、小型のフランジ付きワ
ーク91に備わるフランジ92aの下面が下方の第2基
準座39bに当接され、フランジ92aに備わる伸長部
93aが押さえプレート41の第2押さえ面42bに当
接している。押さえプレート41は、押さえばね43に
よって下限ストッパ46に当接しており、下限ストッパ
46によって抜け止め状態にある。フランジ92aは、
第2基準座39bと第2押さえ面42bとの間に挟まれ
て保持されている。押さえばね43のばね力はオペレー
タの力よりも大きく設定されているので、かしめ爪1
3,13が小型のフランジ付きワーク91に対して衝突
するのを防止することができる。小型及び大型のフラン
ジ付きワーク90,91にいずれであっても、かしめ爪
13は、ロックナット95に対して同じかしめ高さに整
合させることができる。図示の実施例では2種類のワー
クに対した例であるが、ワークの種類が増えれば、クラ
ンプ部33の階段状の基準座を小刻みに増設する等して
対応することができる。
【0035】特に、小型のフランジ付きワーク91に関
して、かしめ手段10によってロックナット95をかし
めるときに、フランジ付きワーク91が持ち上げられ、
押さえプレート41が押さえばね43に抗して浮き上が
る現象が生じることがある。この現象に対処するため、
図5又は図6に示す対策が講じられる。図5は、ワーク
押さえ手段40の押さえプレート41がかしめ時の反力
によって浮き上がるのを防止する機械的な浮上がり防止
機構の一例を示す概略図である。浮上がり防止機構50
は、押さえプレート41の上方に延びて装置フレームに
案内される軸部51に形成した切欠き52、切欠き52
に係合可能な係止具53、及び係止具53を進退作動さ
せるため係止具53が出力ロッド54の先端に設けられ
る油圧アクチュエータ55から構成される。切欠き52
は上方へ向かうほど浅くなる傾斜面に形成されており、
係止具53には切欠き52の傾斜面に対応した傾斜面が
形成されている。フランジ付きワーク91がクランプ部
33と押さえプレート41との間にクランプされ、かし
め行程が開始される前に、油圧アクチュエータ55が作
動して係止具53が切欠き52に係合される。かしめ行
程に伴って押さえプレート41が浮き上がろうとして
も、切欠き52に係合した係止具53がその動きを阻止
する。
【0036】図6は、押さえプレート41の浮き上がり
を防止する浮上がり防止機構の別の例を示す概略図であ
る。図6に示す浮上がり防止機構56では、押さえプレ
ート41の上方に延びる軸部51に、可変圧力式油圧ア
クチュエータ57のピストンロッド58が連結されてい
る。可変圧力式油圧アクチュエータ57の油圧力は、か
しめ行程の当初には低い値に設定されている。かしめ行
程中に基準座が動くと図示しないコントローラの制御が
働き、可変圧力式油圧アクチュエータ57の油圧力が高
められる。高い油圧力により、ロックナット95のかし
めに起因して生じる押さえプレート41の動きが抑えら
れる。なお、油圧シリンダ57の油圧力は、クランプア
クチュエータ32によって押さえプレート41が変位し
ようとする力以下に設定されている。
【0037】フランジ付きワーク用ロックナットのかし
め装置に用いられるワーク押さえ手段の別の例が、図8
及び図9に示されている。図8はワーク押さえ手段を含
むフランジ付きワークのためのかしめ装置の要部を示す
正面図、図9は図8に示すかしめ装置の要部の下面図で
ある。図1〜図4に示した実施例で用いられた構成要素
及び部位と同等の構成要素及び部位には同じ符号を付す
ことにより、再度の説明を省略する。図8において、右
側の図は、大型のフランジ付きワークがワーク押さえ手
段に当接している状態を示しており、左側の図は小型の
フランジ付きワークがワーク押さえ手段に当接している
状態を示している。
【0038】ワーク押さえ手段60は、フランジ付きワ
ーク90,91と装置フレームである基板2,2にそれ
ぞれ取り付けられている押さえプレート41との間にス
ペーサ70を介在自在としたものである。ワーク押さえ
手段60は、基板2,2に取り付けられた一対の支持枠
体61に設けられている横軸62に対してシリンダ側が
揺動可能に配設されている切換えアクチュエータ63を
備えている。切換えアクチュエータ63のピストンロッ
ド64の先端には、支持枠体61に設けられた固定ヒン
ジピン65に対して回動自在に設けられたクランク66
の一方のアーム67が枢着されている。クランク66の
他方のアーム68は屈曲した先端部69に当接部分71
を取り付けることにより、スペーサ70が形成されてい
る。スペーサ70は、フランジ付きワーク90,91に
当接する当接部分71がねじ72でアーム68の先端部
69に取替え可能に取り付けられている。ワーク押さえ
手段60のスペーサ70がフランジ付きワーク90,9
1に対して進退する方向は、かしめ手段10及びクラン
プ手段30がフランジ付きワーク90,91に対して進
退する方向と直交する方向に設定されている。
【0039】大型のフランジ付きワーク90をクランプ
手段30(図8及び図9には図示せず)でクランプする
場合には、ワーク押さえ手段60は、切換えアクチュエ
ータ63を非作動状態としてピストンロッド64を後退
させ、クランク66を押さえプレート41から離反した
非作動位置にもたらす。大型のフランジ付きワーク90
は、フランジ92が押さえプレート41に直接当接した
状態でクランプ手段30との間でクランプされる。一
方、小型のフランジ付きワーク91をクランプする場合
には、ワーク91のかしめ装置1への取付け前に、切換
えアクチュエータ63を予め作動させて、ピストンロッ
ド64が進出してクランク66を回動し、その結果、ス
ペーサ70は押さえプレート41に当接する作動位置に
もたらされる。小型のフランジ付きワーク91は、フラ
ンジ92がスペーサ70を介して押さえプレート41に
当接する状態で、クランプ手段30によってクランプさ
れる。スペーサ70の厚さは、フランジ付きワーク9
0,91のロックナット95から各フランジ92までの
距離の差に相当しているので、大型又は小型のフランジ
付きワーク90,91のいずれがクランプされる場合で
も、かしめ手段10に対するロックナット95の位置は
常にかしめ作業に適切となる一定の位置となる。
【0040】位置決め手段75は、図3に示すように、
一対のかしめ爪13,13の間に形成されるスペース1
6において、一対のかしめ爪13,13と整列した位置
に配設されている。位置決め手段75は、スプリングに
よって付勢されて昇降可能な検知ピン76と、検知ピン
76を昇降させるエア式アクチュエータ(図示せず)と
から構成される。図7は、位置決め手段75の作動を説
明する図である。図7に示すように、ロックナット95
が螺合されるねじ部96には、直径方向に離れて一対の
かしめ溝97が形成されている。オペレータがハンドグ
リップ6を操作してかしめ装置1の位相姿勢を調節する
ことで、エア式アクチュエータで下降される検知ピン7
6がねじ部96に形成されている一方のかしめ溝97内
に入り込むことを目視にて又は位置決め手段75が回動
不能になることで確認し、検知ピン76がかしめ溝97
に入って止まった位置をかしめ位相位置として、かしめ
装置1はフランジ付きワーク90(91)に対して正確
に位相位置決めされる。位置決めが確認された検知ピン
76は、かしめ爪13,13によるかしめ行程移行の前
に、アクチュエータを作動させて引き上げられる。フラ
ンジ付きワークの大小に関わらず同一のかしめ装置1で
扱うと、クランプ手段30、102を機種ごとにセレク
タスイッチで使い分けることになる。クランプ手段3
0、102を間違って選択する、即ち、小型のフランジ
付きワーク91を大型のフランジ付きワーク90である
と誤認識するとかしめ爪13,13がロックナット95
に衝突して破損する虞れがあるが、検知ピン76の降下
量を検出することにより、かしめ爪の破損を事前に回避
することができる。フランジ付きワーク90,91に対
するかしめ装置1の位相合わせは、熟練を要する作業で
あるが、このかしめ装置1によれば、ある程度簡単に作
業をすることができる。
【0041】以下、図10に示すフローを参照しなが
ら、フランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置1
の作動について説明する。図10は、フランジ付きワー
ク用ロックナットのかしめ装置1の作動手順を示す作業
フローを示す図である。かしめ装置1にはワーク押さえ
手段60が備わっているとする。かしめ装置1は、車両
の後車軸の組立ラインにおいて、吊下げ用のアイボルト
5,5にワイヤを掛けてバランサと釣り合わされた状態
に吊り下げられている。オペレータは、コンベヤで搬送
されてきたフランジ付きワーク(90又は91)のサイ
ズ等の機種を判別認識し、切換えアクチュエータ63を
機種変更に対応して切換え操作する。小型のフランジ付
きワーク91に対しては、スペーサ70を装置フレーム
に備わる押さえプレート41とフランジ92との間に介
在させる。切換え操作が完了したかしめ装置1を、ハン
ドグリップ6,6を操作して仮セットすることにより、
フランジ付きワーク90(91)を浮き上がりを抑えた
状態とする(ステップ1)。
【0042】オペレータがかしめ装置1を軽く下方へ押
さえた状態で回動することにより、かしめ装置1に備わ
る位置決め手段75のフランジ付きワーク90(91)
に対する位相が整合される(ステップ2)。位置決め手
段75の検知ピン76がねじ部96に予め形成されてい
るかしめ溝97(図7参照)に入り込むことにより、位
置決め手段75の回転が不可能になる。この位置で、フ
ランジ付きワーク90(91)に対するかしめ装置1の
回転方向の姿勢(位相)が所定の姿勢に整合され、かし
め手段10のかしめ爪13,13の作動位置がねじ部9
6に形成されているかしめ溝97,97に対応する。か
しめ装置1は、フランジ付きワーク90の位置決めまで
の行程がマニュアル行程であり、位置決め完了後のクラ
ンプ及びかしめの作動がシーケンサで自動的に行われる
ことから、半自動化されている。
【0043】オペレータは、フランジ付きワーク90
(91)のフランジ92の上面を、その機種に応じて、
かしめ装置1のワーク押さえ手段40,60に当接させ
る(ステップ3)。即ち、大型のフランジ付きワーク9
0については押さえプレート41に直接に当接させ、小
型のフランジ付きワーク91についてはスペーサ70を
介して押さえプレート41に当接させる。オペレータ
は、フランジ付きワーク90(91)の位置決めが完了
したか否かを判断し(ステップ4)、フランジ付きワー
ク90(91)の位置決めが完了していれば、オペレー
タは、両手で操作ボタン26,26を同時にオン作動さ
せることにより、クランプ手段30を作動させる(ステ
ップ5)。クランプアクチュエータ32は前進作動して
(ステップ6)、クランプ手段30の閉じ動作によりフ
ランジ付きワーク90(91)のフランジ92をワーク
押さえ手段40,60との間で挟み込んで保持する。
【0044】クランプアクチュエータ32が所定の前進
位置まで前進したか否かを判断するため、クランプアク
チュエータ32の所定の前進位置に対応して配設されて
いる前進限スイッチ(近接スイッチ)47がオン作動し
たか否かが判断される(ステップ7)。前進限スイッチ
47がオン作動した場合には、次のかしめ作業に移行す
る前にねじ部96のかしめ溝97に係合している検知ピ
ン76を後退させるため、位置決めアクチュエータが後
退作動される(ステップ8)。位置決めアクチュエータ
が所定の後退位置まで後退したか否かを判断するため、
所定の後退位置に対応して配設されている後退限スイッ
チ(図示せず)がオン作動したか否かが判断される(ス
テップ9)。
【0045】位置決めアクチュエータが所定の後退位置
まで後退した場合には、かしめ用の油圧アクチュエータ
20を作動させる(ステップ10)。油圧アクチュエー
タ20が所定の前進位置まで前進したか否かを判断する
ため、油圧アクチュエータ20所定の前進位置に対応し
て配設されている前進限スイッチ(図示せず)がオン作
動したか否かが判断される(ステップ11)。前進限ス
イッチがオン作動すれば、油圧アクチュエータ20が所
定の前進位置まで前進しており、かしめ爪13,13に
よるロックナット95のかしめ動作が終了している。か
しめ動作が終了しているので、油圧アクチュエータ20
が後退作動される(ステップ12)。油圧アクチュエー
タ20が所定の後退位置まで後退したか否かを判断する
ため、油圧アクチュエータ20の所定の後退位置に対応
して配設されている後退限スイッチ(図示せず)がオン
作動したか否かが判断される(ステップ13)。
【0046】後退限スイッチがオン作動した場合には、
油圧アクチュエータ20が所定の後退位置まで後退して
おり、その状態で位置決めアクチュエータを1サイクル
作動させて(ステップ14)、検知ピン76をかしめ溝
97に進出させた後、後退する。位置決めアクチュエー
タが一旦、所定の前進位置まで前進したか否かを判断す
るため、位置決めアクチュエータの所定の前進位置に対
応して配設されている前進限スイッチがオン作動したか
否かが判断される(ステップ15)。かしめが正常に施
されていれば、ロックナット95の塑性変形部分で埋ま
っているかしめ溝97内を検知ピン76は降下できない
ので、前進限スイッチはオンにならない。逆に、前進限
スイッチがオンになる場合には、かしめ処理が不完全で
ある。
【0047】いずれの場合も、クランプアクチュエータ
32が後退作動され(ステップ16)、後退限スイッチ
がオン作動するか否かによってクランプアクチュエータ
32が所定の後退位置まで後退したか否かが判断される
(ステップ17)。ステップ15での前進限スイッチが
オンにならず且つクランプアクチュエータ32が所定の
後退位置まで後退して後退限スイッチがオン作動したと
きには、作業ランプ28が点灯する(ステップ18)
が、ステップ15での前進限スイッチがオンになり且つ
クランプアクチュエータが所定の後退位置まで後退して
後退限スイッチがオン作動したときには、作業ランプ2
8が点灯しない(ステップ19)。作業ランプ28の点
灯、不点灯にかかわらず、タイマ(図示せず)が作動し
(ステップ20)、位置決めアクチュエータが再度、前
進限位置に前進作動して(ステップ21)、前進限スイ
ッチがオンになるか否かが判断される(ステップ2
2)。前進限スイッチがオンになれば、次のフランジ付
きワーク90(91)のかしめ作業の待機状態となる
(ステップ23)。なお、ステップ4、ステップ7、ス
テップ9、ステップ11、ステップ13及びステップ2
2における各判断結果がNOとなった場合には、かしめ
作業のサイクルを中断して原位置に復帰する。
【0048】
【発明の効果】この発明によるフランジ付きワーク用ロ
ックナットのかしめ装置は、上記のように構成されてい
るので、次のような効果を奏する。即ち、このかしめ装
置によれば、フランジ付きワークのフランジ上端面に基
準座を採らず、クランプ部の段差面で基準座を採ってフ
ランジ付きワークを固定する構造としたので、ワークに
係合するワーク押さえ手段の変更を行うのみで、フラン
ジ付きワークの大小に関わらずかしめ位置が同じにな
り、同じかしめ装置によってロックナットのかしめを施
すことができる。したがって、フランジ付きワークが車
両のリヤアクセルに用いられるフランジジョイントであ
る場合には、フランジ付きワークの組立ラインにおい
て、かしめ装置の種類を増加させることがなく、設備コ
ストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるフランジ付きワーク用ロックナ
ットのかしめ装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1に示すフランジ付きワーク用ロックナット
のかしめ装置の側面図である。
【図3】図1に示すフランジ付きワーク用ロックナット
のかしめ装置のクランプ手段とワーク押さえ手段との一
例を示す概略図である。
【図4】大きさの異なる二つのフランジ付きワークに対
するクランプ手段とワーク押さえ手段との動作を説明す
る説明図である。
【図5】この発明によるフランジ付きワーク用ロックナ
ットのかしめ装置において、ワーク押さえ手段の浮上り
を防止する浮上がり防止機構の一例を示す概略図であ
る。
【図6】この発明によるフランジ付きワーク用ロックナ
ットのかしめ装置において、ワーク押さえ手段の浮上り
を防止する浮上がり防止機構の別の例を示す概略図であ
る。
【図7】この発明によるフランジ付きワーク用ロックナ
ットのかしめ装置における位置決め手段を説明する概略
図である。
【図8】この発明によるフランジ付きワーク用ロックナ
ットのかしめ装置に用いられるワーク押さえ手段の別の
例を含む、フランジ付きワークのためのかしめ装置の要
部を示す正面図である。
【図9】図8に示すワーク押さえ手段を含むフランジ付
きワークのためのかしめ装置の要部を示す下面図であ
る。
【図10】この発明によるフランジ付きワーク用ロック
ナットのかしめ装置1の作動手順を示す作業フローを示
す図である。
【図11】ロックナットをかしめる従来のフランジ付き
ワーク用ロックナットのかしめ装置の概略図である。
【図12】車両のエンジン駆動力を後駆動輪に伝達する
従来のファイナルギヤの一部を断面で示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 フランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置 2 基板 10 かしめ手段 11 かしめアーム 13 かしめ爪 20 油圧アクチュエータ 22 カムプレート 30 クランプ手段 31 クランプアーム 32 クランプアクチュエータ 33 クランプ部 39a,39b 基準座 40,60 ワーク押さえ手段 41 押さえプレート 42a、42b 押さえ面 43 押さえばね 50,56 浮上がり防止機構 52 切欠き 53 係止具 55 油圧アクチュエータ 57 可変圧力式油圧アクチュエータ 63 切換えアクチュエータ 70 スペーサ 75 位置決め手段 76 検知ピン 90,91 フランジ付きワーク 92,92a フランジ 95 ロックナット 96 ねじ部 97 かしめ溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付け部材のねじ部にロックナットを螺
    合することにより前記取付け部材に対して締結されたフ
    ランジ付きワークのフランジが当接されるワーク押さえ
    手段、前記ワーク押さえ手段との間に前記フランジを挟
    み込むことにより前記フランジ付きワークを保持するク
    ランプ手段、前記ロックナットが前記ねじ部に対して緩
    むのを防止するため、及び前記ワーク押さえ手段と前記
    クランプ手段との間に保持された状態の前記フランジ付
    きワークを前記取付け部材に対して締結している前記ロ
    ックナットの一部を前記ねじ部に形成されている凹部に
    かしめるかしめ手段を具備し、機種の異なる前記フラン
    ジ付きワークに対する前記かしめ手段による前記ロック
    ナットのかしめ位置を一定位置に維持するため、前記ク
    ランプ手段のクランプ部には、前記フランジ付きワーク
    の機種に応じて前記フランジが選択的に位置決めされる
    複数の段状の基準座が形成されていることから成るフラ
    ンジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプ手段の前記クランプ部に形
    成されている前記基準座は、前記フランジのクランプ状
    態において、大型の機種の前記フランジ付きワークに対
    する前記基準座ほど、前記かしめ位置から径方向及び軸
    方向に遠い位置に形成されていることから成る請求項1
    に記載のフランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ワーク押さえ手段は、前記フランジ
    付きワークを前記クランプ手段に向かう方向に進退可能
    な押さえプレートと、前記押さえプレートを前記クラン
    プ手段に向かって付勢する押圧手段とから構成されてい
    ることから成る請求項1又は2に記載のフランジ付きワ
    ーク用ロックナットのかしめ装置。
  4. 【請求項4】 前記ワーク押さえ手段は装置フレームと
    前記フランジとの間に介装され且つ前記フランジ付きワ
    ークの機種に応じて厚さが設定されているスペーサであ
    ることから成る請求項1又は2に記載のフランジ付きワ
    ーク用ロックナットのかしめ装置。
  5. 【請求項5】 前記ワーク押さえ手段は、シリンダ側が
    装置フレームに保持されており、ピストン進出量が前記
    フランジ付きワークの機種に応じて設定される流体圧ア
    クチュエータであることから成る請求項1又は2に記載
    のフランジ付きワーク用ロックナットのかしめ装置。
  6. 【請求項6】 前記ワーク押さえ手段は、前記かしめ手
    段のかしめ作動時に浮き上がるのを防止する浮上がり防
    止機構を備えていることから成る請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載のフランジ付きワーク用ロックナットのか
    しめ装置。
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